JP3632018B2 - 自動車用ドアチェッカ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は自動車用ドアチェッカに関し,特に,自動車のボディに回動可能に軸支されるドアに固着されるケースと,このケースを貫通して前記ボディに揺動可能に軸支され,側面に長手方向に延びるボールガイド溝を形成したチェックレバーと,前記ケースに収容されて前記チェックレバーの側面に向かって進退し得るボールホルダと,このボールホルダに保持されて前記ボールガイド溝を転動し得るチェックボールと,前記ボールホルダを前記ボールガイド溝側に付勢するチェックスプリングとからなり,前記チェックレバーの側面には,前記ドアの少なくとも1つの中間開度位置で節度抵抗を発生すべく前記チェックボールが前記チェックスプリングの付勢力をもって嵌合する,前記ボールガイド溝より深い中間凹部を形成したものゝ改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
かゝる自動車用ドアチェッカは,例えば実公昭58−20059号公報に開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来のかゝる自動車用ドアチェッカにおけるチェックレバーの中間凹部は,チェックボールと同径もしくはそれより僅かに大径の球面の一部をなしている。
【0004】
ところで,このチェックレバーの中間凹部に対応する球面の直径を,上記のようにチェックボールと略同径に設定することは,その凹部及びチェックボールの嵌合による,ドアの停止保持すべき所定中間開度での節度感を明確にする上に有効であるが,ドアを急速に開閉操作して,チェックボールが中間凹部を通過する際には,異音を発生させる一因となる。
【0005】
即ち,中間凹部に対応する球面とチェックボールとが略同径であると,チェックボールが中間凹部に急速に落ち込んだ瞬間には,チェックスプリング及びボールホルダの追従遅れにより,チェックボールは無負荷状態となるため,チェックボールは中間凹部の底面に達することなく,慣性力により直ちに中間凹部の上り側の斜面に衝突することになり,このときの衝撃音にケースやドアが共鳴して異音の原因となる。
【0006】
そこで,中間凹部に対応する球面の直径をチェックボールより充分大径に設定すれば,チェックスプリング及びボールホルダの追従遅れ後,チェックボールは,中間凹部の底面に到達してから,中間凹部の上り側の斜面を転がりながら登ることになるので,上記のような衝撃による異音の発生は生じない。しかしながら,凹部に対応する球面の直径を増加させた分,ドアを所定の中間開度に停止保持させるときの節度感は低下するという弊害を伴なうことになる。
【0007】
本発明は,かゝる事情に鑑みてなされたもので,チェックボール及び中間凹部の嵌合時の節度感を良好にしつゝ,ドアの急速開閉によるチェックボールの中間凹部通過時の異音発生を防ぐことを可能にした,前記自動車用ドアチェッカを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために,本発明は,自動車のボディに回動可能に軸支されるドアに固着されるケースと,このケースを貫通して前記ボディに揺動可能に軸支され,側面に長手方向に延びるボールガイド溝を形成したチェックレバーと,前記ケースに収容されて前記チェックレバーの側面に向かって進退し得るボールホルダと,このボールホルダに保持されて前記ボールガイド溝を転動し得るチェックボールと,前記ボールホルダを前記ボールガイド溝側に付勢するチェックスプリングとからなり,前記チェックレバーの側面には,前記ドアの少なくとも1つの中間開度位置で節度抵抗を発生すべく前記チェックボールが前記チェックスプリングの付勢力をもって嵌合する,前記ボールガイド溝より深い中間凹部を形成した,自動車用ドアチェッカにおいて,前記中間凹部を,該中間凹部の前記ボールガイド溝の中心線に沿う第1開口幅よりも前記中心線と交差する方向に沿う第2開口幅が大となるように形成したことを第1の特徴とする。
【0009】
この第1の特徴によれば,中間凹部の,ボールガイド溝の中心線に沿う断面形状をチェックボールの断面形状に略対応させることにより,チェックボールが中間凹部に嵌合したときの,チェックボールのボールガイド溝に沿う方向の動きを中間凹部により的確に拘束して,明確な節度感をユーザに与えることができると共に,ドアの大きなぐらつきを防ぐことができる。
【0010】
またドアの急速な開閉操作に伴ないチェックボールが中間凹部を勢いよく通過する場合には,チェックスプリングやボールホルダの応答遅れにより,チェックボールが中間凹部内で無負荷状態となったとき,中間凹部でのチェックボールの慣性力による移動距離を確保することができる。その結果,チェックボールは,チェックスプリング及びボールホルダの遅れた押圧作用により中間凹部の底面に下りてから上り側の斜面を転がりつゝ登ることになり,中間凹部の上り側斜面への衝突を回避して,その衝突による異音の発生を防ぐことができる。
【0011】
また本発明は,第1の特徴に加えて,前記中間凹部が,前記チェックボールの直径と略等しい直径を持つ仮想球面の一部により形成される凹部を,ボールガイド溝の中心線からそれと交差する方向へ引き延ばした形状であることを第2の特徴とする。
【0012】
この第2の特徴によれば,中間凹部の形状は単純で,その成形を容易に行うことができると共に,良好な節度感を確保しながら異音の発生を確実に防ぐことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を,添付図面に示す本発明の実施例に基づいて以下に説明する。
【0014】
図1は本発明の第1実施例に係るドアチェッカを取付けた自動車の要部斜視図,図2は同ドアチェッカの平面図,図3は図2の3−3線断面図,図4は図2の4−4線拡大断面図,図5は図2の5−5線拡大断面図,図6は図2の6−6線拡大断面における作用説明図,図7は本発明の第2実施例を示す,図2との対応図である。
【0015】
先ず,図1〜図6に示す本発明の第1実施例の説明より始める。
【0016】
図1において,自動車のボディBに,その乗降口を開閉すべくドアDが上下一対のヒンジHを介して回動可能に取付けられており,両ヒンジH間において,これらボディB及びドアD間に本発明のドアチェッカCが取付けられる。
【0017】
図2及び図3に示すように,上記ドアチェッカCは,ドアDの端壁内面にボルト2により固着されるケース1を有する。このケース1は,一端を開放した箱形のケース本体1aと,その開放端に結合されるカバー1bとからなっており,そのカバー1bが上下一対のボルト2によりドアDの内側壁に固着される。ケース本体1a及びカバー1bには,ドアDの端壁に開口する透孔3と同軸に並ぶ透孔4,5が穿設されており,これら三つの透孔3,4,5を貫通するチェックレバー6の基端がブラケット7に枢軸8を介して相互に回動可能に連結され,上記ブラケット7は,枢軸8を前記ヒンジHのピボット軸Haと平行に配置して,ボディBにボルト11により固着される。ドアDの内側壁とケース1との間には,チェックレバー6の外周面に摺動可能に接する弾性シール部材10が挟持され,ケース1内へのダストの侵入を極力防ぐようにしてある。
【0018】
チェックレバー6は,ブラケット7に連結される鋼板製のプレート本体6aと,このプレート本体6aの,ブラケット7と反対の端部を除いてその外面にモールド結合される合成樹脂製の被覆体6bとから構成される。この被覆体6bは,チェックレバー6の板厚がその基端側(ブラケット7側)から遊端側に向って漸増するように形成されており,この被覆体6bに両側面には,チェックレバー6の長手方向に延びる断面円弧状のボールガイド溝12が形成される。
【0019】
前記ケース1内には,チェックレバー6の両側面に対向する一対のボールホルダ20が,チェックレバー6の板厚方向に摺動可能に嵌合される。各ボールホルダ20の,チェックレバー6に対向する端面には半球状のボールハウジング22が開口しており,前記ボールガイド溝12上を転動し得るチェックボール23がこのボールハウジング22に回転可能に収容される。そしてボールホルダ20を,チェックボール23とボールガイド溝12との係合方向に付勢するコイル状のチェックスプリング24がケース1に収容される。
【0020】
プレート本体6aには,ドアDの開放限界,即ち全開位置を決定する全開ストッパ15が取り付けられる。この全開ストッパ15は,プレート本体6aにピン16で固着される鋼板製のストッパプレート17と,このストッパプレート17に装着されてドアDを緩衝的に受け止めるストッパゴム18とから構成される。
【0021】
前記前記被覆大径6bの両側面には,各ボールガイド溝12に沿って並ぶ,ボールガイド溝12より深い複数個(図示例では3個)の凹部13a,13bが形成され,それらに前記チェックボール23が嵌合し得る。全開ストッパ15に近接した凹部13bは,ドアDの全開位置でチェックボール23を受け入れ,その他の2個の中間凹部13aは,ドアDの所定の異なる中間開度位置でチェックボール23を受け入れるようになっている。本発明では,前者の凹部13bを全開凹部,後者の中間凹部13aを中間凹部と呼ぶことにする。
【0022】
而して,特に,中間凹部13aは,図2,図4及び図5に示す形状に形成される。即ち,中間凹部13aの形状は,チェックボール23の直径D1 と同等もしくはそれより若干大径の直径D2 を持つ仮想球面Sの一部により形成される,ボールガイド溝12より深い凹部を,ボールガイド溝12の中心線Yから,その中心線Yと直交する両方向へ距離e,eだけ引き延ばしたものに相当する。したがって,この中間凹部13aの開口部の形状は,ボールガイド溝12の中心線Yに沿う第1開口幅W1 よりも,チェックレバー6の横方向に沿う第2開口幅W2 の方が大となる長円形をなす。
【0023】
尚,全開凹部13bは,中間凹部13aと同一の形状であってもよく,又はチェックボール23と同径もしくはそれより若干大径の1個の仮想球面の1部をなす形状であってもよい。
【0024】
次に,この第1実施例の作用について説明する。
【0025】
ドアDを閉鎖状態から開放していくと,図2に示すように,ドアDがヒンジHのピボット軸Ha周りに回動するのに応じてドアDに固着されたケース1がチェックレバー6の基端から遠ざかることにより,チェックボール23がボールホルダ20のボールハウジング22内で回転しながら,チェックレバー6のボールガイド溝12を,チェックレバー6の板厚増加方向へ転がっていき,それに伴いチェックスプリング24が圧縮されるので,その反発力の増加によりチェックボール23のチェックレバー6に対する挟圧力を増大させていき,これによってドアDの開放トルクが適度に増大していく。
【0026】
そして,ドアDが所定の中間開度まで開かれると,チェックボール23がチェックスプリング24の付勢力をもって最初の中間凹部13aに落ち込み,嵌合するので,その嵌合力によりドアDを第1の中間開度に保持することができる。
【0027】
またドアDに開放力を加えて,チェックボール23を最初の中間凹部13aから脱出させてドアDを回動すれば,上記と同様にチェックボール23が次の中間凹部13aに嵌合して,ドアDを第2の中間開度に保持することができる。
【0028】
さらにドアDに開放力を加えて,ドアDの内側壁がストッパゴム18に当接する全開位置まで開放すると,チェックボール23が上記と同様に全開凹部13bに嵌合して,ドアDを全開位置に保持することができる。
【0029】
ところで,中間凹部13aの,ボールガイド溝12の中心線Yに沿う断面形状は,図4に示すように,チェックボール23の断面形状と略同様であるから,この中間凹部13aにチェックボール23が嵌合すると,チェックボール23のボールガイド溝12に沿う方向の動きが中間凹部13aにより的確に拘束されることになり,これにより明確な節度感をユーザに与えることができると共に,ドアDの大きなぐらつきを防ぐことができる。
【0030】
次に,ドアDを全閉状態から急速に全開操作して,チェックボール23が中間凹部13aを勢いよく通過する場合の作用について,図2及び図6を参照しながら説明する。
【0031】
図6(A)〜(C)に示すように,チェックボール23が中間凹部13aに落ち込み始めると,チェックスプリング24やボールホルダ20の応答遅れにより,チェックボール23は,図6(D)に示すように一瞬無負荷状態となり,その結果,チェックボール23は,図2に示すように,ヒンジHのピボット軸Haを中心とした円弧の接線T方向へ慣性力で移動する。
【0032】
一方,チェックレバー6は,チェックボール23が無負荷状態となって,その押圧力から開放されると,該レバー6と枢軸8間の摩擦等による回動抵抗により一瞬回動を停止する。
【0033】
そこで,チェックボール23は,一瞬停止した中間凹部13aの上り側の斜面に向かって前進することになるが,中間凹部13aは,前述のように,仮想球面Sの一部により形成される凹部を,ボールガイド溝12の中心線Yから,その中心線Yと直交する両方向へ距離e,eだけ引き延ばした形状をなしているから,チェックボール23は,上り側の斜面に直ちに衝突することはなく,チェックスプリング24及びボールホルダ20の遅れた押圧作用により,図6(E)に示すように,中間凹部13aの底面に着地してから上り側の斜面を転がりつゝ登ることになる。こうして,チェックボール23の,中間凹部13aの上り側斜面への衝突は回避されるので,その衝突による異音の発生を防ぐことができる。
【0034】
ドアDを全開状態から急速に閉じることにより,チェックボール23が中間凹部13aを通過するときでも,上記と同様の作用により,チェックボール23が中間凹部13aの上り側斜面に衝突することを回避できるは明らかであろう。
【0035】
図7に示す本発明の第2実施例は,中間凹部13aの形状を,仮想球面Sの一部により形成される凹部を,ボールガイド溝12の中心線Yから,その中心線Yと斜めに交差する前記接線T方向へ引き延ばした形状にしたもので,その他の構成は前実施例と同様であるので,図7中,前実施例と対応する部分には同一の参照符号を付して,その説明を省略する。
【0036】
この第2実施例によれば,チェックボール23の無負荷状態での前記接線T方向への移動距離を充分確保することができ,異音の発生防止をより効果的に行うことができる。
【0037】
本発明は,上記実施例に限定されるものではなく,その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。例えば,中間凹部13aの個数は1個でも複数個でもよい。またコイル状のチェックスプリング24に代えてゴムスプリングを用いることもできる。
【0038】
【発明の効果】
以上のように本発明の第1の特徴によれば,自動車のボディに回動可能に軸支されるドアに固着されるケースと,このケースを貫通して前記ボディに揺動可能に軸支され,側面に長手方向に延びるボールガイド溝を形成したチェックレバーと,前記ケースに収容されて前記チェックレバーの側面に向かって進退し得るボールホルダと,このボールホルダに保持されて前記ボールガイド溝を転動し得るチェックボールと,前記ボールホルダを前記ボールガイド溝側に付勢するチェックスプリングとからなり,前記チェックレバーの側面には,前記ドアの少なくとも1つの中間開度位置で節度抵抗を発生すべく前記チェックボールが前記チェックスプリングの付勢力をもって嵌合する,前記ボールガイド溝より深い中間凹部を形成した,自動車用ドアチェッカにおいて,前記中間凹部を,該中間凹部の前記ボールガイド溝の中心線に沿う第1開口幅よりも前記中心線と交差する方向に沿う第2開口幅が大となるように形成したので,チェックボール及び凹部の嵌合時の良好な節度感を確保すると共に,ドアの急速開閉によるチェックボールの凹部通過時の異音発生を防ぐことができる。
【0039】
また本発明の第2の特徴によれば,前記中間凹部が,前記チェックボールの直径と略等しい直径を持つ仮想球面の一部により形成される凹部を,ボールガイド溝の中心線からそれと交差する方向へ引き延ばした形状とされるので,中間凹部の形状は単純で,その成形を容易に行うことができると共に,良好な節度感を確保しながら異音の発生を確実に防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係るドアチェッカを取付けた自動車の要部斜視図
【図2】同ドアチェッカの平面図
【図3】図2の3−3線断面図
【図4】図2の4−4線断面図
【図5】図2の5−5線拡大断面図
【図6】図2の6−6線拡大断面における作用説明図
【図7】本発明の第2実施例を示す,図2との対応図
【符号の説明】
B・・・・ボディ
C・・・・ドアチェッカ
D・・・・ドア
D1 ・・・チェックボールの直径
D2 ・・・仮想球面の直径
S・・・・仮想球面
Y・・・・ボールガイド溝の中心線
1・・・・ケース
6・・・・チェックレバー
12・・・ボールガイド溝
13・・・中間凹部
20・・・ボールホルダ
23・・・チェックボール
24・・・チェックスプリング
Claims (2)
- 自動車のボディ(B)に回動可能に軸支されるドア(D)に固着されるケース(1)と,このケース(1)を貫通して前記ボディ(B)に揺動可能に軸支され,側面に長手方向に延びるボールガイド溝(12)を形成したチェックレバー(6)と,前記ケース(1)に収容されて前記チェックレバー(6)の側面に向かって進退し得るボールホルダ(20)と,このボールホルダ(20)に保持されて前記ボールガイド溝(12)を転動し得るチェックボール(23)と,前記ボールホルダ(20)を前記ボールガイド溝(12)側に付勢するチェックスプリング(24)とからなり,前記チェックレバー(6)の側面には,前記ドア(D)の少なくとも1つの中間開度位置で節度抵抗を発生すべく前記チェックボール(23)が前記チェックスプリング(24)の付勢力をもって嵌合する,前記ボールガイド溝(12)より深い中間凹部(13a)を形成した,自動車用ドアチェッカにおいて,
前記中間凹部(13a)を,該中間凹部(13a)の前記ボールガイド溝(12)の中心線(Y)に沿う第1開口幅(W1 )よりも前記中心線(Y)と交差する方向に沿う第2開口幅(W2 )が大となるように形成したことを特徴とする,自動車用ドアチェッカ。 - 請求項1記載の自動車用ドアチェッカにおいて,
前記中間凹部(13a)が,前記チェックボール(23)の直径(D1 )と略等しい直径(D2 )を持つ仮想球面(S)の一部により形成される凹部を,ボールガイド溝(12)の中心線(Y)からそれと交差する方向へ引き延ばした形状であることを特徴とする,自動車用ドアチェッカ。
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