JP3661498B2 - 穿孔機用の補助具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は穿孔機用の補助具に係り、特にビルのリニューアル工事に使用される穿孔機用の補助具に関する。
【0002】
【従来の技術】
ビルのリニューアル工事等では、ダイヤモンドビット等の中空ドリルを装着した電動ドリル(穿孔機)によってコンクリートの穿孔作業が行われる。この電動ドリルは、回転する中空ドリルの先端に水や圧縮空気を供給することによって、中空ドリルの冷却、及び穿孔時に発生した切り粉の除去を行っている。
【0003】
この電動ドリルによる穿孔作業では、切り粉を含んだ水や圧縮空気が穿孔した孔から流出して周囲が汚染されるので、水や切り粉を排出するための補助具が必要となる。特開平3─38311号公報に開示されている補助具は、略半球状に形成され、壁面の穿孔位置に取り付けられる。そして、この補助具を吸引機に接続し、吸引機を駆動することによって、ドリル先端に供給した水や圧縮空気、さらには穿孔時に発生した切り粉を除去している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記特開平3−38311号公報の補助具は、防水、防塵対策がなされているものの、防音対策が十分に行われていないという欠点があった。このため、作業者が騒音障害対策の保護具を装着しなければならなかった。
【0005】
また、前記補助具は、壁面に取り付ける際に穿孔位置が外部から見にくいため、穿孔位置と前記ドリル挿入用の孔を正確に合わせることが困難であり、穿孔作業を効率良く行うことができなかった。
【0006】
さらに、前記補助具は、吸引室内に発生した負圧によって壁面に吸着しているが、穿孔時の振動によって補助具がはずれるおそれがあるため、補助具を押さえながら穿孔作業を行わねばならなかった。このため、穿孔作業を効率良く行うことができなかった。
【0007】
本発明はこのような事情に鑑みて成されたもので、防音、防塵、防水性の面において優れ、且つ効率よく作業することのできる穿孔機用の補助具を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は前記目的を達成するために、穿孔機のドリルを回転させて壁面を穿孔する際に使用される穿孔機用の補助具において、前記補助具は、前記穿孔機の本体に取り付けられ、遮音材から成る外筒と、該外筒に出没自在に設けられるとともに付勢手段によって突出方向に付勢され、遮音材から成る内筒と、前記内筒の先端に取り付けられ、前記内筒を前記壁面に密着させる円環状の密着部材と、前記内筒の内部に設けられた吸音材と、前記外筒の内部に設けられ、液体を吸収する吸収剤と、によって構成され、前記密着部材を介して前記内筒を前記壁面に当接させることによって前記ドリルを取り囲むとともに前記ドリルの穿孔動作に合わせて穿孔方向に伸縮自在な密閉空間を形成し、該密閉空間で発生した騒音を抑制する防音機能を備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項1記載の発明によれば、補助具がドリルを取り囲む密閉空間を形成するとともに、この補助具に防音機能を設けたので、穿孔時に密閉空間で発生した騒音を抑制することができる。また、前記密閉空間は、ドリルの穿孔動作に合わせて穿孔方向に伸縮するので、補助具が前記穿孔動作を妨げることがない。
【0010】
請求項2に記載の発明は請求項1の発明において、前記内筒に着脱自在に取り付けられ、前記外筒に当接することによって前記内筒の没入動作を規制するストッパと、前記内筒の外周面に形成された指標と、を備え、前記指標に合わせて前記ストッパを取り付けることによって前記ドリルの穿孔深さを調節することを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下添付図面に従って、本発明に係る穿孔機用の補助具について詳説する。
【0012】
図1及び図2は、第1の実施の形態の補助具10の概略構造を示す縦断面図及び平面図である。
【0013】
これらの図に示すように、補助具10は、携帯用の電動ドリル12の先端部に取り付けられる。電動ドリル12には、穿孔用の中空ドリル(例えば、ダイヤモンドインプリグネイテッドコアビット)14が取り付けられており、この中空ドリル14を回転させることによってコンクリート等から成る壁面を穿孔することができる。また、電動ドリル12には、図示しない流体供給源が接続され、この流体供給源から水又は圧縮空気等の流体が前記中空ドリル14の内部を介して中空ドリル14の先端に供給される。この流体は、穿孔時に発生する切り粉を孔から除去するとともに、中空ドリル14を冷却する。なお、符号16は、電動ドリル12を駆動又は停止するための操作スイッチである。
【0014】
補助具10は主として、中空ドリル14の周囲に配置された内筒22と外筒24から構成される。外筒24は、遮音材で形成され、騒音の伝達を遮断することができる。また、外筒24は、基端側に取付孔24Aが形成され、この取付孔24Aに前記電動ドリル12の非回転部分12Aが挿入されて取り付けられている。取付孔24Aと非回転部分12Aとの隙間には、パッキン28が設けられ、このパッキン28によって前記隙間が密封される。また、外筒24の内部には、水等の液体を吸収する吸収剤(例えば高分子吸収剤)30が敷設されている。
【0015】
一方、内筒22は、外筒24に対して出没自在に設けられている。内筒22は、外筒24と同様に遮音材で形成され、内筒22の内側には、ガラスウール等によって形成された吸音材32が取り付けられている。さらに、内筒22の先端には、円環状に形成された密着部材34が取り付けられている。密着部材34は、ゴム等の弾性体から成り、内筒22を壁面に当接させると、前記密着部材34を介して内筒22と壁面が密着する。
【0016】
前記内筒22と外筒24は、図3に示すように、引張ばね36を介して取り付けられている。引張ばね36は、内筒22の外周面の基端に突出形成された突出部22Aと、外筒24の先端に装着された突出部24Bとの間に取り付けられている。これにより、内筒22は、引張ばね36に引っ張られ、外筒22に対して突出方向に付勢されている。なお、前記外筒24の突出部24Bは、ビス38によって着脱自在に取り付けられ、このビス38を外すことによって内筒22を外筒24から取り外して、内部を清掃することができる。
【0017】
前記内筒22には、ストッパ40が着脱自在に取り付けられている。ストッパ40は、図4に示すように、一対の半円環状部材42、42の端部同士が蝶番44で連結されるとともに、一対の半円環状部材42、42のもう一方の端部同士が連結具46によって連結されて構成されている。このストッパ40は、一対の半円環状部材42、42の内周面が内筒22の外周面を挟圧することによって内筒22に固定される。これにより、内筒22を外筒24に没入させると、ストッパ40が外筒24に当接し、内筒22の没入動作が規制される。内筒22の没入動作が規制されると、中空ドリル14による穿孔動作も規制されるので、ストッパ40の取付位置によって穿孔深さを調節することができる。
【0018】
前記内筒22の外周面には、図3に示したように、指標48が形成されており、この指標48に合わせてストッパ40を取り付けると、前記穿孔深さを調整することができる。
【0019】
次に上記の如く構成された補助具10の作用について図5に基づいて説明する。以下、天井面の壁材に穿孔する例で説明する。
【0020】
まず、図5(a)に示すように、ストッパ40を引張ばね36(図3参照)の弾性力に抗して基端側に引き付けて中空ドリル14の先端を露出させ、その先端を壁材50の穿孔位置50Aに合わせる。
【0021】
次いで、ストッパ40を離し、図5(b)に示すように、内筒22を引張ばね(図3参照)の付勢力によって先端側に突出させ、内筒22の密着部材34を介して壁面50に密着させる。これにより、補助具10は、内筒22と外筒24によって中空ドリル14を取り囲むとともに、中空ドリル14の穿孔動作に合わせて穿孔方向に伸縮自在な密閉空間を形成する。
【0022】
次に、図1の操作スイッチ16を押して電動ドリル12を駆動し、中空ドリル14の先端に流体(水、圧縮空気、又は水を含んだ圧縮空気等)を供給しながら、中空ドリル14を回転させる。これにより、図5(c)に示すように、中空ドリル14が壁面50を穿孔する。このとき、内筒22は、壁面50に押圧されて外筒24の内部に没入され、密閉空間が小さくなる。したがって、補助具10が穿孔動作を妨げることがないので、壁面50がスムーズに穿孔される。壁面50が穿孔されると、切り粉が発生するが、中空ドリル14が補助具10に取り囲まれているので、切り粉が外部に飛散して周囲を汚染することがない。また、中空ドリル14に供給した水は、吸収剤30によって吸収されるので、排出する必要がない。さらに、穿孔したことによって騒音が発生するが、中空ドリル14が遮音材で形成された内筒22と外筒24によって2重に囲まれるとともに、内筒22の内側に吸音材が取り付けられているので、騒音を効果的に抑制することができる。
【0023】
所定の穿孔深さまで穿孔作業を行うと、ストッパ40が外筒24に当接し、内筒22の没入動作が規制される。これにより、中空ドリル14による穿孔動作が規制されるので、所定の穿孔深さの孔を正確にあけることができる。
【0024】
このように、第1の実施の形態の補助具10は、遮音材から成る内筒22と外筒24とで中空ドリル14を取り囲むとともに、内筒22の内部に吸音材を設けているので、穿孔時に発生した騒音を効果的に抑制することができる。したがって、作業者が騒音障害対策の保護具を使用する必要がないので、穿孔作業を効率良く行うことができる。
【0025】
なお、密閉空間で発生した騒音を抑制する防音機能は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、例えば、補助具10を遮音材で形成するか、又は、密閉空間内に遮音材を設けるかのどちらか一方でよい。
【0026】
また、上述した補助具10に、内部を視認できる窓を設け、この窓から穿孔位置50Aを視認しながら、中空ドリル14の先端を穿孔位置50Aに合わせてもよい。
【0027】
次に第2の実施の形態の穿孔機用の補助具60について説明する。
【0028】
図6は、第2の実施の形態の補助具60を用いた穿孔装置62の全体構成を示す説明図である。
【0029】
同図に示すように、穿孔装置62は主として、補助具60、固定具64、電動ドリル66、吸引機68、タンク70、コンプレッサ72から構成されている。
【0030】
電動ドリル66は、中空ドリル74が装着されるとともに、ホース76を介してタンク70が接続されている。このタンク70には、水が貯留されるとともに、コンプレッサ72が接続されている。これにより、コンプレッサ72によってタンク70の圧力を上昇させて、タンク70内の水を電動ドリル66に送液することができ、送液された水は、中空ドリル74の内部を介して中空ドリル74の先端に供給される。
【0031】
補助具60は、遮音材で形成され、図7及び図8に示すように、一方が開口され、他方が閉口された短い円筒状に形成されている。補助具60の開口側の端部には、ゴム等の弾性体から成る環状の密着部材78が取り付けられている。また、閉口側には、排出口80が突出形成されており、この排出口80に、図6の吸引機68がホース82を介して接続されている。
【0032】
図7の補助具60の閉口側には、透明又は半透明なアクリル板86が取り付けられ、このアクリル板86を介して補助具60の内部を視認することができるようになっている。アクリル板86には、中空ドリル74の径よりも若干大きい孔84が形成され、この孔84から中空ドリル74が挿入されて穿孔作業が行われる。
【0033】
前記補助具60の外周面には、図8に示すように、前記孔84を中心として90度間隔となる位置に、棒状の指標88、88…が突出形成されている。したがって、図9に示すように、壁面90に、穿孔位置90Aを中心として十字状にマーキングしておき、このマーキングした線90Bと前記指標88の位置を合わせることによって、ドリル挿入用の孔84と穿孔位置90Aとを正確に合わせることができる。なお、図8に示したように、前記アクリル板86にも十字状の指標86Aを形成しておくと、補助具60の位置合わせをさらに容易に行うことができる。
【0034】
前記補助具60は、図6に示したように、固定具64によって固定される。この固定具64は、ポール(棒部材)92と、アーム94から構成されている。ポール92は、伸縮性を有するとともに、縮小させると伸長方向に付勢されるように構成されている。ポール92の両端部には、ゴム製のキャップ93、93が取り付けられ、押圧する壁面を傷つけないようになっている。アーム94は、図10に示すように、一方の端部で補助具60を支持するとともに、他方の端部がポール92に回動自在に支持されている。また、アーム94は、スリット95Aが形成されたロッド95と、スリット96Aが形成されたロッド96とを、スリット95A、96Aを介してねじ97で連結することによって構成されている。したがって、ロッド95、96の連結位置を変えることにより、アーム94を伸縮することができる。なお、前記固定具64は、ポール92にアーム94を差し込んだ後、キャップ93をかぶせることによって組み立てられる。
【0035】
次に上記の如く構成した補助具60の作用について説明する。以下は、壁面90として上階床スラブ下面に穿孔する例で説明するが、側面を穿孔する場合も同様である。
【0036】
まず、図9に示したように、壁面90に穿孔位置90Aを中心に十字にマーキングする。そして、このマーキングした線90Bに補助具60の指標88が重なるようにしながら、補助具60の密着部材78を壁面に密着させる。これにより、補助具60のドリル挿入用の孔84が壁面90の穿孔位置90Aに正確に重なる。
【0037】
次に、補助具60の排出口80に吸引機68を接続し、吸引機68を駆動する。これにより、補助具60の内部が負圧になり、補助具60が壁面90に吸着する。
【0038】
次いで、図6に示したように、補助具60を固定具64で固定する。固定具64は、まず、ポール92を縮小し、縮小したポール92を壁面90と床面98間で伸長させて垂直に取り付ける。そして、アーム94をポール92に対して回動させるとともに、アーム94の長さを調整して、アーム94の先端で補助具60を支持する。これにより、補助具60が確実に固定されるので、穿孔時に壁面90が振動した場合であっても補助具60が壁面90から落ちることがない。
【0039】
次に、図9に示したように、補助具60のドリル挿入用の孔84に電動ドリル66の中空ドリル74を挿入し、電動ドリル66を駆動する。これにより、中空ドリル74の先端に水が供給されるとともに、中空ドリル74が回転し、壁面90が穿孔される。このとき、壁面90を穿孔したことによって切り粉が発生するが、発生した切り粉は、流体とともに吸引機68によって吸引されるので、切り粉が外部に飛散して周囲を汚染することがない。また、穿孔したことによって補助具60内で騒音が発生するが、補助具60が遮音材で形成されているので、前記騒音を抑制することができる。
【0040】
このように、本実施の形態では、前記補助具60が遮音材で形成されているので、穿孔時に発生する騒音を抑制することができる。
【0041】
また、補助具60は、指標88が設けられているので、補助具60を壁面90の所定の位置に正確に取り付けることができる。また、補助具60のアクリル板86から穿孔位置90Aを視認することができるので、穿孔位置90Aとドリル挿入用の孔84の位置を簡単に合わせることができる。
【0042】
また、補助具60は固定具64によって固定されるので、穿孔時に壁面90が振動しても補助具60が外れることがない。したがって、穿孔時に補助具60を押さえる必要がないので、穿孔作業を効率よく行うことができる。
【0043】
なお、第2の実施の形態において補助具60の内部に吸音材を設けて、穿孔時の騒音を抑制するようにしてもよい。また、アクリル板86を2重に設けて防音機能を持たせてもよい。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る補助具によれば、補助具がドリルを取り囲む密閉空間を形成するとともに、この補助具に防音機能を設けたので、穿孔時に密閉空間で発生した騒音を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態の補助具の概略構造を示す縦断面図
【図2】図1に示した補助具の平面図
【図3】図1に示した補助具の一部を示す縦断面図
【図4】図1に示したストッパを示す平面図
【図5】第1の実施の形態の補助具の作用を示す説明図
【図6】第2の実施の形態の補助具を適用した穿孔装置の全体構成を示す説明図
【図7】第2の実施の形態の補助具の側面図
【図8】図7に示した補助具の下面図
【図9】図7に示した補助具の取付方法を説明する説明図
【図10】図6に示した固定具の構造を説明する説明図
【符号の説明】
10…(第1の実施の形態の)補助具、12…電動ドリル、14…中空ドリル、22…内筒、24…外筒、28…パッキン、30…吸収剤、32…吸音材、34…密着部材、40…ストッパ、60…(第2の実施の形態の)補助具、64…固定具、86…アクリル板、88…指標
Claims (2)
- 穿孔機のドリルを回転させて壁面を穿孔する際に使用される穿孔機用の補助具において、
前記補助具は、前記穿孔機の本体に取り付けられ、遮音材から成る外筒と、
該外筒に出没自在に設けられるとともに付勢手段によって突出方向に付勢され、遮音材から成る内筒と、
前記内筒の先端に取り付けられ、前記内筒を前記壁面に密着させる円環状の密着部材と、
前記内筒の内部に設けられた吸音材と、
前記外筒の内部に設けられ、液体を吸収する吸収剤と、によって構成され、
前記密着部材を介して前記内筒を前記壁面に当接させることによって前記ドリルを取り囲むとともに前記ドリルの穿孔動作に合わせて穿孔方向に伸縮自在な密閉空間を形成し、該密閉空間で発生した騒音を抑制する防音機能を備えたことを特徴とする穿孔機用の補助具。 - 前記内筒に着脱自在に取り付けられ、前記外筒に当接することによって前記内筒の没入動作を規制するストッパと、
前記内筒の外周面に形成された指標と、
を備え、前記指標に合わせて前記ストッパを取り付けることによって前記ドリルの穿孔深さを調節することを特徴とする請求項1記載の穿孔機用の補助具。
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