JP3662321B2 - 移動通信装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車電話・携帯電話等のディジタル無線通信に用いる移動通信装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
TDD(Time Division Duplex) 方式とは送受信同一帯域方式のことで、ピンポン方式とも呼ばれ、同一の無線周波数を送信/受信に時間分割して通信を行なう方式である。TDDに対し、FDD(Frequency Division Duplex) 方式は、送信/受信を異なる周波数を用いて通信を行なう方式である。
【0003】
図9はTDD方式の概念を示したものである。図9において、時刻T1では基地局が周波数f1の搬送波を用いて送信し、移動局が受信を行ない、次の時刻T2では移動局が同じく周波数f1の搬送波を用いて送信し、基地局が受信を行なう。これを繰り返すことにより、単一の周波数帯域を用いた双方向の通信を実現している。TDD方式では、送受信で同一の周波数帯域を用いているため、送受信信号間の伝搬特性の相関が高く、容易に伝送路推定ができるという特徴をもっている。また、移動通信システムを構成する際、周波数配置がFDD方式と比較して容易であるという特徴や、端末において無線部のフィルタ等が送受信で共用でき、ハードウェア規模を小さくできるという特徴を有する。上記の利点等により、TDD方式は、日本においてはPHS(パーソナル・ハンディホン・システム)の復信方式に用いられている。
【0004】
動画像やデータ等を伝送しようとする場合、所要伝送レートは音声伝送の数〜数十kbpsに対し、数M〜数百Mbpsの高速の伝送レートとなる。また、伝送品質としては、音声伝送では音声符号化前のビット誤り率が10-2以下まで許容するのに対し、画像伝送等においては、ビット誤り率が10-6以下という高品質伝送が要求される。上記のような高速データ伝送を従来の方式で実現しようとした場合、単純に伝送レートを上げることで対応する方法が考えられるが、この方法であると、移動通信の伝搬環境の特徴であるマルチパスフェージング環境においては、伝送レートが高いことから伝送シンボルの時間長が短くなり、マルチパスの遅延分散が複数のシンボルにわたることによる符号間干渉のため伝送品質が著しく劣化する。また、周波数軸上で考えた場合、データが高速になることにより、信号のスペクトルが広帯域に広がり、マルチパスによる周波数選択性フェージングの影響を受けて伝送品質が劣化する。
【0005】
一般に、フェージングに対しては、複数のアンテナを用いて受信を行ない、それぞれのアンテナで受信する信号の伝搬特性の無相関性を利用して、複数のアンテナの受信信号を合成するか、または受信レベルの大きいアンテナの受信信号を選択する等のダイバーシチ受信により、受信レベルの落ち込みを回避する方法が有効である。その反面、携帯性・小型化が要求される移動局においては、アンテナや受信フィルタ等の受信系が複数必要となるなどの課題が存在する。TDDを復信方式に用いた場合は、送受信の伝搬特性の高相関性により、受信時において最も受信電力レベルの高いアンテナを次の送信時の送信アンテナとして用いる送信ダイバーシチが適用できるため、基地局にのみ複数アンテナを設置することで、移動局のハード規模を増大させることなく、上り回線(移動局送信〜基地局受信)と下り回線(基地局送信〜移動局受信)双方についてダイバーシチ効果を得ることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、符号間干渉に対しては、複数アンテナによるダイバーシチは有効でなく、等化器による補償が必要となり、やはり移動局において処理が増大することになる。また、等化器を用いても完全に符号間干渉を除去することは困難である。
【0007】
本発明は、上記問題を解決するものであり、マルチパスフェージング環境下においても良好な伝送品質で高速なデータ伝送を行なうことのできる移動通信装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、復信方式としてTDD方式を用いた移動局と基地局からなる移動通信装置において、高速データを複数の低速データを分割し、各低速データをそれぞれ異なる周波数の搬送波で変調することとし、基地局において複数のアンテナを用いて各移動局それぞれに対して各搬送波毎に独立に受信ダイバーシチを行ない、さらに受信信号レベルを用いて各移動局それぞれに対して各搬送波毎に独立に送信ダイバーシチを行なうようにしたものである。
【0009】
また、高速データを低速データに分割する前に誤り訂正符号化およびデータ列の時間順序を入れ替えるインタリーブを行なうようにしたものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、送受信方式としてTDD(Time Division Duplex) 方式を用いた基地局および移動局を備え、この基地局および移動局において、1系列の高速な送信データ系列を複数の低速な送信データ系列に分配するシリアル/パラレル変換器と、複数の低速な送信データ系列に対して複数の異なる周波数の搬送波を用いて変調を行なう多搬送波変調器と、各搬送波によって変調された受信信号に対して復調を行なう多搬送波復調器と、復調後の複数の低速な受信データ系列を高速な受信データ系列にまとめるパラレル/シルアル変換器とを備え、基地局において、複数のアンテナと、各アンテナにおける各移動局それぞれに対する各搬送波毎の受信電力レベル検出手段と、TDDの受信時間において、受信電力レベル検出手段によって検出した受信レベルが最も高いアンテナの受信信号を各移動局それぞれに対して各搬送波毎に独立に受信信号として選択する受信信号切替器と、TDDの次の送信時間において、受信レベルが最も高いアンテナを送信アンテナとして各移動局それぞれに対して各搬送波毎に独立に選択する送信信号切替器とを備えたものであり、マルチパスフェージング環境下においても良好な伝送品質で高速なデータ伝送を行なうことができるという効果を有する。
【0011】
また、上記構成により、高速データを複数の低速データに分割しているため、高速データをそのままの速度で伝送した場合と比較して、マルチパスの遅延分散が複数のシンボルにわたるという現象が起こりにくく、符号間干渉による伝送品質の劣化を避けることができる。また、低速のデータすなわち周波数軸上において狭帯域の信号に対し、複数の異なる搬送波を用いて伝送を行なっているので、マルチパスによる周波数選択性フェージング環境下においても、基地局において複数アンテナを用いた送信ダイバーシチおよび受信ダイバーシチを各移動局それぞれに対して搬送波周波数毎に独立に行なうことで、品質劣化を避けることができるという効果を有する。
【0012】
本発明の請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の基地局において、各アンテナおよび各搬送波毎に、受信電力レベル検出手段によって検出した受信レベルを用いる代わりに、受信電力レベル検出手段によって検出した各移動局それぞれに対する受信レベルの時間的変化に関する情報を用いて、TDDの次の送信時間における受信レベルの推定値を求め、この推定値が最も高いアンテナを送信アンテナとして各移動局それぞれに対して各搬送波毎に独立に選択する送信信号切替器を備えたものであり、請求項1による効果に加え、送信ダイバーシチにおいてより精度の高い伝搬特性の推定ができるという効果を有する。
【0013】
本発明の請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の基地局において、受信信号切替器の代わりに、受信電力レベル検出手段によって検出した受信レベルを用いて、各アンテナの受信信号の最大比合成を各移動局それぞれに対して各搬送波毎に独立に行なう受信信号合成器を備えたものであり、請求項2による効果に加え、受信ダイバーシチの受信品質向上能力をより高めることができるという効果を有する。
【0014】
本発明の請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれかに記載の移動局および基地局において、シリアル/パラレル変換前の1系列の高速な送信データに対して誤り訂正符号化を行なう符号器と、パラレル/シルアル変換後の高速な受信データに対して誤り訂正符号の復号を行なう復号器と、誤り訂正符号化を行なった後の送信データ系列に対して時間順序を入れ替えるインタリーブ回路と、誤り訂正符号の復号を行なう前の受信データ系列に対してインタリーブ回路で並び替えた系列の時間順序を元に戻すデインタリーブ回路とを備えたものであり、請求項1から3のいずれかによる効果に加え、高速データに対して誤り訂正符号化よびインタリーブを行なうことにより、各搬送波毎の信号の品質にばらつきがあり、特定の搬送波の信号に受信品質の悪いビットが多数あった場合でも、高速データにおいてこれらビットを他の搬送波の信号の良好な受信品質のビット列の中に時間的に分散させるべく並べ替えることで、誤り訂正能力を著しく向上させることができるという効果を有する。
【0015】
(実施の形態1)
図1は本発明の請求項1、2および3に対応する第1の実施の形態における移動通信装置の構成を示したものである。図1において、1は基地局側装置、15は移動局側装置である。基地局側装置1において、2は送信データ系列、3はシリアル/パラレル変換器、4は多搬送波変調器、5は送信信号切替器、6は第1の送受信切替器、7は第2の送受信切替器、8は第1のアンテナ、9は第2のアンテナ、10は受信レベル検出回路、11は受信信号切替器、12は多搬送波復調器、13はパラレル/シリアル変換器、14は受信データ系列である。移動局側装置21において、22はアンテナ、23は送受信切替器、24は多搬送波復調器、25はパラレル/シリアル変換器、26は受信データ系列、27は送信データ系列、28はシリアル/パラレル変換器、29は多搬送波変調器である。
【0016】
次に、上記のような構成の移動通信装置の全体的な動作について説明する。基地局側装置1では、TDD送信時刻において、画像やデータ等の高速のデータ系列である送信データ系列2に対して、シリアル/パラレル変換器3において複数の低速のデータ系列に変換し、多搬送波変調器4に出力する。多搬送波変調器4は、入力された複数の低速のデータ系列に対しそれぞれ異なる周波数の搬送波を用いて変調を行ない、送信信号切替器5に入力する。送信信号切替器5では、多搬送波変調器4から入力された複数の変調波に対して、受信レベル検出回路10からの入力情報を用いて、それぞれ独立に第1の送受信切替器6または第2の送受信切替器7のどちらかを選択して出力する。第1の送受信切替器6は、TDDの送信時刻においては、送信信号切替器5の出力を入力して第1のアンテナ8に出力し、TDDの受信時刻においては、第1のアンテナ8で受信した受信信号レベル検出回路10および受信信号切替器11に出力する。また、第2の送受信切替器7は、TDDの受信時刻においては、送信信号切替器5の出力を入力して第2のアンテナ9に出力し、TDDの受信時刻においては、第2のアンテナ9で受信した受信信号を受信レベル検出回路10および受信信号切替器11に出力する。受信レベル検出回路10は、TDDの受信時刻において、第1の送受信切替器6経由での第1のアンテナ8の受信信号と第2の送受信切替器7経由での第2のアンテナ9の受信信号を入力し、それぞれの異なる周波数の多搬送波からなる受信信号の受信電力レベルを搬送波毎に検出し、送信信号切替器5および受信信号切替器11に出力する。一方、受信信号切替器11は、TDDの受信時刻において、受信レベル検出回路10からの入力情報を用いて、第1の送受信切替器6経由での第1のアンテナ8の受信信号と第2の送受信切替器7経由での第2のアンテナ9の受信信号のどちらかを搬送波毎に独立に選択し、多搬送波復調器12は、受信信号切替器11から入力した異なる複数の搬送波からなる受信信号に対し搬送波毎に復調を行ない、複数の低速データ系列を得てパラレル/シリアル変換器13に入力する。パラレル/シリアル変換器13は、入力された複数の低速の受信データ系列を高速のデータ系列に変換し、高速の受信データ系列4を得る。
【0017】
移動局側装置21では、TDDの移動局の受信時刻(基地局の送信時刻)においては、アンテナ22により基地局からの信号を受信し、送受信切替器23を経由して多搬送波復調器24に入力する。多搬送波復調器24は、入力された異なる複数の搬送波からなる受信信号に対し搬送波毎に復調を行ない、複数の低速受信データ系列を得てパラレル/シリアル変換器25に入力する。パラレル/シリアル変換器25は、入力された複数の低速受信データ系列を高速のデータ系列に変換し、高速の受信データ系列26を得る。TDDの移動局の送信時刻(基地局の受信時刻)においては、送信データ系列27に対しシリアル/パラレル変換器28において複数の低速送信データ系列に変換し、多搬送波変調器29に出力する。多搬送波変調器29は、入力された複数の低速データ系列に対してそれぞれ異なる周波数の搬送波を用いて変調を行ない、送受信切替器23経由でアンテナ22から送信する。
【0018】
次に上記構成において、1系列の高速な送信データ系列を複数の低速なデータ系列に分配し、それぞれ異なる複数の周波数の搬送波を用いて変調を行なう動作と、その逆を行なって高速な受信データ系列を得る動作について説明する。本実施の形態においては、搬送波の数すなわち基地局側装置1または移動局側装置21のシリアル/パラレル変換器3、28において変換する低速データ系列の系列数を4とし、それぞれの系列に用いる搬送波の周波数をfa、fb、fc、fdとする。
【0019】
移動局送信時(基地局受信時)において、移動局の送信信号は周波数軸上では図2(a)に示すように、4本の搬送波fa、fb、fc、fdによる狭帯域の信号となる。移動局と基地局間の無線伝送路がマルチパスフェージング環境下であった場合、マルチパスの伝搬遅延時間(都市部で2〜10μs程度)よりもシンボル時間長を長く設定させることにより、符号間干渉による伝送品質劣化を回避することができる。周波数軸上で見た場合、基地局側の第1のアンテナ8で受信される受信信号は、マルチパスに起因する周波数選択性のフェージングを受けて、例えば周波数軸上で図2(b)のように周波数faおよびfbの信号の受信レベルが落ち込むような波形となり、fa、fbで伝送しているデータの受信品質が劣化する。しかし、基地局側の第2のアンテナ9で受信される受信信号は、アンテナの空間的位置の相異により信号が伝搬する経路が異なり、フェージングの変動は独立となるため、例えば図2(c)のように周波数fc、fdの受信レベルが落ち込む波形となり、第1のアンテナ8における受信波形とは異なるものとなる。
【0020】
基地局の受信レベル検出回路10では、第1のアンテナ8および第2のアンテナ9で受信した周波数fa〜fdの各搬送波の信号に対して受信電力レベル検出するが、図2(b)および図2(c)の受信信号に対して検出を行なった場合、周波数faおよびfbの搬送波の信号は、第2のアンテナ9で受信したものがレベルが大きく、周波数fcおよびfdの搬送波の信号は、第1のアンテナ8で受信したものがレベルが大きいという結果を得る。
【0021】
受信信号切替器11では、上記受信レベル検出回路10の結果を用いて、本例の場合、周波数faおよびfbの搬送波の信号は、第2のアンテナ9の受信信号を選択し、周波数fcおよびfdの搬送波の信号は、第1のアンテナ8の受信信号を選択して多搬送波復調器12に出力する。
【0022】
このようにして、複数の搬送波毎に独立ダイバーシチを行なうことにより受信品質を向上することができ、周波数選択性フェージング下における上り回線(移動局送信〜基地局受信)の受信品質の向上を図ることができる。
【0023】
次に、上記TDDの移動局送信時(基地局受信時)の次の基地局送信時(移動局受信時)における基地局の動作を説明する。TDD伝送により上り回線と下り回線で同一の周波数を用いているため、両回線の伝搬特性は高い相関を有している。従って、TDDの送受信の周期を小さくすることにより、受信時の伝搬特性により、送信時においても同様の伝搬特性であることが推定できる。従って、受信レベル検出回路10の結果を用いて、送信信号切替器5によって複数の搬送波毎に独立に送信アンテナを選択する送信アンテナダイバーシチを以下のように行なう。
【0024】
図2(b)および図2(c)の例の場合、周波数faおよびfbの搬送波の信号は、第2のアンテナ9から送信することとし、周波数fcおよびfdの搬送波の信号は、第1のアンテナ8から送信することとする。この信号を移動局で受信した場合の周波数軸上の受信波形は、図3(a)の基地局の第1のアンテナ8からの受信信号と、図3(b)の基地局の第2のアンテナ9からの受信信号が、移動局のアンテナ22において合成された図3(c)に示すものとなり、周波数fa〜fd毎に独立に最も伝搬特性の良好な伝搬経路を選択している。
【0025】
以上のように、本実施の形態によれば、TDD方式を用いた移動通信装置において、高速データ系列を複数の低速データ系列に変換し、複数の搬送波を用いて伝送することにより、マルチパスの遅延時間よりも伝送シンボル時間が大きくなることで、符号間干渉による伝送品質の劣化を回避でき、基地局において、複数のアンテナを用いて搬送波毎に独立に送信ダイバーシチおよび受信ダイバーシチを行なうことにより、移動局におけるハードウェア規模を増大させることなく、上り回線(移動局送信〜基地局受信)および下り回線(基地局送信〜移動局受信)の双方の受信品質の向上を図ることができる。
【0026】
なお、本実施の形態においては、基地局側装置のアンテナ数は2本であるが、基地局側装置のアンテナ数を増やすことで、さらに受信品質を向上することができる。以下の第2および第3の実施の形態においても同様である。
【0027】
また、基地局側装置の送信信号切替器5において、受信レベル検出回路10によって検出した受信レベルそのものを用いる代わりに、受信レベル検出回路10によって検出した受信レベルの時間的変化に関する情報を用いて、TDDの次の送信時間における受信レベルの推定値を求め、この推定値を用いて伝搬特性を推定し、より精度の高いダイバーシチを行なうことが可能である。
【0028】
(実施の形態2)
図4は本発明の請求項4に対応する第2の実施の形態における移動通信装置の基地局側装置の構成を示したものである。移動局側装置の構成は、上記した第1の実施の形態と同じである。本実施の形態における基地局側装置31は、図1に示した基地局側装置1における受信信号切替器11が受信信号合成器32に置き替わっている以外は、第1の実施の形態の構成と同一であるので、同じ構成要素には同じ符号を付して重複した説明は省力する。
【0029】
以上のように構成された移動通信装置における動作は、第1の実施の形態と比較して、基地局における受信ダイバーシチの方法以外は同様であるので、以下には受信ダイバーシチの方法についてのみ説明する。ここでは、第1の実施の形態と同様に搬送波周波数を設定し、伝搬特性は図5(a)および図5(b)で示されるものとする。
【0030】
TDDの基地局受信時において、受信レベル検出回路10では、第1のアンテナ8および第2のアンテナ9で受信した図5(a)および図5(b)の受信信号に対して受信電力レベルの検出を行ない、受信電力Pi(fa)〜Pi(fd)を得る。iは受信アンテナ番号、括弧内の文字は搬送波周波数を示す。受信信号合成器32では、受信信号検出回路10の結果を用いて、各搬送波毎に両アンテナの受信信号を合成して多搬送波復調器12に出力する。合成後の各搬送波毎の受信信号波Rcomb(fa)〜Rcomb(fd)は以下のようになる。
Rcomb(fa)=R1(fa)×P1(fa)+R2(fa)×P2(fa)
Rcomb(fb)=R1(fb)×P1(fb)+R2(fb)×P2(fb)
Rcomb(fc)=R1(fc)×P1(fc)+R2(fc)×P2(fc)
Rcomb(fd)=R1(fd)×P1(fd)+R2(fd)×P2(fd)
Ri(fa)〜Ri(fd)は各アンテナで受信ちあ受信信号波を表し、iは受信アンテナ番号、括弧内の文字は搬送波周波数を示す。
【0031】
上記各式のように、複数の搬送波毎に独立に最大比合成による受信ダイバーシチを行なうことにより、上り回線の受信品質の向上を図ることができる。
【0032】
以上のように、本実施の形態によれば、TDD方式を用いた移動通信装置において、高速データ系列を複数の低速データ系列に変換し、複数の搬送波を用いて伝送することにより、マルチパルスの遅延時間よりも伝送シンボル時間が大きくなることで、符号間干渉による伝送品質の劣化を回避でき、基地局において、複数のアンテナを用いて搬送波毎に独立に送信ダイバーシチおよび最大比合成による受信ダイバーシチを行なうことにより、移動局におけるハードウェア規模を増大させることなく、上り回線(移動局送信〜基地局受信)および下り回線(基地局送信〜移動局受信)の双方の受信品質の向上を図ることができる。
【0033】
(実施の形態3)
図6および図7は本発明の請求項5に対応する第3の実施の形態における移動通信装置の構成を示したものである。図6は基地局側装置41の構成を示し、42は送信データ系列、43は符号器、44はインタリーブ回路、45はシリアル/パラレル変換器、46は多搬送波変調器、47は送信信号切替器、48は第1の送受信切替器、49は第2の送受信切替器、50は第1のアンテナ、51は第2のアンテナ、52は受信レベル検出回路、53は受信信号切替器、54は多搬送波復調器、55はパラレル/シリアル変換器、56はデインタリーブ回路、57は復号器、58は受信データ系列である。図1の第1の実施の形態と異なるのは、符号器43、インタリーブ回路44、デインタリーブ回路56および復号器57が追加されていることであり、他の構成は第1の実施の形態と同様である。
【0034】
図7は移動局側装置61の構成を示し、62はアンテナ、63は送受信切替器、64は多搬送波復調器、65はパラレル/シリアル変換器、66はデインタリーブ回路、67は復号器、68は受信データ系列、69は送信データ系列、70は符号器、71はインタリーブ回路、72はシリアル/パラレル変換器、73は多搬送波変調器である。図1の第1の実施の形態と異なるのは、符号器70、インタリーブ回路71、デインタリーブ回路66および復号器67が追加されていることであり、他の構成は第1の実施の形態と同様である。
【0035】
次に、上記のような構成の移動通信装置の全体的な動作について説明する。基地局側装置41の送信側では、高速の送信データ系列42に対し、符号器43において誤り訂正符号化を施して冗長度を付加した後、インタリーブ回路44において、時間的順序を並び替えてシリアル/パラレル回路45に入力する。シリアル/パラレル回路45から第1および第2のアンテナ50、51までの動作は第1の実施の形態と同様である。受信側では、第1および第2のアンテナ50、51からパラレル/シリアル変換器55までの動作は第1の実施の形態と同様である。パラレル/シリアル変換器55の出力は、デインタリーブ回路56に入力され、デインタリーブ回路56では、図7の移動局送信側のインタリーブ回路71により入れ替えられた時間的順序の受信信号を元の時間順序に戻し、復号器57に出力する。復号器57では、移動局送信側の符号器70の誤り訂正符号化によって付加された冗長度を用いて誤り訂正復号を行ない、受信データ系列58を得る。
【0036】
移動局側装置61の送信側では、送信データ系列69に対し、符号器70において誤り訂正符号化を施して冗長度を付加した後、インタリーブ回路71において、時間的順序を並び替えてシリアル/パラレル回路72に入力する。シリアル/パラレル回路72からアンテナ62までの動作は第1の実施の形態と同様である。受信側では、アンテナ62からパラレル/シリアル変換器65までの動作は第1の実施の形態と同様である。パラレル/シリアル変換器65の出力は、デインタリーブ回路66に入力され、デインタリーブ回路66では、基地局送信側のインタリーブ回路44により入れ替えられた時間的順序の受信信号を元の時間順序に戻し、復号器67に出力する。復号器67では、基地局送信側の符号器43の誤り訂正符号化によって付加された冗長度を用いて誤り訂正復号を行ない、受信データ系列68を得る。
【0037】
次に、上記構成における誤り訂正符号・復号化動作およびインタリーブ・デインタリーブ動作について図8を用いて説明する。図8において、81は基地局および移動局の符号器43、70を通った誤り符号化後のデータ系列を示し、枠内の0〜47の数字はデータの序数である。これに対し、82はインタリーブ回路44、71で0〜47の48ビットに対して時間的順序を並べ替え、シリアル/パラレル回路45、72でシリアル/パラレル変換を行った後の4系統のデータ系列(系列a〜系列d)を示す。これらの系列に対し、多搬送波変調器46、73でそれぞれ異なる周波数の搬送波を用いて変調を行なう。
【0038】
このとき、伝送路上で図8中の時刻tにおいて全周波数帯域において伝搬環境が劣悪になった場合、受信側において、すべての系列の時刻tにおいて集中的に伝送シンボルの受信品質が劣化する。しかし、この受信信号に対しパラレル/シリアル変換およびデインタリーブを行なうことにより、受信品質が劣化したシンボルの位置を11、14、17、20と分散させることができる。また、伝送路上で系列bに用いている搬送波周波数帯域のみ伝送環境が劣化した場合、この受信信号に対しパラレル/シリアル変換およびデインタリーブを行なうことにより、受信品質が劣化したシンボルの位置を1、5、9、17・・・とやはり分散させることができる。一般に、誤り訂正符号は符号化後の誤りが分散しているほど復号時の誤り訂正能力が高いので、上記のように誤り訂正符号・復号化およびインタリーブ・デインタリーブを行なうことにより、さらに受信品質を向上することができる。
【0039】
なお、本実施の形態は、上記した第1の実施の形態のみならず第2の実施の形態とも組み合わせて実施することができる。
【0040】
【発明の効果】
本発明は、上記実施の形態から明らかなように、高速データを複数の低速データに分割しているため、高速データをそのままの速度で伝送した場合と比較して、マルチパスの遅延分散が複数のシンボルにわたるという現象が起こりにくく、符号間干渉による伝送品質の劣化を避けることができる。また、複数の低速データすなわち周波数軸上において狭帯域の信号に対し、各移動局それぞれに対して複数の異なる搬送波を用いて伝送を行なっているので、マルチパスによる周波数選択性フェージング環境下においても、基地局において複数アンテナを用いた送信ダイバーシチおよび受信ダイバーシチを各移動局それぞれに対して送信信号切替器により各搬送波毎に独立に選択して行なうことができ、良好な伝送品質で高速なデータ伝送を行なうことのできる移動通信装置を提供することができる。
【0041】
また、高速データに対して誤り訂正符号化およびインタリーブを行なうことにより、各搬送波毎の信号の品質にばらつきがあり、特定の搬送波の信号に受信品質の悪いビットが多数あった場合でも、高速データにおいてこれらビットを他の搬送波の信号の良好な受信品質のビット列の中に時間的に分散させるべく並べ替えることで、誤り訂正能力を著しく向上させることができ、良好な伝送品質で高速なデータ伝送を行なうことのできる移動通信装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における移動通信装置の構成を示すブロック図
【図2】本発明の第1の実施の形態における基地局送信信号および基地局受信信号の周波数スペクトルを示す特性図
【図3】本発明の第1の実施の形態における移動局受信信号の周波数スペクトルを示す特性図
【図4】本発明の第2の実施の形態における基地局側装置の構成を示すブロック図
【図5】本発明の第2の実施の形態における基地局受信信号の周波数スペクトルを示す特性図
【図6】本発明の第3の実施の形態における基地局側装置の構成を示すブロック図
【図7】本発明の第3の実施の形態における移動局側装置の構成を示すブロック図
【図8】本発明の第3の実施の形態におけるインタリーブおよびシリアル/パラレル変換の概念図
【図9】本発明が利用するTDD方式の概念図
【符号の説明】
1 基地局側装置
2 送信データ系列
3 シリアル/パラレル変換器
4 多搬送波変調器
5 送信信号切替器
6 第1の送受信切替器
7 第2の送受信切替器
8 第1のアンテナ
9 第2のアンテナ
10 受信レベル検出回路
11 受信信号切替器
12 多搬送波復調器
13 パラレル/シリアル変換器
14 受信データ系列
21 移動局側装置
22 アンテナ
23 送受信切替器
24 多搬送波復調器
25 パラレル/シリアル変換器
26 受信データ系列
27 送信データ系列
28 シリアル/パラレル変換器
29 多搬送波変調器
31 基地局側装置
32 受信信号合成器
41 基地局側装置
42 送信データ系列
43 符号器
44 インタリーブ回路
45 シリアル/パラレル変換器
46 多搬送波変調器
47 送信信号切替器
48 第1の送受信切替器
49 第2の送受信切替器
50 第1のアンテナ
51 第2のアンテナ
52 受信レベル検出回路
53 受信信号切替器
54 多搬送波復調器
55 パラレル/シリアル変換器
56 デインタリーブ回路
57 復号器
58 受信データ系列
61 移動局側装置
62 アンテナ
63 送受信切替器
64 多搬送波復調器
65 パラレル/シリアル変換器
66 デインタリーブ回路
67 復号器
68 受信データ系列
69 送信データ系列
70 符号器
71 インタリーブ回路
72 シリアル/パラレル変換器
73 多搬送波変調器
Claims (4)
- 送受信方式としてTDD(Time Division Duplex) 方式を用いた基地局および移動局を備え、前記基地局および移動局において、1系列の高速な送信データ系列を複数の低速な送信データ系列に分配するシリアル/パラレル変換器と、前記複数の低速な送信データ系列に対して複数の異なる周波数の搬送波を用いて変調を行なう多搬送波変調器と、前記各搬送波によって変調された受信信号に対して復調を行なう多搬送波復調器と、復調後の複数の低速な受信データ系列を高速な受信データ系列にまとめるパラレル/シルアル変換器とを備え、 前記基地局において、複数のアンテナと、前記各アンテナにおける前記各移動局それぞれに対する前記各搬送波毎の受信電力レベル検出手段と、TDDの受信時間において、前記受信電力レベル検出手段によって検出した受信レベルが最も高いアンテナの受信信号を前記各移動局それぞれに対して前記各搬送波毎に独立に受信信号として選択する受信信号切替器と、TDDの次の送信時間において、前記受信レベルが最も高いアンテナを送信アンテナとして前記各移動局それぞれに対して各搬送波毎に独立に選択する送信信号切替器とを備えた移動通信装置。
- 前記基地局において、各アンテナおよび各搬送波毎に、受信電力レベル検出手段によって検出した受信レベルを用いる代わりに、前記受信電力レベル検出手段によって検出した前記各移動局それぞれに対する受信レベルの時間的変化に関する情報を用いて、TDDの次の送信時間における受信レベルの推定値を求め、前記推定値が最も高いアンテナを送信アンテナとして前記各移動局それぞれに対して各搬送波毎に独立に選択する送信信号切替器を備えた請求項1記載の移動通信装置。
- 前記基地局において、前記受信信号切替器の代わりに、前記受信電力レベル検出手段によって検出した受信レベルを用いて、各アンテナの受信信号の最大比合成を前記各移動局それぞれに対して各搬送波毎に独立に行なう受信信号合成器を備えた請求項2記載の移動通信装置。
- 前記移動局および前記基地局において、シリアル/パラレル変換前の1系列の高速な送信データに対して誤り訂正符号化を行なう符号器と、パラレル/シルアル変換後の高速な受信データに対して誤り訂正符号の復号を行なう復号器と、誤り訂正符号化を行なった後の送信データ系列に対して時間順序を入れ替えるインタリーブ回路と、誤り訂正符号の復号を行なう前の受信データ系列に対して前記インタリーブ回路で並び替えた系列の時間順序を元に戻すデインタリーブ回路とを備えた請求項1から3のいずれかに記載の移動通信装置。
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