JP3639331B2 - モノアミノ官能シリコーン剥離剤を用いた溶融定着システム - Google Patents

モノアミノ官能シリコーン剥離剤を用いた溶融定着システム Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、静電記録式記録装置における溶融定着システム、溶融定着方法、およびこの溶融定着システム用の剥離剤に関する。特定の態様において、それは、定着器部材が熱安定性フッ化水素酸エラストマーであるような溶融定着システムにおける、新規なモノアミノが優勢な官能シリコーンオイルの剥離剤としての使用に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的な静電記録式複写装置においては、複写しようとするオリジナルの光画像が、感光性部材上に静電潜像の形で記録され、この静電潜像はその後、一般にトナーとよばれる帯電熱可塑性樹脂粒子の使用により可視化される。可視トナー像は、その時は固定されていない粉末の形態であり、容易に乱されたり、あるいは破壊され得る。トナー像は、通常、感光性部材そのものであってよい支持体、または単純な紙のような他の支持シート上に固定、または溶融定着される。
【0003】
支持部材へのトナー像の固定に熱エネルギーを使用することは良く知られている。帯電トナー物質を、熱により永久的に支持体表面に溶融定着させるためには、トナー物質の構成成分が癒着し、ねばねばする点にまでトナー物質の温度を上げる必要がある。この加熱により、支持部材の繊維中、または細孔中にトナーがある程度流れ込むようになる。この後、トナー物質が冷えるにつれて、トナー物質の固化により、トナー物質が支持体にしっかりと固着される。
【0004】
一般的に、熱可塑性樹脂粒子は、トナーに使用した特定の樹脂の軟化範囲により、約90℃と約160℃の間、またはそれ以上の温度に加熱することによって基材に溶融定着される。しかしながら、基材の温度を実質的に約200℃以上に上げるのは、このような高温では、特に基材が紙である場合、基材が退色する傾向があるので好ましくない。
【0005】
帯電トナー像の熱溶融定着に対するいくつかのアプローチが、先行技術中に記載されている。これらの方法には、加圧接触した状態に保たれたローラー対、ローラーと加圧接触したベルト部材、等のようなさまざまな手段により、実質的に同時に熱と圧力をかけることが含まれる。ローラー、プレート部材、あるいはベルト部材の一方または両方を加熱することにより熱をかけることができる。熱、圧力、および接触時間の適切な組み合わせがもたらされた時に、トナー粒子の溶融定着がおきる。トナー粒子の溶融定着を遂行するためにこれらのパラメーターのバランスをとることは、当該技術分野で良く知られており、またそれらは、特定の機械、または処理条件に合うように調整することができる。
【0006】
熱をかけてトナー粒子の支持体への熱溶融定着をおこす溶融定着システムを操作する間、トナー像と支持体の両方を、ローラー対間、あるいはプレートまたはベルト部材間に形成されたニップの間を通過させる。ニップ中で同時におきる熱の移動と加圧により、トナー像の支持体上への溶融定着が行なわれる。溶融定着過程では、正常な操作中に、支持体から定着器部材へのトナー粒子のオフセットがおきないことが重要である。定着器部材へのトナー粒子のオフセットは、その後の複写サイクルにおいて、機械の他の部分、または支持体に移動して地肌を増すか、またはそこでコピーされている物を邪魔する。いわゆる「ホットオフセット」は、トナー粒子が液化する点にまでトナーの温度が上がり、また定着器部材上の残存部分を用いての溶融定着作業中に溶融したトナーの分離がおきる時に生じる。ホットオフセット温度、またはホットオフセット温度の低下は、定着器ローラーの剥離特性の尺度であり、したがって必要な剥離をもたらすには、低表面エネルギーを有する溶融定着表面を生成するのが望ましい。定着器ローラーの良好な剥離特性を保証し、また保持するために、定着器部材に剥離剤を塗布して、溶融定着作業中にトナーが定着器ローラーから完全に剥離されることを保証するのが習慣となっている。一般的には、これらの物質を、例えばシリコーンオイルの薄いフィルムとして塗布して、トナーのオフセットを防ぐ。
【0007】
定着器部材、剥離剤、および溶融定着システムにおける最近のいくつかの進展が、レンツ(Lentz)等に許可された米国特許第4,264,181号、レンツ(Lentz)に許可された米国特許第4,257,699号、およびシノー(Seanor)に許可された米国特許第4,272,179号に記載されている。これらの特許はすべて、本出願の被譲渡人に普通に譲渡されている。これらの特許には、定着器部材、および熱可塑性樹脂トナー像を基材に溶融定着させる方法が記載されている。ここでは、官能基を有する高分子剥離剤が定着器部材の表面に塗布される。定着器部材は、求核付加硬化剤により硬化された、含金属フィラーを有するエラストマー状の表面をもつベース部材からなる。このような定着器部材の典型的なものは、ビスフェノール硬化剤で硬化された、分散した酸化鉛フィラーを含むポリ(フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン)コポリマーを有し、またメルカプト官能ポリオルガノシロキサンオイルを剥離剤として利用するアルミニウムベース部材である。それらの溶融定着法においては、高分子剥離剤は、定着器部材表面のエラストマー、または樹脂物質中に分散された含金属フィラーと相互に作用して、熱可塑性樹脂トナーを剥離し、かつ熱可塑性樹脂トナーがエラストマー物質そのものに接触するのを防ぐ熱安定性フィルムを形成する官能基(化学的に反応性のある官能基ともよばれる)を有する。定着器部材表面上のエラストマー、または樹脂中に分散された金属酸化物、金属塩、合金、またはその他の適当な金属化合物フィラーは、高分子剥離剤の官能基と相互に作用する。含金属フィラー物質は、官能基を有する高分子剥離剤を分解したり、あるいはそれに対していかなる悪影響も与えないのが好ましい。含金属フィラーを有するエラストマーと、官能基を有する高分子剥離剤との間の反応のために、静電記録式複写機の速度が早くても、優れた剥離、および高品質のコピーの作成が達成される。
【0008】
含まれるメカニズムは完全には分からないが、エラストマー表面と、その中に分散された金属酸化物、金属塩、金属、合金、またはその他の金属化合物とを有する定着器部材の表面に、官能基を有する或る高分子液を塗布すると、エラストマー中のフィラーの金属と、官能基を有する高分子液との間に相互作用(化学反応、配位錯体、水素結合、またはその他のメカニズム)があるので、液状または液体の形態の官能基を有する高分子剥離剤が、定着器部材の表面上にとどまるという優れた性質を有する、剥離に優れた表面をもたらす。メカニズムにかかわらず、エラストマー表面上に、エラストマーの組成物や、官能基を有する高分子剥離剤の組成物とは異なるフィルムが形成されるようである。しかしながら、このフィルムは、トナーよりも、金属化合物を含有するエラストマーに対しての親和力が大きく、それによりエラストマー表面上に優れた剥離被覆物をもたらす。この剥離被覆物は、加熱したトナーとそれが適用される基材との間の接着力、およびトナーの凝集力よりも小さい凝集力を有する。
【0009】
定着器部材と相互に反応して、帯電熱可塑性樹脂トナーに対して優れた剥離特性を有し、熱に対して安定で回復可能な自己清掃層を形成する、官能基を有する高分子剥離剤の使用が、インペリアル(Imperial)等に許可された米国特許第4,029,827号、ストレラ(Strella)等に許可された米国特許第4,101,686号、および、これもまたストレラ(Strella)等に許可された米国特許第4,185,140号に記載されている。これらの特許はすべて、本発明の被譲渡人に普通に譲渡されている。特に米国特許第4,029,827号は、メルカプト官能性を有するポリオルガノシロキサンの剥離剤としての使用に向けられている。米国特許第4,101,686号と第4,185,140号は、カルボキシ、ヒドロキシ、エポキシ、アミノ、イソシアネート、チオエーテルおよびメルカプト基のような官能基を剥離液として有する高分子剥離剤に向けられている。これらの溶融定着システムのいくつかは、重要な商業的応用を享受している。例えば、酸化鉛で充填されたビトン(Viton)E45(フッ化ビニリデン77重量パーセントとヘキサフルオロプロピレン23重量パーセントとのコポリマー)から作られた定着器ローラーは、メルカプト官能ポリオルガノシロキサン剥離剤を使用する溶融定着システムにうまく使用されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
メルカプト官能ポリオルガノシロキサン剥離剤をゼロックス(Xerox)5775カラー複写機に使用したところ、コピー枚数がたった約30,000枚という予想外、かつ許容しがたい低剥離寿命が得られ、したがって、別の官能剥離剤を含む代替溶融定着システムの研究が企てられた。研究された第一の代替剥離剤の一つは、活性分子ごとに3から5のオーダーの比較的大きい数の官能アミノ基を有するアミノ官能ポリオルガノシロキサン剥離剤であった。この剥離剤を、ゼロックス(Xerox)5775カラー複写機で4個の新しいローラーを用いて評価したところ、どの場合も約3,000枚印刷したところで剥離不良を示した。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、溶融定着システム、溶融定着方法、および新規の剥離剤が静電記録式印刷機用に提供される。特に新規の剥離剤は、モノアミノが優勢な官能ポリオルガノシロキサン剥離剤からなる。メカニズムは十分には分かっていないが、アミノ官能オイルは、アミノ基と反応し得るあらゆるトナーと反応することができると考えられる。多官能アミノシリコーンオイル分子は、トナーと定着器ローラー表面の両方と同時に反応することができ、それによりトナーが定着器ローラー表面に接着されて、トナーのオフセットをさらに生じるバイアスが形成され、定着器ローラーの機能的な寿命が縮まる。一官能アミノオイル分子は、トナーかフッ素エラストマーローラー表面のどちらかと反応することができるが、両方とは反応できない。このために、それはトナー/定着器ローラーの接着剤としては作用し得ない。
【0012】
本発明の本質的な見地において、実質的にモノアミノである官能オイルは、式
【化5】
Figure 0003639331
(ここで、50≦n≦200、pは1から5であり、R1、R2およびR3は、炭素原子を1個から18個有するアルキル基およびアリールアルキル基からなる群から選ばれ、R4は、炭素原子を1個から18個有するアルキル基およびアリールアルキル基、ならびにオルガノシロキシ繰り返し単位を1個から100個有するポリオルガノシロキサン鎖からなる群から選ばれ、またR5は、水素、炭素原子を1個から18個有するアルキル基およびアリールアルキル基からなる群から選ばれる)を有する。式中、ポリオルガノアミノシロキサン官能鎖の少なくとも85%、好ましくは約93%が1に等しいpを有し、また基
【化6】
Figure 0003639331
が鎖に沿って不規則に位置している。該オイルは、該フッ化水素酸エラストマー表面と相互に作用して該トナーに界面障壁層を、また該表面から該トナーを剥離するために低表面エネルギーフィルムをもたらす。
【0013】
本発明の代表的な定着器部材を、図1に示されている定着器集成装置と共に記載する。
【0014】
ここで数字1は、アルミニウム、陽極酸化アルミニウム、鋼鉄、ニッケル、銅等のような適当な金属から作られた中空のシリンダー、またはコアであって、その中空部中に配置され、シリンダーと同一の広がりをもつ適当な加熱要素6を有する適当なベース部材4上にあるエラストマー表面2からなる定着器ローラーを示す。バックアップまたは加圧ローラー8は、定着器ローラー1と共にニップ、または接触弧10を形成し、そこにコピー用紙、またはその他の支持体12を、その上のトナー像14が定着器ローラー1のエラストマー表面2と接触するように通す。図1に示されているように、バックアップローラー8は、剛性鋼鉄コア16を、その上の柔軟な表面層18と共に有する。サンプ20には、室温では固体、または液体であってよいが、作業温度では液体である高分子剥離剤22が入っている。
【0015】
図1に示されている、高分子剥離剤22をエラストマー表面2に塗布するための態様においては、剥離剤22をサンプ20からエラストマー表面に運ぶために、図示されている方向に回転するように取り付けた二つの剥離剤送出ローラー17と19が用意されている。図1に示されているように、ローラー17はサンプ20中に部分的に浸されており、またその表面に乗せて、剥離剤をサンプから送出ローラー19に運ぶ。計量ブレード24を用いることにより、高分子剥離液の層を初めに送出ローラー19に、またその後エラストマー2に、サブマイクロメーターの厚さから数マイクロメーターの厚さの範囲にコントロールされた厚さで塗布することができる。このように計量ブレード24により、約0.1から2マイクロメーター、またはそれ以上の厚みの剥離液を、エラストマー2の表面に塗布することができる。
【0016】
ここで用いられるように、定着器部材という語は、ローラー、ベルト、平らな面、または熱可塑性トナー像を適当な基材に固定するのに使用されるその他の適当な形状であってよい。それは定着器部材、加圧部材、または剥離剤供与部材の形態をとることができるが、シリンダー状のローラーの形であるのが好ましい。一般的には、定着器部材は、銅、アルミニウム、鋼鉄等のような中空のシリンダー状の金属コアで作られ、また選ばれた硬化フッ素エラストマーの外部層を有する。あるいは、基材と硬化エラストマーの外部層との間に、所望ならば、一層、またはそれ以上の中間層があってもよい。このような層に適当な熱的、および機械的特性を有する代表的な物質には、シリコーンエラストマー、フッ素エラストマー、EPDM、およびテフロンPFAのスリーブを取り付けたローラーが含まれる。
【0017】
本発明によるモノアミノが優勢な官能オイル剥離剤は、式
【化7】
Figure 0003639331
(ここで、50≦n≦200、pは1から5であり、R1 、R2 およびR3 は、炭素原子を1個から18個有するアルキル基およびアリールアルキル基からなる群から選ばれ、R4 は、炭素原子を1個から18個有するアルキル基およびアリールアルキル基、ならびにオルガノシロキシ繰り返し単位を1個から100個有するポリオルガノシロキサン鎖からなる群から選ばれ、またR5 は、水素、炭素原子を1個から18個有するアルキル基およびアリールアルキル基からなる群から選ばれる)により表すことができる。式中、ポリオルガノアミノ官能シロキサン鎖の少なくとも85%、好ましくは約93%が1に等しいpを有し、また基
【化8】
Figure 0003639331
が鎖に沿って不規則に位置している。該オイルはモノアミノが優勢な活性分子を有していて、該フッ化水素酸エラストマー表面と相互に作用して該トナーに界面障壁層を、また該表面から該トナーを剥離するために低表面エネルギーフィルムをもたらす。もしアミノ基がトナーとだけ反応するのであれば、コピー用紙と共に少なくとも一部分が運び去られる界面障壁層も形成される。アミノ官能オイルは、似たような反応によりフッ化水素酸エラストマー、またはトナーと反応でき、主な反応は二重結合の付加反応である。理想的な場合には、上の式中、pは1に等しいが、実際的には、すべての鎖についてpを1に限定するのは困難であり、したがって、p=1−5という小さい範囲が条件として指定される。モノアミノが優勢な官能オイルという語により、我々は、官能オイル分子の85%以上、好ましくは約93%がシリコーンオイル分子上にアミノ基を1個、そして1個だけ有し、それゆえ活性シリコーンオイル分子の15%未満が、それらと共役結合したアミノ基を1個より多く有することを意味する。これは、b=10のとき多官能価が10であってよく、また活性シリコーンオイル分子の100%が、それらと共役結合したアミノ基を1個より多く有する、上で引用した米国特許第5,157,445号中の式IIのオルガノポリシロキサンと著しく対立する。
【0018】
アミノ官能オイルを濃縮物として別に製造し、その後、非官能ポリオルガノシロキサンオイルで希釈して、シロキサンの大きな基の中にアミンが分布した混合物を生成してもよい。濃縮物を作る際には、モノ−、ジ−、およびトリ−アミノのアミン官能性のより広い分布が得られる。あるいは、そして好ましくは、モノアミノ官能オイルを処方する際には、アミン濃度の望ましいレベル、および最終分子量を決定し、また適切な量のアミンを含有するモノマー、アミンを含有しないモノマー、トリメチルシロキシ末端遮断剤、および重合触媒を反応容器に添加する。この手順は、活性分子ごとのモノアミノ官能性を最大とする。この手順とは対照的に濃縮物を初めに調製する場合は、濃縮物が調製されているので、より多くの部分が多官能性となる機会が大きく、また初めの濃縮物中にアミン基がより多く存在し、それにより活性鎖ごとのアミノ官能性が大きくなる機会ができる。これとは対照的に、バッチ法、ワンポット法、またはワンショット法においては、添加する成分の量は、活性分子ごとにモノアミノ官能性をもたらすか、またはそれを最大とするように変えられる。バッチ法かワンショット法が好ましいが、本発明によるモノアミノ官能オイルを、添加する成分の添加時機や量を適切にコントロールしながら連続生産法で作るのも可能である。バッチ法かワンショット法によるアミノ官能オイルの製造に関しては、上で引用した「モノアミノ官能シリコーン剥離剤を用いる溶融定着システム(Fusing System With Monoamino Functional Silicone Release Agent) 」と題された米国特許出願第08/164,853号が注目される。これはここで、本出願に参考として特に、また全体的に組み入れられている。
【0019】
ここで用いられる活性分子という語により、我々は、アミノ官能基をその化学構造の一部として有するシリコーンオイル分子を定義するつもりである。代表的な実質的にモノアミノである官能ポリオルガノシロキサンには、特に、メチルアミノプロピルメチルシロキサン、エチルアミノプロピルメチルシロキサン、ベンジルアミノプロピルメチルシロキサン、ドデシルアミノプロピルメチルシロキサン、アミノプロピルメチルシロキサンが含まれる。これらのモノアミノポリオルガノシロキサンは、一般的には、20℃で約100から約1,000センチポイズの粘度を有する。これにより、オイルの取扱い、特にそれを定着器ローラーに送出する際の扱いが容易となる。
【0020】
好ましい態様においては、アミノ官能性は、アミノプロピルメチルシロキシ基によりもたらされる。式からわかるように、官能性のアミノ基は、トリメチルシロキシ末端基の横にあるポリオルガノシロキサンの主鎖中のいくつかの不規則な点にある。また式からわかるように、アミノ基は、水素の一つがR5 により置換された第一アミン、または第二アミンであってよい。
【0021】
勿論、アミノ官能オルガノシロキサン鎖がオルガノシロキシ基を合計約0.01から0.30モルパーセント含んでいれば、上記のモノアミノ官能シロキサンは、非官能オルガノシロキサンオイルと共に使用できるということが分かるであろう。
【0022】
本発明によるFKMフッ化水素酸エラストマーは、ASTMのD1418−90中に定義されているものであり、ポリマー鎖にフルオロ、およびペルフルオロアルキルまたはペルフルオロアルコキシ置換基を有する、ポリメチレンタイプのフッ素ゴムを指す。
【0023】
本発明の実施に有用なフッ素エラストマーは、上で引用したレンツ(Lentz)に許可された米国特許第4,257,699号に詳細に記載されているもの、ならびに普通に譲渡された同時係属のエディー(Eddy)等に許可された米国特許第5,017,432号、およびフィンスターワルダー(Finsterwalder)等に許可された米国特許第5,061,965号に記載されているものである。これらに記載されているように、これらのフッ素エラストマー、特にフッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレンおよびテトラフルオロエチレンのコポリマーやターポリマーの類からのものは、ビトン(Viton)A、ビトン(Viton)E60C、ビトン(Viton)E430、ビトン(Viton)910、ビトン(Viton)GH、およびビトン(Viton)GFのようなさまざまな名称で、商業的に知られている。ビトン(Viton)という名称はデュポン社(E.I.DuPont de Nemours,Inc.)の登録商標である。他の商業的に入手可能な物質には、フルオレル(Fluorel)2170、フルオレル(Fluorel)2174、フルオレル(Fluorel)2176、フルオレル(Fluorel)2177、およびフルオレル(Fluorel)LVS76が含まれる。フルオレル(Fluorel)は3M社(3M Company)の登録商標である。さらにその他の商業的に入手可能な物質には、モンテジソン社(Montedison Speciality ChemicalCo.)から入手可能なFOR−60KIR、FOR−LHF、NM、FOR−THF、FOR−TFS、TH、TN505といったテクノフロン(Tecnoflons)の外に、3M社(3M Company)から入手可能なポリ(プロピレンテトラフルオロエチレン)のアフラス(Aflas)とポリ(プロピレンテトラフルオロエチレン−フッ化ビニリデン)のフルオレル(Fluorel)II(LII900)も含まれる。一般的に、これらのフッ素エラストマーは、上で引用したレンツ(Lentz)の特許、およびエディー(Eddy)等に許可された米国特許第5,017,432号にさらに詳細に記載されているビスフェノール架橋剤とオルガノホスホニウム塩促進剤とのような、求核付加硬化系により硬化される。
【0024】
特に好ましい態様においては、フッ素エラストマーは、デュポン社(E.I.DuPont de Nemours,Inc.)から入手可能なビトン(Viton)GFのような、比較的少量のフッ化ビニリデンを有するものである。ビトン(Viton)GFは、フッ化ビニリデンを35重量パーセント、ヘキサフルオロプロピレンを34重量パーセント、テトラフルオロエチレンを29重量パーセント、硬化部位モノマーを2重量パーセント有している。それは通常、従来からの脂肪族過酸化物硬化剤で硬化する。
【0025】
アミノ官能オイルは、アミノ基と反応し得るあらゆるトナー、およびフッ素エラストマー定着器ローラー表面と反応できると考えられる。多官能アミノシリコーンオイル分子は、トナー中の不飽和と定着器ローラー表面の両方と同時に反応することができ、それによりトナーを定着器ローラー表面に接着させて、トナーのオフセットをさらに生じるバイアスを形成し、定着器ローラーの機能的な寿命を縮める。したがって多官能アミノオイルは、トナーとFKMフッ化水素酸エラストマー定着器ローラー表面との間の接着剤として作用することができる。モノ官能アミノオイル分子は、トナーかフッ素エラストマーローラー表面のどちらかと反応することができるが、両方とではなく、そのために、それはトナー/定着器ローラーの接着剤としては作用し得ない。さらに、アミノ基はフッ化水素酸エラストマー鎖を攻撃して、フッ化水素酸エラストマー鎖のフッ素原子を置換することにより、窒素原子と鎖との間に化学結合を形成すると考えられる(「フッ素ポリマー(Fluoropolymers) 」、ウオール(L.Wall)編、294頁、ウイレイ−インターサイエンス(Wiley-Interscience) 、1972年を参照のこと)。官能オイルのいくらかは紙により運び去られるか、または使い尽くされて消費されるが、剥離剤の連続的な再供給は、アミノ基とフッ化水素酸エラストマーとの間の化学的結合が保持されるのを保証する。
【0026】
フッ化水素酸エラストマーとモノアミノ官能ポリオルガノシロキサンのこの組み合わせは、メルカプトポリオルガノシロキサン剥離剤を用いる場合のように、剥離剤のためのアンカー部位として作用するために溶融定着表面に存在する必要のある金属、金属酸化物、またはその他の反応性フィラーがないといった、いくつかの大きな利点を有する。溶融定着表面の製作が単純化されるのに加えて、フッ素エラストマー上の電荷コントール剤の性能低下効果が減少して溶融定着性能が高められ、また重金属の使用による安全性への配慮が排除される。さらに、硫化水素の存在の結果としての硫黄臭がないという点で、メルカプト官能剥離液がもつような悪臭がない。さらに、モノアミノ官能ポリオルガノシロキサンはフッ化水素酸エラストマーのどの部分とも反応することができ、またこれらの物質の多くに一般的にもたらされる、酸化銅のような反応性部位の存在を必要としない。モノアミノ官能オイルは、勿論、金属、または金属酸化物の反応性部位を含むフッ化水素酸エラストマー溶融定着表面と共に使用できる。その上、メルカプト官能剥離剤は、広がらなければならない比較的小さい反応性部位から始まって、アンカー部位が必要であり、また剥離液が部位間を橋懸けしなけらばならないので、メルカプト官能液が溶融定着表面全体を完全に被覆するのをより困難にする。このように、同じ総数のアミノ基に対して、活性な鎖がより多くあり、またアミノ基は、溶融定着表面全体に比較的薄い単一層として分配される。
【0027】
以下の実施例は、本発明による溶融定着システム、方法、および剥離剤をより明らかにし、また説明するものである。特にことわりのない限り、部、およびパーセンテージはすべて重量による。特にことわりのない限り、試験はすべて同じ方法で、また同じ装置を用いておこなった。
【0028】
【実施例】
記載した剥離剤は、ウェブが20cm/秒で連続的に走行する、3インチの卓上ウェブ固定器で評価した。定着器ローラーの被覆物は、いかなる酸化銅も含有しないデュポン(DePont)のVC−50硬化系を用いて硬化した、0.050mmのビトン(Viton)GFの剥離オーバーコートを含む、1.5mmの熱伝導性シリコーンラバーからなっていた。ビトン(Viton)GF層は、重金属酸化物を含有していなかった。定着器ローラーは直径が50mmであり、表面速度20cm/秒で、また像の固定が可能となる温度より30°F高い360°Fの運転温度で操作した。
【0029】
ポリエステルトナーを使用し、また像の被覆面積は50%とした。紙担体上の像としてのトナーのレベルは1.0mg/cm2 であった。ポリエステルはフマール酸を用いて生成したため、それは不飽和であった。トナーは、トナーの流れを促進するために適当な量のエアロジル、およびトナーの現像に必要な摩擦特性をもたらすために電荷コントロール剤を含有させた。トナー像の一部が定着器ローラーに付着するようになり、またその後、定着器ローラーの次の回転で紙に転写されると、不良やホットオフセットが生じる。
【0030】
以下は、上記の実験に用いられた二種類のアミノ官能シリコーンオイル剥離剤の実行可能な合成例である。
【0031】
〔実施例1〕
350csアミノ官能シリコーンオイルの製造(希釈しない例)
オクタメチルシクロテトラシロキサン13.5kg、アミノプロピルメチルシロキサン11.7g、トリメチルシラノール180g、およびシラノール酸カリウムが0.01重量%である混合物を生成するのに十分な量のシラノール酸カリウムを、還流カラムを取り付けた反応容器に入れて150℃で7時間加熱する。冷却し、重炭酸アンモニウムで中和して、平均分子量13.65kg/モル、粘度350csを有する0.055モル%のアミノシリコーンオイルを生成する。アミノ官能シリコーンオイル分子のアミノ基を一つ、そして一つだけ有する部分は、計算すると96%となる。この一般的な手順により作られたアミノオイルは、上記の試験に用いた場合、500K枚印刷してもホットオフセットを生じなかった。
【0032】
〔実施例2〕
350csアミノ官能シリコーンオイルの製造(希釈した例)
オクタメチルシクロテトラシロキサン1.35kg、アミノプロピルメチルシロキサン14.4g、トリメチルシラノール18g、およびシラノール酸カリウムが0.01重量%である混合物を生成するのに十分な量のシラノール酸カリウムを、還流カラムを取り付けた反応容器に入れて150℃で7時間加熱する。冷却し、重炭酸アンモニウムで中和して、平均分子量13.65kg/モル、粘度350csを有する0.67モル%のアミノシリコーンオイルを生成する。アミノ官能シリコーンオイル分子のアミノ基を一つ、そして一つだけ有する部分は、計算すると62%となる。このアミノオイル濃縮物(1.382kg)のすべてを、その後、350csの非官能ポリジメチルシリコーンオイル12.438kgに添加して、アミンを望ましいレベルである0.067モル%とする。この一般的な手順と同様に作られたアミノオイルは、上記の試験に用いた場合、53,000枚印刷しただけでホットオフセットを生じた。
【0033】
〔実施例3a〕
比較として、活性シロキサン鎖ごとに官能基を平均約3個有するアミノプロピルメチルシロキシ基を約0.21モルパーセント有し、活性鎖の18%だけがモノアミノであるアミノ官能ポリオルガノシロキサン剥離剤を、同じ試験に付したところ、印刷枚数2,000枚未満という非常に低い剥離寿命であった。
【0034】
〔実施例3b〕
また比較として、実施例3aと類似しているが、活性シリコーン鎖ごとに官能基を約3個もたらすアミノプロピルメチルシロキシ基を0.07モルパーセント有するアミノ官能ポリオルガノシロキサン剥離剤を評価した。この場合も、活性鎖の18%だけがモノアミノであった。同じ試験に付したところ、この剥離剤は約1,000枚印刷したところで機能が低下した。
【0035】
〔実施例4〕
また比較として、ゼロックス(Xerox)5090メルカプト官能オイルについて、より遅い処理速度6.25cm/秒で同じウェブ固定試験をおこなった。この速度により、ニップ休止が、他のウェブ固定試験では21ミリ秒であるのに較べ、80ミリ秒となり、またより遅い速度のために定着器温度が305°Fとなった。ビトン(Viton)GF/定着器ローラーは、酸化銅を15pph有していた。上の例で述べたようにポリエステルトナーと共に用いたところ、印刷枚数5枚以内で不良が認められた。
【0036】
【発明の効果】
上の実施例から容易にわかるように、ポリオルガノアミノ官能基を一つ、そして一つだけもつアミノ官能シリコーンオイル分子を有する剥離剤は、高容量、高速度、高品質の静電記録式の機械に要求される寿命の特色である、500,000枚印刷してもホットオフセットのない、劇的に長い寿命をもたらす。実施例Iはこのことを、アミノ官能オイル分子のアミノ基を一つ、そして一つだけ有する96%の部分により例証している。このアミノ官能オイルは、バッチ法により調製した。
【0037】
比較として、実施例2の濃縮物は、アミノ基を一つ、そして一つだけ有するアミノ官能シリコーンオイル分子が62%となるように調製され、その後希釈され、53K枚印刷しただけで不良を生じた。ある一定の用途には明らかに受け入れられるものの、それは、高品質印刷物を生じる高容量、高速度の機械においては受け入れられない。実施例3aと3bは、活性鎖の18%のみがモノアミンである場合、アミノ官能オイルの剥離寿命は非常に低いことを例証している。実施例4は、従来からのメルカプト官能オイルの剥離寿命は実質的に存在しないことを例証している。また、実施例1、2、3aおよび3bの比較により、一官能性が減少するにつれて、不良を生じるまでの寿命に、対応する減少のあることが分かる。
【0038】
したがって、本発明によれば、実質的に改良された溶融定着システム、方法、および剥離剤、特に、多官能アミノ剥離剤の剥離性能が劇的に改良されたシステムが提供される。さらに、ポリオルガノシロキサン鎖ごとの官能アミノ基の数を、鎖の少なくとも85%、好ましくは約93%において、一つ、そして一つのみに限定することにより、剥離剤がフッ化水素酸エラストマー溶融定着面とトナーの二つを接着するようにこれら両方と反応して、剥離の望ましい特性がオフセットにより不良とされる機会が妨げられる。もっとも重要なことは、シリコーン剥離剤中のこの高い度合いのアミノ一官能性により、本発明による溶融定着システムが、高速度、高容量、および高品質印刷機にまで広く使用できることである。その上、メルカプト官能液を固定するための反応性部位として作用する金属、または金属酸化物フィラーが溶融定着表面中に必要とされないので、製作コストの低減が、電荷コントロール剤による反応性の減少や無臭と共に、上で述べた性能の改良のほかに達成される。
【0039】
本発明を、具体的、かつ好ましい態様により詳細に記述してきたが、さまざまな修正や変更は技術者にとっては明らかであろうと思われる。したがって、当業者に容易に想起されるような修正や態様はすべて、添付の特許請求の範囲に含まれるものとする。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による定着器部材を用いることのできる定着器システムの断面図である。
【符号の説明】
1 定着器ローラー 2 エラストマー表面
4 ベース部材 6 加熱要素
8 加圧ローラー 10 ニップ
12 支持体 14 トナー像
16 剛性鋼鉄コア 17 送出ローラ
18 表面層 19 送出ローラ
20 サンプ 22 剥離材
24 計量ブレード

Claims (3)

  1. 静電記録式記録装置において、熱可塑性樹脂トナーを基材に溶融定着させるための、熱安定性FKMフッ化水素酸エラストマー表面を有する定着器部材に用いる、式
    Figure 0003639331
    (ここで、50≦n≦200、pは1から5であり、R1、R2およびR3は、炭素原子を1個から18個有するアルキル基およびアリールアルキル基からなる群から選ばれ、R4は、炭素原子を1個から18個有するアルキル基およびアリールアルキル基、ならびにジオルガノシロキシ繰り返し単位を1個から100個有するポリオルガノシロキサン鎖からなる群から選ばれ、またR5は、水素、炭素原子を1個から18個有するアルキル基およびアリールアルキル基からなる群から選ばれる)を有し、式中、ポリオルガノアミノ官能シロキサン鎖の少なくとも85%が1に等しいpを有し、また基
    Figure 0003639331
    が鎖に沿って不規則に位置しているアミノ官能オイルからなる液状剥離剤であって、該フッ化水素酸エラストマー表面と相互に作用して該トナーに界面障壁層を、また該表面から該トナーを剥離するために低表面エネルギーフィルムをもたらす剥離剤。
  2. ポリオルガノアミノ官能シロキサン鎖の少なくとも約93%が1に等しいpを有している、請求項1の剥離剤。
  3. 高温に加熱した熱安定性FKMフッ化水素酸エラストマー溶融定着表面を用意し、式
    Figure 0003639331
    (ここで、50≦n≦200、pは1から5であり、R1、R2およびR3は、炭素原子を1個から18個有するアルキル基およびアリールアルキル基からなる群から選ばれ、R4は、炭素原子を1個から18個有するアルキル基およびアリールアルキル基、ならびにジオルガノシロキシ繰り返し単位を1個から100個有するポリオルガノシロキサン鎖からなる群から選ばれ、またR5は、水素、炭素原子を1個から18個有するアルキル基およびアリールアルキル基からなる群から選ばれる)を有し、式中、ポリオルガノアミノ官能シロキサン鎖の少なくとも85%が1に等しいpを有し、また基
    Figure 0003639331
    が鎖に沿って不規則に位置しているアミノ官能オイルからなる液状剥離剤であって、該フッ化水素酸エラストマー表面と相互に作用して該トナーに界面障壁層を、また、該表面から該トナーを剥離するために低表面エネルギーフィルムをもたらす剥離剤のフィルムを該エラストマー表面上に形成し、基材上のトナー像を、フィルムで覆われた、加熱したエラストマー表面に接触させて該トナー像を該基材に溶融定着させ、そして該トナーを冷却することからなる、熱可塑性樹脂トナー像を基材に溶融定着させる方法。
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