JP3659183B2 - リアルタイムパケットの遅延バッファ制御方式 - Google Patents

リアルタイムパケットの遅延バッファ制御方式 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パケット形式で伝送されている音声パケット通信における音声パケットの受信において、各パケットの遅延を制御する方式に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般にIPネットワークに接続される機器は、CSMA/CD(Carrier Sense Multiple Access /Collision Detection )方式に準拠し、衝突回避しながらパケットの送受信を行っている。このため、ネットワーク負荷によって、送出待ち合わせによる遅延が発生し、同一ノード間であってもパケット送受信間隔は一定でないことが起こりうる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
リアルタイム通信で構成する音声通話をIPネットワーク上で実現する場合、上記の問題で発生する伝送上の遅延の揺らぎが音声品質を低下させる原因となる。しかし、従来技術にはその伝送路上の遅延の揺らぎを補償する有効な提案は行われていない。
【0004】
本発明の目的は、IPネットワーク上での音声パケット通信における音声パケットの受信において、伝送路で発生するパケットの遅延の揺らぎを簡易な構成により吸収し、違和感の無い音声再生を行うことができるリアルタイムパケットの遅延バッファ制御方式を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この目的を解決するために、本発明によるリアルタイムパケットの遅延バッファ制御方式は、ディジタル信号伝送路から送出順に順序番号が付与された各音声パケットを受信再生する際に、
該受信の動作速度と該再生の動作速度との差を調節しさらに前記音声パケットの到着タイミングの揺らぎを補償するするために前記各音声パケットを個別に一時記憶することができる複数の個別記憶領域を必要個数有するバッファメモリと、
該バッファメモリの前記複数の個別記憶領域に前記ディジタル信号伝送路から受信される該各音声パケットを個別に一時記憶させる制御をする受信制御部と、
該バッファメモリの前記複数の個別記憶領域に記憶された該各音声パケットを読み出し再生する制御をする再生制御部と、
を備え、
前記バッファメモリの前記複数の個別記憶領域のおのおのは前記各音声パケットの音声データと前記順序番号と当該個別記憶領域のポインタとを記憶する記憶エリアを有しており、
前記再生制御部は、前記個別記憶領域に記憶された情報を前記ポインタの予め定めた順序で読み出し再生をし、その再生の終了後に該バッファメモリの前記複数の個別記憶領域のうちの読み出しタイミングの遅い前記ポインタを有する個別記憶領域に擬似無音情報を記憶させ、
前記受信制御部は、該再生制御部による前記ポインタの予め定めた順序での当該個別記憶領域からの読み出しタイミングまでは、前記バッファメモリにおける予め定めた順序の前記ポインタで限定される前記複数の個別記憶領域のおのおのには、当該音声パケットの前記順序番号の順序になるように、前記ディジタル信号伝送路から受信される前記各音声パケットを記憶させる制御が行われるように構成されている。
【0006】
前記受信制御部は、前記バッファメモリの前記複数の個別記憶領域のすべてに前記擬似無音情報が記憶されているときには、前記ディジタル信号伝送路から受信された音声パケットを前記バッファメモリの前記複数の個別記憶領域のうち前記読み出しタイミングが遅い前記ポインタで限定される個別記憶領域に記憶させる制御をするように構成することができる。
【0007】
前記受信制御部は、前記バッファメモリの前記複数の個別記憶領域のおのおのに記憶された前記各音声パケットの前記順序番号と当該個別記憶領域のポインタとを参照して、受信された音声パケットの前記順序番号が前記バッファメモリの前記複数の個別記憶領域のおのおのに記憶された前記各音声パケットの前記順序番号の後続の順序番号であるときには、当該受信された音声パケットを前記バッファメモリの前記複数の個別記憶領域のうち前記読み出しタイミングが遅い前記ポインタで限定される個別記憶領域に記憶させる制御をするように構成することができる。
【0008】
前記受信制御部は、前記バッファメモリの前記複数の個別記憶領域のおのおのに記憶された前記各音声パケットの前記順序番号と当該個別記憶領域のポインタとを参照して、受信された音声パケットの前記順序番号が前記バッファメモリの前記複数の個別記憶領域のおのおのに記憶された前記各音声パケットの前記順序番号の列内の中間に位置する順序番号であるときには、当該受信された音声パケットを前記バッファメモリの前記複数の個別記憶領域のうち前記順序番号の順序に従う前記ポインタで限定される個別記憶領域に記憶させる制御をするように構成することができる。
【0009】
前記受信制御部は、前記バッファメモリの前記複数の個別記憶領域のおのおのに記憶された前記各音声パケットの前記順序番号と当該個別記憶領域のポインタとを参照して、受信された音声パケットの前記順序番号が前記バッファメモリの前記複数の個別記憶領域のおのおのに記憶された前記各音声パケットの前記順序番号の先頭の順序番号であるときには、当該受信された音声パケットを前記バッファメモリの前記複数の個別記憶領域のうち前記読み出しタイミングが最先の前記ポインタで限定される個別記憶領域に、当該個別記憶領域に前記擬似無音情報が記憶されているときに、記憶させる制御をするように構成することができる。
【0010】
前記受信制御部は、前記バッファメモリの前記複数の個別記憶領域のおのおのに記憶された前記各音声パケットの前記順序番号と当該個別記憶領域のポインタとを参照して、受信された音声パケットの前記順序番号が前記バッファメモリの前記複数の個別記憶領域のおのおのに記憶された前記各音声パケットの前記順序番号の後続の順序番号であるときには、当該受信された音声パケットを前記バッファメモリの前記複数の個別記憶領域のうち前記読み出しタイミングが遅い前記ポインタで限定される個別記憶領域に記憶させ、
当該受信された音声パケットの前記順序番号が前記バッファメモリに先に記憶されていた音声パケット又は疑似無音情報を記憶している前記個別記憶領域のうちの最後尾のポインタにより限定される該個別記憶領域に記憶されている該順序番号より予め定めた番号以上離れていたときには、前記先に記憶されていた音声パケット又は疑似無音情報を記憶している前記個別記憶領域の前記ポインタを当該受信された音声パケットの前記順序番号の直前から順次先行するポインタに設定変更して、該設定変更された個別記憶領域には疑似無音情報を記憶させる制御をするように構成することができる。
【0011】
前記遅延バッファは、前記記憶容量を適応的に増加または減少する記憶容量増減機能を有しているように構成することができる。
【0012】
前記記憶容量増減機能は、前記遅延バッファ内に記憶された記憶内容がすべて前記音声パケットである状態が予め定めた第1の所定時間継続したときに該遅延バッファの容量を予め定めた第1の記憶容量だけ減少し、前記遅延バッファ内に記憶された記憶内容がすべて前記擬似無音情報である状態が予め定めた第2の所定時間継続したときに該遅延バッファの容量を予め定めた第2の記憶容量だけ増加する制御をするように構成することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
(1)揺らぎ吸収バッファの導入
本発明では、音声通話を実現するエンドポイント(装置)は、ディジタル信号伝送路から受信される各音声パケットの到着遅延による「ゆらぎ」を吸収するために、一定時間相当の音声パケットを蓄積する揺らぎ吸収用の遅延バッファを備えている。
(2)音声パケット
揺らぎ吸収用の遅延バッファに蓄積される音声パケットは、RFC1889で規定された「RTP:Real-time Transport Protocol」パケットとする。この規定は、一般的なボイスオーバーIP端末としてRTPを使用した装置間での通信を可能とする。
(2) 揺らぎ吸収用の遅延バッファの仕組み
a)揺らぎ吸収用の遅延バッファの仕組みを、例えば、ポインタによるアドレス指定される個別記憶領域形式のものとする。
b)遅延バッファからの読出は、個別記憶領域に記憶された情報をポインタの予め定めた順序で読み出し再生をし、その再生の終了後にバッファメモリの複数の個別記憶領域のうちの読み出しタイミングの遅いポインタを有する個別記憶領域に擬似無音情報を記憶させる。
c)遅延バッファへの書込みの際には、ポインタの予め定めた順序での当該個別記憶領域からの読み出しタイミングまでは、バッファメモリにおける予め定めた順序でポインタで限定される複数の個別記憶領域のおのおのには、当該音声パケットのその順序番号の順序になるように、ディジタル信号伝送路から受信される各音声パケットを記憶させる制御が行われる。
以上の構成と制御により、パケット到着間隔の不規則性(揺らぎ)を吸収することを可能とする。
【0014】
【実施例】
図1は、ディジタル信号伝送路4からの音声パケットの受信の際に用いられる、本発明によるリアルタイムパケットの遅延バッファ制御方式の基本的構成の実施例を示すものであり、1は受信の動作速度と再生の動作速度との差を調節するために前記各音声パケットを個別に一時記憶することができる複数の個別記憶領域を必要個数有するバッファメモリ、2は該バッファメモリ1の複数の個別記憶領域に前記ディジタル信号伝送路4から受信される各音声パケットを個別に一時記憶させる制御をする受信制御部、3はバッファメモリ1の複数の個別記憶領域に記憶された各音声パケットを読み出し再生する制御をする再生制御部、5は再生された音声パケットの出力である。
【0015】
図2は、本発明によるリアルタイムパケットの遅延バッファ制御方式の具体的構成の実施例を示すものであり、バッファメモリ1は4個の個別記憶領域1−1,1−2,1−3,1−4を有し、各個別記憶領域1−1,1−2,1−3,1−4は、その個別記憶領域のポインタ番号を格納するポインタ記憶領域Mp,その個別記憶領域に記憶すべき音声パケットのシーケンス番号を格納するシーケンス番号記憶領域Ms,音声パケットを格納する音声データ記憶領域Mdを備えている。図2では、最古データのシーケンス番号が(75)であり、最新データのシーケンス番号が(78)であり、シーケンス番号が(78)に相当する個別記憶領域1−4には疑似無音データ( Null)が記憶され、他の個別記憶領域1−1,1−2,1−3には受信された音声データが記憶されている状態を示している。
【0016】
この図2において、最新データであるシーケンス番号(78)の音声データ4aがディジタル信号伝送路4から到来したときに、受信制御部2により、疑似無音データに代わって個別記憶領域1−4に記憶されることが、点線L1,L2により示されている。
【0017】
また図2において、最古データであるシーケンス番号(75)の音声データが、再生制御部3により、個別記憶領域1−1から再生データ5aとして読み出されたときのバッファメモリ1の内容が、バッファメモリ1aとして示されている。この場合には、個別記憶領域1−2に記憶されたシーケンス番号(76)の音声データが最古データとなり、読み出し終了の個別記憶領域1−1には、再生制御部3の制御により、シーケンス番号(79)の音声データを待ち受けるために疑似無音データを記憶する。
【0018】
以下これらの制御について、バッファメモリ1に複数の個別記憶領域を5個設けた場合について、さらに詳細に説明する。
図3のように、ディジタル信号伝送路4から音声データパケットが到来しない状態では、複数の個別記憶領域のすべてに疑似無音データが記憶された初期状態となる。
【0019】
次に、新たな音声パケット(例えば、▲5▼)がディジタル信号伝送路4から到来したとき、図4(a)のように、バッファメモリ1の複数の個別記憶領域のすべてに括弧を付した数字で示す擬似無音情報が記憶されているときには、受信制御部2は、ディジタル信号伝送路4から受信された音声パケット▲5▼をバッファメモリ1の複数の個別記憶領域のうち読み出しタイミングが遅いポインタで限定される個別記憶領域に記憶させる制御をする。さらに、新たな音声パケット(例えば、まる10)がディジタル信号伝送路4から到来したとき、図4(b)のように、同様の動作で、その音声パケット(まる10)を読み出しタイミングが遅いポインタで限定される個別記憶領域に記憶させる制御をすることになる。
【0020】
また、図5(a)のように、受信された音声パケットの前記順序番号▲5▼がバッファメモリ1の複数の個別記憶領域のおのおのに記憶された各音声パケットの順序番号▲1▼,▲2▼,▲3▼,▲4▼の後続の順序番号▲5▼であるときには、受信制御部2は、バッファメモリ1の複数の個別記憶領域のおのおのに記憶された各音声パケットの前記順序番号▲1▼,▲2▼,▲3▼,▲4▼と当該個別記憶領域のポインタとを参照して、図5(b)のように、当該受信された音声パケットをバッファメモリ1の複数の個別記憶領域のうち読み出しタイミングが遅いポインタで限定される個別記憶領域に記憶させる制御をする。その後、最先の順序番号▲1▼の音声パケットが図5(c)のように再生され、読み出されて空いた個別記憶領域に疑似無音データ(6) が図5(d)のように記憶される。
【0021】
次に、図6(b)に示すように、受信された音声パケットの順序番号▲3▼がバッファメモリ1の複数の個別記憶領域のおのおのに記憶された各音声パケットの順序番号の列▲1▼,▲2▼,(3),▲4▼,(5)内の中間に位置する順序番号▲3▼であるときには、受信制御部2は、バッファメモリ1の複数の個別記憶領域のおのおのに記憶された各音声パケットの順序番号▲1▼,▲2▼,(3),▲4▼,(5)と当該個別記憶領域のポインタとを参照して、当該受信された音声パケット▲3▼をバッファメモリ1 の複数の個別記憶領域のうち順序番号▲3▼の順序に従うポインタで限定される個別記憶領域に記憶させる制御をする。その後、最先の順序番号▲1▼の音声パケットが図6(c)のように再生され、読み出されて空いた個別記憶領域に疑似無音データ(6) が図6(d)のように記憶される。
【0022】
また、図7(a)に示すように、受信された音声パケットの順序番号▲6▼がバッファメモリ1の複数の個別記憶領域のおのおのに記憶された各音声パケット(6),▲7▼, ▲8▼, ▲9▼,(10)の順序番号の先頭の順序番号であるときには、受信制御部2は、バッファメモリ1の複数の個別記憶領域のおのおのに記憶された前記各音声パケットの順序番号(6),▲7▼, ▲8▼, ▲9▼,(10)と当該個別記憶領域のポインタとを参照して、当該受信された音声パケットをバッファメモリ1の複数の個別記憶領域のうち読み出しタイミングが最先の前記ポインタで限定される個別記憶領域に、当該個別記憶領域に前記擬似無音情報(6) が記憶されているときに、記憶させる制御をする。その後、最先の順序番号▲6▼の音声パケットが図7(c)のように再生され、読み出されて空いた個別記憶領域に疑似無音データ(11)が図7(d)のように記憶される。
【0023】
なお、図8(a)に示すように、受信された音声パケットの順序番号▲3▼がバッファメモリ1の複数の個別記憶領域のおのおのに記憶された各音声パケット▲5▼,▲6▼,▲7▼, ▲8▼, ▲9▼の順序番号より前の順序番号であるときには、既にその順序番号▲3▼の音声パケットは読み出し済みであるから、その順序番号▲3▼の音声パケットは図7(b)のように廃棄される。その後、最先の順序番号▲5▼の音声パケットが図8(c)のように再生され、読み出されて空いた個別記憶領域に疑似無音データ(10)が図8(d)のように記憶される。
【0024】
また、図9に示すように、バッファメモリ1の複数の個別記憶領域のおのおのに記憶された各音声パケットの順序番号(▲1▼, ▲2▼,(3), ▲4▼,(5)) と当該個別記憶領域のポインタ(▲1▼, ▲2▼,(3), ▲4▼,(5)に対応するもの)とを参照して、受信された音声パケットの順序番号( まる12) がバッファメモリ1の複数の個別記憶領域のおのおのに記憶された各音声パケットの順序番号(▲1▼, ▲2▼, (3),▲4▼,(5)) の後続の順序番号であるときには、当該受信された音声パケット( まる12) を前記バッファメモリ1の複数の個別記憶領域のうち前記読み出しタイミングが遅い前記ポインタで限定される個別記憶領域(5) に記憶させ、
当該受信された音声パケットの前記順序番号( まる12) が前記バッファメモリ1に先に記憶されていた音声パケット又は疑似無音情報を記憶している前記個別記憶領域のうちの最後尾のポインタにより限定される個別記憶領域に記憶されている順序番号(▲1▼, ▲2▼,(3), ▲4▼,(5)) により予め定めた番号(例えば、5)以上離れていたときには、前記先に記憶されていた音声パケット又は疑似無音情報を記憶している前記個別記憶領域の前記ポインタ(▲1▼, ▲2▼,(3), ▲4▼,(5)に対応するもの)を当該受信された音声パケットの前記順序番号(まる12) の直前から順次先行するポインタ((11),(10),(9),(8)に対応するもの)に設定変更して、該設定変更された個別記憶領域には疑似無音情報((11), (10), (9), (8)) を記憶させる制御をすることができる。
この動作は、同期はずれを再同期に持ち込む再同期動作であり、新たな通信相手との回線の立ち上げ時等に起こる短時間の同期はずれを急速に再同期に持ち込む場合に極めて有効である。
【0025】
以上の動作は、図10に示すように、制御することができる。
受信処理がスタートすると(S10)、図3に示すように、バッファメモリ1を仮初期化する(S11)。この状態で音声パケットの到来を待つことになる(S12)。
音声パケットが到来すると(S12−1)、図4(a)又は(b)に示すように、バッファメモリ1を初期化し(S12−2)、ステップS13において受信された音声パケットの順序番号Nが、バッファメモリ1の最古格納データ(すなわち次の再生パケット)の順序番号NHと最新格納データ(すなわち到着予測パケット)の順序番号NLと比較して、どのような大小関係にあるかをテストする。
i)N≦NLのように、NがNLと同一であるときには(S14)、図5のように、受信された音声パケットは、最後続の位置に格納される。
ii)NH≦N≦NLのように、NがNHからNLまでのいずれかに一致するときには(S15)、受信された音声パケットは、図6,図7のように、その一致する位置に格納される。
iii)N<NHのように、Nが既に再生ずみの音声パケットであるときには(S16)、図8のように破棄される。
iv)N≫NLのように、Nが最後続の音声パケットより、例えば順序番号で5以上のように大きく離れているときには(S17)、図9のようにバッファメモリ1の格納内容を再構築する。
【0026】
本発明によるリアルタイムパケットの遅延バッファ制御方式では、遅延バッファ1は、その記憶容量を適応的に増加または減少する記憶容量増減機能を有しているように構成することができる。
【0027】
そのために、その記憶容量増減機能は、図11に示すように、遅延バッファ1内に記憶された記憶内容がすべて音声パケットである状態が予め定めた第1の所定時間T1継続したときに、遅延バッファ1の容量を予め定めた第1の記憶容量(例えば、二つの個別記憶領域)だけ減少する制御をする。逆に、図12に示すように、遅延バッファ1内に記憶された記憶内容がすべて擬似無音情報である状態が予め定めた第2の所定時間T2継続したときに、遅延バッファ1の容量を予め定めた第2の記憶容量(例えば、三つの個別記憶領域)だけ増加する制御をするように構成することができる。
【0028】
この記憶容量増減機能の制御動作は、例えば、図13に示す通りであり、再生処理中に(S1)、遅延バッファ1内の最古格納データを再生し(S2)、遅延バッファ1に最新格納データの順序番号に「1」を加算した順序番号を持つ疑似無音データをセットする(S3)。次に、「遅延バッファ1の状態は?」のテストを行い(S4)、すべての個別記憶領域が擬似無音データであるときに、遅延バッファ1の記憶容量の「増加処理」を行い(S5)、すべての個別記憶領域が音声パケットデータであるときに、遅延バッファ1の記憶容量の「減少処理」を行う(S6)。
【0029】
遅延バッファ1の記憶容量の「増加処理」は、図14に示すように、「増加処理」の開始後(S51)、「予め定めた第2の所定時間T2継続か」のテストを行い(S52)、そのテストがYESのときに、直前に再生済みの順序番号を持つ任意数(例えば、三つの個別記憶領域の分だけ)再セットした(S53)後、またそのテストがNOのときに、終了する。
【0030】
遅延バッファ1の記憶容量の「減少処理」は、図15に示すように、「減少処理」の開始後(S61)、「予め定めた第1の所定時間T1継続か」のテストを行い(S62)、そのテストがYESのときに、最古のデータから順に任意数(例えば、二つの個別記憶領域の分だけ)廃棄した(S63)後、またそのテストがNOのときに、終了する。
【0031】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明方式は、IPネットワーク上での音声パケット通信において、簡易な構成で伝送路上のパケットの遅延の揺らぎを有効に補償することができるので、リアルタイム性を必要とする装置(電話システムやビデオなど)を、遅延や揺らぎの発生が当然のごとく起きるIPネットワーク上に配置し利用する場合において、本発明を利用するこにより遅延の揺らぎを吸収することを比較的簡易に実現することができる効果が得られる。
本発明方式は、到着を期待した契機に新しい有音パケットが到着しなかった場合、音声パケットが遅延したかあるいは損失したとみなすことができる。本発明は、前回の再生契機に、予め擬似無音パケットを挿入する方式を採用しているため、損失パケットを再生するか有効な音声パケットを再生するかを区別する必要がないところも特徴である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるリアルタイムパケットの遅延バッファ制御方式の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明によるリアルタイムパケットの遅延バッファ制御方式の具体的構成の実施例を示すブロック図である。
【図3】本発明方式に用いる遅延バッファの初期状態を示す図である。
【図4】本発明方式において揺らぎ吸収可能時間内に始めて実パケットが到着した場合のバッファ制御例を示す図である。
【図5】本発明方式において揺らぎ吸収可能時間内に蓄積された最後続のパケットより遅い実パケットが到着した場合のバッファ制御例を示す図である。
【図6】本発明方式において揺らぎ吸収可能時間内に蓄積された音声パケットの中間位置の実パケットが到着した場合のバッファ制御例を示す図である。
【図7】本発明方式において揺らぎ吸収可能時間内に蓄積された先頭位置の実パケットが到着した場合のバッファ制御例を示す図である。
【図8】本発明方式において揺らぎ吸収可能時間を超えて実パケットが到着した場合のバッファ制御例を示す図である。
【図9】本発明方式における蓄積された音声パケットよりも大きく遅れて実パケットが到着した場合の制御例を説明するためのフロー図である。
【図10】本発明における遅延バッファの制御をまとめて説明するためのフロー図である。
【図11】本発明方式において遅延バッファの記憶容量の減少制御例を示す図である。
【図12】本発明方式において遅延バッファの記憶容量の増加制御例を示す図である。
【図13】本発明方式において遅延バッファの記憶容量の減少制御と増加制御を説明するためのフロー図である。
【図14】本発明方式において遅延バッファの記憶容量の増加制御例を説明するためのフロー図である。
【図15】本発明方式において遅延バッファの記憶容量の減少制御例を説明するためのフロー図である。
【符号の説明】
1,1a 遅延バッファ
1−1,1−2,1−3,1−4 個別記憶領域
2 受信制御部
3 再生制御部
4 ディジタル信号伝送路
5 信号出力
Mp ポインタ記憶領域
Ms シーケンス番号記憶領域
Md 音声データ記憶領域

Claims (6)

  1. ディジタル信号伝送路から送出順に順序番号が付与された各音声パケットを受信再生する際に、
    該受信の動作速度と該再生の動作速度との差を調節しさらに前記音声パケットの到着タイミングの揺らぎを補償するするために前記各音声パケットを個別に一時記憶することができる複数の個別記憶領域を必要個数有するバッファメモリと、
    該バッファメモリの前記複数の個別記憶領域に前記ディジタル信号伝送路から受信される該各音声パケットを個別に一時記憶させる制御をする受信制御部と、
    該バッファメモリの前記複数の個別記憶領域に記憶された該各音声パケットを読み出し再生する制御をする再生制御部と、
    を備え、
    前記バッファメモリの前記複数の個別記憶領域のおのおのは前記各音声パケットの音声データと前記順序番号と当該個別記憶領域のポインタとを記憶する記憶エリアを有しており、
    前記再生制御部は、前記個別記憶領域に記憶された情報を前記ポインタの予め定めた順序で読み出し再生をし、その再生の終了後に該バッファメモリの前記複数の個別記憶領域のうちの読み出しタイミングの遅い前記ポインタを有する個別記憶領域に擬似無音情報を記憶させ、
    前記受信制御部は、該再生制御部による前記ポインタの予め定めた順序での当該個別記憶領域からの読み出しタイミングまでは、前記バッファメモリにおける予め定めた順序の前記ポインタで限定される前記複数の個別記憶領域のおのおのには、当該音声パケットの前記順序番号の順序になるように、前記ディジタル信号伝送路から受信される前記各音声パケットを記憶させる制御が行われ、前記バッファメモリの前記複数の個別記憶領域のすべてに前記擬似無音情報が記憶されているときには、前記ディジタル信号伝送路から受信された音声パケットを前記バッファメモリの前記複数の個別記憶領域のうち前記読み出しタイミングが遅い前記ポインタで限定される個別記憶領域に記憶させる制御をするように構成された
    リアルタイムパケットの遅延バッファ制御方式。
  2. 前記受信制御部は、さらに、
    前記バッファメモリの前記複数の個別記憶領域のおのおのに記憶された前記各音声パケットの前記順序番号と当該個別記憶領域のポインタとを参照して、受信された音声パケットの前記順序番号が前記バッファメモリの前記複数の個別記憶領域のおのおのに記憶された前記各音声パケットの前記順序番号の後続の順序番号であるときには、当該受信された音声パケットを前記バッファメモリの前記複数の個別記憶領域のうち前記読み出しタイミングが遅い前記ポインタで限定される個別記憶領域に記憶させる制御をするように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のリアルタイムパケットの遅延バッファ制御方式。
  3. 前記受信制御部は、さらに、
    前記バッファメモリの前記複数の個別記憶領域のおのおのに記憶された前記各音声パケットの前記順序番号と当該個別記憶領域のポインタとを参照して、受信された音声パケットの前記順序番号が前記バッファメモリの前記複数の個別記憶領域のおのおのに記憶された前記各音声パケットの前記順序番号の列内の中間に位置する順序番号であるときには、当該受信された音声パケットを前記バッファメモリの前記複数の個別記憶領域のうち前記順序番号の順序に従う前記ポインタで限定される個別記憶領域に記憶させる制御をするように
    構成されたことを特徴とする請求項1に記載のリアルタイムパケットの遅延バッファ制御方式。
  4. 前記受信制御部は、さらに、
    前記バッファメモリの前記複数の個別記憶領域のおのおのに記憶された前記各音声パケットの前記順序番号と当該個別記憶領域のポインタとを参照して、受信された音声パケットの前記順序番号が前記バッファメモリの前記複数の個別記憶領域のおのおのに記憶された前記各音声パケットの前記順序番号の先頭の順序番号であるときには、当該受信された音声パケットを前記バッファメモリの前記複数の個別記憶領域のうち前記読み出しタイミングが最先の前記ポインタで限定される個別記憶領域に、当該個別記憶領域に前記擬似無音情報が記憶されているときに、記憶させる制御をするように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のリアルタイムパケットの遅延バッファ制御方式。
  5. ディジタル信号伝送路から送出順に順序番号が付与された各音声パケットを受信再生する際に、
    該受信の動作速度と該再生の動作速度との差を調節しさらに前記音声パケットの到着タイミングの揺らぎを補償するするために前記各音声パケットを個別に一時記憶することができる複数の個別記憶領域を必要個数有するバッファメモリと、
    該バッファメモリの前記複数の個別記憶領域に前記ディジタル信号伝送路から受信される該各音声パケットを個別に一時記憶させる制御をする受信制御部と、
    該バッファメモリの前記複数の個別記憶領域に記憶された該各音声パケットを読み出し再生する制御をする再生制御部と、
    を備え、
    前記バッファメモリの前記複数の個別記憶領域のおのおのは前記各音声パケットの音声データと前記順序番号と当該個別記憶領域のポインタとを記憶する記憶エリアを有しており、
    前記再生制御部は、前記個別記憶領域に記憶された情報を前記ポインタの予め定めた順序で読み出し再生をし、その再生の終了後に該バッファメモリの前記複数の個別記憶領域のうちの読み出しタイミングの遅い前記ポインタを有する個別記憶領域に擬似無音情報を記憶させ、
    前記受信制御部は、該再生制御部による前記ポインタの予め定めた順序での当該個別記憶領域からの読み出しタイミングまでは、前記バッファメモリにおける予め定めた順序の前記ポインタで限定される前記複数の個別記憶領域のおのおのには、当該音声パケットの前記順序番号の順序になるように、前記ディジタル信号伝送路から受信される前記各音声パケットを記憶させる制御が行われ、
    前記受信制御部は、前記バッファメモリの前記複数の個別記憶領域のおのおのに記憶された前記各音声パケットの前記順序番号と当該個別記憶領域のポインタとを参照して、受信された音声パケットの前記順序番号が前記バッファメモリの前記複数の個別記憶領域のおのおのに記憶された前記各音声パケットの前記順序番号の後続の順序番号であるときには、当該受信された音声パケットを前記バッファメモリの前記複数の個別記憶領域のうち前記読み出しタイミングが遅い前記ポインタで限定される個別記憶領域に記憶させ、
    当該受信された音声パケットの前記順序番号が前記バッファメモリに先に記憶されていた音声パケット又は疑似無音情報を記憶している前記個別記憶領域のうちの最後尾のポインタにより限定される該個別記憶領域に記憶されている該順序番号より予め定めた番号以上離れていたときには、前記先に記憶されていた音声パケット又は疑似無音情報を記憶している前記個別記憶領域の前記ポインタを当該受信された音声パケットの前記順序番号の直前から順次先行するポインタに設定変更して、該設定変更された個別記憶領域には疑似無音情報を記憶させる制御をするように構成されリアルタイムパケットの遅延バッファ制御方式。
  6. 前記遅延バッファは、前記記憶容量を適応的に増加または減少する記憶容量増減機能を有しており、
    該記憶容量増減機能は、前記遅延バッファ内に記憶された記憶内容がすべて前記音声パケットである状態が予め定めた第1の所定時間継続したときに該遅延バッファの容量を予め定めた第1の記憶容量だけ減少し、前記遅延バッファ内に記憶された記憶内容がすべて前記擬似無音情報である状態が予め定めた第2の所定時間継続したときに該遅延バッファの容量を予め定めた第2の記憶容量だけ増加する制御をするように構成されていることを特徴とする請求項5に記載のリアルタイムパケットの遅延バッファ制御方式。
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