JP3667523B2 - ディスペンサー - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はディスペンサーに係り、特に液剤に顆粒を含有した内容物を吐出するディスペンサーに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば乳液や化粧水の容器には、頭部に設けられた押釦を押圧操作することにより内容物を吐出させるディスペンサーが取り付けられているものがある。ディスペンサー付の容器によれば、内容物を取り出すのに容器を傾ける必要がなく扱い易く、また押釦操作により毎回定量の内容物を取り出すことができる。
【0003】
図5乃至図8は従来のディスペンサー10の構成を説明するための図である。図5はディスペンサー10の全体構成を説明するための断面図である。尚、同図において、中心線より左部分は内容物を吐出させるため押圧操作を行った状態(以下、操作状態という)を示しており、また中心線より右部分は押圧操作を解除した状態(以下、操作解除状態という)を示している。
【0004】
同図において、1はステム,2はシリンダ,3はコイルスプリング,4はキャップ,8はピストンを夫々示している。ステム1は筒状のノズルパイプ5と有底筒状のピストンガイド6とにより構成されており、シリンダ2の軸方向(図中、矢印X1,X2で示す方向)に移動可能な構成でシリンダ2に装着されている。また、シリンダ2の上部にはキャップ4が固着されており、このキャップ4が図示しない容器に装着されることにより、ディスペンサー10は容器に固定される。コイルスプリング3はシリンダ2の内部に装着されており、前記したステム1はコイルスプリング3の上部に位置するよう配設されている。従って、ステム1はコイルスプリング3の弾性力により常に矢印X2方向に付勢された構成となっている。
【0005】
ピストン8は、ステム1を構成するピストンガイド6の外周に配設されている。このピストン8は、装着された状態においてシリンダ2の内周とピストンガイド6の外周との間に位置し、両者を液密に画成する機能を奏する。また、ピストン8はシリンダ2の内周に摺動可能な構成とされており、よってステム1がシリンダ2に対し矢印X1,X2方向移動しても、ステム1とシリンダ2とを液密の状態に維持する。
【0006】
また、シリンダ2の最下端部、具体的にはコイルスプリング3の配設位置よりも下部には弁収納部17が形成されており、この弁収納部17内にはボール弁9が配設されている。ボール弁9は、容器内に装填されている内容物のシリンダ2内への進行のみを許容する逆止弁である。
よって、容器内の内容物がシリンダ2内に進入する時、ボール弁9は弁収納部17内において上動するが、必要以上の上動を規制するため、図8に示すように、コイルスプリング3には径寸法が徐々に小さくなるようスパイラル状に成形された規制片部18が形成されている。ボール弁9はこの規制片部18に当接することにより上動が規制され、ボール弁9がシリンダ2内に深く入り込んだ逆止弁として機能しなくなることを防止している。
【0007】
ここで、図6にステム1を拡大して示すと共に、図7にピストンガイド6を拡大して示し、ステム1の構成について更に詳述する。前記したように、ステム1はノズルパイプ5とピストンガイド6とにより構成されており、下部に位置するピストンガイド6は上部に位置するノズルパイプ5の内部に嵌入された状態で固定されている。
【0008】
ピストンガイド6は、筒状部16の下端に底部13を有した有底筒状形状とされている。筒状部16には孔部15が形成されており、この孔部15は前記したピストン8により、操作状態においては開口され、また操作解除状態において閉口される構成とされている。
また、底部13外周位置には下方(図5に示す矢印X1方向)に延出する袴部12が形成されている。この袴部12には前記したコイルスプリング3の上端部が係合すると共に、側部には開口部14が形成されている。
【0009】
次に、上記構成とされたディスペンサーにおいて、図5の中心線より右側に図示した操作解除状態(シリンダ2内には内容物が吸引され満たされているものとする)より、ステム1が押圧操作された時の各構成の動作について説明する。
ステム1が押圧操作され、コイルスプリング3の弾性力に抗して図中矢印X1方向に移動すると、シリンダ2とステム1の底部13とにより形成される空間部19(この部分に内容物が入っている)の体積が小さくなる。
【0010】
このため、この空間部19内の内容物は図中矢印で示すように、袴部12に形成された開口部14,筒状部16に形成された孔部15(前記のように、操作状態においてピストン8は孔部15を開口している)を通りステム1の内部に進行する。
そして、内容物はステム1のノズルパイプ5内を上動してゆき、ノズルパイプ5の上端部に形成された吐出口20(この吐出口20には、通常噴射ノズル等が配設されている)から吐出される。この際、ボール弁9は空間部19内の内容物が容器に逆流することを防いでいる。
【0011】
一方、押圧操作を解除すると、ステム1はコイルスプリング3の弾性復元力により、図中矢印X2方向に移動し、これに伴い空間部19の体積は増大する。また、操作状態終了後においては、空間部19内には内容物が無い(或いは、少ない)状態であり、また筒状部16に形成された孔部15はピストン8により閉口された状態であるため、上記のように空間部19の体積が増大することにより空間部19内は負圧となる。
【0012】
よって、ボール弁9は上動することにより開弁し、容器内の内容物がシリンダ2内に吸引される。これにより、前記した空間部19は内容物で満たされた状態となり、次回に実施される吐出操作に即座に対応することが可能な状態となる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年ではディスペンサーが用いられていた化粧品(例えば、美容液,クリーム等)も多様化しており、液状の化粧料内に顆粒状薬剤を混入した化粧品が提供されるようになってきている。
しかるに、このように顆粒状薬剤を混入した化粧品を内容物とし、ディスペンサー10で吐出させようとした場合、従来構成のディスペンサー10は、内容物として液体(粘性流体も含む)のみのだけを考慮して設計・製造が行われていたため、化粧品に含まれる顆粒状薬剤がディスペンサー10内の各所で詰まってしまい、良好な吐出処理を行うことができないという問題点が生じた。
【0014】
本出願人の実験によれば、ディスペンサー10内で顆粒状薬剤が詰まる箇所は、操作時に内容物が通過する箇所内で特に通過幅が狭まる箇所であった。具体的には、ピストンガイド6に形成された孔部15,袴部12に形成された開口部14,及びコイルスプリング3の規制片部18の形成位置において顆粒状薬剤の詰まりが発生した。
【0015】
孔部15において顆粒状薬剤が詰まるのは、図5乃至図7から明らかなように、内容物の他の流路に比べ、孔部15の形成位置は流路径が大きく狭められていることに起因していると思われる。
また、袴部12に形成された開口部14において顆粒状薬剤が詰まるのは、図5乃至図7に示されるように、従来では底部13が袴部12の内部まで長く延出した構成とされていたため、これにより開口部14の実質的な流路が狭くなることに起因していると思われる。
【0016】
更に、コイルスプリング3の規制片部18において顆粒状薬剤が詰まるのは、図8から明らかなように、スパイラル状の規制片部18では、その中央部分に形成される内容物の流路が狭くなることに起因していると思われる。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、顆粒状薬剤を混入した化粧品を内容物としても円滑な吐出処理を行いうるディスペンサーを提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記の課題は、次に述べる手段を講じることにより解決することができる。
請求項1記載の発明では、
液剤に顆粒を含有した構成の内容物が充填された容器に装着され、前記内容物を吐出処理するディスペンサーであって、
内容物が充填された容器に固定されるシリンダ部材と、
前記内容物が吐出される吐出口が上部に配設され、前記内容物の通路となる孔部が側部に形成され、かつ前記内容物の通路となる開口部を有した袴部が底部に形成された構成とされており、前記シリンダ部材に対し前記シリンダの軸方向に移動可能な構成とされた筒状部材と、
前記筒状部材に変位可能に配設されており、前記筒状部材が前記シリンダ部材に挿入される方向に移動するとき前記孔部を開口すると共に、前記筒状部材が前記シリンダ部材から引抜き方向に移動するとき前記孔部を閉口するピストン部材と、
前記シリンダ部材内に配設されており、前記筒状部材を前記シリンダ部材から前記引抜き方向に付勢するコイルスプリングと、
前記内容物の前記容器から前記該シリンダ部材に向かう流れのみを許容するボール弁とを具備しており、
かつ、前記筒状部材に形成された孔部の最大幅寸法L1を、前記顆粒の最大幅寸法L2より大きく、かつ前記筒状部材の半径距離L3より小さく設定(L2<L1<L3)したことを特徴とするものである。
【0018】
また、請求項2記載の発明では、
液剤に顆粒を含有した構成の内容物が充填された容器に装着され、前記内容物を吐出処理するディスペンサーであって、
内容物が充填された容器に固定されるシリンダ部材と、
前記内容物が吐出される吐出口が上部に配設され、前記内容物の通路となる孔部が側部に形成され、かつ前記内容物の通路となる開口部を有した袴部が底部に形成された構成とされており、前記シリンダ部材に対し前記シリンダの軸方向に移動可能な構成とされた筒状部材と、
前記筒状部材に変位可能に配設されており、前記筒状部材が前記シリンダ部材に挿入される方向に移動するとき前記孔部を開口すると共に、前記筒状部材が前記シリンダ部材から引抜き方向に移動するとき前記孔部を閉口するピストン部材と、
前記シリンダ部材内に配設されており、前記筒状部材を前記シリンダ部材から前記引抜き方向に付勢するコイルスプリングと、
前記内容物の前記容器から前記該シリンダ部材に向かう流れのみを許容するボール弁とを具備しており、
前記袴部に形成された開口部の上縁と前記筒状部材の底部が面一となるよう構成したことを特徴とするものである。
【0019】
更に、請求項3記載の発明では、
液剤に顆粒を含有した構成の内容物が充填された容器に装着され、前記内容物を吐出処理するディスペンサーであって、
内容物が充填された容器に固定されるシリンダ部材と、
前記内容物が吐出される吐出口が上部に配設され、前記内容物の通路となる孔部が側部に形成され、かつ前記内容物の通路となる開口部を有した袴部が底部に形成された構成とされており、前記シリンダ部材に対し前記シリンダの軸方向に移動可能な構成とされた筒状部材と、
前記筒状部材に変位可能に配設されており、前記筒状部材が前記シリンダ部材に挿入される方向に移動するとき前記孔部を開口すると共に、前記筒状部材が前記シリンダ部材から引抜き方向に移動するとき前記孔部を閉口するピストン部材と、
前記シリンダ部材内に配設されており、前記筒状部材を前記シリンダ部材から前記引抜き方向に付勢するコイルスプリングと、
前記内容物の前記容器から前記該シリンダ部材に向かう流れのみを許容するボール弁とを具備しており、
前記ボール弁の必要以上の移動を規制する規制片を、前記コイルスプリングの端部を内周側に折曲することにより形成したことを特徴とするものである。
【0020】
上記した各手段は、次のように作用する。
請求項1記載の発明によれば、
液剤に顆粒を含有した構成の内容物を吐出処理するディスペンサーにおいて、筒状部材に形成された孔部の最大幅寸法L1を、顆粒の最大幅寸法L2より大きく(L2<L1)したことにより、顆粒が混入された内容物であっても、確実に孔部内を通過させることができる。
【0021】
また、孔部の最大幅寸法L1を、筒状部材の半径距離L3より小さく設定(L1<L3)したことにより、孔部の大きさを大きくしても筒状部材の強度を維持することができる。
また、請求項2記載の発明によれば、
袴部に形成された開口部の上縁と筒状部材の底部が面一となるよう構成したことにより、底部により開口部が実質的に狭められるようなことはなく、内容物の流路を確保することができる。よって、顆粒が混入された内容物であっても、確実に開口部内を通過させることができる。
【0022】
更に、請求項3記載の発明によれば、
ボール弁の必要以上の移動を規制する規制片を、コイルスプリングの端部を内周側に折曲することにより形成したことにより、内容物の通過面積を広くしつつ、ボール弁の移動規制を行うことができる。よって、顆粒が混入された内容物であっても、確実に規制片内を通過させることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態について図面と共に説明する。
図1乃至図4は従来のディスペンサー20の構成を説明するための図である。図1はディスペンサー20の全体構成を説明するための断面図である。
尚、同図において、中心線より左部分は内容物を吐出させるため押圧操作を行った状態(以下、操作状態という)を示しており、また中心線より右部分は押圧操作を解除した状態(以下、操作解除状態という)を示している。
【0024】
同図において、21はステム(筒状部材),22はシリンダ(シリンダ部材),23はコイルスプリング,24はキャップ,28はピストン,29はボール弁を夫々示している。
ステム21は、筒状のノズルパイプ25と有底筒状のピストンガイド26とを一体化した構成とされており、シリンダ22の軸方向(図中、矢印X1,X2で示す方向)に移動可能な構成でシリンダ22に装着されている。このノズルパイプ25及びピストンガイド26は共に樹脂成形品であり、接着或いは圧入等の固定方法を用いて一体化している。
【0025】
また、シリンダ22の上部にはキャップ24が固定部30において固着されており、このキャップ24が容器開口部に装着されることにより、ディスペンサー20は容器27(一点鎖線で示す)に固定される。このため、キャップ24の内周部にはネジ部31が形成されており、このネジ部31が容器27の容器開口部に形成されたネジ部(図示せず)に螺着する構成となっている。
【0026】
この容器27には、液状の化粧料内に顆粒状薬剤を混入した化粧品(例えば、美容液,クリーム等)が装填されている。この顆粒状薬剤は、例えば直径がφ0.6mm,長さが1.25mmの葉巻形状を有している。
コイルスプリング23は内容物に変質を与えないよう選定された弾性金属により形成されており、シリンダ22の内部に装着されている。前記したステム21はコイルスプリング23の上部に位置するよう配設されており、よってステム21はコイルスプリング23の弾性力により、シリンダ22から引き抜かれる方向(矢印X2方向)に常に付勢された構成となっている。
【0027】
ピストン28は例えばシリコンゴム或いは樹脂等により形成された環状の部材であり、ステム21を構成するピストンガイド26の外周を囲繞するよう配設されている。また、ピストンガイド26の下部には大径部39が形成されており、かつピストンガイド26とノズルパイプ25の固定位置には段差部38が形成されている。ピストン28は、この大径部39と段差部38との間において、ピストンガイド26に対して若干量だけ上下方向(図中、矢印X1,X2方向)に移動可能な構成とされている。
【0028】
このピストン28は、ステム21がシリンダ22に装着された状態においてシリンダ22の内周とピストンガイド6の外周との間に位置し、両者21,22を液密に画成する機能を奏する。また、ピストン28はシリンダ22の内周に摺動可能な構成とされており、よってステム21がシリンダ22に対し矢印X1,X2方向移動しても、ステム21とシリンダ22とを液密の状態は維持される構成となっている。
【0029】
また、シリンダ22の最下端部(具体的にはコイルスプリング23の配設位置よりも下部)には弁収納部37が形成されており、この弁収納部37内にはボール弁29が配設されている。このボール弁29は、吐出操作が行われていない状態(以下、操作解除状態という)では、自重によりシリンダ22に設けられた弁座部43に当接し、内容物を吸引する吸引通路44を閉弁する。
【0030】
しかるに、後述するように、ステム21,シリンダ22,及びピストン28が形成する空間部45内が負圧となると、ボール弁29は弁収納部37内で上動し、吸引通路44から容器27内の内容物が空間部45内に進行することを許容する。即ち、ボール弁29は、内容物の容器27からシリンダ22へ向かう進行のみを許容する逆止弁として機能する。
【0031】
上記のように、容器27内の内容物がシリンダ22内に進入する時、ボール弁29は弁収納部37内において上動するが、弁収納部37の範囲を越えてシリンダ22の内部まで移動すると、逆止弁としての機能を十分に果たせないおそれがある。このため、ボール弁29の必要以上の上動を規制するため、図4に示すように、コイルスプリング23には規制片部41が形成されている。
【0032】
本実施例では、コイルスプリング23の端部を内周側に折曲することにより規制片部41を形成した構成としている。これにより、図4(A)に示すように、規制片部41はコイルスプリング23を平面視した状態において半径方向に延在する構成となり、よってボール弁29の上動を規制片部41により規制することができる。
【0033】
尚、本実施例のコイルスプリング23は、その上端及び下端の双方に規制片部41を設けている。これは、ディスペンサー20の組み立て時において、コイルスプリング23の上下を考慮して組み付けることを省くためであり、これにより組み立て性を向上することができる。
ここで、図2及び図3を用いて、ステム21及びピストンガイド26の構成について更に詳述する。前記したように、ステム21はノズルパイプ25とピストンガイド26とにより構成されている。ノズルパイプ25は筒状の部材であり、その上端部に形成された吐出口46には内容物を吐出する吐出ノズル(図示せず)が装着される。この吐出ノズルは、ステム21を押圧操作する釦部としても機能する。
【0034】
ピストンガイド26は、筒状部36の下端に底部33を有した有底筒状形状とされている。また、筒状部36には孔部35が形成されており、この孔部35は前記したピストン28の段差部38と大径部39との間の変位により、操作状態においては開口され、また操作が解除された状態(以下、操作解除状態という)において閉口される構成とされている。
【0035】
本実施例では、上記した孔部35の形状を長方形状とし、従来の孔部15(図7参照)に比べて大きく形成している。具体的には、孔部35の最大幅寸法L1が、顆粒の最大幅寸法L2より大きく(L2<L1)なるよう設定している。
この最大幅寸法L1は、本実施例のように孔部35の形状を長方形状とした場合には孔部35の対角線の長さとなる。また、顆粒の大きさ及び形状は予め判っているものであるから、上記のように孔部35の最大幅寸法L1を設定することは容易に行うことができる。
【0036】
また、孔部35の最大幅寸法L1は、ピストンガイド26の半径距離L3(図2(B)参照)よりも小さく設定(L1<L3)されている。これは、孔部35を余りに大きく設定すると、ピストンガイド26の強度が低下し、ステム21の動作が円滑に行われなくなるおそれがあるからである。
また、ピストンガイド26の底部33の外周位置には、下方(図1に示す矢印X1方向)に延出する袴部32が形成されている。前記したコイルスプリング3の上端部は、この袴部32と係合することにより、ステム21を矢印X2方向に付勢する構成となっている。
【0037】
また、袴部32の側部には、開口部34が形成されている。本実施例では、袴部32に形成された開口部34の上縁34aと、ピストンガイド26を構成する底部33の底面33aが面一となるよう構成している(図2(B)に詳しい)。
次に、上記構成とされたディスペンサー20の動作について、主に図1を用いて説明する。尚、以下の説明では、中心線より右側に示された操作解除状態(シリンダ22内には内容物が吸引され満たされているものとする)より、ステム21が押圧操作された時の各構成の動作について説明する。
【0038】
ノズルパイプ25の吐出口に配設された吐出ノズルが押圧操作され、ステム21がコイルスプリング23の弾性力に抗して図中矢印X1方向に移動すると、ステム21(底部33),シリンダ22,及びピストン28とにより形成される空間部45(この部分に内容物が入っている)の体積は小さくなる。
このため、この空間部45内の内容物は図中矢印で示すように、吸引通路44,袴部32に形成された開口部34,筒状部36に形成された孔部35(前記のように、操作状態においてピストン28は孔部35を開口している)を通りステム21の内部に進行する。
【0039】
そして、内容物はステム21のノズルパイプ25内を上動してゆき、ノズルパイプ25の吐出口46から吐出ノズルを介して外部に吐出される。また、操作状態では、ボール弁29は空間部45内の内容物が容器27に逆流することを防いでいる。
上記のように吐出操作時には、顆粒を含む内容物は吸引通路44,開口部34,孔部35を通りステム21の内部に進行する。この際、吸引通路44からシリンダ22内に進入した内容物は、先ずコイルスプリング23の配設位置を通過する。
【0040】
前記のように、コイルスプリング23には内容物の通過経路内に位置する規制片部41が形成されている。しかるに、本実施例に係る規制片部41は、前記のようにコイルスプリング23の端部を内周側に折曲することにより形成した構成とされている。
よって、コイルスプリング23の上下両端部における内容物の通過面積を広くなっており、内容物に顆粒が混入されていても、この顆粒は規制片41で詰まるようなことなく、確実に通過させることができる。
【0041】
また、コイルスプリング23を通過した内容物は、続いて開口部34を通過する。本実施例の開口部34は、前記したようにその上縁34aが底部33の底面33aと面一となるよう構成されている。
よって、従来のように開口部14と対向する位置に底部13が存在する構成(図6,図7参照)に比べ、内容物が流れる開口部34の実質的な面積が広くなり、よって顆粒が混入された内容物であっても、顆粒は確実に開口部34を通過し、よって開口部34に顆粒が詰まることを防止することができる。
【0042】
また、開口部34を通過した内容物は、続いて孔部35を通過する。前記したように、孔部35はその形状を長方形状とし、かつ、その大きさを従来の孔部15に比べて大きく設定している。
更に、孔部35の最大幅寸法L1は、顆粒の最大幅寸法L2より大きく(L2<L1)なるよう設定している。よって、顆粒が混入された内容物であっても、顆粒は確実に孔部35を通過し、よって孔部35に顆粒が詰まることを防止することができる。
【0043】
尚、本実施例において、孔部35の形状をを矢印X1,X2方向を短辺とし、周方向に長辺を有する長方形状としたのは、前記したように、孔部35はピストン28の微小な変位により開閉されるものであるため、矢印X1,X2方向の長さを大きくすると、ピストン28が正確に孔部35を開閉することが困難となるからである。
【0044】
また、本実施例の構成では、孔部35の短辺の長さが顆粒の最大幅寸法L2より小さくなることがある。しかるに、本発明者の実験によれば、孔部35の一部に顆粒の最大幅寸法L2より大きい寸法部分を形成しておくことにより、顆粒は孔部35を円滑に通過することが実証された。
一方、押圧操作を解除すると、ステム21はコイルスプリング23の弾性復元力により、図中矢印X2方向に移動し、これに伴い空間部45の体積は増大する。また、操作状態終了後においては、空間部45内には内容物が無い(或いは、少ない)状態であり、また筒状部36に形成された孔部35はピストン28により閉口された状態である。
【0045】
このため、上記のように空間部45の体積が増大することにより空間部45内は負圧となり、ボール弁29は上動することにより開弁し、容器内の内容物がシリンダ22内に吸引される。これにより、前記した空間部45は内容物で満たされた状態となり、次回に実施される吐出操作に即座に対応することが可能な状態となる。
【0046】
【発明の効果】
上述の如く本発明によれば、次に述べる種々の効果を実現することができる。
請求項1記載の発明によれば、筒状部材の強度を維持しつつ、かつ、顆粒が混入された内容物でも確実に孔部内を通過させることができる。
また、請求項2記載の発明によれば、底部により開口部が実質的に狭められるようなことはないため、顆粒が混入された内容物であっても確実に開口部内を通過させることができる。
【0047】
更に、請求項3記載の発明によれば、ボール弁の不要な移動規制を行いつつ、かつ、顆粒が混入された内容物であっても確実に規制片内を通過させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるディスペンサーの全体構成を示す断面図である。
【図2】本発明の一実施例であるディスペンサーに適用するピストンガイドを拡大して示す図である。
【図3】本発明の一実施例であるディスペンサーに適用するステムを拡大して示す断面図である。
【図4】本発明の一実施例であるディスペンサーに適用するコイルスプリングを拡大して示す図である。
【図5】従来のディスペンサーの一例を説明するための断面図である。
【図6】図5に示すディスペンサーに用いられたステムを拡大して示す断面図である。
【図7】図5に示すディスペンサーに用いられたピストンガイドを拡大して示す部分断面図である。
【図8】図5に示すディスペンサーに用いられたコイルスプリングを拡大して示す図である。
【符号の説明】
20 ディスペンサー
21 ステム
22 シリンダ
23 コイルスプリング
24 キャップ
25 ノズルパイプ
26 ピストンガイド
27 容器
28 ピストン
29 ボール弁
32 袴部
33 底部
34 開口部
35 孔部
36 筒状部
37 弁収納部
40 延出片部
41 規制片
Claims (3)
- 液剤に顆粒を含有した構成の内容物が充填された容器に装着され、前記内容物を吐出処理するディスペンサーであって、
内容物が充填された容器に固定されるシリンダ部材と、
前記内容物が吐出される吐出口が上部に配設され、前記内容物の通路となる孔部が側部に形成され、かつ前記内容物の通路となる開口部を有した袴部が底部に形成された構成とされており、前記シリンダ部材に対し前記シリンダの軸方向に移動可能な構成とされた筒状部材と、
前記筒状部材に変位可能に配設されており、前記筒状部材が前記シリンダ部材に挿入される方向に移動するとき前記孔部を開口すると共に、前記筒状部材が前記シリンダ部材から引抜き方向に移動するとき前記孔部を閉口するピストン部材と、
前記シリンダ部材内に配設されており、前記筒状部材を前記シリンダ部材から前記引抜き方向に付勢するコイルスプリングと、
前記内容物の前記容器から前記該シリンダ部材に向かう流れのみを許容するボール弁とを具備しており、
かつ、前記筒状部材に形成された孔部の最大幅寸法L1を、前記顆粒の最大幅寸法L2より大きく、かつ前記筒状部材の半径距離L3より小さく設定(L2<L1<L3)したことを特徴とするディスペンサー。 - 液剤に顆粒を含有した構成の内容物が充填された容器に装着され、前記内容物を吐出処理するディスペンサーであって、
内容物が充填された容器に固定されるシリンダ部材と、
前記内容物が吐出される吐出口が上部に配設され、前記内容物の通路となる孔部が側部に形成され、かつ前記内容物の通路となる開口部を有した袴部が底部に形成された構成とされており、前記シリンダ部材に対し前記シリンダの軸方向に移動可能な構成とされた筒状部材と、
前記筒状部材に変位可能に配設されており、前記筒状部材が前記シリンダ部材に挿入される方向に移動するとき前記孔部を開口すると共に、前記筒状部材が前記シリンダ部材から引抜き方向に移動するとき前記孔部を閉口するピストン部材と、
前記シリンダ部材内に配設されており、前記筒状部材を前記シリンダ部材から前記引抜き方向に付勢するコイルスプリングと、
前記内容物の前記容器から前記該シリンダ部材に向かう流れのみを許容するボール弁とを具備しており、
前記袴部に形成された開口部の上縁と前記筒状部材の底部が面一となるよう構成したことを特徴とするディスペンサー。 - 液剤に顆粒を含有した構成の内容物が充填された容器に装着され、前記内容物を吐出処理するディスペンサーであって、
内容物が充填された容器に固定されるシリンダ部材と、
前記内容物が吐出される吐出口が上部に配設され、前記内容物の通路となる孔部が側部に形成され、かつ前記内容物の通路となる開口部を有した袴部が底部に形成された構成とされており、前記シリンダ部材に対し前記シリンダの軸方向に移動可能な構成とされた筒状部材と、
前記筒状部材に変位可能に配設されており、前記筒状部材が前記シリンダ部材に挿入される方向に移動するとき前記孔部を開口すると共に、前記筒状部材が前記シリンダ部材から引抜き方向に移動するとき前記孔部を閉口するピストン部材と、
前記シリンダ部材内に配設されており、前記筒状部材を前記シリンダ部材から前記引抜き方向に付勢するコイルスプリングと、
前記内容物の前記容器から前記該シリンダ部材に向かう流れのみを許容するボール弁とを具備しており、
前記ボール弁の必要以上の移動を規制する規制片を、前記コイルスプリングの端部を内周側に折曲することにより形成したことを特徴とするディスペンサー。
Priority Applications (1)
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|---|---|---|---|
| JP07474198A JP3667523B2 (ja) | 1998-03-23 | 1998-03-23 | ディスペンサー |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP07474198A JP3667523B2 (ja) | 1998-03-23 | 1998-03-23 | ディスペンサー |
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| JPH11267559A JPH11267559A (ja) | 1999-10-05 |
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Family
ID=13555982
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP07474198A Expired - Lifetime JP3667523B2 (ja) | 1998-03-23 | 1998-03-23 | ディスペンサー |
Country Status (1)
| Country | Link |
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
1998
- 1998-03-23 JP JP07474198A patent/JP3667523B2/ja not_active Expired - Lifetime
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