JP3634028B2 - 半導体素子冷却装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷媒の沸騰を利用して複数の半導体素子を同時に個別冷却する非浸漬・沸騰式の半導体素子冷却装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
鉄道車両用のモータを制御するためのコンバータ装置やインバータ装置には、大容量の半導体素子が多数使用されている。このような多数の大容量半導体素子を同時に個別冷却する装置として、図1に示すような非浸漬・沸騰式の冷却装置がある。
【0003】
この冷却装置は、凝縮器1と、その底部タンクに所定の間隔をあけて取り付けられた複数の冷却フィン2,2…とからなる。各冷却フィン2は、ベローズ3、絶縁管4および沸騰部5を上から下へ連結した構造になっており、隣接する沸騰部5,5の間に配設された半導体素子10を冷媒11により冷却する。
【0004】
すなわち、凝縮器1内の冷媒11(液体)は、冷却フィン2内を貫通する戻り管6を通って沸騰部5内に導入される。そして、半導体素子10の発熱により、沸騰部5内の冷媒11が沸騰することにより、半導体素子10が冷却される。沸騰により気化した冷媒は絶縁管4、ベローズ3を通って凝縮器1内に戻り、ここで再び液化して冷却フィン2に送られる。
【0005】
ここで沸騰部5は、従来は高い熱伝導性を確保するために、内部に仕切り壁を設けて複数の冷媒通路を形成した銅製の容器により構成されており、冷媒通路の内面は沸騰促進のためにブラスト処理により凹凸化されている。また、半導体素子10の電気的絶縁のために不可欠な絶縁管4は、セラミックチューブにより構成されている。一方、ベローズ3は半導体素子10を取り付けるときに沸騰部5を移動させてその間隔を広げる点から必要なものであり、従来は蛇腹構造のステンレス鋼管が使用されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の非浸漬・沸騰式の半導体素子冷却装置では、その冷却フィンに関し次のような問題がある。
【0007】
沸騰部5が銅製であるため、重量が嵩み、冷却装置の軽量化を妨げる主な原因になっている。また、製作に切削加工を用い、内面凹凸化にブラスト処理を用いなければならないため、加工に手間がかかり、加工コストが嵩む。
【0008】
各部材の接合にろう付け(銀ろう)を用いるため、組立に手数がかかる。銀ろうを用いてもセラミックと銅の接合は困難であるため、絶縁管4と沸騰部5との間においては42%Ni−Feのような高価な高合金継手7を介在させた上で、ろう付けを行う必要がある。同様に、ステンレス鋼からなるベローズ3と絶縁管4との間にも高合金継手7を介在させる必要がある。
【0009】
凝縮器1の構成材料としては軽量化のためにアルミニウムが用いられるが、これとステンレス鋼とのろう付けも困難なため、凝縮器1とベローズ3との間にはアルミニウムとステンレス鋼からなる異材継手8が介装される。このように継手類が多用されるため、部品点数が多い。
【0010】
なお、異材継手8を用いるとステンレス鋼とアルミニウムの接合がアルミニウム同士の接合に置き換わるので、この部分の接合に関しては簡単なTIG溶接を用いることができるが、他の部分では前述したようにろう付けが必要である。
【0011】
本発明の目的は冷却フィンをアルミニウムにより製作した軽量で製作コストが安く、しかも部品点数が少なく、更に製作組立も容易な半導体素子冷却装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の半導体素子冷却装置は、アルミニウムからなる凝縮器の底部タンクに所定の間隔で複数の冷却フィンを並べて取り付け、各冷却フィン間に配設された半導体素子の発熱を、凝縮器から冷却フィンに導入される冷媒液の沸騰により奪い、この沸騰により生じた冷媒ガスを凝縮器に戻して液化する冷媒沸騰式の半導体素子冷却装置である。そして、前記冷却フィンは、アルミニウムからなる沸騰部と、沸騰部と前記凝縮器の間に介在する絶縁部とを具備し、絶縁部は、セラミックチューブの両端にアルミニウムチューブを接合し且つアルミニウムチューブに可撓性を付与するべくその内面および外面に周方向の溝を設けた構成である。
【0013】
アルミニウム製の沸騰部は軽量であるのみならず、押出による成形が可能である。沸騰部内には所定の間隔で冷媒通路が設けられ、冷媒通路の表面には沸騰促進のために凹凸加工が施されるが、この凹凸加工をフィンの押出成形と同時のローレット加工により行うことができる。ここに軽量で高性能な冷却フィンが安価に製作される。
【0014】
絶縁部はセラミックチューブの両端側にアルミニウムチューブを持つので、アルミニウム製の凝縮器および沸騰部を接合する異材継手として機能する。また、そのアルミニウムチューブは可撓性を有するので、ベローズとして機能し、軽量でもある。従って、部品点数の低減に寄与する。また、凝縮器との間および沸騰部との間をTIG溶接により簡単に接合することができる。なお、絶縁部におけるセラミックチューブとアルミニウムチューブの接合は、セラミックと銅の接合と異なり、アルミニウムろうによる直接接合が可能であるので、高合金継手を必要としない。
【0015】
なお、アルミニウムは純アルミニウムおよびアルミニウム合金の両方を意味する。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図示例に基づいて説明する。図2は本発明の冷却装置に使用される冷却フィンの1例を示す正面図で、図1のA−A線矢視図に対応する。図3は同冷却フィンの側面図、図4は図2のB−B線断面矢視図である。
【0017】
本冷却フィンは、図2および図3に示すように、アルミニウム製の沸騰部30と、沸騰部30を凝縮器に接続するための継手を兼ねる絶縁部40とを具備する。凝縮器は図示されないが、軽量化のために底部タンクを含めアルミニウム製である。
【0018】
沸騰部30は、冷却フィンの配列方向に薄い四角形の箱体である。この箱体は、内部を冷媒が垂直方向に流通する本体31と、本体31の上下開口部を塞ぐ蓋板32,32とからなる。
【0019】
本体31は、図4に示すように、横幅方向に並ぶ複数のフィン31a,31a…により形成された複数の冷媒通路31b,31b…を有し、中央部には戻り管60を挿入するための角孔31cを有する。押出型材からなるこの本体31は、冷却フィン2の配列方向において2分割され、各ピースがろう付けにより一体化されている。すなわち、横断面が櫛歯形をした2つの押出型材をそれぞれの歯が向き合うように重ね合わせることにより、本体31は構成されている。
【0020】
本体31内の冷媒通路31bの内面には、沸騰を促進するためにローレット加工が施されている。冷媒通路31bを形成するフィン31aは、横幅方向の冷媒流通を確保するため、蓋板32,32との間に若干の隙間を形成している。なお、蓋板32,32は、本体31の各ピースと同様にろう付けにより本体31に接合され、上側の蓋板32には、冷媒の流通孔32aが設けられている。
【0021】
絶縁部40はセラミックチューブ41の上下にアルミニウムチューブ42,42を同心状にろう付けた構造である。アルミニウムは銅と異なり、ろう付けによりセラミックに直接接合することができる。各アルミニウムチューブ42の内面には、周方向に連続する上下2段の環状溝42a,42aが形成されており、外面にはその環状溝42a,42aの間に位置して1つの環状溝42bが形成されている。これらの溝により、アルミニウムチューブ42,42は可撓性を有する。
【0022】
下側のアルミニウムチューブ42は、アルミニウム製の接続管50を介して沸騰部30と接続されている。接続管50は適宜省略することができる。上側のアルミニウムチューブ42は、同じくアルミニウム製の凝縮器と接続される。これらの接続はアルミニウム同士の接続であるためTIG溶接により簡単に行われる。
【0023】
戻りチューブ60は従来と同様に絶縁部40を挿通して沸騰部30の本体31の角孔31c内に挿入される。
【0024】
本冷却フィンは、沸騰部30がアルミニウム製であるので軽量である。また、その沸騰部30を冷媒通路31bの凹凸内面も含め押出により簡単かつ経済的に製造することができる。ローレット加工によるその凹凸内面のために、銅製のものと大差ない熱伝導性を有し、冷却能力が高い。
【0025】
絶縁部40がセラミックチューブ41を使用するので、従来と同様の絶縁性を確保することができ、しかも、その両端にアルミニウムチューブ42,42を有し、アルミニウム製の凝縮器とアルミニウム製の沸騰部30とを接続する異材継手を兼ねるので、従来使用されていた高合金継手やアルミニウムとステンレス鋼の異材継手が不要になる。アルミニウムチューブ42,42が内外面に設けた環状溝により可撓性を有するので、ステンレス鋼製のベローズを排除したにもかかわらず、隣接する沸騰部30,30間に半導体素子を簡単に配設することができる。又そのベローズの排除により、軽量化が図られる。
【0026】
図5は沸騰部30の他の構成を示す横断面図である。同図(A)のものは本体31を分割せず、完全一体の中空押出型材としたものである。また同図(B)のものは、本体31を前後に2分割し、かつ両側の側壁を側板31d,31dとして分割したものである。このものにおいても、各部材は押出型材である。
【0027】
なお、上記各例では押出を簡単にするため、沸騰部30を角形にしたが、図1に示される従来例のように円形とすることも可能である。
【0028】
【発明の効果】
以上に説明した通り、本発明の半導体素子冷却装置は、アルミニウムからなる凝縮器の底部タンクに並列設置される各冷却フィンの沸騰部をアルミニウム製とし、沸騰部と凝縮器の間を、両端側にアルミニウムチューブを持ち且つ可撓性を有する異材継手状の絶縁部により接続するので、絶縁部内のセラミックチューブ以外が全てアルミニウム製となり、冷却性能、素子組付け性等の本来性能を低下させることなく、大巾な軽量化を図ることができる。また継手およびベローズの排除のために部品点数が少なく、経済性も良好である。更に凝縮器、絶縁部、沸騰部をTIG溶接により簡単に接続することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が対象とする冷却装置の概略構成およびこれに使用される従来の冷却フィンを示す側面図である。
【図2】本発明の冷却装置に使用される冷却フィンの1例を示す正面図で、図1のA−A線矢視図に対応する。
【図3】同冷却フィンの側面図である。
【図4】図2のB−B線断面矢視図である。
【図5】冷却フィンの他の例を示す沸騰部の横断面図である。
【符号の説明】
1 凝縮器
2 冷却フィン
10 半導体素子
11 冷媒
30 沸騰部
40 絶縁部
41 セラミックチューブ
42 アルミニウムチューブ
Claims (1)
- アルミニウムからなる凝縮器の底部タンクに所定の間隔で複数の冷却フィンを並べて取り付け、各冷却フィン間に配設された半導体素子の発熱を、凝縮器から冷却フィンに導入される冷媒液の沸騰により奪い、この沸騰により生じた冷媒ガスを凝縮器に戻して液化する冷媒沸騰式の半導体素子冷却装置であって、
前記冷却フィンは、アルミニウムからなる沸騰部と、沸騰部と前記凝縮器の間に介在する絶縁部とを具備し、絶縁部は、セラミックチューブの両端にアルミニウムチューブを接合し且つアルミニウムチューブに可撓性を付与するべくその内面および外面に周方向の溝を設けた構成であり、絶縁部内のセラミックチューブ以外がアルミニウムからなることを特徴とする半導体素子冷却装置。
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Applications Claiming Priority (2)
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