JP3623721B2 - 電動式パワーステアリング装置 - Google Patents
電動式パワーステアリング装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3623721B2 JP3623721B2 JP2000220321A JP2000220321A JP3623721B2 JP 3623721 B2 JP3623721 B2 JP 3623721B2 JP 2000220321 A JP2000220321 A JP 2000220321A JP 2000220321 A JP2000220321 A JP 2000220321A JP 3623721 B2 JP3623721 B2 JP 3623721B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- static friction
- steering
- electric power
- motor
- torque
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Images
Landscapes
- Steering Control In Accordance With Driving Conditions (AREA)
- Power Steering Mechanism (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、モータの動力により操舵力を補助する電動式パワーステアリング装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図11は、例えば特開2000−103349号公報に示された従来の電動式パワーステアリング装置の制御ブロック図であり、1は後述する減速器を介して後述するステアリング系に接続され操舵補助力を発生するモータ、2は操舵トルク信号Vtからステアリング系の静止摩擦の推定値Tfを算出する静止摩擦演算手段、3はモータ検出電流Imとモータ印加電圧Vmから、モータ1の逆起電力を求めてモータ角速度の推定値ωを算出するモータ角速度演算手段、4はモータ角速度演算手段3により求めたモータ角速度推定値ωを微分し、モータ角加速度の推定値dω/dtを算出するモータ角加速度演算手段、5は操舵トルク信号Vtに基づき運転者の操舵力を補助する電流Isを算出する操舵力補助電流演算手段、6は静止摩擦推定値Tfに基づきステアリング系の静止摩擦を補償する電流Ifを算出する静止摩擦補償電流演算手段、7はモータ角速度推定値ωに基づきステアリング系のクーロン摩擦を補償する電流Icを算出するクーロン摩擦補償電流演算手段、8はモータ角速度推定値ωに基づきステアリング系の粘性摩擦を補償する電流Idを算出する粘性摩擦補償電流検出手段、9はモータ角加速度推定値dω/dtに基づいてステアリング系の慣性モーメントを補償する電流Ijを算出する慣性補償電流演算手段、10は操舵力補助電流Isと静止摩擦補償電流Ifとクーロン摩擦補償電流Icと粘性摩擦補償電流Idと慣性補償電流Ijを加算したモータ目標電流Isumが、モータ検出電流Imと一致するようにモータ1の電流を制御する電流制御手段である。
【0003】
図12は、電動式パワーステアリング装置の全体構成図であり、11はステアリングホイール、12はステアリングシャフト、13は車両の車速を測定して車速信号Vsを出力する車速センサ、14は運転者の操舵トルクを測定して操舵トルク信号Vtを出力するトルクセンサ、15はモータ1の出力トルクをステアリングシャフト12に伝達する減速器、16は車速センサ13やトルクセンサ14等から入力される信号に基づいてモータ1を駆動するコントローラ、17はコントローラ16の電源となるバッテリである。
【0004】
次に上述のような従来の電動パワーステアリング装置の動作について説明する。一般的に電動式パワーステアリング装置の制御はコントローラ16において行われる。
【0005】
コントローラ16は、車速信号Vsや操舵トルク信号Vtなどの外部信号の取り込みや、ステアリング系の静止摩擦推定値Tf、モータ角速度推定値ω、モータ角加速度推定値dω/dtなどの内部信号の算出を行い、次に、各電流の演算手段によりこれらの信号に基づく電流値を算出する。すなわち、操舵力補助電流演算手段5は操舵トルク信号Vtと車速信号 Vsに基づいて操舵力補助電流Isを、静止摩擦補償電流演算手段6はステアリング系の静止摩擦推定値Tfと車速信号Vsに基づいて静止摩擦電流Ifを、クーロン摩擦補償電流演算手段7と粘性摩擦補償電流演算手段8はモータ角速度推定値ωと車速信号Vsに基づいてクーロン摩擦補償電流Icと粘性摩擦補償電流Idを、慣性補償電流演算手段9はモータ角加速度推定値dω/dtと車速信号Vsに基づいて慣性補償電流Ijをそれぞれ算出する。次に、以上のように算出した各電流値を、式1のように全て加算してモータ電流の制御に用いるモータ目標電流Isumを求める。
【0006】
【数1】
【0007】
そして、電流制御手段10によりモータ目標電流Isumとモータ検出電流Imが一致するようにモータ1の電流を制御することでアシストトルクを発生する。
【0008】
ここで、静止摩擦の補償について詳しく述べる。静止摩擦演算手段2ではステアリング系の静止摩擦の推定を、例えば図13に示すような高域通過型フィルタを操舵トルク信号Vtにかけることで行う。ここで、この高域通過型フィルタの時定数は、モータの機械的時定数ないし、加速定数と略同一にすればよい。求められた静止摩擦推定値Tfを図14に示す。
【0009】
静止摩擦補償電流演算手段6では式2の演算を行うことで、ステアリング系の静止摩擦を補償する電流値を算出する。
【0010】
【数2】
【0011】
式2において、右辺第一項は静止摩擦推定値Tfに比例する電流を演算する線形項、右辺第二項は静止摩擦推定値Tfの出力方向にモータ1と減速器15の摩擦トルクに相当する電流を出力する非線形項である。モータ1の電流とステアリングシャフトにおけるモータの出力トルクが線形であるならば、右辺第一項が静止摩擦補償電流となるが、実際には、モータ1や減速器15の摩擦などの非線形な成分を含むため、右辺第二項を加えた値が静止摩擦補償電流Ifとなる。
【0012】
静止摩擦補償電流演算手段6の詳細を図15に示す。右辺第一項の静止摩擦推定値Tfに比例する項の演算を線形項演算手段21にて、右辺第二項のモータ1や減速器15の摩擦などの非線形性を補償する項の演算を非線形項演算手段22によって行う。なお、モータトルク定数Kt、モータ減速比n、モータと減速器の摩擦トルクTL、摩擦トルク補償不感帯DZは電動式パワーステアリング装置の固有のパラメータとして求められる。
【0013】
また、静止摩擦の補償はステアリングを静止状態から切り始めた時の摩擦を補償するものであるため、図16のように静止摩擦補償推定値Tfに対して乗じる係数Kfとモータ角速度推定値ωに対する窓関数23を設け、係数Kfを窓関数23により変化させても良い。この場合の静止摩擦補償推定値をTf1とすると式3で表される。
【0014】
【数3】
【0015】
ここで、窓関数23の特性を図17のようにモータ角速度推定値ωが高くなるに従って係数Kfが小さくなるように設定することにより、モータの角速度推定値ωが小さいときのみ静止摩擦補償電流Ifが出力されるようになる。
【0016】
以上のように、静止摩擦補償電流Ifをモータ電流を加えることにより、ステアリング系の静止摩擦を補償することができ、ステアリングを静止状態から切り始めた時の引っかかり感を解消できる。また、モータ角速度推定値ωに対する窓関数23により、モータ角速度推定値ωが小さいときのみ静止摩擦補償が行うことができる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
走行時の車両の挙動には、セルフアライニングトルクによりステアリングが中立に戻る特性がある。このため、同じようにステアリングを静止状態から動かす操舵を行う場合でも、操舵力は中立付近から切り込む場合の方が切り込み状態から中立付近に戻す場合よりも大きくなる。したがって、運転者が感じる引っかかり感は、中立付近から切り込む場合の方が切り込み状態から中立付近に戻す場合よりも大きくなる。
【0018】
しかし、従来の技術では、中立付近から切り込む場合も、切り込み状態から中立付近に戻す場合も、操舵トルク信号の変化量が同じであれば静止摩擦の推定値は同じ値となるため、中立付近から切り込む場合に引っかかり感を感じることや、切り込み状態から中立付近に戻す場合に、操舵が軽くなりすぎたりすることがあった。
【0019】
また、一般に、車速が高くなるにつれてセルフアライニングトルクが大きくなり、操舵角が小さくなるため、静止摩擦補償を十分に機能させるためには、車速が高くなるにつれて、静止摩擦補償電流を増やすとともに、操舵トルク信号の変化に対して感度を上げる必要がある。しかし、静止摩擦電流演算の線形項および非線形項のゲインを上げると、制御音が発生することや低車速域において静止摩擦が過大になることがあった。
【0020】
本発明は、以上のような問題点を解決する為になされたもので、静止摩擦の補償を操舵トルクに応じて補正することにより、操舵フィーリングを向上することを目的とする。
【0021】
また、静止摩擦推定値の演算の周波数特性を車速に応じて変化させることにより、車速による車両の挙動の変化に対して静止摩擦補償制御の特性をセッティング可能にし、全車速域での操舵フィーリングを向上することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る電動パワーステアリング装置は、操舵トルクを検出するトルクセンサから出力される操舵トルク信号に基づいてモータを駆動することにより操舵補助力を発生させ、運転者の操舵力を軽減する電動式パワーステアリング装置において、ステアリング系の静止摩擦を推定した静止摩擦推定値を求める手段と、この静止摩擦推定値に基づいて静止摩擦を補償する手段を備え、この静止摩擦補償手段は、操舵トルクの方向とモータ角速度の方向が一致したとき切り込み状態、操舵トルクの方向とモータ角速度の方向が不一致のとき戻し状態と判定し、戻し状態と判定された場合は切り込み状態と判定された場合よりも静止摩擦補償値を小さくするように補正する補正手段を有するものである。
【0025】
また、補正手段は、操舵トルクの関数に応じて静止摩擦補償値を補正するものである。
【0027】
さらに、操舵トルクを検出するトルクセンサから出力される操舵トルク信号に基づいてモータを駆動することにより操舵補助力を発生させ、運転者の操舵力を軽減する電動式パワーステアリング装置において、ステアリング系の静止摩擦を推定した静止摩擦推定値を求める手段と、この静止摩擦推定値に基づいて静止摩擦を補償する手段を備え、この静止摩擦補償手段は、静止摩擦推定値の算出に用いるフィルタの周波数特性を車速に応じて変化させるものである。
【0028】
さらにまた、静止摩擦推定手段は、車速が高くなるにつれて静止摩擦推定値の算出に用いるフィルタのカットオフ周波数を低くするものである。
【0029】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、この発明の一実施形態を説明する。図1は、本発明による電動式パワーステアリング装置の制御ブロック図であり、従来の電動式パワーステアリング装置のコントローラ16と基本構成は同一であり、同一箇所には同一符号を付し、詳細な説明は省略する。また、電動式パワーステアリング装置の全体構成図は、図12 に示した従来の電動式パワーステアリング装置と同様であり、詳細な説明は省略する。
【0030】
図1において、18はモータ角速度ωと操舵トルク信号Vtから操舵状態信号Smodeを判定する操舵状態判定手段、6は静止摩擦推定値Tfと操舵状態信号Smodeに基づいて、静止摩擦補償値としてステアリング系の静止摩擦を補償する電流Ifを算出する静止摩擦補償電流演算手段である。
【0031】
次に動作について説明する。電動式パワーステアリング装置の制御はコントローラ16において行われる。まず、車速信号Vsや操舵トルク信号Vtなどの外部信号の取り込みや、ステアリング系の静止摩擦推定値Tfやモータ角速度推定値ωやモータ角加速度推定値dω/dtや操舵状態信号Smodeなどの内部信号の算出を行う。
【0032】
次に、各電流の演算手段によりこれらの信号に基づく電流値を算出する。すなわち、操舵力補助電流演算手段5、クーロン摩擦補償電流演算手段7、粘性摩擦補償電流演算手段8、慣性補償電流演算手段9は従来の電動式パワーステアリング装置と同様に、それぞれ操舵力補助電流Is、クーロン摩擦補償電流Ic、粘性摩擦補償電流Id、慣性補償電流Ijを演算する。
【0033】
静止摩擦補償電流演算手段6はステアリング系の静止摩擦推定値Tfと操舵状態信号Smodeと車速信号Vsに基づいて静止摩擦電流Ifを演算する。このように演算された各電流値は従来の電動式パワーステアリング装置と同様に加算され、モータ電流の制御に用いるモータ目標電流Isumとなり、電流制御手段10によってモータ目標電流Isumとモータ検出電流Imが一致するようにモータ1の電流を制御することでアシストトルクを発生する。
【0034】
ここで、静止摩擦の補償について詳しく述べる。この実施の形態1では、従来の電動式パワーステアリング装置に対して操舵状態判定手段18を追加した構成としている。操舵状態判定手段18は、図2に示すように、操舵トルク信号Vtとモータ角速度推定値ωが同方向の場合、すなわち図2の第1象限および第4象限を切り込み、逆方向の場合、すなわち図2の第2象限および第4象限を戻しと判定し、この判定結果に応じて操舵状態信号Smodeを、切り込み時は0、戻し時は1として出力する。
【0035】
また、静止摩擦補償電流演算手段6は図3に示すように、従来の電動式パワーステアリング装置と同様に、線形項演算手段21、非線形項演算手段22と、操舵状態信号Smodeの値によって係数Kf1を切り替える係数切換手段24を備え、従来の電動式パワーステアリング装置と同様に静止摩擦補償電流If0を求めた後、係数Kf1を乗じて静止摩擦補償電流Ifを算出する。この静止摩擦補償電流演算手段6の演算は、式4のように表すことができる。
【0036】
【数4】
【0037】
ここで、例えば係数切換手段24の特性を表1のように設定すると、戻し時の静止摩擦補償電流Ifは、切り込み時の0.7倍となる。
【0038】
【表1】
【0039】
一般的に、走行時の車両の特性として、図4に示すようなセルフアライニングトルクがあり、進行方向に対するタイヤの回転面を横滑り角とした場合に、横滑り角を減らす方向に発生する。セルフアライニングトルクの影響で中立から切り込む場合は操舵力が重くなるが、切り込んだ状態から中立に戻す場合は操舵力が軽くなる。これに対し、実施の形態1によれば、上記のように戻し時の静止摩擦補償電流の係数Kf1を切り込み時に対して小さく設定することにより、切り込んだ状態から中立に戻すときの静止摩擦補償電流Ifが小さくなり、アシストトルクが過大になることを防止できる。これにより、操舵フィーリングを向上することができる。
【0040】
なお、図1における操舵力補助電流演算手段5、クーロン摩擦補償電流演算手段7、粘性摩擦補償電流演算手段8および慣性補償電流演算手段9は、代替の手段があれば置き換えてもよい。また、車両の特性上不要であれば省いても良い。
【0041】
また、モータ角速度演算手段3は、モータの逆起電力によって求めたが、例えば回転センサなど代替の手段があれば置き換えても良い。
【0042】
また、図2における操舵状態判定手段18の特性は、操舵トルク信号Vtとモータ角速度推定値ωの極性によって定めたが、操舵トルク信号Vtやモータ角速度推定値ωに対して不感帯やヒステリシスを設けたり、非線形な特性によって定めても良い。
【0043】
実施の形態2.
上記実施の形態1では、操舵の切り込みと戻しの判定に従って静止摩擦補償電流Ifの演算の係数Kf1を変更することにより、切り込んだ状態から中立に戻すときにアシストトルクが過大になることを防止したが、図5に示すように操舵トルク信号VTに対する窓関数25により静止摩擦補償電流Ifの演算の係数Kf2を変化させてもよい。
【0044】
静止摩擦補償電流演算手段6を、従来の技術同様に静止摩擦補償電流If0を求めた後、窓関数25により設定される係数Kf2を乗じて静止摩擦補償電流Ifを算出するように構成する。静止摩擦補償電流Ifは式5にて表すことができる。
【0045】
【数5】
【0046】
ここで、窓関数25の特性を図6のように操舵トルク信号Vtが大きくなるに従って係数Kf2が小さくなるように設定することにより、静止摩擦補償電流Ifを操舵トルク信号Vtが小さいときのみ出力するようになる。ステアリングを切り込むに従って、操舵トルク信号Vtは大きくなるので、実施の形態1と同様に切り込んだ状態から中立に戻す時の静止摩擦補償電流Ifは小さくなり、操舵フィーリングを向上することができる。
【0047】
実施の形態3.
上記実施の形態1では、操舵状態信号Smodeにより静止摩擦補償電流Ifの演算の係数Kf1を、上記実施の形態2では、操舵トルク信号Vtに対する窓関数25により静止摩擦補償電流Ifの係数Kf2を変化させたが、図7のようにこれらを組み合わせても良い。
【0048】
【数6】
【0049】
式6に示すように、従来の静止摩擦補償の演算と同様に求められたIf0に対して、操舵状態信号Smodeによって切り替わる係数Kf1と操舵トルク信号Vtに対する窓関数25により設定される係数Kf2を乗じることにより、実施の形態1および実施の形態2と同様に操舵フィーリングを向上することができる。
【0050】
実施の形態4.
上述の実施の形態1、実施の形態2および実施の形態3では、操舵トルク信号Vtにより変化する係数Kf1あるいはKf2を静止摩擦補償電流の演算結果であるIf0に対して適用したが、静止摩擦補償電流の演算の各項、すなわち線形項あるいは非線形項に対して任意に設定しても良い。
【0051】
図8では、操舵状態信号Smodeにより切り替わる係数をKf1、操舵トルク信号Vtに対する窓関数25および窓関数26により設定される係数をそれぞれKf2およびKf3としており、線形項演算手段21の出力にKf1を、非線形項演算手段22の出力にKf2を、それぞれの項の和に対してKf3を乗じている。この場合の静止摩擦補償電流Ifは式7で表される。これにより、上述の実施の形態1、実施の形態2および実施の形態3と同様に操舵フィーリングを向上することができる。
【0052】
【数7】
【0053】
実施の形態5.
上述の実施の形態1、実施の形態2、実施の形態3および実施の形態4では、静止摩擦演算手段9における高域通過型フィルタの周波数特性は一定の値であったが、車速信号Vsに応じて変化させても良い。
【0054】
図9のように静止摩擦演算手段9の高域通過型フィルタのカットオフ周波数fcを低下させると、低周波数域のゲインが上がるため、静止摩擦の推定値Tfの出力は大きくなる。また、一般に車両におけるセルフアライニングトルクは車速が高くなるほど大きくなる。したがって、図10のように車速信号Vsが高くなるにつれてカットオフ周波数fcを下げると、車速に対するセルフアライニングトルクの増大分を静止摩擦補償電流Ifが増えることで補償できるため、全車速域における操舵フィーリングを向上することができる。
【0055】
なお、図9では、カットオフ周波数を低下させたが、フィルタの次数を変えることによって同様の効果を得ても良い。
【0056】
【発明の効果】
この発明に係る電動パワーステアリング装置は、以上説明したように、操舵トルクを検出するトルクセンサから出力される操舵トルク信号に基づいてモータを駆動することにより操舵補助力を発生させ、運転者の操舵力を軽減する電動式パワーステアリング装置において、ステアリング系の静止摩擦を推定した静止摩擦推定値を求める手段と、この静止摩擦推定値に基づいて静止摩擦を補償する手段を備え、この静止摩擦補償手段は、操舵トルクの方向とモータ角速度の方向が一致したとき切り込み状態、操舵トルクの方向とモータ角速度の方向が不一致のとき戻し状態と判定し、戻し状態と判定された場合は切り込み状態と判定された場合よりも静止摩擦補償値を小さくするように補正するものであり、セルフアライニングトルクの影響によって生じる切り込み時の引っかかり感、あるいは切り込んだ状態からの戻し時にアシストトルクが過大となることを防止することができ、操舵フィーリングをより向上することができる。
【0059】
また、補正手段は、操舵トルクの関数に応じて静止摩擦補償値を補正するものであり、操舵フィーリングを向上することができる。
【0061】
さらに、操舵トルクを検出するトルクセンサから出力される操舵トルク信号に基づいてモータを駆動することにより操舵補助力を発生させ、運転者の操舵力を軽減する電動式パワーステアリング装置において、ステアリング系の静止摩擦を推定した静止摩擦推定値を求める手段と、この静止摩擦推定値に基づいて静止摩擦を補償する手段を備え、この静止摩擦補償手段は、静止摩擦推定値の算出に用いるフィルタの周波数特性を車速に応じて変化させることによって、全車速域における操舵フィーリングを向上することができる。
【0062】
さらにまた、静止摩擦推定手段は、車速が高くなるにつれて静止摩擦推定値の算出に用いるフィルタのカットオフ周波数を低くすることによって、特に車速が高くなることにより増大するセルフアライニングトルクを補償することができ、操舵フィーリングをより向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1のコントローラを示すブロック図。
【図2】実施の形態1における操舵状態判定手段の特性を示す図。
【図3】実施の形態1における静止摩擦補償電流演算手段を示すブロック図。
【図4】一般的なセルフアライニングトルクの特性を示す図。
【図5】実施の形態2における静止摩擦補償電流演算手段を示すブロック図。
【図6】実施の形態2における操舵トルク信号に対する窓関数の特性を示す図。
【図7】実施の形態3における静止摩擦補償電流演算手段を示すブロック図。
【図8】実施の形態4における静止摩擦補償電流演算手段を示すブロック図。
【図9】実施の形態5における高域通過型フィルタの周波数特性を示す図。
【図10】実施の形態5における車速に対する高域通過型フィルタのカットオフ周波数を示す図。
【図11】従来の電動式パワーステアリング装置を示すブロック図。
【図12】従来の電動式パワーステアリング装置の全体構成図。
【図13】従来の電動式パワーステアリング装置における高域通過型フィルタの周波数特性を示す図。
【図14】静止摩擦推定値の一例を示すタイミングチャート。
【図15】従来の電動式パワーステアリング装置における静止摩擦補償電流演算手段を示すブロック図。
【図16】従来の電動式パワーステアリング装置における窓関数を用いた静止摩擦補償電流演算手段を示すブロック図。
【図17】従来の電動式パワーステアリング装置モータ角速度推定値に対する窓関数の特性を示す図。
【符号の説明】
1 モータ
2 静止摩擦演算手段
3 モータ角速度演算手段
4 モータ角加速度演算手段
5 操舵力補助電流演算手段
6 静止摩擦補償電流演算手段
7 クーロン摩擦補償電流演算手段
8 粘性摩擦補償電流演算手段
9 慣性補償電流演算手段
10 電流制御手段
11 ステアリングホイール
12 ステアリングシャフト
13 車速センサ
14 トルクセンサ
15 減速器
16 コントローラ
17 バッテリ
18 操舵状態判定手段
21 静止摩擦補償電流演算手段の線形項演算手段
22 静止摩擦補償電流演算手段の非線形項演算手段
23 モータ角速度推定値に対する窓関数
24 操舵状態信号による係数切換手段
25 操舵トルク信号に対する窓関数
Claims (4)
- 操舵トルクを検出するトルクセンサから出力される操舵トルク信号に基づいてモータを駆動することにより操舵補助力を発生させ、運転者の操舵力を軽減する電動式パワーステアリング装置において、ステアリング系の静止摩擦を推定した静止摩擦推定値を求める手段と、この静止摩擦推定値に基づいて静止摩擦を補償する手段を備え、この静止摩擦補償手段は、操舵トルクの方向とモータ角速度の方向が一致したとき切り込み状態、操舵トルクの方向とモータ角速度の方向が不一致のとき戻し状態と判定し、戻し状態と判定された場合は切り込み状態と判定された場合よりも静止摩擦補償値を小さくするように補正する補正手段を有することを特徴とする電動式パワーステアリング装置。
- 補正手段は、操舵トルクの関数に応じて静止摩擦補償値を補正することを特徴とする請求項1記載の電動式パワーステアリング装置。
- 操舵トルクを検出するトルクセンサから出力される操舵トルク信号に基づいてモータを駆動することにより操舵補助力を発生させ、運転者の操舵力を軽減する電動式パワーステアリング装置において、ステアリング系の静止摩擦を推定した静止摩擦推定値を求める手段と、この静止摩擦推定値に基づいて静止摩擦を補償する手段を備え、この静止摩擦補償手段は、静止摩擦推定値の算出に用いるフィルタの周波数特性を車速に応じて変化させることを特徴とする電動式パワーステアリング装置。
- 静止摩擦推定手段は、車速が高くなるにつれて静止摩擦推定値の算出に用いるフィルタのカットオフ周波数を低くすることを特徴とする請求項3に記載の電動式パワーステアリング装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2000220321A JP3623721B2 (ja) | 2000-07-21 | 2000-07-21 | 電動式パワーステアリング装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2000220321A JP3623721B2 (ja) | 2000-07-21 | 2000-07-21 | 電動式パワーステアリング装置 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2002037109A JP2002037109A (ja) | 2002-02-06 |
| JP3623721B2 true JP3623721B2 (ja) | 2005-02-23 |
Family
ID=18714944
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2000220321A Expired - Lifetime JP3623721B2 (ja) | 2000-07-21 | 2000-07-21 | 電動式パワーステアリング装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3623721B2 (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US11820356B2 (en) | 2019-12-20 | 2023-11-21 | Humanetics Austria Gmbh | System and method for force compensation in a robotic driving system |
Families Citing this family (11)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP1837266B1 (en) | 2005-01-14 | 2012-03-14 | Nsk Ltd. | Electric power steering device controller |
| JP5143633B2 (ja) * | 2008-06-04 | 2013-02-13 | 富士重工業株式会社 | 操舵輪舵角制御における補償値取得方法および操舵輪舵角制御における補償方法 |
| JP5257445B2 (ja) * | 2009-01-28 | 2013-08-07 | 日本精工株式会社 | 電動パワーステアリング装置 |
| EP2502805B1 (en) * | 2009-11-20 | 2014-09-24 | Honda Motor Co., Ltd. | Electric power steering device |
| WO2016021526A1 (ja) * | 2014-08-08 | 2016-02-11 | 日本精工株式会社 | 電動パワーステアリング装置 |
| JP6985917B2 (ja) * | 2017-12-18 | 2021-12-22 | 株式会社Subaru | 車両の車線逸脱防止制御装置 |
| JP7148281B2 (ja) * | 2018-06-05 | 2022-10-05 | 株式会社ジェイテクト | 操舵制御装置 |
| GB2583342B (en) * | 2019-04-23 | 2023-09-13 | Trw Ltd | Electrical power steering system |
| CN114228738B (zh) * | 2020-09-09 | 2023-12-19 | 中国移动通信集团有限公司 | 辅助转向方法、装置、设备和介质 |
| JP2022112300A (ja) * | 2021-01-21 | 2022-08-02 | いすゞ自動車株式会社 | パラメータ調整装置及びパラメータ調整方法 |
| US20250263115A1 (en) * | 2022-04-27 | 2025-08-21 | Mitsubishi Electric Corporation | Input/output device and steering measurement device |
-
2000
- 2000-07-21 JP JP2000220321A patent/JP3623721B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US11820356B2 (en) | 2019-12-20 | 2023-11-21 | Humanetics Austria Gmbh | System and method for force compensation in a robotic driving system |
| US12472920B2 (en) | 2019-12-20 | 2025-11-18 | Humanetics Austria Gmbh | System and method for force compensation in a robotic driving system |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP2002037109A (ja) | 2002-02-06 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| US6570352B2 (en) | Control unit for electric power steering apparatus | |
| JP3481468B2 (ja) | 電動パワーステアリング装置 | |
| US8005594B2 (en) | Control apparatus for electric power steering apparatus | |
| JP4852964B2 (ja) | 電動パワーステアリング装置の制御装置 | |
| JP4192442B2 (ja) | 電動パワーステアリング装置の制御装置 | |
| US9637166B2 (en) | Electric power steering apparatus | |
| JP4322450B2 (ja) | 電動式パワーステアリング制御装置 | |
| KR100385102B1 (ko) | 차량의 전동 파워스티어링장치 | |
| JP5109342B2 (ja) | 電動パワーステアリング装置 | |
| CN109572807B (zh) | 电动助力转向装置 | |
| JP4660883B2 (ja) | 電動パワーステアリング装置の制御装置 | |
| JP3623721B2 (ja) | 電動式パワーステアリング装置 | |
| US20160001811A1 (en) | Steering control device, and steering control method | |
| KR20190003874A (ko) | 전동식 파워 스티어링 시스템의 토크 보상 장치 및 방법 | |
| US20070227806A1 (en) | Control device for electric power steering apparatus | |
| JP5251898B2 (ja) | 電動パワーステアリング装置 | |
| JP5056162B2 (ja) | 電動パワーステアリング装置の制御装置 | |
| JP4581694B2 (ja) | 電動パワーステアリング装置の制御装置 | |
| JP3551147B2 (ja) | 電動パワーステアリング装置の制御装置 | |
| JP3527469B2 (ja) | 電動パワーステアリング装置 | |
| JP4089161B2 (ja) | 電動パワーステアリング装置の制御装置 | |
| JP3974391B2 (ja) | 電動パワーステアリング装置の制御装置 | |
| JP3864072B2 (ja) | 電動パワーステアリング装置 | |
| JP3750472B2 (ja) | 電動パワーステアリング装置 | |
| JP3637764B2 (ja) | 電動パワーステアリング装置の制御装置 |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20040126 |
|
| A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040302 |
|
| A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040525 |
|
| A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20040803 |
|
| A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20040927 |
|
| A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20040930 |
|
| A911 | Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20041005 |
|
| RD03 | Notification of appointment of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423 Effective date: 20041015 |
|
| RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20041015 |
|
| A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20040924 |
|
| TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
| A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20041116 |
|
| A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20041125 |
|
| R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Ref document number: 3623721 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071203 Year of fee payment: 3 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081203 Year of fee payment: 4 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091203 Year of fee payment: 5 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091203 Year of fee payment: 5 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101203 Year of fee payment: 6 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111203 Year of fee payment: 7 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111203 Year of fee payment: 7 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121203 Year of fee payment: 8 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121203 Year of fee payment: 8 |
|
| FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131203 Year of fee payment: 9 |
|
| R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
| R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
| R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
| S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117 |
|
| S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
| R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
| R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
| R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
| EXPY | Cancellation because of completion of term |
