JP3665014B2 - 分光蛍光光度計 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、分光蛍光光度計に係わり、特に、溶液中の微量物質の蛍光を測定するのに好適な分光蛍光光度計に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来技術における、分光蛍光光度計は、主に励起光を発生させる光源と、分光器と、測定対象の試料を収容する試料セルと、試料が発する蛍光を検出するための分光器と、光学検出器とから構成されている。
【0003】
分光蛍光光度計においては、光源より発生した光を励起側分光器にて所定の波長を持つ単色光とし、この単色光を励起光として試料セルに収容された試料に照射する。
【0004】
そして、蛍光側分光器にて試料セルからの放出光、つまり試料の放出光から蛍光成分を取り出し、光電検出器でその蛍光を検出することにより、試料に含まれた成分の遷移状況を検知し、その強度から試料内成分の定量分析を行うというものである。
【0005】
試料より発せられた蛍光は指向性がないため、これを蛍光側分光器に効率良く導入するには、蛍光を集光する必要がある。
【0006】
また、励起光も励起側分光器から取り出された際には一般に拡散光となっているため、試料に効率良く照射するためには、励起光も集光する必要がある。
【0007】
このため、従来技術においては、図9に示すように試料セルと蛍光側分光器および励起側分光器の間にそれぞれ集光用のレンズを置くことが一般的である。
【0008】
すなわち、図9において、光源12からの光は、スリット13を介して励起側回析格子14に照射される。そして、この励起側回析格子14から反射された光がスリット13を介して凸レンズレンズ15に照射され、集光されて、フローセル(試料セル)11内の試料に照射される。
【0009】
上記試料からは、指向性無く、反射光が発せられるが、この発せられた光の一部分が集光レンズ15により集光され、必要な波長の光のみを選出するため、スリット13を介して、蛍光側回析格子16に照射され、反射された後、スリット13を介して光検知器17に照射される。
【0010】
このように、試料セル11と蛍光側分光器14および試料セル11と励起側分光器16との間に、それぞれ集光用のレンズ15が配置され、照射光や反射光の有効利用が図られている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術は、蛍光および励起光を集光するのにレンズを用いているため、以下のような問題点を有していた。
【0012】
第1に、レンズ自体が合成石英ガラス等の高価な材料を用いて製作する必要があるために非常に高価であり、分光蛍光光度計の価格低減化の阻害要件となっている点である。
【0013】
第2に、各レンズの焦点を試料セル中心とそれぞれの分光器のスリット中心に正確に合わせる必要があり、装置の組立の際に精密な調整作業が発生するため、製造コストの上昇の原因となる他、調整作業後、温度変化により、位置誤差が生じる可能性があった。
【0014】
第3に、レンズには波長に対する屈折率の違いに起因する色収差が避けられないため、光の波長によっては集光効率が不十分となる可能性がある。
【0015】
以上のような問題点より、従来技術の中にはレンズ集光系を排した分光蛍光光度計に関する技術も存在する。
【0016】
例えば、特開平6−273333号記載の技術は、試料セルに蛍光側分光器の入射スリットを作りこむことにより、集光系を省略したにも関わらず十分な見込み角(試料からの放射光のうち、検出器側に照射可能な光の放射角度)を確保した例である。
【0017】
しかし、この公報記載の技術にあっては、見込み角が試料セルの寸法によって決められてしまうため、今後、見込み角の大幅な拡大は困難であり、放射光の有効利用の向上が困難であった。
【0018】
また、上記公報記載の技術は、励起側分光器の出射スリットも試料セルに作りこみ、かつ、分散素子に凹面回折格子を用いることにより、励起側のレンズ集光系を廃することも可能としているが、見込み角を極端に広くとると、凹面回折格子の球面鏡としての収差やデフォーカスによる像のぼけ等が無視できなくなるため、こちらも見込み角を拡大するのに限度がある。
【0019】
また、一方で、従来、試料セルの端面を鏡面とすることで、蛍光側分光器に導入される蛍光を増やす手法も広く用いられている。
【0020】
具体的には試料セルの蛍光取り出し面と正対する端面を裏面鏡とすることにより、従来に無駄に捨てていた採光窓と反対方向の蛍光を蛍光側分光器に導入可能としている。
【0021】
しかし、これは試料セルに平面鏡を形成するものであり、そのため蛍光側分光器に導入可能となる光は採光窓と正反対の方向の成分に限られており、それほど大きな光量増加は期待できない。
【0022】
これに対して、凹面鏡を用いる例が、分光蛍光光度計ではなく光散乱式粒子検出装置であるが、特開平4−369464号公報に記載されている。この公報に記載された技術においては、光源からの光がフローセル中の流路に照射され、この流路で散乱された光の一部が、流路を間にして光検出器とは反対側に配置された凹面鏡で、反射されて流路に収束される。
【0023】
そして、凹面鏡により反射され流路に収束された光は、流路から散乱された他の散乱光と共に、光検出器に向かって拡散するが、集光レンズを介することにより、光検出器に集光されるように構成されている。
【0024】
そこで、上記公報記載の技術を、分光蛍光光度計に適用することが考えられる。つまり、凹面鏡により反射された光と、流路から散乱された他の散乱光を、集光レンズに代えて、回析格子に照射し、この回析格子から反射した光を検知器に集光させることが考えられる。
【0025】
しかしながら、分光蛍光光度計の場合には、粒子検出装置とは異なり、流路から散乱された光のうち、必要な波長の光のみを選択するためのスリットを、流路と回析格子との間に配置する必要がある。
【0026】
このため、上記公報記載の技術を分光蛍光光度計に適用する場合には、回析格子と流路との間にスリットを配置しなければならないため、このスリットに散乱光を通過させるための集光レンズを流路とスリットとの間に配置する必要がある。
【0027】
したがって、依然として、流路に光を照射するための集光レンズと、流路からの散乱光をスリットに通過させるための集光レンズとが必要となってしまう。
【0028】
本発明の目的は、必要な集光レンズの数を減少し、高感度化要求に対応可能な見込み角を確保でき、低コスト化及び高感度化が同時に可能な蛍光分光光度計を実現することである。
【0029】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、次のように構成される。
(1)測定用試料が流れる流路が形成された試料セルと、この試料セルに照射するための励起光を発生する光源部と、この光源部からの励起光を分光する励起光側分光器と、この励起光側分光器からの光が照射された上記試料から発生する蛍光を分光する蛍光側分光器と、この蛍光側分光器からの光を検出する光学検知器とを有する分光蛍光光度計において、上記試料セルは、この試料セルの第1の側面に、上記流路からの発光を上記蛍光側分光器に出射するための蛍光側入射スリットとして機能する膜が形成され、上記入射スリットが形成された第1の側面に対向する第2の側面は、上記流路からの発光が反射した際に、上記入射スリットの中心に集光するような形状に形成され、上記第2の側面に上記セル側が鏡となる膜が形成される。
【0030】
(2)好ましくは、上記(1)において、上記試料セルは、この試料セルの第3の側面に、励起光側分光器からの光を試料セル内に入射させるための励起光側出射スリットとして機能する膜が形成され、上記出射スリットが形成された第3の側面に対向する第4の側面は、上記出射スリットから出射される光を上記流路に集光するような形状に形成され、この第4の側面に上記セル側が鏡となる膜が形成される。
【0031】
(3)また、好ましくは、上記(1)において、上記入射スリットが形成された上記第1の側面は、上記試料セル内の流路を中心軸とした円筒面状に形成される。
【0032】
(4)また、好ましくは、上記(1)において、上記入射スリットが形成された上記第1の側面は、上記試料セル内の流路を中心とした球面状に形成される。
【0034】
(5)光源部から発生された励起光を励起光側分光器により分光して測定用試料に照射し、この測定用試料から発生される蛍光を蛍光側分光器により分光して、分光された光を検出する分光蛍光光度計に用いられ、上記測定用試料が流れる流路が形成された試料セルにおいて、この試料セルの第1の側面に、上記流路からの発光を上記蛍光側分光器に出射するための蛍光側入射スリットとして機能する膜が形成され、上記入射スリットが形成された第1の側面に対向する第2の側面は、上記流路からの発光が反射した際に、上記入射スリットの中心に集光するような形状に形成され、上記第2の側面に上記セル側が鏡となる膜が形成される。
【0035】
(6)好ましくは、上記(5)において、上記試料セルの第3の側面に、励起光側分光器からの光を試料セル内に入射させるための励起光側出射スリットとして機能する膜が形成され、上記出射スリットが形成された第3の側面に対向する第4の側面は、上記出射スリットから出射される光を上記流路に集光するような形状に形成され、この第4の側面に上記セル側が鏡となる膜が形成される。
【0036】
(7)また、好ましくは、上記(5)において、上記入射スリットが形成された上記第1の側面は、上記試料セル内の流路を中心軸とした円筒面状に形成される。
【0037】
(8)また、好ましくは、上記(5)において、上記入射スリットが形成された上記第1の側面は、上記試料セル内の流路を中心とした球面状に形成される。
【0039】
裏面境と、試料が位置される部分(発光点)と、スリットとが試料セルに一体化されているため、発光点と裏面鏡とを近接させることができ、見込み角を従来よりも大きくとることができ、蛍光側分光器に導入される光量を増加して光度計の感度を向上することができる。
【0040】
また、スリットを試料セルと別体として構成する場合には、発光点とスリットとの間には集光レンズが必要であったが、スリットとが試料セルに一体化されているため、その間の集光レンズを省略することができ、低コスト化できる。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を添付図面を参照して説明する。
図1は本発明の第1の実施形態である分光蛍光光度計におけるフローセル(試料セル)11の概略構成断面図であり、図2は、本発明の第1の実施形態である分光蛍光光度計の全体概略構成図である。この図1及び図2に示した例は、本発明を、液体クロマトグラフ用分光蛍光光度計に適用した場合の例である。
【0042】
図1において、このフローセル11は、長手方向に延びる4つの側面を有し、フローセル本体1の中央部分に、円筒状の試料流路4が形成され、長手方向に試料が通過される構造となっている。
【0043】
フローセル本体1の一側面には、例えば、インコネル蒸着膜によりスリット2を形成し、このスリット2が、図2に示すように蛍光側回析格子(蛍光側分光器)16に対向するようにフローセル11が配置される(スリット2及び後述する裏面鏡3が形成されていない状態のものをフローセル本体1とし、スリット2等が形成されたものをフローセル11とする)。
【0044】
また、このフローセル11はスリット2の形成面に正対する側面を、流路4の中心点及びスリット中心点を2つの焦点とする楕円筒面に成形し、この裏面(フローセル1の内面側)にインコネル蒸着を行うことにより、楕円筒面の裏面鏡(楕円筒面集光ミラー)3が形成されている。そして、試料流路4の中心点が裏面鏡3を望む角度が見込み角となっている。
【0045】
上述のように構成されたフローセル11において、裏面鏡3が形成された側面及びスリット2が形成された側面以外の側面の一方側から試料流路4に励起光を照射した場合、試料流路4内の試料より発生した蛍光は流路4の全周囲に向かって放出される。
【0046】
流路4の全周囲に向かって放出された蛍光のうちの、楕円筒面である裏面鏡3を見込む光については、楕円筒面の光学的特性により、入射スリット2の中心に集光され、スリットを通過した光が、蛍光側回析格子16に導入される。
【0047】
つまり、図2に示すように、裏面鏡3から反射された光等は、フローセル11に形成された入射スリット2により、必要とされる波長の光となっているので、フローセル11から発光した光を集光レンズにより集光し、スリットを通過させる必要がなく、フローセル11と蛍光側回析格子16との間の集光レンズを省略することができる。
【0048】
また、図1に示したフローセル11においては、集光ミラー(裏面鏡3)がフローセルの側面に形成されているため、発光点(流路4の中心点)と集光ミラーとが近接しており、見込み角は従来よりも広く取ることが出来、この実施形態においては約90°となっている。これは従来の分光蛍光光度計の2倍以上の値である。
【0049】
したがって、蛍光側分光器17に導入される蛍光の量も2倍以上となり、装置の検出感度を向上することができる。
【0050】
また、フローセル11単体に発光点、集光ミラー3および入射スリット(蛍光側分光器の入射スリット)2が作りこまれているため、それぞれの位置関係をセル製作時に必要な寸法精度にて設定しておけば、集光系の光学調整は不要であり、組立コストの面からも有利になる。
【0051】
また、従来技術においては、蛍光側集光レンズと、フローセル11と、スリットとの位置関係を調整した後に、それぞれの熱膨張係数の相違等により、位置関係が初期に設定されたものと異なる可能性があるが、本発明の第1の実施形態においては、フローセル11単体に発光点、集光ミラーおよび入射スリットが作りこまれているため、蛍光側集光レンズが不要で、位置関係が初期に設定されたものと異なる可能性が小さい。
【0052】
また、集光にミラーを用いているため、レンズ集光の場合における色収差の問題もない。
【0053】
さらに付け加えると、この集光系は全て石英ガラス製のセル11に作り込まれているため、装置の温度変化による熱膨張が極めて少なく、従来、温度ドリフトの原因となっていた、光学系の光軸の歪みをこの部分に関しては解消することができる。
【0054】
以上のように、本発明の第1の実施形態によれば、必要な集光レンズの数を減少し、高感度化要求に対応可能な見込み角を増加し、低コストと高感度が同時に達成可能な蛍光分光光度計を実現することができる。
【0055】
なお、図1に示した例においては、試料セル1の集光鏡(裏面鏡3)を楕円筒面としたが、スリット2の中心点を中心とする円筒面鏡に置き換えることも可能である。
【0056】
この場合、見込み角の大きさから通常の場合より収差が大きくなるが、それで実用上差し支えない性能が得られるのであれば、非球面鏡よりも加工が容易であり、コスト的に有利である。
【0057】
なお、スリット2のスリット幅は、適用する分光光度計の分解能から適宜設計可能な寸法とすることができる。
【0058】
図3は、本発明の第2の実施形態である分光蛍光光度計の全体概略構成図である。この第2の実施形態においては、フローセル自体の構成は第1の実施形態と同様となっている。
【0059】
そして、第1の実施形態と第2の実施形態との異なるところは、図1に示したフローセルは、スリット2を蛍光側回析格子16に対向するように配置しているが、第2の実施形態においては、スリット2は、励起光側回析格子(励起光側分光器)14に対向するように配置されている。
【0060】
つまり、図3において、光源12からの光は、スリット13を介して励起側回析格子14に照射される。そして、この励起光側回析格子14から反射された光がフローセル11に形成されたスリット2(この場合は、励起光側分光器の出射スリット)を介して流路4内の試料に照射されるとともに、裏面鏡3に反射され、集光されて、試料に照射される。
【0061】
そして、フローセル11内の試料からの反射光が集光レンズ15により集光され、スリット13を介して、蛍光側回析格子16に照射され、反射された後、スリット13を介して光検知器17に照射される。
【0062】
本発明の第2の実施形態によれば、フローセル11単体に発光点、集光ミラー3および入射スリット2が作りこまれているため、スリット2により、必要とされる波長の光は裏面鏡3に反射され、効率良く試料に照射されるので、フローセル11と励起側回析格子14との間の集光レンズを省略することができる。
【0063】
図4は、本発明の第3の実施形態である分光蛍光光度計におけるフローセル11の概略構成断面図であり、図5は、本発明の第3の実施形態である分光蛍光光度計の全体概略構成図である。
【0064】
図4において、このフローセル11は、長手方向に延びる4つの側面を有し、フローセル本体1の中央部分に試料流路4が形成され、長手方向に試料が通過される構造となっている。
【0065】
フローセル本体1の互いに対向しない(互いに隣接する)二つの側面には、例えば、インコネル蒸着膜によりスリット2を形成し、一方の側面のスリット2が、図5に示すように蛍光側回析格子16に対向し、他方の側面のスリット2が、励起側回析格子16に対向するようにフローセル11が配置される。
【0066】
また、このフローセル11は、スリット2が形成されたそれぞれの側面に正対する側面を、流路4の中心点及びスリット中心点を2つの焦点とする楕円筒面に成形し、この裏面(フローセル11の内面側)にインコネル蒸着を行うことにより、楕円筒面の裏面鏡3が形成されている。そして、試料流路4の中心点が裏面鏡3を望む角度が見込み角となっている。
【0067】
次に、図5において、光源12からの光は、スリット13を介して励起側回析格子14に照射される。そして、この励起側回析格子14から反射された光がフローセル11に形成されたスリット2を介して流路4内の試料に照射されるとともに、裏面鏡3に反射され、集光されて、試料に照射される。
【0068】
試料から放出された蛍光は、楕円筒面である裏面鏡3に反射され、入射スリット2の中心に集光され、スリット2を通過した光が、蛍光側回析格子16に導入される。
【0069】
そして、蛍光側回析格子16に照射された光は、この蛍光側回析格子16に反射された後、スリット13を介して光検知器17に照射される。
【0070】
したがって、本発明の第3の実施形態によれば、フローセル11と励起側回析格子14との間の集光レンズ並びにフローセル11と蛍光側回析格子16との間の集光レンズを省略することができる。
【0071】
図6は本発明の第4の実施形態である分光蛍光光度計におけるフローセル11の概略構成断面図である。この第4の実施形態は、第1の実施形態において、流路4の形状を角柱形状としたものであり、他の構成は第1の実施形態と同様な構成となっている。
第4の実施形態においても、第1の実施形態と同様な効果を得ることができる。
【0072】
図7は、本発明の第5の実施形態である分光蛍光光度計におけるフローセル11の概略構成断面図である。
【0073】
この図7に示した例は、図1に示したフローセル11に、集光鏡3に対向し、スリット2が形成される側面に、フローセル11の中心軸を軸とする円筒面鏡6を形成した例である。
【0074】
図1に示した例では、流路4の中心である試料発光中心から放射される蛍光のうち、集光鏡3に直接当たる成分のみを集光し、それ以外の部分は利用されていないが、図7に示した本発明の第5の実施形態では、集光鏡3に直接当たらない光を円筒面鏡6により正反対方向に戻すことにより、全部または一部を集光鏡3に導入することができ、その分、蛍光側回析格子16に導入される蛍光の量をさらに増やすことが可能となる。
【0075】
したがって、この第5の実施形態によれば、第1の実施形態と同様な効果を得ることができる他、蛍光側回析格子16に導入される蛍光の量をさらに増やすことが可能となる。
【0076】
図8は、本発明の第6の実施形態であり、図7に示した例の円筒面鏡6を、試料セル11の発光中心を中心とする球面鏡7とした例であり、他の構成は図7と同様となっている。
【0077】
この第6の実施形態においても、図7に示した例と同様な効果を得ることができる。
【0078】
【発明の効果】
本発明によれば、必要な集光レンズの数を減少し、高感度化要求に対応可能な見込み角を確保でき、低コスト化及び高感度化が同時に可能な蛍光分光光度計を実現することができる。
【0079】
つまり、集光ミラー(裏面境)と、発光点と、スリットとがフローセルに一体化されているため、発光点と集光ミラーとを近接させることができ、見込み角を従来よりも大きくとることができ、蛍光側分光器に導入される光量を増加して装置の感度を向上することができる。
【0080】
また、スリットをフローセルと別体として構成する場合には、発光点とスリットとの間には集光レンズが必要であったが、スリットとがフローセルに一体化されているため、その間の集光レンズを省略することができ、低コスト化できる。
【0081】
また、一つの部品であるフローセルに集光系が作りこまれているため、蛍光分光光度計の組立時の光学調整工程を減少することができ、組立コストを低減化できる。
【0082】
また、ミラー集光のため、レンズ集光の場合における色収差の問題がなく、全ての波長において同じ集光効率を実現できる。
【0083】
また、集光系が全て石英ガラス製のフローセルに作り込まれているため、熱膨張による光軸の歪みがほとんどなく、装置の温度ドリフトを改善できる。
【0084】
また、励起光の集光に本発明を適用した場合、スリットから導入された励起光がセル中心に集光するため、試料に極めて効率良く励起光を照射できる。
【0085】
さらに、集光ミラーを形成した側面に正対する側面に円筒面鏡または球面鏡を追加した場合、集光ミラー面に直接当たらない光も、円筒面鏡または球面鏡により、全部もしくは一部を集光面に導入可能であり、蛍光側回析格子に導入する蛍光光量を増やすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態である分光蛍光光度計におけるフローセルの概略構成断面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態である分光蛍光光度計の全体概略構成図である。
【図3】本発明の第2の実施形態である分光蛍光光度計の全体概略構成図である。
【図4】本発明の第3の実施形態である分光蛍光光度計におけるフローセルの概略構成断面図である。
【図5】本発明の第3の実施形態である分光蛍光光度計の全体概略構成図である。
【図6】本発明の第4の実施形態である分光蛍光光度計におけるフローセルの概略構成断面図である。
【図7】本発明の第5の実施形態である分光蛍光光度計におけるフローセルの概略構成断面図である。
【図8】本発明の第6の実施形態である分光蛍光光度計におけるフローセルの概略構成断面図である。
【図9】従来技術における分光蛍光光度計の全体概略構成図である。
【符号の説明】
1 フローセル本体
2 蒸着膜スリット
3 楕円筒面集光ミラー
4 試料流路
5 楕円筒面集光ミラーの焦点
6 蒸着膜スリット兼円筒面ミラー
7 蒸着膜スリット兼球面ミラー
11 フローセル
12 光源
13 スリット
14 励起側回折格子
15 集光レンズ
16 蛍光側回折格子
17 光検知器

Claims (8)

  1. 測定用試料が流れる流路が形成された試料セルと、この試料セルに照射するための励起光を発生する光源部と、この光源部からの励起光を分光する励起光側分光器と、この励起光側分光器からの光が照射された上記試料から発生する蛍光を分光する蛍光側分光器と、この蛍光側分光器からの光を検出する光学検知器とを有する分光蛍光光度計において、
    上記試料セルは、
    この試料セルの第1の側面に、上記流路からの発光を上記蛍光側分光器に出射するための蛍光側入射スリットとして機能する膜が形成され、
    上記入射スリットが形成された第1の側面に対向する第2の側面は、上記流路からの発光が反射した際に、上記入射スリットの中心に集光するような形状に形成され、上記第2の側面に上記セル側が鏡となる膜が形成されることを特徴とする分光蛍光光度計。
  2. 請求項1記載の分光蛍光光度計において、
    上記試料セルは、この試料セルの第3の側面に、励起光側分光器からの光を試料セル内に入射させるための励起光側出射スリットとして機能する膜が形成され、
    上記出射スリットが形成された第3の側面に対向する第4の側面は、上記出射スリットから出射される光を上記流路に集光するような形状に形成され、この第4の側面に上記セル側が鏡となる膜が形成されることを特徴とする分光蛍光光度計。
  3. 請求項1記載の分光蛍光光度計において、上記入射スリットが形成された上記第1の側面は、上記試料セル内の流路を中心軸とした円筒面状に形成されることを特徴とする分光蛍光光度計。
  4. 請求項1記載の分光蛍光光度計において、上記入射スリットが形成された上記第1の側面は、上記試料セル内の流路を中心とした球面状に形成されることを特徴とする分光蛍光光度計。
  5. 光源部から発生された励起光を励起光側分光器により分光して測定用試料に照射し、この測定用試料から発生される蛍光を蛍光側分光器により分光して、分光された光を検出する分光蛍光光度計に用いられ、上記測定用試料が流れる流路が形成された試料セルにおいて、
    この試料セルの第1の側面に、上記流路からの発光を上記蛍光側分光器に出射するための蛍光側入射スリットとして機能する膜が形成され、
    上記入射スリットが形成された第1の側面に対向する第2の側面は、上記流路からの発光が反射した際に、上記入射スリットの中心に集光するような形状に形成され、上記第2の側面に上記セル側が鏡となる膜が形成されることを特徴とする試料セル。
  6. 請求項5記載の試料セルにおいて、
    上記試料セルの第3の側面に、励起光側分光器からの光を試料セル内に入射させるための励起光側出射スリットとして機能する膜が形成され、
    上記出射スリットが形成された第3の側面に対向する第4の側面は、上記出射スリットから出射される光を上記流路に集光するような形状に形成され、この第4の側面に上記セル側が鏡となる膜が形成されることを特徴とする試料セル。
  7. 請求項5記載の試料セルにおいて、上記入射スリットが形成された上記第1の側面は、上記試料セル内の流路を中心軸とした円筒面状に形成されることを特徴とする試料セル。
  8. 請求項5記載の試料セルにおいて、上記入射スリットが形成された上記第1の側面は、上記試料セル内の流路を中心とした球面状に形成されることを特徴とする試料セル。
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