JP3626879B2 - 道路の障害物検出装置、道路の障害物検出方法、道路の障害物検出システム及び道路の障害物検出プログラムを記録した記録媒体 - Google Patents

道路の障害物検出装置、道路の障害物検出方法、道路の障害物検出システム及び道路の障害物検出プログラムを記録した記録媒体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、道路の障害物検出装置、道路の障害物検出方法、道路の障害物検出システム及び道路の障害物検出プログラムを記録した記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
高速道路などでは、道路上に障害物があると車両の走行に非常に危険であるので、道路上の障害物を検出して運転者に知らせることが望まれている。道路の障害物検出システムとしては、センサにより道路上の物体を検出し、その物体が一定速度以上で移動中の物体か、静止している物体かにより障害物か否かを識別することが考えられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
例えば、高速道路沿いに複数のセンサを設置し、それぞれのセンサにより計測される計測データに基づいて障害物を検出する障害物検出システムを構築した場合、障害物が実際に道路上に存在する場合でも、障害物が走行する車両の影になって、あるいは障害物が他の障害物の影になって、センサにより検出できなくなることが考えられる。道路の障害物を検出するシステムにおいては、このような他の物体により一時的に隠された障害物をどのように検出するかが重要なテーマとなる。
【0004】
さらに、上述したセンサで一定周期毎に道路の状況を計測し、道路の状況を監視するシステムを実現することも道路の運行管理のうえで有用と考えられる。その場合、センサで道路状況を計測する毎に計測データから得られるデータを更新するようにすると、車がスムーズに流れていて道路状況がほとんど変化しないときにもデータの更新処理が行われ、道路状況を表示するためのデータの更新処理時間が増大することが考えられる。
【0005】
本発明の課題は、他の物体により隠された障害物を検出できるようにすることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の道路の障害物検出装置は、一定範囲の道路の状況を計測するミリ波センサと、前記ミリ波センサにより計測された計測データと背景データとに基づいて障害物を検出し、検出した障害物の履歴を履歴情報として記録する検出手段と、前記履歴情報に登録されていて、今回の計測データに存在しない障害物を他の物体により一時的に隠された障害物と推定する推定手段と、前記推定手段により隠された障害物と推定された障害物が、計測された物体の後方の領域に存在するか否かを判断し、物体の後方の領域に隠された障害物が存在する場合には、過去の背景データと前記隠された障害物についてのデータとに対してそれぞれ所定の重み付けをしたデータに基づいて背景データを更新する更新手段とを備える。
【0007】
この発明によれば、他の物体により隠された障害物が存在すると推定された場合には、計測データから得られるデータから他の物体により隠された障害物が消去されないようにデータの更新を行うことができるので、他の物体の影となりセンサで計測できなかった障害物を検出することができる。また、他の物体により隠された障害物が再度計測されたときにも、計測データから得られるデータには隠された障害物がそのまま保存されているのでデータが連続したものとなり、障害物が計測されたり、計測されなかったりすることがなくなる。
【0008】
なお、他の物体により隠された障害物が存在するか否かの推定は、例えば、過去に検出された障害物の属性情報と障害物の検出履歴を示す履歴情報とを記憶しておいて、現在に近い計測タイミングに同一の属性情報を有する障害物が所定回数以上繰り返し検出されているのに、今回その障害物が検出されなかった場合には、その障害物が他の物体により隠されたものと推定する。
【0009】
また、障害物の検出は、例えば、計測データを重み付けしたデータから得られる背景データと計測データとの差分を取ることにより行う。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施の形態の道路状況を監視するシステムの構成を示す図である。このシステムは、一定範囲の道路の状況を計測するために首振り回転が可能な駆動部に取り付けられたミリ波センサ11と、ミリ波センサ11により計測される計測データ(距離、速度、角度データからなる)に基づいて障害物を検出するとと共に、道路状況を示す表示データを作成する障害物検出装置12と、障害物検出装置12から送られてくる障害物の存在を知らせるメッセージ等を表示する情報表示板13とからなる。
【0012】
情報表示板13は、前方の視界が悪い道路がカーブしている場所などの近くの道路沿い、あるいは道路を横断する位置に設置され、車両の運転者に前方に障害物があることを知らせるためのものである。
【0013】
なお、道路沿いに多数のミリ波センサ11を設置し、それぞれのミリ波センサ11の計測データを障害物検出装置12から道路状況を監視する中央監視センタに有線または無線により送信し、中央監視センタの表示装置に道路の各地点の障害物を表示させ、中央監視センタが情報表示板13に障害物の存在を知らせるメッセージ等を表示させるようにしても良い。
【0014】
次に、以上のような構成の道路状況監視システムにおける障害物検出処理を図2のフローチャートを参照して説明する。
障害物検出装置12は、ミリ波センサ11から道路の状況を示す計測データを取得し(図2,S11)、その計測データに基づいて背景データの生成・更新処理を実行する。この背景データの生成・更新処理は、後述するステップS19のオクルージョンチェック等と関連するのでそれらの説明が終了した後に詳しく説明する。
【0015】
次に、計測データの中で一定以上の速度で移動している物体を除外する(S13)。これにより、速度が極端に遅い車両とガードレール及び速度標識等の固定設置物と静止障害物が残った計測データが得られる。
【0016】
図3(A)、(B)は、背景データ取得時、計測データ取得時のそれぞれの道路の状況を示す図であり、図4(A)、(B)は、背景データ及び計測データの説明図である。
【0017】
図3(A)は、車両及び障害物が存在しないときの道路の状況を示し、図3(B)は車両または障害物が存在するときの道路の状況を示している。
図3(A)の車両が存在しない道路の状況を、ミリ波センサ11で計測すると、その計測データはガードレールのみが存在するものとなり、その計測データから図4(A)に示すような背景データが生成される。
【0018】
図4(A)の破線で示す範囲がミリ波センサ11のスキャン範囲であるとすると、この場合、障害物は存在しないので、左側の破線とガードレール31との交点のミリ波センサ11から見た角度と距離で表される点から、右側の破線とガードレール31との交点のミリ波センサ11から見た角度と距離で表される点までの範囲の計測データから得られるドットデータが背景データのマトリックスデータとして保存される。
【0019】
図3(B)の車両または障害物Aが存在するときの道路の状況を、ミリ波センサ11で計測すると、その計測データは図4(B)に黒く示すようにガードレールの一部と車両または障害物Aとを示すデータとなる。この場合、ガードレール31の中央部は障害物Aの影となるのでミリ波センサ11では計測されないことになる。
【0020】
図5は、背景データのデータマトリックスを示す図であり、図5は、図4(A)の背景データを記憶した状態を示している。ミリ波センサ11により検出された計測データは、ミリ波センサ11の位置を原点とした角度及び距離データとして得られ、計測データのドット数はミリ波センサ11の分解能により決まるので、計測データの各ドットの角度及び距離データから図5に示す背景データのデータマトリックスが生成される。なお、図5においては、縦軸に角度、横軸に距離を記載しているが、これは縦軸と横軸がそれぞれ角度と距離を示しているという意味ではなく、計測データが角度と距離で表されるデータとして得られることを表している。
【0021】
図2に戻り、一定速度以上の移動物体を除去した計測データと背景データとの差分を取る(S14)。
障害物Aが存在する場合には、計測データは、図4(B)に黒で示すにミリ波センサ11から見えた障害物Aのイメージ(L字型の形状)とガードレール31とからなる。そして、障害物が存在する前の背景データが図4(A)に示すようなものであるとすると、両者の差分を取ると、ガードレール31の中央部と31aと障害物Aとが抽出されるが、ガードレール31は背景データに最初から存在する部分であるので、障害物から除外され、図6に示すようなL字状のデータのみが差分データとして抽出される。
【0022】
次に、抽出した差分データをグループ分け(セグメンテーション)する(図2,S15)。グループ分けとは、差分データに複数の障害物候補が含まれている場合に、黒ドットの集合毎に分類することである。グループ分けした後、グループに属さない孤立した黒ドットのデータを除去する(S16)。これは、孤立したデータは、ミリ波センサ11により計測されたノイズ等と考えられるからである。
【0023】
次に、グループ分したそれぞれの障害物候補の属性情報を生成する(S17)。属性情報とは、ミリ波センサ11により計測された障害物(障害物候補を含む)の各検出点の角度及び距離データから重心の位置を計算し、その重心の位置(角度、距離)と速度と障害物の大きさを表したものである。この属性情報は、障害物を識別する情報(例えば、ラベル名)と対応づけて記憶される。なお、属性情報は重心に限らず、障害物の位置を特定できるような情報であれば良く、例えば障害物の外接円の中心座標、障害物の外周の複数の点の座標等でも良い。
【0024】
次に、検出した障害物候補の履歴情報を生成する(S18)。履歴情報の生成処理では、今回検出された障害物候補と過去に検出された障害物の属性情報を比較し、属性情報の一致する障害物が過去に存在する場合には、その障害物に定義されているラベル名を今回計測時の履歴情報として記録する。属性情報の一致する障害物が存在しない場合には、その障害物候補に新たなラベル名を定義して、そのラベル名を履歴情報として記録する。ここで、履歴情報とは、障害物の検出履歴を示すものであり、障害物に定義したラベル名を各スキャンタイミングに対応させて順に記録したものである。
【0025】
図7は履歴情報の構成の一例を示す図であり、履歴情報はミリ波センサ11による何回目のスキャンであるかを示すスキャン回数とそのとき検出された障害物のラベル名とが対になって構成されている。
【0026】
図7の例では、t−2回目のスキャン時に、2個の障害物候補が検出され、それらのラベル名がL1,L2であることが記憶されている。次のt−1回目のスキャン時にはラベル名L2に該当する障害物候補のみが検出され、ラベル名L1に該当する障害物候補は検出されなかったが、この障害物候補は他の物体により一時的に隠された可能性が高いのでオクルージョンの疑いを示すOCがラベル名L1の欄に記憶される。次のt回目のスキャン時には、ラベル名L1,L2の障害物候補の他に新たに障害物候補が検出されたので、そのラベル名L3が記憶されている。
【0027】
図2に戻り、上述した履歴情報と属性情報を参照して他の物体により一時的に隠された障害物(オクルージョン)が存在するか否かを調べる(S19)。オクルージョンのチェックは、計測データと履歴情報を比較して、走行車等が前にいて計測されていないものがないかを調べる処理である。今回の計測でその障害物が計測されていない場合には、他の物体によりその障害物が一時的に隠されたものと推定する。
【0028】
次に、障害物の有無を検出する(S20)。障害物の検出は、履歴情報を参照して同じラベル名、つまり同じ属性情報を有する障害物候補が一定回数以上繰り返し検出されたか否かにより行う。一定回数以上(本実施の形態では2回以上)同じ障害物候補が検出された場合には、障害物が検出されたものと判断する。
【0029】
ステップS20で障害物が検出された場合には(S20,YES)、障害物の重心の位置を計算し、重心の角度、距離を計算する(S21)。また、重心位置の速度から障害物の速度を算出する(S22)。さらに、障害物の各検出点の角度、距離データから障害物の大きさを計算する(S23)。
【0030】
障害物の位置、速度及び大きさの検出が終了したなら、障害物が存在することを知らせるメッセージを情報表示板13に表示する(S24)。さらに、障害物検出装置12に表示装置が接続されている場合には、その表示装置に障害物を含む道路の状況を表示させる。
【0031】
また、検出した障害物の位置及び障害物の大きさを障害物検出装置12の外部I/Fを介して外部装置に出力する(S25)。例えば、障害物検出装置12の外部I/Fを介して出力される障害物に関するデータを道路状況を監視する監視センタが受信し、道路の各地点の障害物に関するデータに基づいて監視センタの表示装置に障害物を含む道路の状況を表示させることができる。これにより、監視センタにおいて、道路の各地点の障害物の有無を把握し、道路沿いに設けた情報表示板等により、予め運転者に障害物の存在を知らせることができる。
【0032】
ここで、図2のステップS12の背景データの生成・更新処理の内容を図8のフローチャートを参照して説明する。
先ず、ステップS31で、物体(障害物を含む)のぼかし範囲か否かを判別する。ぼかし範囲とは、物体を囲む所定の領域(図10の障害物を囲む領域)であある。ぼかし範囲の計測データと判別された場合には(S31,YES)、ステップS32に進み背景データの更新処理を実行する。また、ステップS31がNOの場合には、ステップS33に進み、物体の後方の計測データか否か、さらには後方の領域にオクルージョンが存在しないか否かを判別する。物体の後方の計測データで、オクルージョンが存在しない場合には(S33,YES)、背景データの更新を行わず、そこで処理を終了する。他方、物体の後方の計測データでも、オクルージョンが存在する場合には(S33,NO)、ステップS32の背景データの更新処理を実行する。
【0033】
ここで、背景データの更新処理について説明すると、本実施の形態では、道路状況が突発的に変化した場合でも、障害物の検出の基準となる背景データがその影響を受けないようにするために、異なる計測タイミングに計測された複数の計測データを重み付けしたデータを用いて背景データを更新している。具体的には、以下の式から背景データを求めている。
【0034】
=(1−α)Mt−1 +αWt−1 ・・・(1)
M;背景データ
W;ぼかしデータ
α;0≦α≦1
t;ミリ波センサ11のスキャン回数
なお、ぼかしデータWは、W=f(D)から求める。”D”は計測データであり、”f(D)”は複数の計測データに重み付けをする演算式である。
【0035】
上記の(1)式から背景データを計算することにより、突発的な計測データの影響を抑えた背景データを得ることができる。
ここで、上述したステップS19のオクルージョンチェックとステップS12の背景データの生成・更新処理の内容を、図9及び図10を例にとって説明する。
【0036】
図9(A)は、道路上に実際に存在する車両等の物体と障害物を示す図であり、図9(B)は、そのときミリ波センサ11により計測された計測データを示す図である。なお、図9においては、縦軸に角度、横軸に距離を記載しているが、これは縦軸と横軸がそれぞれ角度と距離を直接示しているという意味ではなく、計測データが角度と距離で表されるデータとして得られることを表している。
【0037】
ミリ波センサ11により計測されない、物体の影となる領域は、通常は背景データの更新を行う必要がない。しかしながら、障害物の一部、あるいは全部が物体の影となる領域に含まれている可能性があるときに、その領域の背景データを更新しないと、その領域に実際に存在する障害物が背景データに含まれなくなるという問題が生じる。
【0038】
そこで、本実施の形態では、物体の影となって隠された障害物(オクルージョン)が存在すると推定された場合には、その隠された障害物を囲む所定の領域の背景データの更新処理を行うようにした。これにより、物体の影となりミリ波センサ11により計測されない障害物が背景データとして保存されるので、その背景データを利用して障害物を表示する表示データ等を作成できる。
【0039】
図9(A)に示すような位置関係で道路上に車両などの物体Aと、静止障害物Bと、静止障害物Cとが存在する場合には、ミリ波センサ11に近い位置にある物体Aと障害物Bはミリ波センサ11により計測されるが、障害物Bの裏側にある障害物Cは、障害物Bの影となって計測されない。
【0040】
障害物Bは一部が物体Aの影となるので、図9(B)に示すようにミリ波センサ11により障害物Bの一部が欠けた状態の障害物(これを障害物B’と呼ぶ)が計測される。そして、図2のステップS19のオクルージョンのチェックで、障害物B’の属性情報と、過去に計測された障害物の属性情報を比較し、他の物体により隠されたオクルージョンが存在するか否かを推定する。この場合、属性情報が完全に一致する障害物は存在しないが、履歴情報から前回、前々回のスキャン時に計測された障害物Bが今回計測されず、属性情報から障害物B’と障害物Bがほぼ同じ位置にあることが分かるので、障害物B’は障害物Bの一部が隠されたものと推定する。
【0041】
障害物B’が障害物Bの一部が隠されたものと推定された場合には、図2のステップS12で、障害物Bの属性情報に基づいて障害物Bを囲む所定の領域について背景データの更新を行う。
【0042】
以下、このときの背景データの更新処理の内容を図10を参照して説明する。図10の物体A及び障害物Bの周りの四角で囲まれた領域a、bは、本実施の形態において、背景データを更新する領域を示している。また、物体Aと障害物Bの後方の斜線で示す領域d、eは、物体Aと障害物Bの後方の領域で、通常であれば背景データの更新を行わない領域である。
【0043】
障害物Bがオクルージョンと推定された場合には、ステップS12の背景データの生成・更新処理において、本来の障害物Bの大きさ、重心の位置から障害物Bを囲む所定の領域bを計算し、その領域b内の背景データの更新を行う。背景データの更新は、前述した(1)式から時刻tの計測データと前回の背景データから求める。その際、時刻tの計測データは障害物Bの一部が欠けたデータであるので、例えば、障害物B’の本来の大きさを示す障害物Bの属性情報に基づいて計測データを補正し、補正した計測データを用いて背景データを計算することにより、障害物B全体を含む背景データの更新を行う。
【0044】
これにより、障害物の一部が他の物体により隠された場合でも、背景データには実際に存在する障害物の全体が含まれることになるので、障害物をより正確に検出することが可能となる。
【0045】
次に、障害物Cに関するオクルージョンチェックと背景データの更新について図10を参照して説明する。
この場合、図2のステップS19のオクルージョンチェックで、履歴情報から障害物Cがそれ以前の計測で繰り返し計測されていて、今回の計測データで障害物Cが計測されなかったことが分かるので、障害物Cは他の物体により一時的に隠されたオクルージョンと推定される。
【0046】
障害物Cがオクルージョンと推定された場合には、図2のステップS12の背景データの生成・更新処理において、障害物Cの属性情報からその大きさ、重心の位置を取得し、障害物Cを囲む所定の領域c内の背景データを更新する。
【0047】
オクルージョンの背景データの更新は、例えば、今回の計測データの障害物Cのデータの代わりに障害物Cの属性情報から生成したデータを用いて、上述した(1)式から背景データを生成することにより行っても良いし、他の方法で実現しても良い。
【0048】
これにより、障害物Cが他の物体により隠された場合でも、履歴情報には実際に存在する障害物Cが含まれ、障害物Cが履歴情報から除去されないので、実際に存在する可能性の高い障害物を確実に検出することができる。
【0049】
上述した第1の実施の形態では、それまで計測されていた障害物の一部、あるいは全部が計測されなかったとき、それらの障害物が他の物体により一時的に隠されたものと推定し、障害物の属性情報に基づいてそれらの障害物が存在していた位置の周りの所定の領域の背景データの更新処理を行うことにより、他の物体により隠された障害物を背景データの一部として保存することができる。これにより、実際に存在する可能性の高い障害物を含む正確な背景データを得ることができるので、その背景データを用いて、他の物体の影となって計測されなかった障害物を正確に検出し、表示させることができる。
【0050】
次に、本発明の第2の実施の形態を、図11を参照して説明する。この第2の実施の形態は、上述した道路状況監視システムにおいて実現されるものであり、ミリ波センサ11により一定時間毎に道路の状況が検出され、その検出された道路の状況に応じて道路状況を表示するためのデータの更新タイミングを変化させている。
【0051】
道路の状況は、車がスムーズに流れている状態と、渋滞している状態の2つに分類することができる。そして、状態の変化を考慮すると、道路状況は、以下の4つに分類することができる。
【0052】
▲1▼車がスムーズに流れる状態が継続中、▲2▼車がスムーズに流れている状態から徐々に流れが悪くなり渋滞の状態に遷移中、▲3▼渋滞の状態から徐々に車がスムーズに流れる状態に遷移中、▲4▼渋滞が継続中の4つである。
【0053】
そして、ミリ波センサ11により検出した車の速度に基づいて一定速度以上の車を計測データから抽出し、一定速度以上の車の台数の変化や平均速度の変化を監視することによりこれら4つの状態の何れであるかを判断している。
【0054】
具体的には、速度が一定以上の車の数が一定値以上で、その数があまり変化していないときには、上記▲1▼の車がスムーズに流れている状態が継続中と判断する。また、速度が一定以上で車の数が減少傾向にあり、かつ車の平均速度も低下傾向にあるときには、上記▲2▼の徐々に車の流れが悪くなり、渋滞状態に遷移中と判断する。また、一定速度以上の車の数が増加傾向にあり、かつ平均速度も上昇傾向にあるときには、上記▲3▼の渋滞状態から徐々に車の流れが良くなる状態に遷移中と判断する。さらに、速度が一定以上の車の数が殆ど無く、その数も変化していないときには、上記▲4▼の渋滞が継続中と判断する。
【0055】
上記のような道路状況を検出し、道路の状況が上記▲1▼で、車がスムーズに流れている状態が継続しているときには、道路状況は急激には変化しないので、ミリ波センサ11の計測周期より長い周期で道路状況を示すデータの更新を行う。
【0056】
図11の例では、ミリ波線センサ11の1スキャン分のデータを1フレームとすると、3フレーム毎、つまり3回スキャンする毎に前述した背景データの更新を行う。
【0057】
また、上記▲4▼以外の場合、つまり▲2▼の徐々に車の流れが悪くなり、渋滞の状態に遷移中のとき、▲3▼の渋滞の状態から徐々に車の流れが良くなる状態に遷移中のとき、▲4▼の渋滞の状態が継続中のときには、道路状況が変化する可能性があるので、フレーム毎に背景データの更新を行う。
【0058】
この第2の実施の形態は、背景データの更新を計測タイミング毎に行うのではなく、道路の状況に応じて更新回数を間引くことにより、道路状況があまり変化しないときには更新処理の回数を少なくすることで、背景データ、道路状況を表示するためのデータ等の更新処理の処理時間を減らすことができる。
【0059】
さらに、本発明に係る障害物の検出プログラム、あるいは第2の実施の形態の道路状況の検出プログラムを、図12に示すフロッピーディスク、CDROM等の記録媒体1201に格納しておいて、その記録媒体1201を情報処理装置(パーソナルコンピュータ等)1202の媒体駆動装置(フロッピーディスクドライバー、CDROMドライバー等)により読み取り、読み取ったプログラムをハードディスク等の記憶装置1203に格納し、そのプログラム実行するようにしてもよい。あるいはプログラムを情報提供者のコンピュータのハードディスク等の記憶装置1204に記憶しておいて、通信によりユーザの情報処理装置1202に転送し、ユーザ側の記憶装置1203に記憶してプログラムを実行するようにしてもよい。また、記録媒体1201に記録するプログラムは、実施の形態に述べたプログラムの一部の機能を有するものであってもよい。
【0061】
また、使用するセンサはミリ波センサ11に限らず、物体の速度、位置等が検出できるようなセンサであればどのような波長のセンサでも良い。
【0062】
【発明の効果】
本発明によれば、他の物体により隠された障害物が存在する場合でも、例えば、他の物体により隠された障害物が消去されないようにデータを更新することができるので、実際に存在する障害物をより正確に検出することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】道路状況監視システムのシステム構成図である。
【図2】障害物検出処理のフローチャートである。
【図3】図3(A)、(B)は、背景データ取得時及び計測データ取得時の道路の状況を示す図である。
【図4】図4(A)、(B)は背景データ及び計測データの説明図である。
【図5】背景データのデータマトリックスを示す図である。
【図6】計測データと背景データの差分から抽出される障害物を示す図である。
【図7】履歴データの構成を示す図である。
【図8】背景データ生成・更新処理のフローチャートである。
【図9】図9(A)、(B)は、実際に存在する障害物とセンサにより検出される障害物を示す図である。
【図10】背景データの更新範囲の説明図である。
【図11】第2の実施の形態の更新処理の説明図である。
【図12】記録媒体の説明図である。
【符号の説明】
11 ミリ波センサ
12 障害物検出装置
13 情報表示板

Claims (11)

  1. 一定範囲の道路の状況を計測するミリ波センサと、
    前記ミリ波センサにより計測された計測データと背景データとに基づいて障害物を検出し、検出した障害物の履歴を履歴情報として記録する検出手段と、
    前記履歴情報に登録されていて、今回の計測データに存在しない障害物を他の物体により一時的に隠された障害物と推定する推定手段と、
    前記推定手段により隠された障害物と推定された障害物が、計測された物体の後方の領域に存在するか否かを判断し、物体の後方の領域に隠された障害物が存在する場合には、過去の背景データと前記隠された障害物についてのデータとに対してそれぞれ所定の重み付けをしたデータに基づいて背景データを更新する更新手段とを備えることを特徴とする道路の障害物検出装置。
  2. 前記更新手段は、過去の背景データに重み係数(1−α)を乗算して得られるデータと、過去の前記隠された障害物についてのデータに重み係数αを乗算して得られるデータとを加算したデータを背景データとして求めることを特徴とする請求項1記載の道路の障害物検出装置。
  3. 前記更新手段は、今回計測された物体の後方の領域に隠された障害物が存在する場合には、隠された障害物を囲む所定範囲の過去の背景データと前記隠された障害物についてのデータとに対して所定の重み付けをしたデータに基づいて背景データを更新することを特徴とする請求項1または2記載の道路の障害物検出装置。
  4. 前記検出手段は、検出した障害物の属性情報と一致する属性情報を有する障害物が前記履歴情報に存在するか否かを判断し、一致する障害物が存在する場合には、同一の障害物として前記履歴情報に記録し、属性情報が一致する障害物が存在しないときには、新たな障害物候補として前記履歴情報に記録することを特徴とする請求項1,2または3記載の道路の障害物検出装置。
  5. ミリ波センサにより道路の状況を計測し、
    前記ミリ波センサにより計測された計測データと背景データとに基づいて障害物を検出し、検出した障害物の履歴を履歴情報としてコンピュータの記憶手段に記憶し、
    前記記憶手段に記憶されている履歴情報に登録されていて、今回の計測データに存在しない障害物を他の物体により一時的に隠された障害物と推定し、
    隠された障害物と推定された障害物が、計測された物体の後方の領域に存在するか否かを判断し、物体の後方の領域に隠された障害物が存在する場合には、過去の背景データと前記隠された障害物についてのデータに対してそれぞれ所定の重み付けをしたデータに基づいて背景データを更新することを特徴とする道路の障害物検出方法。
  6. 過去の背景データに重み係数(1−α)を乗算して得られるデータと、過去の前記隠された障害物についてのデータに重み係数αを乗算して得られるデータとを加算したデータを背景データとして求める請求項5記載の道路の障害物検出方法。
  7. 今回計測された物体の後方の領域に隠された障害物が存在する場合には、隠された障害物を囲む所定範囲の過去の背景データと前記隠された障害物についてのデータに対して所定の重み付けをしたデータに基づいて背景データを更新すること特徴とする請求項5または6記載の道路の障害物検出方法。
  8. ミリ波センサにより計測された道路の状況示す計測データと背景データとに基づいて障害物を検出し、検出した障害物の履歴を履歴情報として記憶手段に記憶するステップと、
    前記記憶手段に記憶されている履歴情報に登録されていて、今回の計測データに存在しない障害物を他の物体により一時的に隠された障害物と推定するステップと、
    前記推定ステップにおいて隠された障害物と推定された障害物が、計測された物体の後方の領域に存在するか否かを判断し、物体の後方の領域に隠された障害物が存在する場合には、過去の背景データと前記隠された障害物についてのデータに対してそれぞれ所定の重み付けをしたデータに基づいて背景データを更新するステップとをコンピュータに実行させる障害物検出プログラムを記録した記録媒体。
  9. 過去の背景データに重み係数(1−α)を乗算して得られるデータと、過去の前記隠された障害物についてのデータに重み係数αを乗算して得られるデータとを加算したデータを背景データとして求めることを特徴とする請求項8記載の記録媒体。
  10. 今回計測された物体の後方の領域に隠された障害物が存在する場合に、隠された障害物を囲む所定範囲の過去の背景データと前記隠された障害物についてのデータに対して所定の重み付けをしたデータに基づいて背景データを更新することを特徴とする請求項8または9記載の記録媒体。
  11. 一定範囲の道路の状況を計測するミリ波センサと、
    前記ミリ波センサにより計測された計測データと背景データとに基づいて障害物を検出し、検出した障害物の履歴を履歴情報として記録する検出手段と、
    前記履歴情報に登録されていて、今回の計測データに存在しない障害物を他の物体により一時的に隠された障害物と推定する推定手段と、
    前記推定手段により隠された障害物と推定された障害物が、計測された物体の後方の領域に存在するか否かを判断し、物体の後方の領域に隠された障害物が存在する場合には、過去の背景データと前記隠された障害物についてのデータに対してそれぞれ所定の重み付けをしたデータに基づいて背景データを更新する更新手段とを備えることを特徴とする道路の障害物検出システム。
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