JP3615436B2 - 高周波加熱装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高周波加熱装置に関し、特に、マイクロ波を加熱室内にまんべんなく供給するための回転アンテナを備える高周波加熱装置に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
図8は、従来の高周波加熱装置の一例である電子レンジ200の全体構成を概略的に示す正面断面図である。図8を参照して、電子レンジ200は、外装パネル222と、被加熱物217を収容する加熱室211と、被加熱物217を載置するテーブル219と、テーブル219に取付けられた回転軸220と、回転軸220を回転する回転モータ221とを備えている。
【0003】
さらに図8を参照して、従来の電子レンジ200は、高周波発振器の一例であるマグネトロン216およびマグネトロンアンテナ215と、導波管210と、放射アンテナ支持板214に固定された放射アンテナ213とを備えている。
【0004】
電子レンジ200は、加熱室211の側壁212に設けられた給電口223に面して導波管210を備えている。導波管210は、加熱室211の方向に円錐台形状に広がり、その一側面には、マグネトロン216が取付けられている。
【0005】
マグネトロン216は、高周波発振用の電子管の一種であり、マイクロ波を発生させる。マグネトロンアンテナ215は、導波管210の一側面から導波管210内に突出した円筒状のアンテナである。放射アンテナ213は、マグネトロンアンテナ215の周囲に配置された円形平板状のアンテナである。放射アンテナ213は、加熱室211に供給するマイクロ波を拡散させ、その広がりを大きくするために、設けられている。
【0006】
図8に示す電子レンジ200において、導波管210は、加熱室211に近づくにつれてその断面積が大きくなるような円錐台形状を有している。これは、マグネトロンアンテナ215付近と加熱室211とのインピーダンス整合を図り、電子レンジ200における加熱効率を向上させるためである。
【0007】
しかしながら、図8に示すような導波管210では、ほぼ全体にわたって、マグネトロン216の発生させるマイクロ波の進行方向に垂直な断面の面積が変化している。このため、マグネトロン216と導波管210の位置関係が、上記のインピーダンス整合に大きく影響することになる。すなわち、図8の電子レンジ200では、マグネトロン216の取付位置の誤差により、その加熱性能が影響を受け、その加熱性能が安定しない、という問題があった。
【0008】
また、従来の高周波加熱装置には、図8の電子レンジ200に、衛生上の理由等から、放射アンテナ213と加熱室211との間に、給電口223を覆うカバー(図8では省略)をさらに備えさせたものがあった。なお、このカバーは、通常、マイカ板等のマイクロ波を通す材料から構成されていた。
【0009】
しかしながら、このようなカバーは、不透明であったため、放射アンテナ213が回転していなくとも、ユーザがそれに気づかずに、当該装置を運転させることがあった。
【0010】
つまり、このようなタイプの高周波加熱装置でも、放射アンテナ213が回転していなくても、そのことが認識されずに運転されることがあったため、放射アンテナ213の回転の有無によって加熱性能が影響を受け、その加熱性能が安定しない、という問題があった。
【0011】
以上説明した従来の高周波加熱装置では、いずれも、加熱むらを抑えるために放射アンテナを備えているにもかかわらず、肝心の、高周波発振器による加熱についての加熱性能が安定しないという問題があった。
【0012】
本発明は、かかる実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、放射アンテナを備えながら、加熱性能の安定した、高周波加熱装置を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかる高周波加熱装置は、マイクロ波を発生させることにより、被加熱物を加熱する高周波発振器と、被加熱物を収容する加熱室と、前記高周波発振器が発振したマイクロ波を拡散させる放射アンテナと、前記高周波発振器が発生させたマイクロ波を前記加熱室に導く導波管とを含み、前記導波管は、一端が前記高周波発振器に接続され、マイクロ波の伝播についてインピーダンスの変化しない第1の部分と、前記第1の部分の他端と前記加熱室に接続され、前記第1の部分との接続部分から前記加熱室との接続部分に向けて、マイクロ波の伝播についてインピーダンスが、前記第1の部分のインピーダンスに近いものから前記加熱室のインピーダンスに近いものに変化する第2の部分とを有し、さらに前記第1の部分には、横長の板状形状の反射板を、該反射板の長手方向が前記第1の部分の断面の長辺方向に沿うように配置することを特徴とする。
【0014】
請求項1に記載の発明によると、高周波発振器は、導波管のインピーダンスの変化しない第1の部分に接続され、かつ、導波管は、高周波発振器と加熱室のインピーダンス整合を図ることができる第2の部分を有することになる。
【0015】
これにより、高周波発振器の取付位置が多少ずれても、高周波加熱装置における加熱性能に影響を与えることはない。また、第2の部分でインピーダンス整合が図れるため、高周波加熱装置において、高周波発振器において発生するマイクロ波の、高周波発振器に反射する割合を下げることができる。したがって、高周波加熱装置において、放射アンテナを用いて加熱むらを抑えつつ、加熱性能を安定させ、さらに、加熱効率を向上させることができる。
【0016】
また、より効果的に、導波管と加熱室のインピーダンス整合を図ることができ、高周波 発振器が発生させたマイクロ波が当該高周波発振器に反射することを、極力回避することができる。したがって、高周波加熱装置において、加熱効率を向上させ、かつ、高周波発振器の損傷を抑えることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の一実施の形態を説明する。
【0018】
図1は、本実施の形態の電子レンジの分解斜視図である。なお、図1では、加熱室の内面を示すために、加熱室前に備えられたドアを省略している。
【0019】
図1を参照して、本実施の形態の電子レンジは、加熱室1を備えている。また、当該電子レンジの外殻を覆うように、外装部10が設けられている。また、電子レンジの前面の右端には、当該電子レンジを操作するための、操作パネル12および調整つまみ13が備えられている。
【0020】
図2は、図1の電子レンジの外装部10をはずした状態の右側面図である。
さらに図2を参照して、本実施の形態の電子レンジでは、加熱室1は、枠体18により、その外殻を構成されている。そして、枠体18の右側面であり、操作パネル12の後方には、マグネトロン2が取付けられている。また、本実施の形態の電子レンジは、マグネトロン2の下方に、マグネトロン2に高電圧を供給するためのトランス17を備え、マグネトロン2の後方には、マグネトロン2を冷却するためのファン14を備えている。
【0021】
加熱室1の右側の側面19には、給電口11が形成されている。マグネトロン2の発振するマイクロ波は、導波管3,給電口11を介して、加熱室1内に供給される。なお、本実施の形態の電子レンジは、加熱室1内にまんべんなくマイクロ波を供給するために、放射アンテナ5を備えている。
【0022】
放射アンテナ5は、給電口11に取付けられる。なお、本実施の形態では、放射アンテナ5を覆うカバー15が、放射アンテナ5とユニット化されて、加熱室1の側面19に、取付けられる。
【0023】
放射アンテナ5は、円形の外枠と、中心から6枚の板体の延びる本体部分とからなる。なお、本体部分の中心から延びる6枚の板体には、それぞれ、羽根部50が取付けられている。羽根部50は、上記の板体に対して、ほぼ垂直に取付けられている。
【0024】
放射アンテナ5は、その中央部に孔が形成されている。また、カバー15は、その中央部に、取付軸15aを有している。そして、取付軸15aに、座金5a,放射アンテナ5の中央部の孔,座金5b,止め座金5cを順に嵌め込むことにより、放射アンテナ5とカバー15をユニット化することができる。そして、ユニット化された後、カバー15を、側面19に取付けることにより、放射アンテナ5とカバー15は、側面19に取付けられる。ここで、カバー15は、その外周部に設けられたつめを、側面19に設けられた取付け角窓に挿入することにより、側面19に取付けられる。なお、カバー15は、側面19にネジ止されることにより、側面19に取付けられてもよい。このように、本実施の形態では、放射アンテナ5を、カバー15とユニット化して側面19に取付けることができるため、放射アンテナ5の取付けが、より容易になる。
【0025】
なお、放射アンテナ5は、後述する機構により、回転させることができる。そして、本実施の形態の電子レンジでは、マグネトロン2による加熱調理の際に、放射アンテナ5を回転させて、マイクロ波を、加熱室1内に、より拡散させて供給しようとしている。カバー15は、たとえばポリサルフォンのような、透明で、かつ、マイクロ波を透過させる物質より構成される。これにより、放射アンテナ5が回転すべき時に回転していなかったり、破損していたりした場合、ユーザは、それを視認し、早期に、放射アンテナ5の修理等をすることができる。
【0026】
マグネトロン2は、その前方にダクト16が取付けられ、その後方に風誘導部材4が取付けられている。ファン14において発生する風は、風誘導部材4により、マグネトロン2に導かれた後、ダクト16内を通って、加熱室1内に導かれる。枠体18の、ダクト16に覆われた部分には、吸気孔(後述する吸気孔22)が形成されている。
【0027】
図3は、マグネトロン2がどのように枠体18に取付けられるかを説明するための、枠体18およびマグネトロン2の側面図である。マグネトロン2は、枠体18の右側面に取付けられている。マグネトロン2の下には、導波管3が取付けられている。導波管3は、直方体である矩形部31と、円錐台形の円形部32とを含む。
【0028】
図4は、導波管3の構造を説明するための、枠体18,放射アンテナ5,マグネトロン2および導波管3の正面図である。
【0029】
マグネトロン2は、その下部に、マグネトロンアンテナ21を備えている。そして、マグネトロンアンテナ21は、矩形部31内に、配置されている。そして、マグネトロンアンテナ21から発振させるマイクロ波は、矩形部31,円形部32を順に通って、加熱室1に供給される。つまり、図4では、マイクロ波は、マグネトロンアンテナ21を起点に、右から左に、伝播する。
【0030】
矩形部31は、マイクロ波の伝播に際して、インピーダンスが変化しない。すなわち、矩形部31は、直方体であるので、図4の左右方向には、紙面に垂直な断面についての面積は変化しない。これにより、マグネトロン2の取付位置が多少ずれても、導波管3と加熱室1のインピーダンス整合に影響を及ぼすことがない。
【0031】
一方、円形部32は、その一端を矩形部31に接続され、他端を加熱室1(枠体18)に接続されている。円形部32は、図4の右から左にいくほど、その断面積が広くなるような構造を有している。つまり、円形部32は、図4の右から左にいくほど、そのインピーダンスが、矩形部31に近いものから、加熱室1に近いものに変化することになる。
【0032】
放射アンテナ5は、円形部32の中に、位置している。また、円形部32の側面の上部には、図4の奥側と手前側に、それぞれ、複数の孔が形成されている。そして、ファン14から送られる風は、円形部32の奥側の孔から、円形部32内に導入され、放射アンテナ5の羽根部50にあたって、放射アンテナ5を回転させた後、円形部32の手前側の孔から円形部32外に排出される。
【0033】
また、本実施の形態の電子レンジでは、図4に示すように、矩形部31の高さ中心と、放射アンテナ5の回転中心の高さ位置は、ずれている。具体的には、矩形部31の高さ中心は、放射アンテナ5の回転中心の高さ位置よりも、高い所に位置している。これにより、マグネトロンアンテナ21から矩形部31を介して供給されるマイクロ波は、放射アンテナ5のより外周部分に、すなわち、放射アンテナ5が回転した場合、より単位時間あたりの移動量が多い場所に、多く誘導される。これにより、放射アンテナ5は、より激しく、加熱室1にマイクロ波を拡散させて供給できる。したがって、本実施の形態の電子レンジにおける加熱むらを、より確実に抑制できる。つまり、本実施の形態では、矩形部31の、放射アンテナ5と対向する端部(図4であれば左端)により、導波管の中の放射アンテナに対向する部分である対向部が構成されている。
【0034】
再び図2を参照して、上記したように、風誘導部材4は、ファン14から送られる風を、マグネトロン2に導く。その一方、風誘導部材4は、ファン14から送られる風を、放射アンテナ5に導くこともできる。ここで、風誘導部材4の構造を説明する。図5は、風誘導部材4の斜視図である。
【0035】
風誘導部材4は、主に、上部にある上誘導板41と、下部にある下誘導板43と、上誘導板41と下誘導板43とをつなぐ接続枠体47とからなる。下誘導板43は、ファン14の上部と対向し、垂直方向よりも少し、左上から右下に延びるような、傾斜を有した面で構成されている。下誘導板43上には、ファン14の外側から中心に向かうような傾斜を有した面を有する、振分け部材42が備えられている。また、上誘導板41と下誘導板43との間には、分離板44が設けられている。分離板44により、上誘導板41と下誘導板43の間の空間は、マグネトロン2につながるマグネトロン導入口45と、円形部32および放射アンテナ5につながる放射アンテナ導入口46に、区分けされる。そして、ファン14から送られる風は、下誘導板43上で、振分け部材42により、マグネトロン導入口45または放射アンテナ導入口46に導かれる。これにより、ファン14から送られる風によって、マグネトロン2を冷却することもできるし、放射アンテナ5を回転させることもできる。
【0036】
図6は、加熱室1の右側の側面19の正面図である。つまり、図6は、加熱室1の内部から側面19を見た図である。
【0037】
本実施の形態の電子レンジの前面(図6では右方)には、加熱室1を覆うドア9が設けられている。また、側面19には、ダクト16(図2参照)に対応する部分に、吸気孔22が形成されている。なお、図6では、放射アンテナ5は破線で記載されているが、実際には、カバー15が透明であるため、加熱室1の内部から放射アンテナ5は、視認可能である。
【0038】
円形部32の矩形部31との接続面には、その中央よりも上方に、開口32aが形成されている。なお、開口32a内には、矩形部31に備えられた反射板33が見える。ここで、反射板33の構成について説明する。図7に、マグネトロン2,導波管3の断面図を示す。図6および図7を参照して、矩形部31内部の上面および下面には、反射板33,34が備えられている。反射板33,34は、いずれも、水平方向に長辺を有する、つまり、横長(特に図6参照)の板状形状を有している。ここで、矩形部31も、その断面が、横長の長方形となっている。これにより、本実施の形態では、反射板の長手方向は、導波管の断面である長方形の長辺の方向に沿っていることになる。
【0039】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態の電子レンジの分解斜視図である。
【図2】図1の電子レンジの外装部をはずした状態の右側面図である。
【図3】図1の電子レンジの枠体およびマグネトロンの側面図である。
【図4】図1の電子レンジの枠体,放射アンテナ,マグネトロンおよび導波管の正面図である。
【図5】図2の風誘導部材の斜視図である。
【図6】図1の電子レンジの加熱室の右側の側面の正面図である。
【図7】図1の電子レンジのマグネトロン,導波管の断面図を示す。
【図8】従来の高周波加熱装置の一例である電子レンジの全体構成を概略的に示す正面断面図である。
【符号の説明】
1 加熱室、2 マグネトロン、3 導波管、4 風誘導部材、5 放射アンテナ、14 ファン、21 マグネトロンアンテナ、31 矩形部、32 円形部、33 反射板。
Claims (1)
- マイクロ波を発生させることにより、被加熱物を加熱する高周波発振器と、
被加熱物を収容する加熱室と、
前記高周波発振器が発振したマイクロ波を拡散させる放射アンテナと、
前記高周波発振器が発生させたマイクロ波を前記加熱室に導く導波管と、を備え、
前記導波管は、
一端が前記高周波発振器に接続され、マイクロ波の伝播についてインピーダンスの変化しない断面が横長の長方形の第1の部分と、
前記第1の部分の他端と前記加熱室に接続され、前記第1の部分との接続部分から前記加熱室との接続部分に向けて、マイクロ波の伝播についてインピーダンスが、前記第1の部分のインピーダンスに近いものから前記加熱室のインピーダンスに近いものに変化する第2の部分とを有し、
さらに前記第1の部分には、横長の板状形状の反射板を、該反射板の長手方向が前記第1の部分の断面の長辺方向に沿うように配置することを特徴とする高周波加熱装置。
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