JP3620712B2 - 耐燃料油性に優れた加硫ゴム製品の製造法 - Google Patents
耐燃料油性に優れた加硫ゴム製品の製造法 Download PDFInfo
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Description
【技術分野】
本発明は、耐燃料油性に優れた加硫ゴム製品の製造法に係り、特に、ガソリン燃料油やアルコール混合燃料油等の燃料油が蒸気等として存在する雰囲気中での耐界面剥離性に優れた、燃料系装置等に好適に用いられる加硫ゴム製品に関するものである。
【0002】
【背景技術】
従来から、鉄鋼材等の剛性を有する部材に対して、柔軟性や弾力性と共に、粘弾性、緩衝性等に優れた特性を有するゴム部材が本体ゴムとして一体的に加硫接着されたゴム製品は、各種の分野において、広く用いられてきている。例えば、自動車等の車両や機械設備等においては、振動或いは衝撃伝達系の部材間に介装されて、防振性乃至は緩衝性を発揮する防振ゴムとして、そのようなゴム製品が好適に採用されており、信頼性や耐久性の向上等が図られているのである。
【0003】
ところで、このようなゴム製品は、一般に、剛性部材におけるゴム部材との接着部位に、ゴム用の加硫接着剤が塗布せしめられた後、未加硫状態のゴム部材を形成し、そしてそれの加硫操作を実施すると共に、該剛性部材に該ゴム部材を加硫接着せしめることにより、それら剛性部材とゴム部材とが強固に接着されて、一体的に構成されているのである。
【0004】
しかしながら、そのように強固に接着せしめられた一体的なゴム製品であっても、それが、フューエルタンクやインテークマニホールド等の燃料系装置における、液体状乃至は蒸気状の燃料油に接触され易い部位に適用されると、かかる燃料油の作用によって、剛性部材とゴム部材との接着部が劣化せしめられて、それら剛性部材とゴム部材との界面(接着面)において、剥離が発生し易くなるという問題があった。
【0005】
【解決課題】
ここにおいて、本発明は、かかる事情を背景として為されたものであって、その解決課題とするところは、ガソリン燃料油やアルコール混合燃料油等の燃料油が蒸気等として存在する雰囲気中での耐界面剥離性、すなわち、耐燃料油性に優れた加硫ゴム製品を製造する有効な手法を提供することにある。
【0006】
【解決手段】
そして、本発明者らは、そのような課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、NBR系ゴム材料を用いて本体ゴムの成形を行ない、そしてその加硫操作を実施すると共に、所定の剛性部材に対する加硫接着を行なった後に、更に、所定の熱処理を実施することによって、それら剛性部材と本体ゴムとの接着性が効果的に向上され得ることを見出したのである。
【0007】
従って、本発明は、かかる知見に基づいて完成されたものであって、その要旨とするところは、液体状乃至は気体状の燃料油に接触せしめられる環境下に配される、自動車の燃料系装置に用いられる防振ゴムにして、NBR系ゴム材料からなる本体ゴムが所定の剛性部材に対して加硫接着せしめられてなるものを製造するに際して、該剛性部材のゴム用加硫接着剤が塗布せしめられてなる面に、NBR系ゴム材料からなる未加硫の本体ゴムを一体的に形成した後、該本体ゴムの加硫を行なうと共に、該本体ゴムの前記剛性部材に対する加硫接着を行ない、更にその後、120〜200℃の温度で熱処理を実施することを特徴とする耐燃料油性に優れた自動車の燃料系装置に用いられる防振ゴムの製造法にある。
【0008】
このように、本発明に従う耐燃料油性に優れた加硫ゴム製品の製造法にあっては、本体ゴムとして、耐油性を有するNBR系ゴム材料が用いられる一方、そのようなNBR系ゴム材料からなる本体ゴムが、その加硫操作と同時に、ゴム用の加硫接着剤が塗布せしめられた剛性部材に対して一体的に加硫接着せしめられ、更にその後において、所定の熱処理が施されていることにより、そのようにして製造されたゴム製品にあっては、ガソリンやアルコール混合燃料、ディーゼル燃料、燃料用灯油等の燃料油が接触しても、かかる燃料油によって、本体ゴム部分が膨潤してしまったり、溶解してしまう等といったゴムの性状変化の問題が惹起されることがないと共に、剛性部材と本体ゴムとの間の接着力も有利に向上せしめられ得て、それらの界面(接着層)における剥離の発生が効果的に抑制され、そしてそれによって、優れた耐燃料油性乃至は接着信頼性が充分に確保され得ることとなるのである。
【0009】
【発明の実施の形態】
ところで、かくの如き本発明に従う手法は、例えば、図1に示されるような、加硫ゴム製品としての防振ゴム10の製造に有利に適用されることとなるのである。そこにおいて、防振ゴム10は、互いに対向配置された、鉄や樹脂等からなる円盤形状を呈する板状の剛性部材12,12の間において、NBR系ゴム材料からなる厚肉円盤形状の本体ゴム14が、それら剛性部材12,12に加硫接着せしめられてなるものであって、以て、剛性部材12,12が、該本体ゴム14によって、弾性的に連結されてなる、一体的な構造を呈している。
【0010】
そして、そのような構成の防振ゴム10を製造するに際しては、先ず、剛性部材12,12の本体ゴム14との対向面(加硫接着面)に対して、所定のゴム用加硫接着剤が塗布され、そして、その剛性部材12,12のゴム用加硫接着剤が塗布せしめられてなる面に、NBR系ゴムからなる未加硫の本体ゴム14が、一体的に形成されるのである。次いで、かかる本体ゴム14の加硫操作を行なうことによって、本体ゴム14が加硫成形されると同時に、本体ゴム14と剛性部材12,12とが加硫接着せしめられることとなる。その後、更に、所定の熱処理を実施することによって、所望の特性を奏し得る防振ゴム10が形成されるのである。
【0011】
なお、この本発明に従って製造される防振ゴム10は、振動伝達系や衝撃伝達系を構成する2つの部材間に介装せしめられることにより、所期の防振乃至は緩衝性能を発揮するものであって、図1において、16は、そのような所定の2つの部材のそれぞれに、防振ゴム10の剛性部材12,12を各別に取付け、固定するための取付ボルトである。
【0012】
ここにおいて、かかる本発明手法に従う防振ゴム10の製造に際し、剛性部材12,12に対するゴム用加硫接着剤の塗布は、従来と同様にして実施されるものであって、ゴム用加硫ゴム接着剤が、一般に、本体ゴム14と剛性部材12との接着面の全面に行き渡るように塗布せしめられる。なお、そのような本体ゴム14と剛性部材12との接着のために用いられる接着剤としては、特に限定されるものではなく、従来から公知の各種のゴム用加硫接着剤、例えば、塩化ゴム系接着剤やフェノール樹脂系接着剤、イソシアネート系接着剤等の熱硬化性のゴム又は樹脂からなる接着剤が、剛性部材12,12の材質や本体ゴム14の配合組成等に応じて利用可能である。尤も、本発明において目的とする特性を確保するためには、耐油性に優れた接着剤の使用が望まれ、それらの中でも、特に、熱硬化性の塩化ゴム系接着剤やフェノール樹脂系接着剤、或いはそれらが組み合わされたものが、好適に採用されることとなる。そのようなゴム用加硫接着剤を採用することによって、本体ゴム14と剛性部材12との接着面における密着性をより一層有利に確保することが出来るからである。
【0013】
また、上記の如くして所定の加硫接着剤が塗布せしめられた剛性部材12の表面に対しては、未加硫のゴム組成物からなる本体ゴム14が一体的に形成され、そして加硫成形・加硫接着操作が実施されることとなるが、そのような加硫を行なうに際しては、一般的な各種の手法が適宜に採用され得、例えば、加硫成形金型を用いて、その成形キャビティ内の所定の位置に、所定のゴム用加硫接着剤の塗布された剛性部材12,12を配置せしめ、そして、かかる成形金型の成形キャビティ内に未加硫のNBR系ゴム材料からなるゴム組成物を充填して、本体ゴム14を所望の形状に一体的に形成した後、該本体ゴム14の加硫操作を実施することにより、加硫成形せしめると同時に、剛性部材12,12と本体ゴム14との加硫接着を行なう手法や、所定のゴム用加硫接着剤の塗布せしめられた剛性部材12,12に対して、未加硫のNBR系ゴム材料からなるゴム組成物を用いて予め所望の形状に形成された本体ゴム14を加硫接着せしめる手法等が、採用されることとなる。
【0014】
なお、かかる本体ゴム14の加硫操作における加硫条件としては、従来から一般的に採用されている時間や温度条件が適宜に採用されることとなる。尤も、一般に、レオメーター等の加硫判定試験機を用いて、ゴムの加硫度試験を行なって加硫曲線を作成した際において、最大トルクの90%に相当するトルクを与える時間:T90が、適正加硫時間とされ、本発明においても、このような適正加硫時間を採用することが、最も望ましいのであるが、本発明は、そのような適正加硫時間に何等限定されるものではなく、通常、トルクの最大値の90%を略中間とする、該最大値の75%〜100%に相当するトルクを与える時間:T75〜T100 において、加硫操作が実施されるのである。そして、このような加硫操作によって、本体ゴム14の加硫は勿論のこと、本体ゴム14と剛性部材12,12との接着も実現され得るのである。しかして、そのような加硫操作によって実現される本体ゴム14と剛性部材12,12との接着特性は、先述せるごとく、燃料油との接触状態下においては、未だ不充分であったのである。
【0015】
従って、本発明においては、目的とする優れた耐燃料油性を実現するために、上述の如き加硫操作の後に、更に、所定の熱処理を実施することとしたのである。この熱処理は、通常の加硫操作が実施された防振ゴム10を、更に、オーブン等の加熱装置内において加熱することによって、行なわれ、それによって、剛性部材12と本体ゴム14との接着が、より一層強固なものとなるのであり、以て、燃料油が接触した状態下において、本体ゴム14と剛性部材12,12との界面での剥離が、有利に阻止され得るのである。なお、そのような接着性向上のメカニズムについては、未だ明らかにされてはいないものの、かかる熱処理によって、剛性部材12と本体ゴム14との間に介在する加硫接着剤が何等かの作用を受けて、活性化せしめられ、以て、その接合性が著しく高められるものと推測されている。
【0016】
ここにおいて、そのような本発明において必要とされる熱処理に際しては、その目的を充分に達成すべく、120℃〜200℃の温度範囲が採用されることとなる。けだし、かかる温度が120℃未満である場合には、当該熱処理を実施するに見合うだけの改善効果が得られず、燃料油の接触下において、界面剥離が未だ惹起されるのであり、逆に、200℃を超えるような温度を採用すると、コストの上昇を招くばかりでなく、本体ゴム14や接着剤の劣化が惹起されることとなるからである。
【0017】
また、そのような熱処理のための処理時間としては、特に限定されるものではなく、熱処理温度に応じて適宜に設定されることとなるが、好ましくは、0.5〜48時間が採用され、これによって、特性の向上と共に、実用的な生産性が達成され得るのである。なお、かかる処理時間が0.5時間に満たない場合には、接着性の向上が有利に実現され得なくなるのであり、一方、48時間を越える場合にあっては、生産性が悪くなるのみならず、本体ゴム14や接着剤が劣化する恐れがあるからである。
【0018】
ところで、本発明において、防振ゴム10を構成する本体ゴム14を与えるゴム組成物には、ゴム材料として、耐油性に優れたNBR(アクリロニトリル・ブタジエンゴム)系ゴム材料が、特に有利にはH−NBR(水素添加NBR)材料が採用されるのであり、これによって、ガソリンやアルコール混合燃料、ディーゼル燃料、燃料用灯油等の燃料油が本体ゴム14に接触しても、本体ゴム14が膨潤したり、溶解したりするようなこと等が、極めて有利に防止され得るのである。なお、上述のゴム組成物には、NBR系ゴム材料の以外にも、防振特性及び耐久性に優れた天然ゴムや、ジエン系合成ゴム等の各種のゴム材料を、膨張等の問題のない範囲において配合することも可能である。
【0019】
また、そのようなNBR系ゴム材料に対して、従来と同様に、補強剤、軟化剤、加硫剤、加硫促進剤、加硫促進助剤、老化防止剤等の公知の各種のゴム用配合剤を、必要に応じて適宜に配合せしめることも可能である。中でも、かかるゴム用配合剤の一つである加硫剤としては、硫黄系加硫剤、過酸化物系加硫剤等の、従来からNBR系ゴムの加硫剤として公知の各種加硫剤を採用することが可能であり、そのような加硫剤が適宜に選択されて、ゴム材料の使用量に見合った適量において用いられることとなるのであるが、特にそのような加硫剤として、ジクミルパーオキサイドやジ−t−ブチルペルオキシジイソプロピルベンゼン等の過酸化物系加硫剤を採用することによって、本体ゴム14の耐ヘタリ性を改善することが可能となる。
【0020】
さらに、防振ゴム10を構成する剛性部材14としては、剛性及び耐油性を有する材質のものであれば、公知の何れのものをも採用可能であり、鉄やアルミニウム等の金属材質や樹脂材質からなるものを用いることが可能である。なお、金属材質からなる剛性部材14を採用する場合にあっては、化成皮膜処理等の、従来から公知の各種の手法にて、その耐食性が向上せしめられたものが、好適に用いられることとなることは、勿論である。
【0021】
以上のように、本発明に従って製造される防振ゴム10は、本体ゴム14として、耐油性を有するNBR系ゴム材料が用いられていると共に、それの通常の加硫後において、更に、所定の熱処理が実施されてなるものであるところから、液状乃至は気体状(蒸気)の燃料油が接触しても、そのような燃料油によって、本体ゴム14部が膨潤や溶解してしまう等といったゴムの性状変化の問題が惹起されることがないと共に、剛性部材12と本体ゴム14との接着状態も有利に確保され得て、それらの界面(接着剤層)における剥離の発生が効果的に抑制され、それによって、優れた耐燃料油性乃至は接着信頼性が効果的に実現され得ることとなるのである。
【0022】
なお、本発明手法は、金属材質や樹脂材質等の剛性を有する材質からなる部材にゴムを一体的に加硫接着せしめてなる加硫ゴム製品であれば、何れのものにも適用可能であり、その適用対象が、例示の防振ゴムに何等限定されるものではないことは、言うまでもないところである。また、そのような本発明手法にて製造される加硫ゴム製品は、特に、フューエルタンクやインテークマニホールド等の燃料系装置、言い換えれば、燃料油が蒸気等として存在する雰囲気中において、極めて有利に採用され得るものである。
【0023】
また、本発明手法を適用して防振ゴムを製造する場合にあっても、その防振ゴムの具体的構成は、例示のものに限定されるものでは決してないのであって、例えば、防振ゴム10を構成する剛性部材12が、上記円盤形状のものの他に、楕円形状や四角形、五角形等の多角形形状や、中心に向って次第に凹陥するような断面V字型形状を呈するものであっても、また、各種形状に成形されたブラケットであっても、何等差し支えなく、或いはまた、円筒型乃至はブッシュ型の防振ゴムであっても良いのである。更に、取付ボルト16も必須のものではなく、必要に応じて適宜に設けられるものである。
【0024】
【実施例】
以下に、本発明の代表的な実施例を示し、本発明を更に具体的に明らかにすることとするが、本発明が、そのような実施例の記載によって、何等の制約をも受けるものでないことは、言うまでもないところである。また、本発明には、以下の実施例の他にも、更には上記の具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良等を加え得るものであることが、理解されるべきである。
【0025】
−テストピースの作製−
先ず、JIS−K−6256−1993の「5.金属片とゴムの90度はく離試験」に規定されるテストピースを、それぞれ、作製するために、下記の如き配合組成を有するゴム組成物を準備した。なお、ゴム材料としては、水素添加アクリロニトリル・ブタジエンゴム(H−NBR)を採用する一方、ゴム用配合剤としては、加硫剤(パーオキサイド):ペロキシモンF−40(日本油脂株式会社製)、老化防止剤:ナウガード445(米国:ユニロイヤル社製)、軟化剤:チオコールTP95(米国:チオコールケミカル社製)を用いた。
H−NBR 100 重量部
カーボンブラック 50 重量部
加硫剤 6 重量部
老化防止剤 1 重量部
軟化剤 5 重量部
【0026】
次いで、金属片として脱脂処理の実施された鉄板を用い、その接着面に、フェノール樹脂系加硫接着剤を下塗りして、熱風乾燥せしめ、更に、別の塩化ゴム系加硫接着剤を上塗りして、熱風乾燥せしめた後、かかる接着剤を塗布した接着面に、上記で得られたゴム組成物からなる未加硫物を用いて、下記表1に示される加硫条件にてプレス加硫し、所定厚さの本体ゴム層を一体的に形成した後、更に表1に示される熱処理条件を採用して、所定の熱処理を実施することによって、JIS−K−6256−1993の「加硫ゴムの接着試験方法」における「5.金属片とゴムの90度はく離試験」に規定される如き、本発明例1〜5及び比較例1〜3に係るテストピースを、それぞれ作製した。なお、かかる接着面の接着面積は、25.4mm×25.4mm(1インチ×1インチ)となるようにした。また、得られたテストピースのゴム硬度(JIS A)を測定したところ、何れも、略60であった。
【0027】
そして、このようにして作製されたテストピースのうち、本発明例3〜5及び比較例3の各テストピースを、40℃に保たれた標準燃料油:Fuel Dに120時間浸漬せしめる一方、本発明例2及び比較例2のテストピースを、40℃のFuel Dの飽和蒸気雰囲気下に、120時間、保持せしめた。
【0028】
【表1】
【0029】
−90度剥離接着試験−
上述の如くして得られた本発明例1〜5及び比較例1〜3の各テストピースを用いて、JIS−K−6256−1993の前記「5.金属片とゴムの90度はく離試験」に規定される試験方法に従って、鉄板に接着した本体ゴム層を該鉄板に対して90度の方向に引張して、剥離せしめ、その時に要した剥離力の最大値を求めて、その結果を、接着力として、下記表2に示した。また一方、その剥離部分の状態を観察することによって、界面剥離率を求めた。なお、かかる界面剥離率とは、90度剥離接着試験を実施することにより生じた、「本体ゴム層における破損」及び「鉄板と本体ゴム層との間の接着層における破損」によるテストピースの破損状況のうち、「接着層における破損」の占める割合を示すものであって、例えば、界面剥離率が100%であるということは、鉄板とゴム部材との接着界面においてのみ、剥離が発生したものと、理解することが出来る。
【0030】
【表2】
【0031】
かかる表2の結果からも明らかなように、燃料油が接触しない条件下においては、熱処理が施されないテストピース(比較例1)も、熱処理が施されたテストピース(本発明例1)と同様に、鉄板とゴム部材との接着界面における界面剥離が全く生じていないことが分かる。しかしながら、同一の加硫条件にて加硫せしめられたテストピースであっても、熱処理が施されていないテストピース(比較例2,3)にあっては、燃料油の蒸気や液に接触すると、鉄板とゴム部材との接着性が弱化されて、熱処理が施されたテストピース(本発明例2,3〜5)に比して、界面(接着剤層間)における剥離の発生率が増加せしめられていることが、分かるのである。また、熱処理の条件を適宜に設定することによって、界面剥離率を減少せしめて、充分な接着信頼性を確保することが可能となることも、理解される。
【0032】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように、本発明に従う耐燃料油に優れた加硫ゴム製品の製造法にあっては、剛性部材と本体ゴムとの接着力が効果的に高められ、燃料油が蒸気等として存在するような雰囲気中における剛性部材と本体ゴムとの接着力の低下が、極めて有利に防止乃至は抑制され得るのである。従って、優れた耐界面剥離性及び接着信頼性が実現され得る加硫ゴム製品を、極めて有利に製造することが可能となるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用される加硫ゴム製品の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
10 防振ゴム
12 剛性部材
14 本体ゴム
16 取付ボルト
Claims (2)
- 液体状乃至は気体状の燃料油に接触せしめられる環境下に配される、自動車の燃料系装置に用いられる防振ゴムにして、NBR系ゴム材料からなる本体ゴムが所定の剛性部材に対して加硫接着せしめられてなるものを製造するに際して、該剛性部材のゴム用加硫接着剤が塗布せしめられてなる面に、NBR系ゴム材料からなる未加硫の本体ゴムを一体的に形成した後、該本体ゴムの加硫を行なうと共に、該本体ゴムの前記剛性部材に対する加硫接着を行ない、更にその後、120〜200℃の温度で熱処理を実施することを特徴とする耐燃料油性に優れた自動車の燃料系装置に用いられる防振ゴムの製造法。
- 液体状乃至は気体状の燃料油に接触せしめられる環境下に配される、自動車の燃料系装置に用いられる防振ゴムにして、NBR系ゴム材料からなる本体ゴムが所定の剛性部材に対して加硫接着せしめられてなるものの耐燃料油性を向上せしめる方法にして、
前記剛性部材のゴム用加硫接着剤が塗布せしめられてなる面に、NBR系ゴム材料からなる未加硫の本体ゴムを一体的に形成した後、該本体ゴムの加硫を行なうと共に、該本体ゴムの前記剛性部材に対する加硫接着を行ない、更にその後、120〜200℃の温度で熱処理を実施することを特徴とする自動車の燃料系装置に用いられる防振ゴムの耐燃料油性の向上方法。
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