JP3640466B2 - ユニット建物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高力ボルトによる接合構造を用いたユニット建物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、建物等の構造物の接合構造として、複数の被接合材にボルト下穴を設け、このボルト下穴に挿通される高力ボルト(高力六角ボルト、トルシア型高力ボルト等)とナットによりそれらの被接合材を摩擦接合するものがある(特開平2-210143号)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
然しながら、高力ボルトによる接合構造では、被接合材間に一定の摩擦接合力を確保可能とするため、ボルト、ナット、座金の形状、材質だけでなく、被接合材に設けるボルト下穴径もボルト呼び径+ 2mmまでとする許容範囲が規定されている。
【0004】
即ち、図2は高力ボルト1、ナット2、座金3を用いて、 3枚の被接合材4A、4B、4Cを摩擦接合により締結するものである。5は被接合材4A〜4Cに設けたボルト下穴である。図2(A)はボルト下穴5の径5daが許容範囲にある標準的な接合仕様であり、被接合材4A〜4Cの内部への高力ボルト1の軸力伝達範囲は、高力ボルト1の頭部1Aの外縁を始点とする斜線L1と座金3の外縁を始点とする斜線L2とで囲まれ、被接合材4Aと4Bの摩擦接合の接触面積A1aと被接合材4Aと被接合材4Cの摩擦接合の接触面積A2aは図示の通りである。これに対し、図2(B)はボルト下穴5の径5dbが許容範囲を超えて拡大した場合であり、被接合材4Aと被接合材4Bの摩擦接合の接触面積A1bと被接合材4Aと被接合材4Cの摩擦接合の接触面積A2bは図示の通り、図2(A)の標準仕様の場合より減少する。このため、図2(B)のボルト下穴5の径が拡大した場合には、被接合材4Aと被接合材4B、被接合材4Aと被接合材4Cの摩擦接合の接触面積が減少した分、ボルト軸力の伝達範囲が減少し、摩擦接合力の低下、ひいては締結強度の低下を招く。
【0005】
従って、高力ボルトによる接合構造の実施にあっては、被接合材のボルト下穴を工場等でプレ加工するに際し、高い加工精度が要求される。逆にその加工精度が確保できないときには、現場合わせ、現場加工により対応する他にないという不都合がある。
【0006】
本発明の課題は、高力ボルトによる補強梁の接合構造を備えたユニット建物において、ボルト下穴径の許容範囲を拡大し、ボルト下穴の工場等でのプレ加工率を高くし、施工性を大幅に向上することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の本発明は、複数の建物ユニットを隣接設置して構築されるユニット建物において、左右の一方側にて相隣る2個の建物ユニットの梁の間から左右の他方側にて相隣る建物ユニットの梁の間に渡るように補強梁を配置し、補強梁を挟んで相対する2個の建物ユニットそれぞれの梁と、補強梁のそれぞれに許容範囲より大きな径のボルト下穴を設け、高力ボルトの頭部と建物ユニットの梁の間、ナットと建物ユニットの梁の間のそれぞれに補強座金を介装し、前記ボルト下穴に挿通される高力ボルトとナットにより補強梁をそれら建物ユニットの梁に摩擦接合してなるようにしたものである。
【0008】
請求項2に記載の本発明は、複数の建物ユニットを隣接設置して構築されるユニット建物において、複数の建物ユニットそれぞれに定めた少なくとも1個の柱省略コーナー部を柱省略接合部にて互いに突き合せて隣接配置し、上記隣接する建物ユニットの柱省略接合部を含む同一面内に位置する左右の一方側にて相隣る2個の建物ユニットの天井梁の間から左右の他方側にて相隣る天井梁の間に渡るように補強梁を配置し、補強梁を挟んで相対する2個の建物ユニットそれぞれの天井梁と、補強梁のそれぞれに許容範囲より大きな径のボルト下穴を設け、高力ボルトの頭部と建物ユニットの天井梁の間、ナットと建物ユニットの天井梁の間のそれぞれに補強座金を介装し、前記ボルト下穴に挿通される高力ボルトとナットにより補強梁をそれら建物ユニットの天井梁に摩擦接合してなるようにしたものである。
【0009】
請求項3に記載の本発明は、請求項1又は2記載の本発明において更に、前記補強座金は、ボルト下穴径が許容範囲内における、高力ボルトの軸力伝達範囲から決定される被接合材の摩擦接合の接触面積と同等以上を確保可能な外径と肉厚を有してなるものである。
【0010】
請求項1、2に記載の本発明によれば下記(a)、(b)の作用がある。
(a)高力ボルトの頭部と建物ユニットの梁の間、ナットと建物ユニットの梁の間のそれぞれに補強座金を介装したことにより、補強梁と建物ユニットの梁の内部への高力ボルトの軸力伝達範囲を拡張し、補強梁と建物ユニットの梁に設けるボルト下穴の径がたとえ標準仕様より大きくなっても、補強梁と建物ユニットの梁の間の摩擦接合の接触面積を標準仕様と同等以上に大きくできる。これにより、補強梁と建物ユニットの梁の間の摩擦接合力を大きく、ひいては締結強度を大きくできる。
【0011】
(b)上記(a)より、被接合材たる補強梁と建物ユニットの梁のボルト下穴径の許容範囲を大きくとることができ、ボルト下穴の工場等でのプレ加工率を高くすることができる。従って、ボルト下穴の現場加工を行う必要がなくなり、施工性を大幅に向上できる。
【0012】
請求項3に記載の本発明によれば下記(c)の作用がある。
(c)補強座金の外径をボルト下穴径が許容範囲内における、高力ボルトの軸力伝達範囲から決定される被接合材の摩擦接合の接触面積と同等以上を確保可能な大径とすることにより、被接合材の内部への高力ボルトの軸力伝達範囲を拡張し、被接合材間の摩擦接合の接触面積を拡大できる。
【0013】
また、補強座金の肉厚をボルト下穴径が許容範囲内における、高力ボルトの軸力伝達範囲から決定される被接合材の摩擦接合の接触面積と同等以上を確保可能に増肉することにより、高力ボルトの軸力を被接合材の接触面に確実に伝達し、且つ補強座金自体の変形を抑制できる。
【0014】
また、補強座金の内径は、高力ボルトの軸が挿入可能な程度の軸径であるほうが締結強度上より好ましい。
【0015】
また、請求項1〜3に記載の本発明によれば、さらに下記(d)の作用がある。
(d)高力ボルトを用いて建物ユニットに補強梁を摩擦接合する際に、補強座金を用いることにより、上記(a)〜(c)の作用を得て、ユニット建物の施工性を大幅に向上できる。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の第1実施形態を示す模式図、図2は従来例を示す模式図、図3は本発明の第2実施形態におけるユニット建物と建物ユニットを示す模式図、図4は下階建物ユニットへの補強梁接続過程を示す模式図、図5は下階補強梁を示す模式図、図6は下階補強構造を示す模式図、図7は下階補強梁の端部接続構造を示す模式図、図8は下階補強梁の中央部接続構造を示す模式図、図9は上階建物ユニットの搭載構造を示す模式図、図10は上階建物ユニットへの補強梁接続過程を示す模式図、図11は上階補強梁を示す模式図、図12は上階補強梁の作用を示す模式図である。
【0017】
(第1実施形態)(図1)
図1は、建物構造材の高力ボルトによる接合構造部に本発明を適用したものであり、梁等の建物構造材である3個の被接合材4A〜4Cにボルト下穴5を設け、このボルト下穴5に挿通される高力ボルト1とナット2、座金3によりそれらの被接合材4A〜4Cを摩擦接合して締結するものである。
【0018】
このとき、本実施形態では、高力ボルト1の頭部1Aと被接合材4Bの間、ナット2、座金3と被接合材4Cの間のそれぞれに、補強座金101、102を介装した。高力ボルトの軸径が16mmで、下穴径5dが24mmと下穴径の許容範囲を超える場合において、補強座金101、102は、大径厚肉の大型座金であり、外径は50mm、肉厚は22mmとするのが好ましい。また、引抜き強度の関係から、高力ボルト1の軸力伝達範囲から決定される被接合材4B、4Cの摩擦接合の接触面積は、高力ボルト1の頭部1Aと補強座金101、102の接触面積よりも大きくしなければならない。尚、座金3は省略してもよい。
【0019】
本実施形態によれば、下記(a)〜(c)の作用がある。
(a)高力ボルト1の頭部と被接合材4A〜4Cの間、ナット2と被接合材4A〜4Cの間のそれぞれに補強座金を介装したことにより、被接合材4A〜4Cの内部への高力ボルト1の軸力伝達範囲(補強座金101、102のそれぞれの外縁を始点とする斜線L1、L2によって囲まれる範囲)を拡張し、被接合材4A〜4Cに設けるボルト下穴5の径5dがたとえ標準仕様より大きくなっても、被接合材4A〜4C間の摩擦接合の接触面積を標準仕様と同等以上に大きくできる。これにより、被接合材4A〜4C間の摩擦接合力を大きく、ひいては締結強度を大きくできる。
【0020】
(b)上記(a)より、被接合材4A〜4Cのボルト下穴5の径5dの許容範囲を大きくとることができ、ボルト下穴5の工場等でのプレ加工率を高くすることができる。従って、ボルト下穴5の現場加工を行う必要がなくなり、施工性を大幅に向上できる。
【0021】
(c)補強座金101、102の外径をボルト下穴5の径5dが許容範囲内における、高力ボルト1の軸力伝達範囲から決定される被接合材4A〜4Cの摩擦接合の接触面積と同等以上を確保可能な大径とすることにより、被接合材4A〜4Cの内部への高力ボルト1の軸力伝達範囲を拡張し、被接合材4A〜4C間の摩擦接合の接触面積を拡大できる。
【0022】
また、補強座金101、102の肉厚をボルト下穴5の径5dが許容範囲内における、高力ボルト1の軸力伝達範囲から決定される被接合材4A〜4Cの摩擦接合の接触面積と同等以上を確保可能に増肉することにより、高力ボルト1の軸力を被接合材4A〜4Cの接触面に確実に伝達し、且つ補強座金の変形を抑制できる。
【0023】
(第2実施形態)(図3〜図12)
本発明をユニット建物の接合構造に適用した実施形態について説明する。
(ユニット建物と建物ユニット)(図3)
ユニット建物10は、図3(A)に示す如く、工場生産した複数の標準建物ユニット11、柱省略建物ユニット12を建築現場に輸送し、予め設置してある基礎13の上にて水平、鉛直方向に隣接設置して下階部分10A、上階部分10Bが構築される。
【0024】
標準建物ユニット11は、図3(B)に示す如く、 4本の角鋼管製柱21と、 4本の型鋼製床梁22と、 4本の型鋼製天井梁23とを箱型に接合した骨組構造体である。建物ユニット11は、4個のコーナー部で、相交差する床梁22をジョイントピース22Aにより柱21の下端部に接続し、相交差する天井梁23をジョイントピース23Aにより柱21の上端部に接合して構成される。
【0025】
柱省略建物ユニット12は、図3(C)に示す如く、標準建物ユニット11の 4本の柱21のうちの 1本の柱21を省略したものである。柱省略建物ユニット12は、柱省略コーナー部以外の3個のコーナー部では、相交差する床梁22をジョイントピース22Aにより柱21の下端部に接合し、相交差する天井梁23をジョイントピース23Aにより柱21の上端部に接合するとともに、柱省略コーナー部では、相交差する床梁22をジョイントピース22Bにより短柱24に接合し、相交差する天井梁23をジョイントピース23Bにより短柱25に接合して構成される。そして、柱省略建物ユニット12では、柱省略コーナー部に仮柱26を着脱自在としている。仮柱26は、ボルト、ピン等の着脱手段により、上述の短柱24と短柱25とに着脱自在に結合される。
【0026】
(ユニット建物10の下階部分10A)(図4〜図8)
然るに、ユニット建物10は、下階部分10Aの一部にて、図4に示す如く、4個の柱省略建物ユニット12それぞれの柱省略コーナー部を柱省略接合部14にて互いに突き合せ載置し、それら4個の柱省略建物ユニット12によって柱21に遮られることのない広く連続した居室空間を形成するものとしている。以下、4個の柱省略建物ユニット12の接合構造について説明する。
ユニット建物10の下階部分10Aにおいて、4個の柱省略建物ユニット12の柱省略接合部14は、下階補強梁30にて補強される。下階補強梁30は、図5に示す如く、長尺板材からなり、図4、図6に示す如く、柱省略接合部14の左右の一方側にて相隣る2個の建物ユニット12の天井梁23、23の間から、左右の他方側にて相隣る他の2個の建物ユニット12の天井梁23、23の間に渡って設けられる。図6において、15は下階天井板、16は上階床板である。
【0027】
下階補強梁30の両端部は、図7に示す如く、柱省略接合部14の左右の一方側にて相隣る2個の建物ユニット12の各柱21と、柱省略接合部14の他方側にて相隣る2個の建物ユニット12の各柱21のそれぞれに接続される。このとき、補強梁30の両端部は、高力ボルト31を用いた天井梁23、ジョイントピース23Aとの高力ボルト接合(摩擦接合)を介して柱21に接続される。
【0028】
高力ボルト31による接合に際しては、補強梁30を挟んで相対する2個の建物ユニット12それぞれの天井梁23、ジョイントピース23Aと補強梁30にボルト下穴31Aを設け、このボルト下穴31Aに挿通される高力ボルト31とナット(不図示)によりそれらの天井梁23、ジョイントピース23A、補強梁30を摩擦接合する。そして、高力ボルト31の頭部と天井梁23の間、ナットと天井梁23の間のそれぞれに、前述第1実施形態におけると同様の大径厚肉の補強座金101、102を介装した。
【0029】
補強梁30の中央部には、図8に示す如く、4個の建物ユニット12の各柱省略コーナー部が接続される。このとき、補強梁30の中央部は、高力ボルト32を用いた天井梁23、ジョイントピース23Bとの接合を介して短柱25に接続される。
【0030】
高力ボルト32による接合に際しては、補強梁30を挟んで相対する2個の建物ユニット12それぞれの天井梁23、ジョイントピース23Bと補強梁30にボルト下穴32Aを設け、このボルト下穴32Aに挿通される高力ボルト32とナット(不図示)によりそれらの天井梁23、ジョイントピース23B、補強梁30を摩擦接合する。そして、高力ボルト32の頭部と天井梁23の間、ナットと天井梁23の間のそれぞれに、前述第1実施形態におけると同様の大径厚肉の補強座金101、102を介装した。
【0031】
補強梁30が上述の如くにて柱21、短柱25に接続されるとき、各建物ユニット12の柱省略コーナー部には短柱25に着脱自在の仮柱26が未だ接合されている。そして、補強梁30が柱21、短柱25に接続完了した後、仮柱26は短柱25から取外される。
【0032】
尚、補強梁30は、補強梁30を挟んで相隣る2個の建物ユニット12、12の相接する天井梁23、23と、ジョイントピース23A、23Bのない部分でも、ボルト等を用いて接合されて良い。
【0033】
(ユニット建物10の下階部分10Aへの上階部分10Bの搭載)(図9)
ユニット建物10は、下階部分10Aの上に上階部分10Bを搭載するに際し、下階部分10Aの一部を構成している4個の下階柱省略建物ユニット12の上に4個の上階標準建物ユニット11を搭載することができる(図9(A))。このとき、4個の上階建物ユニット11は、4個の下階建物ユニット12の柱省略コーナー部以外の3個のコーナー部においては上階建物ユニット11の3個の柱21の下端面を下階建物ユニット12の3個の柱21の上端面に載置して結合し、下階建物ユニット12の柱省略コーナー部においては上階建物ユニット11の1個の柱21の下端面を下階建物ユニット12の短柱25の上端面に載置して結合する(図9(B))。
【0034】
このとき、図9(C)に示す如く、4個の下階建物ユニット12を補強している下階補強梁30の成の高さを上階建物ユニット11の相隣る床梁22、22の間にまで延在し、下階補強梁30がこの延在部分で上階建物ユニット11の床梁22、ジョイントピース22Aにも高力ボルト33により接続されるものとすることができる。
【0035】
高力ボルト33による接合に際しては、補強梁30を挟んで相対する2個の建物ユニット12それぞれの床梁22、ジョイントピース22Aと補強梁30にボルト下穴33Aを設け、このボルト下穴33Aに挿通される高力ボルト33とナット(不図示)によりそれらの床梁22、ジョイントピース22A、補強梁30を摩擦接合する。そして、高力ボルト33の頭部と床梁22の間、ナットと床梁22の間のそれぞれに、前述第1実施形態におけると同様の大径厚肉の補強座金101、102を介装した。
【0036】
尚、4個の下階建物ユニット12を補強している下階補強梁30の成の高さを単に上階建物ユニット11の相隣る床梁22、22の間にまで延在するだけとしても良い。このとき、下階補強梁30の上述の延在部分は上階建物ユニット11の床梁22、ジョイントピース22Aに単に挟まれ、高力ボルト33は用いられない。
【0037】
(下階部分10Aの上の上階部分10Bの補強)(図10〜図12)
4個の下階柱省略建物ユニット12の上に4個の上階標準建物ユニット11を上述の如くに搭載したとき、図10に示す如く、下階建物ユニット12の補強梁30を設けた天井梁23、23間と同一面上に位置する、上階建物ユニット11の天井梁23、23間にも上階補強梁40を設けることができる。
【0038】
上階補強梁40は、図11に示す如く、断面T字状の如くの長尺T形材からなり、図12に示す如く、左右の一方側にて相隣る2個の建物ユニット11の天井梁23、23の間から、左右の他方側にて相隣る2個の建物ユニット11の天井梁23、23の間に渡って設けられる。図11において、17は上階天井板である。
【0039】
上階補強梁40の両端部、中央部のそれぞれは、図7に示した下階補強梁30の両端部と同様に、相隣る2個の建物ユニット11の各柱21に、高力ボルトと補強座金を用いた天井梁23、ジョイントピース23Aとの接合を介して接続される。
【0040】
尚、上階補強梁40は、補強梁40を挟んで相隣る2個の建物ユニット11、11の相接する天井梁23、23と、ジョイントピース23Aのない部分でも、ボルト等を用いて接合されて良い。
【0041】
これによれば、相隣る建物ユニット11が上階補強梁40によって一体化され、4個の建物ユニット11の中央部の柱21を介して上階床を吊る如くになり(図12(C))、4個の下階建物ユニット12の柱省略中央部への上階荷重を低減するものとなる。この上階補強梁40がない場合には、下階建物ユニット12の補強梁30と該下階建物ユニット12の柱21、天井梁23との接続が高力ボルト31、32の破断等により切れたとき(図12(A))、下階建物ユニット12の柱省略中央部の天井構造強度が低下して、上階建物ユニット11の床が図12(B)に示す如くに落ちる虞れがある。上階補強梁40を設けることにより、上述の上階建物ユニット11の床が落ちる如くを防止できる。
【0042】
従って、本実施形態にあっては、高力ボルト31、32、33による、天井梁23、ジョイントピース23Aと補強梁30との接合、天井梁23、ジョイントピース23Bと補強梁30との接合、床梁22、ジョイントピース22Aと補強梁30との接合(天井梁23、ジョイントピース23Aと補強梁40との接合も同じ)に際し、補強座金101、102を用いたので、前述第1実施形態におけると同様に、ボルト下穴31A、32A、33Aの径の許容範囲を拡大し、ボルト下穴31A、32A、33Aの工場等でのプレ加工率を高くし、施工性を大幅に向上できる。
【0043】
以上、本発明の実施の形態を図面により詳述したが、本発明の具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。例えば、本発明の高力ボルト及び補強座金を用いて接合される被接合材は、 2枚以上何枚の組み合せからなるものであっても良い。
【0044】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、高力ボルトによる接合構造において、ボルト下穴径の許容範囲を拡大し、ボルト下穴の工場等でのプレ加工率を高くし、施工性を大幅に向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の第1実施形態を示す模式図である。
【図2】図2は従来例を示す模式図である。
【図3】図3は本発明の第2実施形態におけるユニット建物と建物ユニットを示す模式図である。
【図4】図4は下階建物ユニットへの補強梁接続過程を示す模式図である。
【図5】図5は下階補強梁を示す模式図である。
【図6】図6は下階補強構造を示す模式図である。
【図7】図7は下階補強梁の端部接続構造を示す模式図である。
【図8】図8は下階補強梁の中央部接続構造を示す模式図である。
【図9】図9は上階建物ユニットの搭載構造を示す模式図である。
【図10】図10は上階建物ユニットへの補強梁接続過程を示す模式図である。
【図11】図11は上階補強梁を示す模式図である。
【図12】図12は上階補強梁の作用を示す模式図である。
【符号の説明】
1 高力ボルト
2 ナット
4A〜4C 被接合材
5 ボルト下穴
101、102 補強座金
10 ユニット建物
12 建物ユニット
30、40 補強梁
Claims (3)
- 複数の建物ユニットを隣接設置して構築されるユニット建物において、左右の一方側にて相隣る2個の建物ユニットの梁の間から左右の他方側にて相隣る建物ユニットの梁の間に渡るように補強梁を配置し、補強梁を挟んで相対する2個の建物ユニットそれぞれの梁と、補強梁のそれぞれに許容範囲より大きな径のボルト下穴を設け、高力ボルトの頭部と建物ユニットの梁の間、ナットと建物ユニットの梁の間のそれぞれに補強座金を介装し、前記ボルト下穴に挿通される高力ボルトとナットにより補強梁をそれら建物ユニットの梁に摩擦接合してなることを特徴とするユニット建物。
- 複数の建物ユニットを隣接設置して構築されるユニット建物において、複数の建物ユニットそれぞれに定めた少なくとも1個の柱省略コーナー部を柱省略接合部にて互いに突き合せて隣接配置し、上記隣接する建物ユニットの柱省略接合部を含む同一面内に位置する左右の一方側にて相隣る2個の建物ユニットの天井梁の間から左右の他方側にて相隣る天井梁の間に渡るように補強梁を配置し、
補強梁を挟んで相対する2個の建物ユニットそれぞれの天井梁と、補強梁のそれぞれに許容範囲より大きな径のボルト下穴を設け、高力ボルトの頭部と建物ユニットの天井梁の間、ナットと建物ユニットの天井梁の間のそれぞれに補強座金を介装し、前記ボルト下穴に挿通される高力ボルトとナットにより補強梁をそれら建物ユニットの天井梁に摩擦接合してなることを特徴とするユニット建物。 - 前記補強座金は、ボルト下穴径が許容範囲内における、高力ボルトの軸力伝達範囲から決定される被接合材の摩擦接合の接触面積と同等以上を確保可能な外径と肉厚を有してなることを特徴とする請求項1又は2記載の建物ユニット。
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