JP3635295B2 - 空気調和装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、家庭や事務所などの空気調和あるいは食品等の冷蔵に用いられる空気調和装置に関するものであり、特に水の気化熱によって冷却を行う空気調和装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より空気調和装置には圧縮式の冷凍機が広く用いられており、その主な冷媒のフロンガスが大気のオゾン層を破壊するということで、代替フロンが用いられるようになった。しかし、その代替フロンも大気の温室効果を高めるという問題点が指摘され、冷媒を用いない除湿冷房装置等の冷房装置が注目されている。
【0003】
しかしながら、設備の大きさやエネルギー効率の見地からなかなか実用的なものが開発されていない。この中で、例えば国際公開番号WO97/17586に見られるような熱交換器の中で霧状の水の微粒子を気化させるようにしたものは簡単な装置で消費エネルギーも少なく、また大きな冷却効果が得られるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の国際公開公報に開示されたものは空気の供給温度がほぼ20℃程度であり、供給空気量を多くすれば十分に冷房に適するものであるが、冷蔵には不適である。
【0005】
本発明は上記の問題点を解決するものであり、上記国際公開公報に見られるような熱交換器の中で霧状の水の微粒子を気化させるようにしたものに除湿機能を付加したものを、さらに供給空気の温度が低くなるようにし冷蔵にも応用できる空気調和装置を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、吸着ゾーンと再生ゾーンの設けられた吸着式の除湿手段と、複数の気体流の間で熱交換を行う第1、第2及び第3の熱交換器を備え、さらに第1及び第2の熱交換器それぞれの一方の通路には気体中に霧状の揮発性液体の微細な液滴が浮遊した状態となるまで噴霧して霧状気体流とした空気を流すようにし、第1の熱交換器の他方の通路を通って冷却された空気を除湿手段の吸着ゾーンに通し、吸着ゾーンを出た乾燥空気を第2及び第3の熱交換器それぞれの他方の通路に通すとともに、第3の熱交換器の他方の通路を出た空気を第2の熱交換器の一方の通路に通し、第2の熱交換器の一方の通路を出た空気を第3の熱交換器の一方の通路に通すようにした。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、湿気の吸着剤を担持した除湿ロータおよびヒータを有し吸着ゾーンと再生ゾーンの設けられた除湿手段と、複数の気体流の間で熱交換を行う第1、第2及び第3の熱交換器を備え、さらに第1及び第2の熱交換器それぞれの一方の通路には気体中に霧状の揮発性液体の微細な液滴が浮遊した状態となるまで噴霧して霧状気体流とした空気を流すようにし、被冷却空気を第1の熱交換器の他方の通路に通し、そこを出た空気を除湿手段の吸着ゾーンに通し、吸着ゾーンを出た空気を第2及び第3の熱交換器それぞれの他方の通路に通すとともに、第3の熱交換器の他方の通路を出た空気を第2の熱交換器の一方の通路に通し、第2の熱交換器の一方の通路を出た空気を第3の熱交換器の一方の通路に通すようにしたものであり、第1の熱交換器によって冷却された空気が除湿手段によって吸着除湿されるため、除湿効果が高く除湿された乾燥空気に噴霧することによって気化冷却を行うため、供給空気の温度が低くなるという作用を有する。
【0008】
【実施例】
図1は本発明の実施例1に於けるフローパターン図である。図1に於て、1は除湿手段であり、2,3,4はそれぞれ第1,第2,第3の顕熱交換器である。そして第1の顕熱交換器2および第2の顕熱交換器3はそれぞれ噴霧ノズル5,6を有しており、上記各部の詳細は以下説明する。
【0009】
図2は除湿手段1の要部断面斜視図である。7は除湿ロータであり、例えばセラミックシートをコルゲート状に形成し平面シートと積層巻してハニカム状にしたものにシリカゲル等の吸湿剤を担持させたものである。
【0010】
8はケーシングであり、この中に除湿ロータ7が回転自在に収納されており、ベルト9を介しモータ10によって回転駆動される。また、除湿ロータ7の流通路を1:0.5:2.5の面積比で分割するよう仕切り11がケーシング8に設けられている。そして面積比1の部分が再生ゾーン12であり、面積比0.5の部分がパージゾーン13であり、面積比2.5の部分が吸着ゾーン14である。
【0011】
15はヒータで、その内部を通過する空気を例えば80℃まで加熱するものであり、ヒータ15によって加熱された空気は再生ゾーン12へ送られるようにダクト(図示せず)によって連通されている。
【0012】
図3は第1,第2,第3の顕熱交換器2,3,4の斜視図である。顕熱交換器2,3,4は例えば直交流型熱交換器であり、アルミニウムその他の金属のシ−トまたはポリエステルその他の合成樹脂のシ−トよりなる隔壁16と波長3.0mm、波高1.6mmの波板17とを交互に且つ波板17の波の方向が一段毎に直交するように積重ね互に接着したものである。これによって顕熱交換器2,3,4には互いに直交する方向に小透孔群18および小透孔群19が形成される。
【0013】
図4は第1,第2の顕熱交換器2,3および噴霧ノズル5,6よりなる冷却手段の斜視図である。20はチャンバー21の流入口であり、チャンバー21の下端は熱交換器2,3の垂直の流路の入口と連通している。そして、熱交換器2,3の垂直の流路の出口は大気に開放されている。
【0014】
チャンバー21の中には噴霧ノズル5,6が取り付けられており、チャンバー21内の空気の相対湿度を100%にするとともに、さらに多量の微細な水滴が浮遊した状態即ち霧状とする。噴霧ノズル5,6としては例えば空気噴霧ノズルすなわち、圧縮空気で水を微細粒子にして噴霧するものを用いており、水ポンプおよび空気コンプレッサ(図示せず)が連通されている。
【0015】
22は第1,第2の顕熱交換器2,3の水平の通路の流入側チャンバーで、導入管23と連通されている。24は顕熱交換器2,3の水平の通路の流出側チャンバーで、導出管25と連通されている。26は顕熱交換器2,3の垂直の通路の流出側チャンバーで、導出管27と連通されている。
【0016】
図1に戻って28はブロアであり、その吸い込み側は大気に開放され吐き出し側は第1の顕熱交換器2の垂直の通路及び水平の通路に連通されている。
【0017】
第1の顕熱交換器2の水平の通路の出口は除湿手段1の吸着ゾーン14に連通され、吸着ゾーン14の出口は第2の顕熱交換器3の水平の通路および第3の顕熱交換器4の水平の通路と連通されている。
【0018】
第2の顕熱交換器3の水平の通路の出口は加湿器29を通って室内に開放されている。また、第3の顕熱交換器4の垂直の通路の出口は第2の顕熱交換器3のチャンバー21の流入口20に連通されている。そして第2の顕熱交換器3の垂直の通路の流出側チャンバー26の導出管27は、第3の顕熱交換器4の垂直の通路の入口に連通され、第3の顕熱交換器4の垂直の通路の出口は大気に開放されている。
【0019】
30はブロアであり、その吐出側は大気に開放され、入口は除湿手段1の再生ゾーン12の出口に連通されている。またヒータ15はパージゾーン13から再生ゾーン12に至る通路に設けられている。
【0020】
以上の説明の本発明の実施例1の空気調和装置は次の動作を行う。先ず、電源の投入に伴ってブロア28、30およびモータ10が起動する。これによって、外気はブロア28によって第1の顕熱交換器2の垂直および水平の通路に供給される。また噴霧ノズル5にポンプ(図示せず)によって水と空気が送られ、チャンバー21内に霧状の空気流が発生する。
【0021】
出願人の実験では、外気の温度33.0℃、絶対湿度10g/Kgであった場合、チャンバー21内の噴霧後の温度は20.4℃、相対湿度100%となり、第1の顕熱交換器2の垂直の通路の出口では温度は25.0℃、相対湿度100%となり、水平の通路では温度は20.5℃、絶対湿度10g/Kgとなった。
【0022】
つまり、ブロア28によってチャンバ21内に空気流ができる。これに噴霧ノズル5より水を噴霧し霧状気体流をつくる。噴霧する水の量は、噴霧によって気化する量以上とする。
【0023】
すると、噴霧された水の一部が気化し、気化によって気化熱が奪われ、チャンバ21内に送られた霧状気体流の温度が20.4℃まで低下する。また、チャンバ21内の空気は相対湿度が100%となり、その空気の中に多量の水の微粒子が浮遊した状態即ち霧状となる。
【0024】
そして、この微細な水滴が多量に浮遊した状態の霧状気体流が第1の顕熱交換器2の垂直の小透孔群18に入る。これによって、垂直の小透孔群18と水平の小透孔群19の間で、隔壁16を介して顕熱交換が行われる。つまり、水平の小透孔群19を通過する空気は垂直の小透孔群18を通過する霧状気体流によって冷却され、同時に垂直の小透孔群18を通過する霧状気体流は加熱される。
【0025】
すると、垂直の小透孔群18を通過する気体流の相対湿度は100%以下となり、その中に含まれる多量の水の微粒子が気化し、気化熱が奪われ霧状気体流が冷却される。
【0026】
この作用によって、垂直の小透孔群18を通過する霧状気体流の温度は低温のままほぼ一定に保たれるため、水平の小透孔群19を通過する気体流は第1の顕熱交換器2の垂直の小透孔群18の全域・全長にわたり連続的に冷却され、その温度もほぼ一定に保たれる。
【0027】
この場合噴霧ノズル5からの水の噴霧量が多過ぎると微細な水滴が第1の顕熱交換器2の垂直の小透孔群18内の隔壁に集まり凝集して大きな水滴や水流となりその水滴や水流は微細な水滴と比べて表面積は極めて小さくなり小透孔群19を通過する気体流から奪った熱量では霧状気体流の温度を充分低下させることはできず、従って小透孔群19を通過する気体流の温度を充分に下げることはできない。
【0028】
従って、霧状気体流内の微細な水滴が均一に必要最小限よりやや多めに含まれるように噴霧すれば冷却効率がよく、水も節約できる。そして、顕熱交換器2の小透孔群18内で気化しなかった水滴は、顕熱交換器2の外部へ排出される。
【0029】
第1の顕熱交換器2の水平の小透孔群19を出た冷却空気は、ブロア28の吐出圧で除湿ユニット1の吸着ゾーン14に流され、除湿ロータ7を通過する間に冷却空気中の湿気は吸着されて除湿され乾燥空気となる。この時、吸着熱によって乾燥空気の温度は大気の温度より高くなる。
【0030】
出願人の実験では除湿ユニット1の吸着ゾーン14を出た空気の温度は50.0℃、絶対湿度は0.2g/Kgとなった。この高温乾燥空気は第2の顕熱交換器3及び第3の顕熱交換器4それぞれの水平の通路の入口に送られる。
【0031】
第3の顕熱交換器4の垂直の通路には第2の顕熱交換器3の垂直の通路より出た冷気が送入されており、上記の高温乾燥空気を冷却する。第3の顕熱交換器4の水平の通路の出口を出た空気の温度は30.0℃、絶対湿度は0.2g/Kgとなった。
【0032】
第2の顕熱交換器3のチャンバ21内の空気流に噴霧ノズル6より水を噴霧し霧状気体流をつくる。すると第2の顕熱交換器3の内部では、上記の第1の顕熱交換器2の内部で発生する現象と同様の現象が発生し、その垂直の小透孔群18内で霧状気体流の中に浮遊する水の微粒子が気化し、水平の小透孔群19を通過する空気が冷却される。
【0033】
出願人の実験では、第2の顕熱交換器3のチャンバ21に入る前の空気の温度は30.0℃、絶対湿度は0.2g/Kgであった。これに噴霧ノズル6より水を噴霧すると水の微粒子が気化し、空気の温度は10.7℃、相対湿度は100%となった。この霧状気体流を垂直の小透孔群18に通すと、上記の第1の顕熱交換器2の中で発生した現象と同様の現象が発生し、第2の顕熱交換器3の中で霧状気体流に含まれる水の微粒子が気化する。
【0034】
この結果、第2の顕熱交換器3の垂直の小透孔群18を通過した空気の温度は26.0℃となり、水平の小透孔群19を通過した空気の温度は11.0℃、絶対湿度は0.2g/Kgとなった。
【0035】
上記の説明の通り、第3の顕熱交換器4の垂直の通路には第2の顕熱交換器3の垂直の小透孔群18を通過した空気が送入されており、この空気の温度は26.0℃、相対湿度は100%であったが、第3の顕熱交換器4の垂直の通路の出口ではこの空気の温度は46.0℃、相対湿度は33%となった。
【0036】
垂直、ブロア30によって外気は吸引されパージゾーン13からヒータ15を通り、再生ゾーン12に入る。パージゾーン13を通過し加熱された空気の温度は90.0℃、絶対湿度は0.15g/Kgとなった。
【0037】
そしてヒータ15によってさらに温度が上昇し、空気の温度は155.0℃、絶対湿度は0.15g/Kgとなった。この再生空気が再生ゾーン12に入り除湿ロータ7に吸着された湿気を脱着する。脱着後の空気の温度は44.0℃、絶対湿度は29.0g/Kgとなった。
【0038】
以上説明した本発明の実施例のものは、外気が除湿手段1に入る前に第1の顕熱交換器2によって冷却されるようにしているため、多少外気の温度が高くても除湿ロータ7による湿気の吸着効果が高く、除湿手段1は低露点の乾燥空気を発生することができる。
【0039】
さらに、除湿手段1より出た乾燥空気の温度を第3の顕熱交換器4によって一旦冷却した後、水の気化冷却に使用しているため、第2の顕熱交換器3内部での冷却効果が高く、供給空気の温度を低くすることができる。
【0040】
また外気の空気条件によっては、あるいは目的とする供給空気の条件によっては第2の顕熱交換器3の水平の小透孔群19を通過した空気の温度が高すぎる場合がある。このような場合には第2の顕熱交換器3の水平の小透孔群19を通過した温度11.0℃、絶対湿度0.2g/Kgの空気を加湿器29を通過させることによって、温度2.0℃、絶対湿度3.8g/Kgの空気を得ることができる。
【0041】
以上の実施例では第2の顕熱交換器3と第3の顕熱交換器4とを別体にし、それぞれの垂直の通路を連通させたが、第2の顕熱交換器3と第3の顕熱交換器4とを一体に形成し、水平の通路を第2の顕熱交換器3に相当する部分即ち上半分と第3の顕熱交換器4に相当する部分即ち下半分とに分割することもできる。
【0042】
【発明の効果】
本発明の空気調和装置は上記の如く構成したので、外気の条件にかかわらず所望の冷気を供給することができるものである。また、必要に応じて供給空気に加湿冷却を行えばさらに供給空気の温度を下げることができる。
【0043】
さらに本発明のものは、フロンを用いる冷却装置を使うことなく乾燥・冷却空気を供給することができ、地球環境の維持に貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の空気調和装置の実施例を示すフローパターン図である。
【図2】本発明の空気調和装置に用いられる除湿手段の一例を示す斜視図である。
【図3】本発明の空気調和装置に用いられる顕熱交換器の一例を示す斜視図である。
【図4】本発明の空気調和装置に用いられる冷却ユニットの一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 除湿手段
2 第1の顕熱交換器
3 第2の顕熱交換器
4 第3の顕熱交換器
5,6 噴霧ノズル
8 除湿ロータ
5 ケーシング
12 再生ゾーン
13 パージゾーン
14 吸着ゾーン
15 ヒータ
27 加湿器

Claims (2)

  1. 湿気の吸着剤を担持した除湿ロータおよびヒータを有し吸着ゾーンと再生ゾーンの設けられた除湿手段と、複数の気体流の間で熱交換を行う第1、第2及び第3の熱交換器を備え、さらに前記第1、第2及び第3の熱交換器それぞれの一方の通路には気体中に霧状のの微細な液滴が浮遊した状態となるまで噴霧して霧状気体流とした空気を流すようにし、被冷却空気を前記第1の熱交換器の他方の通路に通し、前記第1の熱交換器の他方の通路を出た空気を前記除湿手段の吸着ゾーンに通し、前記吸着ゾーンを出た空気を前記第2及び第3の熱交換器それぞれの他方の通路に通すとともに、前記第3の熱交換器の他方の通路を出た空気を前記第2の熱交換器の一方の通路に通し、前記第2の熱交換器の一方の通路を出た空気を前記第3の熱交換器の一方の通路に通すようにした空気調和装置。
  2. 第2の熱交換器の他方の通路を出た空気を加湿冷却する加湿手段を設けた請求項1記載の空気調和装置。
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