JP3664603B2 - 刈取収穫機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、走行機体の前部側に昇降自在に設けられた刈取部と、未刈茎稈群の外周に沿う1つの作業行程の終端位置に達するに伴って、前記未刈茎稈群に接近する側に向けて前進旋回走行させ、次に、前記1つの作業行程と交差する次の作業行程の手前個所に後進旋回走行させる作業行程切換用の旋回走行を行わせるように、走行装置の作動を制御する旋回制御手段が設けられた刈取収穫機に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記刈取収穫機の一例であるコンバインでは、例えば特開昭62‐163117号公報に示されるように、地磁気方位センサ等の方位検出手段により、走行機体の方位を検出するとともに、走行駆動軸の回転パルスを積算する走行距離センサにより走行機体の走行距離を検出する構成として、上記方位検出手段の検出情報、及び、前記走行距離センサの距離検出情報等に基づいて、未刈茎稈群に接近する側に向けて前進旋回走行させ、次に、次の作業行程の手前個所に後進旋回走行させるように、予め設定された経路に沿って走行すべく旋回制御する構成のものがあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術では、地磁気方位センサや走行距離センサの検出情報に基づいて、設定経路に沿って走行するように旋回制御する構成であるから、未刈茎稈群に対する機体位置を的確に検出することができ難く、その結果、未刈茎稈群に対する前記作業行程切換え用の旋回走行を的確に行うことができないという不具合があった。因みに、上記従来技術において未刈茎稈群に対する機体位置が的確に検出でき難い原因としては、例えば走行装置と地面との間でスリップが発生した場合に、走行距離センサの検出値が実際の走行距離に対して誤差が生じることが挙げられる。
又、上記従来技術では、隣接する次の行程へ移動するときの旋回角度は、例えば矩形形状の未刈茎稈群では90度のように、未刈茎稈群の形状に基づいて予め設定しているので、実際に旋回走行させる箇所における未刈茎稈群の外周形状が、例えば上記90度に対して鈍角や鋭角になるように、少し異形形状であるような場合には、設定角度で旋回走行させると、走行機体が次の作業行程の手前箇所に適切に位置していないおそれもあった。
【0004】
そこで、上記したような不利を回避するために、前記未刈茎稈群の外周までの離間距離を検出する検出手段(例えば、超音波式センサ等)を走行機体の外周部に備えさせて、その検出手段の検出情報に基づいて未刈茎稈群の外周に対する走行機体の位置を検出するように構成することが考えられる。このとき、前記検出手段としては、未刈茎稈群の上端部よりも低い位置に設置するとともに前記未刈茎稈群に対する検出方向を水平方向に設定して、未刈茎稈群の外周までの水平方向での離間距離を検出するように構成することが考えられる。
しかし、この種の刈取作業機においては、収穫作業に伴って湿田を走行する場合も多く、このとき、泥土が周囲に飛散することもある。そこで、上記したように低い位置に検出手段が設けられると、泥土が飛散して検出手段に付着して適切な検出作動が継続できなくなるおそれがある。
【0005】
本発明はかかる点に着目してなされたものであり、その目的は、距離検出を長期にわたり良好に行える状態で、未刈茎稈群の外周に対する機体位置を距離情報によって的確に検出して、上記したような作業行程切換え用の旋回走行を適切に行うことが可能となる刈取収穫機を提供する点にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の特徴構成によれば、前記未刈茎稈群の外周までの距離を検出して、その検出距離の情報に基づいて前記未刈茎稈の外周に対する走行機体の位置を検出する位置検出手段が設けられ、前記旋回制御手段は、前記位置検出手段の検出情報に基づいて前記旋回制御を実行するように構成され、前記位置検出手段は、前記未刈茎稈群の外周に対する距離検出方向が斜め下方に向う設定角度になる状態で且つ距離検出方向を機体横側方に向ける状態で、走行機体横側方で且つ前記刈取部が位置する走行機体前部側に位置するように走行機体固定部から延設されたステーに取り付け支持されて、検出対象物までの離間距離を検出する非接触式の距離検出手段と、前記距離検出手段により検出される検出距離情報に基づいて、前記未刈茎稈群の外周に対する走行機体の位置を判別する位置判別手段とを備えて構成され、前記位置判別手段は、前記未刈茎稈群の外周に対する走行機体の位置として、前記未刈茎稈群に接近する側に向けて前進旋回させる前進旋回走行の停止位置を判別するように構成されている。
【0007】
つまり、非接触式の距離検出手段により未刈茎稈群の外周までの距離を検出して、その検出距離の情報に基づいて未刈茎稈の外周に対する走行機体の位置を判別して、その情報に基づいて、未刈茎稈群に接近する側に向けて前進走行させ、次に、1つの作業行程と交差する次の作業行程の手前個所に後進走行させるように走行装置の作動を制御するのである。
【0008】
その結果、未刈茎稈群の外周までの検出距離に基づいて未刈茎稈群の外周に対する走行機体の位置を直接検出しながら、交差状態で隣接する作業行程間で旋回走行させるので、例えば走行装置と地面との間でスリップが生じる等しても、未刈茎稈群の外周に対する機体位置を的確に検出しながら前記作業行程切換え用の旋回走行を的確に行うことができ、未刈茎稈群の外周形状が少し異形形状であるような場合であっても、適切な旋回走行を行わせるようにすることができる。
【0009】
そして、前記距離検出手段は、未刈茎稈群の外周に対する距離検出方向が斜め下方に向う設定角度になる状態で走行機体に備えられて、検出対象物までの離間距離を非接触状態で検出する。つまり、距離検出手段は、未刈茎稈群の外周に対する距離検出方向が斜め下方に向うように、例えば、未刈茎稈群よりも上方側の高い位置から斜め下方に向うように距離を検出するように設けることもできる。
従って、未刈茎稈群の外周に対する機体位置を距離情報によって的確に検出して、上記したような作業行程切換え用の旋回走行を適切に行うことが可能なものでありながら、距離検出手段を、その距離検出方向が斜め下方に向う状態で、例えば上方側の高い位置から距離を検出するように設けることによって、泥土等が飛散して検出作動を阻害される虞が少なく、距離検出作動を長期にわたり良好に行えるようにすることが可能となる。
又、上記した前進走行行程において、1つの作業行程の刈取作業が終了して終端位置に達するに伴って未刈茎稈群に接近する側に向けて旋回走行させる場合、例えば、走行途中で走行装置のスリップ等が発生しても、距離検出情報に基づいて、旋回走行を停止すべき目標旋回位置に達したか否かを的確に検出することができ、作業行程切換用の旋回走行を適正に行うことができる。
【0010】
請求項2に記載の特徴構成によれば、請求項1において、前記距離検出手段の距離検出方向を変更調節自在な角度調節手段が設けられている。
【0011】
前記距離検出方向が走行機体に対して固定されるようにすると、常に、走行機体から一定距離離間した個所を検出対象とするだけであり、作業状況に応じて走行機体からの離間距離が異なる個所を検出対象個所として設定することができないものとなるが、上記したように、角度調節手段が設けられることによって、そのときの作業状況等に応じて前記相対角度を適切な状態に変更調節することができ、未刈茎稈群の外周に対する機体位置をより的確に検出することが可能となる。
【0012】
請求項3に記載の特徴構成によれば、請求項2において、前記走行機体の水平基準姿勢に対する傾斜角度を検出する傾斜角検出手段が設けられ、前記傾斜角検出手段の検出情報に基づいて、前記距離検出手段の前記距離検出方向と鉛直方向との間の相対角度が設定値に維持されるように、前記角度調節手段の作動を制御する角度補正手段が設けられている。
【0013】
つまり、角度調節手段は、傾斜角検出手段の検出情報に基づいて、距離検出手段の検出方向が常に鉛直方向との間の相対角度が設定値に維持されるように変更調節されるので、例えば、圃場の凹凸等に起因して走行機体が傾斜姿勢になっても、前記相対角度が設定値になるように補正することによって距離検出手段の距離検出方向が一定の方向に向くことになり、未刈茎稈群の外周に対する機体位置をより的確に検出することが可能となる。
【0014】
請求項4に記載の特徴構成によれば、請求項1〜3のいずれかにおいて、前記距離検出手段は、前記検出方向に向けて超音波を発信してから検出対象物にて反射した超音波が受信されるまでの時間に基づいて、前記検出対象物までの離間距離を検出する超音波センサにて構成されている。
【0015】
前記距離検出手段として、例えば光学式のセンサを用いる場合には、刈取作業走行に伴って発生する細かな藁屑や粉塵等の塵埃が検出光の投受光部に付着して適切に距離検出できなくなるおそれがある等の不利があるのに比べて、上記構成のよれば、塵埃等の影響を受けることなく適切に距離検出できるようにしながら、超音波の発信部と受信部とを備えた極力簡素な構成にて距離検出手段を構成できることになる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る刈取収穫機の一例としてのコンバインについて図面に基づいて説明する。
図1に示すように、コンバインには、左右一対のクローラ走行装置1R,1L、脱穀装置2、操縦部4等を備えた走行機体9の前部側に、走行に伴って圃場の植立穀稈Tを刈り取る刈取部3が、刈取昇降用の油圧シリンダ23によって昇降自在な状態で設けられている。
【0019】
刈取部3は、倒伏している穀稈を引き起こす引き起こし装置5、引き起こされた植立穀稈の株元を切断する刈刃6、刈取穀稈を横倒れ姿勢に変更しながら機体後部側の脱穀用のフィードチェーン8に向けて搬送する搬送装置7等を備えている。上記引き起こし装置5の下部後方側個所に、刈取部3の対地高さを検出する超音波式の刈高センサS5が設けられ、搬送装置7の搬送始端側箇所に、刈取穀稈の株元が接当するとON作動し、刈取穀稈の株元が接当しない状態ではOFF作動する株元センサS0が設けられている。つまり、この株元センサS0の検出情報に基づいて刈取作業状態であるか否かが判別される。
【0020】
次に、図2に基づいてコンバインの動力伝達系、及び、制御構成について説明する。
エンジンEの動力が油圧式の無段変速装置10に伝動され、この変速装置10の変速後の出力が、ミッションケース11を介してクローラ走行装置1R,1Lに伝達されている。ミッションケース11には、上記変速装置10の変速後の出力を前進又は後進状態に切り換えるための前後進切換機構(図示しない)と、上記変速後の出力を左右クローラ走行装置1L,1Rに各別に断続して伝えると共に各クローラ走行装置1L,1Rを各別に制動作動させるための左右一対の操向クラッチブレーキ17L,17Rとが設けられている。そして、左側の操向クラッチブレーキ17Lを切り操作又は制動操作すると機体は左旋回し、右側の操向クラッチブレーキ17Rを切り操作又は制動操作すると機体は右旋回するように構成されている。
【0021】
上記無段変速装置10は、変速操作用の電動モータ13によって変速操作されるとともに、操縦部4に設けた変速レバー12に連動連結され、且つ、この変速レバー12による人為的な変速操作を電動モータ13による変速操作に優先させるようにするために、変速レバー12と変速装置10との連係経路中に、電動モータ13が摩擦式の伝動機構14を介して連係されている。
又、前記刈取昇降シリンダ23に対する圧油の供給を制御して刈取部3を昇降操作するための電磁弁25と、前記左右の各操向クラッチブレーキ17L,17Rに対する圧油の供給を制御して各クラッチを入り切り及び制動操作するための操向用の電磁弁19とが設けられている。
【0022】
又、エンジンEと脱穀装置2及び刈取部3とがベルトテンション式の脱穀クラッチ33及び刈取クラッチ34を介して夫々連動連結されている。そして、脱穀クラッチ33及び刈取クラッチ34を夫々人為的に入り切り操作する脱穀クラッチレバー32及び刈取クラッチレバー31が操縦部4に設けられ、それらの入り操作に伴ってオン作動する脱穀スイッチSW2及び刈取スイッチSW1が設けられている。エンジンEの回転数を検出する回転数検出センサS1と、ミッションケース11の入力軸に伝動される変速装置10の出力回転数に比例するパルスを計数して、走行距離や車速を検出するためのロータリーエンコーダS2とが設けられている。尚、エンジンEの出力は、エンジン始動後、図示しないアクセルレバー等によって上昇操作されて、作業用の回転数にセットされる。
前記エンジン回転数や車速等の検出情報を用いて、刈取作業中においてエンジンEの無負荷回転数との差によってエンジン負荷を検出するとともに、機体操縦部4に備えられた上限車速設定器22によって設定される上限車速を越えない範囲で、エンジン負荷が設定負荷に維持されるように車速(具体的には、変速用電動モータ13の作動状態)を自動調節する車速制御を実行する構成となっている。
【0023】
又、前記刈取部3の引き起こし装置5の下部側には、走行に伴って刈取部3に導入される植立穀稈に接当して機体後方側に揺動する検出バーを備えて、その検出バーの揺動状態に基づいて植立穀稈の機体横方向での位置を検出する接触式の方向センサS4が設けられている。尚、この方向センサS4の検出情報は、前記未刈茎稈群Mの外周に沿って刈取走行するときに、走行機体9を操向制御する際の制御情報として使用される。
【0024】
図1、図2、図4に示すように、走行機体9の前部側の既刈り側(機体右側)箇所に、機体前方に位置する植立穀稈Tまでの距離Lを検出する一対の超音波センサS3a1,S3a2が検出方向を機体前方に向ける状態で左右方向に並んで設けられている。又、走行機体9の未刈り側(機体左側)の横側部には、機体横側方に位置する植立穀稈Tまでの距離Lを検出する一対の超音波センサS3b,S3cが、検出方向を機体横側方に向ける状態で機体前後方向に設定間隔を隔てて設けられている。
前記各超音波センサS3a1,S3a2,S3b,S3cは、夫々、機体外方側に向けて超音波を発信する発信器と、検出対象物にて反射された超音波を受信する受信器とを備えて、超音波を発信してから受信するまでの時間に基づいて、検出対象物(植立穀稈Tや地面)までの距離を検出するように構成されている。尚、機体前部に位置する超音波センサS3a1,S3a2及び機体横側方の前部側に位置する超音波センサS3bは、植立穀稈Tよりも上方に位置して、検出方向が機体外方側で且つ斜め下方に向かう状態で超音波を発信して距離を計測するように構成され、機体横側方の後部側に位置する超音波センサS3cは機体横側部の低い位置に設けられている。
具体的には、機体前部に位置する超音波センサS3a1,S3a2は機体の操縦筒45に備えられ、機体横側方の前部側に位置する超音波センサS3bは機体固定部から延設されたステー46に取り付け支持されている。
【0025】
前記機体横側方の前部側に位置する超音波センサS3bは、図9に示すように、機体前後方向に沿う水平軸芯X周りで上下揺動自在に前記ステー46に支持されるとともに、角度調節機構47(角度調節手段)によって超音波の発信方向(距離検出方向)を上下方向に沿って変更調節自在に構成されている。尚、詳述はしないが角度調節機構47は、電動モータとギア式操作機構等からなる。このように超音波センサS3bは、前記検出方向と前記走行機体との間の上下方向に沿う相対角度を変更調節自在に構成されている。そして、前記超音波センサS3bの実際の上下揺動調節位置(前記距離検出方向と走行機体との間の上下方向に沿う相対角度情報に相当する)は、角度検出センサS6にて検出される構成となっている。
又、走行機体9の水平基準面に対する左右傾斜角度を検出する傾斜角センサS7が設けられ、走行機体9の左右傾斜に拘わらず前記超音波センサS3bによる超音波の発信方向(距離検出方向)が常に一定の方向になるように前記角度調節機構47が制御されるようになっている。
【0026】
図2に示すように、マイクロコンピュータ利用の制御装置16が設けられ、この制御装置16に、株元センサS0、回転数検出センサS1、ロータリーエンコーダS2、方向センサS4、刈高センサS5、各超音波センサS3a1,S3a2,S3b,S3c、角度検出センサS6、傾斜角センサS7、脱穀スイッチSW2及び刈取スイッチSW1、上限車速設定器22の各検出情報が入力されている。一方、制御装置16からは、前記変速操作用の電動モータ13、角度調節機構47、刈取昇降用の電磁弁25及び操向用の電磁弁19に対する各駆動信号が出力されている。
【0027】
コンバインは、図3に示すように、矩形状の未刈茎稈群Mに対して、いわゆる回り刈り形式で、未刈茎稈群Mの外周の各辺M1〜M4に沿う各作業行程を順次刈取走行し、各作業行程の終端位置に達すると、隣接する次の作業行程に移動するように走行制御される。つまり、前記制御装置16を利用して、未刈茎稈群Mの外周に沿う1つの作業行程の終端位置に達するに伴って、未刈茎稈群Mに接近する側に向けて前進旋回走行させ、次に、前記1つの作業行程と交差する次の作業行程の手前箇所に後進旋回走行させる作業行程切換用の旋回走行を行わせるように、前記クローラ走行装置1の作動を制御する旋回制御手段100が構成されている。
【0028】
前記制御装置16は、前記超音波センサS3bにより検出される検出距離情報、並びに、その前記超音波センサS3bの検出方向と走行機体との間の上下方向に沿う相対角度情報に基づいて、未刈茎稈群の外周に対する走行機体の位置を判別するように構成され、その判別結果に基づいて、旋回走行すべくクローラ走行装置1R,1Lの作動を制御する構成となっている。従って、制御装置16を利用して位置判別手段101が構成されている。
【0029】
前記制御装置16は、走行機体が前記水平基準姿勢にあり且つ前記相対角度が設定値にあるときを基準状態として設定し、且つ、傾斜角センサS7の検出情報に基づいて、前記超音波センサS3bによる超音波の発信方向(距離検出方向)が常に一定の方向になるように前記角度調節機構47の作動を制御するようになっている。従って、制御装置16を利用して角度補正手段102が構成されている。
【0030】
以下、この制御装置16による走行制御について、図6〜図8のフローチャートに従って具体的に説明する。
図6に示すように、未刈茎稈群Mの外周に沿う1つの作業行程の始端位置から走行を開始すると、前記方向センサS4の検出情報に基づいて走行機体9を作業行程に沿って刈取走行させる操向制御と、前記刈高センサS5の検出情報に基づいて刈取部3の対地高さを適正高さに維持する刈高制御と、上限車速を越えない範囲でエンジン負荷が目標負荷に維持されるように車速を制御する車速制御とを、株元センサS0がオフして作業行程の終端位置に達したことが判別されるまで実行する。作業行程の終端位置に達したことが判別されると、未刈茎稈群Mに対する刈取作業が終了したか否かを判断して、作業終了でなければ、隣接する次の作業行程に移動させるための旋回制御を実行する。一方、作業終了であれば、走行を停止して制御を終える。
【0031】
旋回制御では、図7、図8に示すように制御が実行される。つまり、刈取部3を上昇させるとともに、図4(イ)に示すように、先ず直進状態で旋回走行開始位置まで前進走行させる。ここで、走行機体9が上記旋回走行開始位置に達したことは、図5に示すように、機体左前側の超音波センサS3bの距離検出信号bが先に距離小から距離大に変化した後、さらに機体が前進走行して、機体左後側の超音波センサS3cの距離検出信号cが距離小から距離大に変化したことによって判別する。
【0032】
旋回走行開始位置に達すると、図4(ロ)に示すように、左側のクローラ走行装置1Lをブレーキ作動させて、機体前部側が未刈茎稈群Mに接近するように走行機体9を左旋回走行させるとともに、その旋回走行中において機体左前部側の超音波センサS3bの検出距離情報に基づいて、走行機体9が未刈茎稈群Mに対して位置する角度(例えば次の辺に対してなす角度θ)を判断して(この動作が位置判別処理に対応する)、その角度が設定角度(例えば45度)になるに伴って前進の左旋回走行を停止させ、左側のクローラ走行装置1Lのブレーキ作動を解除する。
上記左旋回走行を実行するとき、走行機体の左右傾斜に拘わらず前記超音波センサS3bの超音波発信方向(距離検出方向)が常に適正な方向に向くように、角度調節機構47の作動を制御する角度補正制御を実行する。つまり、走行機体9が水平基準姿勢にあるときに前記角度θが前記設定角度(例えば45度)に対応する旋回位置にて、超音波センサS3bが未刈茎稈群Mの外周の存在を検出する検出方向となる姿勢(図9(イ)、(ロ)参照)が角度調節機構47における基準姿勢として予め設定されている。そして、機体が左右傾斜してもその検出方向が維持されるように、傾斜角センサS7の検出情報に基づいて角度調節機構47の作動を制御するのである(図9(ハ)参照)。
【0033】
そして、超音波センサS3bが前記所定検出方向での距離検出を実行しながら旋回走行が行われ、超音波センサS3bによる検出距離が設定値より短くなり、未刈茎稈群Mの外周の存在を検出すると(図9(イ)参照)、そこで上記左旋回走行を停止することになる。
【0034】
次に、図4(ハ)に示すように、上記旋回走行の停止位置から、直進状態で旋回走行開始位置まで後進走行させる。ここで、走行機体9が旋回走行開始位置に達したことは、図5に示すように、機体左前側の超音波センサS3bの距離検出信号bが極小値を過ぎて増加に転じたことによって判別される。
【0035】
このとき、前記角度調節機構47における基準姿勢として、図9(ニ)に示すように、上記左旋回走行を実行するとき(角度α1)よりも下向き(角度α2)に変更させて上記補正制御を実行することで、走行機体が未刈茎稈群Mの外周(角部)の近くを通過する場合であっても未刈茎稈群Mの外周までの距離を有効に検出することができる。
【0036】
旋回走行開始位置に達すると、図4(ハ)〜(ニ)に示すように、右側の操向クラッチブレーキ17Rを切り操作して、走行機体9を緩旋回状態で後進左旋回走行させる。そして、走行機体9が隣接する次の作業行程の手前箇所に位置するに伴って、後進左旋回走行を停止させる。ここで、走行機体9が次の作業行程の手前箇所に位置したことは、機体前部側の超音波センサS3aの距離検出信号aが距離大の状態から、機体前方側の植立穀稈Tを検出する状態に変化したことによって判断される。この機体前部側の超音波センサS3a1,S3a2も機体左前側の超音波センサS3bと同様に、下向きで走行機体に対する相対角度が一定の検出方向に向けて超音波を発信するように構成され、検出対象物までの検出距離により茎稈の存否を判断するようになっている。
次に、次の作業行程の手前箇所から、機体前部側における左右一対の超音波センサS3a1,S3a2のうち左側に位置する超音波センサS3a1の距離検出信号aが機体前方側の植立穀稈Tを検出する状態を維持し、他方側の超音波センサS3a2の距離検出信号aが距離大を検出する状態を維持するように操向用の電磁弁19を制御しながら直進前進走行させて、刈取部3を下降させた後に次の作業行程での刈取作業を開始させる。刈取作業が開始されて株元センサS0がオンするに伴って、前記操向制御、刈高制御及び車速制御を実行する状態に移行する。
【0037】
この実施形態では、前記位置判別手段101にて判別される未刈茎稈群Mの外周に対する走行機体9の位置として、具体的には、前進左旋回走行の停止位置(図4(ロ))を用いている。従って、機体左前側の超音波センサS3bにより距離検出手段が構成される。そして、この距離検出手段と前記位置判別手段101により、未刈茎稈群の外周までの距離を検出して、その検出距離の情報に基づいて前記未刈茎稈の外周に対する走行機体の位置を検出する位置検出手段が構成されることになる。
【0038】
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態では、走行機体の傾斜角センサS7が設けられ、その検出情報に基づいて、距離検出手段(超音波センサS3b)の前記検出方向が基準状態における検出方向になるように前記角度調節機構47の作動を制御する構成としたが、このような構成に限らず、前記角度調節機構47を手動で調節する構成としてもよく、あるいは、このような構成に代えて、走行機体の傾斜姿勢そのものを基準姿勢になるように復帰させる姿勢変更手段を備える構成としてもよい。
又、上記実施形態では、距離検出手段(超音波センサS3b)の前記検出方向が走行機体に対して位置固定状態で距離検出作動を行うようにしたが、例えば、機体走行に伴って例えば上下方向や左右方向に所定範囲で走査させながら距離を計測するようにしてもよい。
【0039】
(2)上記実施形態では、機体左前側の超音波センサS3bに対してのみ、距離検出方向と走行機体との間の上下方向に沿う相対角度を変更調節自在な角度調節手段が設けられる構成としたが、その他のセンサ(例えば、機体前部側のセンサS3a等)に対しても、機体の前後傾斜に対する角度調節手段を設ける構成としてもよく、又、このような角度調節手段を設けることなく、検出方向と走行機体との相対角度が常に一定になるように構成するものでもよい。
【0040】
(3)上記実施形態では、機体左後側の超音波センサS3cは、一つの作業行程が終了してから旋回走行開始位置の検出するために茎稈群の存否を確実に検出するために低い位置に設けられる構成としたが、このような構成に代えて、このセンサについても、 例えば、図10に示すように、機体左前側の超音波センサS3bと同様に高い位置に設置して角度変更可能に構成する等、種々の形態で実施してもよい。
【0041】
(4)上記実施形態では、機体左前側の超音波センサS3bの検出情報だけで、前進左旋回走行の停止位置(図4(ロ))を検出する構成としたが、このような構成に代えて、図11に示すように、前進左旋回走行の停止位置を判別するときに、機体左前側の超音波センサS3bの検出情報Lbと、機体左後側の超音波センサS3cの検出情報Lcとを用いて、それらの間の離間距離が予め判別しているので、それらの検出情報に基づいて、未刈茎稈に対する走行機体の正確な位置を判別するようにしてもよい。
【0042】
(5)上記実施形態では、前記旋回制御手段100が、前記位置判別手段101の判別情報に基づいて走行装置の作動を制御するときに、走行機体9の位置として、前進左旋回走行の停止位置(図4(ロ))を用いたが、これ以外の機体位置、例えば、上記各旋回走行の開始位置と停止位置との中間において検出される機体位置情報に基づいて、旋回制御の内容を修正する等してもよい。又は、前記各開始位置のうちのいずれか1つ、あるいは2つ以上の位置のみを検出する構成としてもよい。
【0043】
(6)上記実施形態では、未刈茎稈群Mの外周までの距離を検出する距離検出手段として、走行機体9に、超音波式の距離検出手段を設けたが、これ以外に、例えば、検出光を植立茎稈Tに対して投受光する光式の距離検出手段等を用いてもよい。
【0044】
(7)上記実施形態では、各走行装置1L,1Rを各別に制動作動させるための左右一対の操向クラッチブレーキを設ける構成としたが、このような構成に限らず、左右一対の油圧式無段変速装置を備えて左右各別に無段変速可能な構成としたり、遊星ギア式の変速機構とする等、各種の駆動形態で実施してもよい。
【0045】
(8)上記実施形態では、刈取収穫機をコンバインにて構成したが、コンバイン以外に、例えば、イグサ用の刈取収穫機等でもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】コンバインの側面図
【図2】コンバインの制御構成のブロック図
【図3】コンバインによる刈取走行の経路を示す平面図
【図4】未刈茎稈群の作業行程端部における旋回走行を示す平面図
【図5】距離検出信号の時間変化を示すタイムチャート
【図6】制御作動を示すフローチャート
【図7】制御作動を示すフローチャート
【図8】制御作動を示すフローチャート
【図9】距離検出状態を示す背面図
【図10】別実施形態のコンバインの側面図
【図11】別実施形態の距離検出作動を示す平面図
【符号の説明】
1L,1R 走行装置
9 走行機体
47 角度調節手段
100 旋回制御手段
101 位置判別手段
102 角度補正手段
S3b 距離検出手段

Claims (4)

  1. 走行機体の前部側に昇降自在に設けられた刈取部と、未刈茎稈群の外周に沿う1つの作業行程の終端位置に達するに伴って、前記未刈茎稈群に接近する側に向けて前進旋回走行させ、次に、前記1つの作業行程と交差する次の作業行程の手前個所に後進旋回走行させる作業行程切換用の旋回走行を行わせるように、走行装置の作動を制御する旋回制御手段が設けられた刈取収穫機であって、
    前記未刈茎稈群の外周までの距離を検出して、その検出距離の情報に基づいて前記未刈茎稈の外周に対する走行機体の位置を検出する位置検出手段が設けられ、前記旋回制御手段は、前記位置検出手段の検出情報に基づいて前記旋回制御を実行するように構成され、
    前記位置検出手段は、
    前記未刈茎稈群の外周に対する距離検出方向が斜め下方に向う設定角度になる状態で且つ距離検出方向を機体横側方に向ける状態で、走行機体横側方で且つ前記刈取部が位置する走行機体前部側に位置するように走行機体固定部から延設されたステーに取り付け支持されて、検出対象物までの離間距離を検出する非接触式の距離検出手段と、
    前記距離検出手段により検出される検出距離情報に基づいて、前記未刈茎稈群の外周に対する走行機体の位置を判別する位置判別手段とを備えて構成され、
    前記位置判別手段は、前記未刈茎稈群の外周に対する走行機体の位置として、前記未刈茎稈群に接近する側に向けて前進旋回させる前進旋回走行の停止位置を判別するように構成されている刈取収穫機。
  2. 前記距離検出手段の前記距離検出方向を変更調節自在な角度調節手段が設けられている請求項1記載の刈取収穫機。
  3. 前記走行機体の水平基準姿勢に対する傾斜角度を検出する傾斜角検出手段が設けられ、
    前記傾斜角検出手段の検出情報に基づいて、前記距離検出手段の前記距離検出方向と鉛直方向との間の相対角度が設定値に維持されるように、前記角度調節手段の作動を制御する角度補正手段が設けられている請求項2記載の刈取収穫機。
  4. 前記距離検出手段は、前記検出方向に向けて超音波を発信してから検出対象物にて反射した超音波が受信されるまでの時間に基づいて、前記検出対象物までの離間距離を検出する超音波センサにて構成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の刈取収穫機。
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