JP3665207B2 - 半導体評価装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は,半導体の内部におけるキャリアライフタイム,及び表面エネルギーバンド状態を評価する半導体評価装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体材料のキャリアライフタイムは,トランジスタや太陽電池などの多くの半導体デバイスの特性を決定する重要な物理パラメータである。また,微量な結晶欠陥や不純物に大きく影響されることから,特にシリコン半導体ウェーハにおいてはその品質管理に広く用いられている。
このような半導体ウェーハのキャリアライフタイムの測定には,従来から光導電減衰法が広く用いられてきた。この方法は,半導体ウェーハにパルス光を照射して上記半導体ウェーハ内に過剰キャリアを励起し,この過剰キャリア数の減衰に基づいてキャリアライフタイムを測定するものである。上記過剰キャリア数の減衰状態は,
▲1▼電極をつけて抵抗を測定する
▲2▼マイクロ波を照射してその反射波若しくは透過波の強度を測定する
などの方法によって知ることができる。このうち,上記▲2▼のマイクロ波を用いる手法は,非接触で且つ高速に測定できることから広く用いられている。ところが,上記光導電減衰法では,内部(バルク)の性質を表面の効果から分離して評価することができないという問題点があった。即ち,パルス光によって励起された過剰キャリアは半導体ウェーハの内部,及び表面において多数キャリアと再結合して消滅するが,上記内部及び表面における2種類の再結合による減衰を区別することは多くの場合困難である。従って,半導体ウェーハの内部におけるライフタイム(以下,バルクライフタイムという)を測定したい場合には,何らかの方法で表面における再結合を抑止する必要があった。
ここで,半導体ウェーハの表面再結合を抑止する方法の1つとして,表面を熱酸化させたり,或いは表面に適当な薬品処理を施すことが考えられる。しかしながら,このような方法は手間がかかるだけでなく,半導体ウェーハの状態を本質的に変えてしまう危険性があった。例えば,熱酸化は内部の欠陥密度を変化させる可能性があり,薬品処理は結果的に表面を汚染してしまう可能性が高い。また,このような処理は条件の違いによってその効果が大きく異なり,不適切な条件下で行うと十分な効果が得られないという問題点もあった。しかも,上記処理によって表面再結合が完全に抑制されたと保証することは,殆どの場合不可能である。
【0003】
そこで,これらに代わる方法として,表面に電界を印加することによって表面再結合を抑制する方法が,例えば特開昭64−37843号公報(公報1とする),特開平4−289442号公報(公報2とする),特開平5−264473号公報(公報3とする)等に提案されている。
上記各公報に提案されている方法は,半導体ウェーハの表裏面に平板電極を設置し,上記2つの電極間に電圧を印加することによって半導体ウェーハ表面から多数キャリア或いは少数キャリアを追い払い,表面再結合を抑制しようとするものである。上記公報1には,図6に示すように,半導体ウェーハ101の上下に2つの電極102a,102bを設置し,それら電極に電源103を接続した装置が記載されている。また,上記公報2,3には,図7に示すように,接地された半導体ウェーハ201の上下に設置された電極202a,202bに電源203によって電圧を印加する装置が記載されている。このとき,印加する電圧の極性は,上記公報2では表面で多数キャリアの蓄積が生じる向き,上記公報3では表面に空乏層が生じる向きとされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら,上記公報1〜3に提案されている方法では,必ずしも表面再結合を十分に抑制することはできなかった。即ち,表面再結合を抑制するためには,半導体ウェーハの表面におけるエネルギーバンド状態に応じて適切な極性,強度の電圧を印加する必要があるが(詳細は本発明の説明において詳述する),上記各公報に提案されている方法では必ずしも十分に表面再結合を抑制させることができる電圧が印加されているとは限らない。
例えば上記公報1に記載の装置(図6)では,半導体ウェーハ101の表と裏とで必ず逆極性の電圧がかかることになるため,片側では表面再結合を抑制できたとしても反対側ではかえって表面再結合を促進させてしまう可能性がある。
また,上記公報2,3に記載の装置(図7)では,表裏面において同一極性の電圧がかかるものの,印加電圧の極性は片方に限定されている。半導体ウェーハの表面におけるエネルギーバンド状態によっては,指定された極性では表面再結合が減少するとは限らず,逆に増加させてしまう可能性もある。また,印加電圧の強度についても,表面におけるエネルギーバンド状態に応じて適切な値に設定しなければ十分に表面再結合を抑制することはできない。
また,半導体ウェーハ表面における金属汚染の検出もウェーハの品質管理上重要であるが,上記各公報に記載の発明は,バルクライフタイムを得ることを目的としたものであり,表面における情報(エネルギーバンド状態)を評価する手法については開示されていない。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり,十分に表面再結合を抑制した状態で得られるバルクライフタイムを確実に測定することが可能な半導体評価装置を提供することを第1の目的とし,表面におけるエネルギーバンド状態を測定することが可能な半導体評価装置を提供することを第2の目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
半導体試料の表面のエネルギーバンド状態は,表面準位及び表面電荷の量に依存して,蓄積,空乏,反転,若しくはそれらの中間状態のいずれかの状態をとる。このうち,表面再結合が最も起こりやすいのは空乏状態である。蓄積状態では少数キャリアが,反転状態では多数キャリアが表面から除かれるため,表面再結合が起きにくくなる。また,上記半導体試料の表面に電圧を印加し,表面に電界を発生させると,その影響を受けて上記表面のエネルギーバンド状態は変化する。そこで,上記半導体試料の表面に電圧を印加することによって表面のエネルギーバンド状態を蓄積,若しくは反転のいずれかの状態まで変化させることができれば,表面再結合を十分に抑制することができる。
ここで,上記印加電圧の極性は,電圧を印加しない状態での表面のエネルギーバンド状態に応じて適切に設定しなければならない。即ち,電圧印加がない状態において,表面が蓄積に近い状態の場合にはその蓄積状態をより強める向き,表面が反転に近い状態の場合にはその反転状態をより強める向きの電圧を印加する必要がある。これとは逆の極性の電圧を印加すると,表面は空乏状態に近づき,表面再結合を促進させる結果となる。表面のエネルギーバンド状態と,その状態から蓄積若しくは反転状態に近づけるための電圧の極性との関係を,半導体ウェーハの伝導型毎にまとめると図4のようになる。例えば,p型半導体において,電圧を印加しない状態での表面エネルギーバンド状態が蓄積に近い状態であれば,負の極性の電圧を印加することでより蓄積状態に近づけることができ,結果として表面再結合を抑制することができるといえる。
また,表面再結合が抑制されれば,上記光導電減衰法によって得られるライフタイムは増加する傾向となる。従って,得られるライフタイムの飽和値(若しくは最大値)が,表面再結合を最も抑制した状態でのライフタイム,即ちバルクライフタイムであると見做すことができる。
以上のようなことから,半導体試料への印加電圧の極性及び大きさを変化させながら上記光導電減衰法によってライフタイムを測定し,測定ライフタイムτを印加電圧Vの関数としてプロットして上記測定ライフタイムの極大値を求めることで,確実にバルクライフタイムを求めることができる。
【0006】
従って,上記目的を達成するための本発明は,半導体試料にパルス励起光を照射する励起光照射手段と,上記励起光照射手段によるパルス励起光の照射領域に検出用電磁波を放射する検出用電磁波放射手段と,上記検出用電磁波の上記半導体試料における反射波若しくは透過波を検出する検出手段と,上記検出手段によって検出される上記反射波若しくは透過波の時間変化に基づいて上記半導体試料の少数キャリアのライフタイムを測定するライフタイム測定手段とを具備してなる半導体評価装置において,上記半導体試料の表裏面に電圧を印加する電圧印加手段と,上記電圧印加手段によって印加される上記表裏面それぞれの電圧の極性及び大きさを変化させる電圧可変手段と,上記電圧可変手段による上記印加電圧の変化と,それに対する上記ライフタイム測定手段による測定ライフタイムの変化における飽和値又は最大値とに基づいて,上記半導体試料の内部におけるライフタイムを評価する内部ライフタイム評価手段とを具備してなることを特徴とする半導体評価装置として構成されている。
【0007】
ところで,測定ライフタイムτを印加電圧Vの関数としてプロットした結果と,図4に示す関係とを用いれば,逆に,電圧を印加しない状態での半導体試料表面のエネルギーバンド状態を知ることができる。例えば,p型半導体における上記プロット結果において,測定ライフタイムが負の印加電圧に対して増加し,正の印加電圧に対して減少していれば,電圧を印加しない状態での半導体試料表面のエネルギーバンド状態は蓄積状態に近いと言える。即ち,上記プロット結果の印加電圧が0の位置でのdτ/dVの値の正負に基づいて,電圧を印加しない状態での半導体試料表面のエネルギーバンド状態を評価することが可能である。dτ/dVの値の正負と,電圧を印加しない状態での半導体試料表面のエネルギーバンド状態との関係を,半導体ウェーハの伝導型毎にまとめると図5のようになる。
【0008】
従って,さらに上記電圧可変手段による上記印加電圧の変化と,それに対する上記ライフタイム測定手段による測定ライフタイムの変化とに基づいて,上記半導体試料の表面のエネルギーバンド状態を評価する表面状態評価手段を具備するものが考えられる。
このように表面のエネルギーバンド状態のみを評価する場合には,必ずしも半導体試料の表裏両面に電圧を印加する必要はなく,表面若しくは裏面のみに電圧を印加するようにしてもよい。
また,上記表面状態評価手段は,上記電圧可変手段による上記印加電圧と上記ライフタイム測定手段による測定ライフタイムとの関係における上記印加電圧0近傍での上記測定ライフタイムの傾きに基づいて上記半導体試料表面のエネルギーバンド状態を評価するように構成できる。
【0009】
また,上記電圧印加手段を構成する電極を,光を透過させるように構成すれば,パルス励起光が上記電極に遮られることがなく,装置構成を簡略化できる。上記のような光を透過させる電極としては,例えば透明の材質で構成したり,或いは光を通過させる孔が設けられた電極を用いることができる。
【0010】
【作用】
本発明に係る半導体評価装置では,電圧可変手段によって半導体試料への印加電圧の極性及び大きさを変化させつつ,ライフタイム測定手段によってそれに対応するライフタイムが測定される。そして,内部ライフタイム評価手段により,上記印加電圧と上記測定ライフタイムとの関係が求められる。ここで,上記ライフタイムが増加するにつれて表面再結合が抑制されていると言えるから,上記関係におけるライフタイムの飽和値(若しくは最大値)が,この半導体試料の内部ライフタイムであると判断される。このように,半導体試料の表面状態に関わらず,確実に内部ライフタイムを測定することが可能である。
また,上記表面状態評価手段により,上記印加電圧と上記測定ライフタイムとの関係が求められる。ここで,表面のエネルギーバンド状態と,その状態から蓄積若しくは反転状態に近づけるための電圧の極性との関係は図4のようになるから,印加電圧の極性の違いによる測定ライフタイムの増減状態,即ち印加電圧近傍での上記測定ライフタイムの傾きに基づいて,半導体試料の表面エネルギーバンド状態が評価される。このように,ライフタイム測定のための装置に特別な手段を付加することなく,半導体試料の表面エネルギーバンド状態を知ることが可能である。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下添付図面を参照して,本発明の実施の形態及び実施例につき説明し,本発明の理解に供する。尚,以下の実施の形態及び実施例は,本発明を具体化した一例であって,本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
ここに,図1は本発明の実施の形態に係る半導体評価装置A1の概略構成を示すブロック図,図2はp型シリコンウェーハ(酸化膜なし,及び酸化膜付き)の片面のみに電圧を印加した場合の,印加電圧と測定ライフタイムとの関係の一例を示すグラフ,図3は酸化膜付きp型シリコンウェーハの両面に電圧を印加した場合の,印加電圧と測定ライフタイムとの関係の一例を示すグラフ,図4は表面のエネルギーバンド状態と,その状態から蓄積若しくは反転状態に近づけるための電圧の極性との関係を,半導体ウェーハの伝導型毎にまとめた表,図5はdτ/dVの値の正負と,電圧を印加しない状態での半導体試料表面のエネルギーバンド状態との関係を,半導体ウェーハの伝導型毎にまとめた表である。
【0012】
本実施の形態に係る半導体評価装置A1は,図1に示す如く構成されている。半導体試料Wの上下には,絶縁シート6を介して透明電極5(電極の一例)が設置され,更に上記透明電極5,5と上記半導体試料Wとの間には直流電源7,7が接続される。上記絶縁シート6としては,例えば厚さ50μm程度のテフロンシートを用いることができる。上記絶縁シート6,透明電極5,及び直流電源7が電圧印加手段の一例である。上記直流電源7はコンピュータ8(電圧可変手段の一例)に接続されており,上記半導体試料Wに対する印加電圧の極性及び大きさは上記コンピュータ8の制御により自由に変化させることが可能である。
また,ガンダイオードよりなるマイクロ波発振器1(検出用電磁波放射手段の一例)から発せられたマイクロ波(検出用電磁波の一例)は,導波管3,サーキュレータ2,導波管3を経て導波管アンテナ3aに導かれ,その開口端から上記半導体試料Wの表面に照射される。また,パルスレーザ9(励起光照射手段の一例)から発せられたパルス光は,上記透明電極5及び絶縁シート6を透過して上記半導体試料Wの表面に照射される。上記試料Wからの反射マイクロ波は,上記導波管アンテナ3aに戻り,導波管3,サーキュレータ3を経て検出器4で検出される。上記検出器4で検出された反射マイクロ波の強度信号は,上記コンピュータ8(内部ライフタイム評価手段,及び表面状態評価手段の一例)に入力される。
【0013】
上記コンピュータ8では,上記直流電源7を制御することにより上記半導体試料Wに対する印加電圧の極性及び大きさを順次変化させると共に,それぞれの印加電圧毎に,上記検出器4による上記反射マイクロ波の減衰状態に基づいて得られるライフタイムを測定する。これによって,印加電圧と測定ライフタイムとの関係が得られる。
図2は,半導体試料Wとしてp型シリコンウェーハを用い,その片面のみに電圧を印加した場合の,印加電圧と測定ライフタイムとの関係を示したものである。□は酸化膜のないウェーハの場合を,■は酸化膜付きウェーハの場合を示している。ここで,測定ライフタイム値はピークから1/eまで減衰する時間と定義し,電圧を印加しないときの値で正規化している。酸化膜のないウェーハでは,負の電圧を印加すると測定ライフタイムが大きく増加し,正の電圧では逆に減少している。一方,酸化膜付きウェーハでは,逆に正の電圧で測定ライフタイムが増加し,負の電圧で減少している。図5に示す関係より,上記酸化膜のないウェーハの表面エネルギーバンド状態は蓄積に近く,酸化膜付きウェーハのそれは反転に近いと判断できる。
上記コンピュータ8では,以上のように,得られた印加電圧と測定ライフタイムとの関係に基づいて,半導体試料Wの表面エネルギーバンド状態が評価される。尚,このように表面エネルギーバンド状態のみを評価する場合には,必ずしも半導体試料の両面に電圧を印加する必要はない。
【0014】
また,図3は,半導体試料Wとして酸化膜付きp型シリコンウェーハを用い,その両面に電圧を印加した場合の,印加電圧と測定ライフタイムとの関係を示したものである。測定ライフタイムは正の電圧の印加で増加し,1500Vで飽和(最大値)している。即ち,表面エネルギーバンド状態は反転に近く(図5参照),正の電圧を印加することによってより反転状態に近づき(図4参照),1500Vで反転状態,即ち表面再結合が最も抑制される状態に至ったものと考えられる。従って,このとき(印加電圧1500V)の測定ライフタイムの値,即ち43μSが,この半導体試料のバルクライフタイムであると判断できる。
上記コンピュータ8では,以上のように,得られた印加電圧と測定ライフタイムとの関係に基づいて,半導体試料Wのバルクライフタイムが評価される。尚,バルクライフタイムを評価する場合には,必ず半導体試料の両面に電圧を印加し,表裏両面での表面再結合を抑制する必要がある。
以上説明したように,本実施の形態に係る半導体評価装置A1によれば,表面におけるエネルギーバンド状態を測定することが可能であり,更に十分に表面再結合を抑制した状態で得られるバルクライフタイムを測定することが可能である。
【0015】
【実施例】
上記実施の形態では,測定ライフタイムが極大値を示した場合,即ち測定ライフタイムが飽和に至った場合について説明したが,上記測定ライフタイムが完全な飽和に至らない場合でも,カーブフィッティング等により飽和値(若しくは最大値)を予測し,バルクライフタイムを評価することが可能である。
また,上記実施の形態では,電極として透明電極を用いたが,上記電極は光を透過させる導電体であればよく,例えば不透明体であってもメッシュ形状や微小孔を形成すれば同等の効果を得ることが可能である。
また,半導体試料Wと電極5との間の絶縁体として絶縁シート6を用いたが,空間的隙間を設けてもよい。
更に,ライフタイム測定に用いる検出用電磁波としてマイクロ波を用いたが,他の波長域の電磁波(赤外光等)についても,適切な伝送,検出系を用いることにより利用可能である。
また,上記実施の形態に係る半導体評価装置A1では,半導体試料の表面エネルギーバンド状態とバルクライフタイムの両方を測定するように構成したが,いずれか一方のみを測定するように構成することも当然に可能である。
【0016】
【発明の効果】
本発明は,半導体試料にパルス励起光を照射する励起光照射手段と,上記励起光照射手段によるパルス励起光の照射領域に検出用電磁波を放射する検出用電磁波放射手段と,上記検出用電磁波の上記半導体試料における反射波若しくは透過波を検出する検出手段と,上記検出手段によって検出される上記反射波若しくは透過波の時間変化に基づいて上記半導体試料の少数キャリアのライフタイムを測定するライフタイム測定手段とを具備してなる半導体評価装置において,上記半導体試料の表裏面に電圧を印加する電圧印加手段と,上記電圧印加手段によって印加される上記表裏面それぞれの電圧の極性及び大きさを変化させる電圧可変手段と,上記電圧可変手段による上記印加電圧の変化と,それに対する上記ライフタイム測定手段による測定ライフタイムの変化における飽和値又は最大値とに基づいて,上記半導体試料の内部におけるライフタイムを評価する内部ライフタイム評価手段とを具備してなることを特徴とする半導体評価装置として構成されているため,半導体試料の表面状態に関わらず,確実に内部ライフタイムを測定することが可能である。
【0017】
さらに,上記電圧可変手段による上記印加電圧の変化と,それに対する上記ライフタイム測定手段による測定ライフタイムの変化とに基づいて,上記半導体試料の表面のエネルギーバンド状態を評価する表面状態評価手段を具備することにより,ライフタイム測定のための装置に特別な手段を付加することなく,半導体試料の表面エネルギーバンド状態を知ることが可能である。
また,上記表面状態評価手段は,上記電圧可変手段による上記印加電圧と上記ライフタイム測定手段による測定ライフタイムとの関係における上記印加電圧0近傍での上記測定ライフタイムの傾きに基づいて上記半導体試料表面のエネルギーバンド状態を評価するように構成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係る半導体評価装置A1の概略構成を示すブロック図。
【図2】 p型シリコンウェーハ(酸化膜なし,及び酸化膜付き)の片面のみに電圧を印加した場合の,印加電圧と測定ライフタイムとの関係の一例を示すグラフ。
【図3】 酸化膜付きp型シリコンウェーハの両面に電圧を印加した場合の,印加電圧と測定ライフタイムとの関係の一例を示すグラフ。
【図4】 表面のエネルギーバンド状態と,その状態から蓄積若しくは反転状態に近づけるための電圧の極性との関係を,半導体ウェーハの伝導型毎にまとめた表。
【図5】 dτ/dVの値の正負と,電圧を印加しない状態での半導体試料表面のエネルギーバンド状態との関係を,半導体ウェーハの伝導型毎にまとめた表。
【図6】 公報1に記載された半導体ウェーハへの電圧印加装置の概略構成を示す模式図。
【図7】 公報2及び公報3に記載された半導体ウェーハへの電圧印加装置の概略構成を示す模式図。
【符号の説明】
1…マイクロ波発振器(検出用電磁波放射手段の一例)
2…サーキュレータ
3…導波管
4…検出器
5…透明電極(電極の一例)
6…絶縁シート
7…直流電源
8…コンピュータ(電圧可変手段,内部ライフタイム評価手段,及び表面状態評価手段の一例)
9…パルスレーザ(励起光照射手段の一例)
W…半導体試料
Claims (6)
- 半導体試料にパルス励起光を照射する励起光照射手段と,上記励起光照射手段によるパルス励起光の照射領域に検出用電磁波を放射する検出用電磁波放射手段と,上記検出用電磁波の上記半導体試料における反射波若しくは透過波を検出する検出手段と,上記検出手段によって検出される上記反射波若しくは透過波の時間変化に基づいて上記半導体試料の少数キャリアのライフタイムを測定するライフタイム測定手段とを具備してなる半導体評価装置において,
上記半導体試料の表裏面に電圧を印加する電圧印加手段と,
上記電圧印加手段によって印加される上記表裏面それぞれの電圧の極性及び大きさを変化させる電圧可変手段と,
上記電圧可変手段による上記印加電圧の変化と,それに対する上記ライフタイム測定手段による測定ライフタイムの変化における飽和値又は最大値とに基づいて,上記半導体試料の内部におけるライフタイムを評価する内部ライフタイム評価手段とを具備してなることを特徴とする半導体評価装置。 - 上記電圧可変手段による上記印加電圧の変化と,それに対する上記ライフタイム測定手段による測定ライフタイムの変化とに基づいて,上記半導体試料の表面のエネルギーバンド状態を評価する表面状態評価手段を具備してなる請求項1記載の半導体評価装置。
- 上記表面状態評価手段が,上記電圧可変手段による上記印加電圧と上記ライフタイム測定手段による測定ライフタイムとの関係における上記印加電圧0近傍での上記測定ライフタイムの傾きに基づいて上記半導体試料表面のエネルギーバンド状態を評価する請求項2記載の半導体評価装置。
- 上記電圧印加手段が,光を透過させる電極を具備して構成され,
上記励起光照射手段からのパルス励起光が上記電極を透過して上記半導体試料に照射される請求項1〜3のいずれかに記載の半導体評価装置。 - 上記電極が,透明の材質で構成されてなる請求項4記載の半導体評価装置。
- 上記電極に,光を通過させる孔が設けられてなる請求項4記載の半導体評価装置。
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