JP3641908B2 - ヒートポンプシステム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、給湯用の貯湯タンクと浴槽とを備えたヒートポンプシステムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
上記のようなヒートポンプシステムの従来例としては、例えば特開昭62−261871号公報に記載のものを挙げることができる。そして図4は、上記従来のヒートポンプシステムの冷媒回路図である。同図において101は圧縮機であり、この圧縮機101の吐出配管102と吸入配管103とはそれぞれ四路切換弁104に接続されている。また上記吐出配管102には第1電磁弁106が、上記吸入配管103にはアキュムレータ107がそれぞれ介設されている。上記四路切換弁104には第1ガス管108と第2ガス管109とが接続されているが、上記第1ガス管108は室外熱交換器110に接続され、また上記第2ガス管109はヘッダー111に接続されている。また上記室外熱交換器110には第1液管113が接続され、そしてこの第1液管113は受液器114に接続されると共に、その途中には第1膨張弁115が介設されている。上記受液器114には、第2液管116の一端が接続されているが、この第2液管116の他端と上記第2ガス管109との間には4本の分岐冷媒配管118a・・118dが互いに並列に接続され、そのうちの一つの分岐冷媒配管118dには風呂用熱交換器121と第2膨張弁120dとが、また残りの各分岐冷媒配管118a、118b、118cにはそれぞれ室内熱交換器119a、119b、119cと第2膨張弁120a、120b、120cとが介設されている。また同図において128は浴槽であり、128aは循環用ポンプである。
【0003】
一方、上記圧縮機101の吐出配管102には、さらに第3ガス管122が接続されると共に、この第3ガス管122には貯湯タンク129に浸漬された給湯用熱交換器123が接続され、この給湯用熱交換器123は、さらに第3液管124によって受液器114に接続されている。そして上記第3ガス管122には第2電磁弁125が、また上記第3液管124にはキャピラリーチューブ126と逆止弁127とがそれぞれ介設されている。
【0004】
上記ヒートポンプシステムの暖房及び浴槽128内の湯水を加熱する風呂加熱運転時には、四路切換弁104を破線側に切り換え、第1電磁弁106を開、第2電磁弁125を閉として圧縮機101の運転を行う。そうすると冷媒は各室内熱交換器119a、119b、119c及び風呂用熱交換器121内にて凝縮すると共に、室外熱交換器110にて蒸発する。また貯湯タンク129内の湯水を加熱する給湯加熱運転時には、四路切換弁104を破線側に切り換え、第1電磁弁106を閉、第2電磁弁125を開にして圧縮機101の運転を行う。そうすると冷媒は給湯用熱交換器123内にて凝縮すると共に、室外熱交換器110内にて蒸発する。さらに冷房運転は、四路切換弁104を実線側に切り換え、第1電磁弁106を開、第2電磁弁125を閉にして室外熱交換器110側から室内熱交換器119a、119b、119c側へと冷媒を循環させることによって行ない、冷房と給湯加熱との双方を行う冷房給湯運転は、第1電磁弁106を閉、第2電磁弁125を開、第1膨張弁115を閉にして圧縮機101を運転し、冷媒を給湯用熱交換器123内にて凝縮させると共に、各室内熱交換器119a、119b、119c内で蒸発させて行う。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来のヒートポンプシステムでは、冷媒回路中に室内熱交換器119a、119b、119c、風呂用熱交換器121及び給湯用熱交換器123を備え、冷媒の流通経路を切り換えることによって暖房運転、冷房運転、風呂加熱運転、給湯加熱運転等が可能に構成されている。このうち暖房運転と冷房運転とは、それぞれ季節によっていずれか一方が行われるものであるため、これらの運転間の切り換えに時間がかかるとしても、これによって利用快適性が損われることはない。一方、風呂加熱運転や給湯加熱運転は季節を問わずに年間を通じて行われるものである。従って風呂加熱運転と給湯加熱運転との間の運転の切り換えを迅速に行えるようにすることは、利用快適性を向上させるという観点からすると重要である。
【0006】
しかし、給湯加熱運転中に風呂加熱要求があったような場合には、四路切換弁104の切り換えは必要でないものの、第1電磁弁106及び第2電磁弁125の開閉を行って冷媒の流通経路を変更しなければならない。そのため風呂加熱運転が確実に開始されるまでにはある程度の時間を要したり、運転切換時にエネルギーロスや異音を生じたりするという問題がある。特に風呂加熱運転は、使用者のニーズに応じて直ちに開始する必要性が高いにも拘らず、従来のものではこのような要請に応え切れないという欠点がある。
【0007】
さらに上記従来のヒートポンプシステムでは、上述のように冷媒の流通経路を変更することで各運転を切り換えるようになっているので、冷媒系統が複雑になるという問題があり、これを簡素化することでコストダウンを図りたいという要求もある。
【0008】
この発明は上記従来の欠点を解決するためになされたものであって、その目的は、風呂加熱運転の開始を迅速に行うことが可能であり、そのため利用快適性を向上させることが可能なヒートポンプシステムを提供することにある。さらに簡素な構成によって風呂加熱運転と給湯加熱運転との切換えが可能なヒートポンプシステムを提供することもこの発明の目的である。
【0009】
【課題を解決するための手段】
そこで請求項1のヒートポンプシステムは、圧縮機1、凝縮器、減圧機構及び蒸発器を有して冷凍サイクルを形成する冷媒回路と、給湯用の貯湯タンク21と、浴槽42と、上記冷凍サイクル中の凝縮器として機能する給湯用熱交換器12を用いて上記貯湯タンク21内の湯水を加熱する給湯水加熱手段と、上記冷凍サイクル中の凝縮器として機能する風呂用熱交換器11を用いて上記浴槽42内の湯水を加熱する浴槽水加熱手段と、ユーザによって操作されて風呂運転指令信号を出力する風呂運転スイッチ17と、上記風呂運転指令信号出力下で浴槽水温が設定温度未満であるときに風呂加熱要求信号を出力する浴槽水温検知手段50と、設定温度以上の湯水が基準貯湯量に満たないときに給湯加熱要求信号を出力する給湯水監視手段RTH1〜RTH3と、上記風呂加熱要求信号のみが入力されたときは上記浴槽水加熱手段を作動させ、上記給湯加熱要求信号のみが入力されたときは上記給湯水加熱手段を作動させ、上記風呂加熱要求信号及び給湯加熱要求信号の双方が入力されたときは上記浴槽水加熱手段を優先して作動させる制御手段15とを備え、さらに、上記風呂運転指令信号出力時には上記基準貯湯量を低量側に切換える基準貯湯量切換手段を備えたことを特徴としている。
【0010】
上記請求項1のヒートポンプシステムでは、風呂運転指令信号が出力されているときは、貯湯タンク21の基準貯湯量は低量側に切換えられる。従って、給湯水加熱手段の作動時間は、上記風呂運転指令信号が出力されていないときに比べて概ね短くなる。これによって、風呂加熱要求信号の出力時に貯湯タンク21の加熱中であるという状況の発生確率が低くなり、浴槽水温の低下に応答して直ちに風呂加熱を行うことができ、ユーザの利用快適性が向上する。
【0011】
また請求項2のヒートポンプシステムは、上記給湯水加熱手段は、上記貯湯タンク21内の湯水を上記給湯用熱交換器12を通して循環流通させ得る給湯水循環路22と、その作動により給湯水循環路22に貯湯タンク21内の湯水を流通させる給湯水循環ポンプ23とを備え、また上記浴槽水加熱手段は、上記浴槽42内の湯水を上記風呂用熱交換器11を通して循環流通させ得る浴槽水循環路43と、その作動により浴槽水循環路43に浴槽42内の湯水を流通させる浴槽水循環ポンプ44とを備え、さらに上記給湯用熱交換器12と風呂用熱交換器11とは、上記冷媒回路内で直列に接続されていることを特徴としている。
【0012】
上記請求項2のヒートポンプシステムでは、給湯水循環ポンプ23を作動させることによって給湯用熱交換器12を凝縮器として機能させ、また浴槽水循環ポンプ44を作動させることによって風呂用熱交換器11を凝縮器として機能させている。さらに給湯用熱交換器12と風呂用熱交換器11とを冷媒回路中で直列に接続している。従って、冷媒の流通経路を変更することなく、2つの循環ポンプ23、44の発停により、貯湯タンク21内の湯水を加熱する給湯加熱運転と、浴槽42内の湯水を加熱する風呂加熱運転とを短時間で切換えることができる。従って、風呂加熱要求信号が出力されたときに給湯加熱運転中である場合でも、比較的短時間で風呂加熱運転に切換えることができるので、利用快適性が損なわれることはない。また、冷媒の配管経路を短くかつ簡素化することができ、省スペース化及びコストダウンを図ることができる。
【0013】
さらに請求項3のヒートポンプシステムは、上記給湯水監視手段は、設定温度未満になると検知信号を出力する複数個の水温検知手段RTH1〜RTH3を上記貯湯タンク21の異なる高さに配置して成り、上記基準貯湯量切換手段は、基準貯湯量に応じていずれか1つの水温検知手段の検知信号を選択して給湯加熱要求信号とし、風呂運転指令信号出力時には、当該風呂運転指令信号の非出力時に選択する水温検知手段よりも高い位置に配置された水温検知手段を選択することを特徴としている。
【0014】
上記請求項3のヒートポンプシステムでは、貯湯タンク21に配置された複数の水温検知手段RTH1〜RTH3のうちのいずれか1つの検知手段からの出力が、給湯加熱要求信号として利用される。貯湯タンク21内では加熱された高温の湯水は上昇するため、水温検知手段RTH1〜RTH3は上方のものから順番に出力を停止していくことになる。従って、より高い位置の水温検知手段を選択すれば基準貯湯量を低量にすることができる。即ち、基準貯湯量切換手段は、風呂運転指令信号が出力されていないときは特定の水温検知手段(最上位のものは除く)からの出力を選択し、風呂運転指令信号が出力されているときは上記特定の水温検知手段よりも高い位置の水温検知手段からの出力を選択する。このように簡単なハード構成で基準貯湯量を切換えることができるので、低コストで実施できる。また制御手段15のソフトウエア的な負担を軽減することができる。
【0015】
請求項4の空気調和機は、上記基準貯湯量切換手段は、風呂運転指令信号出力時には、最上位に配置された水温検知手段RTH3を選択することを特徴としている。
【0016】
上記請求項4の空気調和機では、風呂運転指令信号が出力されているときは、基準貯湯量が最小量に設定されるので、風呂加熱要求信号の出力時に貯湯タンク21の加熱中であるという状況の発生確率が最も低くなり、ユーザの利用快適性がより向上する。
【0017】
【発明の実施の形態】
次にこの発明のヒートポンプシステムの具体的な実施の形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。図1は、本発明の一実施の形態であるヒートポンプシステムにおける冷媒回路図であり、図2は上記ヒートポンプシステムにおける水系統回路図である。ヒートポンプシステムは、室外ユニット19と、給湯・湯張りユニット20と、複数台の室内ユニットとを備えて構成される。
【0018】
冷媒回路は、図1に示すように圧縮機1、四路切換弁2、室外ファンを併設した室外熱交換器3、第1膨張弁4、及びそれぞれ室内膨張弁5a、5bを備えて互いに並列に接続された室内熱交換器6a、6bを、順次に管路7a〜7fで接続して構成されている。また圧縮機1の吐出管路7aに第1電磁弁8を介設し、この手前から第2電磁弁9を介設した第1管路10aの先端を風呂用熱交換器11の一端に接続し、風呂用熱交換器11の他端と給湯用熱交換器12の一端とを第2管路10bで接続し、そしてさらに給湯用熱交換器12の他端と第1膨張弁4に向かう管路7dとを第2膨張弁13を介設した第3管路10cで接続している。また、アキュムレータ14を、圧縮機1の吸入管路7fに介設している。そしてこの冷媒回路は、制御手段15によって制御される。この制御手段15には、操作パネル16からの操作信号が与えられる。例えば、風呂運転スイッチ17が操作されると風呂運転指令信号が出力され、また給湯運転スイッチ18が操作されると給湯運転指令運転信号が出力される。
【0019】
次に図2を参照しながら、上記ヒートポンプシステムにおける水系統回路を説明する。このうちまず給湯用回路について説明すると、同図において21は貯湯タンクであり、また12は、冷媒回路中の凝縮器又は蒸発器として切換可能に機能する二重管式の給湯用熱交換器である。そしてこの給湯用熱交換器12と熱交換可能に給湯用熱交換路22が設けられ、これに介設された給湯水循環ポンプ23の作動によってその入口側22aから出口側22bへと湯水が流通するようになっている。また上記給湯用熱交換路22の出口側22bは、第1三方弁24を介して出湯管25と出水管26とに分岐し、貯湯タンク21の中間部に設けられた出湯口27に上記出湯管25が接続される一方、上記出湯口27よりも下側の位置において貯湯タンク21に設けられた流入口28に、上記出水管26が接続されている。一方、上記給湯用熱交換路22の入口側22aは、第2三方弁29を介して取湯管30と取水管31とに分岐している。そして上記出湯口27と流入口28との中間位置において貯湯タンク21に設けられた取湯口32に上記取湯管30が接続される一方、貯湯タンク21の下端部に設けられた取水口33に取水管31が接続されている。また同図において34は給水圧を加えながら貯湯タンク21に市水を供給する貯湯用給水配管であり、その貯湯タンク21側が第3三方弁35を介して第1給水管36と第2給水管37とに分岐し、貯湯タンク21の下端部に設けた第1給水口28に上記第1給水管36が接続される一方、上記取湯口32と流入口28との中間位置において貯湯タンク21に設けられた第2給水口39に上記第2給水管37が接続されている。さらに貯湯タンク21の上端部には、給湯口40が設けられて給湯配管41が接続されている。そして上記の給湯用回路は制御手段15によって制御されるが、この制御手段15は、CPU(中央演算処理装置)、メモリ、入出力インタフェース等を有するマイクロコンピュータを用いて構成されたものである。さらに、貯湯タンク21には、水温検知手段であるサーミスタRTH1〜RTH3が、それぞれ異なる高さに配置されている。具体的には、サーミスタRTH3、RTH2、RTH1の順で上部から下部に向かって所定の間隔をあけて配置されている。これらのサーミスタは、検知温度信号を出力するが、いずれか1つの信号が給湯加熱要求信号として用いられる。
【0020】
次に上記水系統のうち風呂用回路について説明すると、図2において42は浴槽であり、また11は、冷媒回路中の凝縮器として機能する二重管式の風呂用熱交換器である。そしてこの風呂用熱交換器11と熱交換可能に風呂用熱交換路43が設けられ、これに介設された浴槽水循環ポンプ44の作動によってその入口側43aから出口側43bへと湯水が流通するようになっている。また上記風呂用熱交換路43は、その出口側43bが上記浴槽42に接続され、入口側43aが逆止弁を内蔵した第4三方弁45を介して追焚管46と湯はり管47とに分岐している。そしてこのうち追焚管46は上記浴槽42に接続され、また湯はり管47は、流入側に逆止弁を内蔵したミキシングバルブ48の流出側に接続されている。そしてこのミキシングバルブ48の流入側には、給水配管34から分岐した風呂用給水配管(図示せず)と、給湯配管41から分岐した給湯支管49とが接続されている。さらに、浴槽42内には、浴槽水温検知手段であるサーミスタ50が配置されている。サーミスタ50は、上記風呂運転指令信号出力下で、浴槽水温が設定温度未満であるときに風呂加熱要求信号を出力する。またこの風呂用回路も、上記制御手段15によって制御される。
【0021】
次に上記構成のヒートポンプシステムの運転動作のうち、給湯加熱運転及び風呂加熱運転について説明する。この場合に制御手段15は、冷媒回路に対して次のような制御を行う。すなわち図1に示す四路切換弁2を破線で示す通路側に切り換え、第1電磁弁8を閉弁し、第2電磁弁9を開弁する。また第1膨張弁4を全開とする一方で各室内膨張弁5a、5bを全閉とし、そして第2膨張弁13に対しては、その運転状態によって開度調整を行う。
【0022】
一方、水系統回路に対しては次のような制御を行う。まず給湯用回路の制御には2通りがある。一つは貯湯タンク21の上端側にだけ温湯を貯溜する制御であり、図2に示す第1三方弁24を実線側に、そして第2三方弁29と第3三方弁35とを破線側に切り換える。従ってこの場合は、取湯管30、給湯用熱交換路22及び出湯管25によって給湯水循環路が構成される。また他の一つは貯湯タンク21の全体に温湯を貯溜する制御であり、同図に示す第1三方弁24を破線側に、そして第2三方弁29と第3三方弁35とを実線側に切り換える。従ってこの場合は、取水管31、給湯用熱交換路22及び出水管26によって給湯水循環路が構成される。さらに風呂用回路については、第4三方弁45を実線側に切り換え、風呂用熱交換路43と追焚管46とによって浴槽水循環路を構成する。
【0023】
さて上記ヒートポンプシステムにおいて給湯加熱運転を行う場合は、上記冷媒回路において圧縮機1を駆動し、また水系統回路においては給湯水循環ポンプ23を作動させる一方、浴槽水循環ポンプ44を停止させたままとする。すると給湯用熱交換器12と風呂用熱交換器11のうち給湯用熱交換器12のみで冷媒と水との間の熱交換が行われ、冷媒回路中においてこの給湯用熱交換器12が凝縮器として機能すると共に室外熱交換器3が蒸発器として機能し、第2膨張弁13が減圧機構として機能して冷凍サイクルが形成される。そしてこのような運転を継続することによって、貯湯タンク21内に温湯が貯溜されることになる。一方、風呂加熱運転を行う場合は、上記冷媒回路において圧縮機1を駆動し、また水系統回路においては給湯水循環ポンプ25を停止させたままとする一方、浴槽水循環ポンプ45を作動させる。すると給湯用熱交換器12と風呂用熱交換器11のうち風呂用熱交換器11のみで冷媒と水との間の熱交換が行われ、冷媒回路中においてこの風呂用熱交換器11が凝縮器として機能すると共に室外熱交換器3が蒸発器として機能し、第2膨張弁13が減圧機構として機能して冷凍サイクルが形成される。そしてこのような運転を継続することによって、浴槽42の追い焚きが行われることになる。ところで制御手段15は、上述のように給湯水循環ポンプ23と浴槽水循環ポンプ44とに対し、その双方が同時に作動することのないように制御している。従って給湯加熱要求と風呂加熱要求とが重複した場合には、いずれか一方を他方に優先させなければならない。そこで上記制御手段15は、給湯水循環ポンプ23に優先して浴槽水循環ポンプ44の作動を許可し、給湯加熱要求よりも風呂加熱要求を優先させるようにしている。なお図2における風呂用回路の第4三方弁45を破線側に切り換えて浴槽水循環ポンプ44を作動させると、浴槽42のたし湯を行うことができる。
【0024】
図3は、制御手段15の制御動作を説明するためのフローチャートである。このフローチャートは、図1に示す給湯運転スイッチ18が操作されて給湯運転指令信号が制御手段15に入力され、貯湯タンク21の給湯運転が行われている状況下で実行される制御であり、所定の時間間隔で割込み処理によって実行される。
【0025】
ステップS1では、図1に示す風呂運転スイッチ17がONであるか否か、即ち風呂運転指令信号が入力されているか否かが判断される。判断が肯定であればステップS2に進み、浴槽42内のサーミスタ50がONであるか否か、即ち浴槽水温が設定温度未満であるか否かが判断される。判断が肯定であればステップS3に進み、浴槽水循環ポンプ44を作動させて風呂加熱運転を実行する。このとき、給湯加熱運転が実行されていた場合は、給湯水循環ポンプ23を停止して給湯加熱運転を終了させてから風呂加熱運転を開始する。尚、既に風呂加熱運転が実行されていた場合は、そのまま実行する。
【0026】
上記ステップS2の判断が否定であればステップS4に進む。このとき風呂加熱運転が実行されていたときは、運転を停止させる。ステップS4では、サーミスタRTH3の検知水温DTH3が設定温度DSET以下であるか否かが判断される。判断が肯定であればステップS5に進み、給湯加熱運転を実行する。尚、既に給湯加熱運転が実行されていた場合は、そのまま続行する。ステップS4の判断が否定であれば処理を終了するが、給湯加熱運転が実行されていた場合は、運転を停止させる。
【0027】
また上記ステップS1の判断が否定であれば、ステップS6に進む。ステップS6では、現在時刻が深夜時間帯に含まれるか否かが判断される。この深夜時間帯は、電力料金が安い時間帯に選ばれる。判断が否定であればステップS7に進み、サーミスタRTH2の検知水温DTH2が設定水温DSET以下であるか否かが判断される。判断が肯定であればステップS8に進み、給湯加熱運転を実行する。尚、既に給湯加熱運転が実行されていた場合は、そのまま続行する。ステップS7の判断が否定であれば処理を終了するが、給湯加熱運転が実行されていた場合は運転を停止させる。
【0028】
また上記ステップS6の判断が肯定であればステップS9に進み、サーミスタRTH1の検知水温DTH1が設定水温DSET以下であるか否かが判断される。判断が肯定であれば上記ステップS8に進んで同様の処理を実行し、判断が否定であれば上述と同様にして処理を終了する。
【0029】
以上のように本実施の形態によれば、風呂運転指令信号が出力されているときは、貯湯タンク21の基準貯湯量は最低量に設定される。従って、給湯加熱運転時間は、風呂運転指令信号が出力されていないときに比べて短くなる。これによって、風呂加熱要求信号が出力されて風呂加熱運転が要求されたときに給湯加熱運転を実行しているという状況の発生確率が低くなり、浴槽水温の低下に応答して直ちに風呂加熱を行うことができ、浴槽水温を常に一定温度に保つことができ、ユーザの利用快適性が向上する。
【0030】
また、冷媒の流通経路を変更することなく、2つの循環ポンプ23、44の発停だけで、給湯加熱運転と風呂加熱運転とを短時間で切換えることができる。従って、給湯加熱運転中に風呂加熱要求信号が出力された場合でも、比較的短時間で風呂加熱運転に切換えることができるので、利用快適性が損なわれることはない。さらに、風呂用熱交換器11と給湯用熱交換器12とを冷媒回路中で直列に接続して一体的にユニットとして構成したので、冷媒の配管経路を短くかつ簡素化することができる。これによって、省スペース化及びコストダウンを図ることができると共に、据付工事の簡素化も図ることが可能になる。
【0031】
以上にこの発明の具体的な実施の形態について説明したが、この発明は上記形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で種々変更して実施することができる。例えば、風呂用熱交換器11と給湯用熱交換器12とは直列接続の場合に限らず、図4に示す従来例のように並列接続であってもよい。また、貯湯タンク21の基準貯湯量の検出は、サーミスタRTH1〜RTH3によるものに限らず、貯湯タンク21からの出湯量と給湯用熱交換路22への取水量(給湯用熱交換器12で熱交換された湯水量)との差に基づいて求めるようにしても良い。
【0032】
【発明の効果】
以上のように請求項1のヒートポンプシステムによれば、風呂加熱要求信号が出力されたときに貯湯タンクの加熱中であるという状況の発生確率が低くなり、浴槽水温の低下に応答して直ちに風呂加熱を行うことができ、ユーザの利用快適性が向上する。
【0033】
また請求項2のヒートポンプシステムによれば、2つの熱交換器を冷媒回路中で直列に接続したので、給湯加熱運転から風呂加熱運転への切換えを短時間で行うことができると共に、冷媒の配管経路を短くかつ簡素化することができる。これによって、利用快適性を損なうことなく、省スペース化及びコストダウンを図ることができると共に、据付工事の簡素化も図ることが可能になる。
【0034】
さらに請求項3のヒートポンプシステムによれば、比較的簡単なハード構成で基準貯湯量を切換えることができるので、低コストで実現できると共に制御手段のソフトウエア的な負担を軽減することができる。
【0035】
請求項4のヒートポンプシステムによれば、風呂加熱要求信号が出力されたときに貯湯タンクの加熱中であるという状況の発生確率が最も低くなり、ユーザの利用快適性がより向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態であるヒートポンプシステムの冷媒回路図である。
【図2】上記ヒートポンプシステムの水系統回路図である。
【図3】上記ヒートポンプシステムの制御動作を示すフローチャートである。
【図4】従来例のヒートポンプシステムの冷媒回路図である。
【符号の説明】
1 圧縮機
11 風呂用熱交換器
12 給湯用熱交換器
15 制御手段
17 風呂運転スイッチ
21 貯湯タンク
22 給湯用熱交換路
23 給湯水循環ポンプ
42 浴槽
43 風呂用熱交換路
44 浴槽水循環ポンプ

Claims (4)

  1. 圧縮機(1)、凝縮器、減圧機構及び蒸発器を有して冷凍サイクルを形成する冷媒回路と、給湯用の貯湯タンク(21)と、浴槽(42)と、上記冷凍サイクル中の凝縮器として機能する給湯用熱交換器(12)を用いて上記貯湯タンク(21)内の湯水を加熱する給湯水加熱手段と、上記冷凍サイクル中の凝縮器として機能する風呂用熱交換器(11)を用いて上記浴槽(42)内の湯水を加熱する浴槽水加熱手段と、ユーザによって操作されて風呂運転指令信号を出力する風呂運転スイッチ(17)と、上記風呂運転指令信号出力下で浴槽水温が設定温度未満であるときに風呂加熱要求信号を出力する浴槽水温検知手段(50)と、設定温度以上の湯水が基準貯湯量に満たないときに給湯加熱要求信号を出力する給湯水監視手段(RTH1〜RTH3)と、上記風呂加熱要求信号のみが入力されたときは上記浴槽水加熱手段を作動させ、上記給湯加熱要求信号のみが入力されたときは上記給湯水加熱手段を作動させ、上記風呂加熱要求信号及び給湯加熱要求信号の双方が入力されたときは上記浴槽水加熱手段を優先して作動させる制御手段(15)とを備え、さらに、上記風呂運転指令信号出力時には上記基準貯湯量を低量側に切換える基準貯湯量切換手段を備えたことを特徴とするヒートポンプシステム。
  2. 上記給湯水加熱手段は、上記貯湯タンク(21)内の湯水を上記給湯用熱交換器(12)を通して循環流通させ得る給湯水循環路(22)と、その作動により給湯水循環路(22)に貯湯タンク(21)内の湯水を流通させる給湯水循環ポンプ(23)とを備え、また上記浴槽水加熱手段は、上記浴槽(42)内の湯水を上記風呂用熱交換器(11)を通して循環流通させ得る浴槽水循環路(43)と、その作動により浴槽水循環路(43)に浴槽(42)内の湯水を流通させる浴槽水循環ポンプ(44)とを備え、さらに上記給湯用熱交換器(12)と風呂用熱交換器(11)とは、上記冷媒回路内で直列に接続されていることを特徴とする請求項1のヒートポンプシステム。
  3. 上記給湯水監視手段は、設定温度未満になると検知信号を出力する複数個の水温検知手段(RTH1〜RTH3)を上記貯湯タンク(21)の異なる高さに配置して成り、上記基準貯湯量切換手段は、基準貯湯量に応じていずれか1つの水温検知手段の検知信号を選択して給湯加熱要求信号とし、風呂運転指令信号出力時には、当該風呂運転指令信号の非出力時に選択する水温検知手段よりも高い位置に配置された水温検知手段を選択することを特徴とする請求項1又は請求項2のヒートポンプシステム。
  4. 上記基準貯湯量切換手段は、風呂運転指令信号出力時には、最上位に配置された水温検知手段(RTH3)を選択することを特徴とする請求項3のヒートポンプシステム。
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