JP3661897B2 - 曲面上に設けた空気口のエッジ加工方法 - Google Patents

曲面上に設けた空気口のエッジ加工方法 Download PDF

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    • F05B2250/71Shape curved

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は曲面上に設けられ所定精度の空気の通過流量を必要とする空気口のエッジ加工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
航空用ガスタービンエンジン等では曲面で構成された板材に開口を設け冷却用等の空気を取り入れて高温部分の冷却を行っている。図1はジエットエンジンの低圧タービン動翼を支持するコーンシャフトの構成を示す縦断面である。回転軸1の後端は軸心Cを中心軸とする軸後端円錐1aとなっており、この軸後端円錐1aに接続して第1円錐2と第2円錐3が軸心Cを中心軸とし、互いに逆向きに設けられている。第1円錐2の後端には低圧タービン動翼4が結合され、この回転力を回転軸1に伝達する。
【0003】
第1円錐2には第1空気口5、第2円錐3には第2空気口6が設けられ空気を所定精度の流量で流して冷却等に使用している。このような空気口5,6を流れる空気流量を正確に推定するには、各空気口5,6の流量係数を確定しておく必要がある。またこのような開口の周囲には応力集中が起こり易く疲労強度が低下し寿命が短くなることから応力集中を少なくする形状にしなければならない。このため、従来は開口前面のエッジを全周一様に円弧とする(Rを取ると言う)ようにしていた。開口が平板に設けられている場合は、全周一様にRを取ることは容易であるが、曲板に設けられた開口の場合困難であるので、多軸NCマシンでR取りが行われていた。
【0004】
図6は多軸NCマシンによるR取りを示す図で、(a)は断面図、(b)は(a)のX−X矢視図を示す。曲面板10には直径dの開口11が設けられており、空気の流入する側の前面エッジ部12は多軸NC制御される回転穴開工具14によりR取りがなされる。R止まり13の位置は開口外周よりt離れた同心円となっている。なお、後面エッジ部のRは小さくてよく、流量係数にもあまり影響ないので手作業で容易にできる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このように全周均一にR取りするためには、多軸、例えば5軸NCマシンを必要とし、加工機械が限られ、しかも機械占有時間が長くかかっていた。またNCマシンといえども穴開工具(回転穴開工具14)はステップ状に動くため、加工面に穴開工具のチャタリングマーク(多面体状の加工痕)が出来て、最終的に手仕上げで平滑にしていた。このためコストがかさみ仕上げ者により品質、加工時間にばらつきがでていた。なお、流量係数を確定し、応力集中を少なくするためには、開口の全周を一様なR取りとする必要はなく、Rの分布が滑らかであればよいことが、解析やテストの結果分かってきた。しかし、同一製品をある程度多数生産する場合が多いので、同一開口はRの形状の分布が同一となる必要がある。
【0006】
本発明は、上述の問題点に鑑みてなされたもので、加工方法を機械的に単純化し手作業を排し同一開口はRの形状の分布が同一となるようにする曲面上に設けた空気口のエッジ加工方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1の発明では、所定精度の空気の通過流量を必要とする曲面上に設けた空気口の前面エッジ部を、前記空気口と同一軸上に回転軸を設定した回転穴開工具により滑らかに加工し、エッジ加工範囲をほぼ楕円状とする。
【0008】
空気口の軸と同一軸上に回転穴開工具を設定し、所定の送り代とし、曲面形状、空気口の大きさ、回転穴開工具の形状を同じくすれば、前面エッジ部のRの分布形状は同じくなる。回転穴開工具による加工は軸方向への送りだけでよいので、作業が単純であり加工時間も少なくてよい。また加工は手仕上げを行わないので均一となる。
【0009】
請求項2の発明は、前記回転穴開工具は前記空気口より大きな直径の円筒体で加工側先端は前記空気口より小さな直径であり、この先端と本体との接続形状は円弧、または円弧とその少なくても一端にその円弧への接線が接続した形状となっている。
【0010】
回転穴開工具の先端部をRが大きければRのみとし、やや小さければRの一端にはRの接線を接続し、さらに小さければRの両端にRの接線を接続する。これにより指定されたRの形状を成形でき、切削性の良い回転穴開工具とすることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1はジエットエンジンの低圧タービン動翼を支持するコーンシャフトの構成を示す縦断面である。回転軸1の後端は軸心Cを中心軸とする軸後端円錐1aとなっており、この軸後端円錐1aに接続して第1円錐2と第2円錐3が軸心Cを中心軸とし、互いに逆向きに設けられている。第1円錐2の後端には低圧タービン動翼4が結合され、この回転力を回転軸1に伝達する。
【0012】
第1円錐2には第1空気口5、第2円錐3には第2空気口6が設けられ空気を所定精度の流量で流して冷却等に使用している。またこれらの空気口5,6周囲には大きな応力が発生する。所定の流量係数を得るためと応力集中を緩和し疲労強度を高め寿命を長くするため、空気の流入する面の開口エッジには大きなRを取り、出口側の後面開口エッジには小さなRが取られる。小さなRは手作業で容易に取ることができるので、以下空気流入側の面のエッジのR取りについて説明する。
【0013】
図2は本実施の形態の空気口のエッジ加工方法を示す図である。曲面板10は円筒面や円錐面のように一方向の曲がりを有する曲面が多いが、二方向の曲がりを有する二重曲面もあり、いずれの曲面に対しても本加工法を適用する。開口11は直径dを有する。前面エッジ部12は空気流入側のエッジ部で本発明の加工方法によりR取りが行われるところである。13は前面のR取りした範囲を表すR止まりを示す。回転穴開工具14は円筒体で本体部14aの直径D1は開口直径dより大きく、先端14bの直径D2はdより小さい。D1とD2との間は円弧または円弧と円弧への接線で結ばれている。この形状の回転穴開工具14で加工される前面エッジ部12の形状はRで示す円弧状または円弧状とFLATで示す平面状となる。
【0014】
図3は回転穴開工具の先端部の形状を示す図である。本体部14aと先端14bとの接続形状を示し、(a)は大きな半径のRで結んだ形状を示し、(b)はやや小さな半径RとこのRの接線Sを一端に接続した形状を示し、(c)はさらに小さな半径RとこのRの接線Sを両端に接続した形状を示す。これらのいずれを用いるかは前面エッジ部12に設けるRの形状により決められる。回転穴開工具としては回転カッターや回転砥石を用いる。
【0015】
前面エッジ部12のR取りは開口11の軸心と回転穴開工具14の回転軸を一致させ、回転穴開工具14を回転させ所定の送り代だけ送れればよい。加工されるRの形状は図3に示した穴開工具先端部の形状と送り代によって決まる。これらは曲面板10の形状、開口11の大きさに基づき予め計算によって求めることができる。このように加工方法が簡単であるため、同一形状の曲面板10に同一直径の開口11が設けられていれば、同一形状となるR取りを行うことは容易にできる。
【0016】
前面エッジ部12のRの形状とその分布を決めるに当たっては、流量係数が所定の値となるように、また応力集中による疲労強度が所定の値となるよう解析が行われる。解析の結果、従来のように全周を同一のRとしなくても流量係数の大きな低下や疲労強度の大きな低下は生じないことが判明している。
【0017】
図4は図1に示す第1空気口5を示し、(a)は図1のA−A矢視図、(b)は(a)のD−D断面図、(c)は(a)のE−E断面図である。円錐の場合稜線は直線となるが、第1空気口5の場合(b)に示すように曲線となっており、第1空気口5の周囲曲面は二重曲面となっている。中心軸Cに対する円錐面の曲率は、稜線に沿って変化するため、開口外周よりR止まり13までを示す距離は下側でt1、上側でt2と異なっている。D−D断面に対して左右は同一の曲面となっているので開口外周よりR止まり13まではともにt3となっている。このためR止まりの形状は左右対称であるが上下は異なり変形楕円となっている。この場合長さt1で示す位置を中心にその周囲のR取りした形状はRと直線を結んだ形状となっている。なおd1は第1空気口5の直径を示す。
【0018】
図5は図1に示す第2空気口6を示し、(a)は図1のB−B矢視図、(b)は(a)のF−F断面図、(c)は(a)のG−G断面図である。第2空気口6の周囲曲面は単純円錐なので、F−F断面は直線となる。またG−G断面はF−F断面に対して対称となっている。単純円錐であっても中心軸Cに対する円錐面の曲率は、稜線に沿って変化するため、開口外周よりR止まり13までを示す距離は下側と上側で異なりR止まり13は変形楕円となるが、第2空気口6の直径を示す開口d2の大きさが小さい場合、開口外周よりR止まり13までを示す距離は下側と上側とで製作許容値を考慮すれば同一としてよい。本実施の形態の場合、第2空気口6は第1空気口5に対して小さい。このため(a)に示すようにR止まり13は楕円としており、開口外周よりR止まり13までを示す距離はF−F断面で上下ともt4、G−G断面で左右ともt5である。
【0019】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように、本発明は、曲面に設けられた空気口のエッジを回転穴開工具の軸を空気口の軸と同一に設定し所定の送りをすることにより、所定の流量係数と疲労強度を有するR取りをすることができる。この工法は単純であり手仕上げを必要としないので、同一の仕上げ形状のものを量産でき、機械加工時間も少なくてよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す低圧タービンコーンシャフトの縦断面図である。
【図2】 本実施の形態の加工方法を示す図である。
【図3】回転穴開工具の先端部形状を示す図である。
【図4】 図1のA−A矢視図である。
【図5】図1のB−B矢視図である。
【図6】 曲面に設けられた空気口の従来の加工方法を説明する図である。
【符号の説明】
1 回転軸
1a 軸後端円錐
2 第1円錐
3 第2円錐
4 低圧タービン動翼
5 第1空気口
6 第2空気口
10 曲面板
11 開口
12 前面エッジ部
13 R止まり
14 回転穴開工具
14a 本体部
14b 先端

Claims (2)

  1. 所定精度の空気の通過流量を必要とする曲面上に設けた空気口の前面エッジ部を、前記空気口と同一軸上に回転軸を設定した回転穴開工具により滑らかに加工し、エッジ加工範囲をほぼ楕円状とすることを特徴とする曲面上に設けた空気口のエッジ加工方法。
  2. 前記回転穴開工具は前記空気口より大きな直径の円筒体で加工側先端は前記空気口より小さな直径であり、この先端と本体との接続形状は円弧、または円弧とその少なくても一端にその円弧への接線が接続した形状となっていることを特徴とする請求項1記載の曲面上に設けた空気口のエッジ加工方法。
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