JP3652169B2 - 基板現像装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体ウエハ、フォトマスク用のガラス基板、液晶表示装置用のガラス基板、光ディスク用の基板など(以下、単に「基板」と称する)の表面に形成されたフォトレジスト膜に現像液を供給して現像処理を施す基板現像装置及び基板現像方法に係り、特に、基板の表面全体に現像液を液盛りして現像処理を施す(いわゆるパドル現像)技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種のパドル現像プロセスでは、現像前に純水リンスノズルから基板上に純水を供給し、その後、現像液ノズルから現像液を基板上に供給して純水を現像液で置換し、基板上に現像液を液盛りした状態で現像処理を行うというプロセスが実施されている。現像液を供給する前に基板上に純水を供給する理由は、現像液と疎水性フォトレジスト膜との密着性が悪いことに起因して現像液中にマイクロバルブが発生し、現像欠陥が生じるのを防止するためである。基板上に純水を供給して基板表面を予め親水性にしておくことにより、上記の現像欠陥の発生を抑制することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、最近ではデザインルールの微細化に伴い、ArFレーザを使う化学増幅型フォトレジスト(以下、「ArF系レジスト」と称する)が用いられることがある。このAr系レジストは、I線やKrFレーザを使う一般的な化学増幅型フォトレジスト(以下、「通常レジスト」と称する)に比べて、現像速度が著しく速いという特質がある。このような現像速度が著しく速いArF系レジストに対して、通常レジストで使用される現像液濃度と同じ濃度の現像液を用いると、基板上に液盛りされた現像液の局所的な濃度差の影響によって、基板内の線幅の均一性が損なわれるという問題が生じる。
【0004】
また、通常レジストのパドル現像においても、焼き付けパターンの種類によっては同じ基板内であっても現像液と反応する領域(面積)に差が生じることがある。例えば、同じ基板内でフォトレジストに小さな窓を開ける箇所と、大きな窓を開ける箇所とが混在している場合、大きな窓を開ける箇所は小さな窓を開ける箇所に比べて現像液と反応する領域が広くなる。このような場合、現像液と反応する領域が広い箇所では現像液の濃度低下が他の箇所に比べて著しくなり、その結果、基板内の線幅の均一性が損なわれるという問題が生じる。
【0005】
現像液の濃度を比較的に低く設定すると、上記のような問題は解消されるのであるが、現像液の濃度を一律に低下さてしまうと現像時間が長くなり、処理効率が低下するという別異の問題が生じる。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、フォトレジスト膜の特性や焼き付けパターンの種類などに応じた適正濃度の現像液を供給して基板内の線幅の均一性を向上することができる基板現像装置及び基板現像方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、請求項1に記載の発明は、フォトレジスト膜が形成された基板に親水化処理のための親水化処理液を供給した後に、基板に現像液を供給して基板上に現像液を液盛りし、その状態で現像処理を行う基板現像装置であって、基板を回転可能に保持する回転保持手段と、親水化処理液を供給する親水化処理液供給手段と、原現像液を供給する原現像液供給手段と、親水化処理液供給手段および原現像液供給手段にそれぞれ連通接続され、回転保持手段に保持された基板上に親水化処理液および現像液をその順に供給する単一のノズルと、親水化処理液および原現像液のうちの少なくともいずれか一方の流量を調節する流量調節手段と、親水化処理過程では少なくとも親水化処理液をノズルに送り、現像処理過程では親水化処理液と原現像液とを混合して所定濃度の現像液がノズルから吐出されるように、流量調節手段を操作する制御手段とを備え、制御手段は、現像処理過程で、基板に現像液を供給し、その後に回転保持手段を駆動して基板を一時的に回転させることにより基板上の現像液を一旦振り切るという、現像液の供給と振り切りとを少なくとも1回行わせる現像液の途中振り切り過程を経た後に、ノズルから供給される新たな現像液を基板上に液盛りし、さらに、前記現像液の途中振り切り過程で基板上の現像液を一旦振り切る期間においては、常に親水化処理液が基板に供給されるように流量調節手段を操作するものである。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の基板現像装置において、制御手段はさらに、前記現像液の途中振り切り過程で現像液を基板に供給する期間は、現像液を基板上に液盛りする期間に比べて短くなるように制御するものである。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の基板現像装置において、制御手段はさらに、現像処理過程の始めには低濃度の現像液が基板に供給され、続いて基板に供給される現像液の濃度が次第に高められ、最終的には目標濃度の現像液が基板に供給されるように、流量調節手段を操作するものである。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の基板現像装置において、親水化処理液供給手段および原現像液供給手段が連通接続するノズル側の接続部位に、逆止弁をそれぞれ設けたものである。
【0014】
さらに、本明細書は次のような課題解決手段を開示している。
(1)フォトレジスト膜が形成された基板に現像液を液盛りして現像処理を行う基板現像方法において、基板に現像液を供給する過程の始めは低濃度の現像液を供給し、続いて基板に供給する現像液の濃度を次第に高め、最終的には目標濃度の現像液を基板に供給して基板に現像液を液盛りすることを特徴とする基板現像方法。
【0015】
(作用・効果)
現像処理過程の最初から目標濃度の現像液を基板に供給すると、フォトレジスト膜に対する化学的なインパクトが強くなって現像ムラを発生しやすい。この傾向は、特に現像速度の速い化学増幅型レジストの場合に顕著である。
そこで、本発明では基板に現像液を供給する際に、最初は低濃度の現像液を供給してフォトレジスト膜に対する化学的インパクトを緩和し、続いて徐々に現像液の濃度を高め、最終的には目標濃度の現像液を基板上に液盛りして現像するようにしている。
このようにすれば、基板内の線幅の均一性が向上するとともに、低濃度の現像液だけを使用する場合に比べて、現像処理の効率も向上する。
なお、本発明において現像液を基板上に供給するノズルとしては、濃度調整された現像液を吐出する単一のノズルを使用するのが好ましいが、各々流量調整された純水と原現像液とを個別に基板上に吐出する2つのノズル、あるいは純水用と原現像液用の2つの吐出孔をもつ単一のノズルを用いることも可能である。
【0016】
(2)フォトレジスト膜が形成された基板に現像液を液盛りして現像処理を行う基板現像方法において、現像処理過程で基板上に液盛りされた現像液を一旦振り切り、その後に新たな現像液を供給して基板上に現像液を液盛りするという、現像液の振り切りと再度の液盛りとを少なくとも1回行うことを特徴とする基板現像方法。
【0017】
(作用・効果)
単に現像液を基板に液盛りして現像処理を行う従来手法によると、焼き付けパターンの種類によっては、基板内で現像液と反応する領域が広い箇所と、反応する領域が狭い箇所とが生じ、その結果として、液盛りされた現像液に濃度ムラが発生し、線幅の均一性を阻害する。
本発明によれば、現像処理の過程で現像液を一旦振り切り、その後、新たな現像液を供給して液盛りしているので、現像液の濃度ムラを最小限度に抑えて、線幅の均一性を向上することができる。
なお、本発明においても上記(1)と同様にノズルの個数や形態は限定されない。
【0018】
(3)上記(2)に記載の基板現像方法において、基板上の現像液を振り切る際に、基板上に洗浄液を供給して基板表面を洗浄する基板現像方法。
【0019】
(作用・効果)
パドル現像処理では、現像液とフォトレジスト膜との反応が進むにつれて、基板上に液盛りされた現像液にレジスト滓が混ざってくる。このレジスト滓は均一な現像処理を行う上で弊害になる。
そこで(3)の発明によれば、現像液を振り切る際に洗浄液(例えば、純水)を供給して基板表面を洗浄するので、現像液中に混在しているレジスト滓が基板表面から洗い流され、その結果、一層均一な現像処理を行うことができる。
【0020】
【作用】
請求項1に記載の発明の作用は次のとおりである。
処理対象である基板が回転保持手段に保持されると、親水化処理液供給手段からノズルへ親水化処理液が送られ、基板上へ親水化処理液が供給される。基板表面の親水化処理が終わると、制御手段は流量調節手段を操作することにより、親水化処理液および原現像液のうちの少なくともいずれか一方の流量を調節する。少なくとも一方が流量調節された親水化処理液と原現像液とが単一のノズルに送られることにより、親水化処理液と原現像液とが混合してノズルから基板へ所定濃度の現像液が供給される。その結果、基板はフォトレジスト膜の特性や焼き付けパターンの違いなどに応じた適正濃度の現像液で現像処理を受ける。
さらに、現像処理過程で基板上の現像液が一旦振り切られて、その後に新たな現像液が基板上に液盛りされて現像処理が行われるので、同じ基板内で現像液と反応する領域に差があるために現像液に濃度のばらつきが生じても、その現像液が振り切られて新たな現像液が液盛りされることにより、現像液の濃度のばらつきが解消される。
さらに、現像液の途中振り切り過程で基板上の現像液を一旦振り切る期間においては、常に親水化処理液を基板に供給する。
【0021】
請求項2に記載の発明によれば、現像液の途中振り切り過程で現像液を基板に供給する期間は、現像液を基板上に液盛りする期間に比べて短い。
【0022】
請求項3に記載の発明によれば、現像処理過程の始めには低濃度の現像液が基板に供給され、続いて基板に供給される現像液の濃度が次第に高められ、最終的には目標濃度の現像液が基板に供給されるように現像液の濃度が制御されるので、現像速度の速いフォトレジストであっても線幅の均一性が損なわれることなく、しかも比較的に短時間で現像処理を行うことができる。
【0023】
請求項4に記載の発明によれば、親水化処理液供給手段および原現像液供給手段が連通接続するノズル側の接続部位に、逆止弁をそれぞれ設けたので、親水化処理液の供給から現像液の供給へ切り換える場合や、あるいは現像液の供給から親水化処理液(この場合、親水化処理液は洗浄液として作用する)の供給へ切り換える場合に、両液が不必要に混ざり合う期間が短くなる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
<第1実施例>
図1は本発明に係る基板現像装置の第1実施例の概略構成を示した図である。この基板現像装置は、半導体ウエハなどの基板Wを水平姿勢で吸着保持するスピンチャック1を備えている。スピンチャック1はモータ2の出力軸に連結されている。スピンチャック1およびモータ2は本発明における回転保持手段に相当する。なお、回転保持手段は上記の例に限らず、例えば回転板に立設された複数本のピンで基板Wの端縁を保持するようなものでもよい。スピンチャック1の周囲には、親水化処理や現像処理などのときに基板Wから振り切られた純水や現像液を回収するための図示しないカップが設けられている。
【0028】
スピンチャック1の傍らには親水化処理液としての純水や現像液を基板W上に供給するための単一のノズル3が配設されている。ノズル3の下面にはスリット状の吐出孔3aが形成されている。ノズル3はモータ4およびエアーシリンダ5によって旋回および昇降駆動されるアーム6に片持ち支持されている。これら駆動機構によって、処理時にはノズル3が基板Wに近接して基板Wの半径方向に移動し、待機時にはカップの傍らにある図示しない待機ポット内に納められるようになっている。
【0029】
ノズル3の一方の側面には原現像液(本明細書では親水化処理液で希釈されていない現像液をいう)の供給源からノズル3へ原現像液を送る送液管7の末端が分岐して連通接続されている。また、ノズル3の他方の側面には純水供給源からノズル3へ親水化処理液としての例えば純水を送る送液管8の末端が分岐して連通接続されている。原現像液の供給源(通常は原現像液を収容した容器などであって、本装置内に設置される)および送液管7は、本発明における原現像液供給手段に相当する。また、純水供給源および送液管8は、本発明における親水化処理液供給手段に相当する。ただし、通常、純水の供給源はこの種の基板現像装置が設置されるクリーンルーム内に常備された設備を使用するので、このような場合は送液管8が本発明における親水化処理液供給手段に相当する。
【0030】
原現像液用の送液管7には流量調節弁9および開閉弁10が設けられている。また、純水用の送液管8には流量調節弁11および開閉弁12が設けられている。流量調節弁9,11および開閉弁10,12は、コンピュータ機器で構成された制御部13によって操作される。また、制御部13は上述したスピンチャック1の駆動用モータ2、ノズル3の旋回駆動用モータ4、ノズル3の昇降駆動用エアーシリンダ5などをシーケンス制御する。上述した流量調節弁9,11は本発明における流量調節手段に、制御部13は本発明における制御手段に、それぞれ相当する。
【0031】
原現像液用の送液管7および純水用の送液管8がそれぞれ分岐して連通接続するノズル3の各接続部位には、図2に示すような逆止弁14が内蔵されている。仮にこのような逆止弁14が無い場合、原現像液側の開閉弁10を閉じ、純水側の開閉弁12を開放して、ノズル3から純水のみを基板Wへ供給する場合に、開閉弁10から下手側の送液管7に残留している原現像液が僅かずつではあるが、ノズル3内を流通している純水に長期にわたって引き込まれて、純水に原現像液が不測に混入するという不都合が生じる。本実施例では、各送液管7,8の接続部位に逆止弁14をそれぞれ内蔵しているので、上述したような両液の混入は液切換時の一瞬だけで、液切り換えのレスポンスが短くなり、現像処理の品質を高めることができる。
【0032】
次に、上述した構成を備えた第1実施例装置を用いた現像処理の手順を図3を参照して説明する。
ステップS1:純水プリウェット
処理対象である基板Wがスピンチャック1に吸着保持されると、スピンチャック1が回転する。このときの回転速度は、400〜3000rpm程度の比較的に高速の回転速度に設定される。続いて待機位置にあったノズル3が基板Wの傍らに移動する。そして、純水を吐出させながらノズル3が、回転中の基板Wのエッジ部から回転中心部付近まで移動することにより、基板Wに純水を供給する。プリウエット時間は基板表面のフォトレジスト膜の撥水性に応じて決められ、撥水性の高いフォトレジスト膜程長い時間に設定されるが、通常は10秒程度である。
【0033】
ステップS2:純水パドル形成
基板Wの回転速度を落として基板W上に純水を液盛りする。純水の表面張力との関係で、減速後の回転数は150rpm以下が好ましい。現像液の供給前に純水パドルを形成するのは、所定濃度の現像液を供給したときに、現像液が純水パドルと混合してその濃度が一時的に低下するので、その方がフォトレジスト膜に対する化学的インパクトが和らぎ、現像処理のムラを抑制する上で好ましいからである。
【0034】
ステップS31:現像液の置換(濃度調整された現像液を供給)
処理対象である基板Wに形成されたフォトレジスト膜の特性や焼き付けパターンの種類などに応じて、制御部13は流量調節弁9および11を操作し、原現像液と純水とが各々所定流量となるようにする。流量調節された原現像液と純水とは送液管7および8を介してノズル3に送られる。ノズル3に送られた原現像液と純水とはノズル3内で混ざり合い、所定濃度の現像液となって吐出される。
【0035】
純水パドルが形成された基板Wに所定濃度の現像液を供給されると、純水パドルが現像液で置換される。このとき、ノズルから吐出された現像液が基板上で滞留するのを防止するために、基板Wを150rpm以上で回転させるのが好ましい。ただし、ノズル3を例えば基板Wの中央部からエッジ部へ移動させながら現像液を吐出する場合には、現像液と純水との置換を均一に行うことができるので、基板Wを低速回転させてもよい。
【0036】
また、上記のようにノズル3を移動させて現像液を吐出する場合に、ノズル3が基板Wのエッジ部から外れた位置にまで移動してから現像液を停止するようにすれば、ノズル3から現像液のボタ落ちが発生しても基板W上に落ちないので、現像液のボタ落ちによる現像液の濃度不均一の発生を抑制することができる。
【0037】
ステップS41:現像液パドル形成
現像液への置換が終了すると、制御部3は開閉弁10および12を閉じて原現像液および純水の供給を停止させるとともに、基板Wの回転を停止させて基板W上に現像液のパドルを形成する。このときの基板Wの減速は徐々に行う(例えば、1000rpm/sec以下)のが好ましい。回転中の基板Wのエッジ部では、現像液の表面張力と遠心力との釣り合いによって現像液パドルが形成されているので、減速加速度が大きい場合、この釣り合いが急激に破れて基板Wのエッジ部から中心部へ向かう現像液の波面が生じて現像液が基板中心部へ移動する。現像液の中心部への移動に伴って、現像処理過程でエッジ部に発生したレジスト滓も基板中心部へ移動し、基板中心部にレジスト滓が集まる。このようにレジスト滓が基板中心部に集まると、基板上の現像液の濃度ムラを引き起こす要因になるので、上記のように基板Wの減速を徐々に行うのが好ましい。
【0038】
ステップS5:洗浄
所定時間のバドル現像が終わると、基板Wを回転させて基板W上の現像液を振り切るとともに、開閉弁10を開放して基板Wに純水を供給し、基板W上の現像液を純水で置換・洗浄する。
【0039】
ステップS6:乾燥
洗浄処理が終わると、純水供給を止めるとともに、基板Wを高速回転させて基板Wを乾燥させる。
【0040】
以上のように第1実施例によれば、処理対象である基板Wに形成されたフォトレジスト膜の特性や焼き付けパターンの種類に応じて、適正濃度の現像液を供給してパドル現像を行っているので、基板内の線幅の均一性を向上することができる。また、単一のノズル3を用いて親水化処理と現像処理とを行っているので、個別のノズルを用いて各処理を行う場合と比べて、ノズルの移動サイクルが少なくなり、現像処理の効率が上がるとともに、装置のシーケンス制御も簡素化することができる。
【0041】
<第2実施例>
第1実施例では、現像処理過程の最初から一定濃度に調整された現像液を基板Wに供給するようにしたが、本実施例では、現像処理過程の始めには低濃度の現像液が基板に供給され、続いて基板に供給される現像液の濃度が次第に高められ、最終的には目標濃度の現像液が基板に供給されるように、制御部3が流量調節弁9および11を操作している。
なお、基板現像装置の概略構成およびノズル構成は図1および図2に示した第1実施例のものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
【0042】
以下、図4のタイムチャートを参照して本実施例の現像処理の手順を説明する。
親水化処理過程および洗浄・乾燥処理は第1実施例のステップS1,S2,S5,S6で説明したと同様であるので、ここでは現像処理過程(現像液の置換ステップS32および現像液パドル形成ステップS42)について説明する。
【0043】
ステップS32:現像液への置換(現像液濃度を次第に上げる)
純水パドルが形成された基板Wに現像液を供給して、純水パドルを現像液で置換する過程において、制御部3は純水流量および原現像液流量を図4に示すように制御する。すなわち、現像液の置換過程の期間T(Tは通常1〜10sec)にわたり、原現像液の流量を徐々に増加させて最終的には所定流量にする一方、純水の流量を徐々に減少させて最終的には所定流量にする。その結果、ノズル3から基板Wへ供給される現像液の濃度は、図4に示すように、始めは低濃度の現像液が基板に供給され、次第に現像液の濃度が高められ、最終的には目標濃度の現像液が基板に供給される。
【0044】
ステップS42:現像液パドル形成
基板Wに供給される現像液の濃度が目標濃度に達すると(期間Tの経過の後)、第1実施例の場合と同様に基板Wの回転を減速して、基板Wに現像液のパドルを形成する。処理条件等は第1実施例と同様であるので、その説明は省略する。
【0045】
本実施例によれば、基板Wへ供給される現像液の濃度が徐々に高められるので、基板内で現像液の濃度ムラが発生しにくく、反応速度の速いフォトレジスト膜であっても均一に現像処理を行うことができる。また、本実施例によれば、親水化処理過程で基板上に純水パドルを必ずしも形成しておかなくてもよい。
【0046】
<第3実施例>
図5は第3実施例の現像処理過程(現像液の置換ステップS33および現像液パドル形成ステップS43)のタイムチャートを示している。親水化処理過程および洗浄・乾燥処理は図4に示した第2実施例のものと同様であるので、図示説明を省略する。
【0047】
本実施例の特徴は、現像液置換過程で基板Wに供給された現像液を一旦振り切り、新たな現像液を再び供給して現像液パドルを形成することにある。以下、ステップS33,S43を具体的に説明する。
【0048】
ステップS33:現像液への置換(現像液の途中振り切り)
制御部13は、現像液への置換が始まってからt1期間の間、基板Wを低速回転させながら、原現像液流量および純水流量を制御して、基板Wへ供給される現像液の濃度を徐々に高めていく。t1〜t2期間の間は、基板Wを高速回転させて基板W上の現像液を振り切るとともに、原現像液の供給を停止して純水だけを供給することにより基板Wの表面を洗浄する。t2〜t3期間の間は、現像液の濃度を徐々に高めながら現像液を基板Wへ再び供給する。t3〜t4期間の間は、上述したt1〜t2期間と同様に現像液の供給を停止して基板W上の現像液を振り切るとともに、基板Wを純水で洗浄する。t4〜t5期間の間は、上述したt2〜t3期間と同様に現像液の濃度を徐々に高めながら現像液を基板Wへ再び供給する。
【0049】
ステップS43:現像液パドル形成
4〜t5期間での現像液供給により、基板W上へ目標濃度の現像液が供給されると、基板Wの回転を減速して、基板Wに現像液のパドルを形成する。処理条件等は第1実施例と同様であるので、その説明は省略する。
【0050】
本実施例によれば、基板Wへ供給される現像液の濃度を徐々に高めているので、第2実施例と同様に均一な現像処理を行うことができる。また、現像液の供給過程で、基板上の現像液を一旦振り切り、その後で新たな現像液を供給するようにしているので、基板上の現像液の濃度ムラの発生を一層抑制することができる。また、現像液の振り切りとともに、基板Wを純水洗浄しているので、基板W上の現像液に混在するレジスト滓が洗い流され、現像処理の品質を一層向上させることができる。
【0051】
なお、上述した第3実施例は、次のように変形実施することも可能である。
図6は第3実施例の第1変形例の現像処理過程のタイムチャートを示している。この例では、0〜t1、t2〜t3、t4〜t5の各期間内は一定濃度の現像液が供給されるが、上記各期間の相互間では徐々に現像液の濃度を高めている。また、t1〜t2およびt3〜t4期間では基板W上の現像液を振り切るとともに、基板Wを純水洗浄している。このような変形例によっても、上述した第3実施例と同様に現像液の濃度ムラの発生を抑制することができるとともに、現像液中のレジスト滓を除去することが可能である。
【0052】
図7は第3実施例の第2変形例の現像処理過程のタイムチャートを示している。この例では、0〜t1、t2〜t3、t4〜t5の各期間にわたり、フォトレジスト膜の特性やレジストパターンに応じて適宜に濃度調整された一定濃度の現像液を供給している。また、t1〜t2およびt3〜t4期間では基板W上の現像液を振り切るとともに、基板Wを純水洗浄している。このような変形例によっても、現像液のパドル形成前に基板Wの現像液が一旦振り切られて、再び新たな現像液が供給されるので、現像液の濃度ムラの発生を抑制することができるとともに、現像液中のレジスト滓を除去することが可能である。
【0053】
さらに、第3実施例およびその変形例では、現像液パドル形成前に基板W上の現像液を2回振り切るようにしたが、振り切り回数はこれに限らず任意に設定可能である。
【0054】
本発明は、上述した各実施例のものに限らず、次のように変形実施することができる。
(1)第1実施例では、現像液の濃度調整のために原現像液用の流量調節弁9と純水用の流量調節弁11とを設けたが、一方の流量を一定にしておき、他方の流量だけを流量調節弁で調節するようにして、現像液の濃度調整を行ってもよい。
【0055】
(2)第1実施例(図2)では、ノズル3に逆止弁14を内蔵させた構造を例示したが、これは図8に示すように、原現像液用の送液管7および純水用の送液管8が連通接続するノズル3の側面の接続部位のそれぞれに、開閉弁10,12(図1参照)を取り付けるようにしてもよい。このような構成によっても、ノズル3から開閉弁10,12までの送液流路を最小長さに抑えることができるので、原現像液と純水との不所望な混合を避けて、処理液の切り換えのレスポンスを速めることができる。
【0056】
(3)実施例では親水化処理液として純水を使ったが、親水化処理液として希釈現像液を使ってもよい。このような希釈現像液は、例えば図1の例では、親水化処理過程で純水に僅かな原現像液を混合させることにより、容易に生成することができる。
【0057】
(4)実施例ではスリット形状の吐出孔を備えたノズルを例示したが、本発明はこれに限らず、例えば円形状の吐出孔を備えたノズルなど、種々の形態のノズルを用いることができる。
【0058】
(5)図1に示した実施例ではノズル3に原現像液用および純水用の各々1系統の送液管7,8を連通接続したが、本発明はこれに限らず、例えば濃度の異なる2系統の原現像液用の送液管をノズルに連通接続したり、あるいは温調の有無に応じた2系統の純水用の送液管をノズル3に連通接続することも可能である。
【0059】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば次の効果を奏する。
請求項1に記載の発明によれば、フォトレジスト膜の特性や焼き付けパターンの種類などに応じた適正濃度の現像液を供給して現像処理を行うことができるので、基板内の線幅の均一性を向上することができる。
また、請求項1に記載の発明によれば、単一のノズルによって親水化処理液の供給と現像液の供給とを行っているので、個別のノズルを使って親水化処理と現像処理とを行っていた従来装置に比べて、ノズルの移動サイクルが少なくなり、それだけ現像処理を効率よく行うことができるとともに、装置のシーケンス制御を簡素化することができる。
さらに、現像処理過程で基板上の現像液を一旦振り切り、その後で新たな現像液を液盛りして現像処理を行っているので、液盛りされた現像液の濃度のバラツキを最小限に抑えることができ、濃度のバラツキに起因した現像処理のムラを防止することができる。
さらに、現像液の途中振り切り過程で基板上の現像液を一旦振り切る期間においては、常に親水化処理液を基板に供給する。
【0060】
請求項2に記載の発明によれば、現像液の途中振り切り過程で現像液を基板に供給する期間は、現像液を基板上に液盛りする期間に比べて短い。
【0061】
請求項3に記載の発明によれば、最初は低濃度の現像液を使って現像処理を行い、次第に現像液の濃度を高め、最終的には目標濃度の現像液で現像処理を行うようにしているので、現像速度の速いフォトレジスト膜であっても線幅の均一性が損なわれることなく、しかも比較的に短時間で現像処理を行うことができる。
【0062】
請求項4に記載の発明によれば、親水化処理液と原現像液とが不所望に混ざり合う期間が短くなり、親水化処理液から現像液、あるいは現像液から親水化処理液への切り換えを迅速に行うことができるので、現像処理の品質を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る基板現像装置の第1実施例の要部構成を示した図である。
【図2】 ノズルの構造を示した断面図である。
【図3】 第1実施例の動作順序を示したフローチャートである。
【図4】 第2実施例の現像処理過程を示したタイムチャートである。
【図5】 第3実施例の現像処理過程を示したタイムチャートである。
【図6】 第3実施例の変形例のタイムチャートである。
【図7】 さらに別の変形例のタイムチャートである。
【図8】 ノズルに開閉弁を取り付けた例を示す断面図である。
【符号の説明】
1…スピンチャック
2…モータ
3…ノズル
7…原現像液用の送液管
8…純水用の送液管
9…原現像液用の流量調節弁
10…原現像液用の開閉弁
11…純水(親水化処理液)用の流量調節弁
12…純水用の開閉弁
13…制御部
14…逆止弁

Claims (4)

  1. フォトレジスト膜が形成された基板に親水化処理のための親水化処理液を供給した後に、基板に現像液を供給して基板上に現像液を液盛りし、その状態で現像処理を行う基板現像装置であって、
    基板を回転可能に保持する回転保持手段と、
    親水化処理液を供給する親水化処理液供給手段と、
    原現像液を供給する原現像液供給手段と、
    親水化処理液供給手段および原現像液供給手段にそれぞれ連通接続され、回転保持手段に保持された基板上に親水化処理液および現像液をその順に供給する単一のノズルと、
    親水化処理液および原現像液のうちの少なくともいずれか一方の流量を調節する流量調節手段と、
    親水化処理過程では少なくとも親水化処理液をノズルに送り、現像処理過程では親水化処理液と原現像液とを混合して所定濃度の現像液がノズルから吐出されるように、流量調節手段を操作する制御手段と
    を備え、
    制御手段は、現像処理過程で、基板に現像液を供給し、その後に回転保持手段を駆動して基板を一時的に回転させることにより基板上の現像液を一旦振り切るという、現像液の供給と振り切りとを少なくとも1回行わせる現像液の途中振り切り過程を経た後に、ノズルから供給される新たな現像液を基板上に液盛りし、さらに、前記現像液の途中振り切り過程で基板上の現像液を一旦振り切る期間においては、常に親水化処理液が基板に供給されるように流量調節手段を操作する基板現像装置。
  2. 請求項1に記載の基板現像装置において、
    制御手段はさらに、前記現像液の途中振り切り過程で現像液を基板に供給する期間は、現像液を基板上に液盛りする期間に比べて短くなるように制御する基板現像装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の基板現像装置において、
    制御手段はさらに、現像処理過程の始めには低濃度の現像液が基板に供給され、続いて基板に供給される現像液の濃度が次第に高められ、最終的には目標濃度の現像液が基板に供給されるように、流量調節手段を操作する基板現像装置。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の基板現像装置において、
    親水化処理液供給手段および原現像液供給手段が連通接続するノズル側の接続部位に、逆止弁をそれぞれ設けた基板現像装置。
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