JP3632414B2 - 感放射線性樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、アルカリ可溶性樹脂を含有する感放射線性樹脂組成物に関する。さらに詳しくはg線、i線等の紫外線、KrFエキシマレーザー等の遠紫外線、シンクロトロン放射線等のX線、電子線等の荷電粒子線の如き各種放射線、特に紫外線、遠紫外線に感応する高集積回路作製用レジストとして好適な感放射線性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポジ型レジストは、集積回路の製造において多く用いられているが、近年における集積回路の高集積化に伴って、より解像度の向上したレジストパターンを形成できるポジ型レジストが望まれている。
一般にポジ型レジストの解像度を向上させるための、レジスト材料の改良には、例えばレジストに用いられるアルカリ可溶性樹脂の分子量を低下させる方法があるが、この場合にはレジストの耐熱性が低下するといった問題が生じる。他方、プロセス改良による解像度の向上としてステッパーの開口係数(NA)を大きくする方法があるが、この場合には焦点深度(フォーカス許容性)が狭くなる問題が生じるため、同時にレジスト材料の改良が必要であり、例えばフォーカス許容性を向上させるためにキノンジアジド化合物の添加量を増やすことがその1つの対応法である。しかしながら、キノンジアジド化合物の添加量を増やすと現像性が悪化することになる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、現像性、感度、解像度に優れ、さらに良好な焦点深度を備えたポジ型レジストとして好適な感放射線性樹脂組成物を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、本発明の前記目的は、
(A)アルカリ可溶性樹脂、および
(B)下記式(1):
【0005】
【化4】
(式(1)中、R1〜R6は、独立にアルキル基、シクロアルキル基またはアリール基である。 aおよびbは独立に1〜3の整数であり、D1およびD2は独立に、水素原子または1,2−キノンジアジドスルホニル基であり、 但し、D1が複数存在する場合には、D1の少なくとも1つは1,2−キノンジアジドスルホニル基である。Aは、単結合、−O−、−S−、−CH2−、−C(CH3)2−、下記式(2):
【0006】
【化5】
で表される基、または
下記式(3):
【0007】
【化6】
示される基である。 xおよびyは、0〜2の整数である。)
で表される1,2−キノンジアジド化合物
を含有することを特徴とする感放射線性樹脂組成物、
によって達成される。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体的に説明する。
(A)アルカリ可溶性樹脂
本発明の組成物に用いられる(A) 成分のアルカリ可溶性樹脂(以下、「樹脂(A) 」という)としては、例えばアルカリ可溶性フェノール樹脂、ポリビニルフェノールまたはその誘導体、スチレン−無水マレイン酸共重合体またはその誘導体、ポリビニルヒドロキシベンゾエ−ト、カルボキシル基含有アクリル酸系樹脂等が挙げられ、これらの中では、アルカリ可溶性フェノール樹脂が好ましい。
【0009】
樹脂(A) のポリスチレン換算重量平均分子量(以下、「Mw」という)は、通常、300〜20,000であるが、本発明の組成物を基板へ塗布する際の作業性、レジストとして使用する際の現像性、感度および耐熱性を向上する点から、2,000〜20,000であることが好ましく、3,000〜15,000であることが特に好ましい。中でも、アルカリ可溶性フェノール樹脂の場合には、5,000〜14,000の範囲が好ましく、8,000〜12,000がより好ましい。
前記アルカリ可溶性フェノール樹脂は、下記式(4) :
【0010】
【化7】
[式中、nは1〜3の整数である]
で示されるフェノール化合物と、モノアルデヒド化合物、ビスアルデヒド化合物等のアルデヒド化合物とを重縮合させることによって得られる。
【0011】
上記フェノール化合物の好ましい例は、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、2,3−キシレノール、2,5−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノール、2,3,5−トリメチルフェノールおよび3,4,5−トリメチルフェノールであり、特に好ましくはフェノール、m−クレゾール、p−クレゾール、2,3−キシレノール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノールおよび2,3,5−トリメチルフェノールである。これらのフェノール化合物は、1種単独でまたは2種以上組み合わせて用いられる。
【0012】
フェノール化合物を2種以上組み合わせて用いる場合には、例えばm−クレゾール/p−クレゾール=30〜95/5〜70(重量比)、 m−クレゾール/2,4−キシレノール=50〜90/10〜50(重量比)、m−クレゾール/2,3−キシレノール/3,4−キシレノール=20〜95/5〜80/0〜75(重量比)、またはm−クレゾール/2,3,5−トリメチルフェノール/2,3−キシレノール=20〜95/5〜80/0〜75(重量比)の組み合わせが特に好ましい。
【0013】
また、前記フェノール化合物と重縮合させるモノアルデヒド化合物としては、例えばホルムアルデヒド、トリオキサン、パラホルムアルデヒド等のホルムアルデヒド類、メチルヘミホルマール、エチルヘミホルマール、プロピルヘミホルマール、ブチルヘミホルマール、フェニルヘミホルマール等のヘミホルマール類、ベンズアルデヒド、o−ヒドロキシベンズアルデヒド、m−ヒドロキシベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、o−クロロベンズアルデヒド、m−クロロベンズアルデヒド、p−クロロベンズアルデヒド、o−ニトロベンズアルデヒド、m−ニトロベンズアルデヒド、p−ニトロベンズアルデヒド、o−メチルベンズアルデヒド、m−メチルベンズアルデヒド、p−メチルベンズアルデヒド、p−エチルベンズアルデヒド、p−n−ブチルベンズアルデヒド等のベンズアルデヒド類、アセトアルデヒド、プロピルアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、α−フェニルプロピルアルデヒド、β−フェニルプロピルアルデヒド、およびフルフラールが挙げられる。
また、前記ビスアルデヒド化合物としては、グリオキサール、グルタルアルデヒド、テレフタルアルデヒド、イソフタルアルデヒド等を挙げることができる。これらのうち、ホルムアルデヒド、ブチルヘミホルマールおよびo−ヒドロキシベンズアルデヒドが特に好適である。
これらのアルデヒド化合物も、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
該アルデヒド化合物の使用量は、フェノール化合物1モルに対し、通常、0.7〜3.0モルでよく、好ましくは0.6〜1.5モルである。
【0014】
フェノール化合物とアルデヒド化合物との重縮合反応には、通常、酸性触媒、塩基性触媒等の触媒が使用される。この酸性触媒としては、例えば塩酸、硝酸、硫酸、ギ酸、シュウ酸、酢酸およびp−トルエンスルホン酸が挙げられる。酸性触媒の使用量は、フェノール化合物1モルに対し、通常、1×10−5〜5×l0−1モルでよい。
【0015】
前記重縮合の反応媒質としては、通常、水が使用される。水を反応媒質として使用した場合に反応初期から不均−系になるときには、親水性溶媒または親油性溶媒が使用される。該親水性溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール類、ならびにテトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル類が挙げられる。前記親油性溶媒としては、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、2−へプタノン等のケトン類が挙げられる。これらの反応媒質の使用量は、フェノール化合物およびアルデヒド化合物からなる反応原料100重量部当り、通常、20〜1,000重量部でよい。
【0016】
重縮合の反応温度は、原料の反応性に応じて適宜調整することができ、通常、10〜200℃でよい。
重縮合の反応方法には、フェノール化合物、アルデヒド化合物、触媒等を一括して反応容器に仕込む方法、触媒の存在下で、フェノール化合物、アルデヒド等を反応の進行とともに反応系に加えていく方法等が適宜採用される。
重縮合の反応終了後、一般的には、系内に存在する未反応の原料、触媒、反応媒質等が除去される。すなわち、温度を130℃〜230℃に上昇させ、減圧下で揮発分を除去したのち、アルカリ可溶性フェノール樹脂を回収すればよい。
【0017】
特に、Mw2,000〜20,000の高分子量のアルカリ可溶性フェノール樹脂を得るためには、前記の方法で得られた樹脂を、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシプロピオン酸メチル、メチルイソブチルケトン、2−へプタノン、ジオキサン、メタノール、酢酸エチル等の良溶媒に溶かし、次いで水、n−へキサン、n−へプタン等の貧溶媒を混合する。こうして分離した樹脂溶液層を回収することにより、高分子量のアルカリ可溶性フェノール樹脂が得られる。
【0018】
樹脂(A) は、1種単独でも2種以上組み合わせて用いてもよい。
樹脂(A) のMwは、前述のように2,000〜20,000が好ましいが、得られる組成物のアルカリ可溶性を促進するために、Mw2,000未満の低分子量のアルカリ可溶性樹脂を併用することが望ましい場合がある。該低分子量アルカリ可溶性樹脂のMwは、好ましくは300以上2,000未満の範囲である。
【0019】
このような低分子量アルカリ可溶性樹脂としては、例えば低分子量のアルカリ可溶性ノボラック樹脂、ならびにアルカリ可溶性ポリヒドロキシスチレンおよびその誘導体を挙げられる。例えば、フェノール/ホルムアルデヒド縮合ノボラック樹脂、o−クレゾール/ホルムアルデヒド縮合ノボラック樹脂、m−クレゾール/ホルムアルデヒド縮合ノボラック樹脂、p−クレゾール/ホルムアルデヒド縮合ノボラック樹脂、m−クレゾール/p−クレゾ−ル/ホルムアルデヒド縮合ノボラック樹脂、ポリヒドロキシスチレン、およびヒドロキシスチレン−スチレン共重合体を挙げることができる。
【0020】
該低分子量のアルカリ可溶性ノボラック樹脂は、フェノール化合物とアルデヒドとを重縮合させることによって得られる。このフェノール化合物としては、前述のノボラック樹脂の合成で用いられるフェノール化合物として例示したもの以外に、1−ナフトール、2−ナフトール等も使用することができる。この場合のアルデヒドの使用量は、フェノール化合物1モルに対して、通常、0.2〜0.8モルでよく、好ましくは0. 3〜0. 7モルである。また、この重縮合の触媒には、前記の酸性触媒が用いられる。
前記低分子量アルカリ可溶性樹脂の配合量は、Mw2,000〜20,000の高分子量アルカリ可溶性樹脂100重量部に対して、通常、50重量部以下である。
【0021】
(B)キノンジアジド化合物
本発明の組成物に(B)成分として用いられる前記式(1)で表される1,2−キノンジアジド化合物(以下、「キノンジアジド化合物(B)」という。)は感放射線剤として作用する。
前記式(1)中、R1〜R6は、独立に、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基である。ここで、アルキル基としては、炭素原子数1〜4のアルキル基が好適であり、具体的にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基等を挙げることができる。シクロアルキル基としては、炭素原子数5〜7のものが好ましく、例えばシクロペンチル基、シクロヘキシル基等を挙げることができる。アリール基としては、炭素原子数6〜10のアリール基が好適であり、例えばフェニル基、トリル基、ナフチル等を挙げることができる。
【0022】
式(1)中、D1またはD2は、独立に、水素原子または1,2−キノンジアジドスルホニル基である。但し、D1が複数存在する場合には、そのうち少なくとも1つは1,2−キノンジアジドスルホニル基である。
ここで、1,2−キノンジアジドスルホニル基としては、具体的には1,2−ベンゾキノンジアジド−4−スルホニル基、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホニル基、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニル基等を挙げることができる。
式(1)中、Aは単結合、
【0023】
【化8】
−O−、−S−、−CH2−、−C(CH3)2−、
前記式(2)または式(3)で示される基である。
【0024】
式(1)で表されるキノンジアジド化合物(B)は、式(1)において、D1およびD2がすべて水素原子である場合に相当する化合物、すなわち式(1)中の−OD1および−OD2で示される基が水酸基である場合に相当する化合物(以下、「前駆体(b)」という。)と、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロリドとをトリエチルアミン等の塩基性触媒の存在下で反応させることにより得られる。
前駆体(b)の具体例としては、下記式(5−1)〜(5−8)で表される化合物を挙げることができる。
【0025】
【化9】
【0026】
【化10】
【0027】
キノンジアジド化合物(B)の具体例としては、式(5−1)〜(5−8)で表される前駆体(b)の1,2−ベンゾキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、1,2−ナフトキノンジアジド−6−スルホン酸エステル等を挙げることができる。特に1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステルおよび1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステルが好ましい。
本発明の組成物において、キノンジアジド化合物(B)は、樹脂(A)100重量部当たり、通常、5〜50重量部の割合で使用され、特に10〜40重量部の割合で使用することが好ましい。またキノンジアジド化合物(B)は単独であるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
なお、前駆体(b)は次のようにして製造することができる。
式(1)においてAが単結合、−O−、−S−、−CH2−または−C(CH3)2−である前駆化合物は、例えば、下記式(6)に示すフェノール化合物を原料として用い、合成することができる。
【0028】
【化11】
(ここで、Bは、単結合、−O−、−S−、−CH2−または−C(CH3)2−で表わされる基である。)
【0029】
即ち、該前駆化合物は、式(6)で表わされるフェノール化合物とイソプロペニルフェノールとを、酸性触媒の存在下で、大体30〜60゜Cに加熱することによって得られる。この反応には、溶媒を用いても用いなくてもよい。無溶媒でも反応成分が均一に混合できれば、溶媒を用いなくてもよい。溶媒を用いる場合には、トルエンもしくはキシレンを単独で使用するか、またはトルエンとn−ヘキサンを混合して使用するのが好ましい。酸性触媒としては、p−トルエンスルホン酸、塩酸等が用いられる。
また、式(1)において、Aが、前記の式(2)または式(3)で示される前駆化合物は、例えば、それぞれ、式(7)または式(8)で示されるジヒドロキシ化合物を出発原料として合成することができる。
【0030】
【化12】
即ち、式(7)または式(8)で表わされるジヒドロキシ化合物とレゾルシノールとを酸性触媒の存在下で大体35〜60゜Cで加熱反応させて、それぞれ、下記式(7a)または(8a):
【0031】
【化13】
で表わされる中間物質を得、次にこの中間物質をイソプロペニルフェノールと酸性触媒の存在下で約30〜60゜Cに加熱し、反応させて得ることができる。この場合も、溶媒は用いても用いなくてもよい。溶媒を用いる場合には、トルエンもしくはキシレンを単独で使用するか、またはトルエンとn−ヘキサンを混合して使用するのが好ましい。無溶媒でも反応原料が均一に混合できればよい。また、酸性触媒としては、 p−トルエンスルホン酸、塩酸等が用いられる。
【0032】
〔その他の成分〕
本発明の組成物には、必要に応じて、各種成分や添加剤を配合してもよい。
【0033】
他のキノンジアジド化合物
本発明の組成物には、キノンジアジド化合物(B)に、他の1,2−ベンゾキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル等の1,2−キノンジアジド化合物を併用することができる。このような1,2−キノンジアジド化合物としては、例えば、式:
【0034】
【化14】
[式中、X1〜X15は、独立に、水素原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基、炭素原子数6〜10のアリール基または水酸基である。ただし、X1〜X5、X6〜X10およびX11〜X15の各群において少なくとも1つは水酸基である。また、Y1は、水素原子または炭素原子数1〜4のアルキル基である]、
【0035】
【化15】
[式中、X16〜X30は、前記X1〜X15と同様の原子または基を意味し、但し、X16〜X20、X21〜X25およびX26〜X30の各群において少なくとも1つは水酸基である。また、Y2〜Y4は、独立に、水素原子または炭素原子数1〜4のアルキル基である]、
【0036】
【化16】
[式中、X31〜X44は、前記X1〜X15と同様の原子または基を意味し、但し、X31〜X35において少なくとも1つは水酸基である。また、Y5〜Y8は、独立に水素原子または炭素原子数1〜4のアルキル基である]、
【0037】
【化17】
[式中、X45〜X58は、独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基、炭素原子数5〜7のシクロアルキル基または水酸基である。但し、X45〜X48およびX49〜X53の各群において少なくとも1つは水酸基である。また、Y9およびY10は、独立に水素原子、炭素原子数1〜4のアルキル基または炭素原子数5〜7のシクロアルキル基である]、および
【0038】
【化18】
[式中、X59〜X80は、前記X45〜X58と同様である。但し、X59〜X63、X64〜X67、X72〜X75およびX76〜X80の各群おいて少なくとも1つは水酸基である。また、Y11〜Y18は、独立に水素原子または炭素原子数1〜4のアルキル基である。]
で表されるフェノール化合物の1,2−キノンジアジドスルホン酸エステルを挙げることができる。
キノンジアジド化合物(B)以外のキノンジアジド化合物の配合量は、樹脂(A)100重量部に対して、好ましくは50重量部以下である。
このようなキノンジアジド化合物(B)以外のキノンジアジド化合物を使用するか否かにかかわらず、本発明の組成物中に占める1,2−キノンジアジドスルホニル残基の総重量は、組成物の全固形分に対して、好ましくは5〜50重量%、より好ましくは10〜30重量%の範囲に調節される。
【0039】
溶解促進剤
本発明においては、組成物のアルカリ溶解性を高める目的で、低分子量のフェノール化合物(以下、「溶解促進剤」という)を添加することができる。該フェノール化合物の分子量は2,000未満、好ましくは200〜1,000である。この溶解促進剤としては、ベンゼン環数が2〜5のフェノール化合物が好適であり、例えば下記式(9−1)〜(9−9)で表される化合物が挙げられる。これらは一種単独でも2種以上の組合せでも使用できる。これらの中では、式(9−3)、式(9−5)、式(9−6)および式(9−7)で示されるものが特に好ましい。
【0040】
【化19】
[式(9−1)〜(9−3)において、eおよびfは独立に0〜3の整数であり、xおよびyは独立に0〜3に整数であり、ただしeとfは同時に0ではなく、e+x≦5でf+y≦5である。]
【0041】
【化20】
[式(9−4)および(9−5)において、e、fおよびgは独立に0〜3の整数であり、x、yおよびzは独立に0〜3の整数であり、ただしe、fおよびgは同時に0ではなく、e+x≦5、f+y≦4、そしてg+z≦5である。]
【0042】
【化21】
[式(9−6)〜(9−8)において、e、fおよびgは独立に0〜3の整数であり、x、yおよびzは独立に0〜3の整数であり、ただしe、fおよびgは同時に0ではなく、e+x≦5、f+y≦5そしてg+z≦5である。]
【0043】
【化22】
[式中、e、f、gおよびhは独立に0〜3の整数であり、w、x、yおよびzは独立に0〜3の整数であり、ただしe、f、gおよびhは同時に0ではなく、e+w≦5、f+x≦5、g+y≦5そしてh+z≦5である。]
【0044】
また、前記式(9−1)〜(9−9)で表される化合物以外に、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、クルクミン、フラバン等の化合物も溶解促進剤として使用できる。
溶解促進剤の配合量は、樹脂(A) 100重量部当り、通常、50重量部以下でよく、好ましくは5〜30重量部である。
【0045】
界面活性剤
界面活性剤は、組成物の塗布性および現像性を改良するために添加される。該界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウリエート、ポリエチレングリコールジステアレート、メガフファックスF171、F172、F173(商品名、大日本インキ(株)製)、フロラードFC430、FC431(商品名、住友スリーエム(株)製)、アサヒガードAG710、サーフロンS−382、SC−101、SC−102、SC−103、SC−104、SC−105、SC−106(商品名、旭硝子(株)製)、KP341(商品名、信越化学工業(株)製)、ポリフロ−No.75、No.95(商品名、共栄社油脂化学工業(株)製)、ならびにNBX−7、NBX−14、NBX−15(商品名、ネオス(株)製)が挙げられる。
【0046】
これらの界面活性剤の配合量は、組成物の固形分100重量部当たり、好ましくは2重量部以下である。
本発明の組成物には、さらに、レジストの放射線照射部の潜像を可視化させ、放射線照射時のハレーションの影響を少なくするための染料や顔料、接着性を改善するための接着助剤、保存安定剤、消泡剤等も配合することもできる。
【0047】
感放射線性樹脂組成物の調製および使用方法
本発明の組成物は、必須成分と、必要に応じ添加されるその他の成分を所定量配合し、例えば固形分濃度が20〜40重量%となるように溶剤に溶解し、孔径0.2μm程度のフィルターでろ過することによって調製される。
【0048】
前記溶剤としては、例えばエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、2−へプタノン、3−へプタノン、4−へプタノン、シクロヘキサノン、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチルおよびピルビン酸エチルを挙げることができる。これらの溶剤は一種単独でまたは2種以上組み合わせて使用される。
【0049】
さらに、これらの溶剤に、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルホルムアニリド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、ベンジルエチルエーテル、ジヘキシルエーテル、アセトニルアセトン、イソホロン、カプロン酸、カプリル酸、1−オクタノール、1−ノナノール、ベンジルアルコール、酢酸べンジル、安息香酸エチル、シュウ酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、7−ブチロラクトン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、エチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート等の高沸点溶剤を添加することもできる。これらの溶剤も、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて便用される。
【0050】
レジスト被膜およびパターンの形成
溶液として調製された本発明の組成物は、回転塗布、流延塗布、ロール塗布等の塗布方法を用いて、シリコンウエハー;アルミニウム等で被覆されたウエハー等の基板上に塗布される。
次いで、これを70〜110℃でプレベークすることによりレジスト被膜が形成され、レジスト被膜に所定位置に選択的に放射線が照射(以下、「露光」という)される。こうして所望のレジストパターンが形成された基板を、現像液で現像することによりパターンが形成される。
また、上記レジストパターンの形成と現像の間に、70〜140℃の温度で加熱する操作(以下、「露光後べーク」という)を追加すると、本発明の効果をさらに向上することができる。
【0051】
前記放射線としては、g線、i線等の紫外線、エキシマレーザー等の遠紫外線、シンクロトロン放射線等のX線、ならびに電子線等の荷電粒子線が挙げられ、好ましくは紫外線である。
前記現像液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ−[4.3.0]−5−ノナン等のアルカリ性化合物を、例えば1〜10重量%の濃度に溶解してなるアルカリ性水溶液が使用される。
また、該現像液には、例えばメタノール、エタノール等のアルコール類などの水溶性有機溶媒ならびに界面活性剤を、適量添加することもできる。なお、このようなアルカリ性水溶液からなる現像液で現像した後は、−般的には、純水、超純水等の水で洗浄する。
【0052】
【実施例】
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって、なんら制約されるものではない。なお、実施例中のMwの測定、(B)成分であるキノンジアジド化合物の同定、定量およびレジストの評価は、以下の方法により行った。
【0053】
《キノンジアジド化合物(B)》
高速液体クロマトグラフ(HPLC)分析により、各キノンジアジド化合物の組成の割合を分析した。また、それぞれのピークに相当する化合物は13C−NMRによりその構造を同定した。
HPLC分析条件:ガスクロ工業社製HPLCカラム(Inertsil ODS 5)を用い、液量1.0ml/min、溶離液:アセトニトリル/0.1%リン酸水溶液(容量比80/20)の分析条件で、サンプル20mgをアセトニトリル10mlに溶解した試料3μlを分析した。検出は、280nmの波長での試料の吸光強度を測定した。その数値を面積%で表わした。
《Mw》
東ソー社製GPCカラム(G2000HXL:2本、G3000HXL:1本、G4000HXL:1本)を用い、流量:1.0ml/分、溶出溶媒:テトラヒドロフラン、カラム温度:40℃の分析条件で、単分散ポリスチレンを標準とするゲルパーミエーションクロマトグラフ法により測定した。
《感度》
0.35μmのライン・アンド・スペースパターンを、ラインとスペースのそれぞれの幅が1対1の状態に解像する時の露光量を感度とした。(以下、「実効感度」という。)
《解像度》
実効感度の露光量で膜減りすることなく、ラインとスペースとの分離を走査型電子顕微鏡で確認することができるライン・アンド・スペースパターンの最小寸法を測定した。
《現像性》
組成物のレジスト被膜を形成し、パターン形成後のスカム発生の有無および現像残りの程度を走査型電子顕微鏡を用いて調べた。
《焦点深度(フォーカス許容性)》
実効感度の露光量で、0.35μmのライン・アンド・スペースパターンが膜減りを起こすことなくラインとスペースとの分離を走査型電子顕微鏡で確認することができる焦点深度の幅(フォーカスレンジ)を測定した。
《パターン形状》
実効感度の露光量でレジスト被膜を露光し、現像して得られた0.4μmのライン・アンド・スペースパターンの断面形状を走査型電子顕微鏡で観察し、図1に示す断面形状A、BおよびCのいずれに該当するか判定した。
【0054】
を仕込み、オートクレーブを油浴に浸し、内温を130℃に保持して攪拌しながら8時間縮合を行い、反応後、室温まで冷却し、内容物をビーカーに取り出した。このビーカー中で2層に分離したのち、下層を取り出し、濃縮、脱水し、乾燥してノボラック樹脂を回収した。この樹脂を樹脂(A1)という。樹脂(A1)のMwは、8,600であった。
【0055】
を仕込み、合成例1と同様の操作を行い、ノボラック樹脂を合成した。この樹脂を、樹脂(A2)という。樹脂(A2)のMwは8,300であった。
【0056】
〈キノンジアジド化合物(B)の合成〉
以下において、前記式(5−3)で表される化合物を前駆化合物(5−3)、前記式(5−5)で表される化合物を前駆化合物(5−5)、前記式(5−7)で表される化合物を前駆化合物(5−7)と略称する。
【0057】
合成例3
遮光下で、攪拌機、滴下ロートおよび温度計を備えたフラスコに、
を仕込み、攪拌しながら溶解させた。ついで、フラスコを30℃にコントロールされた水浴中に浸し、内温が30℃一定となった時点で、この溶液に
トリエチルアミン 11.1g(0.11モル)
を内温が35℃を越えないように滴下ロートを用いて加え、同温度で2時間反応させた。その後、析出したトリエチルアミン塩酸塩をろ過により取り除き、濾液を大量の希塩酸水溶液中に注ぎ込んで反応生成物を析出させ、ついで析出物を濾過し、回収し、真空乾燥器中、40℃で一昼夜乾燥してキノンジアジド化合物(B1)を得た。
キノンジアジド化合物(B1)の組成をHPLCで分析した結果、下記に示す構造のトリエステル22%、ジエステル68%、モノエステル10%であった。
トリエステル
【0058】
【化23】
ジエステル
【0059】
【化24】
モノエステル
【0060】
【化25】
(ここで、Dは、式:
【0061】
【化26】
で表わされる基を示す。)
【0062】
を使用した以外は合成例3と同様にしてキノンジアジド化合物(B2)を得た。
キノンジアジド化合物(B2)の組成をHPLCで分析した結果、下記に示す構造のトリエステル18%、ジエステル70%、モノエステル12%であった。
トリエステル
【0063】
【化27】
ジエステル
【0064】
【化28】
モノエステル
【0065】
【化29】
(ここで、Dは、式:
【0066】
【化30】
で表わされる基を示す。)
【0067】
を使用した以外は合成例3と同様にしてキノンジアジド化合物(B3)を得た。
キノンジアジド化合物(B3)の組成をHPLCで分析した結果、下記に示す構造のジエステル98%、モノエステル2%であった。
ジエステル
【0068】
【化31】
モノエステル
【0069】
【化32】
(ここで、Dは、式:
【0070】
【化33】
で表わされる基を示す。)
【0071】
〈その他のキノンジアジド化合物の合成〉
合成例6
下記式で表される化合物 14.6g(0.05モル)
【0072】
【化34】
【0073】
を使用した以外は合成例3と同様にしてキノンジアジド化合物(C−1)を得た。
キノンジアジド化合物(C−1)の組成をHPLCで分析した結果、トリエステル73%、ジエステル21%、モノエステル5%であった。
【0074】
合成例7
下記式で表される化合物 21.2g(0.05モル)
【0075】
【化35】
【0076】
を使用した以外は合成例3と同様にしてキノンジアジド化合物(C−2)を得た。
キノンジアジド化合物(C−2)の組成をHPLCで分析した結果、トリエステル68%、ジエステル27%、モノエステル5%であった。
【0077】
合成例8
下記式で表される化合物 37.8g(0.1モル)
【0078】
【化36】
【0079】
を使用した以外は合成例3と同様にしてキノンジアジド化合物(C−3)を得た。
キノンジアジド化合物(C−3)の組成をHPLCで分析した結果、ジエステル62%、モノエステル36%、反応原料として使用した上記のフェノール化合物2%であった。
【0080】
合成例9
下記式で表される化合物 18.2g(0.05モル)
【0081】
【化37】
【0082】
を使用した以外は合成例3と同様にしてキノンジアジド化合物(C−4)を得た。
キノンジアジド化合物(C−4)の組成をHPLCで分析した結果、テトラエステル23%、トリエステル69%、ジエステル8%であった。
【0083】
実施例1〜8および比較例1〜3
各例において、表1および表2に示す量で(但し、部は重量部である)、樹脂(A)、溶解促進剤、キノンジアジド化合物および溶剤を混合して、均一溶液としたのち、孔径0.2μmのメンブランフィルターで濾過し、組成物の溶液を調製した。
得られた溶液を、シリコン酸化膜を有するシリコンウエハー上にスピンナーを用いて塗布したのち、ホットプレート上で90℃にて2分間プレベークして厚さ1.1μmのレジスト被膜を形成した。ついで、レチクルを介して、(株)ニコン社製NSR−2005i9C縮小投影露光機(レンズ開口数=0.57)で波長365nm(i線)を用いて露光し、ホットプレート上で110℃で1分間ポストベークした後、2.38重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液により現像し、超純水でリンスし、乾燥し、レジストパターンの形成を行った。得られたレジストパターンの特性を評価した。結果を表3および表4に示す。
【0084】
【表1】
【0085】
【表2】
【0086】
表1および表2の注:
溶解促進剤および溶剤の種類は、次の通りである。
溶解促進剤
α : 1,1−ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)アセトン
β : 1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン溶剤
S1 : 2−ヒドロキシプロピオン酸エチル
S2 : 3−エトキシプロピオン酸エチル、
【0087】
【表3】
【0088】
【表4】
【0089】
【発明の効果】
本発明の感放射線性樹脂組成物は、スカムの発生が有効に抑制され、現像性に優れ、良好なパターン形状が得られるとともに、高感度、高解像度で、さらに良好なフォーカス許容性を示す。そのため、本感放射線性樹脂組成物は高集積度の集積回路作製用レジストとして好適に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】レジストパターンの断面図を示す図である。
Claims (2)
- (A)アルカリ可溶性樹脂、および
(B)下記式(1):
(式(1)中、R1〜R6は、独立にアルキル基、シクロアルキル基またはアリール基である。 aおよびbは独立に1〜3の整数であり、D1およびD2は独立に、水素原子または1,2−キノンジアジドスルホニル基であり、 但し、D1が複数存在する場合には、D1の少なくとも1つは1,2−キノンジアジドスルホニル基である。Aは、単結合、−O−、−S−、−CH2−、−C(CH3)2−、下記式(2):
で表される基、または
下記式(3):
で表される基である。 xおよびyは、0〜2の整数である。)
で表される1,2−キノンジアジド化合物
を含有することを特徴とする感放射線性樹脂組成物。 - 前記Aが、単結合、−O−、−CH 2 −、−C(CH 3 ) 2 −、前記式(2)で表される基、または前記式(3)で表される基であることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
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