JP3658740B2 - 吊りシート式折畳み椅子 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、吊り下げ式の着座シートを有しかつ折畳みが可能な吊りシート式折畳み椅子に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、左右一対の門形部材のそれぞれに具備された前後方向に長い杆部の相互間に可撓性のシートを緊張状態で掛け渡した吊りシート式椅子があった。また、椅子の着座部や脚部、背もたれ部、アームレスト部などを折畳み可能とした折畳み椅子もあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の上記吊りシート式椅子は、腰掛けた姿勢が安定しにくくて長時間の使用に不向きであった。また、従来の上記折畳み椅子は、折り畳んだ状態での持ち運びに不便を感じるものであった。
【0004】
本発明は以上の状況のもとでなされたものであり、構造が簡単で安価に製作することのできるものでありながら、使用者の姿勢が安定して長時間の使用によっても疲労感を生じにくく、しかも、袋に入れて持ち運ぶことが可能になる程度にコンパクトに折り畳むことのできる吊りシート式折畳み椅子を提供することを目的とする。
【0005】
また、本発明は、使用者の身体の大きさに合わせて着座シートの高さを調節することができ、また、その着座シートの高さを調節することによって腰掛けることも正座することも可能になるだけでなく、いずれの方法で使用しても使用者の身体の重心が安定し、しかも使用者の足に加わる負担が少なくなる吊りシート式折畳み椅子を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明の吊りシート式折畳み椅子は、前後方向に長い杆部とその杆部の前端部および後端部のそれぞれに一体に連設された前脚部および後脚部とを有しかつそれらの前脚部と後脚部との相互間距離よりも長い距離を隔てて対向設置される左右一対の門形部材と、これらの門形部材に具備された左右一対の上記前脚部の下端部相互間に亘って、両端部がそれぞれの前脚部に対して各別の左右一対の第1縦軸周りに相対回動自在に連結された前支持杆が横架され、一方の上記門形部材の後部に、その門形部材の上記杆部に沿う縦長姿勢とその門形部材から横方向に延びて左右一対の上記門形部材の相互間に横架される横長姿勢との間で第2縦軸周りに回動可能に背もたれ部材の一端部が取り付けられ、この背もたれ部材の他端部に、他方の上記門形部材の後部に設けられた取付具に対して着脱可能な取付部が設けられ、左右一対の上記門形部材のそれぞれの杆部の相互間に、可撓性を有する着座シートが垂れ下がり状態で吊り渡されている、というものである。
【0007】
この吊りシート式折畳み椅子において、可撓性を有する着座シートが垂れ下がり状態で左右一対の上記門形部材のそれぞれの杆部の相互間に吊り渡されているので、使用者がその着座シートに腰掛けると、その着座シートが使用者の体重でその臀部から腰部に至る部分に沿うように変形する。このため、上記着座シートが使用者の臀部から腰部に至る部分に違和感なくフィットして使用者の体重が着座シートにより広い面積で受け止められ、しかも、使用者の姿勢が安定し、使用者の足に加わる負担も軽減される。
【0008】
この吊りシート式折畳み椅子を折り畳むときは、上記背もたれ部材の上記取付部を上記取付具から離脱させた後、その背もたれ部材を第2縦軸周りに回動させて一方の上記門形部材の上記杆部に沿う縦長姿勢とすることと、一方の上記門形部材を上記前支持杆に対し一方の第1縦軸周りに回動させることと、他方の上記門形部材を他方の第1縦軸周りに回動させること、とを行うことによって、上記背もたれ部材を挟む両側に一方の門形部材と他方の門形部材とが重なり合うようにする。
【0009】
請求項2に係る発明の吊りシート式折畳み椅子は、請求項1に記載のものにおいて、上記着座シートに、その着座シートの垂れ下がり幅を増減調節可能な伸縮機構が設けられている、というものである。
【0010】
この吊りシート式折畳み椅子によれば、上記伸縮機構によって上記着座シートの垂れ下がり幅を増減することができる。そのため、使用者の身体の大きさに合わせて着座シートの高さを調節することができ、また、その着座シートの高さを調節することによって腰掛けることも正座することも可能になる。その上、上記着座シートが垂れ下がっているので、上述した請求項1の作用と同じ作用が、腰掛け状態での使用に際しても、正座状態での使用に際しても発揮される。
【0011】
請求項3に係る発明の吊りシート式折畳み椅子は、請求項1または請求項2に記載のものにおいて、上記取付具が、上板部と、その上板部の後端部から垂設された後板部と、その後板部の下端部から前方へ向かって突設された下板部と、上記上板部の前端部および上記下板部の前端部の相互間に形成された開放口と、を有する前面開放のコ字形部材により構成されていると共に、そのコ字形部材の上板部と下板部とに同心状のピン挿通孔が開設されており、上記取付具に対し上記開放口を通して嵌脱可能な上記背もたれ部材の上記取付部に、上記取付具に嵌合したときに上記ピン挿通孔に同心配置されるピン挿通孔が開設され、上記取付具の上記ピン挿通孔とその取付具に嵌合された上記取付部の上記ピン挿通孔とに抜き差し可能な差込ピンを備える、というものである。
【0012】
この吊りシート式折畳み椅子によれば、上記差込ピンを、上記コ字形部材でなる上記取付具のピン挿通孔とその取付具に嵌合された上記背もたれ部材の上記取付部のピン挿通孔とに差し込むという簡単な操作を行うだけで、上記取付具と上記取付部とが連結される。また、そのようにして差し込んだ上記差込ピンを引き抜くだけで上記取付具と上記取付部との連結が解除されて、折畳みが可能になる。
【0013】
請求項4に係る発明の吊りシート式折畳み椅子は、請求項3に記載のものにおいて、上記差込ピンに、その差込ピンを上記取付具の上記ピン挿通孔とその取付具に嵌合された上記取付部の上記ピン挿通孔とに差し込んだときに、上記差込ピンの差込位置の左右両側に亘る範囲で上記取付具における上記後板部の後面に接触することにより、その差込ピンを中心とする上記取付具と上記背もたれ部材の上記取付部との相対回動を抑制する板片状の押え具が設けられている、というものである。
【0014】
この吊りシート式折畳み椅子によれば、上述したように差込ピンを差し込んで上記取付具と上記取付部とを連結したときに、その差込ピンに設けられている上記押え具が、上記差込ピンの差込位置の左右両側に亘る範囲で上記取付具における上記後板部の後面に接触してその差込ピンを中心とする上記取付具と上記取付部との相対回動を抑制するので、折畳み可能であるにもかかわらず、使用状態が安定する。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の実施の一形態を示す吊りシート式折畳み椅子Aを組み立てた状態で示す正面上方から見た概略斜視図、図2はその使用状態での作用を説明するための正面から見た概略説明図、図3は着座シート5の伸縮機構を示す斜視図、図4は左側の門形部材1と背もたれ部材4との取付部分の一部破断正面図、図5は左側の前脚部12と前支持杆3との取付部分の一部破断正面図、図6は右側の門形部材2側に設けられた取付具6と上記背もたれ部材4側の取付部42と差込ピン7などを示す概略斜視図、図7は上記取付具6と上記取付部42とを連結したときの一部破断正面図である。
【0016】
図1のように、この吊りシート式折畳み椅子Aは、左右一対の門形部材1,2と、前支持杆3と、背もたれ部材4と、着座シート5とを備えている。
【0017】
左側の上記門形部材1は、前後方向に長い杆部11と、その杆部11の前端部および後端部のそれぞれに一体に連設された前脚部12および後脚部13とを有している。この門形部材1は25mm程度の外周直径を有する所定長の金属製の丸パイプ材を門形に曲げて製作されており、上記杆部11と前脚部12との境界箇所や上記杆部11と上記後脚部13との境界箇所は湾曲している。また、この門形部材1を床上に起立させたときの床面から上記杆部11の頂面に至る高さ寸法が30〜35cm程度になっている。さらに、この門形部材1の前脚部12と後脚部13の間の距離、すなわち奥行寸法は35〜45cm程度になっている。右側の門形部材2には、上記した左側の門形部材1と同じ形状および同じ寸法のものが用いられている。21は杆部、22は前脚部、23は後脚部である。なお、左右の門形部材1,2において、その前脚部12,22や後脚部13,23を伸縮可能に構成することも可能である。
【0018】
上記前支持杆3は帯板状の金属板で製作されている。この前支持杆3は、その両端部が上向きに折り曲げられてばね性を備える押え片31,32となされていると共に、それらの押え片31,32の直内側に短い金属製のパイプ材でなる支持突起33,34が上向きに溶接で接合されている。そして、図5に詳細に示したように、左側の上記支持突起33には、上記した左側の門形部材1の前脚部12の下端部が相対回転自在に外嵌合されてその門形部材1が垂直に起立した姿勢に保持されている。これに対し、右側の上記支持突起34に、上記した右側の門形部材2の前脚部22の下端部が相対回転自在に外嵌合されてその門形部材2が垂直に起立した姿勢に保持されている。ここで、上記した左右の支持突起33,34は、左右の上記門形部材1,2に具備された左右一対の上記前脚部12,22の下端部相互間に亘って上記のように横架された上記前支持杆3を、左右一対の上記前脚部12,22に対して各別に相対回動自在に連結する第1縦軸を構成している。
【0019】
図1や図4に示したように、左側の上記門形部材1の後部であって、その後脚部13の上端部付近に、根元部15が横向きに折り曲げられたボルト14の上記根元部15が溶接で接合されていて、このボルト14によって第2縦軸が構成さている。この第2縦軸としてのボルト14に、角形鋼材(丸パイプでもよい)を所定長に切断することにより形成された上記背もたれ部材4の一端部に開設されたボルト挿通孔41を嵌合することによって、上記背もたれ部材4の一端部がそのボルト14に回動可能に取り付けられている。ここで、図4で判るように、上記ボルト14は上記後脚部13の右側に突き出る形でその後脚部13に固定されているので、そのボルト14に取り付けられている上記背もたれ部材4は、そのボルト14の周りで左側の上記門形部材1における上記杆部11に沿う縦長姿勢(図10参照)と、その門形部材1から横方向に延び出る横長姿勢(図8参照)との間で回動可能である。また、上記ボルト14には、袋ナット16がねじ込まれて、上記ボルト挿通孔41から上向きに突出した上記ボルト14の端部を覆い隠していると共に、その袋ナット16によって上記背もたれ部材4の一端部が上記ボルト14から抜け出ることを防いでいる。
【0020】
上記背もたれ部材4の他端部に取付部42が設けられている。図6および図7のように、この取付部42にはピン挿通孔43が開設されている。これに対し、右側の上記門形部材2の後部であって、その後脚部23の上端部付近に取付具6が溶接で接合されている。この取付具6は、上板部61と、その上板部61の後端部から垂設された後板部62と、その後板部62の下端部から前方へ向かって突設された下板部63と、上記上板部61の前端部および上記下板部63の前端部の相互間に形成された開放口64とを有する前面開放のコ字形部材により構成されており、そのコ字形部材の上記上板部61と下板部63とに同心状のピン挿通孔65が開設されている。そして、この取付具6に対して、上記背もたれ部材4の上記取付部42が上記開放口64を通して嵌脱可能になっている。また、その取付具6に上記背もたれ部材4の上記取付部42を嵌合させたときには、上記取付具6のピン挿通孔65と上記取付部42のピン挿通孔43とが同心配置されるようになっている。
【0021】
図6および図7において、7は差込ピンである。この差込ピン7は、上記取付具6の上記ピン挿通孔65とその取付具6に嵌合された上記取付部42の上記ピン挿通孔43とに抜き差し可能である。また、この差込ピン7には押え具75が設けられている。この押え具75は、上記差込ピン7の上端部に溶接で接合された取付板部76と、この取付板部76の後端部に膨らみ部77を介して垂設された押圧板部78とを備えている。そして、図7のようにその差込ピン7を上記取付具6の上記ピン挿通孔65とその取付具6に嵌合された上記取付部42の上記ピン挿通孔43とに差し込んだときには、同図に破線で示したように、上記差込ピン7の差込位置の左右両側に亘る範囲で上記押圧板部78が上記取付具6における上記後板部62の後面に弾接して上記差込ピン7と上記押圧板部78とにより上記取付具6を挾圧するようになっている。このため、その差込ピン7を中心とする上記取付具6と上記背もたれ部材4の上記取付部42との相対回動が上記押え具75によって抑制される。
【0022】
上記背もたれ部材4を上記した横長姿勢にしてその取付部42を上記差込ピン7を介して上記取付具6に連結したときには、その背もたれ部材4が水平に左右一対の門形部材1,2における後脚部13,23の相互間に横架される。また、上記前支持杆3に左右一対の上記支持突起33,34を介して取り付けられている左右一対の上記門形部材1,2は、互いに平行で、しかもその前支持杆3や上記背もたれ部材4に対し直角をなす前後方向に配備される。また、左右一対の門形部材1,2は、それらの前脚部12,22と後脚部13,23との相互間距離よりも長い距離を隔てて対向設置される。
【0023】
また、図1に示したように、左右一対の上記門形部材1,2における杆部11,21には、筒状の布製カバー18,28が装着されており、また、上記前支持杆3や上記背もたれ部材4にも布製カバー38,48が装着されている。上記杆部11,21は使用者が肘をおいてアームレストとして用いることが可能であり、そのため、その杆部11,21にカバー18,28を装着しておくことは有益である。また、上記背もたれ部材4は、上方に向けて立ち上がる背もたれ板を装着するように構成することも可能である。
【0024】
図1や図2のように左右一対の上記門形部材1,2のそれぞれの杆部11,21の相互間に、可撓性を有する上記着座シート5が垂れ下がり状態で吊り渡されている。この着座シート5は、腰掛けたり正座したりするときに使用者の臀部を支える矩形の着座布51と、この着座布51の前後両端縁部を横切って配設された前後一対の布帯52と、これらの布帯52の左右の端部のそれぞれに装着された合計4個のクランプ53とを備えている。
【0025】
図3に示したように、上記クランプ53は、矩形枠54と横桟55とその横桟55の両側の開口56,56とを有するものであって、上記布帯52を図3のように上記横桟55を跨いでその両側の上記開口56,56に通しておくと、そのクランプ53と布帯52とが反対向きに引っ張られたときには両者が滑らないようにその相対位置が定位置に保たれ、上記布帯52を上記開口56,56から引き出して弛ませた後、その布帯52を片側の開口56を通して引き込んで緊張させるということを行うと、上記布帯52とクランプ53との相対位置が変化するという機能を有している。したがって、図3のように、上記布帯52を、左側の門形部材1の上記杆部11に装着されているカバー18の位置決め布19とそのカバー18との隙間を通してそのカバー18に巻き掛けると共に、図示のように2枚重ねにして上記クランプ53に通しておくと、着座シート5が左側の上記杆部11から垂れ下がり状態に吊り下げられる。したがって、図1のように左右一対の上記門形部材1,2のそれぞれの杆部11,21に、前後一対の上記布帯52,52の両端部のそれぞれを合計4個の上記クランプ53を用いて吊り下げると、上記したように、上記着座シート5が垂れ下がり状態で左右一対の門形部材1,2の杆部11,21に吊り渡される。このときの着座シート5の垂れ下がり幅は、それぞれの上記クランプ53とそれらのクランプ53に通されている布帯52との相対位置を調節することによって増減調節可能である。したがって、上記クランプ53は上記着座シート5の垂れ下がり幅を増減調節するための伸縮機構を構成している。
【0026】
以上説明した吊りシート式折畳み椅子Aにおいては、可撓性を有する着座シート5が垂れ下がり状態で左右一対の上記門形部材1,2のそれぞれの杆部11,21の相互間に吊り渡されているので、図2のように使用者Mがその着座シート5に腰掛けると、その着座シート5が使用者Mの体重でその臀部から腰部に至る部分に沿うように変形する。このため、上記着座シート5が使用者の臀部から腰部に至る部分に図示のように違和感なくフィットして使用者Mの体重が着座シート5により広い面積で受け止められる。また、使用者Mの姿勢が安定し、使用者Mの足に加わる負担も軽減される。
【0027】
この吊りシート式折畳み椅子Aは、上記クランプ53と上記布帯52とを操作することによって、上記着座シート5の垂れ下がり幅を増減することができる。そのため、使用者Mの身体の大きさに合わせて着座シート5の高さを調節することができ、また、その着座シート5の高さを調節することによって腰掛けることも正座することも可能になる。図2には、正座したときの使用者Mの左右の足の位置を符号Lで示してある。これから類推できるように、正座するときには、上記着座シート5の高さを低めにし、その着座シート5に腰を下ろすと共に、左右の足L,Lをその着座シート5と床面との間に入れるようにする。
【0028】
図8〜図11は上記吊りシート式折畳み椅子Aを折り畳む手順の一例を示している。図8は上記吊りシート式折畳み椅子Aが組み立てられている状態を平面的に示している。上記吊りシート式折畳み椅子Aの折畳みは、図8の状態から、上記差込ピン7を引き抜いて上記背もたれ部材4の上記取付部42を上記取付具6から離脱させた後、その背もたれ部材4を上記着座シート5の下にくぐらせながら、図9の矢符R1のように上記第2縦軸を形成している上記ボルト14の周りに回動させて左側の上記門形部材1の上記杆部11に沿う縦長姿勢にする。次に、図10の矢符R2のように、右側の門形部材2を右側の第1縦軸を形成している右側の支持突起34の周りで回動させ、続いて、左側の上記門形部材1を上記背もたれ部材4と共に左側の第1縦軸を形成している左側の支持突起33の周りで図11の矢符R3のように回動させることにより、同図のように、上記前支持杆3の上で上記背もたれ部材4を挟む両側に左側の上記門形部材1と右側の上記門形部材2とが重なり合うようにする。こうして折り畳まれた上記吊りシート式折畳み椅子Aは、図示していない袋に入れて持ち運ぶことが可能である。
【0029】
折り畳まれた上記吊りシート式折畳み椅子Aを展開して組み立てるときには、上記した折畳み手順の逆の手順を行えばよい。
【0030】
以上説明した実施形態においては、左右一対の門形部材1,2が金属製の丸パイプ材で作られているので、強度的に優れたものである。これらの門形部材1,2を樹脂パイプで作っておけば、軽量化を達成しやすい。また、本発明において、上記伸縮機構は、上述したクランプ53に限定されることはなく、他の種類のもの、たとえばバックルなどを採用することも可能である。
【0031】
【発明の効果】
本発明に係る吊りシート式折畳み椅子によると、腰掛け状態であっても正座状態であっても、使用者の腰部や足に加わる負担が少なくなり、また、使用者の姿勢が安定し、長時間使用による疲労感をそれほど感じなくなる。また、折り畳んだときには、背もたれ部を挟む両側に一方の門形部材と他方の門形部材とが重なり合うようになるので、袋に入れて楽に持ち運ぶことのできるコンパクト形になる。また、使用者の身体の大きさに合わせて着座シートの高さを調節することができるので、上記したような長時間使用による疲労感を感じなくなるという効果が助長される。さらに、使用に際しての上記背もたれ部材の取付部と上記取付具との連結や、折畳みに際してのその連結の解除を、上記差込ピンの抜き差しだけで迅速かつ容易に行うことができるようになる。また、使用時には、上記差込ピンに設けられている押え具の作用によって、ぐらつきが防止されて使用状態が安定するという効果がある。
【0032】
このような効果、すなわち、長時間座ったときの足や腰への負担を軽減することができるという効果を奏するこの発明の吊りシート式折畳み椅子は、屋内においてはテレビや読書、囲碁、将棋、マージャン、テレビゲームなどの各種の室内ゲームや、編物、書道、お客様との対話、食事、宴会、仏間での読経や寺院や集会所での食事や会合など、老人や足腰の具合の悪い人のみならず、若い人や健常者にも有益に使用でき、かつまた、袋入りとして携帯することのできるものであるからスポーツ観戦や屋外での会合・宴会、キャンプ、釣り等々、アウトドア用品としても使用でき、各種広範囲な用途が考えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態を示す吊りシート式折畳み椅子を組み立てた状態で示す正面上方から見た概略斜視図である。
【図2】上記吊りシート式折畳み椅子についての使用状態での作用を説明するための正面から見た概略説明図である。
【図3】着座シートの伸縮機構を示す斜視図である。
【図4】左側の門形部材と背もたれ部材との取付部分の一部破断正面図である。
【図5】左側の前脚部と前支持杆との取付部分の一部破断正面図である。
【図6】右側の門形部材側に設けられた取付具と背もたれ部材側の取付部と差込ピンなどを示す概略斜視図である。
【図7】上記取付具と上記取付部とを連結したときの一部破断正面図である。
【図8】上記吊りシート式折畳み椅子が組み立てられている状態を平面的に示した説明図である。
【図9】背もたれ部材を折り畳んだ状態を平面的に示した説明図である。
【図10】右側の門形部材を折り畳んだ状態を平面的に示した説明図である。
【図11】上記吊りシート式折畳み椅子を完全に折り畳んだ状態を平面的に示した説明図である。
【符号の説明】
A 吊りシート式折畳み椅子
1,2 門形部材
3 前支持杆
4 背もたれ部材
5 着座シート
6 取付具
7 差込ピン
11,21 杆部
12,22 前脚部
13,23 後脚部
14 ボルト(第2縦軸)
33,34 支持突起(第1縦軸)
42 取付部
43 ピン挿通孔
53 クランプ(伸縮機構)
61 上板部
62 後板部
63 下板部
64 開放口
65 ピン挿通孔
75 押え具
【発明の属する技術分野】
本発明は、吊り下げ式の着座シートを有しかつ折畳みが可能な吊りシート式折畳み椅子に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、左右一対の門形部材のそれぞれに具備された前後方向に長い杆部の相互間に可撓性のシートを緊張状態で掛け渡した吊りシート式椅子があった。また、椅子の着座部や脚部、背もたれ部、アームレスト部などを折畳み可能とした折畳み椅子もあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の上記吊りシート式椅子は、腰掛けた姿勢が安定しにくくて長時間の使用に不向きであった。また、従来の上記折畳み椅子は、折り畳んだ状態での持ち運びに不便を感じるものであった。
【0004】
本発明は以上の状況のもとでなされたものであり、構造が簡単で安価に製作することのできるものでありながら、使用者の姿勢が安定して長時間の使用によっても疲労感を生じにくく、しかも、袋に入れて持ち運ぶことが可能になる程度にコンパクトに折り畳むことのできる吊りシート式折畳み椅子を提供することを目的とする。
【0005】
また、本発明は、使用者の身体の大きさに合わせて着座シートの高さを調節することができ、また、その着座シートの高さを調節することによって腰掛けることも正座することも可能になるだけでなく、いずれの方法で使用しても使用者の身体の重心が安定し、しかも使用者の足に加わる負担が少なくなる吊りシート式折畳み椅子を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明の吊りシート式折畳み椅子は、前後方向に長い杆部とその杆部の前端部および後端部のそれぞれに一体に連設された前脚部および後脚部とを有しかつそれらの前脚部と後脚部との相互間距離よりも長い距離を隔てて対向設置される左右一対の門形部材と、これらの門形部材に具備された左右一対の上記前脚部の下端部相互間に亘って、両端部がそれぞれの前脚部に対して各別の左右一対の第1縦軸周りに相対回動自在に連結された前支持杆が横架され、一方の上記門形部材の後部に、その門形部材の上記杆部に沿う縦長姿勢とその門形部材から横方向に延びて左右一対の上記門形部材の相互間に横架される横長姿勢との間で第2縦軸周りに回動可能に背もたれ部材の一端部が取り付けられ、この背もたれ部材の他端部に、他方の上記門形部材の後部に設けられた取付具に対して着脱可能な取付部が設けられ、左右一対の上記門形部材のそれぞれの杆部の相互間に、可撓性を有する着座シートが垂れ下がり状態で吊り渡されている、というものである。
【0007】
この吊りシート式折畳み椅子において、可撓性を有する着座シートが垂れ下がり状態で左右一対の上記門形部材のそれぞれの杆部の相互間に吊り渡されているので、使用者がその着座シートに腰掛けると、その着座シートが使用者の体重でその臀部から腰部に至る部分に沿うように変形する。このため、上記着座シートが使用者の臀部から腰部に至る部分に違和感なくフィットして使用者の体重が着座シートにより広い面積で受け止められ、しかも、使用者の姿勢が安定し、使用者の足に加わる負担も軽減される。
【0008】
この吊りシート式折畳み椅子を折り畳むときは、上記背もたれ部材の上記取付部を上記取付具から離脱させた後、その背もたれ部材を第2縦軸周りに回動させて一方の上記門形部材の上記杆部に沿う縦長姿勢とすることと、一方の上記門形部材を上記前支持杆に対し一方の第1縦軸周りに回動させることと、他方の上記門形部材を他方の第1縦軸周りに回動させること、とを行うことによって、上記背もたれ部材を挟む両側に一方の門形部材と他方の門形部材とが重なり合うようにする。
【0009】
請求項2に係る発明の吊りシート式折畳み椅子は、請求項1に記載のものにおいて、上記着座シートに、その着座シートの垂れ下がり幅を増減調節可能な伸縮機構が設けられている、というものである。
【0010】
この吊りシート式折畳み椅子によれば、上記伸縮機構によって上記着座シートの垂れ下がり幅を増減することができる。そのため、使用者の身体の大きさに合わせて着座シートの高さを調節することができ、また、その着座シートの高さを調節することによって腰掛けることも正座することも可能になる。その上、上記着座シートが垂れ下がっているので、上述した請求項1の作用と同じ作用が、腰掛け状態での使用に際しても、正座状態での使用に際しても発揮される。
【0011】
請求項3に係る発明の吊りシート式折畳み椅子は、請求項1または請求項2に記載のものにおいて、上記取付具が、上板部と、その上板部の後端部から垂設された後板部と、その後板部の下端部から前方へ向かって突設された下板部と、上記上板部の前端部および上記下板部の前端部の相互間に形成された開放口と、を有する前面開放のコ字形部材により構成されていると共に、そのコ字形部材の上板部と下板部とに同心状のピン挿通孔が開設されており、上記取付具に対し上記開放口を通して嵌脱可能な上記背もたれ部材の上記取付部に、上記取付具に嵌合したときに上記ピン挿通孔に同心配置されるピン挿通孔が開設され、上記取付具の上記ピン挿通孔とその取付具に嵌合された上記取付部の上記ピン挿通孔とに抜き差し可能な差込ピンを備える、というものである。
【0012】
この吊りシート式折畳み椅子によれば、上記差込ピンを、上記コ字形部材でなる上記取付具のピン挿通孔とその取付具に嵌合された上記背もたれ部材の上記取付部のピン挿通孔とに差し込むという簡単な操作を行うだけで、上記取付具と上記取付部とが連結される。また、そのようにして差し込んだ上記差込ピンを引き抜くだけで上記取付具と上記取付部との連結が解除されて、折畳みが可能になる。
【0013】
請求項4に係る発明の吊りシート式折畳み椅子は、請求項3に記載のものにおいて、上記差込ピンに、その差込ピンを上記取付具の上記ピン挿通孔とその取付具に嵌合された上記取付部の上記ピン挿通孔とに差し込んだときに、上記差込ピンの差込位置の左右両側に亘る範囲で上記取付具における上記後板部の後面に接触することにより、その差込ピンを中心とする上記取付具と上記背もたれ部材の上記取付部との相対回動を抑制する板片状の押え具が設けられている、というものである。
【0014】
この吊りシート式折畳み椅子によれば、上述したように差込ピンを差し込んで上記取付具と上記取付部とを連結したときに、その差込ピンに設けられている上記押え具が、上記差込ピンの差込位置の左右両側に亘る範囲で上記取付具における上記後板部の後面に接触してその差込ピンを中心とする上記取付具と上記取付部との相対回動を抑制するので、折畳み可能であるにもかかわらず、使用状態が安定する。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の実施の一形態を示す吊りシート式折畳み椅子Aを組み立てた状態で示す正面上方から見た概略斜視図、図2はその使用状態での作用を説明するための正面から見た概略説明図、図3は着座シート5の伸縮機構を示す斜視図、図4は左側の門形部材1と背もたれ部材4との取付部分の一部破断正面図、図5は左側の前脚部12と前支持杆3との取付部分の一部破断正面図、図6は右側の門形部材2側に設けられた取付具6と上記背もたれ部材4側の取付部42と差込ピン7などを示す概略斜視図、図7は上記取付具6と上記取付部42とを連結したときの一部破断正面図である。
【0016】
図1のように、この吊りシート式折畳み椅子Aは、左右一対の門形部材1,2と、前支持杆3と、背もたれ部材4と、着座シート5とを備えている。
【0017】
左側の上記門形部材1は、前後方向に長い杆部11と、その杆部11の前端部および後端部のそれぞれに一体に連設された前脚部12および後脚部13とを有している。この門形部材1は25mm程度の外周直径を有する所定長の金属製の丸パイプ材を門形に曲げて製作されており、上記杆部11と前脚部12との境界箇所や上記杆部11と上記後脚部13との境界箇所は湾曲している。また、この門形部材1を床上に起立させたときの床面から上記杆部11の頂面に至る高さ寸法が30〜35cm程度になっている。さらに、この門形部材1の前脚部12と後脚部13の間の距離、すなわち奥行寸法は35〜45cm程度になっている。右側の門形部材2には、上記した左側の門形部材1と同じ形状および同じ寸法のものが用いられている。21は杆部、22は前脚部、23は後脚部である。なお、左右の門形部材1,2において、その前脚部12,22や後脚部13,23を伸縮可能に構成することも可能である。
【0018】
上記前支持杆3は帯板状の金属板で製作されている。この前支持杆3は、その両端部が上向きに折り曲げられてばね性を備える押え片31,32となされていると共に、それらの押え片31,32の直内側に短い金属製のパイプ材でなる支持突起33,34が上向きに溶接で接合されている。そして、図5に詳細に示したように、左側の上記支持突起33には、上記した左側の門形部材1の前脚部12の下端部が相対回転自在に外嵌合されてその門形部材1が垂直に起立した姿勢に保持されている。これに対し、右側の上記支持突起34に、上記した右側の門形部材2の前脚部22の下端部が相対回転自在に外嵌合されてその門形部材2が垂直に起立した姿勢に保持されている。ここで、上記した左右の支持突起33,34は、左右の上記門形部材1,2に具備された左右一対の上記前脚部12,22の下端部相互間に亘って上記のように横架された上記前支持杆3を、左右一対の上記前脚部12,22に対して各別に相対回動自在に連結する第1縦軸を構成している。
【0019】
図1や図4に示したように、左側の上記門形部材1の後部であって、その後脚部13の上端部付近に、根元部15が横向きに折り曲げられたボルト14の上記根元部15が溶接で接合されていて、このボルト14によって第2縦軸が構成さている。この第2縦軸としてのボルト14に、角形鋼材(丸パイプでもよい)を所定長に切断することにより形成された上記背もたれ部材4の一端部に開設されたボルト挿通孔41を嵌合することによって、上記背もたれ部材4の一端部がそのボルト14に回動可能に取り付けられている。ここで、図4で判るように、上記ボルト14は上記後脚部13の右側に突き出る形でその後脚部13に固定されているので、そのボルト14に取り付けられている上記背もたれ部材4は、そのボルト14の周りで左側の上記門形部材1における上記杆部11に沿う縦長姿勢(図10参照)と、その門形部材1から横方向に延び出る横長姿勢(図8参照)との間で回動可能である。また、上記ボルト14には、袋ナット16がねじ込まれて、上記ボルト挿通孔41から上向きに突出した上記ボルト14の端部を覆い隠していると共に、その袋ナット16によって上記背もたれ部材4の一端部が上記ボルト14から抜け出ることを防いでいる。
【0020】
上記背もたれ部材4の他端部に取付部42が設けられている。図6および図7のように、この取付部42にはピン挿通孔43が開設されている。これに対し、右側の上記門形部材2の後部であって、その後脚部23の上端部付近に取付具6が溶接で接合されている。この取付具6は、上板部61と、その上板部61の後端部から垂設された後板部62と、その後板部62の下端部から前方へ向かって突設された下板部63と、上記上板部61の前端部および上記下板部63の前端部の相互間に形成された開放口64とを有する前面開放のコ字形部材により構成されており、そのコ字形部材の上記上板部61と下板部63とに同心状のピン挿通孔65が開設されている。そして、この取付具6に対して、上記背もたれ部材4の上記取付部42が上記開放口64を通して嵌脱可能になっている。また、その取付具6に上記背もたれ部材4の上記取付部42を嵌合させたときには、上記取付具6のピン挿通孔65と上記取付部42のピン挿通孔43とが同心配置されるようになっている。
【0021】
図6および図7において、7は差込ピンである。この差込ピン7は、上記取付具6の上記ピン挿通孔65とその取付具6に嵌合された上記取付部42の上記ピン挿通孔43とに抜き差し可能である。また、この差込ピン7には押え具75が設けられている。この押え具75は、上記差込ピン7の上端部に溶接で接合された取付板部76と、この取付板部76の後端部に膨らみ部77を介して垂設された押圧板部78とを備えている。そして、図7のようにその差込ピン7を上記取付具6の上記ピン挿通孔65とその取付具6に嵌合された上記取付部42の上記ピン挿通孔43とに差し込んだときには、同図に破線で示したように、上記差込ピン7の差込位置の左右両側に亘る範囲で上記押圧板部78が上記取付具6における上記後板部62の後面に弾接して上記差込ピン7と上記押圧板部78とにより上記取付具6を挾圧するようになっている。このため、その差込ピン7を中心とする上記取付具6と上記背もたれ部材4の上記取付部42との相対回動が上記押え具75によって抑制される。
【0022】
上記背もたれ部材4を上記した横長姿勢にしてその取付部42を上記差込ピン7を介して上記取付具6に連結したときには、その背もたれ部材4が水平に左右一対の門形部材1,2における後脚部13,23の相互間に横架される。また、上記前支持杆3に左右一対の上記支持突起33,34を介して取り付けられている左右一対の上記門形部材1,2は、互いに平行で、しかもその前支持杆3や上記背もたれ部材4に対し直角をなす前後方向に配備される。また、左右一対の門形部材1,2は、それらの前脚部12,22と後脚部13,23との相互間距離よりも長い距離を隔てて対向設置される。
【0023】
また、図1に示したように、左右一対の上記門形部材1,2における杆部11,21には、筒状の布製カバー18,28が装着されており、また、上記前支持杆3や上記背もたれ部材4にも布製カバー38,48が装着されている。上記杆部11,21は使用者が肘をおいてアームレストとして用いることが可能であり、そのため、その杆部11,21にカバー18,28を装着しておくことは有益である。また、上記背もたれ部材4は、上方に向けて立ち上がる背もたれ板を装着するように構成することも可能である。
【0024】
図1や図2のように左右一対の上記門形部材1,2のそれぞれの杆部11,21の相互間に、可撓性を有する上記着座シート5が垂れ下がり状態で吊り渡されている。この着座シート5は、腰掛けたり正座したりするときに使用者の臀部を支える矩形の着座布51と、この着座布51の前後両端縁部を横切って配設された前後一対の布帯52と、これらの布帯52の左右の端部のそれぞれに装着された合計4個のクランプ53とを備えている。
【0025】
図3に示したように、上記クランプ53は、矩形枠54と横桟55とその横桟55の両側の開口56,56とを有するものであって、上記布帯52を図3のように上記横桟55を跨いでその両側の上記開口56,56に通しておくと、そのクランプ53と布帯52とが反対向きに引っ張られたときには両者が滑らないようにその相対位置が定位置に保たれ、上記布帯52を上記開口56,56から引き出して弛ませた後、その布帯52を片側の開口56を通して引き込んで緊張させるということを行うと、上記布帯52とクランプ53との相対位置が変化するという機能を有している。したがって、図3のように、上記布帯52を、左側の門形部材1の上記杆部11に装着されているカバー18の位置決め布19とそのカバー18との隙間を通してそのカバー18に巻き掛けると共に、図示のように2枚重ねにして上記クランプ53に通しておくと、着座シート5が左側の上記杆部11から垂れ下がり状態に吊り下げられる。したがって、図1のように左右一対の上記門形部材1,2のそれぞれの杆部11,21に、前後一対の上記布帯52,52の両端部のそれぞれを合計4個の上記クランプ53を用いて吊り下げると、上記したように、上記着座シート5が垂れ下がり状態で左右一対の門形部材1,2の杆部11,21に吊り渡される。このときの着座シート5の垂れ下がり幅は、それぞれの上記クランプ53とそれらのクランプ53に通されている布帯52との相対位置を調節することによって増減調節可能である。したがって、上記クランプ53は上記着座シート5の垂れ下がり幅を増減調節するための伸縮機構を構成している。
【0026】
以上説明した吊りシート式折畳み椅子Aにおいては、可撓性を有する着座シート5が垂れ下がり状態で左右一対の上記門形部材1,2のそれぞれの杆部11,21の相互間に吊り渡されているので、図2のように使用者Mがその着座シート5に腰掛けると、その着座シート5が使用者Mの体重でその臀部から腰部に至る部分に沿うように変形する。このため、上記着座シート5が使用者の臀部から腰部に至る部分に図示のように違和感なくフィットして使用者Mの体重が着座シート5により広い面積で受け止められる。また、使用者Mの姿勢が安定し、使用者Mの足に加わる負担も軽減される。
【0027】
この吊りシート式折畳み椅子Aは、上記クランプ53と上記布帯52とを操作することによって、上記着座シート5の垂れ下がり幅を増減することができる。そのため、使用者Mの身体の大きさに合わせて着座シート5の高さを調節することができ、また、その着座シート5の高さを調節することによって腰掛けることも正座することも可能になる。図2には、正座したときの使用者Mの左右の足の位置を符号Lで示してある。これから類推できるように、正座するときには、上記着座シート5の高さを低めにし、その着座シート5に腰を下ろすと共に、左右の足L,Lをその着座シート5と床面との間に入れるようにする。
【0028】
図8〜図11は上記吊りシート式折畳み椅子Aを折り畳む手順の一例を示している。図8は上記吊りシート式折畳み椅子Aが組み立てられている状態を平面的に示している。上記吊りシート式折畳み椅子Aの折畳みは、図8の状態から、上記差込ピン7を引き抜いて上記背もたれ部材4の上記取付部42を上記取付具6から離脱させた後、その背もたれ部材4を上記着座シート5の下にくぐらせながら、図9の矢符R1のように上記第2縦軸を形成している上記ボルト14の周りに回動させて左側の上記門形部材1の上記杆部11に沿う縦長姿勢にする。次に、図10の矢符R2のように、右側の門形部材2を右側の第1縦軸を形成している右側の支持突起34の周りで回動させ、続いて、左側の上記門形部材1を上記背もたれ部材4と共に左側の第1縦軸を形成している左側の支持突起33の周りで図11の矢符R3のように回動させることにより、同図のように、上記前支持杆3の上で上記背もたれ部材4を挟む両側に左側の上記門形部材1と右側の上記門形部材2とが重なり合うようにする。こうして折り畳まれた上記吊りシート式折畳み椅子Aは、図示していない袋に入れて持ち運ぶことが可能である。
【0029】
折り畳まれた上記吊りシート式折畳み椅子Aを展開して組み立てるときには、上記した折畳み手順の逆の手順を行えばよい。
【0030】
以上説明した実施形態においては、左右一対の門形部材1,2が金属製の丸パイプ材で作られているので、強度的に優れたものである。これらの門形部材1,2を樹脂パイプで作っておけば、軽量化を達成しやすい。また、本発明において、上記伸縮機構は、上述したクランプ53に限定されることはなく、他の種類のもの、たとえばバックルなどを採用することも可能である。
【0031】
【発明の効果】
本発明に係る吊りシート式折畳み椅子によると、腰掛け状態であっても正座状態であっても、使用者の腰部や足に加わる負担が少なくなり、また、使用者の姿勢が安定し、長時間使用による疲労感をそれほど感じなくなる。また、折り畳んだときには、背もたれ部を挟む両側に一方の門形部材と他方の門形部材とが重なり合うようになるので、袋に入れて楽に持ち運ぶことのできるコンパクト形になる。また、使用者の身体の大きさに合わせて着座シートの高さを調節することができるので、上記したような長時間使用による疲労感を感じなくなるという効果が助長される。さらに、使用に際しての上記背もたれ部材の取付部と上記取付具との連結や、折畳みに際してのその連結の解除を、上記差込ピンの抜き差しだけで迅速かつ容易に行うことができるようになる。また、使用時には、上記差込ピンに設けられている押え具の作用によって、ぐらつきが防止されて使用状態が安定するという効果がある。
【0032】
このような効果、すなわち、長時間座ったときの足や腰への負担を軽減することができるという効果を奏するこの発明の吊りシート式折畳み椅子は、屋内においてはテレビや読書、囲碁、将棋、マージャン、テレビゲームなどの各種の室内ゲームや、編物、書道、お客様との対話、食事、宴会、仏間での読経や寺院や集会所での食事や会合など、老人や足腰の具合の悪い人のみならず、若い人や健常者にも有益に使用でき、かつまた、袋入りとして携帯することのできるものであるからスポーツ観戦や屋外での会合・宴会、キャンプ、釣り等々、アウトドア用品としても使用でき、各種広範囲な用途が考えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態を示す吊りシート式折畳み椅子を組み立てた状態で示す正面上方から見た概略斜視図である。
【図2】上記吊りシート式折畳み椅子についての使用状態での作用を説明するための正面から見た概略説明図である。
【図3】着座シートの伸縮機構を示す斜視図である。
【図4】左側の門形部材と背もたれ部材との取付部分の一部破断正面図である。
【図5】左側の前脚部と前支持杆との取付部分の一部破断正面図である。
【図6】右側の門形部材側に設けられた取付具と背もたれ部材側の取付部と差込ピンなどを示す概略斜視図である。
【図7】上記取付具と上記取付部とを連結したときの一部破断正面図である。
【図8】上記吊りシート式折畳み椅子が組み立てられている状態を平面的に示した説明図である。
【図9】背もたれ部材を折り畳んだ状態を平面的に示した説明図である。
【図10】右側の門形部材を折り畳んだ状態を平面的に示した説明図である。
【図11】上記吊りシート式折畳み椅子を完全に折り畳んだ状態を平面的に示した説明図である。
【符号の説明】
A 吊りシート式折畳み椅子
1,2 門形部材
3 前支持杆
4 背もたれ部材
5 着座シート
6 取付具
7 差込ピン
11,21 杆部
12,22 前脚部
13,23 後脚部
14 ボルト(第2縦軸)
33,34 支持突起(第1縦軸)
42 取付部
43 ピン挿通孔
53 クランプ(伸縮機構)
61 上板部
62 後板部
63 下板部
64 開放口
65 ピン挿通孔
75 押え具
Claims (4)
- 前後方向に長い杆部とその杆部の前端部および後端部のそれぞれに一体に連設された前脚部および後脚部とを有しかつそれらの前脚部と後脚部との相互間距離よりも長い距離を隔てて対向設置される左右一対の門形部材と、これらの門形部材に具備された左右一対の上記前脚部の下端部相互間に亘って、両端部がそれぞれの前脚部に対して各別の左右一対の第1縦軸周りに相対回動自在に連結された前支持杆が横架され、一方の上記門形部材の後部に、その門形部材の上記杆部に沿う縦長姿勢とその門形部材から横方向に延びて左右一対の上記門形部材の相互間に横架される横長姿勢との間で第2縦軸周りに回動可能に背もたれ部材の一端部が取り付けられ、この背もたれ部材の他端部に、他方の上記門形部材の後部に設けられた取付具に対して着脱可能な取付部が設けられ、左右一対の上記門形部材のそれぞれの杆部の相互間に、可撓性を有する着座シートが垂れ下がり状態で吊り渡されていることを特徴とする吊りシート式折畳み椅子。
- 上記着座シートに、その着座シートの垂れ下がり幅を増減調節可能な伸縮機構が設けられている請求項1に記載の吊りシート式折畳み椅子。
- 上記取付具が、上板部と、その上板部の後端部から垂設された後板部と、その後板部の下端部から前方へ向かって突設された下板部と、上記上板部の前端部および上記下板部の前端部の相互間に形成された開放口と、を有する前面開放のコ字形部材により構成されていると共に、そのコ字形部材の上板部と下板部とに同心状のピン挿通孔が開設されており、
上記取付具に対し上記開放口を通して嵌脱可能な上記背もたれ部材の上記取付部に、上記取付具に嵌合したときに上記ピン挿通孔に同心配置されるピン挿通孔が開設され、
上記取付具の上記ピン挿通孔とその取付具に嵌合された上記取付部の上記ピン挿通孔とに抜き差し可能な差込ピンを備える請求項1または請求項2に記載の吊りシート式折畳み椅子。 - 上記差込ピンに、その差込ピンを上記取付具の上記ピン挿通孔とその取付具に嵌合された上記取付部の上記ピン挿通孔とに差し込んだときに、上記差込ピンの差込位置の左右両側に亘る範囲で上記取付具における上記後板部の後面に接触することにより、その差込ピンを中心とする上記取付具と上記背もたれ部材の上記取付部との相対回動を抑制する板片状の押え具が設けられている請求項3に記載の吊りシート式折畳み椅子。
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