JP3662381B2 - 多孔性含水小麦粉食品の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、多孔性含水小麦粉食品の加工装置に関する。詳しくはパン類等の多孔性含水小麦粉食品を一旦焼成等の手段により製造した後、嵩を減少させ、保存後、再加熱により嵩を復元させる冷凍圧縮パンに関する技術であって、その際に好適に用いられる加工装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
近年、食生活が洋風化しパン類の消費量が増加するに従って、一度焼成したパン類を冷凍保存し、販売店や外食産業店で電子レンジ等を用いて加熱し、消費者に供給することが増えてきている。
この種の冷凍パンに求められる性能として、保存性や食感があり、従来より、添加剤等を配合する方法を始めとして各種方法が提案されている。
一方、パン類等の多孔性含水小麦粉食品は、比較的、重量に比べて嵩高く、流通、保存に際し、場所をとるという問題がある。このような問題は、上記の如き、近年のパン類の消費量が増加したことに伴い、コスト的にも重大なものとなってきているが、従来、かかる問題の解決を図る提案はなされていない。
本発明者らは、上記の課題を解決し、パン類等の多孔性含水小麦粉食品の流通、保管における経費削減を図ると共に、販売店、外食産業店、家庭において、何時でも焼き立てに近い味を有するパン類等の多孔性含水小麦粉食品を提供するべく鋭意検討を重ねた結果、パン類等の多孔性含水小麦粉食品を一旦焼成等の手段により製造した後、嵩を減少させ、保存後、再加熱により嵩を復元させる技術に着目し、加熱処理後に嵩を減少させた多孔性含水小麦粉食品であって、再加熱により嵩が復元する特徴を有する多孔性含水小麦粉食品、並びに加熱処理した多孔性含水小麦粉食品の嵩を減少させる工程を含む多孔性含水小麦粉食品の製造方法に関する発明を完成し、特許出願するに至った(特願平7−53925号)。
本発明者らは、上記技術について更に検討を進めた結果、その製造に好適な加工装置を見出し、本発明を完成したものである。
【0003】
【課題を解決するための手段】
即ち本発明は、搬入された焼成もしくは半焼成後の多孔性含水小麦粉食品を0.1 〜 10mm / sec の速度で圧縮する手段を備えた圧縮装置部と、多孔性含水小麦粉食品を圧縮保持したまま凍結させる手段を備えた凍結装置部とを組み合わせてなる、多孔性含水小麦粉食品の加工装置、
搬入された焼成もしくは半焼成後の多孔性含水小麦粉食品を0.1 〜 10mm / sec の速度で圧縮する手段を備えた圧縮装置部と、圧縮保持したたままの多孔性含水小麦粉食品を凍結装置部内へ搬送する手段を備えた搬送装置部と、搬送装置部により投入された圧縮保持したままの多孔性含水小麦粉食品を移送させながら凍結させる手段を備えた凍結装置部とを組み合わせてなる、多孔性含水小麦粉食品の加工装置、
焼成もしくは半焼成後の多孔性含水小麦粉食品を0.1 〜 50mm / sec の速度で圧縮しながら搬送する手段を備えた、上下一対の圧縮ベルトを有する圧縮搬送装置部と、圧縮搬送装置により圧縮保持したまま搬送されてきた多孔性含水小麦粉食品を移送させながら凍結させる手段を備えた凍結装置部とを組み合わせてなる、多孔性含水小麦粉食品の加工装置、
の何れかの加工装置を使用し、焼成もしくは半焼成後の多孔性含水小麦粉食品の嵩を圧縮により減少させた後、冷凍し、再加熱により嵩が復元する特徴を有する多孔性含水小麦粉食品の製造方法である。
【0004】
【発明の実施の形態】
先ず、本発明で言う多孔性含水小麦粉食品とは、小麦粉食品の内、比較的含水率が高く、且つ比較的内部空間容積の大きな食品である。ここで、比較的含水率が高いとは、一般的には含水率10%以上、また、比較的内部空間容積が大きいとは、一般的には空間容積10%以上のものを指す。より具体的には、食パン、コッペパン、ロールパン、クロワッサン、アンパン等の菓子パン等のパン類;スポンジケーキ、パウンドケーキ、ホットケーキ等のケーキ類;中華マン等のマンジュウ類;ドーナツ、パイ、カステラ等の菓子類等が挙げられる。同種の小麦粉食品であっても、クッキー、ビスケット等の比較的含水率が低く、且つ比較的内部空間容積の少ないものは、殆ど嵩の復元力がなく、本発明の対象からは除かれる。
【0005】
尚、本発明の多孔性含水小麦粉食品は、小麦粉を主成分とし、大麦、ライ麦、トウモロコシ粉、澱粉、卵、油脂、砂糖、乳成分、香料、乳化剤その他を含有するものであり、組成的には特に限定されるものではない。
又、上記多孔性含水小麦粉食品は、焼く、揚げる、蒸す等の加熱処理により半製品または製品となるものである。ここで、パン類を例にとれば、一般的には、一旦焼成し、製品としたものについて、後記の如き処理が施されるが、場合によっては、最初の段階では半焼成の状態にしておき、嵩の復元のための再加熱の際に同時に完全に焼成し、製品とする形でもよい。
【0006】
以下、本発明の多孔性含水小麦粉食品の加工装置を、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は本発明の多孔性含水小麦粉食品の加工装置の一例の概念図、図2は本発明の多孔性含水小麦粉食品の加工装置の別の例の概念図、図3は本発明の多孔性含水小麦粉食品の加工装置の更に別の例の概念図である。
【0007】
本発明の加工装置は、基本的に圧縮装置と、凍結装置とを組み合わせてなるものである。
先ず、図1に示すように、焼成もしくは半焼成後の多孔性含水小麦粉食品1は、トレイコンベヤ2等の手段により圧縮装置3に搬入される。圧縮装置3は圧縮する手段を備えた装置であり、例えば上下昇降自在の一対以上の圧縮プレート4、4’にて多孔性含水小麦粉食品1をはさみ、適度に多孔性含水小麦粉食品1を圧縮保持するものである。圧縮装置3の駆動機構としては、モーター方式、空気圧方式、油圧方式等があり、特に限定されない。
図1においては、圧縮プレートは4、4’の一対としているが、これに限らず、上下に複数枚の圧縮プレートを設置し、同時に複数セットの多孔性含水小麦粉食品1の圧縮を行うことも可能である。尚、予め圧縮プレートの1枚をトレイコンベヤ2等の上に設置しておき、その上に所望する複数個の多孔性含水小麦粉食品1を載置し、圧縮装置3に搬入後、もう一方の圧縮プレート4’を駆動させ、圧縮を行うのが利便的である。
圧縮プレートの材質は特に限定されないが、ステンレス、アルミ等の金属(表面をポリフッ化エチレン、シリコーン等でコートしたものでもよい)、プラスチック、セラッミック等が挙げられる。
【0008】
圧縮速度は、通常の大きさの食パン、ロールパン等においては、例えば0.1 〜100 mm/sec であり、好ましくは0.1 〜50mm/sec である。圧縮速度が0.1 mm/sec 未満では生産性が悪く、100 mm/sec を越えると復元性が悪化する。又、できるだけ低速の方が表面の割れが少ない傾向があり、より好ましい圧縮速度は、0.1 〜10mm/sec である。
又、圧縮保持時間は特に制限されないが、圧縮から凍結までをできるだけ短時間とすることが復元性の点で好ましく、例えば30分以内、好ましくは10分以内、さらに好ましくは5分以内である。
【0009】
次に、圧縮後の多孔性含水小麦粉食品を、その形態を保持したまま凍結工程に回す。即ち、一対以上の圧縮プレートにて圧縮保持したままの多孔性含水小麦粉食品は搬送装置により凍結装置内へ搬送される。搬送装置6は、例えば水平方向に摺動自在な搬出板5にて押し出す手段とし、圧縮保持したままの多孔性含水小麦粉食品を凍結装置7に搬送するのが便利である。
凍結装置7は圧縮プレート4、4’で挟み込んだ多孔性含水小麦粉食品1を移送させながら凍結させる手段を備えた装置であり、一般にコンベヤやローラ等の移送手段8を有し、又、カバー9により閉鎖空間となるように構成されている。
【0010】
その冷凍手段は一般的に使用されている手段を適用することが可能であり、送風凍結法等の機械的冷却に加え、液体窒素、液体炭酸、ドライアイス等を利用することができ、対象となる多孔性含水小麦粉食品の凍結温度以下の温度設定を可能とする能力のものを適宜選択すればよく、多孔性含水小麦粉食品の凍結速度は特に限定されない。
又、圧縮プレート4、4’自体に温度調節機能を設け、凍結装置7内で凍結させることもできる。具体的には、圧縮プレート内に冷媒を流す方法、圧縮プレート内で冷媒を蒸発させる方法等が挙げられる。
尚、凍結装置7内には、温度の均一化を図るためにファンを設けたり、温度・湿度のセンサを設置することが好ましい。
凍結装置7を出た多孔性含水小麦粉食品は、凍結され形態保持が可能な状態で通常の冷凍庫に移送される。
【0011】
本発明においては、焼成もしくは半焼成後の多孔性含水小麦粉食品の嵩を減少させる工程(圧縮工程)の前または後あるいは同時に該食品を包装する工程を含むことができる。これにより、衛生面や取扱い作業の効率化が図られる。この包装の工程及び装置は、常法の技術・装置により行われ、包装材料としては、アルミニウムの蒸着フィルム、プラスチック、発泡スチロール等のパック状のもの、ポリエチレンやポリビニル等を用いた可撓性のものやフィルム状のものが挙げられる。
【0012】
以上、図1は、多孔性含水小麦粉食品の加工を連続的に行う場合を示したが、図2に示すように、圧縮装置に凍結装置の機能を兼備させ、圧縮後、多孔性含水小麦粉食品を搬送することなくそのまま凍結させるバッチ式とすることも可能である。具体的には、図2に示すように、断熱庫17内に、冷凍ユニット13、13と、一対の圧縮天板16、16、圧縮ユニット14、14および圧縮シャフト15、15を備えた圧縮装置を設置し、圧縮駆動ユニット12、12を駆動させ圧縮後に凍結させる(あるいは圧縮と同時に凍結させる)方式とすることも可能である。
【0013】
次に、図3に示す加工装置について説明する。
図3の加工装置は、焼成もしくは半焼成後の多孔性含水小麦粉食品を圧縮しながら搬送する、上下一対の圧縮ベルトを有する圧縮搬送装置と、圧縮搬送装置により圧縮保持したまま搬送されてきた多孔性含水小麦粉食品を移送させながら凍結する凍結装置とを組み合わせてなるものであり、図1の加工装置と異なり、圧縮を上下一対の圧縮ベルトにより行うものである。
即ち、上下一対の圧縮ベルト22、22' において、上部の圧縮ベルト22' は、所望の圧縮高さを得られるように勾配をつけて設置される。勾配は圧縮物の物性及び装置の設置スペースを考慮して決められるが、前述の通り、圧縮速度が0.1 〜100 mm/sec 、好ましくは0.1 〜50mm/sec で高さを減じることが出来る程度のベルトの走行および勾配にする必要がある。特に、このような勾配、即ち図中の圧縮部傾斜角度θは、パンの芯ずれをなくす意味から20゜以内にすることが好ましい。また、あまりに傾斜角度θが小さくなると、圧縮ベルトをかなり長くする必要が生じ実用的でなくなるため、一般的には5〜10゜が望ましい。
上下一対の圧縮ベルト22、22' は、同一の速度で走行する必要がある。速度が異なると、圧縮凍結後のワレ、シワ等の外観上の不都合及び復元性の低下が懸念される。
又、圧縮ベルトとしては、ステンレス製のスチールベルトやメッシュベルトが一般的であるが、フッ素樹脂、シリコーン等でコーティングしたものでもよい。
【0014】
圧縮搬送装置の圧縮部で圧縮された多孔性含水小麦粉食品1は、圧縮搬送装置の搬送部を経て、断熱カバー25に覆われた凍結装置(凍結冷媒)23に搬送される。ここで、圧縮搬送装置の搬送部および凍結装置内においては、少なくとも圧縮物の保型が完了するまで加重する必要がある。加重の方法としては、ベルト自体の張力、あるいはそれで足りない場合はスプリング24等の加重装置と支持板26(金属プレート)を併用し、加重することが考えられる。又、圧縮ベルトの裏側に加圧用ローラーを設け(図示せず)、その加圧を利用する加圧ローラー方式としてもよい。
その他、冷却条件等については、図1の装置において述べたことがそのままあるいは適宜改変して適用される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の多孔性含水小麦粉食品の加工装置の一例の概念図である。
【図2】 本発明の多孔性含水小麦粉食品の加工装置の別の例の概念図である。
【図3】 本発明の多孔性含水小麦粉食品の加工装置の更に例の概念図である。
【符号の説明】
1 多孔性含水小麦粉食品
2 コンベヤ
3 圧縮装置
4 圧縮プレート
4’ 圧縮プレート
5 搬出装置
6 搬出板
7 凍結装置
8 移送手段
9 カバー
Claims (3)
- 搬入された焼成もしくは半焼成後の多孔性含水小麦粉食品を0.1 〜 10mm / sec の速度で圧縮する手段を備えた圧縮装置部と、多孔性含水小麦粉食品を圧縮保持したまま凍結させる手段を備えた凍結装置部とを組み合わせてなる、多孔性含水小麦粉食品の加工装置を使用し、焼成もしくは半焼成後の多孔性含水小麦粉食品の嵩を圧縮により減少させた後、冷凍し、再加熱により嵩が復元する特徴を有する多孔性含水小麦粉食品の製造方法。
- 搬入された焼成もしくは半焼成後の多孔性含水小麦粉食品を0.1 〜 10mm / sec の速度で圧縮する手段を備えた圧縮装置部と、圧縮保持したたままの多孔性含水小麦粉食品を凍結装置部内へ搬送する手段を備えた搬送装置部と、搬送装置部により投入された圧縮保持したままの多孔性含水小麦粉食品を移送させながら凍結させる手段を備えた凍結装置部とを組み合わせてなる、多孔性含水小麦粉食品の加工装置を使用し、焼成もしくは半焼成後の多孔性含水小麦粉食品の嵩を圧縮により減少させた後、冷凍し、再加熱により嵩が復元する特徴を有する多孔性含水小麦粉食品の製造方法。
- 焼成もしくは半焼成後の多孔性含水小麦粉食品を0.1 〜 50mm / sec の速度で圧縮しながら搬送する手段を備えた、上下一対の圧縮ベルトを有する圧縮搬送装置部と、圧縮搬送装置により圧縮保持したまま搬送されてきた多孔性含水小麦粉食品を移送させながら凍結させる手段を備えた凍結装置部とを組み合わせてなる、多孔性含水小麦粉食品の加工装置を使用し、焼成もしくは半焼成後の多孔性含水小麦粉食品の嵩を圧縮により減少させた後、冷凍し、再加熱により嵩が復元する特徴を有する多孔性含水小麦粉食品の製造方法。
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