JP3634413B2 - 電気掃除機 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、いわゆる、アップライト型の電気掃除機に係り、掃除機本体を直立状態に保持するスタンド固定機構の破損を防止できるようにした電気掃除機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
いわゆる、アップライト型電気掃除機では、床面に沿って移動させる床ノズルに掃除機本体の下部が左右軸心回りに回転可能に支持され、不使用時に掃除機本体を直立状態に保持するスタンド固定機構が設けられる。
【0003】
このスタンド固定機構としては、例えば実開平4−68748号公報に開示されているように、掃除機本体の下部に設けたストッパと、床ノズルに支持させたペダルに連設され、前記ストッパを受け止めて掃除機本体を直立状態に保持する爪とを備えるものが知られている。
【0004】
このスタンド固定機構を備える電気掃除機は、ベダルを踏むことにより爪をストッパから離脱させ、掃除機本体を後方に傾斜させて使用され、又、ベットの下側などでは、掃除機本体を水平に寝かせて使用される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、使用者の中にはベダルを踏まずに床ノズルを足で押さえてむりやり掃除機本体を後傾させたり、このようなペダルがあることを知らずに床ノズルを足で押さえてむりやり掃除機本体を後傾させる人がいたりする。そして、このようにむりやり掃除機本体を後傾させた場合にペダル支持部が塑性変形したり、破損したりしてスタンド固定機構の機能が失われることがある。
【0006】
本発明は、上記の事情を考慮して掃除機本体を直立状態に保持するスタンド固定機構の破損を防止できるようにした電気掃除機を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、掃除機本体の下部に設けたストッパと、掃除機本体に左右軸心回りに回転可能に連結された床ノズルに支持させたペダルに連設され、前記ストッパを受け止めて掃除機本体を直立状態に保持する爪とを有するスタンド固定機構を備えた電気掃除機を前提として、上記の目的を達成するため、次のような手段を講じている。
【0008】
即ち、前記ストッパは、当接面が形成され、前記爪は、前記ストッパの当接面を受け止める受面が形成され、前記ストッパの当接面と前記爪の受面との一方又は両方が、前記掃除機本体を直立状態から後方に傾斜させた時に、前記爪に作用させる力に前記爪を前記掃除機本体から離隔する方向の成分を生じさせるような傾斜面で構成され、前記掃除機本体を直立状態から後方に傾斜させた時に、前記爪と前記ストッパとの係合が解除されるようにしたことを特徴とする。
【0009】
【作用】
本発明によれば、むりやり掃除機本体を後傾させた場合には、傾斜させたストッパの当接面と爪の受面との一方又は両方が案内となって、爪に掃除機本体から離隔する方向に滑らせる力が作用する。この力によって爪及びペダルを支持している床ノズルが掃除機本体から離隔する方向に変形し、爪とストッパとの係合が解除され易くなる。その結果、従来よりも弱い力で爪がストッパを乗り越えて、爪とストッパとの係合が解除され、掃除機本体を更に後傾させることができるようになるので、ペダルを支持している床ノズルの部分、即ち、ペダル支持部に作用する力が小さくなり、ペダル支持部が塑性変形したり、破損したりすることが防止される。
【0010】
【実施例】
本発明の一実施例に係る電気掃除機を図面に基づいて具体的に説明すれば、以下の通りである。
【0011】
図1の側面図に示すように、この電気掃除機は送風機及び集塵部を内蔵した掃除機本体1の下部に床ノズル2が紙面に直角の左右軸心回りに回転可能に支持され、使用時には掃除機本体1の上部に差し込まれるハンドル3を持って掃除機本体1を後方に傾斜させ、床ノズル2のボトムプレート4に回転可能に支持させた左右1対の前輪5と掃除機本体1の本体ケースリアー6の後下部に回転可能に支持させた左右1対の後輪7とを床面に転接させて移動させるようにしている。
【0012】
又、不使用時には掃除機本体1及びハンドル3をスタンド固定機構10によって床面に対してほぼ直角に起立する直立状態に保持するようにしている。
【0013】
図2の底面図に示すように、上記床ノズル2は平面視において後側が開かれた溝型に形成され、その前部内に吸込口8が設けられる。この吸込口8は下方に開口され、この吸込口8内に回転可能に収納した回転ブラシ9がその開口の下方の床面を掃くようにしてある。
【0014】
前記スタンド固定機構10は掃除機本体1の左側下部と床ノズル2の左側部とにわたって設けられ、図3の背面図及び図4の側面図に示すように、本体ケースリアー6の左側下部に設けた第1ストッパ11と、第2ストッパ12と、床ノズル2の左側部に左右軸心回りに回転可能に支持させたペダル13と、このペダル13の基部から上方に突出させた爪14とを備えている。
【0015】
図4及び図5の各側面図に示すように、本体ケースリアー6の左側下部には、側面視において掃除機本体1の回転軸心15を中心とする半円盤状の突出部16が形成され、この突出部16の周面から第1ストッパ11と第2ストッパ12とが径方向に突出するように形成される。
【0016】
前記第1ストッパ11は掃除機本体1を垂直に起立させた時に突出部16の周面の斜め後下方で回転軸心15よりも少し低い位置に配置され、図6に示すように、前記突出部16の左端面よりも更に左側に突出するように形成される。
【0017】
そして、この第1ストッパ11は、掃除機本体1を垂直に起立させた時に側面から見れば図5に示すように後方で水平よりも少し下がり、背面から見れば図6に示すように水平に対して左側で上がる傾斜面からなる第1当接面17を備えている。
【0018】
前記第2ストッパ12は掃除機本体1を垂直に起立させた時に突出部16の周面の斜め後上方に位置し、側面から見れば第1ストッパ11の当接面17を回転軸心15を中心にして90°よりも小さい角度、例えば約75°回転させた位置に、回転軸心15に平行な第2当接面18を備えている。
【0019】
図2に示すように、上記ペダル13は、床ノズル2の左後部に固定されたペダルホルダー19にピン20を介して回転可能に支持され、スプリング21によって後端部が跳ね上げられる方向に付勢されている。そして、このペダル13は、前記爪14が突出部16の周面に受け止められることにより、後端部がほぼ水平に跳ね上げられた位置に保持される。
【0020】
前記爪14は、図7ないし図11に示すように、ピン20が挿通されるピン孔22よりも少し後方でベダル13の右側部から上方に連出され、その上端部に第1ストッパ11の当接面17を受け止める第1受面23と、第2ストッパ12の当接面18を受け止める第2受面24とが形成される。
【0021】
この実施例で、第1ストッパ11の当接面17が掃除機本体1を垂直に起立させた時に左側から見れば後方で水平よりも少し下がり、背面から見れば水平に対して左側で上がる傾斜面に形成してあるので、ペダル13の後端が水平に跳ね上げられた状態で側面から見て後方で水平よりも少し下がり、背面から見れば水平な共通平面で第1受面23と第2受面24とを構成することも可能である。
【0022】
しかし、この実施例では、スタンド固定機構10の耐久性を高めるために、第1受面23を第1当接面17に対応させて、ペダル13の後端が水平に跳ね上げられた状態で側面から見て後方で水平よりも少し下がり、背面から見れば左側で水平よりも上がる傾斜面で構成し、第2受面24をこの第1当接面17の一部分(ここでは、右前部分)を段落ち状に低くして、ペダル13の後端が水平に跳ね上げられた状態で側面から見て後方で水平よりも少し下がり、背面から見れば水平な平面で構成している。
【0023】
この電気掃除機はハンドル3を持って掃除機本体1を後方に傾斜させることにより、後輪7を床面に転接させた状態で使用され、使用時には爪14が突出部16の周面の第1ストッパ11と第2ストッパ12との間に受け止められる。
【0024】
この後方に傾斜させた掃除機本体1を図1に示すように垂直に起立させると、爪14が第2ストッパ12と第1ストッパ11との間の突出部16の周面から第1ストッパ11を乗り越え、図4及び図12の原理図に示すように、第1ストッパ11の第1当接面17を受け止めて掃除機本体1を垂直に起立した状態に保持するようになる。
【0025】
つまり、この電気掃除機では、掃除機本体1及びハンドル3の重量は、掃除機本体1を後方に傾斜させるように作用するように設計してあり、これら掃除機本体1及びハンドル3の重量は第1ストッパ11から爪14に下向きの力として作用するようになっている。
【0026】
しかし、第1当接面17及び第1受面23が側面から見て後方で水平よりも少し下がっているので、この下向きの力はこれら第1当接面17及び第1受面23に沿う成分と、第1当接面17及び第1受面23に直角な成分とに分けて考えることができる。そして、第1当接面17及び第1受面23に沿う成分がペダル13の後端を上昇させ、爪14を突出部16の周面に押圧する方向に作用するので、爪14が第1ストッパ11から後方に離脱することが防止される。
【0027】
その結果、一旦、爪14の第1受面23に第1ストッパ11の第1当接面17を受け止めさせた後は、ペダル13を踏み下げて爪14を第1ストッパ11の後方に離脱させるか、床ノズル2を足で押さえながら無理やり掃除機本体1を後方に傾斜させない限り掃除機本体1は直立状態に保持される。
【0028】
床ノズル2を足で押さえながら無理にこの直立した掃除機本体1を後方に傾斜させようとすると、第1ストッパ11から爪14に下向きの力が作用する。
【0029】
しかし、図6及び図12に示すように、第1当接面17が掃除機本体1を垂直に起立させた時に背面から見て左上がりの傾斜面に形成され、又、第1受面23がこの第1当接面17に対応してペダル13の後端が水平に跳ね上げられた状態で背面から見れば左側で水平よりも上がる傾斜面で構成されているので、図12に示すように、第1ストッパ11から爪14に作用する下向きの力を第1当接面17及び第1受面23の左右方向の傾斜に沿う方向の成分(分力)fと、第1当接面17及び第1受面23に直角な成分とに分けて考えることができ、この第1当接面17及び第1受面23の左右方向の傾斜に沿う方向の分力fによって、爪14が、従ってペダル13が反面から見て斜め左上方に押されることになる。
【0030】
その結果、図13に示すように、床ノズル2の左側後部が斜め左上方に弾性変形し、爪14が第1ストッパ11から離脱し易くなり、比較的弱い力で爪14を第1ストッパ11から離脱させることができるようになり、ペダル13を支持するピン21、ベダルホルダー19及び床ノズル2の左側後部に作用する力が弱くなり、これらペダル支持部が塑性変形したり、破損したりすることが防止できるようになるのである。
【0031】
特に、この実施例では、ペダルホルダー19が床ノズル2に下側からねじ込まれるビスで固定されているので、ペダルホルダー19に下向きの力が作用するとビス孔が変形したり、破損してペダルホルダー19が床ノズル2から外れ易い構造になっているが、ペダルホルダー19には斜め左上方に向く力が作用するので、ペダルホルダー19を固定するビスが螺合されるビス孔が変形したり、破損したりすることが確実に防止できるようになり、このビスが抜けてペダル13、爪14、ピン20、スプリング21及びペダルホルダー19が床ノズル2から脱落することを確実に防止できるようになる。
【0032】
第1ストッパ11から爪14が離脱すると、掃除機本体1は後方に傾斜できるようになり、又、爪14はスプリング21の力で突出部16の周面の第1ストッパ11と第2ストッパ12との間に受け止められるようになる。
【0033】
掃除機本体1を直立状態から約75°後方に傾斜させると、図14の側面図及び図15の平面図に示すように、爪14の第2受面24が第2ストッパ12の第2当接面18に受け止められる。
【0034】
後輪7を支えにして掃除機本体1を約75°よりも大きく傾斜させると、図16に示すように、第2ストッパ12に爪14が受け止められているので、床ノズル2の前部が床面から浮き上がる。
【0035】
従って、例えばベットの下側などの清掃に備えて掃除機本体1を約75°よりも大きく傾斜させ、回転ブラシ9を回転させたまま掃除機を床に置いた場合などに、回転ブラシ9が床面の一箇所を掃くことにより床面を傷着けることを防止できる。
【0036】
このように、掃除機本体1を約75°よりも大きく傾斜させた状態でペダル13を踏み下げると、爪14が第2ストッパ12からその後方に離脱し、床ノズル2の前部が床面に下がる。従って、例えばベットの下側など掃除機を立てて使用できない所を清掃する時に、このように爪14を第2ストッパ12から離脱させると、掃除機本体1を床に寝かせた状態でも吸込口8を床面に近付け、回転ブラシ9を床面に接触させて清掃することができる。
【0037】
上記の実施例では、例えば図12に示すように、第1ストッパ11の第1当接面17と爪14の第1受面23とが共に背面から見て左上がりの傾斜面に形成されているが、要は、第1当接面17と第1受面23との少なくとも一方が、掃除機本体1を無理に後傾させようとする時に爪14に作用する力に爪14を掃除機本体1から離隔する方向の成分を生じさせるような傾斜面で構成してあればよいのである。
【0038】
従って、第1受面23を背面から見て左上がりの傾斜面で構成する場合には、第1当接面17を掃除機本体1を直立させた時に背面から見て水平な面で構成してもよく、逆に第1当接面17を掃除機本体1を直立させた時に背面から見て左上がりの傾斜面で構成する場合には、第1受面23を背面から見て水平な面で構成してもよい。
【0039】
しかし、上記の実施例のように、第1ストッパ11の第1当接面17と爪14の第1受面23とを共に背面から見て互いに対応する左上がりの傾斜面に形成する場合には、第1当接面17と第1受面23との接触面積を大きくすることができ、第1当接面17と第1受面23の摩耗の進行を抑制して耐久性を高めることができるので有利である。
【0040】
もちろん、本発明において、第2ストッパ12、第2当接面18及び第2受面24を省略することも可能であり、又、スタンド固定機構10を左右反対勝手に設けることも可能である。
【0041】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明は、掃除機本体を直立させた時に互いに当接するストッパの当接面と爪の受面との一方又は両方が、爪を掃除機本体から離隔する方向に滑らせるように傾斜した面で構成されるので、床ノズルを足で抑えて無理やり掃除機本体を直立状態から後方に傾斜させる時に、床ノズルの弾性変形によって爪及びこれを支持する床ノズルの部分が掃除機本体から左方向(或いは右方向)に離隔し、爪がストッパの左方向(或いは右方向)に離脱する。
【0042】
その結果、爪が離脱するまでに爪を支持する床ノズルの部分に作用する力が小さくなるので、爪を支持する床ノズルの部分が変形したり、破損したりすることを防止でき、爪を支持する床ノズルの部分の変形や破損によるスタンド固定機構の機能喪失を防止できる。
【0043】
本発明において、特に前記ペダルの操作により前記ストッパから爪を離脱させ、掃除機本体を後方に90°よりも小さい所定の角度寝かせた時に、前記爪に係合される第2のストッパを掃除機本体下部の前記ストッパと同じ側の側面に突設する場合には、掃除機本体を水平あるいはその近くまで傾斜させた時に第2のストッパを爪に受け止めさせることにより、掃除機本体を水平に寝かした時に床ノズルの前部に設けた回転ブラシを床面から浮き上がらせることができる。従って、第2のストッパを爪に受け止めさせれば、掃除機本体を床に寝かして置いたまま回転ブラシを回転させても、回転ブラシが床面の一箇所に接して回転することはなく、回転ブラシの接触による床面の損傷を防止できる。
【0044】
又、前記ペダルの操作により、第2のストッパから爪を離脱させれば、床ノズルの前部を自重で床面まで下ろすことができ、掃除機本体を床に寝かした掃除機を移動させることにより例えばベッドの下側などの高さの低い空間の床を掃除をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の側面図である。
【図2】本発明の一実施例の底面図である。
【図3】本発明の一実施例の背面図である。
【図4】本発明の一実施例のスタンド固定機構を概略的に示す側面図である。
【図5】本発明の一実施例の本体ケースリアーの側面図である。
【図6】図5のA矢示部の背面図である。
【図7】本発明の一実施例のペダルの平面図である。
【図8】本発明の一実施例のペダルの背面図である。
【図9】本発明の一実施例のペダルの右側面図である。
【図10】本発明の一実施例のペダルの左側面図である。
【図11】本発明の一実施例のペダルの正面図である。
【図12】本発明の原理図である。
【図13】本発明の一実施例の背面図である。
【図14】本発明の一実施例のスタンド固定機構を概略的に示す側面図である。
【図15】本発明の一実施例のスタンド固定機構の平面図である。
【図16】本発明の一実施例の側面図である。
【符号の説明】
1 掃除機本体
2 床ノズル
6 本体ケースリアー
10 スタンド固定機構
11 第1ストッパ
12 第2ストッパ
13 ペダル
14 爪
17 第1当接面
18 第2当接面
23 第1受面
【産業上の利用分野】
本発明は、いわゆる、アップライト型の電気掃除機に係り、掃除機本体を直立状態に保持するスタンド固定機構の破損を防止できるようにした電気掃除機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
いわゆる、アップライト型電気掃除機では、床面に沿って移動させる床ノズルに掃除機本体の下部が左右軸心回りに回転可能に支持され、不使用時に掃除機本体を直立状態に保持するスタンド固定機構が設けられる。
【0003】
このスタンド固定機構としては、例えば実開平4−68748号公報に開示されているように、掃除機本体の下部に設けたストッパと、床ノズルに支持させたペダルに連設され、前記ストッパを受け止めて掃除機本体を直立状態に保持する爪とを備えるものが知られている。
【0004】
このスタンド固定機構を備える電気掃除機は、ベダルを踏むことにより爪をストッパから離脱させ、掃除機本体を後方に傾斜させて使用され、又、ベットの下側などでは、掃除機本体を水平に寝かせて使用される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、使用者の中にはベダルを踏まずに床ノズルを足で押さえてむりやり掃除機本体を後傾させたり、このようなペダルがあることを知らずに床ノズルを足で押さえてむりやり掃除機本体を後傾させる人がいたりする。そして、このようにむりやり掃除機本体を後傾させた場合にペダル支持部が塑性変形したり、破損したりしてスタンド固定機構の機能が失われることがある。
【0006】
本発明は、上記の事情を考慮して掃除機本体を直立状態に保持するスタンド固定機構の破損を防止できるようにした電気掃除機を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、掃除機本体の下部に設けたストッパと、掃除機本体に左右軸心回りに回転可能に連結された床ノズルに支持させたペダルに連設され、前記ストッパを受け止めて掃除機本体を直立状態に保持する爪とを有するスタンド固定機構を備えた電気掃除機を前提として、上記の目的を達成するため、次のような手段を講じている。
【0008】
即ち、前記ストッパは、当接面が形成され、前記爪は、前記ストッパの当接面を受け止める受面が形成され、前記ストッパの当接面と前記爪の受面との一方又は両方が、前記掃除機本体を直立状態から後方に傾斜させた時に、前記爪に作用させる力に前記爪を前記掃除機本体から離隔する方向の成分を生じさせるような傾斜面で構成され、前記掃除機本体を直立状態から後方に傾斜させた時に、前記爪と前記ストッパとの係合が解除されるようにしたことを特徴とする。
【0009】
【作用】
本発明によれば、むりやり掃除機本体を後傾させた場合には、傾斜させたストッパの当接面と爪の受面との一方又は両方が案内となって、爪に掃除機本体から離隔する方向に滑らせる力が作用する。この力によって爪及びペダルを支持している床ノズルが掃除機本体から離隔する方向に変形し、爪とストッパとの係合が解除され易くなる。その結果、従来よりも弱い力で爪がストッパを乗り越えて、爪とストッパとの係合が解除され、掃除機本体を更に後傾させることができるようになるので、ペダルを支持している床ノズルの部分、即ち、ペダル支持部に作用する力が小さくなり、ペダル支持部が塑性変形したり、破損したりすることが防止される。
【0010】
【実施例】
本発明の一実施例に係る電気掃除機を図面に基づいて具体的に説明すれば、以下の通りである。
【0011】
図1の側面図に示すように、この電気掃除機は送風機及び集塵部を内蔵した掃除機本体1の下部に床ノズル2が紙面に直角の左右軸心回りに回転可能に支持され、使用時には掃除機本体1の上部に差し込まれるハンドル3を持って掃除機本体1を後方に傾斜させ、床ノズル2のボトムプレート4に回転可能に支持させた左右1対の前輪5と掃除機本体1の本体ケースリアー6の後下部に回転可能に支持させた左右1対の後輪7とを床面に転接させて移動させるようにしている。
【0012】
又、不使用時には掃除機本体1及びハンドル3をスタンド固定機構10によって床面に対してほぼ直角に起立する直立状態に保持するようにしている。
【0013】
図2の底面図に示すように、上記床ノズル2は平面視において後側が開かれた溝型に形成され、その前部内に吸込口8が設けられる。この吸込口8は下方に開口され、この吸込口8内に回転可能に収納した回転ブラシ9がその開口の下方の床面を掃くようにしてある。
【0014】
前記スタンド固定機構10は掃除機本体1の左側下部と床ノズル2の左側部とにわたって設けられ、図3の背面図及び図4の側面図に示すように、本体ケースリアー6の左側下部に設けた第1ストッパ11と、第2ストッパ12と、床ノズル2の左側部に左右軸心回りに回転可能に支持させたペダル13と、このペダル13の基部から上方に突出させた爪14とを備えている。
【0015】
図4及び図5の各側面図に示すように、本体ケースリアー6の左側下部には、側面視において掃除機本体1の回転軸心15を中心とする半円盤状の突出部16が形成され、この突出部16の周面から第1ストッパ11と第2ストッパ12とが径方向に突出するように形成される。
【0016】
前記第1ストッパ11は掃除機本体1を垂直に起立させた時に突出部16の周面の斜め後下方で回転軸心15よりも少し低い位置に配置され、図6に示すように、前記突出部16の左端面よりも更に左側に突出するように形成される。
【0017】
そして、この第1ストッパ11は、掃除機本体1を垂直に起立させた時に側面から見れば図5に示すように後方で水平よりも少し下がり、背面から見れば図6に示すように水平に対して左側で上がる傾斜面からなる第1当接面17を備えている。
【0018】
前記第2ストッパ12は掃除機本体1を垂直に起立させた時に突出部16の周面の斜め後上方に位置し、側面から見れば第1ストッパ11の当接面17を回転軸心15を中心にして90°よりも小さい角度、例えば約75°回転させた位置に、回転軸心15に平行な第2当接面18を備えている。
【0019】
図2に示すように、上記ペダル13は、床ノズル2の左後部に固定されたペダルホルダー19にピン20を介して回転可能に支持され、スプリング21によって後端部が跳ね上げられる方向に付勢されている。そして、このペダル13は、前記爪14が突出部16の周面に受け止められることにより、後端部がほぼ水平に跳ね上げられた位置に保持される。
【0020】
前記爪14は、図7ないし図11に示すように、ピン20が挿通されるピン孔22よりも少し後方でベダル13の右側部から上方に連出され、その上端部に第1ストッパ11の当接面17を受け止める第1受面23と、第2ストッパ12の当接面18を受け止める第2受面24とが形成される。
【0021】
この実施例で、第1ストッパ11の当接面17が掃除機本体1を垂直に起立させた時に左側から見れば後方で水平よりも少し下がり、背面から見れば水平に対して左側で上がる傾斜面に形成してあるので、ペダル13の後端が水平に跳ね上げられた状態で側面から見て後方で水平よりも少し下がり、背面から見れば水平な共通平面で第1受面23と第2受面24とを構成することも可能である。
【0022】
しかし、この実施例では、スタンド固定機構10の耐久性を高めるために、第1受面23を第1当接面17に対応させて、ペダル13の後端が水平に跳ね上げられた状態で側面から見て後方で水平よりも少し下がり、背面から見れば左側で水平よりも上がる傾斜面で構成し、第2受面24をこの第1当接面17の一部分(ここでは、右前部分)を段落ち状に低くして、ペダル13の後端が水平に跳ね上げられた状態で側面から見て後方で水平よりも少し下がり、背面から見れば水平な平面で構成している。
【0023】
この電気掃除機はハンドル3を持って掃除機本体1を後方に傾斜させることにより、後輪7を床面に転接させた状態で使用され、使用時には爪14が突出部16の周面の第1ストッパ11と第2ストッパ12との間に受け止められる。
【0024】
この後方に傾斜させた掃除機本体1を図1に示すように垂直に起立させると、爪14が第2ストッパ12と第1ストッパ11との間の突出部16の周面から第1ストッパ11を乗り越え、図4及び図12の原理図に示すように、第1ストッパ11の第1当接面17を受け止めて掃除機本体1を垂直に起立した状態に保持するようになる。
【0025】
つまり、この電気掃除機では、掃除機本体1及びハンドル3の重量は、掃除機本体1を後方に傾斜させるように作用するように設計してあり、これら掃除機本体1及びハンドル3の重量は第1ストッパ11から爪14に下向きの力として作用するようになっている。
【0026】
しかし、第1当接面17及び第1受面23が側面から見て後方で水平よりも少し下がっているので、この下向きの力はこれら第1当接面17及び第1受面23に沿う成分と、第1当接面17及び第1受面23に直角な成分とに分けて考えることができる。そして、第1当接面17及び第1受面23に沿う成分がペダル13の後端を上昇させ、爪14を突出部16の周面に押圧する方向に作用するので、爪14が第1ストッパ11から後方に離脱することが防止される。
【0027】
その結果、一旦、爪14の第1受面23に第1ストッパ11の第1当接面17を受け止めさせた後は、ペダル13を踏み下げて爪14を第1ストッパ11の後方に離脱させるか、床ノズル2を足で押さえながら無理やり掃除機本体1を後方に傾斜させない限り掃除機本体1は直立状態に保持される。
【0028】
床ノズル2を足で押さえながら無理にこの直立した掃除機本体1を後方に傾斜させようとすると、第1ストッパ11から爪14に下向きの力が作用する。
【0029】
しかし、図6及び図12に示すように、第1当接面17が掃除機本体1を垂直に起立させた時に背面から見て左上がりの傾斜面に形成され、又、第1受面23がこの第1当接面17に対応してペダル13の後端が水平に跳ね上げられた状態で背面から見れば左側で水平よりも上がる傾斜面で構成されているので、図12に示すように、第1ストッパ11から爪14に作用する下向きの力を第1当接面17及び第1受面23の左右方向の傾斜に沿う方向の成分(分力)fと、第1当接面17及び第1受面23に直角な成分とに分けて考えることができ、この第1当接面17及び第1受面23の左右方向の傾斜に沿う方向の分力fによって、爪14が、従ってペダル13が反面から見て斜め左上方に押されることになる。
【0030】
その結果、図13に示すように、床ノズル2の左側後部が斜め左上方に弾性変形し、爪14が第1ストッパ11から離脱し易くなり、比較的弱い力で爪14を第1ストッパ11から離脱させることができるようになり、ペダル13を支持するピン21、ベダルホルダー19及び床ノズル2の左側後部に作用する力が弱くなり、これらペダル支持部が塑性変形したり、破損したりすることが防止できるようになるのである。
【0031】
特に、この実施例では、ペダルホルダー19が床ノズル2に下側からねじ込まれるビスで固定されているので、ペダルホルダー19に下向きの力が作用するとビス孔が変形したり、破損してペダルホルダー19が床ノズル2から外れ易い構造になっているが、ペダルホルダー19には斜め左上方に向く力が作用するので、ペダルホルダー19を固定するビスが螺合されるビス孔が変形したり、破損したりすることが確実に防止できるようになり、このビスが抜けてペダル13、爪14、ピン20、スプリング21及びペダルホルダー19が床ノズル2から脱落することを確実に防止できるようになる。
【0032】
第1ストッパ11から爪14が離脱すると、掃除機本体1は後方に傾斜できるようになり、又、爪14はスプリング21の力で突出部16の周面の第1ストッパ11と第2ストッパ12との間に受け止められるようになる。
【0033】
掃除機本体1を直立状態から約75°後方に傾斜させると、図14の側面図及び図15の平面図に示すように、爪14の第2受面24が第2ストッパ12の第2当接面18に受け止められる。
【0034】
後輪7を支えにして掃除機本体1を約75°よりも大きく傾斜させると、図16に示すように、第2ストッパ12に爪14が受け止められているので、床ノズル2の前部が床面から浮き上がる。
【0035】
従って、例えばベットの下側などの清掃に備えて掃除機本体1を約75°よりも大きく傾斜させ、回転ブラシ9を回転させたまま掃除機を床に置いた場合などに、回転ブラシ9が床面の一箇所を掃くことにより床面を傷着けることを防止できる。
【0036】
このように、掃除機本体1を約75°よりも大きく傾斜させた状態でペダル13を踏み下げると、爪14が第2ストッパ12からその後方に離脱し、床ノズル2の前部が床面に下がる。従って、例えばベットの下側など掃除機を立てて使用できない所を清掃する時に、このように爪14を第2ストッパ12から離脱させると、掃除機本体1を床に寝かせた状態でも吸込口8を床面に近付け、回転ブラシ9を床面に接触させて清掃することができる。
【0037】
上記の実施例では、例えば図12に示すように、第1ストッパ11の第1当接面17と爪14の第1受面23とが共に背面から見て左上がりの傾斜面に形成されているが、要は、第1当接面17と第1受面23との少なくとも一方が、掃除機本体1を無理に後傾させようとする時に爪14に作用する力に爪14を掃除機本体1から離隔する方向の成分を生じさせるような傾斜面で構成してあればよいのである。
【0038】
従って、第1受面23を背面から見て左上がりの傾斜面で構成する場合には、第1当接面17を掃除機本体1を直立させた時に背面から見て水平な面で構成してもよく、逆に第1当接面17を掃除機本体1を直立させた時に背面から見て左上がりの傾斜面で構成する場合には、第1受面23を背面から見て水平な面で構成してもよい。
【0039】
しかし、上記の実施例のように、第1ストッパ11の第1当接面17と爪14の第1受面23とを共に背面から見て互いに対応する左上がりの傾斜面に形成する場合には、第1当接面17と第1受面23との接触面積を大きくすることができ、第1当接面17と第1受面23の摩耗の進行を抑制して耐久性を高めることができるので有利である。
【0040】
もちろん、本発明において、第2ストッパ12、第2当接面18及び第2受面24を省略することも可能であり、又、スタンド固定機構10を左右反対勝手に設けることも可能である。
【0041】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明は、掃除機本体を直立させた時に互いに当接するストッパの当接面と爪の受面との一方又は両方が、爪を掃除機本体から離隔する方向に滑らせるように傾斜した面で構成されるので、床ノズルを足で抑えて無理やり掃除機本体を直立状態から後方に傾斜させる時に、床ノズルの弾性変形によって爪及びこれを支持する床ノズルの部分が掃除機本体から左方向(或いは右方向)に離隔し、爪がストッパの左方向(或いは右方向)に離脱する。
【0042】
その結果、爪が離脱するまでに爪を支持する床ノズルの部分に作用する力が小さくなるので、爪を支持する床ノズルの部分が変形したり、破損したりすることを防止でき、爪を支持する床ノズルの部分の変形や破損によるスタンド固定機構の機能喪失を防止できる。
【0043】
本発明において、特に前記ペダルの操作により前記ストッパから爪を離脱させ、掃除機本体を後方に90°よりも小さい所定の角度寝かせた時に、前記爪に係合される第2のストッパを掃除機本体下部の前記ストッパと同じ側の側面に突設する場合には、掃除機本体を水平あるいはその近くまで傾斜させた時に第2のストッパを爪に受け止めさせることにより、掃除機本体を水平に寝かした時に床ノズルの前部に設けた回転ブラシを床面から浮き上がらせることができる。従って、第2のストッパを爪に受け止めさせれば、掃除機本体を床に寝かして置いたまま回転ブラシを回転させても、回転ブラシが床面の一箇所に接して回転することはなく、回転ブラシの接触による床面の損傷を防止できる。
【0044】
又、前記ペダルの操作により、第2のストッパから爪を離脱させれば、床ノズルの前部を自重で床面まで下ろすことができ、掃除機本体を床に寝かした掃除機を移動させることにより例えばベッドの下側などの高さの低い空間の床を掃除をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の側面図である。
【図2】本発明の一実施例の底面図である。
【図3】本発明の一実施例の背面図である。
【図4】本発明の一実施例のスタンド固定機構を概略的に示す側面図である。
【図5】本発明の一実施例の本体ケースリアーの側面図である。
【図6】図5のA矢示部の背面図である。
【図7】本発明の一実施例のペダルの平面図である。
【図8】本発明の一実施例のペダルの背面図である。
【図9】本発明の一実施例のペダルの右側面図である。
【図10】本発明の一実施例のペダルの左側面図である。
【図11】本発明の一実施例のペダルの正面図である。
【図12】本発明の原理図である。
【図13】本発明の一実施例の背面図である。
【図14】本発明の一実施例のスタンド固定機構を概略的に示す側面図である。
【図15】本発明の一実施例のスタンド固定機構の平面図である。
【図16】本発明の一実施例の側面図である。
【符号の説明】
1 掃除機本体
2 床ノズル
6 本体ケースリアー
10 スタンド固定機構
11 第1ストッパ
12 第2ストッパ
13 ペダル
14 爪
17 第1当接面
18 第2当接面
23 第1受面
Claims (2)
- 掃除機本体の下部に設けたストッパと、掃除機本体に左右軸心回りに回転可能に連結された床ノズルに支持させたペダルに連設され、前記ストッパを受け止めて掃除機本体を直立状態に保持する爪とを有するスタンド固定機構を備えた電気掃除機において、
前記ストッパは、当接面が形成され、前記爪は、前記ストッパの当接面を受け止める受面が形成され、前記ストッパの当接面と前記爪の受面との一方又は両方が、前記掃除機本体を直立状態から後方に傾斜させた時に、前記爪に作用させる力に前記爪を前記掃除機本体から離隔する方向の成分を生じさせるような傾斜面で構成され、前記掃除機本体を直立状態から後方に傾斜させた時に、前記爪と前記ストッパとの係合が解除されるようにしたことを特徴とする電気掃除機。 - 前記ペダルの操作により前記ストッパから爪を離脱させ、掃除機本体を後方に90°よりも小さい所定の角度寝かせた時に、前記爪に係合される第2のストッパを掃除機本体下部の一側面に突設したことを特徴とする請求項1に記載の電気掃除機。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP26585894A JP3634413B2 (ja) | 1994-10-28 | 1994-10-28 | 電気掃除機 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP26585894A JP3634413B2 (ja) | 1994-10-28 | 1994-10-28 | 電気掃除機 |
Publications (2)
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| JPH08117157A JPH08117157A (ja) | 1996-05-14 |
| JP3634413B2 true JP3634413B2 (ja) | 2005-03-30 |
Family
ID=17423069
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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| JP26585894A Expired - Fee Related JP3634413B2 (ja) | 1994-10-28 | 1994-10-28 | 電気掃除機 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3634413B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
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-
1994
- 1994-10-28 JP JP26585894A patent/JP3634413B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
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| JPH08117157A (ja) | 1996-05-14 |
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