JP3636749B2 - 情報記録媒体のソフトウエア設計作業支援装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は情報記録媒体のソフトウエア設計作業支援装置、特に、ICカードなどの携帯用情報記録媒体を発行する際に行うファイル設計作業や検証作業を支援する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ICカードに代表される携帯用情報記録媒体は、これまでの磁気カードに代わる新しい情報記録媒体として注目を集めている。特に、CPUを内蔵したICカードは、高度なセキュリティを確保した状態での使用が可能になるため、種々の分野での利用が期待されている。一般にICカードは、RAM,ROM,EEPROMといった3種類のメモリを内蔵しており、いずれも内蔵CPUによってアクセスされる。ICカードに対するデータの授受は、リーダライタ装置によって行われる。リーダライタ装置からICカードに対して所定の命令を与えると、この命令はICカード内のCPUによって実行される。たとえば、データの書込命令であれば、リーダライタ装置からICカードへ与えたデータがICカード内のメモリに書き込まれ、データの読出命令であれば、ICカード内のメモリから読み出されたデータがリーダライタ装置へ転送される。
【0003】
ICカード内に書き込まれたデータに対するセキュリティを確保するために、通常は、暗証キーが用いられる。すなわち、ICカード内の特定のファイルをアクセスするためには、どのキーを解錠する必要があるかを予め設定しておき、ICカード内に設定されている暗証コードと外部から入力された暗証コードとが一致したときにのみ、特定のキーが解錠されるような設計がなされている。そこで、ICカード内には、ユーザの用途に応じたデータを記録するためのデータファイルの他に、暗証コードを記録するためのキーファイルが格納されるのが一般的であり、しかも、これらのファイルは階層構造を採る。
【0004】
したがって、新たにICカードの発行を行う場合には、どのようなデータファイルおよびキーファイルをどのような階層構造で作成し、各ファイルにはどの程度の容量を割り当て、特定のファイルをアクセスするためには、どの暗証キーの照合を行うようにするか、といった事項を定めるファイル設計作業が必要になる。また、設計したICカードについて、十分なセキュリティが確保されているか否かを検証する作業も必要になる。従来は、このようなソフトウエア設計作業を、人手によるデスクワークとして行っていた。すなわち、ソフトウエア設計を行う技術者が、作成すべきファイルの階層構造や、容量割り当て、キー照合条件などを紙の上で設計し、十分なセキュリティが確保されているか否かの検証も合わせて行っていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような人手によるデスクワークとしてのソフトウエア設計作業は、多大な労力と熟練を要するものであり、熟練した設計者に大きな労働負荷がかかるという問題が生じていた。特に、ICカードをはじめとする携帯用の情報記録媒体の市場は、今後とも益々増大する傾向にあり、従来のような人手によるデスクワークとしてのファイル作成作業や検証作業を行っていたのでは、需要に追随したICカードの発行処理が困難になることが予想される。
【0006】
そこで本発明は、情報記録媒体のソフトウエア設計作業を支援し、設計作業者の負担を軽減することのできる支援装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
(1) 本発明の第1の態様は、階層構造が定義された複数のファイルを用いて情報を記録し、外部から所定の命令を与えることにより個々のファイルをこの命令に応じた態様でアクセスできるようにし、かつ、各態様でのファイルアクセスを可能にするためにはどのキーを解錠する必要があるかを示すセキュリティ情報を設定して用いる情報記録媒体について、そのソフトウエアを設計する作業を支援する装置であって、
オペレータに対して種々の情報を提示するためのディスプレイ装置と、
オペレータからの指示を入力する入力手段と、
この入力手段からの指示に基づいて、各ファイルについて、ファイル名、ファイルの種類、階層構造、容量、およびセキュリティ情報からなるファイル内容を設定するファイル内容設定手段と、
設定されたファイル内容を記憶するファイル内容記憶手段と、
各キーが解錠状態か施錠状態かを示すステータスを記憶するステータス記憶手段と、
入力手段からの指示に基づいて、ステータスを設定するステータス設定手段と、
入力手段からの指示に基づいて、所定の選択ファイルに対して所定の選択命令を実行すべき旨を示すファイル/命令選択手段と、
選択ファイルに対して、選択命令に応じた態様でのアクセスが可能か否かを、ファイル内容記憶手段に記憶されている選択ファイルについてのセキュリティ情報と、ステータス記憶手段に記憶されているステータスと、に基づいて判定し、判定結果をディスプレイ装置に表示する可否判定手段と、
を設けたものである。
【0008】
(2) 本発明の第2の態様は、上述の第1の態様に係る支援装置において、
ファイル内容設定手段によって設定したファイルを、実際にテスト用の情報記録媒体内に作成するために、ファイル内容記憶手段内の記憶内容に基づいたファイル作成を指示する命令群を生成し、この命令群をテスト用の情報記録媒体に与える機能をもった実ファイル作成指示手段を更に設けたものである。
【0009】
【作 用】
本発明に係る支援装置によれば、設計対象となるファイルについて、ファイル名、ファイルの種類、階層構造、容量、セキュリティ情報、といったファイル内容が、ファイル内容記憶手段内にデータとして格納される。そして、設計したファイル内容についての検証作業は、このファイル内容記憶手段内に格納されたデータを利用して行うことができる。すなわち、検証作業者は、ステータス設定手段に対して所定の指示を与えることにより、各キーについての解錠/施錠状態を自由に設定することができ、また、ファイル/命令選択手段に対して所定の指示を与えることにより、情報記録媒体の所定のファイルに対して所定の命令を実行することが可能か否かを、シミュレートすることができる。たとえば、特定のキーを解錠した状態で、特定のファイルに対して特定の命令を与えるという状況をシミュレートした場合、設定したセキュリティ条件に照らして、与えた命令が実行可能か否かが、可否判定手段の判定結果としてディスプレイ装置上に得られることになる。
【0010】
また、検証作業が完了した後は、実ファイル作成指示手段によって、設計したとおりのファイルを情報記録媒体内に作成するための命令群を自動生成することができる。この命令群をテスト用情報記録媒体に与えれば、テスト用情報記録媒体内に設計どおりのファイルが作成でき、このテスト用情報記録媒体を用いて、より現実の取引形態に近い状態でのテストが可能になる。
【0011】
【実施例】
以下、本発明を図示する実施例に基づいて説明する。ここでは、本発明をICカードに対して適用した実施例を述べることにする。そこで、まず、一般的なICカードの構造と、リーダライタ装置を用いたICカードに対するアクセス手順を簡単に説明しておく。
【0012】
図1は、一般的なICカード10をリーダライタ装置20に接続した状態を示すブロック図である。ICカード10内には、リーダライタ装置20と接続するためのI/O装置11と、CPU12と、RAM13と、ROM14と、EEPROM15と、が内蔵されており、ICカード10とリーダライタ装置20との間は、I/Oラインによって接続されている。I/O装置11は、リーダライタ装置20に対してデータの送受を行う機能を有する。CPU12は、I/O装置11を介してリーダライタ装置20から与えられる命令を受け取り、これを実行する。ICカード10に内蔵されている3種類のメモリのうち、RAM13は揮発性のメモリであって、CPU12のワークエリアとして利用される。ROM14は、書き換えができない固定メモリであり、CPU12を動作させるために必要な基本的なプログラムルーチンが記録されている。また、EEPROM15は、随時書き換えが可能な不揮発性メモリであり、ユーザの用途に応じたデータや、このデータをアクセスするために必要な暗証コードなどが格納されることになる。本発明におけるファイル設計作業の対象は、このEEPROM15内に格納すべきファイルである。
【0013】
この実施例では、EEPROM15内には、3種類のファイルが格納される。すなわち、ユーザの用途に応じたデータを含むデータファイルと、ファイルをアクセスするために必要な暗証コードを含むキーファイルと、他のファイルを収容することにより階層構造をもったファイルを定義できるようにするフォルダファイルと、の3種類である。フォルダファイルは、実際には、データファイル、キーファイル、あるいは他のフォルダファイルを収容するための容器としての機能を有するだけであり、一般的な「ファイル」とは異なるものであるが、ここでは説明の便宜上、データファイルやキーファイルと同様にファイルとして取り扱うことにする。フォルダファイル内に別なフォルダファイルを収容し、更にその中に別なフォルダファイルを収容する、ということを繰り返せば、任意の階層をもったファイルが定義できるようになる。
【0014】
図2は、このような階層をもって定義された複数のファイル構造の一例を示すブロック図である。ここで、最上階層には、マスターファイルMFおよびこれに収容されているデータファイルD1〜D3およびキーファイルK1,K2が所属している。また、第2階層には、フォルダファイルF1およびこれに収容されているデータファイルD4およびキーファイルK3が所属しており、第3階層には、フォルダファイルF2およびF3、ならびにこれらに収容されているデータファイルD5〜D7およびキーファイルK4が所属している。
【0015】
続いて、このようなファイル構造をもつICカードのソフトウエア設計作業の一般的な手順を、図3の流れ図に示す。まず、ステップS1において、ファイル設計作業が行われる。ここでは、図2に示す各ファイルについて、ファイル名、ファイルの種類(データファイルか、キーファイルか、フォルダファイルか)、階層構造(図2に示す階層の中のどこに位置するか)、容量、セキュリティ情報(このファイルを所定の態様でアクセスするためには、どのキーを解錠する必要があるか)、といったファイル内容が設定されることになる。
【0016】
次に、ステップS2におけるファイル検証作業が行われる。このファイル検証作業は、ステップS1において設計されたファイル内容について、主としてセキュリティの確保が十分であるか否かをチェックする作業である。実社会におけるICカードの実際の利用形態は非常に複雑であり、それに応じた複雑なセキュリティ情報を設定する必要がある。通常は、個々のファイルごとに、しかもそのファイルに対するアクセス態様ごとに、異なるキーの組み合わせを必要とするようなセキュリティ設定がなされる。たとえば、ファイルD1に対して、「読出」なる態様でアクセスを行うには、キーK1,K2を解錠する必要があるが、「書込」なる態様でアクセスを行うには、キーK2,K3を解錠する必要がある、というような設定がなされることになる。ステップS2におけるファイル検証作業は、このような設定で十分なセキュリティが確保できるかどうかを確認する作業である。
【0017】
このステップS2におけるファイル検証作業の結果、セキュリティが不十分であると認識されると、ステップS3を経てステップS1へと戻り、ファイル設計作業がやり直される。一方、十分なセキュリティが確保されていると認識されると、ステップS3を経てステップS4のコマンド作成作業が実行され、更に、ステップS5におけるテスト用ICカードによるテスト作業が実施される。図1のブロック図に示されているように、ICカード10に対する外部からの働きかけは、すべてリーダライタ装置20から、所定のコマンド形式のデータを送信することによって行われる。したがって、ステップS1における設計どおりのファイルをテスト用ICカード内に作成するためには、リーダライタ装置20からICカード10へ、このようなファイルを作成するためのコマンドを送信する必要がある。ステップS4におけるコマンド作成作業は、このコマンドを作成する作業である。作成したコマンドをICカード10に与えることにより、テスト用ICカード10内に設計どおりのファイルが作成されるので、このテスト用ICカードを用いて、ステップS5におけるテスト作業が実施される。
【0018】
こうして、ステップS5において、実際のICカードを用いたテストを行った結果、何らかの問題があれば、ステップS6を経て再びステップS1へと戻り、ファイル設計作業がやり直される。一方、テストの結果問題がなければ、ステップS6を経てステップS7の実際のカード発行の段階へと進む。すなわち、各個人に対して、個々のICカードが発行されることになる。
【0019】
さて、本発明に係る支援装置は、この図3に示す作業の中のステップS1〜S4までの作業を支援する装置である。以下、この支援装置の構成および動作について詳述する。
【0020】
図4は、本発明に係る支援装置の基本構成を示すブロック図である。この支援装置の基本構成要素は、ディスプレイ装置30、処理装置40、入力手段50、実ファイル作成指示手段60である。処理装置40は、ファイル内容記憶手段41、可否判定手段42、ステータス記憶手段43、ファイル内容設定手段44、ファイル/命令選択手段45、ステータス設定手段46によって構成されている。これらの各構成要素は、実際には、コンピュータおよびその周辺機器によって構成される。すなわち、可否判定手段42、ファイル内容設定手段44、ファイル/命令選択手段45、ステータス設定手段46、実ファイル作成指示手段60は、いずれもコンピュータに所定のソフトウエアを組み込むことによって実現される構成要素であり、ファイル内容記憶手段41およびステータス記憶手段43は、このコンピュータの内部あるいは外部記憶装置によって実現される構成要素である。また、ディスプレイ装置30は、このコンピュータに接続されたディスプレイであり、入力手段50は、このコンピュータに接続されたマウスやキーボードなどの入力装置である。なお、リーダライタ装置70およびテスト用ICカード80は、この支援装置を構成する要素ではないが、図3の流れ図におけるステップS5の処理を説明するために図示してある。
【0021】
ディスプレイ装置30には、オペレータに対しての種々の情報が提示され、入力手段50からは、オペレータからの種々の指示が入力される。ファイル内容設定手段44は、入力手段50からの指示に基づいて、各ファイルのファイル内容を設定する機能を有し、設定されたファイル内容は、ファイル内容記憶手段41に記憶される。この実施例では、ファイル名、ファイルの種類、階層構造、容量、およびセキュリティ情報によってファイル内容が構成される。ステータス記憶手段43には、各キーが解錠状態か施錠状態かを示すステータスが記憶され、ステータス設定手段46は、入力手段50からの指示に基づいて、このステータスの設定を行う。また、ファイル/命令選択手段45は、入力手段50からの指示に基づいて、所定の選択ファイルと所定の選択命令とを特定する情報を可否判定手段42に与える。可否判定手段42は、選択ファイルに対して、選択命令に応じた態様でのアクセスが可能か否かを、ファイル内容記憶手段41に記憶されている選択ファイルについてのセキュリティ情報と、ステータス記憶手段43に記憶されているステータスと、に基づいて判定し、判定結果をディスプレイ装置30に表示する機能を有する。また、実ファイル作成指示手段60は、ファイル内容記憶手段41内に記憶されたファイル内容に基づいたファイル作成を指示する命令群を生成し、この命令群をリーダライタ装置70に与える機能を有する。リーダライタ装置70からテスト用ICカード80に対して、この命令群を与えると、テスト用ICカード80内に設計どおりのファイルが生成されることになる。
【0022】
続いて、この支援装置を用いて、図3に示すソフトウエア設計作業を行う場合の手順を説明する。ここでは、図2に示す階層構造をもったファイルを設計する場合を例にとって、以下の説明を行うことにする。
【0023】
まず、ステップS1のファイル設計作業は、設計対象となる各ファイルについて、ファイル名、ファイルの種類、階層構造、容量、セキュリティ情報を、入力手段50から入力することによって行う。たとえば、図2に示すように、最上層のマスターファイルの下に、14個のファイルを作成するのであれば、この14個のファイルのそれぞれについて、図5の表に示すような情報を入力すればよい。この例では、ファイルの種類を、D(データファイル)、K(キーファイル)、F(フォルダファイル)の記号で示し、階層構造を、各ファイルについての親ファイルのファイル名で示し、容量を4桁の容量値(具体的な数値は省略)で示してある。
【0024】
一方、セキュリティ情報は、図5の表には図示を省略してあるが、個々のファイルについて、たとえば、図6に示すような情報が入力手段50から入力される。この例では、個々のファイルごとに、「読出、追記、更新、発行の4種類の態様のそれぞれについて、各態様でこのファイルをアクセスするためには、8種類のキー1〜8のうちのいずれを解錠する必要があるか」、という情報をセキュリティ情報として設定している。図6において、黒塗りの四角は解錠する必要があるキーを、白抜きの四角は解錠する必要のないキーを示しており、たとえば、このファイルを読出態様でアクセスする命令を実行する場合には、キー1,4,5の3つのキーを解錠する必要があることが示されている。
【0025】
ファイルに対するアクセス態様は、どのようなものを定義してもかまわないが、この実施例では、ファイルに対して情報の読出しを行う「読出態様」と、ファイルに対して情報を追加書き込みする「追記態様」と、ファイルに対して情報の書き換えを行う「更新態様」と、ファイルに対して更に下位のファイルを発行したり廃棄したりする処理を行う「発行態様」と、の4種類の態様を定義し、それぞれについて別個にセキュリティ情報の設定を行っている。このように、4種類のアクセス態様を定義し、8個のキーを用いることにすると、各ファイルごとに設定すべきセキュリティ情報は、図6に示すように、かなり複雑なものになる。しかしこの支援装置では、ディスプレイ装置30の画面上に、図6に示すようなテーブルを表示し、作業者からの入力を受け付けるように構成されているため、このセキュリティ情報の設定作業は非常に簡単になる。
【0026】
こうして、ステップS1におけるファイル設計作業が完了すると、図5に示すような情報(セキュリティ情報については、各ファイルごとに図6に示す情報)が、ファイル内容記憶手段41内に記憶された状態になる。したがって、ステップS2におけるファイル検証作業は、このファイル内容記憶手段41内の情報を利用して効率良く行うことができる。すなわち、作業者は、ステータス設定手段46に対して入力手段50からステータスを設定する入力を行う。このステータスは、キー1〜8の解錠/施錠状態を示すもので、ステータス記憶手段43内に記憶される。たとえば、作業者が、「キー1,4,5を解錠する」旨の入力を行ったとすれば、ステータス記憶手段43内には、図7に示すように、キー1,4,5が解錠された状態が記録される。この実施例では、ステータス設定手段46は、図7に示すステータステーブルを、ディスプレイ装置30上に表示する機能を有しており、このテーブルの各四角内にマウスカーソルを移動してクリックすることにより、その四角内の状態(黒:解錠/白:施錠)を反転させることができる。したがって、8つのキー1〜8のステータスを設定する作業は非常に簡単である。
【0027】
ファイル検証作業は、所定のステータスにおいて、所定のファイルに対して所定の命令を実行することが可能か否かを試してみることによって行われる。たとえば、図7に示すように、3つのキー1,4,5が解錠されたステータスにおいて、作業者が、入力手段50を用いてファイル/命令選択手段45に、「ファイルD1に対する読出命令の実行」を示す入力を行ったとする。すると、ファイル/命令選択手段45から可否判定手段42に対して、選択ファイル=「D1」、選択命令=「読出命令」なる情報が与えられる。可否判定手段42は、与えられた選択ファイルおよび選択命令の組み合わせが、実行可能か否かを、ファイル内容記憶手段41内のデータおよびステータス記憶手段43内のステータスに基づいて判断する。たとえば、ファイル内容記憶手段41内に、選択ファイルD1についてのセキュリティ情報として図6に示す情報が記録されており、ステータス記憶手段43内に、ステータスとして図7に示す情報が記録されていれば、選択命令実行の条件が満足されているため(図6の情報では、読出態様の命令実行には、キー1,4,5の解錠が必要であることが示されており、図7のステータスでは、キー1,4,5が解錠されていることが示されている)、可否判定手段42は、ディスプレイ装置30上に「実行可」を示す表示を行うことになる。これに対し、選択命令が他のアクセス態様の命令であった場合には、「実行不可」を示す表示を行うことになる。
【0028】
実社会の取引に用いられるICカードでは、各ファイルごとに非常に複雑なセキュリティ設定がなされる。そこで、このステップS2にファイル検証作業は、全ファイルについて、十分なセキュリティが確保されているか否かを確認する上で、非常に重要な作業となる。
【0029】
このステップS2におけるファイル検証作業の結果、セキュリティが不十分であると認識されると、ステップS3を経てステップS1へと戻り、ファイル設計作業がやり直される。一方、十分なセキュリティが確保されていると認識されると、ステップS3を経てステップS4のコマンド作成作業が実行される。すなわち、実ファイル作成指示手段60が、ファイル内容記憶手段41内の情報に基づいて所定の命令群を作成する。この命令群をリーダライタ装置70を介してテスト用ICカード80に与えることにより、テスト用ICカード80内に、設計どおりのファイルが作成されることになる。こうして、このテスト用ICカード80を用いて、ステップS5におけるテスト作業が実施される。このテストによって問題がなければ、ステップS6を経て、ステップS7において、実際のカード発行処理が行われる点は、従来の手順と同じである。
【0030】
以上のように、本発明に係る支援装置を用いれば、図3に示す作業のうち、ステップS1〜S4までの作業を非常に効率的に行うことができる。特に、ステップS2のファイル検証作業は、ディスプレイ装置30の画面上に表示された図7に示すようなステータステーブルの該当箇所をマウスでクリックすることにより任意のステータスを設定した状態で、所定のファイルおよび命令を選択する入力を行えば、選択したファイルに対して選択した命令が実行可能か否かが、直ちにディスプレイ装置30の画面上に表示されるので、スムーズな操作が可能になる。
【0031】
要するに、本発明に係る支援装置を用いれば、ステップS1のファイル設計作業およびステップS2のファイル検証作業を、コンピュータシミュレーションとして行うことができ、ステップS5におけるテスト用ICカードによるテスト作業に近い形でのテストが可能になる。しかも、ステップS5のテスト作業は、実際のテスト用ICカード80を用いたテストであるため、所定のキーを解錠する操作などは、リーダライタ装置70から所定の暗証コードをICカード側に送信する必要があるが、ステップS2のファイル検証作業では、上述したように、ディスプレイ画面上に表示された図7に示すようなステータステーブルの所定箇所をマウスでクリックするという単純な操作で、各キーの解錠/施錠状態を自由に設定することが可能になる。
【0032】
以上、本発明を図示する実施例に基づいて説明したが、本発明はこの実施例のみに限定されるものではなく、この他にも種々の態様で実施可能である。特に、図4に示したブロック図は、説明の便宜上、本発明の概念を各ブロックごとに分けて示したものであり、実際の支援装置は、ハードウエア上も、ソフトウエア上も、必ずしもこのようなブロックに分けた構成にする必要はない。
【0033】
【発明の効果】
以上のとおり本発明に係る支援装置を用いれば、情報記録媒体のソフトウエア設計作業を支援し、設計作業者の負担を軽減することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一般的なICカード10をリーダライタ装置20に接続した状態を示すブロック図である。
【図2】階層をもったファイル定義の一例を示す図である。
【図3】ICカードのソフトウエア設計作業の一般的な手順を示す流れ図である。
【図4】本発明に係る支援装置の基本構成を示すブロック図である。
【図5】図4に示す支援装置におけるファイル内容設定手段44によって設定されるファイル内容の一例を示す表である。
【図6】図5の表中のセキュリティ情報の欄の設定内容の一例を示す図である。
【図7】図4に示す支援装置におけるステータス設定手段46によって設定されるステータスの一例を示す図である。
【符号の説明】
10…ICカード
11…I/O装置
12…CPU
13…RAM
14…ROM
15…EEPROM
20…リーダライタ装置
30…ディスプレイ装置
40…処理装置
41…ファイル内容記憶手段
42…可否判定手段
43…ステータス記憶手段
44…ファイル内容設定手段
45…ファイル/命令選択手段
46…ステータス設定手段
50…入力手段
60…実ファイル作成指示手段
70…リーダライタ装置
80…テスト用ICカード
MF…マスターファイル
D1〜D7…データファイル
K1〜K4…キーファイル
F1〜F3…フォルダファイル
Claims (2)
- 階層構造が定義された複数のファイルを用いて情報を記録し、外部から所定の命令を与えることにより個々のファイルをこの命令に応じた態様でアクセスできるようにし、かつ、各態様でのファイルアクセスを可能にするためにはどのキーを解錠する必要があるかを示すセキュリティ情報を設定して用いる情報記録媒体について、そのソフトウエアを設計する作業を支援する装置であって、
オペレータに対して種々の情報を提示するためのディスプレイ装置と、
オペレータからの指示を入力する入力手段と、
この入力手段からの指示に基づいて、各ファイルについて、ファイル名、ファイルの種類、階層構造、容量、およびセキュリティ情報からなるファイル内容を設定するファイル内容設定手段と、
設定されたファイル内容を記憶するファイル内容記憶手段と、
各キーが解錠状態か施錠状態かを示すステータスを記憶するステータス記憶手段と、
前記入力手段からの指示に基づいて、前記ステータスを設定するステータス設定手段と、
前記入力手段からの指示に基づいて、所定の選択ファイルに対して所定の選択命令を実行すべき旨を示すファイル/命令選択手段と、
前記選択ファイルに対して、前記選択命令に応じた態様でのアクセスが可能か否かを、前記ファイル内容記憶手段に記憶されている選択ファイルについてのセキュリティ情報と、前記ステータス記憶手段に記憶されているステータスと、に基づいて判定し、判定結果を前記ディスプレイ装置に表示する可否判定手段と、
を備えることを特徴とする情報記録媒体のソフトウエア設計作業支援装置。 - 請求項1に記載の支援装置において、
ファイル内容設定手段によって設定したファイルを、実際にテスト用の情報記録媒体内に作成するために、ファイル内容記憶手段内の記憶内容に基づいたファイル作成を指示する命令群を生成し、この命令群を前記テスト用の情報記録媒体に与える機能をもった実ファイル作成指示手段を更に備えることを特徴とする情報記録媒体のソフトウエア設計作業支援装置。
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
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