JP3644606B2 - 逆打工法における型枠支保工の設置方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は逆打工法による地下構築物の構築における型枠支保工の設置方法に係るものである。
【0002】
【従来の技術】
地下構造物、特に路面下に構築される地下駐車場や地下鉄の駅舎における地下工事の施工に際しては、先ず周辺の地盤の崩壊を防止する山留めを行ない、切梁、腹起し等よりなる山留支保工を水平に架設しながら所定の深さまで順次掘削し、地業後、基礎工事から順次下層階より上層階へと構築する所謂順打工法が一般的に行なわれている。
【0003】
また上層階より下層階へと構築していく逆打工法が採用される場合もある。
この逆打工法においては、山留め後、1次掘削して捨てコンクリートを打設し、上階のトップスラブの型枠を組み立て、更に鉄筋を組立ててコンクリートを打設し、同打設コンクリートが硬化して所要の強度を発現すると型枠を解体、撤去し、更に2次掘削して前記の工程を反覆して下層階を構築し、最後に基礎を構築する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
地下構築物を構築する際、前記順打ち工法、逆打ち工法のどちらを採用して行うかは、工事現場の周囲の環境や、工期期間の要因によっていづれかを選択する。
しかしながら、順打工法においては、支保工を組み立てて型枠を組み立て、鉄筋を配筋してコンクリートを打設し、同打設コンクリートが硬化したのち型枠を解体して次の上階に搬送する。
【0005】
また逆打工法においては、コンクリート打設後下階を更に掘削していくため、型枠資材は各階毎に場外に搬出しなければならない。
このような状況の下においては、市街地、特に商店街の多い路面下に地下構築物を構築する場合、建設資材の出し入れ、作業騒音が多く、これらの所謂建設公害に対する防止対策に多大の費用を要するのみならず、多くの作業員を必要とし、工事の遅延する要因となり、また資材の回収場所に苦慮するという問題があった。
【0006】
本発明は前記従来技術の有する問題点に鑑みて提案されたもので、その目的とするところは、逆打工法による地下構築物の施工に当り、型枠工法の合理化を図り資材の計画的な運用と省力化により、工期の短縮と近隣に対する建設公害を軽減する逆打工法における型枠支保工の設置方法を提供する点にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するため、本発明に係る逆打工法における型枠支保工の設置方法によれば、地下構築物を上層から下層に構築する逆打工法において、最上階1層階に相当する地盤を掘削して型枠支持床を設け、同型枠支持床に、型枠を支持するための支保工を設置し、同支保工と、同支保工が支持する型枠とを一体化して懸吊式型枠ユニットを構成し、所要階層の構築後は同懸吊式型枠ユニットを下層階に懸吊して、当該下層階に対応して設けた型枠支持床に同懸吊式型枠ユニットを設置するものである。
【0008】
請求項2の発明によれば、前記懸吊式型枠ユニットは前記型枠支持床に立設して設置した前記支保工の上下方向中間に支保工懸吊用横架材を架設し、同支保工の頂部に大引材を架設し、同大引材の上に根太を配設した型枠より構成するものである。
請求項3の発明によれは、前記懸吊式型枠ユニットは、適宜間隔に配置された複数の電動チエーンブロックによって前記支保工懸吊用横架材が懸吊されるように構成されるものである。
【0009】
【作用】
本発明によれば地下構築物を上層から下層に構築する逆打工法において、最上階1層階に相当する地盤を掘削して型枠支持床を地下部に設け、同型枠支持床に、型枠を支持するための支保工を設置し、同支保工と、同支保工が支持する型枠とを一体化して懸吊式型枠ユニットを構成し、コンクリートを打設することによって、1層階が構築されるものである。また、所要階層の構築後は同懸吊式型枠ユニットを下層階に懸吊して、当該下層階に対応して設けた型枠支持床に同懸吊式型枠ユニットを設置するものである。
【0010】
請求項2の発明によれば、前記型枠支持床に前記支保工を立設して設置し、同支保工の上下方向中間に同支保工を懸吊する横架材を配設し、同支保工の頂部に大引材を架設し、同大引材の上に型枠の根太を配設したことによって、同支保工と型枠とが一体となり、広範囲な型枠ユニットが形成される。
請求項3の発明によれば、前記懸吊式型枠ユニットは、適宜間隔に配置された複数の電動チエーンブロックによって、前記支保工を懸吊する前記横架材が懸吊されるように構成される。
本発明によれば、所要階層を構築した後は、前記懸吊式型枠ユニットを下層階に吊下げて、当該下層階に対応して設けた型枠支持床に設置することによって、型枠の組立、解体作業が不要となり、型枠工の手間が大幅に減少し、資材の搬送が合理化され、省力化が図られる。
【0011】
【実施例】
以下、本発明を図示の実施例について説明する。
図1は本発明の逆打工法によって構築される地下構築物Aの縦断面図を示し、同地下構築物Aは3層階よりなり、基礎Kと外壁W、鋼管柱C及び各階床のスラブ梁S1 ,S2 ,S3 とから構成されている。
【0012】
前記地下構築物Aの施工に際しては周囲地盤に山留め壁1を築造し、更に路盤と地下構築物Aを支持する中間杭2を打設し、1次掘削a後、路盤Rを覆工する。2次掘削b後、最上層1層階に相当する地面に型枠支持床3を設ける。(図2参照)図中Pは掘削機である。
次いで前記型枠支持床3に最上階1層階の型枠を支持するための支保工4を設置し、同支保工4の上下方向中間に支保工を懸吊する横架材5を架設し、支保工4の一部である補助支保工4aの頂部に大引材6を架設し、同大引材6の上に根太7を配設したスラブ型枠8から構成された懸吊式型枠ユニットHを組み立てる。
【0013】
なお図示の実施例では枠組足場と補助支保工4aを使用しているが、例えば単管パイプによる支保工ステージや、仮設梁を使用した支保工ステージにしてもよく、要は支保工(ステージ)を横架材で懸吊できるようにするものである。
前記懸吊式型枠ユニットHを組み立て、スラブ型枠8に鉄筋を配筋し、床コンクリートNを打設したのち前記ユニットの懸吊の準備をする。
【0014】
即ち床コンクリートNに貫通孔9を設け、同孔9を縦貫するテンションバー10によって前記横架材5より吊持して、貫通孔9を貫通し、2分割された止板11で挟着し、ナット12で仮止めする。テンションバー10の上部には電動チエーンブロック13のフック14と係合する係止環15が装架されている。電動チエーンブロック13は覆工桁16間を連結する繋ぎ材17に設けた繋止環18を介して懸架されている(図3、図4参照)。
次いで図5に示す如く前記懸吊式型枠ユニットHを懸吊したまま3次掘削cを行ったのち、下階1層階に相当する地面に型枠支持床3’を設ける。
【0015】
次いで前記懸吊式型枠ユニットHを電動チエーンブロック13によりスライドダウンして型枠支持床3’に設置し、前記型枠ユニットHに配筋し、中空の鋼管柱Cを上部梁下に懸吊し、スラブS2 のコンクリートを打設する(図6参照)。
かくして前記1層階分を前記した工程を反覆して上階から下階へと順次構築し(図7参照)、最後に基礎を構築して、中間杭2のうちの、不要な上端部分を撤去する。
【0016】
【発明の効果】
本発明によれば前記したように逆打工法によって地下構築物を施工する際、最上層1層階に相当する地盤を掘削して型枠支持床を設け、同型枠支持床に、型枠を支持するための支保工を設置し、同支保工と、同支保工が支持する型枠とを一体化して懸吊式型枠ユニットを構成することによって同型枠ユニットが最上階の型枠となり、コンクリートが打設されることによって一層階が構築され、その構築後には、同型枠ユニットが下層階に転用されるので、型枠の組立、解体作業が省略され、建設資材の運搬作業が大幅に軽減され省力化と工期の短縮が図られるとともに、作業に伴う騒音や塵埃の飛散が減少し、作業環境が改善される。
【0017】
請求項2の発明によれば、前記懸吊式型枠ユニットは、前記型枠支持床に立設して設置した支保工の上下方向中間に支保工懸吊用横架材を架設し、同支保工の頂部に大引材を架設し、同大引材の上に根太を配設した型枠より構成することによって、支保工と型枠とが一体化して広範囲な型枠ユニットが構成される。
請求項3の発明によれば、前記懸吊式型枠ユニットは、適宜間隔に配置された複数の電動チエーンブロックによって前記支保工懸吊用横架材が懸吊されるように構成するため、所要階層の構築後に前記懸吊式型枠ユニットを下層階に懸吊して当該下層階の型枠支持床上に設置する作業が容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法によって構築される地下構築物の縦断面図である。
【図2】地下を構築物を構築する地盤の山留めと中間杭の打設並びに掘削工程を示す縦断面図である。
【図3】懸吊式型枠ユニットの要部を示す縦断面図である。
【図4】懸吊式型枠ユニットにより上層階から構築する実施例を示す縦断面図である。
【図5】第3次掘削をして前記懸吊式型枠ユニットが懸吊されている状態を示す縦断面図である。
【図6】第3次掘削後、懸吊式型枠ユニットを吊下して設置した状態を示す縦断面図である。
【図7】前記工程を反覆して、前記型枠ユニットを下階に吊下ろして設置した状態を示す縦断面図である。
【符号の説明】
A 地下構築物
C 鋼管柱
H 懸吊式型枠ユニット
N 床コンクリート
P 掘削機
R 路盤
S1 ,S2 ,S3 スラブ
W 外壁
1 山留め壁
2 中間杭
3,3′ 型枠支持床
4 支保工
4a 補助支保工
5 横架材
6 大引材
7 根太
8 スラブ型枠
9 貫通孔
10 テンションバー
11 止板
12 ナット
13 電動チエーンブロック
14 フック
15 係止環
16 覆工桁
17 繋ぎ材
18 繋止環
a 1次掘削
b 2次掘削
c 3次掘削
Claims (3)
- 地下構築物を上層から下層に構築する逆打工法において、最上階1層階に相当する地盤を掘削して型枠支持床を設け、同型枠支持床に、型枠を支持するための支保工を設置し、同支保工と、同支保工が支持する型枠とを一体化して懸吊式型枠ユニットを構成し、所要階層の構築後は同懸吊式型枠ユニットを下層階に懸吊して、当該下層階に対応して設けた型枠支持床に同懸吊式型枠ユニットを設置することを特徴とする逆打工法における型枠支保工の設置方法。
- 前記懸吊式型枠ユニットは前記型枠支持床に立設して設置した前記支保工の上下方向中間に支保工懸吊用横架材を架設し、同支保工の頂部に大引材を架設し、同大引材の上に根太を配設した型枠より構成されている請求項1記載の逆打工法における型枠支保工の設置方法。
- 前記懸吊式型枠ユニットは、適宜間隔に配置された複数の電動チエーンブロックによって前記支保工懸吊用横架材が懸吊されるように構成される請求項2記載の逆打工法における型枠支保工の設置方法。
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