JP3635751B2 - 電磁弁駆動装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電磁弁を駆動する電磁弁駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えば内燃機関の各気筒に夫々燃料を噴射供給する燃料噴射弁としては、通常、電磁ソレノイドを備え、電磁ソレノイドへの通電により開弁される、電磁弁が使用されている。
【0003】
そして、こうした燃料噴射弁を駆動する駆動回路は、例えば図10に示す如く、内燃機関各気筒#a,#b…に設けられた燃料噴射弁の電磁ソレノイドLa,Lb,…の電流供給経路に夫々直列に設けられたスイッチング用のトランジスタTRa,…と、トランジスタTRa,…に流れる電流を制限するための接地抵抗器Rと、電磁ソレノイドLa,Lb,…の電流供給経路に並列に設けられたコンデンサ52a及び電源電圧を昇圧してコンデンサ52aを充電する昇圧回路52bからなり、トランジスタTRa,…のオン直後に、対応する電磁ソレノイドLa,Lb,…へダイオードDaを介して所定のピーク電流を供給するピーク電流回路52と、トランジスタTRa,…のオン時に、対応する電磁ソレノイドLa,Lb,…へダイオードDbを介して、ピーク電流より小さいホールド電流を供給するホールド電流回路54とから構成されている。
【0004】
つまり、従来の駆動回路では、トランジスタTRa,…がオフされている時に、昇圧回路52bによってコンデンサ52aを充電しておき、トランジスタTRa,…の何れかがオンされると、対応する電磁ソレノイドLa,Lb…へコンデンサ52aから大電流(ピーク電流)が流るようにして、対応する気筒の燃料噴射弁を速やかに開弁させ、その後は、ホールド電流回路54から開弁保持用の一定電流(ホールド電流)を流して、トランジスタTRa,…のオン期間中、対応する気筒の燃料噴射弁の開弁状態を保持するようにしている。
【0005】
そして、このような駆動回路を備えた従来の燃料噴射制御装置では、図10に示すように、マイクロコンピュータ56が、内燃機関の運転状態に応じて各電磁ソレノイドLa,Lb…の通電時間及び通電開始時期を算出すると共に、その算出結果に応じて、各トランジスタTRa,…へ噴射指令パルスPCMD を択一的に順次出力することにより、内燃機関への燃料噴射を制御するようにしている。
【0006】
即ち、図10に示した駆動回路によれば、図11に示す如く、何れかのトランジスタTRa,…に入力される噴射指令パルスPCMD が立ち上がると、ピーク電流回路52(コンデンサ52a及び昇圧回路52b)の動作によって、対応する電磁ソレノイドLa,Lb,…に流れる電流(ソレノイド電流ISOL )がピーク電流まで急激に立ち上がり、その後、噴射指令パルスPCMD が立ち下がるまでの間、ソレノイド電流ISOL がホールド電流に保持される。従って、電磁ソレノイドLa,…による弁体のリフト量SL(つまり燃料噴射弁の開度)は、噴射指令パルスPCMD の立ち上がり後、所定の応答時間t1 経過後除々に増加し、噴射指令パルスPCMD の立ち下がり後、所定の応答時間t2 経過後徐々に減少することになり、噴射指令パルスPCMD のパルス幅及び出力タイミングにより、電磁ソレノイドによる弁体のリフト量SL,延いては燃料噴射率Qが決定される。このため、従来の燃料噴射制御装置では、各気筒の電磁ソレノイドLa,Lb…の電流供給経路に設けられたトランジスタTRa,…へ出力する噴射指令パルスPCMD のパルス幅及び出力タイミングを制御することにより、燃料噴射量及び燃料噴射時期を内燃機関各気筒毎に制御するようにしているのである。
【0007】
ところで、このような燃料噴射制御装置において、ピーク電流回路52の昇圧回路52bが故障し、電磁ソレノイドLa,…にピーク電流を供給できなくなった場合には、噴射指令パルスPCMD の立ち上がり後、燃料噴射弁が開弁するまでの応答時間t1 が、正常時よりも長くなってしまう。一方、噴射指令パルスPCMD の立ち下がり後、燃料噴射弁が閉弁するまでの応答時間t2 は、正常時と略同じである。従って、昇圧回路52bの故障時には、燃料噴射弁の開弁時間が正常時より短くなってしまう上に、燃料噴射弁の開弁タイミングが正常時より遅れてしまい、良好な燃料噴射制御を実行することができなくなるといった問題があった。
【0008】
そこで、こうした問題を解決するために、従来より、図10に示すように、コンデンサ52aの両端電圧を検出するための電圧検出回路58を設け、マイクロコンピュータ56が、全トランジスタTRa,…のオフ時に、電圧検出回路58からの検出信号S1に基づきコンデンサ52aの充電電圧を検出し、その検出値が所定値以上でなければ、昇圧回路52bが故障してピーク電流を供給できないと判定して、トランジスタTRa,…へ出力する噴射指令パルスPCMD のパルス幅を長くすると共に噴射指令パルスPCMD の出力タイミングを早める、といった処置を行うようにしている(例えば特開平7−269404号公報)。
【0009】
一方更に、この種の燃料噴射制御装置においては、電磁ソレノイドLa,Lb,…の電流供給経路(例えば図10における配線Wa,Wb,…)が車両のバッテリ電圧や接地電位(バッテリの−側電位)に短絡した場合にも、燃料噴射弁を適正に駆動できなくなるため、その異常を検出して何等かの処置を施す必要がある。
【0010】
そこで、従来では、例えば図10に示すように、接地抵抗器Rに流れる電流(即ちトランジスタTRa,…を介して電磁ソレノイドLa,Lb,…に流れる電流)を検出するための電流検出回路60を設け、マイクロコンピュータ56が、トランジスタTRa,…のオン時に、電流検出回路60からの検出信号S2に基づき、電流供給経路に異常が発生したか否かを判定するようにしていた。
【0011】
つまり、電磁ソレノイドLa,Lb,…の電流供給経路がバッテリ電圧や接地電位に短絡すると、何れかのトランジスタTRa,…をオンした際には、接地抵抗器Rに正常時とは異なる値の電流が流れるため、接地抵抗器Rに流れる電流を検出することにより、電流供給経路に短絡故障が発生したか否かを判定するようにしていた。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の装置では、前述したようにピーク電流回路52(昇圧回路52b)の故障と電流供給経路の短絡故障との両方を検出できるものの、マイクロコンピュータ56が異常検出のための処理を頻繁に実行しなければならず、他の制御処理を実行できる時間が少なくなってしまうという問題があった。
【0013】
即ち、上記従来の装置において、マイクロコンピュータ56は、電圧検出回路58からの検出信号S1に基づきピーク電流回路52(昇圧回路52b)に異常が発生したか否かを判定する処理と、電流検出回路60からの検出信号S2に基づき電磁ソレノイドLa,Lb,…の電流供給経路に異常が発生したか否かを判定する処理とを、夫々所定のタイミングで常時実行しなければならず、この結果、異常検出のための処理時間が大幅に増加してしまうこととなっていた。
【0014】
本発明は、このような問題に鑑みなされたものであり、種々の異常を極めて効率良く検出することができる電磁弁駆動装置を提供することを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段、及び発明の効果】
上記目的を達成するためになされた請求項1に記載の本発明の電磁弁駆動装置においては、制御手段が、電磁弁の電磁ソレノイドの電流供給経路に直列に設けられたスイッチング素子を駆動制御(スイッチング駆動)して、電磁弁を開閉させるのであるが、制御手段によってスイッチング素子がオフされている時に、ピーク電流供給手段が、電磁ソレノイドの電流供給経路に並列に設けられたコンデンサを所定の高電圧で充電する。よって、制御手段によりスイッチング素子がオンされると、高電圧で充電されたコンデンサの放電により、電磁ソレノイドへピーク電流が供給されて電磁弁が速やかに開弁され、その後、上記電流供給経路の電磁ソレノイド及びスイッチング素子よりも上流側に接続された定電流供給手段が、電磁ソレノイドに一定電流を流して電磁弁の開弁状態を保持させる。
【0016】
ここで特に、本発明の電磁弁駆動装置では、第1の異常検出手段が、スイッチング素子がオフされている時にコンデンサの両端電圧を検出して、その検出結果に基づきコンデンサの充電状態が正常であるか否かを判定し、この第1の異常検出手段によってコンデンサの充電状態が正常でないと判定された場合に、第2の異常検出手段が、定電流供給手段による電磁ソレノイドへの定電流供給状態を検出して、その検出結果に基づき電磁ソレノイドへの定電流供給状態が正常であるか否かを判定する。
【0017】
そして、異常モード判定手段が、第2の異常検出手段により電磁ソレノイドへの定電流供給状態が正常であると判定された場合には、ピーク電流供給手段が故障したと判定し、逆に、第2の異常検出手段により電磁ソレノイドへの定電流供給状態が正常でないと判定された場合には、電磁ソレノイドの電流供給経路がピーク電流供給手段によるコンデンサへの高電圧よりも低い電圧レベルに短絡したと判定する。
【0018】
つまり、ピーク電流供給手段が故障すると、スイッチング素子のオフ時におけるコンデンサの充電状態は異常となるが、電磁ソレノイドの電流供給経路がピーク電流供給手段によるコンデンサへの高電圧よりも低い電圧レベルに短絡した場合にも、コンデンサの両端電圧は所定の高電圧にまで上昇せずに、コンデンサの充電状態は異常となる。一方、電磁ソレノイドの電流供給経路が何等かの電圧レベルに短絡すると、定電流供給手段によって電磁ソレノイドへ一定電流を流すことができなくなるため、定電流供給手段による電磁ソレノイドへの定電流供給状態を検出することにより、電磁ソレノイドの電流供給経路が何等かの電圧レベルに短絡したことを判定することができる。
【0019】
そこで、本発明では、コンデンサの両端電圧に基づくピーク電流供給手段に関する異常判定と、電磁ソレノイドへの定電流供給状態に基づく電流供給経路に関する異常判定とを、夫々独立して行うのではなく、通常は、コンデンサの両端電圧を検出して、コンデンサの充電状態が正常であるか否かを判定し、コンデンサの充電状態が正常でないと判定した場合にだけ、定電流供給手段による電磁ソレノイドへの定電流供給状態が正常であるか否かを判定するようにしている。そして、定電流供給状態が正常である場合には、ピーク電流供給手段の方が故障したと判定し、また、定電流供給状態が正常でない場合には、電流供給経路がピーク電流供給手段によるコンデンサへの高電圧よりも低い電圧レベルに短絡したと判定するようにしている。
【0020】
従って、このような本発明の電磁弁駆動装置によれば、ピーク電流供給手段が故障したことと、電磁ソレノイドの電流供給経路が何等かの電圧レベルに短絡したこととを、極めて効率良く検出することができる。
次に、請求項2に記載の電磁弁駆動装置では、請求項1に記載の電磁弁駆動装置において、定電流供給手段が、所定の電源から電磁ソレノイドの電流供給経路へ至る電流経路に直列に設けられた電流供給用スイッチング手段と、電磁ソレノイドの電流供給経路に一定電流が流れるように、電流供給用スイッチング手段をオン/オフさせる定電流制御手段とを備えている。
【0021】
そして、第2の異常検出手段は、電流供給経路の電磁ソレノイド及びスイッチング素子よりも上流側の電圧を検出する経路電圧検出手段と、スイッチング素子のオン時に、電流供給用スイッチング手段のオン/オフに伴い発生する電流供給経路のレベル変化を経路電圧検出手段によって検出し、その検出したレベル変化の回数を計数する計数手段とを備えており、計数手段の計数結果に基づき、電磁ソレノイドへの定電流供給状態が正常であるか否かを判定する。
【0022】
つまり、請求項2に記載の電磁弁駆動装置では、定電流供給手段が、所定の電源から電磁ソレノイドの電流供給経路へ至る電流経路に直列に設けられた電流供給用スイッチング手段をオン/オフさせることで、電磁ソレノイドの電流供給経路に一定電流を流すように構成されている。よって、スイッチング素子がオンされて、定電流供給手段により電磁ソレノイドへ一定電流が流されると、電流供給経路の電磁ソレノイド及びスイッチング素子よりも上流側の電圧は、電流供給用スイッチング手段のオン/オフに伴ってレベル変化を繰り返す。そこで、第2の異常検出手段は、電流供給経路に発生したレベル変化の回数を計数して、その計数結果に基づき、電磁ソレノイドへの定電流供給状態が正常であるか否かを判定するようにしている。
【0023】
そして、このような請求項2に記載の電磁弁駆動装置によれば、電磁ソレノイドへの定電流供給状態が正常であるか否か、即ち電磁ソレノイドの電流供給経路が正常であるか否かを、より正確に検出することができる。
即ち、電磁ソレノイドへの定電流供給状態が正常であるか否かを判定する方法としては、図10に示したように、電磁ソレノイドに実際に流れる電流を検出して、その検出値に基づき異常の有無を判定することが考えられる。ところが、このようにした場合には、電磁ソレノイドの特性バラツキや経時変化、電流を検出するための検出用抵抗器のバラツキ、或いは更に、定電流供給手段が一定電流を流すために用いる電源電圧のバラツキ等によって、異常の発生を正確に判定可能な電流判定値及び判定タイミングを設定することが極めて難しくなる。
【0024】
これに対して、請求項2に記載の電磁弁駆動装置では、定電流供給手段の電流供給用スイッチング手段がオン/オフされることによって発生する電流供給経路のレベル変化の回数に基づき、電磁ソレノイドへの定電流供給状態が正常であるか否かを判定するようにしているため、電磁ソレノイドの電流供給経路が何等かの電圧レベルに短絡したことを、電磁ソレノイドの特性や電源電圧のバラツキ等に全く影響されずに、極めて正確に検出することができるのである。尚、この場合、電流供給経路のレベル変化の回数が所定値以下であれば、電磁ソレノイドへの定電流供給状態が正常でないと判定すればよい。
【0025】
次に、請求項3に記載の電磁弁駆動装置は、請求項2に記載の電磁弁駆動装置に対して、更に、接地電位短絡検出手段を備えている。そして、この接地電位短絡検出手段は、スイッチング素子がオフされている時に、電磁ソレノイドの電流供給経路の電圧を経路電圧検出手段によって検出し、その検出値が所定値以下である場合に、電流供給経路が接地電位に短絡したと判定する。
【0026】
このような請求項3に記載の電磁弁駆動装置によれば、異常モード判定手段によって、電磁ソレノイドの電流供給経路がピーク電流供給手段によるコンデンサへの高電圧よりも低い電圧レベルに短絡したと判定された場合に、その短絡故障が、接地電位への短絡なのか、或いは、所定の電源電圧への短絡なのかを特定することができるようになる。
【0027】
つまり、この電磁弁駆動装置によれば、例えば、通常時に、接地電位短絡検出手段による異常判定と、第1の異常検出手段による異常判定とを並行して行うようにすることにより、第1の異常検出手段によってコンデンサの充電状態が正常でないと判定された場合に、その異常が電流供給経路の接地電位への短絡によるものでないことを知ることができるようになる。そして、これにより、その後、異常モード判定手段によって電流供給経路が短絡故障したと判定された場合には、その短絡故障が、接地電位ではない所定の電源電圧(例えば、当該装置の電源電圧)に短絡したものであると特定することができる。また、例えば、第1の異常検出手段によってコンデンサの充電状態が正常でないと判定された場合に、接地電位短絡検出手段による異常判定と、第2の異常検出手段による異常判定とを、交互に行うようにしても、同様の効果を得ることができる。
【0028】
しかも、請求項3に記載の電磁弁駆動装置によれば、第1の異常検出手段がコンデンサの両端電圧を検出するための回路と、電流供給経路の電磁ソレノイド及びスイッチング素子よりも上流側の電圧を検出するための回路(即ち経路電圧検出手段)との、2つの検出回路を設けるだけで、ピーク電流供給手段が故障したことと、電流供給経路が接地電位に短絡したことと、電流供給経路が所定の電源電圧に短絡したこととの、3つの異常モード(故障モード)を夫々区別して検出することができる。
【0029】
つまり、図10に示した従来装置において、上記3つの異常モードを夫々区別して検出するためには、電圧検出回路58によりコンデンサ52aの両端電圧を検出して昇圧回路52b(ピーク電流供給手段)が故障したか否かを判定し、電流検出回路60により電流供給経路に流れる電流を検出して、電流供給経路が所定の電源電圧に短絡したか否かを判定し、更に、電流供給経路の電磁ソレノイドLa,Lb,…及びトランジスタTRa,…よりも上流側(ダイオードDaとダイオードDbの接続点)の電圧を検出するための検出回路を追加して設け、その検出回路によりトランジスタTRa,…がオフされている時の電流供給経路の電圧を検出して、電流供給経路が接地電位に短絡したか否かを判定する、といった構成が考えられる。
【0030】
ところが、このような構成では、上記3つの異常モードを夫々検出するために、3つの検出回路が必要となるのであるが、上述したように、請求項3に記載の電磁弁駆動装置によれば、2つの検出回路を設けるだけで、3つの異常モードを夫々区別して検出することができ、装置構成を小型化することができるのである。
【0031】
次に、請求項4に記載の電磁弁駆動装置では、請求項1ないし請求項3の何れかに記載の電磁弁駆動装置において、内燃機関の各気筒に夫々設けられて開弁時に各気筒へ燃料を噴射供給する複数の燃料噴射弁を、前記電磁弁として備えており、各燃料噴射弁(電磁弁)の電磁ソレノイドの電流供給経路は、ピーク電流供給用のコンデンサ及び定電流供給手段に接続された所定の共通線と、その共通線から各電磁ソレノイド毎に夫々対応して分岐した個別配線とからなると共に、各個別配線に夫々直列にスイッチング素子が設けられている。そして、制御手段が、内燃機関の運転状態に応じて各電磁ソレノイドの通電時間及び通電開始時期を算出し、その算出結果に応じて各スイッチング素子を択一的に順次駆動することにより、内燃機関への燃料噴射を制御する。
【0032】
そして更に、請求項4に記載の電磁弁駆動装置では、異常対処手段が、第1の異常検出手段によってコンデンサの充電状態が正常でないと判定されると、ピーク電流供給手段の作動を禁止すると共に、制御手段にて算出された電磁ソレノイドの通電時間を所定時間増加させる。
【0033】
つまり、請求項4に記載の電磁弁駆動装置は、内燃機関の各気筒に夫々燃料を噴射供給する複数の燃料噴射弁を駆動して内燃機関への燃料噴射を制御する燃料噴射制御装置として構成されており、各燃料噴射弁の電磁ソレノイドには、ピーク電流供給用のコンデンサ及び定電流供給手段に接続された共通線と、その共通線から各電磁ソレノイド毎に夫々対応して分岐した個別配線とを介して電流が供給される。そして、第1の異常検出手段によってコンデンサの充電状態が正常でないと判定された場合、即ち何等かの原因で電磁ソレノイドへピーク電流を供給できない場合には、ピーク電流供給手段の作動を禁止して異常な動作が行われることを防止すると共に、電磁ソレノイドの通電時間を所定時間増加させるようにして、燃料噴射弁の開弁時間が正常時より短くなってしまうことを防止するようにしている。
【0034】
従って、このような請求項4に記載の電磁弁駆動装置によれば、ピーク電流供給手段が故障して、電磁ソレノイドへピーク電流を供給できなくなった場合でも、燃料噴射量が低下するのを防止して、内燃機関の運転状態を正常時に近い状態に維持することができるようになる。
【0035】
次に、請求項5に記載の電磁弁駆動装置では、請求項4に記載の電磁弁駆動装置に対し、異常対処手段が、電磁ソレノイドの通電時間を所定時間増加させることに加えて、更に、制御手段にて算出された電磁ソレノイドの通電開始時期を所定時間早い時期に補正する。
【0036】
従って、請求項5に記載の電磁弁駆動装置によれば、ピーク電流供給手段が故障して、電磁ソレノイドへピーク電流を供給できなくなった場合でも、燃料噴射弁の開弁時間が正常時より短くなってしまうことと、燃料噴射弁の開弁タイミングが正常時より遅れてしまうこととの両方の不具合を防止でき、この結果、内燃機関の運転状態を、正常時により一層近い状態に維持することができるようになる。
【0037】
次に、請求項6に記載の電磁弁駆動装置では、請求項4又は請求項5に記載の電磁弁駆動装置において、上記複数の燃料噴射弁が、内燃機関の運転が可能な複数のグループに予め分けられており、その各グループ毎に夫々対応して電流供給用の共通線及び定電流供給手段が設けられている。
【0038】
そして、第2の異常検出手段が、各燃料噴射弁の電磁ソレノイド毎について、定電流供給手段による定電流供給状態が正常であるか否かを判定すると共に、異常モード判定手段は、第2の異常検出手段によって定電流供給状態が正常でないと判定された電磁ソレノイドの個別配線が、所定の高電圧よりも低い電圧レベルに短絡したと判定するようにしている。
【0039】
そして更に、第2の異常対策手段が、異常モード判定手段によって短絡故障が発生したと判定された個別配線の分岐元である共通線を介して電流が供給される全ての電磁ソレノイドに対応したスイッチング素子の駆動を禁止するようにしている。
【0040】
つまり、請求項6に記載の電磁弁駆動装置においては、所定数の燃料噴射弁からなるグループ毎に電流供給用の共通線と定電流供給手段とを設けることで、何れかの共通線が断線しても、他の共通線に接続されたグループの燃料噴射弁が駆動可能となるようにしている。そして更に、各燃料噴射弁の電磁ソレノイド毎について、個別配線に短絡故障が発生したか否かを判定し、個別配線の何れかが短絡故障したと判定した場合には、短絡故障したと判定した個別配線の分岐元である共通線に接続された全ての電磁ソレノイドに対する駆動制御を停止して、他の共通線に接続された電磁ソレノイドだけを、異常対処手段による補正後の通電時間或いは更に通電開始時期に基づき駆動するようにして、内燃機関への燃料噴射を継続するようにしている。
【0041】
このような請求項6に記載の電磁弁駆動装置によれば、個別配線の何れかが何等かの電圧レベルに短絡して、その個別配線の分岐元である共通線に接続された電磁ソレノイドへ、定電流供給手段により一定電流を供給できなくなった場合、或いは、何れかの共通線自身が何等かの電圧レベルに短絡して、その共通線に接続された電磁ソレノイドへ、定電流供給手段により一定電流を供給できなくなった場合でも、他の共通線に接続された燃料噴射弁の電磁ソレノイドに対して、異常対処手段による補正後の通電時間或いは更に通電開始時期に基づく駆動制御を行うことができ、これにより、内燃機関の運転を正常時に近い状態で継続させることができるようになる。
【0042】
次に、請求項7に記載の電磁弁駆動装置では、請求項6に記載の電磁弁駆動装置において、異常モード判定手段は、複数のグループの内の何れかに所属する全ての燃料噴射弁に対応する個別配線に短絡故障が発生したと判定すると、そのグループに対応する共通線に短絡故障が発生したと判定する。
【0043】
そして、このような請求項7に記載の電磁弁駆動装置によれば、個別配線が短絡故障したことと、何れかの共通線が短絡故障したこととを、区別して検出することができるようになる。
【0044】
【発明の実施の形態】
以下、本発明が適用された実施例について図面を用いて説明する。尚、本発明の実施の形態は、下記の実施例に何ら限定されることなく、本発明の技術的範囲に属する限り、種々の形態を採り得ることは言うまでもない。
【0045】
まず図1は、車両用ディーゼルエンジンの各気筒#1,#2,…#nに燃料を噴射供給するn個(nは偶数)の電磁ソレノイド式ユニットインジェクタ(以下、単にインジェクタという。)の電磁ソレノイドL1,L2,…Lnへの通電時間及び通電タイミングを制御することにより、ディーゼルエンジン各気筒#1〜#nへの燃料噴射量及び燃料噴射時期を制御する、実施例の燃料噴射制御装置10の全体構成を表わす構成図である。
【0046】
図1に示す如く、本実施例の燃料噴射制御装置10は、予め設定された制御プログラムに従い燃料噴射制御のための各種制御処理を実行するCPU,ROM,RAM等からなる周知のマイクロコンピュータ20を中心に構成されており、ディーゼルエンジンの所定の回転角度毎に回転信号を発生する回転センサからの出力信号を波形整形してマイクロコンピュータ20に入力する検出回路12、ディーゼルエンジンの運転状態を検出するセンサやスイッチからの信号を夫々マイクロコンピュータ20に入力するバッファ14,16、電磁ソレノイドL1〜Lnを夫々通電して各気筒#1〜#nのインジェクタを駆動する駆動回路30、マイクロコンピュータ20からの噴射指令パルス等を駆動回路30に出力するインタフェース22、及び、バッテリBTから電源供給を受けて上記各部に所定の電源電圧(5V又はバッテリ電圧+B)を供給する電源回路26を備えている。
【0047】
ここで、本実施例の燃料噴射制御装置10は、ディーゼルエンジンの運転状態に応じて、各電磁ソレノイドL1,L2,…Lnを、第1気筒#1,第2気筒#2,…第n気筒#nに夫々対応するもの順に択一的に通電することにより、ディーゼルエンジンへの燃料供給を行うのであるが、電磁ソレノイドL1,L2,…Lnは、奇数番目の気筒#1,#3,…#n-1に対応する電磁ソレノイドL1,L3,…Ln-1と、偶数番目の気筒#2,#4,…#nに対応する電磁ソレノイドL2,L4,…Lnとに、予めグループ分けされている。
【0048】
そして、奇数番目の気筒#1,#3,…#n-1に対応する電磁ソレノイドL1,L3,…Ln-1には、第1共通線CM1と、その第1共通線CM1から各電磁ソレノイドL1,L3,…Ln-1毎に夫々対応して分岐した個別配線W1,W3,…Wn-1とを介して、駆動電流が供給されるようになっており、また同様に、偶数番目の気筒#2,#4,…#nに対応する電磁ソレノイドL2,L4,…Lnには、第2共通線CM2と、その第2共通線CM2から各電磁ソレノイドL2,4,…Ln毎に夫々対応して分岐した個別配線W2,W4,…Wnとを介して、駆動電流が供給されるようになっている。
【0049】
尚、上記電磁ソレノイドのグループは、第1共通線CM1及び第2共通線CM2の内の何れか一方が断線した場合に、他方の共通線に対応するインジェクタによって最も安定した運転が可能となるように割り振りされている。
次に、駆動回路30には、インタフェース22を介して入力されるマイクロコンピュータ20からの噴射指令パルスP1〜Pnに応じて、各電磁ソレノイドL1〜Lnの個別配線W1〜Wnを夫々導通・遮断するスイッチング回路36、第1共通線CM1に接続された電磁ソレノイドL1,L3,…Ln-1にダイオードD2を介して所定のホールド電流(一定電流)を供給するための、定電流供給手段としてのホールド電流回路34a、第2共通線CM2に接続された電磁ソレノイドL2,L4,…LnにダイオードD4を介して所定のホールド電流(一定電流)を供給するための、定電流供給手段としてのホールド電流回路34b、各共通線CM1,CM2にダイオードD1,D3を介して並列に接続されたピーク電流供給用のコンデンサC1、及び、スイッチング回路36のオフ時にコンデンサC1に高電圧を充電しておき、スイッチング回路36により何れかの電磁ソレノイドLの個別配線Wが導通された時に、コンデンサC1に充電した高電圧により対応する電磁ソレノイドLにピーク電流を供給させる、ピーク電流供給手段としての昇圧回路32が備えられている。
【0050】
そして更に、駆動回路30には、分圧抵抗器R1,R2により上記コンデンサC1の両端電圧を検出して、その検出電圧が、分圧抵抗器R3,R4により電源回路26からの出力電圧(5V)を分圧した基準電圧以上か否かを判定し、その判定結果をマイクロコンピュータ20に出力するコンパレータCOM1、分圧抵抗器R5,R6により上記コンデンサC1の両端電圧を検出して、その検出電圧が、分圧抵抗器R7,R8により電源回路26からの出力電圧(5V)を分圧した基準電圧以上か否かを判定し、その判定結果をマイクロコンピュータ20に出力するコンパレータCOM2、第1共通線CM1の電圧を検出するための、経路電圧検出手段としての電圧監視回路38a、及び、第2共通線CM2の電圧を検出するための、経路電圧検出手段としての電圧監視回路38bが備えられている。
【0051】
尚、図1において、D5は、第1共通線CM1に接続された電磁ソレノイドL1,L3,…Ln-1に発生したフライバック電圧を吸収するためのダイオードであり、同じくD6は、第2共通線CM2に接続された電磁ソレノイドL2,L4,…Lnに発生したフライバック電圧を吸収するためのダイオードである。
【0052】
ここで、昇圧回路32は、一次巻線の一端にバッテリ電圧が印加された昇圧用の変圧器Loと、外部から入力される高周波(本実施例では数十kHz程度)の駆動パルスによって高速スイッチングすることにより、変圧器Loの一次巻線の他端を高周波で接地し、変圧器Loの二次巻線に高電圧を発生させる昇圧用のトランジスタTRoと、変圧器Loの二次巻線に発生した高電圧をコンデンサC1に出力することにより、コンデンサC1を充電するダイオードDoとから構成された周知のものであり、インタフェース22を介して入力されるマイクロコンピュータ20からの指令信号SC によって、電磁ソレノイドL1〜Lnのオフ期間中に動作する。
【0053】
そして、コンパレータCOM1は、分圧抵抗器R1,R2により得られた検出電圧と、分圧抵抗器R3,R4により得られた基準電圧とを比較することにより、昇圧回路32により充電されたコンデンサC1の両端電圧が、例えば正常時の上限電圧120Vの半分の電圧60V以上であるか否かを判定し、60V以上であればハイレベル、60V未満であればロウレベルの信号を出力する。また、コンパレータCOM2は、分圧抵抗器R5,R6により得られた検出電圧と、分圧抵抗器R7,R8により得られた基準電圧とを比較することにより、昇圧回路32により充電されたコンデンサC1の両端電圧が、正常時の上限電圧120Vよりも大きい所定値(例えば130V)以上であるか否かを判定し、130V未満であればハイレベル、130V以上であればロウレベルの信号を出力する。
【0054】
そして更に、コンパレータCOM1の出力端子と、コンパレータCOM2の出力端子とは、共にオープンコレクタ(或いはオープンドレイン)出力形式となっており、両コンパレータCOM1,COM2の出力端子は、ワイヤードオア形式に接続された上で、マイクロコンピュータ20に接続されている。よって、両コンパレータCOM1,COM2からマイクロコンピュータ20へ出力される検出信号SDGは、コンデンサC1の両端電圧が60V以上で且つ130V未満の場合にハイレベルとなり、コンデンサC1の両端電圧が60V未満或いは130V以上の場合にロウレベルとなる。
【0055】
また、スイッチング回路36は、各電磁ソレノイドL1〜Lnの個別配線W1〜Wnに夫々直列に設けられたスイッチング用のトランジスタTR1,TR2,…TRnと、これら各トランジスタTR1〜TRnの接地側端子(本実施例では、トランジスタTR1〜TRnにNPN型トランジスタを使用しているためエミッタ端子となる)に接続された電流制限用の接地抵抗器Reoと、インタフェース22から入力される各気筒毎の噴射指令パルスP1〜Pnを、対応するトランジスタTR1〜TRnのベース端子に入力する入力抵抗器Ra1,Ra2,…Ranとから構成されている。
一方、ホールド電流回路34aは、バッテリBTからの電源供給を受けて、トランジスタTR1,TR3,…TRn-1の何れかにより個別配線W1,W3,…Wn-1が導通された電磁ソレノイドL1,L3,…Ln-1に、インジェクタ開弁保持用のホールド電流を供給する定電流回路であり、図2に示すように、バッテリ電圧+BからダイオードD2を経由して第1共通線CM1へ至る電流経路を導通・遮断するための、電流供給用スイッチング手段としてのスイッチング素子40と、各トランジスタTR1〜TRnの接地側端子に接続された接地抵抗器Reoの両端電圧が所定電圧となるようにスイッチング素子40をオン・オフさせる、定電流制御手段としての定電流制御回路42と、を備えた周知のものである。尚、図2においては、電磁ソレノイドL1及びそれに対応するトランジスタTR1のみを示している。
【0056】
そして、ホールド電流回路34bも、上記ホールド電流回路34aと全く同様に構成されており、トランジスタTR2,TR4,…TRnの何れかにより個別配線W2,W4,…Wnが導通された電磁ソレノイドL2,L4,…Lnに、インジェクタ開弁保持用のホールド電流を供給する。
【0057】
また、図2に示すように、電圧監視回路38aは、第1共通線CM1にカソードが接続されたダイオードD7と、一端がバッテリ電圧+Bに接続され、他端がダイオードD7のアノードに接続された抵抗器R9と、カソードがダイオードD7のアノードに接続されたダイオードD8と、一端がダイオードD8のアノードに接続された抵抗器R10と、エミッタ端子がバッテリ電圧+Bに接続され、ベース端子が抵抗器R10のダイオードD8とは反対側の端部に接続されたPNP型トランジスタ44と、ベース端子がトランジスタ44のコレクタ端子に接続され、エミッタ端子が接地電位(GND)に接続されたNPN型トランジスタ46と、一端がトランジスタ46のコレクタ端子に接続され、他端が電源回路26からの出力電圧(5V)に接続された抵抗器R11と、から構成されている。そして、トランジスタ46のコレクタ端子が、マイクロコンピュータ20に接続されている。
【0058】
そして、この電圧監視回路38aでは、第1共通線CM1の電圧が所定値(例えば、バッテリ電圧+Bの略半分)以上であれば、トランジスタ44及びトランジスタ46がオフ状態となって、トランジスタ46のコレクタ電圧がハイレベル(5V)となり、これによって、マイクロコンピュータ20へ、ハイレベルの検出信号SK1が出力される。また逆に、第1共通線CM1の電圧が上記所定値以下であれば、トランジスタ44及びトランジスタ46がオン状態となって、トランジスタ46のコレクタ電圧はロウレベル(0V)となり、これによって、マイクロコンピュータ20へ、ロウレベルの検出信号SK1が出力される。
【0059】
そして、電圧監視回路38bも、上記電圧監視回路38aと全く同様に構成されており、第2共通線CM2の電圧が上記所定値以上であればハイレベル、上記所定値未満であればロウレベルの信号SK2を、トランジスタ46によりマイクロコンピュータ20へ出力する。
【0060】
尚、本実施例において、電圧監視回路38a,38bからの出力信号SK1,SK2が夫々入力されるマイクロコンピュータ20の2つの入力ポートは、入力信号がハイレベル(例えば2.5V以上)であるか否かを識別するだけの汎用ポートと、入力信号がハイレベルからロウレベル(例えば2.5V未満)へ変化した回数(即ち入力信号の立ち下がりエッジの回数)が、マイクロコンピュータ20の内部に備えたイベントカウンタによって自動的にカウントされるイベントカウンタポートとに、内部処理で切り換え可能なポートである。そして、この両入力ポートは、通常時には汎用ポートに設定されており、後述する図8の処理にてイベントカウンタポートに切り換えられると、各自の入力信号に立ち下がりエッジが発生する度に、対応する計数手段としてのイベントカウンタが自動的にインクリメントされて、これにより、電圧監視回路38a,38bの出力信号SK1,SK2に夫々生じたレベル変化の回数がカウントされることとなる。
【0061】
次に、このように構成された燃料噴射制御装置10の動作について、図3〜図6を用いて説明する。尚、以下の説明においては、電磁ソレノイドL1〜Ln,トランジスタTR1〜TRn,噴射指令パルスP1〜Pn,個別配線W1〜Wn,及び共通線CM1,CM2について、夫々を特に区別しない場合には、符号として「L」,「TR」,「P」,「W」,「CM」を用いる。また、図3、図4及び図6において、VC1は、コンデンサC1の両端電圧を表しており、ISOL は、電磁ソレノイドLに流れる電流(ソレノイド電流)を表している。
【0062】
まず、マイクロコンピュータ20は、検出回路12,バッファ14,バッファ16から入力されるディーゼルエンジンの運転状態を表わす各種検出信号を読み込み、その読み込んだ検出信号に基づき、電磁ソレノイドLの通電時間及び通電開始タイミング(通電開始時期)を算出する。そして、図3に示すように、各気筒の噴射指令パルスP1〜Pnを、上記算出した通電時間に相当するパルス幅で且つ上記算出した通電開始タイミングで順次出力する。
【0063】
また、マイクロコンピュータ20は、図3及び図4に示すように、噴射指令パルスPを出力していないときに、指令信号SC をハイレベルで出力することにより、駆動回路30の昇圧回路32を作動させる。換言するならば、マイクロコンピュータ20は、指令信号SC をロウレベルにして昇圧回路32の作動を停止させてから、噴射指令パルスPを出力し、噴射指令パルスPの出力が終了すると、指令信号SC を再びハイレベルに戻して昇圧回路32を作動させるようにしている。
【0064】
よって、駆動回路30においては、図4に示す如く、インタフェース22を介してスイッチング回路36に入力されるマイクロコンピュータ20からの噴射指令パルスPが全てオフ状態であるときに、ピーク電流供給用のコンデンサC1が昇圧回路32により所定の上限電圧(本実施例では120V)にまで充電される。そして、何れかの気筒の電磁ソレノイドLを通電するために、マイクロコンピュータ20から噴射指令パルスPが出力されると、対応する気筒のトランジスタTRがオンして、コンデンサC1に充電された電圧が電磁ソレノイドLを介して所定の放電時間TDCHG内に放電され、電磁ソレノイドLにピーク電流が流れる。そして、その後は、第1共通線CM1に接続された電磁ソレノイドL1,L3,…Ln-1への通電時にはホールド電流回路34aの動作によって、また第2共通線CM2に接続された電磁ソレノイドL2,L4,…Lnへの通電時にはホールド電流回路34bの動作によって、通電中の電磁ソレノイドLにホールド電流が流れ、マイクロコンピュータ20により噴射指令パルスPの出力が停止された時点で、電磁ソレノイドLの通電が遮断される。また、こうして電磁ソレノイドLの通電が遮断されると、マイクロコンピュータ20からの指令信号SC がハイレベルになって昇圧回路32が再び作動するため、その後、所定の充電時間TCHG 内にコンデンサC1が上限電圧にまで充電され、次に噴射指令パルスPが入力された際にピーク電流を供給可能な状態となる。
【0065】
このように、本実施例の燃料噴射制御装置10では、噴射指令パルスPが出力されておらず全てのトランジスタTRがオフされている時に、昇圧回路32によってコンデンサC1を充電しておき、噴射指令パルスPによりトランジスタTRの何れかがオンされると、対応する電磁ソレノイドLへコンデンサC1からピーク電流が流るようにして、対応する気筒のインジェクタを速やかに開弁させ、その後は、ホールド電流回路34a,34bの何れかから開弁保持用のホールド電流を流して、トランジスタTRのオン期間中、対応する気筒のインジェクタの開弁状態を保持するようにしている。
【0066】
一方、上述したようにマイクロコンピュータ20から噴射指令パルスPが出力されてコンデンサC1が放電され、図3及び図4に示すように、コンデンサC1の両端電圧VC1が所定値Vth1(本実施例では上限電圧の半分である60V)未満になると、コンパレータCOM1,COM2からマイクロコンピュータ20へ出力される検出信号SDGがハイレベルからロウレベルへ変化する。そして、その後、噴射指令パルスPの出力が停止されてマイクロコンピュータ20からハイレベルの指令信号SC が出力されると、コンデンサC1の両端電圧VC1が所定の充電時間TCHG 内に所定値Vth1以上となり、コンパレータCOM1,COM2からマイクロコンピュータへ出力される検出信号SDGがハイレベルに戻ることとなる。
【0067】
一方更に、図4及び図5に示すように、マイクロコンピュータ20から噴射指令パルスP1,P3,…Pn-1の何れかが出力されて、上述の如くホールド電流回路34aにより電磁ソレノイドL1,L3,…Ln-1の何れかにホールド電流が供給されている時には、電圧監視回路38aからマイクロコンピュータ20へ出力される信号SK1がレベル変化を繰り返す。また同様に、マイクロコンピュータ20から噴射指令パルスP2,P4,…Pnの何れかが出力されて、ホールド電流回路34bにより電磁ソレノイドL2,L4,…Lnの何れかにホールド電流が供給されている時には、電圧監視回路38bからマイクロコンピュータ20へ出力される信号SK2がレベル変化を繰り返す。
【0068】
つまり、図2に示したようにホールド電流回路34a,34bは、トランジスタTRの接地抵抗器Reo(即ち電磁ソレノイドL)に一定電流が流れるようにスイッチング素子40がオン・オフされる定電流回路として構成されている。よって、例えば、噴射指令パルスPによりトランジスタTR1,TR3,…TRn-1の何れかがオンされて、電磁ソレノイドL1,L3,…Ln-1の何れかが通電される場合には、第1共通線CM1の電圧が、ホールド電流回路34aに設けられたスイッチング素子40のオン・オフに応じてレベル変化し、これに伴って電圧監視回路38aの出力信号SK1がレベル変化する。そして全く同様に、トランジスタTR2,TR4,…TRnの何れかがオンされて、電磁ソレノイドL2,L4,…Lnの何れかが通電される場合には、第2共通線CM2の電圧が、ホールド電流回路34bに設けられたスイッチング素子40のオン・オフに応じてレベル変化し、これに伴って電圧監視回路38bの出力信号SK2がレベル変化するのである。
【0069】
次に、本実施例の燃料噴射制御装置10において、昇圧回路32が故障した場合、或いは、電磁ソレノイドLへ駆動電流を流すための上記共通線CM1,CM2及び個別配線Wに異常が発生した場合に、コンパレータCOM1,COM2から出力される検出信号SDGと、電圧監視回路38a,38bから夫々出力される信号SK1,SK2とが、どのように変化するかについて説明する。尚、以下の説明において、個別配線Wとは、対応する電磁ソレノイドLよりも下流側の配線を指すものとする。
【0070】
まず、図6(A)に示すように、昇圧回路32が何等かの原因で故障してしまい、コンデンサC1が上限電圧120Vよりも大きな所定値Vth2(本実施例では130V)以上にまで充電されると、コンパレータCOM1,COM2から出力される検出信号SDGは、本来ハイレベルであるべき期間(即ち噴射指令パルスPが出力されていない期間)中にロウレベルとなる。
【0071】
また、図6(B)に示すように、昇圧回路32が何等かの原因で故障してしまい、コンデンサC1が所定値Vth1(本実施例では60V)以上にまで充電されなくなると、コンパレータCOM1,COM2から出力される検出信号SDGは、常にロウレベルのままとなる。
【0072】
一方、第1共通線CM1或いは個別配線W1,W3,…Wn-1の何れかがバッテリ電圧+B(通常10V〜15V)や接地電位(GND:0V)に短絡すると、ホールド電流回路34aにより電磁ソレノイドL1,L3,…Ln-1へホールド電流を適切に供給できなくなり、同様に、第2共通線CM2或いは個別配線W2,W4,…Wnの何れかがバッテリ電圧+Bや接地電位に短絡すると、ホールド電流回路34bにより電磁ソレノイドL2,L4,…Lnへホールド電流を適切に供給できなくなるのであるが、このように電磁ソレノイドLの電流供給経路に短絡故障が発生した場合にも、コンデンサC1が昇圧回路32によって十分に充電されなくなる。よって、このような短絡故障が発生した場合にも、コンデンサC1の両端電圧VC1は所定値Vth1(60V)にまで達せずに、コンパレータCOM1,COM2からの検出信号SDGは常にロウレベルのままとなる。
【0073】
ここで、このような短絡故障が発生した際において、第1共通線CM1、或いは、第1共通線CM1から分岐した個別配線W1,W3,…Wn-1の何れかが、接地電位に短絡している場合には、電圧監視回路38aから出力される信号SK1がロウレベルのままとなり、同様に、第2共通線CM2、或いは、第2共通線CM2から分岐した個別配線W2,W4,…Wnの何れかが、接地電位に短絡している場合には、電圧監視回路38bから出力される信号SK2がロウレベルのままとなる。
【0074】
また、両共通線CM1,CM2の内、例えば第1共通線CM1の方がバッテリ電圧+Bに短絡している場合には、図5の下から2つ目のラインに示すように、電圧監視回路38aから出力される信号SK1がハイレベルのままとなり、同様に、第2共通線CM2の方がバッテリ電圧+Bに短絡している場合には、電圧監視回路38bから出力される信号SK2がハイレベルのままとなる。
【0075】
また更に、第1共通線CM1から分岐した個別配線W1,W3,…Wn-1の何れかがバッテリ電圧+Bに短絡している場合には、短絡故障した個別配線Wに対応するトランジスタTRへ噴射指令パルスPが出力されても、電圧監視回路38aから出力される信号SK1は、レベル変化することなくハイレベルのままとなる。
【0076】
例えば、個別配線W1,W3,…Wn-1の内、第1気筒#1に対応する個別配線W1がバッテリ電圧+Bに短絡した場合には、図5の最も下のラインに示すように、マイクロコンピュータ20から噴射指令パルスP1が出力されても、電圧監視回路38aから出力される信号SK1は、レベル変化することなくハイレベルのままとなる。
【0077】
尚、この例の場合、電圧監視回路38aの出力信号SK1は、図5の最も下のラインに示すように、マイクロコンピュータ20から噴射指令パルスP3,P5,…Pn-1の何れかが出力されたときには、正常時よりも回数は減少するもののレベル変化する。つまり、個別配線W1がバッテリ電圧+Bに短絡しても、噴射指令パルスP3,P5,…Pn-1の何れかが出力されてトランジスタTR3,TR5,…TRn-1の何れかがオンされた直後は、電磁ソレノイドL1のインダクタンス分によって、第1共通線CM1に導通する他の電流経路へのバッテリ電圧+Bによる影響が抑制されるからである。
【0078】
そして同様に、第2共通線CM2から分岐した個別配線W2,W2,…Wnの何れかがバッテリ電圧+Bに短絡すると、電圧監視回路38bから出力される信号SK2は、短絡故障した個別配線Wに対応するトランジスタTRへ噴射指令パルスPが出力されても、レベル変化することなくハイレベルのままとなり、噴射指令パルスP2,P4,…Pnの内、短絡故障した個別配線W以外に対応する噴射指令パルスPが出力されたときには、正常時よりも回数は減少するもののレベル変化することとなる。
【0079】
このように本実施例の燃料噴射制御装置10においては、駆動回路30内の昇圧回路32或いは電磁ソレノイドLの電流供給経路(即ち、各共通線CM1,CM2及び個別配線W)に何等かの異常が発生すると、その異常の発生状態(以下、異常モードともいう)に応じて、コンパレータCOM1,COM2からの検出信号SDGと電圧監視回路38a,38bの出力信号SK1,SK2とが、正常時とは異なる変化を示す。
【0080】
よって、本実施例の燃料噴射制御装置10では、マイクロコンピュータ20が、ディーゼルエンジン各気筒#1〜#nへの燃料噴射を制御する際に、コンパレータCOM1,COM2からの検出信号SDGと電圧監視回路38a,38bの出力信号SK1,SK2とに基づき、異常が発生したか否かを判定し、異常の発生を検出すると、その異常に応じた処置を行うようにしている。
【0081】
そこで以下、マイクロコンピュータ20において異常検出のために実行される処理について、図7〜図9に示すフローチャートに沿って説明する。
尚、マイクロコンピュータ20は、上述したように、検出回路12及びバッファ14,16からの各種検出信号に基づき、電磁ソレノイドLの通電時間及び通電開始タイミングを算出し、その算出結果に応じて、駆動回路30へ噴射指令パルスP及び指令信号SC を出力することにより、各気筒#1〜#nへの燃料噴射を制御しており、このような燃料噴射制御のための処理と並行して、図7及び図8に示す処理を実行している。また、以下の説明においては、ディーゼルエンジンが6気筒(即ちn=6)であるものとする。
【0082】
まず、図7は、電磁ソレノイドLの電流供給経路が接地電位(GND)に短絡したか否かを検出するために実行されるGND短絡検出処理を表すフローチャートである。尚、この処理は、噴射指令パルスPの出力を停止して昇圧回路32を作動させるべく指令信号SC をハイレベルで出力した後、図4に示した充電時間TCHG が経過し且つ次の噴射指令パルスPを出力するまでの所定タイミング毎に繰り返し実行される。
【0083】
図7に示す如く、GND短絡検出処理の実行が開始されると、まず、ステップ(以下、単にSと記す)110にて、電圧監視回路38aの出力信号SK1がロウレベルであるか否かを判定し、ロウレベルであれば、上述したように第1共通線CM1或いは個別配線W1,W3,W5の何れかが接地電位に短絡していると判断して、S120に進む。そして、S120にて、第1共通線CM1及び個別配線W1,W3,W5からなる電流経路(以下、第1共通線CM1側の電流経路という)に接地電位への短絡故障が発生したことを示すダイアグコードをバックアップRAM等に記憶すると共に、車両の運転席に設けられたメータパネル内のウォーニングランプ(警告ランプ)を点灯させ、続くS130にて、接地短絡フラグFGS1に、第1共通線CM1側の電流経路が接地電位に短絡した旨を示す「1」をセットする。
【0084】
尚、バックアップRAM等に記憶されたダイアグコードは、車両の整備工場等において読み出し可能になっており、車両の修理を行う作業者は、このダイアグコードによって、発生した異常の種別(即ち異常モード)を知ることができる。一方、S110で電圧監視回路38aの出力信号SK1がロウレベルでないと判定した場合、或いはS130の処理を実行した場合には、S140に移行して、今度は、電圧監視回路38bの出力信号SK2がロウレベルであるか否かを判定し、ロウレベルであれば、上述したように第2共通線CM2或いは個別配線W2,W4,W6の何れかが接地電位に短絡していると判断して、S150に進む。そして、S150にて、第2共通線CM2及び個別配線W2,W4,W6からなる電流経路(以下、第2共通線CM2側の電流経路という)に接地電位への短絡故障が発生したことを示すダイアグコードをバックアップRAM等に記憶すると共に、ウォーニングランプを点灯させ、続くS160にて、接地短絡フラグFGS2に、第2共通線CM2側の電流経路が接地電位に短絡した旨を示す「1」をセットする。
【0085】
そして、S160の処理を実行した場合、或いはS140で電圧監視回路38bの出力信号SK2がロウレベルでないと判定した場合には、S170に移行して、接地短絡フラグFGS1,FGS2の内の何れかが「1」であるか否かを判定し、接地短絡フラグFGS1,FGS2が両方共に「1」ではない場合には、そのまま当該GND短絡検出処理を終了する。
【0086】
一方、S170にて、接地短絡フラグFGS1,FGS2の内の何れかが「1」であると判定した場合、即ち、第1共通線CM1側の電流経路或いは第2共通線CM2側の電流経路が接地電位に短絡した場合には、S180に進む。
そして、このS180にて、昇圧回路32の作動を禁止すると共に、両共通線CM1,CM2の内、接地短絡フラグFGSが「0」である方の正常な共通線CM側に接続された3(=n/2)個の電磁ソレノイドLだけに対して、ホールド電流のみによる通電制御を行うための処理を実行し、その後、当該GND短絡検出処理を終了する。
【0087】
尚、S180で実行される処理は、昇圧回路32へのハイレベルの指令信号SC と、接地短絡フラグFGSが「1」である方の正常でない共通線CM側に接続された電磁ソレノイドLに対応する噴射指令パルスPとを、その後は出力しないように設定し、更に、ディーゼルエンジンの運転状態に基づき算出した電磁ソレノイドLの通電時間を所定時間だけ長くなるように補正すると共に、同じくディーゼルエンジンの運転状態に基づき算出した通電開始タイミングを所定時間だけ早めるように補正して、正常な共通線CM側に接続された3個の電磁ソレノイドLに対応する噴射指令パルスPのパルス幅を正常時よりも大きく設定すると共に、その噴射指令パルスPの立上りタイミングを進める、といった具合いに実行される。
【0088】
そして、このような処理を行うのは、以下の理由による。
まず、第1共通線CM1側の電流経路及び第2共通線CM2側の電流経路の内、何れかが接地電位に短絡すると、上述したように昇圧回路32によってコンデンサC1を充電することができなくなる。また、短絡故障が発生した方の共通線CM側に接続された3個の電磁ソレノイドLへは、ホールド電流回路34によってホールド電流を適切に流すことができなくなる。そこで、S180では、昇圧回路32へのハイレベルの指令信号SC と、正常でない方の共通線CM側に接続された電磁ソレノイドLに対応する噴射指令パルスPとを、その後は出力しないようにして、昇圧回路32の無意味な作動を禁止すると共に、正常な方の共通線CM側に接続された電磁ソレノイドLに対応する3個のインジェクタだけにより、ディーゼルエンジンの最低限の運転を行うようにしている。
【0089】
ところが、この場合、コンデンサC1が充電されなくなるため、正常な方の共通線CM側に接続された電磁ソレノイドLへはピーク電流を供給することができずに、インジェクタの開弁時間及び燃料噴射量が正常時よりも少なくなるとか、燃料噴射の開始時期が正常時よりも遅れてしまうといった問題が発生する。
【0090】
そこで更に、S180では、電磁ソレノイドLへのホールド電流の通電時間を長くして、インジェクタからの燃料噴射量の低下を防止すると共に、インジェクタの開弁タイミングを早めて、燃料噴射開始時期が遅れるのを防止するようし、これによって、3個のインジェクタだけによるディーゼルエンジンの安定した運転を可能にしているのである。
【0091】
このように、GND短絡検出処理では、電圧監視回路38a,38bからの出力信号SK1,SK2に基づき、スイッチング回路36の全トランジスタTRがオフされている時の第1共通線CM1及び第2共通線CM2の電圧が所定値以下であるか否かを判定することにより、第1共通線CM1側の電流経路(第1共通線CM1及び個別配線W1,W3,W5からなる電流経路)と、第2共通線CM2側の電流経路(第2共通線CM2及び個別配線W2,W4,W6からなる電流経路)とに関して、夫々、接地電位への短絡が発生したか否かを検出するようにしている(S110,S140)。そして、第1共通線CM1側の電流経路及び第2共通線CM2側の電流経路の内の何れかに、接地電位への短絡故障が発生した場合には、正常な方に接続された電磁ソレノイドLに対応する3個のインジェクタだけで、ディーゼルエンジンを安定して運転できるようにフェールセーフ処置を行うようにしている(S180)。尚、本実施例では、S110及びS140の処理が、接地電位短絡検出手段に相当している。
【0092】
次に、図8は、駆動回路30内の昇圧回路32が故障したか否かと、電磁ソレノイドLの電流供給経路がバッテリ電圧+Bに短絡したか否かとを検出するために実行される異常検出処理を表すフローチャートである。
尚、この異常検出処理は、GND短絡検出処理の実行によって接地短絡フラグFGS1,FGS2に「1」がセットされていない場合、即ち、電磁ソレノイドLの電流供給経路に接地電位への短絡故障が発生していない場合において、GND短絡検出処理と並行して実行される。そして、この異常検出処理も、噴射指令パルスPの出力を停止して昇圧回路32へ指令信号SC をハイレベルで出力した後、図4に示した充電時間TCHG が経過し且つ次の噴射指令パルスPを出力するまでの所定タイミング毎(例えば、図3,図5,及び図6のタイミングTAに示すように、次の噴射指令パルスPを出力する直前毎)に繰り返し実行される。
【0093】
図8に示すように、異常検出処理の実行が開始されると、まずS210にて、コンパレータCOM1,COM2からの検出信号SDGがロウレベルであるか否かを判定し、ロウレベルではないと判定すると、スイッチング回路36の全トランジスタTRがオフされている時のコンデンサC1の両端電圧が60V以上で且つ130V未満であり、コンデンサC1の充電状態が正常であると判断して、S220に進む。
【0094】
そして、S220にて、コンデンサC1の充電状態が異常であると連続して判断した回数(即ちS210で肯定判定した回数)をカウントするためのカウンタCFLをクリアし、続くS230にて、電圧監視回路38a,38bからの出力信号SK1,SK2を入力する入力ポートを汎用ポートに設定する。そして更に、続くS240にて、各電磁ソレノイドL1〜L6毎に夫々対応して設けられ、後述するS310以降の処理により各電磁ソレノイドLに正常にホールド電流を供給できなかったと判断した回数をカウントするための異常カウンタCBS(CBSm:m=1〜6)を全てクリアし、続くS250にて、後述するS310以降の処理が実行された回数をカウントするためのカウンタC30CYLをクリアして、その後、当該異常検出処理を終了する。つまり、S220〜S250では、異常が発生していないとして、初期設定を行っている。
【0095】
一方、S210にて、コンパレータCOM1,COM2からの検出信号SDGがロウレベルであると判定した場合には、スイッチング回路36の全トランジスタTRがオフされている時のコンデンサC1の両端電圧が60V未満或いは130V以上であり、コンデンサC1の充電状態が正常でない(異常)と判断して、S260に進み、上記S220でクリアしておいたカウンタCFLを1インクリメントする。そして、続くS270にて、カウンタCFLの値が30以上であるか否かを判定し、30以上でなければ、コンデンサC1の充電状態が異常であると30回連続して判断していないとして、前述したS230へ移行する。
【0096】
これに対して、S270でカウンタCFLの値が30以上であると判定した場合には、コンデンサC1の充電状態が本当に異常であるとして、S280へ進み、このS280にて、昇圧回路32の作動を禁止すると共に、全ての電磁ソレノイドL1〜L6に対しホールド電流のみによる通電制御を行うための処理を実行する。
【0097】
ここで、S280で実行される処理は、昇圧回路32へのハイレベルの指令信号SC を、その後は出力しないように設定し、更に、ディーゼルエンジンの運転状態に基づき算出した電磁ソレノイドLの通電時間を所定時間だけ長くなるように補正して、噴射指令パルスPのパルス幅を正常時よりも大きく設定すると共に、同じくディーゼルエンジンの運転状態に基づき算出した通電開始タイミングを、所定時間だけ早めるように補正して、噴射指令パルスPの立上りタイミングを進める、といった具合いに実行される。
【0098】
そして、このような処理を行うのは、以下の理由による。
まず、コンデンサC1の充電状態に異常が発生した場合には、前述したように、昇圧回路32が故障しているか、或いは、両共通線CM1,CM2及び個別配線Wの何れかがバッテリ電圧+Bや接地電位に短絡している可能性があるが、何れにしても、各電磁ソレノイドL1〜L6へはピーク電流を適切に供給することができなくなる。そこで、S280では、昇圧回路32へのハイレベルの指令信号SC を、その後は出力しないようにして、昇圧回路32の作動を禁止するようにしている。
【0099】
ところが、この場合には、コンデンサC1を充電することができずに、電磁ソレノイドLへはホールド電流回路34a,34bだけでしか電流を供給できないため、インジェクタの開弁時間及び燃料噴射量が少なくなるとか、燃料噴射の開始時期が遅れるといった問題が発生する。そこで更に、S280では、上述したS180の場合と同様に、電磁ソレノイドLへのホールド電流の通電時間を長くして、インジェクタからの燃料噴射量の低下を防止すると共に、インジェクタの開弁タイミングを早めて、燃料噴射開始時期が遅れるのを防止するようにし、これによって、電磁ソレノイドLへピーク電流を供給できなくても、ディーゼルエンジンを安定して運転できるようにしているのである。
【0100】
このようなS280の処理を行った後、続くS290では、電圧監視回路38a,38bからの出力信号SK1,SK2を夫々入力する2つの入力ポートを、汎用ポートから前述したイベントカウンタポートに切り換える。すると、その後は、前述したように、何れかの噴射指令パルスPが出力されている期間中において電圧監視回路38a,38bからの出力信号SK1,SK2がハイレベルからロウレベルへレベル変化する(立ち下がる)度に、対応する方のイベントカウンタが自動的にインクリメントされるようになる。
【0101】
そして、続くS300にて、S270で最初に肯定判定されてから2回目以降の処理実行であるか否かを示すフラグFAが、「1」であるか否かを判定し、「1」でなければ、コンデンサC1の充電状態が異常であると最初に判断した直後の処理実行であるとして、S305に進み、次回の処理実行に備えて上記フラグFAに「1」をセットした後、そのまま前述したS240移行する。
【0102】
一方、S300でフラグFAが「1」であると判定した場合、即ち、S270でコンデンサC1の充電状態が異常であると最初に判断してから2回目以降の処理実行であり、前回の処理実行から今回の処理実行までの間に何れかの噴射指令パルスPが出力されている場合には、S310に移行して、上記S250でクリアしておいたカウンタC30CYLを1インクリメントし、更に続くS320にて、上記イベントカウンタの値CIVTが、所定数M以上であるか否かを判定する。
【0103】
尚、S320の判定で用いるイベントカウンタの値CIVTとしては、本異常検出処理の今回の実行直前に出力された噴射指令パルスPが第1共通線CM1側の電磁ソレノイドLに対応するP1,P3,P5であれば、電圧監視回路38aの出力信号SK1に対応する方を用い、逆に、本異常検出処理の今回の実行直前に出力した噴射指令パルスPが第2共通線CM2側の電磁ソレノイドLに対応するP2,P4,P6であれば、電圧監視回路38bの出力信号SK2に対応する方を用いている。また、大小比較に用いる上記所定値Mは、図5の最も下のラインに示した如く、何れかの個別配線Wがバッテリ電圧+Bに短絡している状況下において、短絡故障した個別配線W以外に対応する噴射指令パルスPが出力されたときに、電圧監視回路38の出力信号SK に発生する立ち下がりエッジの回数よりも、小さい値に設定されている。そして、これにより、各個別配線W毎について確実に異常を検出できるようにしている。
【0104】
このようなS320にて、イベントカウンタの値CIVTが所定数M以上であると判定した場合には、S330に進んで、今回燃料噴射を行った気筒#m(mは1〜6の何れか)、即ち本異常検出処理の今回の実行直前に出力された噴射指令パルスPに対応する気筒#mを判別する。そして、続くS340にて、S330で判別した気筒#mの電磁ソレノイドLに対応する個別配線Wには、異常は発生しておらず、その電磁ソレノイドLにホールド電流回路34a,34bの何れかによって正常にホールド電流を供給できたものと判断し、S330で判別した気筒#mの電磁ソレノイドLに対応する異常カウンタCBSmをクリアする。
【0105】
これに対し、S320にて、イベントカウンタの値CIVTが所定数M以上でないと判定した場合には、S350に移行して、S330の場合と同様に今回燃料噴射を行った気筒#mを判別するのであるが、続くS360では、S350で判別した気筒#mの電磁ソレノイドLに対応する個別配線Wに、バッテリ電圧+Bへの短絡故障が発生して、その電磁ソレノイドLにホールド電流回路34a,34bの何れかによって正常にホールド電流を供給できなかったものと判断し、S350で判別した気筒#mの電磁ソレノイドLに対応する異常カウンタCBSmを1インクリメントする。
【0106】
そして、S340又はS360の処理を実行した後、S370に移行して、S310で1インクリメントしたカウンタC30CYLの値が、30以上であるか否かを判定し、30以上でなければ、S310以降の処理が未だ30回実行されていないとして、S380に進み、イベントカウンタの値CIVTをクリアした後、当該異常検出処理を終了する。
【0107】
一方、S370でカウンタC30CYLの値が30以上であると判定した場合には、6個の電磁ソレノイドL1〜L6の夫々について5回ずつS320の判定を実行できたことから、S400に移行して、発生した異常モードを識別するための異常モード判定処理を実行し、その後、当該異常検出処理を終了する。
【0108】
ここで、異常モード判定処理は、図9に示す如く実行される。即ち、この異常モード判定処理の実行が開始されると、まず、S410にて、各電磁ソレノイドL1〜L6に対応した異常カウンタCBS1〜CBS6の値を夫々チェックする。
【0109】
そして、続くS420にて、各異常カウンタCBS1〜CBS6の値が全て5未満であるか否かを判定し、全て5未満であれば、電磁ソレノイドL1〜L6の電流供給経路(両共通線CM1,CM2及び個別配線W1〜W6)は正常であると判断して、S430に進む。そして、このS430にて、電磁ソレノイドL1〜L6の電流供給経路が正常であるにも関わらず、コンデンサC1の充電状態が異常であったことから、昇圧回路32が故障したものと判定し、続くS440にて、昇圧回路32が故障したことを示すダイアグコードをバックアップRAM等に記憶すると共に、ウォーニングランプを点灯させ、その後、当該異常モード判定処理を終了する。よって、この場合には、上述したS280の処理により、全ての電磁ソレノイドL1〜L6を制御対象として、通電時間及び通電開始タイミングを補正したホールド電流のみによる通電制御が継続して行われることとなる。
【0110】
一方、S420で否定判定した場合、即ち、異常カウンタCBS1〜CBS6の中で、値が5以上であるものがあった場合には、S450に移行して、第1共通線CM1側の電磁ソレノイドL1,L3,L5に夫々対応する3つの異常カウンタCBS1,CBS3,CBS5だけが5以上であるか否かを判定する。そして、異常カウンタCBS1,CBS3,CBS5だけが5以上であった場合には、続く460にて、個別配線W1,W3,W5に同時に異常が生じていることから、第1共通線CM1がバッテリ電圧+Bに短絡したものと判定し、更に続くS470にて、第1共通線CM1がバッテリ電圧+Bに短絡したことを示すダイアグコードをバックアップRAM等に記憶すると共に、ウォーニングランプを点灯させる。
【0111】
また、S450で否定判定した場合には、S480に移行して、今度は、第2共通線CM2側の電磁ソレノイドL2,L4,L6に夫々対応する3つの異常カウンタCBS2,CBS4,CBS6だけが5以上であるか否かを判定する。そして、異常カウンタCBS2,CBS4,CBS6だけが5以上であった場合には、続く490にて、個別配線W2,W4,W6に同時に異常が生じていることから、第2共通線CM2がバッテリ電圧+Bに短絡したものと判定し、更に続くS500にて、第2共通線CM2がバッテリ電圧+Bに短絡したことを示すダイアグコードをバックアップRAM等に記憶すると共に、ウォーニングランプを点灯させる。
【0112】
一方更に、S480で否定判定した場合には、S510に移行して、共通線CM1,CM2がバッテリ電圧+Bに短絡したのではなく、値が5以上である異常カウンタCBSmに対応する電磁ソレノイドLの個別配線Wが、夫々バッテリ電圧+Bに短絡したものと判定し、続くS520にて、値が5以上である異常カウンタCBSmに対応した個別配線Wがバッテリ電圧+Bに短絡したことを示すダイアグコードをバックアップRAM等に記憶すると共に、ウォーニングランプを点灯させる。
【0113】
そして、S470,S500,及びS520の内の何れかが実行された場合には、夫々、S530に移行して、第1共通線CM1側の電流経路及び第2共通線CM2側の電流経路の内、バッテリ電圧+Bへの短絡故障が発生した側の共通線CMに接続された電磁ソレノイドLに対応する噴射指令パルスPを、その後は出力しないように設定して、その電磁ソレノイドLの駆動を禁止する。そして、その後、当該異常モード判定処理を終了する。
【0114】
よって、S530の処理が実行された場合には、図7に示したGND短絡検出処理のS180が実行された場合と同様に、バッテリ電圧+Bへの短絡故障が発生していない正常な共通線CM側の3個の電磁ソレノイドLだけを制御対象として、通電時間及び通電開始タイミングを補正したホールド電流のみによる通電制御が行われ、これにより、正常な方の3個のインジェクタだけで、ディーゼルエンジンの安定した運転が実現される。
尚、本実施例においては、コンパレータCOM1,COM2、及び異常検出処理(図8)のS210の処理が、第1の異常検出手段に相当し、異常検出処理のS290〜S380の処理が、第2の異常検出手段に相当し、異常モード判定処理(図9)のS410〜S520の処理が、異常モード判定手段に相当している。そして、異常検出処理のS280の処理が、異常対処手段に相当し、異常モード判定処理のS530の処理が、第2の異常対処手段に相当している。
【0115】
以上のように、本実施例の異常検出処理では、GND短絡検出処理の実行によって電磁ソレノイドLの電流供給経路が接地電位に短絡していないことを確認している状況下において、噴射指令パルスPを出力する直前毎に、コンパレータCOM1,COM2の検出信号SDGに基づき、コンデンサC1の両端電圧が60V以上且つ130V未満の正常範囲内にあるか否かを判定し(S210)、コンデンサC1の両端電圧が上記範囲内にないことを30回連続して判定すると(S270:YES)、コンデンサC1の充電状態が異常であると判断するようにしている。
【0116】
そして、コンデンサC1の充電状態が異常であると判断すると、電圧監視回路38a,38bの出力信号SK1,SK2を入力する入力ポートを、汎用ポートからイベントカウンタポートに切り換えて(S290)、各噴射指令パルスPの出力期間中にホールド電流回路34a,34bが作動することに伴い発生する電圧監視回路38a,38bの出力信号SK1,SK2のレベル変化を、各電磁ソレノイドL毎について、イベントカウンタによりカウントするようにし、そのカウント値CIVTが所定値M以上でなければ(S320:NO)、今回燃料噴射を行った気筒に対応する電磁ソレノイドLにホールド電流回路34a,34bによって正常にホールド電流を供給できなかったと判定するようにしている(S360)。
【0117】
そして更に、上記のような判定を、全ての電磁ソレノイドLについて夫々5回ずつ行った後(S370:YES)、全ての電磁ソレノイドLへのホールド電流の供給状態が正常であった場合には(S420:YES)、電磁ソレノイドLの電流供給経路(両共通線CM1,CM2及び個別配線W)は正常であり、コンデンサC1の充電状態だけが異常であったことから、昇圧回路32自身が故障したものと判定し(S430)、また逆に、ホールド電流回路34a,34bによるホールド電流の供給状態が正常でない電磁ソレノイドLがあった場合には(S420:NO)、その電磁ソレノイドLへの電流供給経路がバッテリ電圧+Bに短絡したと判定するようにしている(S460,S490,S510)。
【0118】
つまり、昇圧回路32が故障すると、全トランジスタTRのオフ時におけるコンデンサC1の充電状態は異常となるが、電磁ソレノイドLの電流供給経路がバッテリ電圧+Bに短絡した場合にも、コンデンサC1の両端電圧はバッテリ電圧+B以上には上昇せずに、コンデンサC1の充電状態は異常となる。
【0119】
そこで、本実施例では、昇圧回路32に関する異常判定と、電磁ソレノイドLの電流供給経路に関する異常判定とを、夫々独立して行うのではなく、通常は、コンデンサC1の両端電圧に基づきコンデンサC1の充電状態が正常であるか否かを判定し、コンデンサC1の充電状態が正常でないと判定した場合にだけ、電圧監視回路38a,38bの出力信号SK1,SK2に生じるレベル変化の回数に基づき、電磁ソレノイドLへのホールド電流回路34a,34bによるホールド電流の供給状態が正常であるか否かを判定し、ホールド電流の供給状態が正常である場合には、昇圧回路32の方が故障したと判定し、逆に、ホールド電流の供給状態が正常でない場合には、電流供給経路がバッテリ電圧+Bに短絡したと判定するようにしている。
【0120】
従って、本実施例の燃料噴射制御装置10によれば、昇圧回路32が故障したことと、電磁ソレノイドLの電流供給経路がバッテリ電圧+Bに短絡したこととを、極めて効率良く検出することができる。
また、本実施例では、各噴射指令パルスPの出力期間中にホールド電流回路34a,34bが作動することに伴い発生する電圧監視回路38a,38bの出力信号SK1,SK2のレベル変化を、イベントカウンタによりカウントし、そのカウント値に基づき、電磁ソレノイドLへのホールド電流の供給状態が正常であるか否かを判定するようにしている。
【0121】
従って、本実施例の燃料噴射制御装置10によれば、電磁ソレノイドLへのホールド電流の供給状態が正常であるか否か、即ち電磁ソレノイドLの電流供給経路が正常であるか否かを、より正確に検出することができる。
即ち、図10に示した従来装置のように、電磁ソレノイドLに実際に流れる電流を検出して異常の有無を判定するようにした場合には、電磁ソレノイドLの特性バラツキや経時変化、電流を検出するための検出用抵抗器Rのバラツキ、或いは更に、電源電圧(バッテリ電圧+B)のバラツキ等によって、バッテリ電圧+Bへの短絡を正確に検出することは難しい。これに対して、本実施例によれば、電磁ソレノイドLの電流供給経路がバッテリ電圧+Bに短絡したことを、電磁ソレノイドLの特性等に全く影響されずに、極めて正確に検出することができるのである。
【0122】
また更に、本実施例の燃料噴射制御装置10においては、異常検出処理にてコンデンサC1の充電状態が異常であると判定するまでは、電圧監視回路38a,38bの出力信号SK1,SK2を入力する入力ポートを汎用ポートに設定して、図7のGND短絡検出処理を実行することにより、電圧監視回路38a,38bからの出力信号SK1,SK2に基づき、電磁ソレノイドLの電流供給経路が接地電位へ短絡したか否かを検出するようにしている(S110,S140)。よって、異常検出処理のS320でイベントカウンタのカウント値CIVTが所定値M以上でないと判定した場合に、電磁ソレノイドLの電流供給経路が、接地電位ではなく、バッテリ電圧+Bに短絡したということを特定することができる。
【0123】
尚、本実施例では、図7のGND短絡検出処理と、図8の異常検出処理とを並行して行うようにしたが、異常検出処理のS270で肯定判定した場合、即ちコンデンサC1の充電状態が正常でないと判定した場合に、図7の処理と、図8のS280以降の処理とを、交互に行うようにしてもよい。
【0124】
しかも、本実施例の燃料噴射制御装置10によれば、コンデンサC1の両端電圧を検出するためのコンパレータCOM1,COM2と、両共通線CM1,CM2の電圧を検出するための電圧監視回路38a,38bとを設けるだけで、昇圧回路32が故障したこと、電流供給経路が接地電位に短絡したこと、及び、電流供給経路がバッテリ電圧+Bに短絡したことの、3つの異常モードを夫々区別して検出することができ、装置構成を小型化することができる。尚、昇圧回路32が上限電圧以上の電圧でコンデンサC1を充電してしまうような異常を検出する必要が無い場合には、コンパレータCOM2を省略することができる。
【0125】
一方更に、本実施例の燃料噴射制御装置10では、異常検出処理にて、コンデンサC1の充電状態が正常でないと判定すると、S280の処理実行により、昇圧回路32の作動を禁止すると共に、電磁ソレノイドLの通電時間を所定時間だけ長くなるように補正して、噴射指令パルスPのパルス幅を正常時よりも大きく設定すると共に、電磁ソレノイドLの通電開始タイミングを、所定時間だけ早めるように補正して、噴射指令パルスPの立上りタイミングを進めるようにしている。
【0126】
従って、本実施例の燃料噴射制御装置10によれば、昇圧回路32が故障して、電磁ソレノイドLへコンデンサC1によるピーク電流を供給できなくなった場合でも、燃料噴射量が低下することと、燃料噴射開始時期が遅れることとを防止して、ディーゼルエンジンの運転状態を正常時に近い状態に維持することができる。
【0127】
また、本実施例の燃料噴射制御装置10では、コンデンサC1の充電状態が正常でないと判定した場合に、各電磁ソレノイドL毎について、ホールド電流回路34a,34bによる電磁ソレノイドLへのホールド電流の供給状態が正常であるか否かを判定すると共に、ホールド電流の供給状態が正常でない電磁ソレノイドLの個別配線Wが、バッテリ電圧+Bに短絡したと判定するようにしている。そして更に、バッテリ電圧+Bに短絡したと判定した個別配線Wの分岐元である共通線CMを介して電流が供給される全ての電磁ソレノイドLに対する駆動を禁止して(S530)、その後は、バッテリ電圧+Bへの短絡故障が発生していない正常な共通線CM側の3個の電磁ソレノイドLだけを、S280の実行による補正後の通電時間及び通電開始タイミングに基づき駆動するようにして、ディーゼルエンジンへの燃料噴射を継続するようにしている。
【0128】
よって、本実施例の燃料噴射制御装置10によれば、個別配線Wの何れかがバッテリ電圧+Bに短絡して、その個別配線Wの分岐元である共通線CMに接続された電磁ソレノイドLへ、ホールド電流回路34によりホールド電流を供給できなくなった場合、或いは、何れかの共通線CM自身がバッテリ電圧+Bに短絡して、その共通線CMに接続された電磁ソレノイドLへ、ホールド電流回路34によりホールド電流を供給できなくなった場合でも、他方の共通線CM側に接続された電磁ソレノイドLに対して、補正後の通電時間及び通電開始タイミングに基づく駆動制御(ホールド電流のみによる通電制御)を行うことができ、これにより、ディーゼルエンジンの運転を正常時に近い状態で継続させることができるようになる。
【0129】
また更に、本実施例の燃料噴射制御装置10では、何れかの共通線CMに接続された全ての電磁ソレノイドLに対応する個別配線Wにバッテリ電圧+Bへの短絡故障が発生したと判定すると(S450:YES,S480:YES)、その電磁ソレノイドLが接続された共通線CM自体に短絡故障が発生したと判定するようにしている(S460,S490)。よって、本実施例の燃料噴射制御装置10によれば、個別配線Wが短絡故障したことと、共通線CMが短絡故障したこととを、夫々区別して検出することができる。
【0130】
尚、本実施例では、コンデンサC1の両端電圧が正常範囲内にないことを30回連続して判定した場合に、コンデンサC1の充電状態が異常であると判断するようにしたが、連続して判定する回数は適宜設定することができる。また同様に、本実施例では、各電磁ソレノイドLの夫々についてS320の判定を5回ずつ実行するようにしたが、この回数も適宜設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例の燃料噴射制御装置全体の構成を表わす構成図である。
【図2】 図1のホールド電流回路及び電圧監視回路の構成を表わす構成図である。
【図3】 実施例の燃料噴射制御装置における噴射指令パルスの出力状態を説明する説明図である。
【図4】 実施例の燃料噴射制御装置の動作を説明する説明図である。
【図5】 電磁ソレノイドの電流供給経路に短絡故障が発生した場合の動作を説明する説明図である。
【図6】 燃料噴射制御装置内の昇圧回路に異常が発生した場合の動作を説明する説明図である。
【図7】 実施例のマイクロコンピュータが実行するGND短絡検出処理を表すフローチャートである。
【図8】 実施例のマイクロコンピュータが実行する異常検出処理を表わすフローチャートである。
【図9】 図8の異常検出処理中で実行される異常モード判定処理を表わすフローチャートである。
【図10】 従来の燃料噴射制御装置の構成を表わす概略構成図である。
【図11】 従来の燃料噴射制御装置の動作を説明する説明図である。
【符号の説明】
10…燃料噴射制御装置 20…マイクロコンピュータ 30…駆動回路
32…昇圧回路 C1…コンデンサ 34a,34b…ホールド電流回路
36…スイッチング回路 TR1〜TRn…トランジスタ
COM1,COM2…コンパレータ 38a,38b…電圧監視回路
40…スイッチング素子 42…定電流制御回路
L1〜Ln…電磁ソレノイド CM1…第1共通線 CM2…第2共通線
W1〜Wn…個別配線
Claims (7)
- 電磁ソレノイドを有し、該電磁ソレノイドが通電されることにより開弁する電磁弁と、
前記電磁ソレノイドの電流供給経路に直列に設けられたスイッチング素子と、
該スイッチング素子を駆動制御して前記電磁弁を開閉させる制御手段と、
前記電磁ソレノイドの電流供給経路に並列に設けられたコンデンサと、
前記スイッチング素子のオフ時に前記コンデンサを所定の高電圧で充電することにより、前記スイッチング素子がオンされた時に前記コンデンサから前記電磁ソレノイドへピーク電流を供給させて前記電磁弁を速やかに開弁させるピーク電流供給手段と、
前記電流供給経路の前記電磁ソレノイド及び前記スイッチング素子よりも上流側に接続され、前記コンデンサによって前記電磁ソレノイドにピーク電流が供給された後、前記電磁ソレノイドに前記ピーク電流より小さい一定電流を流して前記電磁弁の開弁状態を保持する定電流供給手段と、
を備えた電磁弁駆動装置において、
前記スイッチング素子のオフ時に前記コンデンサの両端電圧を検出し、当該検出結果に基づき前記コンデンサの充電状態が正常であるか否かを判定する第1の異常検出手段と、
該第1の異常検出手段により前記コンデンサの充電状態が正常でないと判定された場合に、前記定電流供給手段による前記電磁ソレノイドへの定電流供給状態を検出し、当該検出結果に基づき前記電磁ソレノイドへの定電流供給状態が正常であるか否かを判定する第2の異常検出手段と、
該第2の異常検出手段により前記定電流供給状態が正常であると判定された場合には、前記ピーク電流供給手段が故障したと判定し、前記第2の異常検出手段により前記定電流供給状態が正常でないと判定された場合には、前記電流供給経路が前記所定の高電圧よりも低い電圧レベルに短絡したと判定する異常モード判定手段と、
を備えたことを特徴とする電磁弁駆動装置。 - 請求項1に記載の電磁弁駆動装置において、
前記定電流供給手段は、
所定の電源から前記電流供給経路へ至る電流経路に直列に設けられた電流供給用スイッチング手段と、
前記電流供給経路に前記一定電流が流れるように、前記電流供給用スイッチング手段をオン/オフさせる定電流制御手段とを備え、
前記第2の異常検出手段は、
前記電流供給経路の前記電磁ソレノイド及び前記スイッチング素子よりも上流側の電圧を検出する経路電圧検出手段と、
前記スイッチング素子のオン時に、前記電流供給用スイッチング手段のオン/オフに伴い発生する前記電流供給経路のレベル変化を前記経路電圧検出手段によって検出し、当該検出したレベル変化の回数を計数する計数手段とを備え、
更に、前記第2の異常検出手段は、前記計数手段の計数結果に基づき、前記電磁ソレノイドへの定電流供給状態が正常であるか否かを判定すること、
を特徴とする電磁弁駆動装置。 - 請求項2に記載の電磁弁駆動装置において、
前記スイッチング素子のオフ時に、前記電流供給経路の電圧を前記経路電圧検出手段によって検出し、当該検出値が所定値以下である場合に、前記電流供給経路が接地電位に短絡したと判定する接地電位短絡検出手段を備えたこと、
を特徴とする電磁弁駆動装置。 - 請求項1ないし請求項3の何れかに記載の電磁弁駆動装置において、
前記電磁弁を複数備えると共に、該各電磁弁は、内燃機関の各気筒に夫々設けられて開弁時に前記各気筒へ燃料を噴射供給する燃料噴射弁として構成され、
前記各燃料噴射弁の電磁ソレノイドの電流供給経路は、前記コンデンサ及び前記定電流供給手段に接続された所定の共通線と、該共通線から前記各電磁ソレノイド毎に夫々対応して分岐した個別配線とからなると共に、前記各個別配線に夫々直列に前記スイッチング素子が設けられ、
更に、前記制御手段は、前記内燃機関の運転状態に応じて前記各電磁ソレノイドの通電時間及び通電開始時期を算出し、該算出結果に応じて前記各スイッチング素子を択一的に順次駆動することにより、前記内燃機関への燃料噴射を制御するように構成されており、
前記第1の異常検出手段により前記コンデンサの充電状態が正常でないと判定されると、前記ピーク電流供給手段の作動を禁止すると共に、前記制御手段にて算出された前記電磁ソレノイドの通電時間を所定時間増加させる異常対処手段を備えたこと、
を特徴とする電磁弁駆動装置。 - 請求項4に記載の電磁弁駆動装置において、
前記異常対処手段は、前記通電時間を所定時間増加させることに加えて、前記制御手段にて算出された前記電磁ソレノイドの通電開始時期を所定時間早い時期に補正すること、
を特徴とする電磁弁駆動装置。 - 請求項4又は請求項5に記載の電磁弁駆動装置において、
前記複数の燃料噴射弁は、前記内燃機関の運転が可能な複数のグループに予め分けられていると共に、前記共通線及び前記定電流供給手段は、前記各グループ毎に夫々対応して複数設けられており、
前記第2の異常検出手段は、前記各燃料噴射弁の電磁ソレノイド毎について、前記定電流供給手段による定電流供給状態が正常であるか否かを判定すると共に、
前記異常モード判定手段は、前記第2の異常検出手段により前記定電流供給状態が正常でないと判定された電磁ソレノイドの個別配線が前記所定の高電圧よりも低い電圧レベルに短絡したと判定し、
更に、前記異常モード判定手段により短絡故障が発生したと判定された個別配線の分岐元である共通線を介して電流が供給される全ての電磁ソレノイドに対応した前記スイッチング素子の駆動を禁止する第2の異常対処手段を備えたこと、
を特徴とする電磁弁駆動装置。 - 請求項6に記載の電磁弁駆動装置において、
前記異常モード判定手段は、前記複数のグループの内の何れかに所属する全ての燃料噴射弁に対応する前記個別配線に短絡故障が発生したと判定すると、当該グループに対応する前記共通線に短絡故障が発生したと判定すること、
を特徴とする電磁弁駆動装置。
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