JP3660332B2 - 脚式移動装置の歩行・走行制御方法および脚式移動装置の歩行・走行制御装置 - Google Patents

脚式移動装置の歩行・走行制御方法および脚式移動装置の歩行・走行制御装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、脚式移動装置の歩行運動および走行運動の制御を行う脚式移動装置の歩行・走行制御方法および脚式移動装置の歩行・走行制御装置に関し、より詳細には、脚式移動装置の歩行運動と走行運動をシームレスに制御して運動の連続性を実現する脚式移動装置の歩行・走行制御方法および脚式移動装置の歩行・走行制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近時、脚を用いて移動する装置(以降、脚式移動装置と記載する)の研究が長足の進歩を遂げている。一般的に、脚式移動装置は、装置本体を支持すると共に装置本体に推進力を与えて移動させるための複数の脚が装置本体の下部に設けられている。なお、脚式移動装置の具体例としては、例えば、2本の脚を有する人間型のロボットや、装置本体の下部に4本の足を設けた装置などを挙げることができる。
【0003】
また、従来の脚式移動装置として、例えば、特開2001−129775号公報「ロボット、及び、ロボットの重心位置制御方法」に開示されるように、人やサルなどの直立歩行型の身体メカニズムや動作を模した構造を有する脚式移動型ロボットにおいて、歩行運動や、その他体幹や上肢などを含んだ全身協調運動時において好適な重心位置を設定可能な直立歩行・脚式移動型ロボットが提供されている。
【0004】
なお、このような従来の脚式移動装置では、ZMP(Zero MomentPoint:総慣性力のモーメントがゼロとなる点)規範に基づいて、歩行制御を行っている。すなわち、脚式移動装置が歩行するときの床反力によるモーメントがゼロとなる床面上の点を目標値に一致させるように制御することにより、脚式移動装置の歩行運動を実現している。
【0005】
一方、歩行運動が可能な脚式移動装置とは別に、走行運動を実現した脚式移動装置も提供されている。ここで、走行運動とは、脚式移動装置の移動において両脚が同時に床から離れている(浮いている)期間がある移動運動のことである。歩行運動では脚式移動装置の何れか一方の脚が常に床に接地しているので前述したZMP規範を適用することが可能であるが、走行運動では両脚が浮いている期間があることでZMP規範を適用することができないため、歩行運動とは完全に異なる運動として扱われている。
【0006】
したがって、歩行運動と走行運動では、それぞれの制御における制御モデルおよび各種式が異なることになるため、1つの脚式移動装置で連続して歩行運動と走行運動を行わせる場合には、歩行運動時と走行運動時とで制御モデルや各種式を切り替える必要があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の技術によれば、脚式移動装置の歩行運動と走行運動とを異なる運動と捕らえて、歩行制御と走行制御とを別々の制御方法で行う構成であるため、1つの脚式移動装置で歩行運動と走行運動を行わせる場合には運動の切り分けにより、複雑な制御が要求されるという問題点や、切り分けることによって運動の連続性が損なわれ、歩いている状態から走り出すことや、走っている状態から歩く状態へ移ることができないという問題点が発生する。
【0008】
この発明は上記に鑑みてなされたものであって、歩行運動制御と走行運動制御を切り替えるための複雑な制御を行うことなく、歩行運動と走行運動とを連続的に実現して、立ち止まっている状態から歩き出して徐々に速度アップ走行にいたり、また止まるという動作を可能とすることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に係る脚式移動装置の歩行・走行制御方法は、脚式移動装置の歩行運動および走行運動の制御を行う脚式移動装置の歩行・走行制御方法において、前記脚式移動装置の歩行運動と走行運動とを同一の制御モデルを用いてモデル化し、前記制御モデルで使用する制御パラメータを切り替えることによって歩行運動制御と走行運動制御を制御し、前記制御モデルは、前記脚式移動装置の脚の運動によって発生するモーメントおよび力を質点本体に対する外乱として処理し、前記脚式移動装置を三次元の一質点系飛行体として見做してモデル化したことを特徴とする。
【0010】
この発明によれば、歩行運動と走行運動とを同一の制御モデルを用いてモデル化し、該制御モデルで使用する制御パラメータを切り替えることによって、歩行運動制御と走行運動制御を制御し、該制御モデルは、脚式移動装置の脚の運動によって発生するモーメントおよび力を質点本体に対する外乱として処理し、脚式移動装置を三次元の一質点系飛行体として見做してモデル化したので、制御パラメータの切り替えのみで、歩行運動と走行運動とを制御する。換言すれば、複雑な制御を行うことなく、歩行運動と走行運動とを連続的に実現する。
【0012】
また、請求項2に係る脚式移動装置の歩行・走行制御方法は、請求項1に記載の脚式移動装置の歩行・走行制御方法において、前記制御モデルは、前記脚式移動装置の運動を、前記脚式移動装置に推進力を与える第1の運動期間と、前記脚式移動装置の空中姿勢および脚を用いた支持姿勢を目標状態に保つ第2の運動期間と、前記脚式移動装置が着地する際の衝撃を和らげる第3の運動期間との3つの運動期間に分けて、前記3つの運動期間毎に使用する制御パラメータを変更する構成であることを特徴とする。
【0013】
また、請求項3に係る脚式移動装置の歩行・走行制御方法は、請求項2に記載の脚式移動装置の歩行・走行制御方法において、前記制御モデルが、前記第1の運動期間において、前記脚式移動装置の接地点から重心までの重心位置ベクトルと、その時の重心速度ベクトルと、その時の重心加速度ベクトルとの3つを制御パラメータとして用いることを特徴とする。
【0014】
また、請求項4に係る脚式移動装置の歩行・走行制御方法は、請求項2または3に記載の脚式移動装置の歩行・走行制御方法において、前記制御モデルが、前記第2の運動期間において、前記第1の運動期間における前記脚式移動装置の最終姿勢状態を初期姿勢状態として用いると共に、前記脚式移動装置の角運動量および運動量の2つを制御パラメータとして用いることを特徴とする。
【0015】
また、請求項5に係る脚式移動装置の歩行・走行制御方法は、請求項4に記載の脚式移動装置の歩行・走行制御方法において、前記制御モデルが、前記第2の運動期間において、さらに、前記脚式移動装置の姿勢角度が目標姿勢角度となるように制御することを特徴とする。
【0016】
また、請求項6に係る脚式移動装置の歩行・走行制御方法は、請求項2〜5のいずれか一つに記載の脚式移動装置の歩行・走行制御方法において、前記制御モデルが、前記第3の運動期間において、前記第2の運動期間における前記脚式移動装置の最終姿勢状態を初期姿勢状態として用いると共に、前記脚式移動装置の接地点から重心までの重心位置ベクトルと、その時の重心速度ベクトルと、その時の重心加速度ベクトルとの3つを制御パラメータとして用いることを特徴とする。
【0017】
また、請求項7に係る脚式移動装置の歩行・走行制御装置は、脚式移動装置の歩行運動および走行運動の制御を行う脚式移動装置の歩行・走行制御装置において、前記脚式移動装置の並進移動速度を入力して、その時の運動に最適な前記脚式移動装置の接地点から重心までの重心位置ベクトル、その時の重心速度ベクトルおよびその時の重心加速度ベクトルを生成して出力するベクトル生成手段と、前記脚式移動装置が脚を用いて推進力を生成する第1の運動期間において、前記ベクトル生成手段で生成された前記重心位置ベクトル、重心速度ベクトルおよび重心加速度ベクトルの3つを制御パラメータとして入力し、前記第1の運動期間における前記脚式移動装置の初期姿勢状態から前記第1の運動期間の最終目標姿勢状態を生成して、前記最終目標姿勢状態へ遷移させる制御を行う第1の制御手段と、前記脚式移動装置の空中姿勢または脚を用いた支持姿勢を目標状態に保つ第2の運動期間において、前記第1の運動期間における前記脚式移動装置の最終目標姿勢状態を初期姿勢状態として、前記脚式移動装置の角運動量および運動量の2つを制御パラメータとして入力し、前記角運動量および運動量から前記第2の運動期間の制御目標となる角運動量および運動量を生成し、生成した角運動量および運動量へ遷移させる制御を行う第2の制御手段と、前記脚式移動装置の脚が接地する際の衝撃を和らげる第3の運動期間において、前記第2の運動期間における前記脚式移動装置の最終姿勢状態を初期姿勢状態として、その時の重心位置ベクトル、その時の重心速度ベクトルおよびその時の重心加速度ベクトルの3つを制御パラメータとして用い、前記初期姿勢状態から前記第3の運動期間の最終目標姿勢状態を生成し、前記最終目標姿勢状態へ遷移させる制御を行う第3の制御手段と、前記脚式移動装置の運動状態に基づいて、前記第1の制御手段、第2の制御手段または第3の制御手段に切り替える切替制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0018】
また、請求項8に係る脚式移動装置の歩行・走行制御装置は、脚式移動装置の歩行運動および走行運動の制御を行う脚式移動装置の歩行・走行制御装置において、前記脚式移動装置の並進移動速度を検出する速度検出手段と、前記速度検出手段から並進移動速度を入力して、その時の運動に最適な前記脚式移動装置の接地点から重心までの重心位置ベクトル、その時の重心速度ベクトルおよびその時の重心加速度ベクトルを生成して出力するベクトル生成手段と、前記脚式移動装置の2つの脚の接地状態を検出する接地検出手段と、前記脚式移動装置の角運動量を検出する角運動量検出手段と、前記脚式移動装置の運動量を検出する運動量検出手段と、前記速度検出手段および接地検出手段の検出結果に基づいて、前記脚式移動装置の脚の接地状態が2脚の接地状態から1脚の接地状態へ移行する期間または1脚の接地状態から接地なしの状態へ移行する期間で、かつ、前記脚式移動装置の並進移動速度が増加する期間を第1の運動期間として、前記ベクトル生成手段で生成された前記重心位置ベクトル、重心速度ベクトルおよび重心加速度ベクトルの3つを制御パラメータとして入力し、前記第1の運動期間における前記脚式移動装置の初期姿勢状態から前記第1の運動期間の最終目標姿勢状態を生成して、前記最終目標姿勢状態へ遷移させる制御を行う第1の制御手段と、前記接地検出手段の検出結果に基づいて、前記脚式移動装置の脚の接地状態が1脚の接地状態から2脚の接地状態へ移行する期間または接地なしの状態から1脚の接地状態へ移行する期間を第2の運動期間として、前記第1の運動期間における前記脚式移動装置の最終目標姿勢状態を初期姿勢状態として、前記角運動量検出手段および運動量検出手段から前記脚式移動装置の角運動量および運動量の2つを制御パラメータとして入力し、前記角運動量および運動量から前記第2の運動期間の制御目標となる角運動量および運動量を生成し、生成した角運動量および運動量へ遷移させる制御を行う第2の制御手段と、前記速度検出手段および接地検出手段の検出結果に基づいて、前記脚式移動装置の脚の接地状態が2脚の接地状態または1脚の接地状態である期間で、かつ、前記脚式移動装置の並進移動速度を低下させる期間を第3の運動期間として、前記第2の運動期間における前記脚式移動装置の最終姿勢状態を初期姿勢状態として、その時の重心位置ベクトル、その時の重心速度ベクトルおよびその時の重心加速度ベクトルの3つを制御パラメータとして用い、前記初期姿勢状態から前記第3の運動期間の最終目標姿勢状態を生成し、前記最終目標姿勢状態へ遷移させる制御を行う第3の制御手段と、前記脚式移動装置の運動状態に基づいて、前記脚式移動装置の運動が前記第1の運動期間、第2の運動期間または第3の運動期間のいずれであるかを判定して、前記第1の制御手段、第2の制御手段および第3の制御手段の切り替え制御を行う切替制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の脚式移動装置の歩行・走行制御方法および脚式移動装置の歩行・走行制御装置の一実施の形態について、添付の図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明において脚式移動装置として二足歩行・走行のロボットを例として説明するが、本発明は特にこれに限定されるものではなく、脚を用いて移動する装置であれば本発明の範疇であることは勿論である。
【0020】
〔本実施の形態の概要〕
本実施の形態の脚式移動装置の歩行・走行制御方法は、同一の制御モデルを用いて脚式移動装置の歩行運動と走行運動とをモデル化することにより、制御モデル(制御手法)を切り替えることなくシームレスに脚式移動装置に運動を行わせるものである。すなわち、歩行運動でも走行運動でも同一の制御モデルを使用することにより、複雑な切り替え制御を行わないで済むようにしたものである。
【0021】
ところで、歩行運動と走行運動を比較した場合、歩行運動は常に何れかの脚が床に接地している状態の移動運動であるが、走行運動は全ての脚が同時に床から離れている(浮いている)期間がある移動運動である。このため、従来の歩行運動の制御に使用しているZMP規範のみを適用して、歩行運動と走行運動との両方を制御可能な制御モデルを作成することは困難である。
【0022】
このため、本実施の形態では、歩行運動制御と走行運動制御を同一の制御モデルで実現するために、歩行運動および走行運動中に制御パラメータを切り替えるようにしたものである。すなわち、走行運動におけるZMP規範が適用できない期間(全ての脚が床から離れている期間)に着目して、この期間をZMP規範に制約されない制御パラメータを使用して制御し、同時に歩行運動における前記ZMP規範が適用できない期間に対応する期間(後述する歩行運動での単脚支持期間に相当する)でも前記ZMP規範に制約されない制御パラメータを用いて制御する。
【0023】
なお、本実施の形態では、脚式移動装置の運動状態を、脚式移動装置に推進力を与える蹴力発生期(本発明の第1の運動期間)と、脚式移動装置の空中姿勢および脚を用いた支持姿勢を目標状態に保つ姿勢制御期(本発明の第2の運動期間:上記ZMP規範が適用できない期間に相当)と、脚式移動装置が着地する際の衝撃を和らげる衝撃吸収期(本発明の第3の運動期間)との3つの運動期間に分けて定義し、脚式移動装置の運動状態がこの3つの運動期間の何れの期間に相当するかに基づいて、使用する制御パラメータを変えている。
【0024】
さらに、本実施の形態では、歩行運動および走行運動中に制御パラメータを切り替えることによって歩行運動と走行運動とで同一の制御モデルを実現する一例として、脚式移動装置を三次元の一質点系飛行体として見做してモデル化するものである。
【0025】
ここで、本実施の形態における脚式移動装置のモデル化の方法とその運動方程式について具体的に説明する。本実施の形態では、前述したように歩行運動と走行運動とで同一の制御モデルを用いるために、脚式移動装置を三次元の一質点系飛行体として見做してモデル化している。この際に、脚式移動装置の脚の運動によって発生するモーメントおよび力を質点本体に対する外乱として処理する。
【0026】
図1は、脚式移動装置を一質点系飛行体モデル化する際の座標系の関係を示す説明図である。図において、101は脚式移動装置を示し、O−XYZは慣性空間における固定座標系を示し、G−xyzは脚式移動装置の重心Gに原点を持ち機体に固定された回転座標系を示している。
【0027】
この回転座標系G−xyzに対して脚式移動装置101の重心Gの絶対速度VGは、(1)式で表すことができ、脚式移動装置101に働く外力FGは、(2)式で表すことができ、重心Gに働く外力モーメントMGは、(3)式で表すことができる。
【数1】
Figure 0003660332
【0028】
ここで、脚式移動装置101の質量をMとした場合、機体の重心の運動方程式は回転座標系に対する換算式を用いて、(4)式に示すように表すことができる。さらに、(5)式および(6)式を用いて書き改めると(7)式〜(9)式を得ることができる。
【数2】
Figure 0003660332
【0029】
また、重心まわりの回転運動の運動方程式は、xyzの軸を慣性主軸と一致するように選べば、(10)式〜(12)式となる。なお、図1のFは駆動点に掛かる力を示している。
【数3】
Figure 0003660332
【0030】
次に、脚式移動装置の位置と姿勢を求めるために、固定座標系O−XYZに対して回転座標系G−xyzの位置と角度を表すと(13)式のようになる。なお、図2(a)〜(c)は、機体の姿勢角度(θ、φ、ψ)を定義する説明図である。
【数4】
Figure 0003660332
【0031】
これによって固定座標系O−XYZと回転座標系G−xyzの間のオイラー角を定めることができる。また、脚式移動装置の位置とオイラー角の関係は(14)式で求めることができる。さらに、ωとオイラー角との関係は(15)式に示すようになり、これを積分することで、(16)式の現在tの姿勢角度θ、φ、ψを得ることができる。
【数5】
Figure 0003660332
【0032】
ここで、外力について追記すると、外力は、脚式移動装置の駆動点にかかる力(脚からの力など)F(Fx、Fy、Fz)の他にも、Mgがかかるので、(17)式のように表すことができる。
【数6】
Figure 0003660332
【0033】
次に、図3(a)、(b)および表1を参照して、本実施の形態において歩行運動および走行運動をどのように3つの運動期間に分けて制御するかについて具体的に説明する。本実施の形態では、図3に示すように、運動の機能に基づいて、歩行運動および走行運動を飛行体(脚式移動装置)に推進力を与える蹴力発生期、飛行姿勢を目標姿勢に保つ姿勢制御期および着地衝撃を和らげる衝撃吸収期の3つの運動期間に統一的に切り分けて制御する。
【0034】
蹴力発生期の場合、歩行運動では、脚式移動装置の両脚が床面に接地しており、脚式移動装置は両脚で支持された状態で脚を用いて移動のための推進力を生成している。この期間は、走行運動のための初速度を準備する期間と定義することもできる。一方、走行運動では、すでに所定の並進移動速度(歩行から走行に切り替わる閾値となる速度)以上を脚式移動装置が有している状態であり、この所定の並進移動速度以上を維持して、かつ、飛距離を与えるように飛行体(脚式移動装置)を移動方向の上方へ射出している。この期間において、両方の運動とも脚式移動装置のエネルギーは増加する。
【0035】
また、姿勢制御期の場合、歩行運動では、単脚で床面に接地しており、脚式移動装置は単脚で支持した状態で装置本体を移動方向へ移動させる。一方、走行運動では、蹴力発生期で射出されて、両脚が空中に浮いている状態であり、この空中での姿勢を目標状態(着地時の理想の状態)に保っている。この期間において、両方の運動とも脚式移動装置のエネルギーは保存されている。
【0036】
衝撃吸収期の場合、運動によって前段の姿勢制御期の状態は異なるものの、両方の運動とも、蹴力発生期で生成した推進力によって移動方向へ投げ出された脚式移動装置の着地の衝撃を和らげる機能を果たしている。この期間において、両方の運動とも脚式移動装置のエネルギーは減少(損失)する。
【0037】
次に、3つの運動期間で使用する制御パラメータについて説明する。本実施の形態では、運動を3つに切り分けているが、そのうちの蹴力発生期と衝撃吸収期では、制御パラメータとして、脚式移動装置の接地点から重心までのベクトルPと、その時の重心速度ベクトルVと、その時の重心加速度ベクトルV'(以下、式および図面中のVポイントを明細書中で必要に応じてV'と記載する)とを用いる。
【0038】
蹴力発生期において、上記3つの制御パラメータを用いることにより、歩行運動と走行運動をシームレスに切り分けることが可能である。具体的には、(18)式、(19)式に示すように制御パラメータを用いれば歩行/走行状態を判別/明示することができる。なお、本実施の形態において、各ベクトル(P、V、V')の下添字kは蹴力発生期を示し、上添字oは目標値を示す。また、各ベクトル(P、V、V')の下添字lは衝撃吸収期を示し、上添字iは初期値を示す。
【0039】
【数7】
Figure 0003660332
【0040】
一方、姿勢制御期では、姿勢を制御するために、脚式移動装置の角運動量HG および運動量MvGの2つを制御パラメータとして用いる。
【0041】
次に、蹴力発生期において目標となるP,Vベクトルで射出された後の脚式移動装置101の飛距離と浮遊時間の関係を導出する。浮遊時間TAPは、(20)式に示すように、射出ベクトル垂直成分との関係によって一意に決定される。同様に飛距離は、(21)式に示すように、浮遊時間TAPと射出ベクトル水平成分によって決定される。この飛距離が歩行/走行系でいう一歩の歩幅となる。
【0042】
【数8】
Figure 0003660332
【0043】
ここで、本実施の形態の脚式移動装置の歩行・走行制御方法による3つの運動期間と歩行/走行運動の切り分けおよび機能を纏めて表1に示す。
【表1】
Figure 0003660332
【0044】
〔本実施の形態の歩行・走行制御装置〕
図4は、本実施の形態の歩行・走行制御装置200を適用した脚式移動装置101の全体構成図を示す。なお、ここでは、説明を分かりやすくするために歩行・走行制御装置200と制御対象となる脚式移動装置101とを分けて図示するが、特に限定するものではなく、必要に応じて脚式移動装置101内に搭載することも別装置として構成することも可能である。
【0045】
歩行・走行制御装置200は、脚式移動装置101の並進移動速度を検出する速度検出センサー201と、速度検出センサー201から並進移動速度を入力して、その時の運動に最適な脚式移動装置101の接地点から重心までの重心位置ベクトルP、その時の重心速度ベクトルVおよびその時の重心加速度ベクトルV'を生成して出力するベクトル生成手段としてのオプティマイザー203と、脚式移動装置101の2つの脚の接地状態を検出する接地検出センサー202と、脚式移動装置101の角運動量HGを検出する角運動量検出手段および脚式移動装置101の運動量MvGを検出する運動量検出手段として機能するセンサー群204と、速度検出センサー201および接地検出センサー202の検出結果に基づいて、脚式移動装置101の脚の接地状態が2脚の接地状態から1脚の接地状態へ移行する期間または1脚の接地状態から接地なしの状態へ移行する期間で、かつ、脚式移動装置101の並進移動速度が増加する期間を蹴力発生期として、オプティマイザー203で生成された重心位置ベクトルP、重心速度ベクトルVおよび重心加速度ベクトルV'の3つを制御パラメータとして入力し、蹴力発生期における脚式移動装置101の初期姿勢状態から蹴力発生期の最終目標姿勢状態を生成して、最終目標姿勢状態へ遷移させる制御を行う第1の制御手段としてのPVV'コントローラ205と、接地検出センサー202の検出結果に基づいて、脚式移動装置101の脚の接地状態が1脚の接地状態から2脚の接地状態へ移行する期間または接地なしの状態から1脚の接地状態へ移行する期間を姿勢制御期として、蹴力発生期における脚式移動装置101の最終目標姿勢状態を初期姿勢状態として、センサー群204から脚式移動装置101の角運動量HGおよび運動量MvGの2つを制御パラメータとして入力し、角運動量HGおよび運動量MvGから姿勢制御期の制御目標となる角運動量および運動量を生成し、生成した角運動量および運動量へ遷移させる制御を行う第2の制御手段としての角運動量コントローラ206と、速度検出センサー201および接地検出センサー202の検出結果に基づいて、脚式移動装置101の脚の接地状態が2脚の接地状態または1脚の接地状態である期間で、かつ、脚式移動装置101の並進移動速度を低下させる期間を衝撃吸収期として、姿勢制御期における脚式移動装置101の最終姿勢状態を初期姿勢状態として、その時の重心位置ベクトルP、その時の重心速度ベクトルVおよびその時の重心加速度ベクトルV'の3つを制御パラメータとして用い、初期姿勢状態から衝撃吸収期の最終目標姿勢状態を生成し、最終目標姿勢状態へ遷移させる制御を行う第3の制御手段としてのコンプライアンスコントローラ207と、脚式移動装置101の運動状態に基づいて、脚式移動装置101の運動が蹴力発生期、姿勢制御期または衝撃吸収期のいずれであるかを判定して、PVV'コントローラ205、角運動量コントローラ206およびコンプライアンスコントローラ207の切り替え制御を行う切替制御手段としての状態監視部208と、を備えている。
【0046】
すなわち、オプティマイザー203は、脚式移動装置101の並進移動速度υGHを与えられ、その運動に適切な重心位置ベクトルP、重心速度ベクトルVおよび重心加速度ベクトルV'を出力する。
【0047】
また、モーションジェネレータは、PVV'コントローラ205、角運動量コントローラ206およびコンプライアンスコントローラ207の3つの制御則から構成され、状況に応じて状態監視部208により切り替えられる。
【0048】
また、脚式移動装置101は、歩行、走行両方を行うことができるロボットハードウェアおよび様々なセンサーを搭載している。
【0049】
さらに、状態監視部208は、脚式移動装置101の状態を絶えず監視して、条件により、モーションジェネレータ内のPVV'コントローラ205、角運動量コントローラ206およびコンプライアンスコントローラ207を切り替える信号(Enable/Disable Information)を出力する。
【0050】
次に、図5〜図9を参照して、PVV'コントローラ205、角運動量コントローラ206およびコンプライアンスコントローラ207のそれぞれの制御則について詳細に説明する。
【0051】
図5は、PVV'コントローラ205の制御則の概略ブロック図を示す。PVV'コントローラ205は、蹴力発生期の運動制御を担っており、その機能は、オプティマイザー203からベクトルP、V、V'を入力して、(22)式で示す初期姿勢状態から(23)式で示す目標となる射出状態へ遷移させるものである。
また、図5の制御則における誤差拡散方程式は、(24)式のようになり、この式に基づいて、安定になるようにKv、Kpを選べば良いことになる。
【0052】
【数9】
Figure 0003660332
【0053】
角運動量コントローラ206は、蹴力発生期での射出時の姿勢を初期状態とし、巻き込み関数および最終目標姿勢に従って軌道を生成し、姿勢制御を行う。
ここで、ポイントを列挙すると、まず、着地するべき脚を目標着地体制になるように位置制御する。このとき巻き込み関数ε(υGH,τ)に従う。
巻き込み関数ε(υGH,τ)の運動によって発生した並進力((25)式参照)およびモーメント((26)式参照)のカウンターバランシングを行い、その差などにより姿勢を目標姿勢に制御する。
【数10】
Figure 0003660332
【0054】
ここで、図6のロボットモデルを参照して、カウンターバランシングの方法の一例を示す。上記発生したモーメントに対しては、左右の腕を鉛直軸鏡関係で駆動して疑似リアクションホールとして利用し、腰の回転コリオリ力を利用してカウンター用モーメント((27)式参照)を発生させる。また、着地しない側の脚では巻き込み関数ε(υGH,τ)により発生した並進力に対するカウンターバランシングのための力((28)式参照)を発生させる。
【数11】
Figure 0003660332
【0055】
この時の角運動量HGおよび運動量MvGは、(29)式〜(31)式で表される。
【数12】
Figure 0003660332
【0056】
角運動量コントローラ206の制御則としては、(29)式に従って以下のものを実現する。
脚式移動装置の角運動量HG→制御目標角運動量HG O
脚式移動装置の運動量MvG→制御目標運動量MvG O
【0057】
また、角運動量コントローラ206は、同時に姿勢制御期間(浮遊時間TAPと同じ)で(32)式を達成するように制御する。なお、(θO,φO,ψO)は目標姿勢角度を示す。従って、これらの制御則をブロック図で表すと図7に示すようになる。
【数13】
Figure 0003660332
【0058】
次に、コンプライアンスコントローラ207による衝撃吸収期の制御則について説明する。衝撃吸収期では、着地によって角運動量が不連続にならないように図8に示すような仮想のコンプライアンス系を用いてエネルギーの吸収を行う。すなわち、コンプライアンスコントローラ207は、着地姿勢状態((33)式参照)から与えられた目標の状態((34)式参照)へ遷移させる制御を行う。具体的には、例えば、インピーダンス制御を用いて、(35)式に従って系を制御する。
【0059】
【数14】
Figure 0003660332
【0060】
コンプライアンスコントローラ207の制御則をブロック図で示すと図9のようになる。ただし、(35)式中のD,K((36)式参照)は以下の方法によって求められる。まず、吸収すべきエネルギーEδは(37)式で求めることができる。
【数15】
Figure 0003660332
【0061】
この任意のエネルギーを失わせるには、(38)式に従って仮想のインピーダンスを求めればよいことになる。
【数16】
Figure 0003660332
【0062】
以上の構成において、図10および図11を参照して、その動作を説明する。図10は本実施の形態の歩行・走行制御装置200の歩行・走行制御フローチャートを示し、図11は、脚式移動装置101が停止状態(立ち止まっている状態)から歩行運動を開始して、徐々に速度を上げて、並進移動速度が所定の閾値を超えて、走行運動へ移行し、さらに走行運動から並進移動速度を落として歩行運動へ移行する状態を示す説明図である。
【0063】
まず、脚式移動装置101が停止状態から脚を踏み出して移動を開始すると、速度検出センサー201によって並進移動速度υGHが検出され、オプティマイザー203に並進移動速度が与えられる(S301)。
【0064】
オプティマイザー203は並進移動速度υGHから最適な重心位置ベクトルP、重心速度ベクトルVおよびその時の重心加速度ベクトルV'を算出する(S302)。このとき、状態監視部208は脚式移動装置101の動作状態を監視しており、そのときの条件からモードセレクターを切り替える。ここでは、停止状態から歩行を開始したので、蹴力発生期に移行すべく、PVV'コントローラ205へEnable信号を出力する(他のコントローラはDisableとなる)。なお、次回からは前段の処理(運動期間)に基づいて、蹴力発生期→姿勢制御期→衝撃吸収期→蹴力発生期→姿勢制御期,,,と運動期間が移行するように切り替える。これによって、制御パラメータが切り替えられたことになる。
【0065】
PVV'コントローラ205は、オプティマイザー203で生成された重心位置ベクトルP、重心速度ベクトルVおよび重心加速度ベクトルV'の3つを制御パラメータとして入力し、蹴力発生期における脚式移動装置101の初期姿勢状態(衝撃吸収期の着地終了状態と一致)から蹴力発生期の最終目標姿勢状態を生成して、最終目標姿勢状態へ遷移させる(S303)。
【0066】
次に、センサー群204からの検出信号によって重心回りの角運動量HG(ここでは、蹴力発生期の終了時の角運動量HGk)が検出されると(S304)、状態監視部208は姿勢制御期に移行すべく、角運動量コントローラ206へ制御を切り替える。
【0067】
角運動量コントローラ206は、重心回りの運動量MvGおよび角運動量HGが目標値に収束するように脚式移動装置101の関節の力制御を行い、各関節の軌道を生成する。また遊脚の軌道は巻き込み関数ε(υGH,τ)に従う(S305)。このとき、オプティマイザー203は、次段の衝撃吸収期で使用するために重心位置ベクトルP、重心速度ベクトルVを最新の状態に更新する(S306)。その後、着地衝撃を検知するまで(S307)、S305、S306を繰り返す。
【0068】
S307で着地衝撃を検知すると、オプティマイザー203の最新のデータ(着地直前の重心位置ベクトルP、重心速度ベクトルV)から吸収すべきエネルギーを算出し(S308)、続いて、コンプライアンスコントローラ207が、衝撃吸収後に残る速度ベクトルVを算出し(S309)、算出した速度ベクトルVから蹴力発生期に遷移するために必要な重心位置ベクトルPを算出し(S310)、インピーダンス制御(コンプライアンス制御)により着地直前の重心位置ベクトルP、重心速度ベクトルVから目標着地終了状態を実現する(S311)。
【0069】
衝撃吸収期におけるエネルギーの吸収(損失)によって並進移動速度が「0」になったか否か判定し(S312)、「0」でなければ、すなわち、脚式移動装置101が歩行または走行運動の状態であれば、S301へ戻って同様の処理を繰り返す。
【0070】
以上の処理から、図11(a)に示すように、停止状態から歩行運動を開始し、図11(b)に示すように、並進移動速度が徐々に大きくなって予め設定されている閾値を超えると、運動の状態は歩行運動から走行運動へ移行する。このとき、図11(d)に示すように、制御モデルは歩行運動と走行運動で同一の制御モデルが使用される。一方、運動期間は、図11(c)に示すように、蹴力発生期→姿勢制御期→衝撃吸収期→蹴力発生期→姿勢制御期,,,,と順番に切り替えられる。これによって運動期間に応じて制御パラメータが切り替えられることになる。
【0071】
同様に走行運動から歩行運動へ移行する場合にも、運動期間に応じて制御パラメータを切り替えることで、同一の制御モデルを使用して制御を行うことができる。換言すれば、歩行運動制御と走行運動制御を切り替えるための複雑な制御を行うことなく、歩行運動と走行運動とを連続的に実現して、立ち止まっている状態から歩き出して徐々に速度アップ走行にいたり、また止まるという動作を実現することができる。
【0072】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の脚式移動装置の歩行・走行制御方法および脚式移動装置の歩行・走行制御装置によれば、歩行運動と走行運動とを同一の制御モデルを用いてモデル化し、該制御モデルで使用する制御パラメータを切り替えることによって、歩行運動制御と走行運動制御を制御するので、制御パラメータの切り替えのみで、歩行運動と走行運動とを制御することができる。換言すれば、歩行運動制御と走行運動制御を切り替えるための複雑な制御を行うことなく、歩行運動と走行運動とを連続的に実現して、立ち止まっている状態から歩き出して徐々に速度アップ走行にいたり、また止まるという動作が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態において脚式移動装置を一質点系飛行体モデル化する際の座標系の関係を示す説明図である。
【図2】機体(脚式移動装置)の姿勢角度を定義する説明図である。
【図3】本実施の形態において歩行運動および走行運動をどのように3つの運動期間に分けて制御するかを示す説明図である。
【図4】本実施の形態の歩行・走行制御装置を適用した脚式移動装置の全体構成図である。
【図5】本実施の形態のPVV'コントローラの制御則の概略ブロック図である。
【図6】カウンターバランシングの方法の一例を示す説明図である。
【図7】本実施の形態の角運動量コントローラの制御則の概略ブロック図である。
【図8】衝撃吸収期の仮想のコンプライアンス系を示す説明図である。
【図9】本実施の形態のコンプライアンスコントローラの制御則の概略ブロック図である。
【図10】本実施の形態の歩行・走行制御フローチャートである。
【図11】本実施の形態において、歩行運動から走行運動への移行および走行運動から歩行運動への移行時における制御モデルとその時の運動期間の状態を示す説明図である。
【符号の説明】
101 脚式移動装置
200 歩行・走行制御装置
201 速度検出センサー
202 接地検出センサー
203 オプティマイザー
204 センサー群
205 PVV'コントローラ
206 角運動量コントローラ
207 コンプライアンスコントローラ
208 状態監視部

Claims (8)

  1. 脚式移動装置の歩行運動および走行運動の制御を行う脚式移動装置の歩行・走行制御方法において、
    前記脚式移動装置の歩行運動と走行運動とを同一の制御モデルを用いてモデル化し、前記制御モデルで使用する制御パラメータを切り替えることによって歩行運動制御と走行運動制御を制御し、
    前記制御モデルは、前記脚式移動装置の脚の運動によって発生するモーメントおよび力を質点本体に対する外乱として処理し、前記脚式移動装置を三次元の一質点系飛行体として見做してモデル化したこと、
    を特徴とする脚式移動装置の歩行・走行制御方法。
  2. 前記制御モデルは、前記脚式移動装置の運動を、前記脚式移動装置に推進力を与える第1の運動期間と、前記脚式移動装置の空中姿勢および脚を用いた支持姿勢を目標状態に保つ第2の運動期間と、前記脚式移動装置が着地する際の衝撃を和らげる第3の運動期間との3つの運動期間に分けて、前記3つの運動期間毎に使用する制御パラメータを変更する構成であることを特徴とする請求項1に記載の脚式移動装置の歩行・走行制御方法。
  3. 前記制御モデルは、前記第1の運動期間において、
    前記脚式移動装置の接地点から重心までの重心位置ベクトルと、その時の重心速度ベクトルと、その時の重心加速度ベクトルとの3つを制御パラメータとして用いることを特徴とする請求項2に記載の脚式移動装置の歩行・走行制御方法。
  4. 前記制御モデルは、前記第2の運動期間において、
    前記第1の運動期間における前記脚式移動装置の最終姿勢状態を初期姿勢状態として用いると共に、前記脚式移動装置の角運動量および運動量の2つを制御パラメータとして用いることを特徴とする請求項2または3に記載の脚式移動装置の歩行・走行制御方法。
  5. 前記制御モデルは、前記第2の運動期間において、さらに、前記脚式移動装置の姿勢角度が目標姿勢角度となるように制御することを特徴とする請求項4に記載の脚式移動装置の歩行・走行制御方法。
  6. 前記制御モデルは、前記第3の運動期間において、
    前記第2の運動期間における前記脚式移動装置の最終姿勢状態を初期姿勢状態として用いると共に、前記脚式移動装置の接地点から重心までの重心位置ベクトルと、その時の重心速度ベクトルと、その時の重心加速度ベクトルとの3つを制御パラメータとして用いることを特徴とする請求項2〜5のいずれか一つに記載の脚式移動装置の歩行・走行制御方法。
  7. 脚式移動装置の歩行運動および走行運動の制御を行う脚式移動装置の歩行・走行制御装置において、
    前記脚式移動装置の並進移動速度を入力して、その時の運動に最適な前記脚式移動装置の接地点から重心までの重心位置ベクトル、その時の重心速度ベクトルおよびその時の重心加速度ベクトルを生成して出力するベクトル生成手段と、
    前記脚式移動装置が脚を用いて推進力を生成する第1の運動期間において、前記ベクトル生成手段で生成された前記重心位置ベクトル、重心速度ベクトルおよび重心加速度ベクトルの3つを制御パラメータとして入力し、前記第1の運動期間における前記脚式移動装置の初期姿勢状態から前記第1の運動期間の最終目標姿勢状態を生成して、前記最終目標姿勢状態へ遷移させる制御を行う第1の制御手段と、
    前記脚式移動装置の空中姿勢または脚を用いた支持姿勢を目標状態に保つ第2の運動期間において、前記第1の運動期間における前記脚式移動装置の最終目標姿勢状態を初期姿勢状態として、前記脚式移動装置の角運動量および運動量の2つを制御パラメータとして入力し、前記角運動量および運動量から前記第2の運動期間の制御目標となる角運動量および運動量を生成し、生成した角運動量および運動量へ遷移させる制御を行う第2の制御手段と、
    前記脚式移動装置の脚が接地する際の衝撃を和らげる第3の運動期間において、前記第2の運動期間における前記脚式移動装置の最終姿勢状態を初期姿勢状態として、その時の重心位置ベクトル、その時の重心速度ベクトルおよびその時の重心加速度ベクトルの3つを制御パラメータとして用い、前記初期姿勢状態から前記第3の運動期間の最終目標姿勢状態を生成し、前記最終目標姿勢状態へ遷移させる制御を行う第3の制御手段と、
    前記脚式移動装置の運動状態に基づいて、前記第1の制御手段、第2の制御手段または第3の制御手段に切り替える切替制御手段と、
    を備えたことを特徴とする脚式移動装置の歩行・走行制御装置。
  8. 脚式移動装置の歩行運動および走行運動の制御を行う脚式移動装置の歩行・走行制御装置において、
    前記脚式移動装置の並進移動速度を検出する速度検出手段と、
    前記速度検出手段から並進移動速度を入力して、その時の運動に最適な前記脚式移動装置の接地点から重心までの重心位置ベクトル、その時の重心速度ベクトルおよびその時の重心加速度ベクトルを生成して出力するベクトル生成手段と、
    前記脚式移動装置の2つの脚の接地状態を検出する接地検出手段と、
    前記脚式移動装置の角運動量を検出する角運動量検出手段と、
    前記脚式移動装置の運動量を検出する運動量検出手段と、
    前記速度検出手段および接地検出手段の検出結果に基づいて、前記脚式移動装置の脚の接地状態が2脚の接地状態から1脚の接地状態へ移行する期間または1脚の接地状態から接地なしの状態へ移行する期間で、かつ、前記脚式移動装置の並進移動速度が増加する期間を第1の運動期間として、前記ベクトル生成手段で生成された前記重心位置ベクトル、重心速度ベクトルおよび重心加速度ベクトルの3つを制御パラメータとして入力し、前記第1の運動期間における前記脚式移動装置の初期姿勢状態から前記第1の運動期間の最終目標姿勢状態を生成して、前記最終目標姿勢状態へ遷移させる制御を行う第1の制御手段と、
    前記接地検出手段の検出結果に基づいて、前記脚式移動装置の脚の接地状態が1脚の接地状態から2脚の接地状態へ移行する期間または接地なしの状態から1脚の接地状態へ移行する期間を第2の運動期間として、前記第1の運動期間における前記脚式移動装置の最終目標姿勢状態を初期姿勢状態として、前記角運動量検出手段および運動量検出手段から前記脚式移動装置の角運動量および運動量の2つを制御パラメータとして入力し、前記角運動量および運動量から前記第2の運動期間の制御目標となる角運動量および運動量を生成し、生成した角運動量および運動量へ遷移させる制御を行う第2の制御手段と、
    前記速度検出手段および接地検出手段の検出結果に基づいて、前記脚式移動装置の脚の接地状態が2脚の接地状態または1脚の接地状態である期間で、かつ、前記脚式移動装置の並進移動速度を低下させる期間を第3の運動期間として、前記第2の運動期間における前記脚式移動装置の最終姿勢状態を初期姿勢状態として、その時の重心位置ベクトル、その時の重心速度ベクトルおよびその時の重心加速度ベクトルの3つを制御パラメータとして用い、前記初期姿勢状態から前記第3の運動期間の最終目標姿勢状態を生成し、前記最終目標姿勢状態へ遷移させる制御を行う第3の制御手段と、
    前記脚式移動装置の運動状態に基づいて、前記脚式移動装置の運動が前記第1の運動期間、第2の運動期間または第3の運動期間のいずれであるかを判定して、前記第1の制御手段、第2の制御手段および第3の制御手段の切り替え制御を行う切替制御手段と、
    を備えたことを特徴とする脚式移動装置の歩行・走行制御装置。
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