JP3625414B2 - 中継機 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、複数の端末が中継局を介して固定通信網内の交換機に接続されている構成の通信システムにおいて用いられる中継機に関し、特に各端末に対し待機時に着呼信号等を待受けるべき一斉呼出しチャネルを指定する中継機に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近では、通信技術の発達に伴い、卓上型の有線式電話端末に加え、移動型の携帯電話端末および移動型の呼出し専用端末等が普及してきている。移動型携帯電話端末および移動型呼出し専用端末を含む無線通信系の1つとして、PHS(Personal Handyphone System)が利用されている。
【0003】
図8は、PHS1の概略的構成を示す図である。PHS1は、複数の公衆基地局(Cell Station:CS)3と、移動通信交換局(Mobile Switch Center:MSC)4を含む固定通信網5と、1以上の端末(Personal Station:PS)6とを最低限含み、場合によっては中継機7をさらに含む。複数の公衆基地局3は、PHS1のサービスが提供される地域内に分散配置される。公衆基地局3同士は、ISDN等の通信網5を介して相互接続されている。中継機7は、公衆基地局3と端末6との間の無線通信の中継のために、公衆基地局3と端末6との間に介在される。端末6は、原則として、いずれかの公衆基地局3に無線接続されており、場合によっては中継機7に無線接続されている。端末6は、PHS1のサービス提供地域内を任意に移動可能である。
【0004】
公衆基地局3と端末6との間の信号送受、公衆基地局3と中継機7との間の信号送受、中継機7と端末6との間の信号送受は、無線通信によってそれぞれ行われる。PHS1の各種の規定は、RCR_STD−28〔第2世代コードレス電話システム標準規格〕に規定されている公衆用規定に準じている。RCR_STD−28は 財団法人電波システム開発センター(RCR/現:財団法人電波産業会:ARAB)において検討され、1993年12月に制定されている。公衆基地局3および中継機7は、デジタル方式の無線通信の制御チャネル(control channel:CCH)の1つである論理制御チャネル(Logic CCH:LCCH)を用いて、制御信号を絶えず無線送信している。端末6は、待機時には、制御チャネルの信号を間欠的に受信している。
【0005】
図9は、公衆基地局3から端末6への従来技術の着信シーケンスを示す図である。移動通信交換局4からの端末6宛の着呼情報の到来に応答し、端末6が現在位置する位置登録エリア内の各公衆基地局3は、予め定める制御チャネルの1つである一斉呼出しチャネルを用いて着呼信号を送信する。端末6が最寄りの公衆基地局3から送信されている自己への着呼信号を受信したならば、LCH(Link Channel)確立要求信号が、端末6から該公衆基地局3を介して移動通信交換局4に対し制御チャネルを用いて送信される。LCH確立要求信号に応答して端末6が使用すべき通信チャネルが割当てられ、割当てられた通信チャネルを示すLCH割当て信号が、公衆基地局3から端末6に対し制御チャネルを用いて送信される。以後、着呼応答信号、呼設定信号、呼設定受付信号、および呼出し信号等の各種制御信号が、LCH割当て信号によって通知されている通信チャネルを用いて、端末6と移動通信交換局4との間で公衆基地局3を介して送受される。呼出し信号を受信した端末6は、リンガを鳴動させて、該端末6への呼出しがある旨を端末6の利用者に報知する。利用者がリンガ鳴動に応答して端末6に対し所定の応答操作を行うと、該応答操作に応答して、公衆基地局3を介して端末6と移動通信交換局4との間で応答確認が行われる。応答確認後、公衆基地局3を介して端末6と移動通信交換局4との間でユーザ情報の送受が可能な通信状態に移行する。
【0006】
特開平8−340560公報は、端末6である電話機とデジタル交換機とを含む通信システムにおける、呼出し信号に対する応答信号の確認に関する技術を開示している。特開平8−340560公報の通信システムは、デジタル交換機と電話機との間に、呼出し用および通話用の回線の他に、応答用の回線が用意されている。電話機は呼出し信号に対する応答信号を、応答用回線を用いてデジタル交換機に送信する。
【0007】
PHS1において、中継機7は、端末6から見れば疑似的な公衆基地局3であり、公衆基地局3から見れば疑似的な端末6である。中継機7は、公衆基地局3と端末6との間の通信の中継のために、公衆基地局3との間のチャネルおよび端末6との間のチャネルのうちの一方チャネルを用いた無線通信によって信号が得られたならば、該2つのチャネルのうちの他方チャネルを用いて該信号を送信している。
【0008】
端末6に対する着信有りを示す着呼信号は、前述したように、制御チャネルの1つである一斉呼出しチャネル(Paging Channel:PCH)を用いて送信される。中継機7が複数の一斉呼出しチャネルを使用可能な場合、該中継機7の配下にあり中継機を介して公衆基地局3と通信する端末6に対して、全一斉呼出しチャネルのうちのいずれか1つが、該端末6の待受け位置として、中継機7から個別に割当て指定されている。たとえば図10に示すように、8個の一斉呼出しチャネルP1〜P8が使用可能な状況下で、3番目の一斉呼出しチャネルP3が番号1234の端末6Aの待受け位置に指定され、7番目の一斉呼出しチャネルP7が番号5678の端末6Bの待受け位置に指定されている場合、3番目の一斉呼出しチャネルP3を用いて着呼信号が送信されたならば、番号1234の端末6Aは着呼信号を受信して着信を認識するが、番号5678の端末6Bは着呼信号を受信不能なので着信を認識しない。
【0009】
中継機7に複数の端末6が登録されている場合、図11に示すように、該複数の端末6が2以上の着信群に個別に対応するグループに、グループ分けされている。たとえば登録済の全端末6が、該端末6の情報処理能力に応じて2以上のグループのいずれかに属すように、分類される。具体的には、該全端末6が、音声通話専用の音声端末6Vとデータ通信専用のデータ端末6Dとの2つに分類される。この場合、着信群毎に一斉呼出しチャネルが割当てられており、単一着信群に対向するグループに属す全端末6には該着信群に割当てられている一斉呼出しチャネルが待受け位置として指定される。
【0010】
中継機7の配下にある各端末6には、中継機7への位置登録の際に、各端末6が待受けるべき一斉呼出しチャネルが指定される。中継機7の配下の端末6は、位置登録が完了するまで、どの一斉呼出しチャネルの信号を受信しているか分からない。たとえば、音声端末のグループに対応する着信群に1番目の一斉呼出しチャネルが割当てられている中継機7の配下に音声端末を登録した直後には、図12に示すように、音声端末6Vはどの一斉呼出しチャネルで待受けているのかは分からず、位置登録完了後には、図11に示すように、1番目の一斉呼出しチャネルの信号の受信を開始する。
【0011】
中継機7が第2世代コードレス電話機の親機であったり、中継機7が電話番号が割当て可能な中継アンテナであったりする場合においては、中継機7に対する着信と、中継機配下の端末に対する着信との2通りの着信が可能である。中継機7に対する着信時には、中継機配下の全端末に対し一斉着信が掛けられ、中継機7配下の端末に対する着信時には、着信先の端末に対し個別着信が掛けられる。一斉着信時には、中継機7が使用可能な全一斉呼出しチャネルを用いて着呼信号が送信され、かつ該着呼信号内に一斉着信である旨を示す情報が含まれる。一斉着信の着呼信号を受信した端末6は、リンガを鳴動させる。いずれか1台の端末が一斉着信の着呼信号に応答した後、LCH確立要求信号発信以後の着信シーケンスが開始される。これとは異なり、個別着信時には、着信シーケンスが呼出し信号発信まで進められた後に、着信先の端末のリンガが鳴動する。さらに中継機7において中継機配下の端末がグループ分けされている場合、グループ単位での一斉着信が可能である。この場合中継機7は、一斉着信をかけるべきグループに対応する着信群に割当てられている一斉呼出しチャネルを用いて一斉着信の着呼信号を送信する。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
前述したような、複数の一斉呼出しチャネルを使用可能な中継機7を含む通信システムにおいて、図11および図12で説明したように、中継機7を経由する位置登録の実行前には、中継機7の配下の端末6は該位置登録前に割当てられていた一斉呼出しチャネルを用いて送信される着呼信号を待受けている。ゆえに、中継機7を経由する位置登録の完了前に端末6が属するグループ宛の一斉着信があるならば、該端末6が該一斉着信のための着呼信号を受信することは難しい。特開平8−340560公報は、呼出信号に対する応答信号の確実な確認方法を開示しているだけであり、呼出信号に先立ち送信される着呼信号、特に一斉着信のための着呼信号を確実に端末6に受信させる技術を開示していない。
【0013】
本発明の目的は、着信群単位で実行される一斉着信時に各端末に対し着呼信号を確実に送信可能な中継機を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、2以上のグループにそれぞれ選択的に属している複数の端末と基地局との間の通信を中継する中継機において、
2以上の端末に対して、個別に呼を接続可能な通信手段と、
端末からの位置登録を受付ける際に、各端末に対してその属するグループに対応する着信群への所属状態を示すデータを、該端末の識別情報とともに記憶しておく記憶手段と、
各端末へ、該端末が属するグループに対応する着信群に割当てられ、該端末が着信を待受けるべき一斉呼出しチャネルを通知する着信群指定手段と、
基地局から与えられる中継機への着信の指示に基づき、通信手段に、記憶手段に記憶されている各グループに対応する着信群に割当てられている一斉呼出しチャネルを使用して、各グループに属する全端末に対する一斉着信を実行させ、かつ、一斉着信開始時から予め定める基準時間が経過した後で、応答する端末が無ければ、記憶手段を参照して、各グループに属する各端末の識別情報を読出し、該識別情報で指定する個別着信を、各グループに対応着信群に割当てられている一斉呼出しチャネルの残余の一斉呼出しチャネルを使用して、実行させる着信制御手段とを含むことを特徴とする中継機である。
【0015】
本発明に従えば、中継機において、基地局から中継機に対する着信の指示に対し、いずれかのグループに属する全端末に対する一斉着信と、該グループに属する各端末に対する個別着信とが併用される。これによって、中継機の記憶手段に識別情報が記憶されている全端末のうちに中継機に対する一斉着信に応答可能な端末が無い場合、各端末に対し個別着信が掛けられるので、中継機に属する端末に対し着信を確実に掛けることが可能になる。
【0016】
本発明の中継機は、前記基準時間を設定している基準時間設定手段をさらに含み、
着信制御手段は、一斉着信の指示時に基準時間設定手段に設定されている基準時間を用いて制御を行い、
基準時間設定手段内に設定されている基準時間は可変であることを特徴とする。
【0017】
本発明に従えば、中継機において、一斉着信開始時から個別着信開始時までの時間差である基準時間が変更可能になっている。これによって、中継機の使い勝手が向上する。
【0018】
本発明の中継機は、着信制御手段は、前記グループに属する各端末に対する個別着信実行中も、前記グループに属する全端末に対する一斉着信を続行させることを特徴とする。
【0019】
本発明に従えば、中継機において、一斉着信と個別着信とが並列に実行可能である。これによって中継機は、前記グループに属する全端末に着信が掛かる時間を短縮することができる。
【0020】
本発明の前記各端末は、着信の待受け時に、前記着信群指定手段によって通知されている一斉呼出しチャネルを使用して実行される着信だけに応答し、
前記着信制御手段は、基地局からいずれかのグループに属する全端末への一斉着信の指示に対して、前記記憶手段を参照し、前記通信手段に、該グループに対応する着信群に割当てられている一斉呼出しチャネルを用いて、該グループに属する全端末に対する一斉着信を実行させ、かつ、一斉着信開始時から前記予め定める基準時間が経過した後で、応答する端末が無ければ、該端末を識別情報で指定する個別着信を、該グループに対応する着信群に割当てられている一斉呼出しチャネル以外の残余の一斉呼出しチャネルを使用して、実行させることを特徴とする。
【0021】
本発明に従えば、通信手段が複数の一斉呼出しチャネルを使用可能な場合、いずれかのグループに割当てられている一斉呼出しチャネルだけを用いて一斉着信が実行されるだけでなく、残余の一斉呼出しチャネルを用いてそのグループに属する端末に対する個別着信が実行される。これによって、或るグループに属しながらも該グループに対応する着信群に割当てられている一斉呼出しチャネル以外の残余チャネルを用いて実行される着信だけを待機時に待受けている端末がある場合、該端末に対して確実に着信を掛けることができる。この結果、一斉着信時の呼接続の成功率が向上する。
【0022】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の一形態の中継機を用いる通信システムであるPHS(Personal Handyphone System)11の概略的構成を示すブロック図である。PHS11は、1以上の公衆基地局(Cell Station)13と、固定通信網15と、複数の端末(Personal Station:PS)16と、中継機17とを含む。図1の例では、3つの公衆基地局13と1つの中継機17と6つの端末16とが含まれる。固定通信網15は、1以上の移動通信交換局18(Mobile Switch Center:MSC)と、1以上のサービス制御局19と、伝送路網とを含む。
【0023】
公衆基地局13は、PHS11のサービスが提供されるべきサービス地域内に、分散配置される。全公衆基地局13は、固定通信網15を介して相互接続されている。全移動通信交換局18と全サービス制御局19とは、伝送路網を介して相互接続されている。中継機17は、公衆基地局13と端末16との間の通信の中継のために、公衆基地局13に無線接続または有線接続されている。図1の例では、中継機17は無線基地局13に無線接続されている。端末16は、全公衆基地局13および全中継機17のうちのいずれか1つに無線接続されている。端末16は、PHS11に予め登録されており、PHS11のサービス地域内を任意に移動可能である。
【0024】
固定通信網15の伝送路網は、たとえばISDN(Integrated Services Digital Network)によって実現される。固定通信網15には、さらに一般電話交換網等のPHS11以外の外部通信網が接続されていてもよい。中継機17は、たとえば、第2世代コードレス電話機の親機、またはPHSの室内用中継アンテナで実現される。端末16は、第2世代コードレス電話機の子機、またはPHS端末で実現される。
【0025】
PHS11の各種の規定は、RCR_STD−28〔第2世代コードレス電話システム標準規格〕に規定されている公衆用規定に準じている。公衆基地局13と端末16との間の信号送受、公衆基地局13と中継機17との間の信号送受、中継機17と端末16との間の信号送受は、無線通信によってそれぞれ行われる。これら無線通信のために、公衆基地局13と端末16との間、公衆基地局13と中継機17との間、中継機17と端末16との間には、論理制御チャネル(
Logic Control Channel:LCCH)および通信チャネル(Traffic Channel:TCH)がそれぞれ用意されている。
【0026】
論理制御チャネルは、共通制御チャネル(Common CCH:CCCH)と、通信システムで使用される報知チャネル(Broadcasting CCH:BCCH)と、オプションのUSCCHとを含む。共通制御チャネルは、一斉呼出しチャネル(Paging Channel:PCH)と個別セル用チャネル(Signaling CCH:SCCH)とを含む。一斉呼出しチャネルは、着信時の着呼信号の送信に用いられる。個別セル用チャネルは、公衆基地局13との呼接続に必要な情報の転送に用いられる。通信チャネルは、発信および着信時の公衆基地局13との信号送受に用いられ、特に音声情報およびデータ情報等のユーザ情報の送受に用いられる。
【0027】
端末16が公衆基地局13に直接接続されている場合の基本的な着信シーケンスは、図9で説明した着信シーケンスと等しい。端末16が中継機17を介して公衆基地局13に接続されている場合の基本的な着信シーケンスは、端末16と公衆基地局13とが直接信号を送受する代わりに、端末16と公衆基地局13との信号送受を中継機17が中継している点だけが異なる。このために中継機17は、公衆基地局13との間のチャネル群および端末16との間のチャネル群のうちの一方チャネル群の中の或るチャネルを用いて送信される信号を受信したならば、該2つのチャネル群のうちの他方チャネル群の中の前記或るチャネルと同種のチャネルを用いて、該受信された信号を送信している。
【0028】
公衆基地局13と中継機17との間の信号送受は、公衆基地局13が用いているチャネル群を用いて行われる。中継機17と端末16との間の信号送受は、自営標準のチャネル群を用いて行われる。1例としては、公衆基地局13から端末16への論理制御チャネルを用いた信号送信を中継する場合、中継機17は、公衆基地局13から論理制御チャネルを用いて送信されている信号を受信し、受信された信号を自営標準の論理制御チャネルを用いて端末16に対して送信する。中継機17の配下にある端末16は、自営標準の論理制御チャネルを用いて中継機17から送信されている信号を受信する。自営標準の論理制御チャネルおよび自営標準の通信チャネルは、RCR STD−28によって標準化されている。公衆基地局13と中継機17との間の無線送信および中継機17と端末16との間の無線送信は、チャネルの詳細が公衆用および自営標準にそれぞれなっている点だけが異なり、概略的には等しい。
【0029】
PHS11内部の無線通信は、多重アクセス方式として、4多重マルチキャリアTDMA(時分割多元接続方式:Time Division Multiple Access)/TDD(Time Division Duplex)方式を採用している。図2(A)は、4多重マルチキャリアTDMA/TDD方式のベースバンド信号21の構成を示す図である。4多重マルチキャリアTDMA/TDD方式では、1本の無線搬送波に重畳されるベースバンド信号21が複数のTDMAフレーム22に区分され、単一TDMAフレーム22が8個のタイムスロット23に区分される。単一TDMAフレーム22の時間幅は5m秒である。単一TDMAフレーム22内の全タイムスロット23のうちの前半4個が下り回線のチャネルに割当てられ、該全タイムスロット23のうちの後半4個が上り回線のチャネルに割当てられる。本明細書において「下り回線」とは、公衆基地局13から中継機17または端末16へ信号を送信する際、あるいは中継機17から端末16へ信号を送信する際に用いられる回線であり、「上り回線」とは、中継機17または端末16等からの信号を公衆基地局13が受信する際、あるいは端末16等からの信号を中継機17が受信する際に用いられる回線である。
【0030】
ベースバンド信号21内に所定間隔で間欠的に配置されるTDMAフレーム22内の上り回線用の4個のタイムスロット23のうち、該TDMAフレーム22の前半部分内の予め定める位置のタイムスロット23が、上り回線の論理制御チャネルに割当てられている。同様に、ベースバンド信号21内に所定間隔で間欠的に配置されるTDMAフレーム22内の下り回線用の4個のタイムスロット23のうち、該TDMAフレーム22の後半部分内の予め定める位置のタイムスロット23が、上り回線の論理制御チャネルに割当てられている。この結果、上り回線および下り回線の論理制御チャネルを構成するタイムスロット23は、ベースバンド信号21内に、TDMAフレーム22の時間幅の整数倍である予め定める特定周期で間欠的に配置されている。なお図2では、ベースバンド信号先頭の1つのTDMAフレーム22についてだけ、参照符を付している。
【0031】
論理制御チャネルの最小単位であるLCCHスーパフレームは、ベースバンド信号21内にTDMAフレーム22の時間幅の整数倍の周期で間欠的に配置されかつ論理制御チャネルに割当てられているタイムスロット23を、時系列に沿って予め定める数だけ並べて構成される。図2(B)および図2(C)は、上り回線の論理制御チャネルのLCCHスーパフレーム24および下り回線の論理制御チャネルのLCCHスーパフレーム25の構成をそれぞれ示す図である。なお図2(C)は、TDMAフレーム22の前半部分の第1フレームが下り回線の論理制御チャネルに割当てられ、かつ下り回線のLCCHスーパフレーム25がnフレーム毎のm個の間欠送信スロットから構成されている場合の例になっている。すなわち図2(C)の下り回線のLCCHフレーム25は、n個おきに現れるm個のTDMAフレーム22の第1タイムスロット23(1)を時系列に並べて構成される。TDMAフレーム22の時間幅が5m秒なので、下り回線のLCCHフレームの周期は5×n×mミリ秒になる。
【0032】
ベースバンド信号21内の全TDMAフレーム22内の全タイムスロット23のうち、上り回線および下り回線の論理制御チャネルに割当てられていない残余のタイムスロット23は、通信物理スロットと呼ばれている。ベースバンド信号21内の全TDMAフレーム22内の通信物理スロットは、通信チャネルに割当てられる。
【0033】
単一の下り回線の論理制御チャネルのLCCHスーパフレーム25内の複数のタイムスロット23は、さらに各種の制御チャネルに割当てられている。図3(A)は、下り回線の論理制御チャネルの構成を示す図であり、具体的には下り回線の論理制御チャネルを構成するタイムスロット23を送信順に並べて示している。図3(A)の例では、単一LCCHフレーム25が12個のタイムスロットを含み、先頭のタイムスロットBCが報知チャネルに割当てられ、3番目と7番目と10番目との3つのタイムタイムスロットSCが個別セル用チャネルに固定的に割当てられ、残余の8つの各タイムスロットP1〜P8が第1〜第8一斉呼出しチャネルに割当てられている。この結果、単一の一斉呼出しチャネルに割当てられるタイムスロットPiは、ベースバンド信号21内に、下り回線のLCCHスーパフレームと同周期で現れる。本明細書において、iは1以上でかつ一斉呼出しチャネルの総数以下の任意整数である。
【0034】
中継機17の配下にある端末16は、発信および着信を行っていない待機時に、該中継機17が使用可能な全一斉呼出しチャネルのうちの待受け位置として最新に指定されている一斉呼出しチャネルのタイムスロットPiだけを受信している。図3(B)は、待受け位置として第1一斉呼出しチャネルが指定されている第1着信群の各端末16における着呼信号の待受けタイミングを示す図である。図3(C)は、待受け位置として第3一斉呼出しチャネルが指定されている第2着信群の各端末16における着呼信号の待受けタイミングを示す図である。図3(B)および図3(C)において、端末16は、波形図がハイレベルの期間だけ、該端末16に到来する電磁波に重畳される信号を受信している。このようにPHS11では、信号が図2(A)〜図2(C)および図3(A)に示す構成になっているので、待機時の単一の端末16に待受け位置として指定されている一斉呼出しチャネルに割当てられるタイムスロットPiが、下り回線のLCCHスーパフレーム25と同周期で繰返し送信されている。
【0035】
図4は、中継機17の概略的な構成を示すブロック図である。本発明において、中継機17は、中継機17の配下にある端末16と公共基地局13との間の信号送受を中継している。本発明は、中継機17の配下の端末16への一斉着信時の着呼信号送信の制御に特徴がある。このために中継機17は、通信装置31と制御装置32とを含み、制御装置32は、着信群指定部33と着信群判別部34と着信制御部35とを含む。好ましくは、中継機17は、入力装置36と記憶装置37とをさらに含む。制御装置32は、通信装置31と記憶装置37と入力装置36とを統合的に制御するための装置であり、たとえばマイクロコンピュータで実現される。この場合制御装置32内部の各処理部33〜35は、たとえばマイクロコンピュータのプログラム動作で実現される。
【0036】
通信装置31は、中継機17の配下にある2以上の端末16に対して、個別に呼を接続可能である。中継機17の配下にある端末とは、中継機17内の通信装置31からの電磁波を受信可能なサービス領域にある端末である。さらに通信装置31は、複数の一斉呼出しチャネルを使用可能である。複数の一斉呼出しチャネルは、予め定める2以上の着信群に個別に予め割当てられている。すなわち、一斉呼出しチャネルと着信群との対応が予め規定されている。たとえば、着信群1=一斉呼出しチャネル1と規定されている。
【0037】
PHS11に登録されている端末16のうちの少なくとも2つは中継機17にも登録されている。中継機17に登録されている各端末16は、前記2以上の着信群に個別に対応するグループのいずれかに選択的に所属している。端末16が属するグループは、たとえば端末16の情報処理能力によって定められる。単一グループに属する全端末16の情報処理能力は等しい。たとえば中継機17への端末16の登録時に、端末16の情報処理能力が入力装置36から入力され、入力された情報処理能力に応じて該端末16が属すべきグループが選択指定される。端末16のグループへの所属状態を示すデータは、たとえば記憶装置37に記憶されている。
【0038】
着信群指定部33は、中継機17の配下の各端末16が属するグループに対応する着信群に割当てられている一斉呼出しチャネルを、通信装置31を用いて該各端末16に対して通知している。中継機17の配下の各端末16は、着呼信号を待受けている待機時に、中継機17から最新に通知されている一斉呼出しチャネルを用いて送信される信号だけを受信している。
【0039】
着信群判別部34は、基地局から与えられるいずれかのグループに属する全端末への一斉着信の指示に基づき、該グループに対応する着信群を選択する。一斉着信の指示とは、たとえば、中継機17に対する着信等である。着信制御部35は、通信装置31における着信の実行状態を制御する。具体的には、着信制御部35は、通信装置31に、着信群判別部34によって選択されている着信群〔以後、単に「選択中の着信群」と称する〕への一斉着信を実行させ、一斉着信開始から所定の基準時間経過後に、該選択中の着信群に対応するグループに属する全ての各端末16に対する個別着信を実行させる。
【0040】
このように着信制御部35は、いずれかのグループに属する全端末に対する一斉着信と、該グループに属する各端末に対する個別着信とを、通信装置31に併用させる。これによって、或るグループに属す全端末のうちに該グループに対応する着信群への一斉着信に応答不能な端末が有る場合、該応答不能な端末に対し個別着信が掛けられるので、該グループに属す全端末に対し着信を確実に掛けることが可能になる。
【0041】
上述の中継機17を含む通信システムは、好ましくは、通信装置31が複数の一斉呼出しチャネルを使用可能であり、着呼信号を待受けるべき一斉呼出しチャネルが中継機17から端末16に対して指定され、指定されている最新の一斉呼出しチャネルの信号だけを端末16が受信する構成である。この場合好ましくは、選択中の着信群に割当てられている一斉呼出しチャネルを用いて、該着信群に対応するグループに属する全端末16に対する一斉着信が実行され、かつ着信群に割当てられている一斉呼出しチャネル以外の残余の一斉呼出しチャネルを用いて、該選択中の着信群に対応するグループに属する各端末16に対する個別着信が実行される。これによって、或るグループに属しながらも該グループに対応する着信群に割当てられている一斉呼出しチャネル以外の残余チャネルを用いて実行される着信だけに応答可能な端末16がある場合、該端末16に対して確実に着信を掛けることができるので、一斉着信時の呼接続の成功率が向上する。
【0042】
端末16は、前述したように、自己に割当てられている最新の一斉呼出しチャネルを用いて送信される着呼信号だけを待受けている。着呼信号を待受けるべき一斉呼出しチャネルは、端末16の位置登録時に割当てられる。図5は、位置登録シーケンスを説明するための図である。
【0043】
公衆基地局13は、自己が属するセルを含む予め定める位置登録エリアの位置情報を、共通制御チャネルを用いて該セル内に常に送信している。端末16は、個別セル用チャネルを用いて送信されている位置情報を周期的に受信し、過去に受信されている位置情報と最新の位置情報とを比較して、位置情報が変化していたならば、位置登録エリアの境界を越えたと認識する。
【0044】
境界を越えているならば、リンクチャネル確立要求信号が、端末16から中継機17に、個別セル用チャネルを用いて送信される。リンクチャネル確立要求信号に応答して通信チャネルが割当てられ、割当てられた通信チャネルを示すリンクチャネル割当て信号が、移動通信交換局18から公衆基地局13と中継機17とを介して端末16に、個別セル用チャネルを用いて送信される。通信チャネル割当て後、割当てられている通信チャネルまたは個別セル用チャネルを用いて、端末16と移動通信交換局18との間で、中継機17と公衆基地局13とを介して、端末16の認証のための信号が送受される。認証要求信号および認証応答信号の送受の結果、端末16が正当なものであると判断されれば、位置登録が続行される。
【0045】
中継機17を経由する位置登録を実行中の端末16が中継機17に予め登録されている端末ならば、移動通信交換局18と該端末16との信号送受と並行して、着信群指定部33は、記憶装置37の記憶内容に基づき該端末16が属する着信群が何であるかを判断し、該端末16が属する着信群に割当てられた一斉呼出しチャネルを選択する。着信群指定部33は、図6(A)に示すように、移動通信交換局18から公衆基地局13を介して中継機17に至った位置登録受付信号に、自営標準の着信群指定情報を付加する。自営標準の着信群指定情報は、図6(B)に示すように、該情報が自営標準の着信群指定情報である旨を示す情報識別子と、指定方法を示すフラグと、端末16に割当てられた一斉呼出しチャネルを指定する着信群番号とを含んでいる。着信群指定情報付加後の位置登録受付信号が、中継機17から端末16に送信される。
【0046】
位置登録受付情報受信後、待機状態にある端末16は、下り回線の論理制御チャネルのLCCHスーパフレーム内の全一斉呼出しチャネルのタイムスロットP1〜P8のうち、該位置登録受付信号に付加されている自営標準の着信群指定情報の着信群番号によって指定されている一斉呼出しチャネルのタイムスロットPiを用いて送信される着呼信号だけを待受ける。
【0047】
図1の中継機17には、端末16と同様に、電話番号が割振られている。また中継機17の電話番号とサブアドレスとを組合わせた番号が、該中継機17配下の端末16に電話番号として割振られている。
【0048】
移動通信交換局から公衆基地局13を介して中継機17に、中継機配下の端末16を指定する電話番号宛の着信情報が与えられたならば、該着信情報に応答して、中継機17は該中継機配下の指定されている端末16に対する個別着信を実行する。この場合中継機17は、最初に、中継機17と公衆基地局13との間で図9と同様の着信シーケンスを実行しつつ、該中継機配下の全端末16のうちの着信先として指定されている端末に対する個別着信を実行する。個別着信時に一斉呼出しチャネルを用いて送信される着呼信号には着信先の端末の番号等の識別情報が含まれており、着呼情報受信時に、各端末16が識別情報を確認して、自己に対する個別着信であると識別される場合、着信シーケンスを呼出まで進ませ、リンガを鳴動させる。リンガ鳴動中の端末において、通話キーの押下等の応答操作後、着信に対する応答が返る。応答が返ったならば、停止中の着信シーケンスが該いずれかの端末16と公衆基地局13との間で中継機17を経由しつつ再開され、通話が始まる。
【0049】
移動通信交換局から公衆基地局13を介して中継機17に、該中継機17に割振られた電話番号宛の着信情報が与えられたならば、まず中継機17と公衆基地局13との間で着信シーケンスが実行される。この結果、情報転送能力フラグの含まれる呼設定信号を中継機17が受信したならば、該中継機配下の全端末16のうちの該情報転送能力に応じたグループに属する全端末に対する一斉着信を中継機17が実行する。一斉着信時に一斉呼出しチャネルを用いて送信される着呼信号には拡張呼出しサービス種別情報が含まれ、拡張呼出しサービス種別情報には該着呼信号が一斉着信時のものであるか否かを示すフラグが含まれている。端末16は、着呼情報受信時に、拡張呼出しサービス種別情報内のフラグを確認し、一斉着信である場合にはリンガを鳴動させる。リンガ鳴動中には、現在実行中のシーケンスは一時停止される。一斉着信がかけられた全端末16のうちのいずれかの端末において、通話キーの押下等、着信に対する応答がなされたならば、停止中の着信シーケンスが該いずれかの端末16と公衆基地局13との間で中継機17を経由しつつ再開される。再開後のシーケンスは、前記いずれかの端末16に対する個別着信時のシーケンスとほぼ等しい。
【0050】
図11に示すように、音声通話用の端末である音声端末6Vの属する着信群に第1一斉用チャネルが割当てられ、データ通信用の端末であるデータ端末6Dの属する着信群に第5一斉用チャネルが割当てられる場合を例として、一斉着信時の中継機17の挙動を概略的に説明する。
【0051】
移動通信交換局18から中継機17に音声一斉着信の着信情報が到来した場合、制御装置32内の着信群判別部34が、該着信情報内の情報転送能力が音声通話とデータ通信とのどちらであるかに応じて、音声一斉着信とデータ着信とのどちらであるかを判断する。たとえば、情報転送能力フラグが音声通話を示していれば、音声一斉着信が指示されていると判断される。この場合、中継機17の通信装置31は、音声端末6Vが属するグループに対応する着信群に割当てられている第1一斉呼出しチャネルだけを用いて、該グループに属する全音声端末6Vが応答可能な一斉呼出し用の着呼信号を送信する。この結果、第1一斉呼出しチャネルを用いて送信される着呼信号を待受けている音声端末6Vだけに、着信が通知される。
【0052】
前述したように、中継機17配下の端末16が着呼信号を待受けるべき一斉呼出しチャネルは、該端末16が中継機17を経由して移動通信交換局18に対し位置登録する際に指定される。中継機の配下にいるPHS端末は、親機として機能する該中継機に対し、該中継機の子機として動作する。中継機配下の子機の位置登録は中継機で終端され、公衆回線網に経由されることはない。公衆への位置登録は、中継機自体が行う場合だけ行われる。位置登録未完了の場合というのは、たとえば、SO登録(子機の登録)直後等に無線品質劣化等の理由があるために位置登録が失敗した場合である。位置登録未完了の場合の待受け位置は特に定められているわけではないので、着信群に待受けるのかは不定となる。このように、何らかの理由に基づき中継機17を経由する位置登録がなされていない端末16は、どの一斉呼出しチャネルで着呼信号を待受けているかが不明である。
【0053】
図12に示すように、1台の音声端末6Vが中継機17を経由する位置登録を未だ実行していない場合、該音声端末6Vの属すグループに対応する着信群用の第1一斉呼出しチャネルとは別の第3一斉呼出しチャネルで着呼信号を待受けている。音声端末6V宛の一斉着信用着呼信号は第1一斉呼出しチャネルを用いて送信されるので、位置登録未実行の音声端末6Vは、音声端末6Vであるにも関わらず、音声端末6V宛の一斉着信用の着呼信号を受信できない。
【0054】
このために、一斉着信用の着呼信号送信開始時から所定の基準時間経過後、着信制御部35は、一斉着信用着呼信号を送信した第1一斉呼出しチャネルに割当てられている着信群に対応するグループの全端末16を未応答端末と判別する。次いで、一斉着信用着呼信号を送信した第1一斉呼出しチャネル以外の残余の一斉呼出しチャネル、すなわち図11および図12では第2〜第8一斉呼出しチャネルを用いて、判別された未応答端末16のうちのいずれか1台に対する個別着信を実行する。未応答端末16が2台以上あれば、各未応答端末16に対する個別着信を所定の時間毎に実行する。各未応答端末16に対する個別着信に対し、一定時間後までに応答がなければ、該未応答端末16への着信シーケンスを中途終了する。
【0055】
図12の例では、第3一斉呼出しチャネルの信号を待受けている音声端末6Vに対する個別着信が実行される。しかしながら、第5一斉呼出しチャネルの信号を待受けている2台のデータ端末6Dに対しては、属するグループが一斉着信先の着信群に対応するグループとは異なるので、個別着信は実行されない。このように着信群単位の一斉着信開始時から所定の基準時間経過後に、着信群に対応するグループに属する各端末16への個別着信を併用することによって、一斉着信先のグループに属する端末16に対して、必ず着信を掛けることができる。
【0056】
図7は、中継機17内の制御装置32における一斉着信時の制御処理を説明するためのフローチャートである。固定通信網15内の移動通信交換局18から公衆基地局13を介して中継機17に対し、中継機17宛の着信情報が与えられたならば、ステップA0からステップA1に進む。
【0057】
ステップA1において、まず着信群判別部34が、移動通信交換局18からの着信情報に基づき、一斉着信すべき着信群を選択する。たとえば移動通信交換局18からの中継機17宛の着信情報に含まれる情報転送能力を示すフラグが音声通話を示しているならば、中継機17配下の全端末16のうち、音声通話用として中継機17に既に登録されている音声端末6Vのグループに対応する着信群が選択される。またたとえば移動通信交換局18からの着信情報に含まれる情報転送能力がデータ通信を示しているならば、中継機17配下の全端末16のうち、データ通信用として中継機17に既に登録されているデータ端末6Dのグループに対応する着信群が選択される。続いて着信制御部35は、着信群判別部34によって選択されている着信群への一斉着信を、該着信群に割当てられている一斉呼出しチャネルだけを用いて、通信装置31に実行させる。また一斉着信用の着呼信号の送信開始とともに、着信制御部35は、該送信開始時からの第1経過時間の計時を開始する。
【0058】
一斉着信用の着呼信号に対する応答が選択中の着信群に対応する属す任意のいずれか1端末16から返ったならば、通信装置31は、一斉着信を停止させ、かつ該いずれか1端末16との間の呼接続に関するシーケンスの実行を開始する。この結果前記いずれか1端末以外の残余端末におけるリンガ鳴動も停止し、かつ該いずれか1端末を用いた通信が可能になる。
【0059】
ステップA2において着信制御部35は、選択中の着信群に対応するグループに属す各端末16からの一斉着信用着呼信号に対する応答状態を判断する。選択中の着信群に対応するグループに属すいずれか1端末16から着呼信号に対する応答が返っているならば、ステップA8で当該フローチャートの処理が終了する。選択中の着信群に対応するグループに属す全端末16からの着呼信号に対する応答が未だ返っていないならば、ステップA3において、計時中の第1経過時間と予め定める第1基準時間とが比較される。第1経過時間が第1基準時間未満であれば、ステップA3からステップA2に戻る。ステップA2,A3の処理は、選択中の着信群に属すいずれか1端末16から着呼信号に対する応答が返るか、第1経過時間が第1基準時間以上になるまで、時間経過に伴い繰返される。
【0060】
第1経過時間が第1基準受信以上になるまでに選択中の着信群に属す全端末16からの着呼信号に対する応答が未だ返らないならば、ステップA4において着信制御部35は、選択中の着信群に対応するグループに属するいずれか1つの未応答端末16に対する個別着信を、該着信群に割当てられている一斉呼出しチャネル以外の残余の全一斉呼出しチャネルを用いて、通信装置31に実行させる。また個別着信開始とともに、着信制御部35は、該送信開始時からの第2経過時間の計時を開始する。
【0061】
ステップA5において着信制御部35は、選択中の着信群に対応するグループに属す未応答のいずれか1端末16からの個別着信用着呼信号に対する応答状態を判断する。選択中の着信群に対応するグループに属すいずれか1つの未応答端末16からの着呼信号に対する応答が未だ返っていないならば、ステップA6において、計時中の第2経過時間と予め定める第2基準時間とを比較する。第2経過時間が第2基準時間未満であれば、ステップA6からステップA5に戻る。ステップA5,A6の処理は、選択中の着信群に対応するグループに属す未応答の前記いずれか1端末16から着呼信号に対する応答が返るか、第2経過時間が第2基準時間以上になるまで、時間経過に伴い繰返される。また、前記いずれか1端末16から着呼信号に対する応答が返るか、第2経過時間が第2基準時間以上になった時点までに前記いずれか1端末16から着呼信号に対する応答が返らないならば、該いずれか1端末16は応答不能であると見なして、ステップA7に進む。
【0062】
ステップA7において着信制御部35は、選択中の着信群に対応するグループに属す未応答端末16のうち、未だ個別着信の対象になっていない端末16を選んで、ステップA4と同様の手順で、該選ばれた端末16に対する個別着信の実行を開始する。ステップA5〜A7の処理は、選択中の着信群に対応するグループに属すいずれかの未応答端末16が個別着信に応答するまで、繰返される。いずれかの未応答端末16が個別着信に応答したならば、通話を開始する。選択中の着信群に対応するグループに属す全未応答端末16が個別着信に応答しない場合、全未応答端末16へそれぞれ第2基準時間ずつ個別着信を掛けた後、ステップA8で図7のフローチャートが終了すれば良い。
【0063】
このように着信制御部35は、選択中の着信群に対応するグループに属する全端末16に対する一斉着信開始時から予め定める基準時間経過後に、該着信群に対応するグループに属する各端末16に対する個別着信を通信装置31に実行開始させる。これによって、一斉着信と個別着信とを併用することができる。
【0064】
また好ましくは、着呼信号の一斉送信開始時から着呼信号の個別送信開始時までの時間差である第1基準時間が変更可能になっている。このためには、第1基準時間を設定している第1基準時間設定部を着信制御装置32がさらに含み、一斉着信指示時に第1基準時間設定部に設定されている第1基準時間を用いて着信制御部35が通信装置31を制御する。これによって、中継機の使い勝手が向上する。また第1基準時間と第2基準時間とが等しく、かつ第1基準時間設定部に設定されている第1基準時間を第2基準時間としても用いても良い。
【0065】
さらにまた好ましくは、着信制御部35は、選択中の着信群に対応するグループに属する各端末16に対する着呼信号の個別送信中も、該グループに属する全端末16に対する着呼信号の一斉に送信を続行させる。これによって、選択中の着信群に割当てられている一斉呼出しチャネルを用いた着信を待受けている端末と、選択中の着信群に割当てられている一斉呼出しチャネル以外の一斉呼出しチャネルを用いた着信を待受けている端末との両方に、同時に着信を掛けることができる。したがって選択中の着信群に対応するグループに属する全端末16に着信が掛かる時間をより短縮することができる。
【0066】
本実施の形態の中継機17は本発明の中継機の例示であり主要な構成および動作が等しければ、他の様々な形で実現することができる。特に中継機17の各構成部品の詳細な構成および動作は、同じ効果が得られるならば、上述の構成および動作に限らず、他の構成および動作によって実現されてもよい。すなわち中継機17は、2以上の端末16との間で呼を並列接続可能な通信装置31と、通信装置31における着信を上記のように制御する着信制御部35とを最低限有し、交換局と端末との間の通信を中継する装置であれば良く、その他の構成部品は適宜増減されても良い。またたとえば中継機と交換局と端末を含む通信システムは、PHSに限らず他の通信システム、たとえばPDC(Personal Digital Cellular)を採用した携帯電話システムおよび自動車電話システム等を含む一般的な移動通信システムで実現されてもよく、移動通信システム以外の固定通信システムで実現されてもよい。
【0067】
【発明の効果】
以上のように本発明に従えば、基地局から中継機への着信において、中継機配下の全端末のうちのいずれかのグループに属する全端末への一斉着信時に、一斉着信から基準時間経過後に、応答する端末が無ければ各グループに属する各端末への個別着信が実行される。これによって、中継機に属するいずれかの端末に対して着信を確実に掛けることが可能になる。
また本発明によれば、一斉着信開始時から個別着信開始時までの時間差である基準時間が変更可能になっているので、中継機の使い勝手が向上する。
【0068】
さらにまた本発明によれば、前記グループに属する各端末に対する個別着信実行中も、一斉着信が続行される。これによって中継機は、前記グループに属する各端末に着信が掛かる時間を短縮することができる。
また本発明によれば、通信手段が複数の一斉呼出しチャネルを使用可能な場合、いずれかのグループに割当てられている一斉呼出しチャネルだけを用いて一斉着信が実行されるだけでなく、残余の一斉呼出しチャネルを用いて個別着信が実行される。これによって、一斉着信時の呼接続の成功率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の中継機17を含む通信システムであるPHS11の構成を示す図である。
【図2】図1のPHS11における無線通信の信号構成を示す図である。
【図3】図1のPHS11における下り回線の論理制御チャネルの構成と、待機時の端末16の着呼信号の待受けタイミングを示す図である。
【図4】図1のPHS11内の中継機17の構成を示すブロック図である。
【図5】図1のPHS11における一斉呼出しチャネル指定を含む位置登録シーケンスを説明するための図である。
【図6】図5の位置登録シーケンスにおいて送受される位置登録受付信号の構成、および該位置登録受付信号に付加される着信群指定情報の構成を示す図である。
【図7】図4の中継機17内の制御装置32における着信群単位の一斉着信時の制御処理を説明するためのフローチャートである。
【図8】従来技術のPHS1の構成を示す図である。
【図9】従来技術のPHS1における端末に対する着信シーケンスを説明するための図である。
【図10】従来技術のPHS1において、端末6に対する一斉呼出しチャネルの割当て状態を示す図である。
【図11】従来技術のPHS1において、2以上の着信群に選択的に属する端末6に対する一斉呼出しチャネルの割当て状態を示す図である。
【図12】従来技術のPHS1において、中継機を経由する位置登録完了前の端末6に対する一斉呼出しチャネルの割当て状態を示す図である。
【符号の説明】
11 PHS
13 公衆基地局(CS)
16 端末(PS)
17 中継機
18 移動通信交換局(MSC)
31 通信装置
33 着信群指定部
34 着信群判別部
35 着信制御部
Claims (4)
- 2以上のグループにそれぞれ選択的に属している複数の端末と基地局との間の通信を中継する中継機において、
2以上の端末に対して、個別に呼を接続可能な通信手段と、
端末からの位置登録を受付ける際に、各端末に対してその属するグループに対応する着信群への所属状態を示すデータを、該端末の識別情報とともに記憶しておく記憶手段と、
各端末へ、該端末が属するグループに対応する着信群に割当てられ、該端末が着信を待受けるべき一斉呼出しチャネルを通知する着信群指定手段と、
基地局から与えられる中継機への着信の指示に基づき、通信手段に、記憶手段に記憶されている各グループに対応する着信群に割当てられている一斉呼出しチャネルを使用して、各グループに属する全端末に対する一斉着信を実行させ、かつ、一斉着信開始時から予め定める基準時間が経過した後で、応答する端末が無ければ、記憶手段を参照して、各グループに属する各端末の識別情報を読出し、該識別情報で指定する個別着信を、各グループに対応着信群に割当てられている一斉呼出しチャネルの残余の一斉呼出しチャネルを使用して、実行させる着信制御手段とを含むことを特徴とする中継機。 - 基準時間を設定している基準時間設定手段をさらに含み、
着信制御手段は、一斉着信の指示時に基準時間設定手段に設定されている基準時間を用いて制御を行い、
基準時間設定手段に設定されている基準時間は可変であることを特徴とする請求項1記載の中継機。 - 着信制御手段は、前記グループに属する各端末に対する個別着信実行中も、前記グループに属する全端末に対する一斉着信を続行させることを特徴とする請求項1または2記載の中継機。
- 前記各端末は、着信の待受け時に、前記着信群指定手段によって通知されている一斉呼出しチャネルを使用して実行される着信だけに応答し、
前記着信制御手段は、基地局からいずれかのグループに属する全端末への一斉着信の指示に対して、前記記憶手段を参照し、前記通信手段に、該グループに対応する着信群に割当てられている一斉呼出しチャネルを用いて、該グループに属する全端末に対する一斉着信を実行させ、かつ、一斉着信開始時から前記予め定める基準時間が経過した後で、応答する端末が無ければ、該端末を識別情報で指定する個別着信を、該グループに対応する着信群に割当てられている一斉呼出しチャネル以外の残余の一斉呼出しチャネルを使用して、実行させることを特徴とする請求項1または2記載の中継機。
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