JP3635329B2 - 路車間通信システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、路上アンテナを道路の近くに配置し、道路にエリアを形成することにより車載装置との移動通信を可能にする路車間通信システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来技術により、道路情報を提供するサービスを行う路車間通信システムにおいて、基点情報を提供する場合を図7,8に示する。道路情報を提供するサービスでは、道路センサやカメラがとらえた前方の障害物や急カーブの情報を路車間通信システムを用いて車両に提供する。この場合、障害物の位置やカーブの開始位置を示すための基準となる位置を車両に示す必要がある。この基準となる位置や、障害物やカーブのサービス情報を提供する路上アンテナに関する情報を基点情報(基点)という。
【0003】
各エリアにおいて電波を発信しつつ、隣り合うエリア同士で電波の干渉を防ぐために、従来技術においては、各エリアに設けた基地局から送信する電波の搬送周波数を異ならせる必要がある。例えば図7においては、道路に沿って指向性アンテナを用いて電波を送信する。この際、隣り合う電波の搬送周波数を異ならせるために、基点情報を送信する搬送周波数にはf1を、サービス情報Aには搬送周波数f2を、サービス情報Bには搬送周波数f3を、サービス情報Cには搬送周波数f4を割り当てる。各エリアでそれぞれ提供する情報と搬送周波数の割り当ての関係を図8に示す。
【0004】
さて、このように搬送周波数にサービスを割り当てておき、車に搭載した受信機で電波を受信する場合を次に説明する。従来技術による受信機では、一度に一つの搬送周波数しか受信できない。例えば、搬送周波数f1に同調した場合は、図8で示すように、基点情報しか受信できない。一方、図7の右から左に向かって道路を通過する場合を考えると、搬送周波数f1で基点情報を受信し、基点情報のエリアを通過した直後は搬送周波数f2に切り替えてサービス情報Aを受信し、同様に搬送周波数f3に切り替えてサービス情報Bを、搬送周波数f4に切り替えてサービス情報Cを受信する必要が生じる。
【0005】
このように、従来技術による路車間通信システムでは、無線エリアが切り替わると無線周波数が違うために、受信機側で無線周波数を切り替える必要があり、そのための周波数サーチ手段や周波数切り替え手順を要していた。特に交差点の様な複雑な場所でサービスを受ける場合、車のような高速移動する受信機では、受信周波数切り替えが頻繁におこることになる。ところが、瞬時に受信周波数を切り替えるのは困難なので、切り替えが間に合わずサービスが受けられなくなるという問題点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、前記のような従来の問題点を解決し、無線エリアが切り替わっても、受信する搬送周波数の切り替えをする必要がない路車間通信システムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、道路情報を提供するサービスを行う直交周波数分割多重方式の路車間通信システムにおいて、地上から移動体へ通信する際に使用する副搬送波を複数のグループに分け、そのうちの一部のグループを基点情報の通信に使用することとし、この基点情報は、指向性の路上アンテナから送信され、前記道路情報に関連した基準となる位置を前記移動体に示した情報であることを特徴とする。
【0008】
すなわち、本発明の路車間通信システムは、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplex:直交周波数分割多重方式)変調された信号を送出するための路上基地局装置と、路上基地局装置から送出された信号に基づき、同一周波数の電波を前記エリア内に放射するための路上送信アンテナと、前記路上送信アンテナから放射されてくる電波を受信するための車載受信アンテナ、およびこの車載受信アンテナにより受信し復調を行う車載受信手段を有する車載装置と、複数の路上基地局装置にサービスのための情報データを送出する基地集中局装置とを備え、前記路上基地局装置は、副搬送波を複数種類に分類し、当該複数種類の搬送波に複数種類のデータをそれぞれ伝送する伝送手段を有し、基点情報を提供するエリアに配置された路上アンテナにおいても同様に分類された副搬送波を送出し、複数の副搬送波の中から必要な副搬送波を選択し、基点情報やサービス情報を受信するものである。
【0009】
請求項2に記載の発明は、道路情報を提供するサービスを行う直交周波数分割多重方式の路車間通信システムにおいて、地上から移動体へ通信する際に使用する副搬送波を複数のグループに分け、そのうちのあるグループを基点情報の通信に、別のグループをサービス情報の通信に、同時に割り当てて使用することとし、この基点情報は、指向性の路上アンテナから送信され、前記道路情報に関連した基準となる位置を前記移動体に示した情報であることを特徴とする。
【0010】
すなわち、本発明では、路上送信アンテナから、OFDM変調された信号に基づいて同一周波数の電波が放射される。一般に、車両に対して複数の方向から電波が到来する場合、いわゆるマルチパス妨害が生じるおそれがある。具体的には、各路上送信アンテナから放射される電波の伝搬遅延時間差が発生し、符号間干渉が生じる。しかし本発明においてはOFDM方式を採用し、シンボルごとにガード時間を設けて干渉する符号が重ならないようにすることができるから、同一のデータを複数の方向から受けてもマルチパスによる遅延に起因する符号間干渉を回避できる。本発明の方式を用いれば、同一搬送周波数の副搬送波に基点情報とサービス情報を送出することで、一つの通信エリアにおいて基点情報とサービス情報を同時に提供することが出来る。
【0011】
請求項3に記載の発明は、道路情報を提供するサービスを行う直交周波数分割多重方式の路車間通信システムにおいて、地上から移動体へ通信する際に使用する副搬送波を複数のグループに分け、あるグループを使って交差点に向かう道路に設けた指向性の路上アンテナから基点情報を送信する一方、前記のグループとは別のグループを使って、交差点の近くに設けた1つの無指向性の路上アンテナからサービス情報を送信しており、前記基点情報は、前記道路情報に関連した基準となる位置を前記移動体に示した情報であることを特徴とする。
【0012】
本発明の方式を用いれば、交差点において隣り合うエリアで指向性アンテナを用いて複数の小さなエリアを構成するのではなく、基点情報の送信とは独立して、無指向性アンテナを用いて大きなエリアを構成して交差点全体に対して一括してサービス情報を送信することが可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明による路車間通信システムにおける基点提供の実施の形態を、添付図面を参照して説明する。基点情報を提供する路車間通信の実施の形態を図1,2に示す。図1において、道路に沿って向けられた4本の指向性アンテナを用いて電波を送信する。本発明においては、OFDM変調方式を用いているので、複数の基地局からの電波が交じり合って受信されても支障がない。そのため、各指向性アンテナからは同一の搬送周波数F0による電波を送出すれば良い。
【0014】
本実施の形態では、送信機側では、基点情報とサービス情報を異なるグループの副搬送波に割り当てることとし、具体的にはそれぞれ1つずつのグループ(以下、副搬送波グループ)を割り当てる。すなわち、各情報は、搬送波グループに対応づけて送信する。また、隣り合う基地局には相異なる搬送波グループを割り当てて、それぞれ異なる情報(基点情報又はサービス情報)を送信している。この様子を図2に示す。例えば、基点情報を提供する基地局1は、基地集中局から送られたきた基点情報を、搬送周波数F0のOFDM信号の1つの副搬送波グループに載せて送信する(実線)。同様にサービス情報Aを提供する基地局2は、基地集中局から送られたきたサービス情報Aを、周波数F0のOFDM信号の1つの副搬送波グループに載せて送信する(実線)。基地局3,4でも同様に、それぞれのサービス情報C,Dに対応して、周波数F0のOFDM信号の相異なる副搬送波グループを割り当てて送信する(各実線)。
【0015】
本実施の形態においては、受信機側では、各エリアではそのエリアに対応する副搬送波グループを一つだけ使ってデコードすれば良い。すなわち、周波数F0のOFDM信号を一括して受信し、必要な情報がのった副搬送波グループのみを取り出すことでサービスを受けることができる。例えば、図1の右から左に向かって道路を通過する場合を考えると、車に搭載した受信機は、常に搬送周波数F0のOFDM信号を受信しておき、副搬送波グループを選択してデコードすれば良い。具体的には、最初基点情報に対応した副搬送波グループを選択してデコードし、基地局2の通信エリアに入ると、サービス情報Aに対応した副搬送波グループを選択してデコードすれば良い。すると、それぞれの基地局に対応した基点情報、サービス情報を受けることができる。
【0016】
このように、本実施の形態によれば、受信機が受信するOFDM信号の搬送周波数は常にF0なので、従来技術で必要だった様な受信周波数の切り替え処理が不要である。なお、デコードする対象となる副搬送波グループは、受信エリアを移動する毎に切り替える必要はあるが、搬送波を受信した後の処理なので、受信周波数の切り替え処理ほど処理時間を要しない。
【0017】
また、各基地局では、自分の通信エリアのサービスだけでなく、隣りあるいは近くにある通信エリアのサービスも同時に送信すると、より好ましい。具体的には、基地局1は、図2の実線の様に基点情報を1つの副搬送波グループに載せると同時に、図2の破線のように隣あるいは近くにある基地局2、3、4のサービス情報A、B、Cをそれぞれ相異なる副搬送波グループに載せて送信する。このようにすると、各基地局で送信する内容は、結局全部同じになるので、送信データの準備が簡略化されるという利点もある。
【0018】
さて、受信機では、先ほどの説明と同様に、各通信エリアではその情報に対応した副搬送波グループを一つ選んでデコードすれば良い。また、図1では送信アンテナは車の前方から送信するような指向性を有する場合を示しているが、送信アンテナの指向性としては車の前方と後方の両方から送信するような指向性を有するのでも良い。そうすれば、隣り合う通信エリアが重なる中間付近(例えば、基地局2と基地局3の中間付近)では、後方(基地局2)からも前方(基地局3)からも、サービス情報AとBに対応する副搬送波グループを含んだ電波が到来する。このため、自車の直前(あるいは直後)に大型車が走行していて前側(あるいは後側)が電波の陰に入る場合であっても、反対側から電波を受信することができるので、電波が途切れる可能性を減らせることができる。また、前後両方からサービス情報AとBを両方含んだ電波が到来するので、デコード対象とする副搬送波グループを、基地局2のサービス情報Aに対応した副搬送波グループから、基地局3のサービス情報Bに対応した副搬送波グループに切り替える地点が前後にずれても支障がない。
【0019】
なお、以上の説明では、受信機では副搬送波グループを一つ選んでデコードする様に説明したが、副搬送波グループを全部デコードして所望のサービスを単数又は複数選択する実施例も可能である。また、図3におけるサービス1のサービス情報B1とサービス2の基点情報2の様に、複数のサービスが重なり合うように存在する道路等において基点情報とサービス情報を同時に提供する必要がある場合には、受信機では副搬送波グループを全部デコードして所望の基点情報とサービス情報の両方を同時に受信することが出来る。この様子を図4に示す。
【0020】
以上の説明から判るように、交差点では道路のすべての方向の道路に対して、同一の内容の電波を送出することもできる。従来の方式では図5のように交差点から延びる4本の道路沿いに向けた指向性アンテナを用いて基点情報とサービス情報を提供していた。本発明によれば、図6の様に基地局5の一つの無指向性アンテナにより4つの方向の道路に対して同一の電波を送出している。図5に比べると判るように、各道路に対して設けた4つの指向性アンテナを用いる場合より、基地局ならびにアンテナの構成が簡略化されている。
【0021】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載の発明は、周波数切り替えをする必要がないために、周波数サーチや周波数切り替えプロトコルが不要となる。また、車が高速移動しても、サービスの提供が可能となる。さらに、情報量の少ない基点情報のために専用の周波数を用意する必要がないため、周波数有効利用になる。
【0022】
請求項2に記載の発明は、基点情報とサービス情報が同時に提供可能となる。請求項3に記載の発明は、基地局の設置数を減らすことができるため、インフラ整備が安価になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による路車間通信システムにおける基点提供の実施の形態を示す図面である。
【図2】本発明による路車間通信システムにおける基点提供の周波数割り当て例を示す図面である。
【図3】本発明において基点情報とサービス情報の同時提供の例を示す図面である。
【図4】本発明において基点情報とサービス情報の同時提供の周波数割り当て例を示す図面である。
【図5】従来手法の交差点サービスの例を示す図面である。
【図6】無指向性アンテナを用いて基地局数を減らした図5に対応する図面である。
【図7】従来の路車間通信システムにおける基点提供の例を示す図面である。
【図8】従来の路車間通信システムにおける基点提供の周波数割り当ての例を示す図面である。
Claims (3)
- 道路情報を提供するサービスを行う直交周波数分割多重方式の路車間通信システムにおいて、地上から移動体へ通信する際に使用する副搬送波を複数のグループに分け、そのうちの一部のグループを基点情報の通信に使用することとし、この基点情報は、指向性の路上アンテナから送信され、前記道路情報に関連した基準となる位置を前記移動体に示した情報であることを特徴とする路車間通信システム。
- 道路情報を提供するサービスを行う直交周波数分割多重方式の路車間通信システムにおいて、地上から移動体へ通信する際に使用する副搬送波を複数のグループに分け、そのうちのあるグループを基点情報の通信に、別のグループをサービス情報の通信に、同時に割り当てて使用することとし、この基点情報は、指向性の路上アンテナから送信され、前記道路情報に関連した基準となる位置を前記移動体に示した情報であることを特徴とする路車間通信システム。
- 道路情報を提供するサービスを行う直交周波数分割多重方式の路車間通信システムにおいて、地上から移動体へ通信する際に使用する副搬送波を複数のグループに分け、あるグループを使って交差点に向かう道路に設けた指向性の路上アンテナから基点情報を送信する一方、前記のグループとは別のグループを使って、交差点の近くに設けた1つの無指向性の路上アンテナからサービス情報を送信しており、前記基点情報は、前記道路情報に関連した基準となる位置を前記移動体に示した情報であることを特徴とする路車間通信システム。
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