JP3665794B2 - 扉錠用受金具 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は、地震その他の外力等により建物の受側の枠が変形したり、あるいは錠ケースを取り付けた扉自体が変形したりした場合などにおいても、錠杆の作動が確実にできて解錠でき、また、扉を支障なく開放できるようにした扉錠用受金具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の地震に備えた受金具は、扉と枠側とが圧接される方向への外力や扉が開く方向への外力に対して、受金具の錠杆係止部が変形あるいはカシメ部が破壊するように構成し、変形や破壊によって扉と受金具との圧接や錠杆と受金具との圧接を防止し、地震の際の外力によって扉が開放不可能となる事態を防止していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来のものはどれも、上下方向の外力に対する工夫はされていなかった。
そのため、今回の阪神大震災のよに上下方向に大きな外力が作用すると、扉錠の錠杆が受金具の受孔の上部又は下部に圧接され、錠杆が作動不可能となって扉を開放することができなくなるという問題点があった。
本発明は、上記従来の問題点を解消したものを提供しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の扉錠用受金具は、扉の戸当りに対向する枠側に取り付けられる箱受と、この箱受の前面に設けられ、かつ長手方向の中央部に開口孔を形成した受板と、前記箱受と受板とで形成される空間部内に上下方向に移動可能に嵌装され、かつ前面部は前記受板の開口孔から外部に突出するように設けると共に、該前面部には錠杆係合孔が形成してなる受部材とを備えた扉錠用受部材であって、前記受部材は左右の折曲片と上下の折曲片とにより箱状に形成され、上下の折曲片には段部を形成するとともに、その終端部は受部材自身の材料の弾性を有する脚片が設けられており、該受部材の段部は受板の開口孔の周縁部に当接させるとともに、受部材の脚片は箱受の底部に当接させてなることを特徴とする。
【0005】
これにより、上下方向の外力が作用した時にその外力を吸収するようにする一方、更には、受部材は錠杆の突出方向(水平方向ともいう。)への外力が作用した時にも変形してその外力を吸収すると共に、外力が除去された時には受部材の弾性力により元の状態に復元するようにしてある。
【0006】
【作用】
(1) 地震等により、扉又は枠が上下方向の外力を受けて変位し、扉錠の錠杆の上端部又は下端部が受部材の受孔の上端部又は下端部に当接した時、当接部には大きな外力を受けるが、受部材は上下方向に摺動するので外力が吸収され、錠杆が受孔に圧接されることがなく錠杆を確実に作動できる。従って、扉を開放していち早く避難することができる。
【0007】
(2) また、地震等により扉と枠とが当接する方向(水平方向)の外力を受けた時、扉が受板に当接する前に、受板面より突出する受部材に当接する。そして受部材が変形してその外力を吸収する。従って扉と受金具が圧接されることなく、扉を確実に開放することができる。
また、その外力が除去されると受部材の変形部はそれ自身の弾性により元の状態に復帰する。
【0008】
【実施例】
本発明の一実施例を図1ないし図8に基づいて説明する。
本発明に係る扉錠用の受金具1は、受板2と箱受3と受部材4とから構成され、受部材4は受板2と箱受3とによって形成される空間部イ内に嵌装されている。
図2、図3の如く、受部材4は左右の折曲片44、44と上下の折曲片45,45とにより箱状に形成されると共に、前面部43には錠杆係合孔41,42が形成されている。 また、上記の上下の折曲片45,45には段部46、46が形成されていると共に、その終端部は受部材4自身の材料の弾性を作用させるための脚片47、47が設けられている。
【0009】
受板2および箱受3は従来周知のもので、受板2には開口孔21と取付ネジ用孔22とが形成されており、箱受3は錠杆係入用の箱状部分31と取付部32、32および取付孔33、33が形成されている。
【0010】
受部材4を受板2と箱受3との間に嵌装して枠Bに取り付けた状態では、図1の如く、
受部材4の前面部43は受板2の開口孔21から外部に突出している。また、受部材4の段部46、46は受板2の開口孔21の周縁部に当接させ外部へ離脱しないようにしてある。そして、受部材4の脚片47、47の終端部は箱受3の底部に当接させると共に、箱受3の底部に設けた突起部34,34に当接させて位置決めしている。
【0011】
尚、受部材4は上下方向に摺動可能なように箱受3の上部および下部との間には隙間が形成してある。また、受部材4の段部46から脚片47の終端までの高さ寸法Hは、受板2と箱受3の底部までの深さ寸法hより少し大きく形成してあり、ネジ8,8により取り付けた時、上記高さ寸法の差だけ受部材4は圧縮され脚片47、47の弾性力によって受部材4は受板2と箱受3との間で圧着され堅締に保持される。
【0012】
その他図中5は扉Aに取り付けられた錠で、6は錠杆であるデッドボルト、7は錠杆であるラッチボルトである。9はトリガーボルトである。
【0013】
【実施例の作用】
上記実施例の作用を図1ないし図8に基づいて説明する。
(1) 図1は通常の使用状態を示すもので、錠杆のデッドボルト6は受部材4の前面部43に設けた係合孔41に係脱し、錠杆のラッチボルト7は係合孔42に係脱する。
【0014】
(2) 図5は地震などで扉が上方に変位した場合を示すもので、錠の錠杆であるデッドボルト6の上部が、受部材4の係合孔41の上部に当接し、外力により受部材4が上方に摺動する。この為、錠杆(デッドボルト6)と受部材4とに作用する外力は吸収されるので、錠杆が受部材4の係合孔41に圧接されることがない。従って錠杆は当接部の摩擦抵抗はあるものの作動可能であり、後退させて扉を開放することができる。
尚、この時ラッチボルト7は受部材4の係合孔42に当接していないので、通常の作動状態と同様に後退させることができる。
【0015】
(3) 図6は地震などで扉が下方に変位した場合を示すもので、錠の錠杆であるラッチボルト7の下部が受部材4の係合孔42の下部に当接し、外力により受部材4が下方に摺動する。従って、上記(2)と同様にラッチボルト7は受部材4の係合孔42に圧接させることがなく、後退させて扉を開放することができる。
尚、この時デッドボルト6の下部が係合孔41の下部に当接しないように係合孔41とデッドボルト6の位置関係を任意に設定することができる。または、図6の如く、ラッチボルト7とデッドボルト6とが各々係合孔42、41に当接するように設定することもできる。両方が当接するようにすれば、それぞれの抵抗摩擦は小さくなる。
【0016】
(4) 図7は地震などで扉Aが枠B方向に変位した場合を示すもので、扉Aが枠B方向に変位した時、錠5の前板51または扉 Aの前面部が受金具1の受板2の開口孔21から突出している受部材4の前面部43に当接し、受部材4を図7の矢印ロ方向に押す。この時、受部材4の脚片47、47は変形するので外力が吸収され、扉(または錠の前板)が枠(又は受金具1の受板2)に圧接されることがない。
従って、受部材4の脚片47、47の弾性による摩擦抵抗はあるものの、それに打ち勝つ開放力によって扉を開放することができる。
【0017】
(5) 図8は地震などで扉Aが上方向および枠B方向に変位した場合を示す。
この場合は、上記(2)および(4)の作用と同様であって、錠杆の後退および扉の開放が可能である。
【0018】
(6) 図示しないが、扉 Aが下方向および枠B方向に変位した場合は、上記と同様である。
【0019】
尚、図5ないし図8の如く受部材4が移動あるいは変形した後、図1の正常な状態に復元させるには、受金具1の取付ネジ8、8を弛めて受板2を取外した後、受部材4を図1の元の位置に戻してから受板2をネジ8、8によって締め付ければよい。
【0020】
【その他の変形例など】
図1ないし図8の実施例では、受金具1の受板2や箱受3および受部材4は各々別体に設け、ネジ8、8によって取付け固定した時に受金具1を一体的に設けるようにしたものを示すが、工場などで予め受部材4を嵌装した状態で受板2と箱受3とをかしめあるいは溶接などによって固着し、受金具1を一体的に設けてもよい。
この場合、地震などの外力によって受部材4が上または下方向に移動した後、受部材4を元の状態に戻すには、受部材4に作用した外力よりも大きな力で移動させればよい。
【0021】
【発明の効果】
本発明の受金具は上記のように地震等による外力が、扉や枠に対して上または下方向へ作用した場合、受金具に設けた受部材が上または下方向に移動してその外力を吸収する。そのため、錠杆の上部または下部が受部材の錠杆係合孔に圧接されることがなく、錠杆は確実に後退作動でき扉を開放することができる。
【0022】
また、外力が扉と枠の正面を圧接する方向に作用した場合でも、受金具の受部材の脚部が変形してその外力を吸収する。そのため、扉(または錠の前板)が枠(または受金具)に圧接されることがなく、扉を開放することができる。
【0023】
更には、外力が上方向(または下方向)および扉と枠とを圧接する方向に作用した場合でも、受部材は上方向(または下方向)に移動すると共に、受部材の脚部が変形してそれらの外力をすべて吸収するので、錠杆や扉が受部材に圧接されることがなく扉を確実に開放することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の受金具の通常の使用状態を示す要部縦断側面図である。
【図2】図1の要部横断平面図である。
【図3】本発明の受金具を分解した状態の斜視図である。
【図4】同上取付状態の斜視図である。
【図5】外力が上方に作用した状態を示す要部縦断側面図である。
【図6】外力が下方に作用した状態を示す要部縦断側面図である。
【図7】外力が扉と枠を圧接する方向に作用した状態を示す要部縦断側面図である。
【図8】外力が上方かつ扉と枠を圧接する方向に作用した状態を示す要部縦断側面図である。
【符号の説明】
1 受金具
2 受板
3 箱受
4 受部材
5 錠
6 デッドボルト(錠杆)
7 ラッチボルト(錠杆)
21 開口孔
41 錠杆係合孔
42 錠杆係合孔
43 前面部
44 折曲片(左右の)
45 折曲片(上下の)
46 段部
47 脚片
A 扉
B 枠
Claims (1)
- 扉の戸当りに対向する枠側に取り付けられる箱受3と、この箱受3の前面に設けられ、かつ長手方向の中央部に開口孔21を形成した受板2と、前記箱受3と受板2とで形成される空間部イ内に上下方向に移動可能に嵌装され、かつ前面部43は前記受板2の開口孔21から外部に突出するように設けるとともに、該前面部43には錠杆係合孔が形成してなる受部材4とを備えた扉錠用受部材であって、
前記受部材4は左右の折曲片44、44と上下の折曲片45、45とにより箱状に形成され、上下の折曲片45、45には段部46、46を形成するとともに、その終端部は受部材4自身の材料の弾性を有する脚片47、47が設けられており、該受部材4の段部46、46は受板2の開口孔21の周縁部に当接させるとともに、受部材4の脚片47、47は箱受3の底部に当接させてなることを特徴とする扉錠用受金具。
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Applications Claiming Priority (1)
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| JP15377495A JP3665794B2 (ja) | 1995-05-16 | 1995-05-16 | 扉錠用受金具 |
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