JP3643225B2 - 光半導体チップ - Google Patents
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Description
【技術分野】
本願発明は、LED(発光ダイオード)チップやLD(レーザダイオード)チップなどの光半導体チップに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のLEDチップの一般的な構造を、図14に示す。この従来のLEDチップは、基板9の片面に半導体積層部90を形成したものであり、この半導体積層部90は、n型半導体層90a、発光層90b、およびp型半導体層90cから構成されている。これらの層はガリウムを含むIIIb−Vb属化合物半導体を結晶成長させたものであり、この結晶成長を効率良くかつ適切に行わせる必要から、上記基板9としては、たとえばガリウム砒素などの半導体基板が用いられている。また、上記LEDチップを製造するには、上記半導体基板となるウェハの表面の広い範囲に化合物半導体を結晶成長させてから、その後上記ウェハを切断し、複数のチップ片に分割していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のLEDチップでは、次のような不具合があった。
【0004】
すなわち、近年において、LEDチップの使用用途は未だ拡大の一途を辿っているのが実情であり、その使用用途如何では、LEDチップの薄型化が強く要請される場合がある。たとえば、全体が薄手のカード状に形成されるICカードの内部にLEDチップを組み込むような場合には、LEDチップ全体の厚みをできる限り小さくすることが望まれる。このような場合、LEDチップ全体の厚みをたとえば200μm以下にすることが強く要請される場合がある。
【0005】
ところが、従来のLEDチップは、その半導体積層部90の厚みt1はたとえば10μm程度の極薄寸法であるのに対し、上記基板9の厚みt2は上記半導体積層部90と比較すると桁はずれに大きな寸法となっていた。すなわち、上記基板9は、元々はウェハとして形成されていたものであるために、そのウェハとしてかなり薄めのウェハを用いた場合であっても、その厚みt2は200μm〜300μm以上の厚みとなっていた。このため、従来では、LEDチップの全体の厚みt3をたとえば200μm程度以下にすることは事実上困難となっており、その薄型化を充分に図ることができなかった。その結果、従来では、たとえば薄手のICカードの内部にLEDチップを要領良く適切に組み込むことが難しくなるといった不具合を生じる場合があった。
【0006】
また、このような不具合は、LEDチップに限らず、LDチップなどの他の光半導体チップにおいても、同様に生じていた。
【0007】
本願発明は、このような事情のもとで考え出されたものであって、光半導体チップ本来の機能を悪化させるようなことなく、光半導体チップの薄型化が図れるようにすることをその課題としている。
【0008】
【発明の開示】
上記の課題を解決するため、本願発明では、次の技術的手段を講じている。
【0009】
本願発明によれば、光半導体チップが提供される。この光半導体チップは、化合物半導体の結晶からなる半導体積層部を備えた光半導体チップであって、上記半導体積層部は、その結晶成長に用いられた基板とは異なる代替支持材に接着されており、かつ上記半導体積層部から上記基板が除去され、上記半導体積層部は発光ダイオードとして構成され、全体がLEDチップとして形成されているとともに、上記代替支持材は、透光性を有するフィルムであることに特徴づけられる。
【0012】
本願発明によって提供される光半導体チップは、化合物半導体の結晶成長に用いられた基板が半導体積層部から除去された構造であるために、結晶成長用の基板を備えていた従来の光半導体チップとは異なり、ウェハから形成される結晶成長用の基板の厚みに原因して、光半導体チップ全体の厚みが大きくなることは無い。一方、上記半導体積層部には、上記基板に代えて代替支持材が接着されているが、この代替支持材は、結晶成長用の基板とは異なり、ウェハなどから形成する必要はなく、たとえば薄手のフィルムを用いるなどして、上記基板よりもかなり薄い寸法にすることができる。したがって、本願発明では、光半導体チップ全体の厚みを、従来のものよりもかなり小さくすることができるという効果が得られる。本願発明によれば、光半導体チップの全体の厚みを、たとえば200μm以下にすることが簡単に行えることとなり、薄手のICカードの内部への組み込み使用など、全体の薄型化が強く要請される用途に最適なものとすることができる。
【0013】
なお、本願発明では、半導体積層部に代替支持材を接着させているために、この代替支持材の存在によって半導体積層部を補強し、さらにはチップ全体の強度を高めることが可能となる。したがって、本願発明に係る光半導体チップを取り扱うときには、従来の光半導体チップと同様なかたちで取り扱うことができ、便利である。また、半導体積層部については、従来の光半導体チップの半導体積層部と同様な構造にすればよいから、光半導体チップとしての光学的な特性が損なわれるといった不具合もない。さらに、本願発明では、半導体積層部から発せられた光が代替支持材を透過して外部に放出することが可能となり、光半導体チップの両面から光を放出させることができる。すなわち、1つの光半導体チップで、2方向に光を放出させることができることとなる。したがって、光半導体チップの使用用途の一層の拡大が図れることとなる。
【0014】
本願発明の好ましい実施の形態では、上記代替支持材は、可撓性を有している構成とすることができる。
【0015】
このような構成によれば、光半導体チップの実装対象面がたとえば曲面状である場合に、代替支持材をその実装対象面に沿うように撓ませてから、光半導体チップの全体をその実装対象面に適切に面実装するといったことが可能となる。したがって、光半導体チップの実用範囲を拡大する上で有利となる。
【0016】
本願発明の他の好ましい実施の形態では、上記代替支持材は、導電性を有している構成とすることができる。
【0017】
このような構成によれば、上記代替支持材を光半導体チップの電極として役立たせることが可能となり、光半導体チップに電気接続を行う際に便宜が図れる。また、光半導体チップには通常2つの電極が設けられるが、その一方の電極についてはこれをわざわざ設ける必要がなくなり、光半導体チップの製造作業の簡易化も図れることとなる。
【0020】
本願発明の他の好ましい実施の形態では、上記半導体積層部の上記代替支持材が接着されている面とは反対の面が、凹凸状の粗面とされている構成とすることができる。
【0021】
このような構成によれば、半導体積層部から発せられる光が上記凹凸状の粗面を通過するときに散乱することとなる。したがって、この光の散乱効果によって、光半導体チップの輝度を高めることが可能となる。
【0022】
本願発明の他の好ましい実施の形態では、上記半導体積層部の上記代替支持材が接着されている面とは反対の面の全面またはその一部には、透光性を有する電極が設けられている構成とすることができる。
【0023】
このような構成によれば、上記電極を利用して光半導体チップへの電気接続が図れることは勿論のこと、上記電極は透光性を有しているために、この電極が形成されている半導体積層部の面から、外部へ向けて光を適切に放出させることもできる。
【0024】
本願発明の他の好ましい実施の形態では、上記電極は、金の薄膜層である構成とすることができる。このような構成によれば、導電性が高く、またその表面に酸化などを生じ難いという金の特性により、この電極への電気配線接続をより適切に行うことが可能となる。なお、金は、本来的には不透明であるが、その厚みを十分に小さくすることによって、透明性をもたせることが可能である。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の好ましい実施の形態について、図面を参照しつつ具体的に説明する。
【0031】
図1は、本願発明に係る光半導体チップの具体例としてのLEDチップの一例を示す断面図である。
【0032】
同図に示すLEDチップAは、代替支持材1の片面上に、光反射層2、半導体積層部3、および電極4が順次積層して設けられた構造を有しており、上記半導体積層部3が発光ダイオードとして構成されている。このLEDチップAは、上記半導体積層部3を構成する化合物半導体を結晶成長させるのに用いられた後述の基板が上記半導体積層部3から除去された構造となっている。
【0033】
上記代替支持材1は、たとえば厚みtaが10μm〜100μm程度の薄肉の導電性フィルムであり、合成樹脂製フィルムに金属粒子などの導電性粒子を練り込むなどしてそのフィルム各所に導電性をもたせたものである。この代替支持材1は、可撓性を有している。
【0034】
上記光反射層2は、Ag、Cr、Ti、あるいはその他の光沢を有する金属の薄膜層であり、後述するように、蒸着あるいはスパッタリングなどによって所定の金属を成膜して形成された部分である。この光反射層2の表面の光反射率は、上記代替支持材1の表面の光反射率も高い。
【0035】
上記半導体積層部3は、従来既知の発光ダイオードと同様な構成である。この半導体積層部3は、ガリウムを含むIIIb−Vb属化合物半導体の単純結晶を利用したものであり、たとえば、拡散層としてのGaP層3d、p型InGaAlP層3c、発光層3b、およびn型InGaAlP層3aが積層された構造となっている。上記発光層3bは、InGaAlPの層である。また、この半導体積層部3の最外層であるn型InGaAlP層3aの表面30の全面または略全面は、微小な凹凸を有する粗面とされている。この表面30の凹凸高低差は、たとえば1μm以内とされている。
【0036】
上記電極4は、たとえば金(Au)の薄膜層であり、上記n型InGaAlP層3aの表面の全面に金を蒸着あるいはスパッタリングなどによって成膜させた部分である。この金製の電極4は、その厚みがたとえば100Å程度であり、透光性を有している。
【0037】
上記LEDチップAは、たとえば0.3mm角のチップ片として形成されている。また、上記光反射層2、半導体積層部3、および電極4のトータルの厚みtbは、5〜10μm程度であり、代替支持材1をも含めた全体の厚みtは、110μm程度以下の極薄の寸法とされている。
【0038】
次に、上記LEDチップAの製造方法について、図2ないし図8を参照しながら説明する。
【0039】
まず、図2に示すように、GaAs基板5の表面上に、複数の半導体層3a〜3dを結晶成長させて、発光ダイオードとなる半導体積層部3を作製する。この結晶成長は、たとえば有機金属化学気相成長法(MOCVD法)によって行えばよく、この成長法よって発光ダイオードを構成する所定の化合物半導体の単結晶を効率良く成長させることができる。なお、上記GaAs基板5は、ウェハとして形成されたものであって、その厚みは200μm〜300μm以上である。上記半導体積層部3は、このウェハの表面の全面に作製する。
【0040】
次いで、図3に示すように、上記半導体積層部3の最上層のGaP層3dの表面に、光沢を有する所定のAgやCrなどの金属を蒸着またはスパッタリングによって成膜し、光反射層2を作製する。その後は、図4に示すように、上記光反射層2の表面の全面に、代替支持材1’を接着させる。この代替支持材1’は、上記ウェハと同様なサイズまたはそれよりも大きなサイズに形成されたフィルムである。この代替支持材1’は、先に説明した代替支持材1となる部分であり、導電性および可撓性を有し、またその厚みは10μm〜100μm程度のものである。上記光反射層2に代替支持材1’を接着させる手段としては、接着剤を用いてもよいし、あるいは上記代替支持材1’を加熱して軟化させることにより粘着性をもたせ、熱圧着するといった手段を採用することもでき、本願発明ではいずれであってもよい。
【0041】
上記代替支持材1’の接着作業後には、図5に示すように、結晶成長に用いられたGaAs基板5を半導体積層部3の片面から除去する。この作業は、たとえば上記GaAs基板5をアンモニアと過酸化水素水とを混合したエッチング処理液に浸漬させるエッチング処理によって行うことができる。また、このようなエッチング処理に代えて、たとえば上記GaAs基板5を機械的な手段によって研削して除去することも可能である。ただし、作業性および半導体積層部3の保護の観点からすれば、エッチッグ処理を行うことが好ましい。
【0042】
上記GaAs基板5を除去した後には、図6に示すように、半導体積層部3の最外層に位置するn型InGaAlP層3aの表面30を凹凸の粗面にする作業を行う。この作業は、塩酸系のエッチング処理液に上記n型InGaAlP層3aを浸漬させるエッチング処理によって行うことができる。その後は、図7に示すように、上記n型InGaAlP層3aの表面30に、金製の電極4を形成する。この作業は、金を蒸着し、またはスパッタリングすることによって行うことができる。
【0043】
上記一連の作業工程によれば、代替支持材1’の片面に、光反射層2、半導体積層部3、および電極4のそれぞれが元のGaAs基板5の面積と略同一の面積で一連に形成された中間品A’が得られる。そこで、その後は、図8に示すように、その中間品A’を複数のチップ片として分割するように切断すれば、先の図1に示したLEDチップAが多数個取りできることとなる。上記中間品の切断は、一般のウェハのダイシング工程と同様に、たとえばダイヤモンドカッタやレーザカッタを用いて行えばよい。このようにして製造されたLEDチップAは、代替支持材1に対する半導体積層部3の半導体の層3a〜3dの順序が、図2に示すGaAs基板5に対する積層順序とは逆になっている。
【0044】
上記構成のLEDチップAは、全体の厚みtが110μm以下であり、いわば薄膜状のLEDチップとして構成されている。したがって、全体の厚みがたとえば0.7mm程度の薄手のICカードの内部に対しても、このLEDチップAを比較的余裕をもったかたちに組み込みことが可能となり、大きな実装スペースを確保することが困難なスペースに組み込んで使用するのに大変便利となる。
【0045】
また、上記LEDチップAの代替支持材1は可撓性を有しているために、上記LEDチップAの実装面がたとえば多少湾曲した曲面であっても、上記代替支持材1をその曲面に沿わせて撓ませることができ、確実に面実装することが可能となる。さらに、上記LEDチップAは、半導体積層部3の片面に代替支持材1が接着された構造であるために、半導体積層部3が上記代替支持材1によって補強されることとなる。したがって、上記LEDチップAを取り扱うときに、このLEDチップAの各部が安易に損傷するといったことも解消することができる。
【0046】
図9は、上記LEDチップAの実装構造の一例を示す要部断面図である。
【0047】
同図に示す実装構造では、回路基板6の表面に形成された銅箔製などの端子部60上に、LEDチップAがボンディングされ、その代替支持材1が上記端子部60と導通している。また、上記回路基板6の上面に設けられた起立部61には、金属製のバネ板状の端子板62の一端部が支持されており、この端子板62の他端部は上記LEDチップAの電極4の表面に接触し、その端子板62の弾発力によってその接触状態が維持されるように構成されている。上記LEDチップAや端子板62は、たとえばエポキシ樹脂などの透明な封止樹脂63によって覆われている。なお、上記端子部60にLEDチップAをボンディングする手段としては、導電性接着剤を用いる手段、あるいは上記代替支持材1を加熱しながら加圧する熱圧着手段を用いることができる。
【0048】
上記構造では、LEDチップAの代替支持材1をそのまま電極として利用しているために、このLEDチップAに必要な2つの電極のうち、1つの電極についてはその作製を省略することができる。また、上記LEDチップAには、端子板62をその弾発力を利用して接触させているために、上記LEDチップAにワイヤボンディングを行う場合と比較すると、次のような利点が得られる。すなわち、上記LEDチップAの電極4にワイヤボンディング作業を行ったのでは、ワイヤボンダーのキャピラリがLEDチップAの上面をかなり大きな圧力で押しつけることとなる。これに対し、上記構造では、端子板62を電極4に接触させているに過ぎないために、LEDチップAが大きな圧力を受けないようにすることができ、LEDチップAに機械的なダメージを生じさせないようにする点で有利となる。とくに、上記電極4は、電気接続性の良好な金製であるために、端子板62との接触圧をさほど大きくしなくても、導電性の良好な電気接続が行えることとなる。また、ワイヤボンディングの場合には、ワイヤの一部がLEDチップAとの接合部分から一定寸法だけ上方に延びるかたちとなり、回路基板6の上方にワイヤが嵩張った構造となるが、上記構造では、端子板62を略水平状に設定することによって、この端子板62の高さをLEDチップAの高さと略同一高さに設定できる。したがって、LEDチップAの実装部分およびそれに関連する電気接続部分の全体の厚みを小さくする上でも、有利となる。
【0049】
さらに、上記構造では、LEDチップAや端子板62などの各部を、封止樹脂63によって適切に保護することができるのに加え、この封止樹脂63の存在によって端子板62と電極4との位置関係を固定させて、それらの導通状態を適切に維持しておくこともできる。むろん、LEDチップAや端子板62の全体を樹脂封止する手段に代えて、電極4と端子板62との接触部分のみを樹脂封止する手段を採用してもかまわない。
【0050】
上記LEDチップAを上記図9に示すように実装した状態において、電極4と代替支持材1との間に電流を流すと、半導体積層部3の発光層3bからその上下方向に向けて光が放出される。これらの光のうち、上向きの光は、そのまま透明の電極4および封止樹脂63を透過して上方に進行する。これに対し、下向きの光は、光反射層2の表面に到達すると、高い反射率で上方へ向けて反射され、その後は電極4や封止樹脂63を透過してやはり上方に進行する。したがって、発光層3bから放出された光が代替支持材1に吸収されることを解消し、LEDチップAの上面からの放出光量を多くすることができる。また、半導体積層部3の内部の光がn型InGaAlP層3aの粗面状の表面30を通過するときには、その光は散乱状態となる。したがって、上記LEDチップAの輝度をより高めることが可能となる。
【0051】
図10ないし図13は、本願発明に係る光半導体チップの他の例をそれぞれ示し、図10ないし図12は断面図であり、図13は斜視図である。なお、説明の便宜上、これらの図において、先の実施形態と同一部位は同一符号で示し、その説明は省略する。
【0052】
図10に示すLEDチップAaは、先の実施形態のLEDチップAとは異なり、透光性を有する電極4aを半導体積層部3上に部分的に設けた構成である。このような構成のLEDチップAaは、蒸着またはスパッタリングによって金を上記半導体積層部3の表面に成膜させるときにその表面にマスキングを行い、この表面30の所定部分にのみ金が成膜されるようにすればよい。上記LEDチップAaにおいても、先の実施形態のLEDチップAと同様に、上記電極4aの上面に上記端子板62を接触させた図9に示す構造の電気接続を行うことができる。むろん、本願発明は、光半導体チップの電気接続構造の構成を一切問うものではない。したがって、上記電極4aに金線などのワイヤボンディングを施してもなんらかまわない。
【0053】
図11に示すLEDチップAbは、代替支持材1aとして、表面に光沢を有する金属フィルムを用いている。このような構成によれば、先の2つのLEDチップA,Aaとは異なり、代替支持材1aの表面に光反射層2をわざわざ設けることなく、半導体積層部3から発せられた光を上記代替支持材1aの表面によって上方へ効率良く反射させることができることとなる。また、導電性を有する金属フィルムを用いれば、上記代替支持材1aをそのまま半導体積層部3の電極として利用することもできる。
【0054】
図12に示すLEDチップAcは、代替支持材1bとして、透明フィルムを用いている。このような構成によれば、半導体積層部3の発光層3bから発せられた光の一部をその上面から外部へ放出させることができるとともに、光の他の一部を代替支持材1bを透過させてその下面から外部へ放出させることも可能となり、LEDチップAcの上下両面から光を放出させることができる。
【0055】
このように、本願発明では、代替支持材の具体的な材質などは限定されず、種々のものを用いることが可能である。代替支持材を合成樹脂製フィルムや金属製フィルムなどによって形成すれば、それらの材料コストを安価にでき、またその製造も容易となる利点が得られる。ただし、本願発明はこれに限定されない。本願発明では、たとえば半導体積層部3の片面に、金属などの材料を蒸着またはスパッタリングなどによって成膜固化させ、この成膜処理によって得られた膜状物質を代替支持材としてもよい。さらには、たとえば半導体積層部3の片面に樹脂などの液体状の材料を塗布した後に、この材料を硬化させることによって、フィルム状の部材を形成し、これを代替支持材としてもよい。
【0056】
図13に示す光半導体チップAdは、LDチップとして構成されたものであり、代替支持材1c上にレーザダイオードを構成する半導体積層部3Aが接着された構造となっている。上記半導体積層部3Aは、n型半導体層3e、活性層3f、およびp型半導体層3gなどを有するものであり、それらの厚み方向に所定の電流を流すことによってレーザ発振が可能に構成されている。上記半導体積層部3Aは、先に説明したLEDチップの半導体積層部と同様に、化合物半導体を所定の基板上で結晶成長させることにより製造されるものであるが、このLDチップAdでは、やはりその結晶成長に利用された基板は除去されており、その代わりに、代替支持材1cを具備している。この代替支持材1cとしては、先に説明したLEDチップの場合と同様に、種々の材質のものを用いることができる。また、半導体積層部3Aの上面には、必要に応じて電極が形成される。
【0057】
上記LDチップAdにおいても、先のLEDチップAと同様に、結晶成長に利用された基板が除去され、それに代えて薄手の代替支持材1cが設けられていることにより、全体の厚みをかなり小さくすることができる。また、代替支持材1cの存在によって、LDチップ全体の強度を高めておくことができ、その取り扱い時において各部が容易に損壊するといった不具合も無くすことが可能となる。
【0058】
このように、本願発明に係る光半導体チップは、LEDチップとして構成するに限らず、LDチップとして構成することもできる。要は、化合物半導体の結晶からなる半導体積層部を備えた光半導体チップであれば、その種類を問わず、本願発明を適用することが可能である。むろん、発光ダイオードやレーザダイオードなどを構成する半導体積層部の具体的な成分も限定されない。
【0059】
また、本願発明に係る光半導体チップの製造方法の各作業工程も、上記した実施形態に限定されない。化合物半導体の結晶成長に用いる基板の種類は、その化合物半導体の具体的な成分内容に応じて適宜選択すればよく、GaAs基板に代えて、GaP基板、GaAlAs基板、もしくはSi基板などの半導体基板を用いてもよい。また、たとえば青色LEDを製造する場合には、アルミナ基板(サファイヤ基板)を用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明に係る光半導体チップの具体例としてのLEDチップを示す断面図である。
【図2】基板上に半導体積層部を作製する工程を示す要部断面図である。
【図3】半導体積層部上に光反射層を作製する工程を示す要部断面図である。
【図4】半導体積層部に光反射層を介して代替支持材を接着する工程を示す要部断面図である。
【図5】結晶成長に用いられた基板を削除する工程を示す要部断面図である。
【図6】半導体積層部の表面にエッチング処理を施した状態を示す要部断面図である。
【図7】半導体積層部の表面に電極を形成した状態を示す要部断面図である。
【図8】半導体積層部および代替支持材をチップ状に切断する工程を示す要部断面図である。
【図9】図1に示すLEDチップの実装構造の一例を示す要部断面図である。
【図10】本願発明に係る光半導体チップの他の例を示す断面図である。
【図11】本願発明に係る光半導体チップの他の例を示す断面図である。
【図12】本願発明に係る光半導体チップの他の例を示す断面図である。
【図13】本願発明に係る光半導体チップの他の例を示す斜視図である。
【図14】従来のLEDチップの一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1,1a〜1c 代替支持材
2 光反射層
3 半導体積層部(発光ダイオード)
3A 半導体積層部(レーザダイオード)
4,4a 電極
5 GaAs基板
30 表面
A,Aa〜Ac LEDチップ(光半導体チップ)
Ad LDチップ(光半導体チップ)
Claims (6)
- 化合物半導体の結晶からなる半導体積層部を備えた光半導体チップであって、
上記半導体積層部は、その結晶成長に用いられた基板とは異なる代替支持材に接着されており、かつ上記半導体積層部から上記基板が除去され、
上記半導体積層部は発光ダイオードとして構成され、全体がLEDチップとして形成されているとともに、
上記代替支持材は、透光性を有するフィルムであることを特徴とする、光半導体チップ。 - 上記代替支持材は、可撓性を有している、請求項1に記載の光半導体チップ。
- 上記代替支持材は、導電性を有している、請求項1または2に記載の光半導体チップ。
- 上記半導体積層部の上記代替支持材が接着されている面とは反対の面が、凹凸状の粗面とされている、請求項1ないし3のいずれかに記載の光半導体チップ。
- 上記半導体積層部の上記代替支持材が接着されている面とは反対の面の全面またはその一部には、透光性を有する電極が設けられている、請求項1ないし4のいずれかに記載の光半導体チップ。
- 上記電極は、金の薄膜層である、請求項5に記載の光半導体チップ。
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|---|---|---|---|
| JP33272797A JP3643225B2 (ja) | 1997-12-03 | 1997-12-03 | 光半導体チップ |
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| JP33272797A JP3643225B2 (ja) | 1997-12-03 | 1997-12-03 | 光半導体チップ |
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|---|---|
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