JP3662465B2 - 角型スパイラルアンテナ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は角型スパイラルアンテナに関し、特に、移動体無線通信や衛星通信などに用いられ、広帯域で円偏波に対応する角型スパイラルアンテナに関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
移動体通信や衛星放送やレーダなどの通信分野においては、偏波面の傾きに関わらず受信できるように円偏波の電波を使用している。これらの通信においては、送受信を同時に行なうために、複数の周波数を使用する必要があり、広帯域の電波が必要になる。したがって、使用するアンテナとしては、広い帯域にわたって円偏波を送受信できることが要求される。また、移動体搭載用アンテナとしては、小型,薄型に構成できるものが求められる。
【0003】
それゆえに、この発明の主たる目的は、良好な軸比を広い周波数帯域にわたって得ることができる小型,薄型の角型スパイラルアンテナを提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
この発明は円偏波に対応する角型スパイラルアンテナであって、方形状の誘電体と、誘電体の一方面に設けられる接地導体と、誘電体の他方面に設けられ、8個のマイクロストリップラインを結合してなる単線スパイラルと、接地導体側から挿入される同軸線とを備え、使用される周波数の実効波長をλaとしたときに、単線スパイラルのマイクロストリップラインの全長が1λa以内の長さであり、最外周長が1λa以上であって、2λa以下の長さに選ばれており、同軸線の芯線がマイクロストリップラインの一端に接続され、同軸線のアース線が接地導体に接続され、単線スパイラルの中心から該単線スパイラルの端部に向かって8個目のマイクロストリップラインの長さをxとしたとき、xが0.015λa≦x≦0.3λaの範囲の長さに選ばれていることを特徴とする。
【0005】
好ましくは、xが0.15λaの長さである。
【0006】
より好ましくは、角型スパイラルアンテナの使用周波数は5.8GHzであり、誘電体は縦横が16.5mm,高さが6.0mmの形状であって、その誘電率が4.4に選ばれていることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1はこの発明の一実施形態の角型スパイラルアンテナの概略図であり、図2は同じく側面図であり、図3は角型スパイラルアンテナのスパイラル状マイクロストリップラインの上面図である。
【0011】
図1において、角型スパイラルアンテナは、接地導体1と、誘電体層2と、角型スパイラル状マイクロストリップライン3とから構成されている。
【0012】
接地導体1としては、特に限定されるものではないが、導電性の高い銅などの導体が望ましい。誘電体層2としては、ガラスエポキシ樹脂,テフロン,アルミナなどの使用周波数領域での誘電損失が小さい誘電体材料が用いられる。この実施形態では、誘電体層2として、誘電率4.4のものが用いられ、外径寸法は縦横が16.5mm,高さが6.0mmの大きさに形成される。
【0013】
角型スパイラル状マイクロストリップライン3は、使用周波数領域での導体損が小さく、また加工しやすい導体材料が用いられる。この実施形態では、角型スパイラル状マイクロストリップライン3は、印刷法で形成され、そのライン幅は0.6mmに選ばれる。そして、角型スパイラル状マイクロストリップライン3は、8個の線路から構成される。角型スパイラル状マイクロストリップライン3には、接地導体1側から挿入された同軸線4の芯線が接続されて高周波信号が給電される。また、同軸線4のアース部は接地導体1に接続される。
【0014】
角型スパイラル状マイクロストリップライン3の全長Aは使用される周波数の実効波長をλaとしたとき、
A<λa
で規定され、使用される周波数の真空中での波長をλ0とし、ストリップラインに対する実効誘電率をεeffとしたとき、
λa=λ0/√εeff
で表わされる。
【0015】
ここでは、使用周波数として5.8GHzを採用している。このとき、実効波長λa=30mmであり、スパイラル状マイクロストリップライン3の全長はλa以内となっている。また、このときの角型スパイラル状マイクロストリップライン3を構成している8個のマイクロストリップラインにおいて、スパイラル中心からスパイラル端に向かって8個目のマイクロストリップラインの長さをxとする。
【0016】
図3において、破線Lは角型スパイラル状マイクロストリップライン3の最外周長を示している。このとき、Lは1λaを越え、2λa以内の長さとなっている。
【0017】
図4は図1に示した実施形態のマイクロストリップラインの長さxを変化させたときのアンテナ軸比を示したグラフである。この図4のグラフからわかるように、0.015λa≦x≦0.3λaの範囲でxの長さを変化させていくと、軸比3dB以下が実現できていることがわかる。グラフの結果から、最も良好な軸比を実現できるxの値はx=0.15λaであり、このときのアンテナ軸比は5.8GHzにおいて、0.41dBとなる。
【0018】
図5は、マイクロストリップラインの長さxを変化させたとき、軸比が3dB以下となる周波数帯域を示したグラフである。軸比3dB以下を良好な円偏波特性と定義すると、広い周波数帯域にわたって良好な円偏波特性の得られていることがわかる。
【0019】
図6はx=0.15λaのときの軸比と周波数の関係のグラフである。図6のグラフから、x=0.15λaのとき、軸比3dB以下となる周波数は5.58GHzから6.09GHzで、その帯域は508MHzである。
【0020】
さらに、図7は、x=0.15λaのときのアンテナの定在波比特性(VSWR)のグラフを示す。VSWR≦2となる周波数帯域をアンテナとして使用可能な帯域と定義すると、VSWR≦2となる周波数は5.11GHzから6.5GHz以上の範囲である。これは、円偏波となる周波数帯域を十分にカバーしており、5.58GHzから6.09GHzの周波数帯域で円偏波アンテナとして使用可能であることがわかる。
【0021】
また、図8は、x=0.15λaのアンテナのY−Z面放射パターンを示し、図9は同じくX−Z面放射パターンを示す。図8および図9では、アンテナ面をX−Y平面とし、アンテナ面の垂直方向をZ軸としている。これらの図8および図9は右旋偏波の放射パターンを示しており、この発明の一実施形態のアンテナは右旋偏波を実現できていることがわかる。利得を測定したところ、5.8GHzのとき5.8dBiであった。
【0022】
図10は、この発明の他の実施形態の角型スパイラルアンテナの概略図であり、図11は同じく接地導体側から見た図である。この実施形態では、アンテナ裏面の接地導体1の一部が切欠かれ、ここにコプレーナ線路5が設けられ、角型スパイラル状マイクロストリップライン3への給電をアンテナ側方から挿入された同軸線からコプレーナ線路5を介して行なっている。この実施形態においても、角型スパイラル状マイクロストリップラインを構成している8個のマイクロストリップラインにおいて、スパイラル中心から端に向かって8個目のマイクロストリップラインの長さをxとする。
【0023】
図12はこのマイクロストリップラインの長さxを変化させたときのアンテナ軸比を示したグラフである。この図12に示したグラフからわかるように、0.015λa≦x≦0.3λaの範囲でxの長さを変化させていくと、軸比3dB以下が実現できていることがわかる。このグラフの結果から、最も良好な軸比を実現できるxの値は、x=0.17λaであり、このときのアンテナ軸比は5.5GHzにおいて0.45dBである。
【0024】
図13はマイクロストリップラインの長さxを変化させたとき、軸比が3dB以下となる周波数帯域を示したグラフである。軸比3dB以下を良好な円偏波特性と定義すると、広い周波数帯域にわたって良好な円偏波特性の得られていることがわかる。
【0025】
図14はx=0.17λaのときの軸比と周波数の関係のグラフである。グラフからx=0.17λaのとき、軸比3dB以下となる周波数は5.29GHzから5.93GHzで、その帯域は640MHzである。
【0026】
図15はx=0.17λaのときのアンテナの定在波比特性(VSWR)のグラフを示す。VSWR≦2となる周波数帯域をアンテナとして使用可能な帯域とすると、VSWR≦2となる周波数は5.4GHzから6.5GHz以上の範囲にある。したがって、この実施形態によれば、5.4GHzから5.93GHzの帯域で円偏波アンテナとして使用可能であることがわかる。
【0027】
図16は、x=0.17λaのアンテナのY−Z面の放射パターンを示し、図17は同じくX−Z面の放射パターンを示す。図16および図17においては、アンテナ面をX−Y平面とし、アンテナ面の垂直方向をZ軸としている。また、図16および図17は右旋偏波の放射パターンを示しており、この実施形態のアンテナにおいても右旋偏波を実現できていることわかる。また、利得の測定を行なったところ、5.5GHzのとき4.6dBiであった。
【0028】
なお、上述の実施形態で説明した周波数はこの発明の角型スパイラルアンテナにおける使用周波数の一例であり、この周波数に限定されるものではない。
【0029】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0030】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、8個のマイクロストリップラインを結合してなる単線スパイラルにおいて、スパイラル中心からスパイラル端に向かって8個目のマイクロストリップライン長を変えることで、円偏波軸比,アンテナ周波数帯域などを制御することができる。これにより、良好な円偏波軸比を広い周波数帯域にわたって得ることができる。また、角型スパイラル状マイクロストリップラインの全長を1λa以内の長さであり、最外周長が1λa以上であって2λa以下の長さに選ぶことによって小型アンテナを実現できる。
【0031】
また、アンテナの接地導体側にコプレーナ線路を設けても、良好な円偏波特性を広い周波数帯域にわたって実現できる。また、このようなコプレーナ線路を設けることで、アンテナ面に対して垂直方向に給電を行なう同軸線路からの給電に比べ、アンテナ面の側方からの給電が可能なため、給電周りを含めたアンテナ全体の構造における高さを低くでき、薄型化を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施形態の角型スパイラルアンテナの概略図である。
【図2】 この発明の一実施形態の角型スパイラルアンテナの側面図である。
【図3】 角型スパイラルアンテナのスパイラル状マイクロストリップラインの上面図である。
【図4】 マイクロストリップラインの長さxを変化させたときのアンテナ軸比を示したグラフである。
【図5】 マイクロストリップラインの長さxを変化させたとき、軸比が3dB以下となる周波数帯域を示したグラフである。
【図6】 x=0.15λaのときの軸比と周波数の関係のグラフである。
【図7】 x=0.15λaのときのアンテナの定在波比特性のグラフを示す図である。
【図8】 x=0.15λaのアンテナのY−Z面放射パターンを示す図である。
【図9】 x=0.15λaのアンテナのX−Z面放射パターンを示す図である。
【図10】 この発明の他の実施形態の角型スパイラルアンテナの概略図である。
【図11】 この発明の他の実施形態の角型スパイラルアンテナを接地導体側から見た図である。
【図12】 この発明の他の実施形態の角型スパイラルアンテナの軸比とx長さの関係を示すグラフである。
【図13】 この発明の他の実施形態の角型スパイラルアンテナの円偏波特性が得られる周波数帯域を示すグラフである。
【図14】 この発明の他の実施形態の角型スパイラルアンテナの軸比と周波数の関係を示すグラフである。
【図15】 この発明の他の実施形態の角型スパイラルアンテナの定在波比特性を示すグラフである。
【図16】 この発明の他の実施形態の角型スパイラルアンテナのY−Z面放射パターンを示す図である。
【図17】 この発明の他の実施形態の角型スパイラルアンテナのX−Z放射パターンを示す図である。
【符号の説明】
1 接地導体、2 誘電体層、3 単線スパイラル、4 同軸線、5 コプレーナ線路。
Claims (3)
- 円偏波に対応する角型スパイラルアンテナであって、
方形状の誘電体、
前記誘電体の一方面に設けられる接地導体、
前記誘電体の他方面に設けられ、8個のマイクロストリップラインを結合してなる単線スパイラル、および
前記接地導体側から挿入される同軸線を備え、
使用される周波数の実効波長をλaとしたときに、前記単線スパイラルのマイクロストリップラインの全長が1λa以内の長さであり、最外周長が1λa以上であって、2λa以下の長さに選ばれており、
前記同軸線の芯線が前記マイクロストリップラインの一端に接続され、前記同軸線のアース線が前記接地導体に接続され、
前記単線スパイラルの中心から該単線スパイラルの端部に向かって8個目のマイクロストリップラインの長さをxとしたとき、xが0.015λa≦x≦0.3λaの範囲の長さに選ばれていることを特徴とする、角型スパイラルアンテナ。 - 前記xが0.15λaの長さである、請求項1に記載の角型スパイラルアンテナ。
- 前記角型スパイラルアンテナの使用周波数は5.8GHzであり、
前記誘電体は縦横が16.5mm,高さが6.0mmの形状であって、その誘電率が4.4に選ばれていることを特徴とする、請求項1または2に記載の角型スパイラルアンテナ。
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