JP3668177B2 - 切梁山留工法における切梁の連結具 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鉄筋コンクリート構築物を構築するに当たり、切梁山留工法において、山留壁を支持する切梁の連結具に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、山留壁を支持させる切梁は、構築する鉄筋コンクリート構築物内に、貫通して設置される。しかし、前記切梁と前記構築物内に、配置される縦横の鉄筋が交差する位置では、前記切梁で妨げられ、設計通りの配置ができない。
【0003】
そこで、従来は、前記切梁で妨げられた前記鉄筋を、前記切梁の下方付近で切断し、且つ前記構築物のコンクリート打設による構築を、前記切梁の下方付近で中断し、切梁の盛り替え及びその切梁の盛り替えを行うための足場の盛り替えが行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来技術における鉄筋の切断、コンクリート打設の中断は、構築物の品質低下、施工の長期化に問題がある。
【0005】
また、切梁の盛り替え及びその切梁の盛り替えを行うための足場の盛り替えは、施工の長期化、安全性、工事費の増大に問題がある。
【0006】
さらに、既設構造物の周面を、鉄筋コンクリートで巻き立てる耐震補強は、コンクリートの塑性ヒンジ領域付近では、かぶりコンクリートが剥落して、軸方向鉄筋が露出しても確実に機能できるよう、既設構造物の周面に設置する前記鉄筋に、前記鉄筋の継手構造を設けてはならない。そのため、前記切梁の設置位置によっては、前記鉄筋を切断することができない。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記、従来技術の問題点を解決するための本発明による、切梁山留工法における切梁の連結具は、第1に、前記切梁と構築する鉄筋コンクリート構築物に配置される縦横の鉄筋との交差する位置に、前記切梁を連結・軸支し、且つ前記鉄筋の挿設が可能な空洞を形成した、剛体からなる連結具を、前記切梁の中間部又は端部に介設したことで、構築物内に配置される鉄筋の設置が容易、且つ設計通りに設置できる構造にしたことを特徴としている。
【0008】
第2に、前記連結具を、前記切梁の軸方向で複数に分割し、且つ脱着が可能な構造にしたことで、前記連結具の長さの調節を可能にし、偏土圧から生じた前記連結具の移動や構築物の施工による連結具と鉄筋の配置位置との誤差を吸収でき、また、完成後の前記構築物外に前記連結具が突出しても、分割した一部の前記連結具を、前記構築物内から取り外すことが可能な構造にしたことを特徴としている。
【0009】
第3に、前記連結具と前記切梁との間又は前記連結具に、脱着が可能な箱抜き用型枠を挟設又は通設したことで、前記構築物の仕上がり面を好適に形成し、また、前記切梁の軸方向に前記箱抜き用型枠の位置が移動できることで、偏土圧から生じた前記連結具の移動や構築物の施工誤差による前記構築物の構築位置が確実に構築できることを特徴としている。
【0010】
第4に、前記連結具と前記切梁との連結部に、脱着が可能な締結具を挿通して、締結したことで、前記構築物内に埋設された前記連結具と前記切梁との取り外しが容易となる構造にしたことを特徴としている。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明を適用して施工構成した、切梁山留工法を示す断面図である。図中、1は地山、2は前記地盤1に打設された鋼矢板からなる山留壁、20は地山1から山留壁2に加わる土圧に対抗し、地山1の崩壊を防ぐためのH形鋼材からなる腹起し、5は前記腹起し20を支持し、対向する腹起し20間に、直接架設された切梁である。
【0012】
切梁5は、図1に示すように、対向する腹起し20の間隔に対応させて、適宜長さのH形鋼材からなる両側2本の切梁部材5a及び鉄筋コンクリート構築物3内に埋設される1本のH形鋼材からなる切梁部材5bで構成されている。そして、構築物3内に設置される2箇所の鉄筋4と交差する位置では、本発明の切梁部材5aと切梁部材5bとの間に介設される、鋼材からなる連結具6により、架設した例を示している。尚、本実施形態での連結具6及び切梁部材5bは、構築物3の完成後、構築物3内に埋設される。
【0013】
図2は、図1に示す切梁部材5aと切梁部材5bとの間に介設された、連結具6及び鉄筋4の概略構成を示す斜視図である。切梁部材5aと切梁部材5bとの間に介設された連結具6には、構築物3内に配置される鉛直方向鉄筋4aと、水平方向鉄筋4bが挿設されている。
【0014】
図3は、請求項1の実施例を示す連結具6の斜視図である。本実施例における連結具6は、前記切梁部材5aと前記切梁部材5bとを連結・軸支する8本の鋼材からなる円筒柱部材8、該円筒柱部材8を固設する1枚の鋼材からなる当接板9、円筒柱部材8及び該当接板9を補強する複数の鋼材からなる補強リブ10a、10b、10cで構成されている。
【0015】
また、前記連結具6は、切梁部材5aと切梁部材5bとを連結・軸支する機能の他に、補強する複数の補強リブ10a、10bがトラス状に配置され、少なくとも1本の前記鉄筋4a、少なくとも1本の前記鉄筋4bの挿設が可能となるよう、空洞11を形成している。これにより、従来の、切梁の下部周辺で鉄筋を切断、構築物のコンクリート打設を中断し、切梁の盛り替え及びその切梁の盛り替えを行うための足場の盛り替えは必要なくなる。
【0016】
尚、本実施例の連結具6は、切梁を連結・軸支可能な機能と、且つ空洞11が確保できれば、前記円筒柱部材8と複数の補強リブ10a、10b、10cで構成してもよく、また、前記円筒柱部材8のみで構成されてもよい。
【0017】
また、図4に示すように、本実施例の連結具6は、鉄筋4a、4bの設置が可能となるよう、格子状の鋼材からなる空洞ブロック体の連結具7であってもよい。
【0018】
図5は、請求項2の実施例を示す連結具60の斜視図である。本実施例における連結具60は、切梁部材5aと切梁部材5bとを連結・軸支する8本の鋼材からなる円筒柱部材80、該円筒柱部材80を固設する1枚の鋼材からなる当接板9、円筒柱部材80及び前記当接板9を補強する複数の鋼材からなる補強リブ10aで構成されている。
【0019】
そして、円筒柱部材80は、切梁の軸方向Xで3本に分割され、且つ分割した円筒柱部材80aは、図7で示されるネジ80eで構成し、他方の円筒柱部材80bの端面には前記ネジ80eが挿通される孔80dが形成され、脱着が可能な構造としている。そのために、円筒柱部材80の長さの調節が可能となり、偏土圧から生じた連結具60の移動や前記構築物3の施工による連結補強材60と前記鉄筋4の配置位置との誤差を吸収でき、また、完成後の前記構築物3外に円筒柱部材80が突出しても、分割した円筒柱部材80aを、前記構築物内から取り外すことが可能である。
【0020】
図6は、請求項1における請求項3の実施例を示す断面図である。連結具6と切梁部材5aとの間には、脱着が可能な鋼材からなる箱抜き用型枠13がボルト12を介して挟設され、前記構築物3の構築において、切梁部材5a周辺及び、切梁部材5aと連結具6との接合部は、前記構築物3の型枠の加工、設置が容易となり、且つ前記構築物3の仕上げ面が好適に形成される。
【0021】
図7は、請求項2における請求項3の実施例を示す断面図である。前記円筒柱部材80には、前記円筒柱部材80の外径より大きい孔を有する前記箱抜き用型枠13aが通設され、切梁5の軸方向Xに、箱抜き用型枠13aの位置が移動できることで、偏土圧から生じた連結具60の移動や前記構築物3の施工誤差による前記構築物3の構築位置が確実に構築できる。
【0022】
請求項4の実施例の締結構造を図6で説明すると、連結具6と切梁部材5aとの連結部は、連結具6を構成する前記円筒柱8の内空8aに、脱着が可能な締結具であるボルト12が嵌着され、前記構築物3の構築後、連結具6から、切梁部材5aの取り外しが容易となるようになっている。
【0023】
以上、本実施例では、対向する前記腹起こし20間に、直接、架設する場合について説明したが、例えば図8に示すように、既設構造物14の表面を鉄筋コンクリート巻き立て構築物3aにより耐震補強する場合、一端の腹起こし20と既設構造物14との間に切梁部材5aを架設し、前記連結具6の前記当接板9を、アンカボルト15により、直接、既設構造物14に固設すれば、先の実施例で示した、連結具6、7,60の両端に設置する切梁部材5a、5bの間だけに介設した形態でなくてもよい。
【0024】
また、本実施例での前記切梁部材5bは、完成後の前記構築物3内に埋設されたが、図9に示すように、壁状の鉄筋コンクリート構築物16を構築する場合には、少なくとも2個の前記連結具6の当接板9をボルト12aにより締結し、連結具6の両端に、前記締結具12及び前記箱抜き用型枠13を、取り付けた切梁5の連結具6、7,60にも、本発明は適応される。
【0025】
さらに、図10に示すように、狭幅な壁状の鉄筋コンクリート構築物17を構築する場合には、前記当接板9を省略した連結具6の両端に、前記締結具及び前記箱抜き用型枠13を、取り付けた切梁5の連結具6、7,60にも、本発明は適用される。
【0026】
さらに、本実施例の前記連結具6、7、60は、前記構築物3内に配置される鉄筋4a、4bの配置に限らず、水道管、ガス管であってもよい。
【0027】
さらに、図示していないが、本発明の前記連結具6、7、60は、切梁山留工法における切梁としての水平部材のみに実施だけではなく、切梁山留工法における中間杭の鉛直部材にも適応が可能である。
【0028】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明によれば、切梁と鉄筋との交差する位置に、切梁を連結・軸支し、空洞を形成する前記連結具を介設したことによって、鉄筋が設計通りに設置され、盛り返しを行うことなく、容易に鉄筋を配置することが達成できる。
【0029】
また、前記連結具を、切梁の軸方向で複数に分割し、且つ脱着ができることで、前記連結具の長さの調節を可能にし、偏土圧から生じた前記連結具の移動や構築物の施工による連結具と鉄筋の配置位置との誤差を吸収でき、また、完成後の構築物外に連結具が突出しても、分割した一部の連結具を、構築物内から取り外すことができる。
【0030】
さらに、前記連結具と切梁との間に、脱着が可能な前記箱抜き用型枠を挟設したことによって、切梁の周面及び切梁と前記連結具との接合部における、構築物の型枠の加工、設置が容易となり、且つ構築物の仕上げ面が好適に形成され、且つ後打ちコンクリートの打設後においても、切梁撤去後の接合面は美観に優れる。
【0031】
さらに、前記連結具に、脱着可能な箱抜き用型枠を通設したことで、前記切梁の軸方向に、前記箱抜き用型枠の位置が移動できることで、偏土圧から生じた連結具の移動や構築物の施工誤差による前記構築物の構築位置が確実に構築できる
【0032】
さらに、前記連結具と切梁との連結部に、脱着が可能な締結具を挿設したことで、前記構築物内に埋設された連結具と切梁との取り外しが容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用して施工構成した切梁山留工法の断面図である。
【図2】切梁の連結部の概略構成を示す斜視図である。
【図3】請求項1における連結具の斜視図である。
【図4】連結具を格子状の中空ブロック体にした場合の斜視図である。
【図5】請求項2における連結具の斜視図である。
【図6】請求項1における箱抜き用型枠の断面図である。
【図7】請求項2における箱抜き用型枠の断面図である。
【図8】連結補強材を、直接、既設構築物に固設し、箱抜き用型枠及び締結具を、取り付けた切梁の連結具の断面図である。
【図9】2個の連結具を連結して、連結具の両端に、箱抜き用型枠及び締結具を、取り付けた切梁の連結具の断面図である。
【図10】当接板を省略した連結具の両端に、箱抜き用型枠及び締結具を、取り付けた切梁の連結具の断面図である。
【符号の説明】
3 鉄筋コンクリート構築物
4 鉄筋
5 切梁
6、60 連結具
8 円筒柱部材
11 空洞
12 ボルト
13、13a 箱抜き用型枠

Claims (4)

  1. 切梁山留工法における切梁の架設に当たり、該切梁と構築する鉄筋コンクリート構築物に配置される縦横の鉄筋との交差する位置に、前記切梁を連結・軸支し、且つ前記鉄筋の挿設が可能な空洞を形成した、剛体からなる連結具を、前記切梁の中間部又は端部に介設したことを特徴とする、切梁山留工法における切梁の連結具。
  2. 前記連結具を、前記切梁の軸方向で複数に分割し、且つ脱着が可能な構造にしたことを特徴とする、請求項1記載の切梁山留工法における切梁の連結具。
  3. 前記連結具と前記切梁との間又は前記連結具に、脱着が可能な箱抜き用型枠を挟設又は通設したことを特徴とする、請求項1又は2記載の切梁山留工法における切梁の連結具。
  4. 前記連結具と前記切梁との連結部に、脱着が可能な締結具を挿通して、締結したことを特徴とする、請求項1又は2又は3記載の切梁山留工法における切梁の連結具。
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