JP3631456B2 - 同軸型電動パワーステアリング装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、操舵が重荷重の状態であっても容易にステアリング操作を行うことが可能な同軸型電動パワーステアリング装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図4は、例えば、特開2000−302051号公報に開示された従来の同軸型電動パワーステアリング装置の構成を示す断面図である。図において、操向軸1は、図の左右方向に移動することにより軸の両端に設けられた図示しないタイロッドを介して図示しない車輪を操向するものであり、この左右方向の移動は運転者の操舵に基づき、図示しないが、操向軸1に設けられたラックとステアリングホイールの操舵軸に設けられたピニオンとからなる周知のラックアンドピニオン機構と、後述する電動機によるアシストによりなされるものである。また、上記のステアリングホイールの操舵軸には後述するアシスト動作のための操舵トルク検出手段が設けられている。
【0003】
操向軸1はハウジング2に、図示しない軸受けにより軸方向に移動が可能なように支承され、また、ハウジング2の内径には操向軸1とは同軸に電動機3が設けられている。電動機3はハウジング2の内径に固定された固定子4と、円筒状に形成されて内径を操向軸1が貫通すると共に、ハウジング2に軸受け5などにより回転自在に支承された回転軸6を有する回転子7とから構成されている。操向軸1にはボールネジ1aが設けられており、このボールネジ1aにはボール10を介してボールネジナット11が螺合されると共に、ボールネジナット11は軸受け12と13とにより回転自在にハウジング2に支承されている。
【0004】
減速機構8は上記の回転軸6の一端に設けられた太陽歯車9と、ハウジング2に固定された内接歯車14と、太陽歯車9と内接歯車14とに噛み合う遊星歯車15とから構成された遊星歯車減速機構であり、遊星歯車15はボールネジナット11に設けられたピン16に回転自在に嵌合されると共に、保持部材17によりピン16に対して軸方向には固定されている。
【0005】
このように構成された従来の同軸型電動パワーステアリング装置において、運転者が図示しないステアリングホイールを操作すると図示しないラックアンドピニオン機構を介して操向軸1に推力が加わり、操作された方向に移動して車輪を繰向するが、同時にステアリングホイールの操舵軸に設けられた操舵トルク検出手段がこのときの操舵トルクを検知し、図示しない制御手段に入力されて制御手段が電動機3を駆動する。電動機3の回転は減速機構8に伝達され、減速比に相当するトルク増大がなされてボールネジナット11に伝達される。ボールネジナット11に加わる回転方向のトルクはボールネジ1aにより軸方向の推力に転換され、運転者による操舵をアシストする。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このように、運転者の操舵力による操向軸1に対する推力が電動機3による操向軸1の推力によりアシストされるため、運転者の操舵は軽く滑らかに行われることになる。しかし、例えば車両の車輪が道路端の縁石など障害物に接触していたり、乗り上げたりしている場合、車輪の操向には大きな力を必要とし、上記のような従来の同軸型電動パワーステアリング装置では電動機3のトルクが減速機構8の減速比相当分しか増大されないので、電動機3がロック状態になってしまうことがあった。また、このような状態でも操舵ができるようにするためには減速機構8の減速比を大きくすればよいが、減速比の増大は通常走行時における操舵フィーリングの悪化につながり、走行の安全性を阻害するものであった。
【0007】
この発明は、このような課題を解決するためになされたもので、運転者の操舵力などを検知して減速機構の減速比を切り換えることにより、通常走行時においては操舵フィーリングが良好であり、操舵の重荷重時においては容易に操舵することが可能な同軸型電動パワーステアリング装置を得ることを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明に係わる同軸型電動パワーステアリング装置は、ステアリングホイールの操舵により車両の車輪を操向する操向軸と、操向軸に第一または第二のボールネジ機構を介して補助推力を与える電動機と、電動機の回転軸から第一の遊星減速機構と第一の回転伝達子とこの第一の回転伝達子とは結合と分離とが可能な第二の回転伝達子と第二の遊星減速機構とを経由して第一のボールネジ機構に回転を伝達する第一の回転伝達経路と、電動機の回転軸から第一の遊星減速機構の遊星子を保持する第三の回転伝達子を経由して第二のボールネジ機構に回転を伝達する第二の回転伝達経路と、第一の回転伝達子と第二の回転伝達子との結合と分離の操作、および、第三の回転伝達子の固定と解放との操作により第一の回転伝達経路と第二の回転伝達経路とを切り換える電磁クラッチとを備え、第一の回転伝達経路と第二の回転伝達経路との減速比が異なるようにしたものである。
【0009】
また、電磁クラッチを制御する制御手段を有しており、制御手段がステアリングホイールの操舵トルクを検知して電磁クラッチを制御し、第一の回転伝達経路と第二の回転伝達経路とを切り換えるようにしたものである。
さらに、電磁クラッチを制御する制御手段を有しており、制御手段が車両の走行速度を検知して電磁クラッチを制御し、第一の回転伝達経路と第二の回転伝達経路とを切り換えるようにしたものである。
【0010】
また、第一の減速機構と第二の減速機構とを、太陽歯車と内接歯車と遊星歯車とからなる遊星歯車減速機構により構成したものである。
さらに、第一の減速機構と第二の減速機構とを、あるいは、いずれか一方を、太陽ローラと内接ローラと遊星ローラとからなる遊星ローラ減速機構により構成したものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1ないし図3は、この発明の実施の形態1による同軸型電動パワーステアリング装置を説明するもので、図1と図2とは構成を説明する断面図であり、図1は通常の状態を、図2は操舵に高トルクが必要となって電磁クラッチ23が動作した状態を示すものである。また、図3は、クラッチ20の構成と動作とを説明する説明図であり、図1と図2とにおいて上記の従来例と同一機能部分には同一符号が付与されている。
【0012】
図において、操向軸1は上記の従来例と同様に、図の左右方向に移動することにより軸の両端に設けられた図示しないタイロッドを介して図示しない車輪を繰向する。この左右方向の移動は運転者の操舵に基づき、操向軸1に設けられた図示しないラックと図示しないステアリングホイールの操舵軸に設けられたピニオンとによりなされるもので、これには公知のラックアンドピニオン機構が使用され、図示しないステアリングホイールの操舵軸には後述するように操舵トルク検出手段が設けられている。また、操向軸1はハウジング2に、図示しない軸受けにより軸方向の移動が可能なように支承され、ハウジング2の内径には操向軸1とは同軸構成による電動機3が設けられている。
【0013】
電動機3はハウジング2の内径に固定された固定子4と、円筒状に形成されて内径を操向軸1が貫通すると共に、ハウジング2に軸受け5などにより回転自在に支承された回転軸6を有する回転子7とから構成されている。操向軸1にはボールネジ1aが設けられており、ボールネジ1aにはボール10を介して第二のボールネジナット18と第一のボールネジナット19とが螺合されており、第二のボールネジナット18とボールネジ1aとボール10とで第二のボールネジ機構を、また、第一のボールネジナット19とボールネジ1aとボール10とで第一のボールネジ機構を構成している。また、第二のボールネジナット18の外周には後述するクラッチ20を介して第三の回転伝達子21が設けられており、第一のボールネジナット19は軸受け22により回転自在にハウジング2に支承されている。
【0014】
23は励磁コイル24と第一の回転伝達子25と分離バネ26とからなる電磁クラッチであり、第一の回転伝達子25は電磁クラッチ23の可動子を兼ねており、励磁コイル24が無励磁の場合は第一の回転伝達子25は分離バネ26の押圧力により反励磁コイル24側に押し出され、図1に示すように第二の回転伝達子27との間に設けられた連結部28が結合して第二の回転伝達子27が第一の回転伝達子25と共に回転し、励磁コイル24が励磁されると第一の回転伝達子25が励磁コイル24側に吸引されて固定されると共に、図2に示すように連結部28が分離して第二の回転伝達子27は駆動されない構成となっている。
【0015】
電動機3の回転軸6と第一の回転伝達子25との間には第一の減速機構30が設けられている。第一の減速機構30は回転軸6に設けられた太陽歯車31と、第一の回転伝達子25に固定された内接歯車32と、第三の回転伝達子21に設けられたピン33に回転自在に支承された遊星歯車34とからなる遊星減速機構であり、遊星歯車34はストッパ35と36とにより内接歯車32に軸方向位置が固定され、また、遊星歯車34は保持部材37によりピン33に対しても軸方向に固定されている。従って、電磁クラッチ23が動作して第一の回転伝達子25が移動した場合、内接歯車32と共に遊星歯車34も移動し、遊星歯車34と共に第三の回転伝達子21も移動するようになっている。
【0016】
第一のボールネジナット19と第二の回転伝達子27との間には第二の減速機構38が設けられている。第二の減速機構38は、第一のボールネジナット19に設けられた太陽歯車39と、第二の回転伝達子27に固定された内接歯車40と、ハウジング2の突出部2aに設けられたピン41に回転自在に支承された遊星歯車42とからなる遊星減速機構であり、ピン41の一端には連結部43が形成されて第三の回転伝達子21と結合するように構成されており、この連結部43の結合は、電磁クラッチ23が動作して第一の回転伝達子25が励磁コイル24側に移動したとき、遊星歯車34を介して第三の回転伝達子21も移動し、離脱するように構成されている。
【0017】
図3は第二のボールネジナット18と第三の回転伝達子21との間に介在するクラッチ20の構成を示すものである。クラッチ20は第三の回転伝達子21の内径側に円周方向に所定の長さを有して設けられた溝44と、この溝44内に収納された二つのローラ45aおよび45bと、ローラ45aと45bとの位置を決めるバネ46および47とから構成されている。溝44は中央から円周方向の左右対称に形成され、内径側に位置する第二のボールネジナット18の外径に対する溝44の深さは、中央部ではローラ45aおよび45bの外径より小さく、左右両端部ではローラ45aおよび45bの外径より大きく形成され、左右両端部から中央部までは底面が連続面として形成されている。
【0018】
また、ローラ45aおよび45bの両側に配設されたバネ47とローラ45aと45bとの間に配設されたバネ46はいずれも圧縮コイルバネであり、バネ46の力量がバネ47の力量より強く形成されている。そのために、通常状態ではローラ45aと45bとは溝44の両端側に押されて溝44の底面との間には隙間が形成されることになる。この状態において、内径側の第二のボールネジナット18が例えば左回転した場合を考えると、ローラ45aと45bとは回転方向に移動しようとするが、ローラ45aはバネ47の力量が弱いので溝44の底面との間の隙間が大きくなる方向に移動することになり、ローラ45bはバネ46の力量が大きいので溝44の底面との間の隙間が保有される位置までの移動にとどまることになる。
【0019】
また、外径側の第三の回転伝達子21が同じく左回転した場合を考えると、第二のボールネジナット18に対してローラ45aと45bとが停止した状態で溝44が移動することになり、バネ47の力量が弱いのでローラ45aが溝44に対して相対移動し、底面との間の隙間がゼロになって第二のボールネジナット18と第三の回転伝達子21とがロックされ、第三の回転伝達子21の回転により第二のボールネジナット18が駆動されることになる。すなわち、クラッチ20は、第三の回転伝達子21側(外径側)からの駆動は第二のボールネジナット18(内径側)に伝達するが、第二のボールネジナット18側(内径側)からの駆動は第三の回転伝達子21(外径側)に伝達しない機能を有するものである。
【0020】
このように構成されたこの発明の実施の形態1による同軸型電動パワーステアリング装置において、運転者がステアリングホイールを操作すると図示しないラックアンドピニオン機構を介して操向軸1が操作された方向に移動して車輪を繰向しようとするが、同時に図示しないステアリングホイールの操舵軸に設けられた操舵トルク検出手段が操舵トルクを検知してトルク信号を出力する。このトルク信号が図示しない制御手段に入力されると、制御手段は信号に基づき演算を行い、所定の回転方向と駆動トルクにて電動機3を駆動する。ステアリングホイールに対する操舵トルクが所定値以下である場合には制御手段は電動機3のみを操作し、電磁クラッチ23を操作しないので図1に示す構成において動作が開始される。
【0021】
電動機3が駆動されると駆動トルクは第一の減速機構30の太陽歯車31から遊星歯車34と内接歯車32とに伝達される。遊星歯車34を保持する第三の回転伝達子21は連結部43によりピン41と結合し、回転が阻止されているので遊星歯車34は自転のみして公転せず、内接歯車32に回転を伝達する。内接歯車32を有する第一の回転伝達子25は連結部28にて第二の回転伝達子27と結合されているので、内接歯車32の回転は第二の回転伝達子27を経由して第二の減速機構38の内接歯車40に伝達される。第二の減速機構38の遊星歯車42はピン41によりハウジング2に保持されているため公転せず、自転のみして太陽歯車39を有する第一のボールネジナット19を駆動する。
【0022】
第一のボールネジナット19の回転はボール10とボールネジ1aとにより操向軸1の軸方向の推力に転換され、操向軸1が移動して図示しない車輪を操向する。このようにステアリングホイールに対する操舵トルクが所定値以下である場合には、第一の減速機構30と第二の減速機構38とによる所定の減速比で第一のボールネジナット19が駆動され、ステアリングホイールの操作をアシストするもので、この動作により操向軸1が移動するとボール10を経由して第二のボールネジナット18が駆動され、回転することになるが、クラッチ20は内径側からの駆動力は伝達しないので第二のボールネジナット18は空転することになる。以上の回転伝達経路が第一の回転伝達経路である。
【0023】
例えば、車両の車輪が道路の縁石などの障害物に接しており、通常の操舵力では操舵ができない場合、運転者はステアリングホイールに対する操舵力を強めることになる。この操舵トルクが所定値を越えると制御手段は、まず、電磁クラッチ23を動作させ、第一の回転伝達子25を分離バネ26の押圧力に抗して励磁コイル24側に吸引移動させる。第一の回転伝達子25が励磁コイル24側に移動すれば連結部28の結合が分離して第二の回転伝達子27はフリーとなり、同時に第一の回転伝達子25に固定された内接歯車32と、この内接歯車32にストッパ35と36とにより軸方向位置が固定された遊星歯車34と、この遊星歯車34を保持する第三の回転伝達子21とが第一の回転伝達子25と共に移動して連結部43が外れ、第三の回転伝達子21は回転阻止状態から離脱すると共に第一の回転伝達子25は励磁コイル24に吸着されて回転阻止状態となる。
【0024】
この状態を示したのが図2であり、図2において電動機3が駆動されると駆動トルクは第一の減速機構30の太陽歯車31から遊星歯車34と内接歯車32とに伝達され、内接歯車32を有する第一の回転伝達子25は電磁クラッチ23に吸着固定されており、第三の回転伝達子21は回転阻止状態から離脱しているので第三の回転伝達子21に保持された遊星歯車34は公転して第三の回転伝達子21を所定の方向に駆動する。第三の回転伝達子21が回転すればクラッチ20は外径側から駆動されるのでロック状態となり、第三の回転伝達子21から第二のボールネジナット18が駆動される。第二のボールネジナット18の回転はボール10とボールネジ1aとにより操向軸1の軸方向の推力に転換され、操向軸1が移動して図示しない車輪を操向する。これが第二の回転伝達経路である。
【0025】
このように、通常では第一の回転伝達経路を経由して操向軸1が操作され、大きな操舵力を必要とするときには第二の回転伝達経路により操向軸1が操作されるもので、第一の回転伝達経路の場合、第二の減速機構38が内接歯車40側から駆動されるので、第一の減速機構30との減速比が相殺されて小さくなり、第二の回転伝達経路の場合には減速比が大きくなる。従って、ステアリングホイールの操舵力が所定値を越えると電動機3によるアシスト力が増大され、この減速比を選択しておくことにより、通常の走行時には第一の回転伝達経路により通常の減速比でフィーリングの良好な操舵ができ、縁石などの障害物により操舵が重い状態になれば第二の回転伝達経路に切り替わって容易に操舵することが可能になるものである。
【0026】
実施の形態2.
この発明の実施の形態2による同軸型電動パワーステアリング装置は、第一の減速機構30と第二の減速機構38とを遊星ローラ減速機構にしたものである。上記の実施の形態1では減速機構を遊星歯車減速機構としたが、これを太陽ローラと遊星ローラと内接ローラに置き換えても実施の形態1と同じ機能と効果とを得ることができるもので、例えば、各ローラの少なくとも接触面を弾性部材などで構成することにより、ギヤ音のない静粛な電動パワーステアリング装置を得ることができるものである。なお、第一の減速機構30と第二の減速機構38とのいずれか一方を遊星ローラ減速機構とすることも選択できる。
【0027】
実施の形態3.
この発明の実施の形態3による同軸型電動パワーステアリング装置は、実施の形態1による同軸型電動パワーステアリング装置に対し、車両の走行速度により電磁クラッチ23の動作を制御するようにしたものである。車両の操舵は走行速度の低下と共に重くなり、極低速領域ではかなりの重さになる。一方、極低速領域では操舵の遅れが安全性を損なうことがないので、車速を検出して極低速領域(例えば10km/h以下)になれば電磁クラッチ23を動作せしめ、操舵の減速比を大きくする。このように構成することにより低速域や停車中の据え切りにおいても容易に操舵することが可能になるものである。
【0028】
【発明の効果】
以上に説明したように、この発明の同軸型電動パワーステアリング装置において、請求項1に記載の発明によれば、車両の車輪を操向する操向軸と、操向軸に第一または第二のボールネジ機構を介して補助推力を与える電動機と、電動機の回転軸から第一の遊星減速機構と第一の回転伝達子とこの第一の回転伝達子とは結合と分離とが可能な第二の回転伝達子と第二の遊星減速機構とを経由して第一のボールネジ機構に回転を伝達する第一の回転伝達経路と、電動機の回転軸から第一の遊星減速機構の遊星子を保持する第三の回転伝達子を経由して第二のボールネジ機構に回転を伝達する第二の回転伝達経路と、第一の回転伝達子と第二の回転伝達子との結合と分離、および、第三の回転伝達子の固定と解放との操作により第一の回転伝達経路と第二の回転伝達経路とを切り換える電磁クラッチとを備え、第一の回転伝達経路と第二の回転伝達経路との減速比が異なるようにしたので、電磁クラッチの動作と非動作とで異なる減速比を持つ複数の操舵パターンを得ることができ、操舵の重さにより操舵パターンを選択することが可能になるものである。
【0029】
また、請求項2に記載の発明によれば、電磁クラッチを制御する制御手段を有しており、制御手段がステアリングホイールの操舵力を検知して電磁クラッチを制御し、第一の回転伝達経路と第二の回転伝達経路とを切り換えるようにしたので、通常の走行時には減速比の小さい第一の回転伝達経路により通常の減速比でフィーリングの良好な操舵ができ、縁石などの障害物により操舵が重い状態になれば減速比の大きい第二の回転伝達経路に切り替わって容易に操舵することが可能になるものである。
【0030】
さらに、請求項3に記載の発明によれば、電磁クラッチを制御する制御手段を有しており、制御手段が車両の走行速度を検知して電磁クラッチを制御し、第一の回転伝達経路と第二の回転伝達経路とを切り換えるようにしたので、車両が極低速での走行中や停車中においても操舵が重くなることなく容易に操舵することが可能になるものである。
【0031】
さらにまた、請求項4に記載の発明によれば、第一の減速機構と第二の減速機構とを、太陽歯車と内接歯車と遊星歯車とからなる遊星歯車減速機構により構成したので、二つの回転伝達経路を持つ同軸型電動パワーステアリング装置を簡単な構成により得ることができ、また、請求項5に記載の発明によれば、第一の減速機構と第二の減速機構とを、あるいは、いずれか一方を、太陽ローラと内接ローラと遊星ローラとからなる遊星ローラ減速機構により構成したので、構成が容易となり、また、ローラの少なくとも接触面を弾性部材などで構成することにより、ギヤ音のない静粛な電動パワーステアリング装置を得ることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1による同軸型電動パワーステアリング装置の電磁クラッチが非動作状態における断面図である。
【図2】この発明の実施の形態1による同軸型電動パワーステアリング装置の電磁クラッチが動作状態における断面図である。
【図3】この発明の実施の形態1による同軸型電動パワーステアリング装置に使用するクラッチの説明図である。
【図4】従来の同軸型電動パワーステアリング装置の断面図である。
【符号の説明】
1 操向軸、2 ハウジング、3 電動機、5 固定子、6 回転軸、
7 回転子、18 第二のボールネジナット、
19 第一のボールネジナット、20 クラッチ、
21 第三の回転伝達子、23 電磁クラッチ、24 励磁コイル、
25 第一の回転伝達子、26 分離バネ、27 第二の回転伝達子、
28、43 連結部、30 第一の遊星減速機構、
31、39 太陽歯車、32、40 内接歯車、33、41 ピン、
34、42 遊星歯車、35,36 ストッパ、44 溝、
45a、45b ローラ、46,47 バネ。
Claims (5)
- ステアリングホイールの操舵により車両の車輪を操向する操向軸、前記操向軸に第一または第二のボールネジ機構を介して補助推力を与える電動機、前記電動機の回転軸から第一の遊星減速機構と第一の回転伝達子とこの第一の回転伝達子とは結合と分離とが可能な第二の回転伝達子と第二の遊星減速機構とを経由して前記第一のボールネジ機構に回転を伝達する第一の回転伝達経路、前記電動機の回転軸から前記第一の遊星減速機構の遊星子を保持する第三の回転伝達子を経由して前記第二のボールネジ機構に回転を伝達する第二の回転伝達経路、前記第一の回転伝達子と前記第二の回転伝達子との結合と分離の操作、および、前記第三の回転伝達子の固定と解放との操作により前記第一の回転伝達経路と前記第二の回転伝達経路とを切り換える電磁クラッチを備え、前記第一の回転伝達経路と前記第二の回転伝達経路との減速比が異なることを特徴とする同軸型電動パワーステアリング装置。
- 前記電磁クラッチを制御する制御手段を有しており、前記制御手段が前記ステアリングホイールの操舵トルクを検知して前記電磁クラッチを制御し、前記第一の回転伝達経路と前記第二の回転伝達経路とを切り換えることを特徴とする請求項1に記載の同軸型電動パワーステアリング装置。
- 前記電磁クラッチを制御する制御手段を有しており、前記制御手段が前記車両の走行速度を検知して前記電磁クラッチを制御し、前記第一の回転伝達経路と前記第二の回転伝達経路とを切り換えることを特徴とする請求項1に記載の同軸型電動パワーステアリング装置。
- 前記第一の減速機構と前記第二の減速機構とが、太陽歯車と内接歯車と遊星歯車とからなる遊星歯車減速機構であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の同軸型電動パワーステアリング装置。
- 前記第一の減速機構と前記第二の減速機構とが、あるいは、いずれか一方が、太陽ローラと内接ローラと遊星ローラとからなる遊星ローラ減速機構であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の同軸型電動パワーステアリング装置。
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