JP3670837B2 - 基板処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体ウエハ、液晶表示装置用ガラス基板およびPDP(プラズマディスプレイパネル)用ガラス基板などの各被処理基板に対して、冷却処理、加熱処理または処理ガスによるガス処理などの処理を施すための基板処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえば、液晶表示装置の製造工程には、ガラス基板の表面に微細なパターンを形成するためのフォトリソグラフィ工程が含まれる。このフォトリソグラフィ工程においては、基板の表面に塗布されたフォトレジストを乾燥させるために、基板に加熱処理を施すための基板処理装置が用いられる。
【0003】
このような基板処理装置の構成例は、たとえば特開平7−29869号公報に記載されている。上記公開公報に記載された基板処理装置は、図5に示すように、隔壁101に囲まれて形成された処理室102と、この処理室102内に配置されたホットプレート103とを備えており、このホットプレート103上に基板Sが載置されるようになっている。ホットプレート103の周囲には、処理室102内の雰囲気を排気するための排気口104が配設されている。排気口104からは、処理室102内の雰囲気が常に排気されており、基板処理時には、基板Sに対する加熱処理と並行して、処理室102から熱排気が行われる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記の構成では、大型の基板Sを処理する場合に、基板Sの温度分布が不均一になるおそれがある。すなわち、基板Sの周縁部付近では、排気口104からの排気によって形成される気流の流速が大きいのに対し、基板Sの中央部付近では、排気口104から遠いために、排気口104からの排気によって形成される気流の流速が小さい。そのため、基板Sの中央部付近では、その付近の雰囲気が滞留する。その結果、基板Sの中央部付近の温度が周縁部付近の温度に比べて高くなり、基板Sの温度分布が不均一になってしまう。
【0005】
また、基板Sの中央部付近で雰囲気が滞留するために、基板Sの表面から気化したフォトレジストなどの処理液が、処理室102から排出されずに隔壁101の内面に付着して結晶化し、パーティクルとなるおそれがある。
【0006】
そこで、このような問題点を解決するために、基板Sの熱処理中は排気口104からの排気を停止させておき、熱処理が終了して、基板Sを処理室102から搬出するために基板搬出口を開放した後に、排気口104からの排気を開始することが考えられる。こうすることによって、熱処理中においては、処理室102内に排気口104からの排気による気流のような積極的な気流が生じないので、基板Sの温度分布をほぼ均一にすることができる。また、熱処理後においては、処理室102内に外気が流入するから、処理室102内の処理液成分を含む雰囲気を、基板Sの中央部付近で滞留させることなく、排気口104から排気することができる。
【0007】
しかしながら、基板搬出口を開放した後に排気口104からの排気を開始したのでは、基板搬出口を開放したときに、処理液成分を含む雰囲気や熱雰囲気が、基板搬出口から外部に漏洩して、作業者や他の装置などに悪影響を与えるおそれがある。
【0008】
また、この種の基板処理装置は、通常、クリーンルームのような一定温度に保たれた清浄な空間内で使用される。そのため、基板搬出口から処理液成分を含む雰囲気や熱雰囲気が漏洩すると、クリーンルーム内の空気を汚染したり、クリーンルーム内の温度を乱したりしてしまう。
【0009】
そこで、この発明の目的は、上述の技術的課題を解決し、処理室内を良好に換気することができ、かつ、処理室内の雰囲気が外部に漏洩するのを防止できる基板処理装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
上記の目的を達成するための請求項1記載の発明は、隔壁によって取り囲まれて形成され、基板を収容して処理を施すための処理室と、この処理室に対して基板を搬入または搬出するために、上記隔壁に基板の通過が可能な大きさに形成された基板通過口と、この基板通過口を開閉するためのシャッタと、上記処理室に接続され、上記処理室内の雰囲気を排気するための排気手段と、基板の処理中は、上記排気手段を停止させるとともに、上記シャッタによって上記基板通過口を閉塞して、上記処理室を密閉状態とし、基板の処理開始から第1時間が経過すると、上記シャッタを動作させて、上記シャッタと上記隔壁との間に基板の通過を許容しない隙間を形成し、上記処理室をその内外が上記隙間を介して連通される密閉解除状態にするとともに、上記排気手段を動作させて、上記処理室内の雰囲気を排気し、この排気開始から第2時間が経過するまで、その状態を維持することによって、上記処理室内を換気した後、上記シャッタを動作させて、上記基板通過口を開放し、上記処理室を上記処理室に対して基板を搬入または搬出可能な開放状態にする制御手段とを含むことを特徴とする基板処理装置である。
【0012】
以上の構成によれば、制御手段による制御の下、基板の処理中は、排気手段が停止されるとともに、シャッタによって基板通過口が閉塞されて、処理室が密閉状態とされる。そして、基板の処理開始から第1時間が経過すると、シャッタが動作されて、シャッタと隔壁との間に基板の通過を許容しない隙間が形成されることによって、処理室内の密閉状態が解除されるとともに、排気手段が動作されて処理室内の雰囲気が排気される。この排気開始から第2時間が経過するまで、その状態が維持されることによって、処理室内が換気された後、シャッタがさらに動作されて、処理室の状態が処理室内外で基板を通過させることのできる開放状態にされる。すなわち、処理室を開放状態にして雰囲気の排気を行うのではなく、処理室内外が基板の通過を許容しない程度の微小な隙間を介して連通された密閉解除状態で、処理室内からの雰囲気の排気が行われる。
【0014】
これにより、処理室内外を連通する微小な隙間から処理室内に外気が勢いよく流入するから、処理室内に雰囲気が滞留する部分が生じず、処理室内を良好に換気することができる。ゆえに、排気後に処理室を開放状態にしても、処理室内の雰囲気が外部に漏洩して作業者や他の装置などに悪影響を与えるおそれがない。
【0015】
また、処理後の雰囲気が処理室内に滞留したままになることがないから、処理部における処理またはその直前の処理工程で、たとえばフォトレジストなどの処理液やHMDS(ヘキサメチルジシラザン)などの処理ガスを用いた処理を行った場合においては、基板の表面から気化した処理液または処理ガスが、処理室から排出されずに隔壁の内壁面上で結晶化するおそれがない。ゆえに、パーティクルの発生を抑えることができる。
【0016】
さらに、この基板処理装置がクリーンルーム内に設置されている場合には、処理室内の雰囲気によってクリーンルーム内の空気を汚染したり、クリーンルーム内の温度を乱したりするおそれをなくすことができる。
【0017】
なお、上記処理室は、その内部に基板を加熱または冷却するための熱処理プレートが設けられて、基板に対して熱処理を施すためのものであってもよいし、基板に対して処理ガスによる処理を施すためのものであってもよい。
【0020】
さらには、たとえば、処理室内で前の基板を処理したときの熱雰囲気が滞留していることがなく、また、熱処理中に雰囲気の排気による積極的な気流が基板の周囲に発生することがないので、基板の温度分布の均一性を向上させることができる。また、基板に処理ガスによる処理を施す構成の場合には、処理中に雰囲気の排気による積極的な気流が基板の周囲に発生することがないので、処理ガスによる処理を基板の表面全域に均一に施すことができる。
【0028】
請求項2記載の発明は、上記排気手段は、上記処理室において処理される基板を挟んで上記基板通過口と対向する位置に接続されていることを特徴とする請求項1記載の基板処理装置である。
【0029】
この構成によれば、基板通過口から処理室内に流入した外気は、処理室内において基板がセットされる位置を通過して、基板通過口と対向する位置に接続された排気手段へ導かれるから、基板位置付近における雰囲気の滞留をより確実に防止することができる。これにより、処理室内における処理液や処理ガスの結晶化によるパーティクルの発生を、さらに防止することができる。また、たとえば基板を熱処理する構成の場合には、基板の温度分布の均一性をさらに向上させることができる。
【0030】
請求項3記載の発明は、基板が載置されるプレートと、このプレートとともに、基板を収容して処理を施すための処理室を区画形成するための蓋体と、上記処理室に接続され、上記処理室内の雰囲気を排気するための排気手段と、基板の処理中は、上記排気手段を停止させるとともに、上記蓋体を上記プレートに当接させて、上記処理室を密閉状態とし、基板の処理開始から第1時間が経過すると、上記蓋体を上記プレートから離間させて、上記蓋体と上記プレートとの間に基板の通過を許容しない隙間を形成し、上記処理室をその内外が上記隙間を介して連通される密閉解除状態にするとともに、上記排気手段を動作させて、上記処理室内の雰囲気を排気し、この排気開始から第2時間が経過するまで、その状態を維持することによって、上記処理室内を換気した後、上記蓋体を上記プレートからさらに離間させて、上記処理室を上記処理室に対して基板を搬入または搬出可能な開放状態にする制御手段とを含むことを特徴とする基板処理装置である。
この構成によれば、制御手段による制御の下、基板の処理中は、排気手段が停止されるとともに、蓋体がプレートに当接されて、処理室が密閉状態とされる。そして、基板の処理開始から第1時間が経過すると、蓋体がプレートから離間されて、蓋体とプレートとの間に基板の通過を許容しない隙間が形成されることによって、処理室内の密閉状態が解除されるとともに、排気手段が動作されて処理室内の雰囲気が排気される。この排気開始から第2時間が経過するまで、その状態が維持されることによって、処理室内が換気された後、蓋体がプレートからさらに離間されて、処理室の状態が処理室内外で基板を通過させることのできる開放状態にされる。すなわち、処理室を開放状態にして雰囲気の排気を行うのではなく、処理室内外が基板の通過を許容しない程度の微小な隙間を介して連通された密閉解除状態で、処理室内からの雰囲気の排気が行われる。
よって、請求項3記載の発明によれば、請求項1記載の発明と同様な効果を達成することができる。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0035】
図1は、この発明の第1の実施形態に係る基板処理装置の構成を簡略化して示す断面図である。この基板処理装置は、フォトレジストなどの処理液が塗布された液晶表示装置用ガラス基板などの基板Sに対して、加熱または冷却する熱処理を施すための装置であり、基板Sが載置される熱処理プレート1を有している。
【0036】
熱処理プレート1は、この基板処理装置が基板Sに加熱処理を施すものである場合には、面状ヒータなどの加熱手段を内蔵したホットプレートが適用され、基板Sに冷却処理を施すものである場合には、冷却水配管または電子冷熱素子(たとえばペルチエ素子)などの冷却手段を内蔵したクールプレートが適用される。熱処理プレート1の上面には、球状のプロキシミティ・ボール11が複数個配設されており、処理対象の基板Sは、この複数個のプロキシミティ・ボール11上に載置されることによって、熱処理プレート1の上面から微少間隔だけ離れた状態で支持されるようになっている。
【0037】
熱処理プレート1は、隔壁2によって取り囲まれて形成された処理室3内に収容されている。図1において隔壁2の右側面2Aには、スロット状の基板通過口21が形成されており、この基板通過口21から基板Sが処理室3に対して搬入/搬出される。この基板通過口21に関連して、隔壁2の右側面2Aの外側には基板通過口21を開閉するためのシャッタ4が配置されている。また、隔壁2の右側面2Aには、基板通過口21の周縁に沿ってOリング22が配置されており、シャッタ4によって基板通過口21が閉塞されたときに、処理室3内の雰囲気が基板通過口21を介して漏洩するのを防止できるようになっている。
【0038】
シャッタ4は、駆動機構5によって開閉駆動されるようになっている。駆動機構5には、略鉛直方向に延びたリニアガイド51と、リニアガイド51に沿って昇降可能な昇降ブロック52とが備えられている。昇降ブロック52には、エアシリンダ53のロッド53Aが連結されており、エアシリンダ53によってロッド53Aを上下方向に沿って進退させると、昇降ブロック52はリニアガイド51に沿って昇降する。
【0039】
シャッタ4は、リンク機構54を介して昇降ブロック52に取り付けられている。リンク機構54は、昇降ブロック52の図1における手前側および奥側にそれぞれ設けられており、鉛直面に沿う回動が可能であるように一端が昇降ブロック52に連結された2枚のリンク板55を備えている。この2枚のリンク板55は、他端がシャッタ4に回動可能に連結されており、互いに平行をなすように上下に並設されている。これにより、シャッタ4は、昇降ブロック52との平行を保ちつつ、昇降ブロック52に対して相対的に回動することができる。
【0040】
シャッタ4の所定部には、隔壁2の右側面2Aと平行な水平方向に沿う軸線まわりに回動自在なコロ41が設けられており、このコロ41には、昇降ブロック52にスプリング56を介して連結された押上部材57が下方から当接している。押上部材57は、スプリング56の弾性力によって上向きに付勢されていて、これにより、シャッタ4は、常時上向きに付勢されている。また、シャッタ4には、下端縁から下方に向けて延びた一対の保持部43が形成されており、この一対の保持部43には、それぞれ隔壁2の右側面2Aと平行な水平方向に沿う軸線まわりに回動自在なカムフォロア44が保持されている。これに対応して、カムフォロア44の上方には、昇降ブロック52の上昇によってシャッタ4が基板通過口21に対向したときにカムフォロア44が当接するような位置に、シャッタ4の上方への移動を規制するためのストッパ58が設けられている。
【0041】
シャッタ4が基板通過口21よりも下方に移動されて、基板通過口21が開放された状態から、エアシリンダ53のロッド53Aが伸長されると、ロッド53Aに連結された昇降ブロック52が上昇する。昇降ブロック52が上昇すると、この昇降ブロック52の上昇に伴ってシャッタ4が上昇する。シャッタ4が基板通過口21に対向する高さまで上昇すると、揺動ブロック52に取り付けられたカムフォロア44がストッパ58に当接する。その後、昇降ブロック52をさらに上昇させると、ストッパ58によってシャッタ4の上昇が規制されるため、シャッタ4に作用する上向きの力は、リンク機構54によってシャッタ4が隔壁2へ近接する方向の力に変換される。その結果、シャッタ4がOリング22に押し付けられ、基板通過口21がシャッタ4によって閉塞されて、処理室3内がほぼ密閉された状態となる。
【0042】
一方、シャッタ4によって基板通過口21が閉塞された状態(図1に示す状態)から、エアシリンダ53のロッド53Aが収縮されると、昇降ブロック52が下降する。昇降ブロック52が下降すると、シャッタ4は、スプリング56の弾性力およびリンク機構54の働きによって、昇降ブロック52に対して図1における時計回りに回転する。その結果、シャッタ4は、基板通過口21に対向した高さのままで隔壁2の右側面2Aから離間する方向へ移動し、隔壁2とシャッタ4との間には隙間が生じる。そして、昇降ブロック52がさらに下降され、カムフォロア43がストッパ58から離間した後は、シャッタ4は昇降ブロック52とともに下降して、基板過口21が大きく開放される。
【0043】
図1において処理室3の左側壁を形成する隔壁2Bには、熱処理プレート1を挟んで基板通過口21と対向する位置に、処理室3内の雰囲気を排気するための排気口61が形成されている。この排気口61には、排気管62および電磁弁63を介して排気設備64が接続されており、排気口61、排気管62および排気設備64によって排気手段が構成されている。
【0044】
なお、本実施形態においては、処理室3内の排気を開始させるための手段として電磁弁63を用いているが、エア圧で弁体を駆動させるエア弁、または、シリンダやモータなどの駆動機器で弁体を駆動させる排気ダンパー等でもよい。さらに、これらのような排気管62の開閉手段を特に設けず、排気設備54の運転を停止状態から開始状態に変化させることで、処理室3内の排気を開始するようにしてもよい。さらに、排気設備64としては、工場の排気ライン、排気ブロアーまたは真空ポンプ等、負圧源となり得るものであればいずれでもよい。
【0045】
この排気手段による排気動作および上記したシャッタ4の開閉動作は、制御手段としての制御装置7によって制御される。具体的に説明すれば、制御装置7は、たとえばマイクロコンピュータで構成されており、内蔵されたメモリに記憶されているプログラムに従って、エアシリンダ53および電磁弁63を制御することにより、排気動作およびシャッタ4の開閉動作を制御する。
【0046】
図2は、制御装置7によって実行される制御動作について説明するための図解図である。処理すべき基板Sは、基板通過口21が開放された状態で図示しない基板搬送ロボットによって処理室3内に搬入され、熱処理プレート1上に載置される。基板Sの搬入が完了すると、制御装置7は、図1に示すエアシリンダ53のロッド53Aを伸長させて、シャッタ板4で基板通過口21を閉塞する。これにより、処理室3内はほぼ密閉された状態となる(図2(a) 参照)。
【0047】
こうして処理室3内が密閉された状態で、基板Sに対して熱処理プレート1による熱処理が施される。このとき、電磁弁63は閉成されており、排気口61からの雰囲気の排気は行われていない。したがって、基板Sに熱処理を施している間において、排気口61からの排気による気流のような積極的な気流が生じないから、基板Sの温度分布がほぼ均一になり、基板Sの全域にほぼ均一な熱処理を施すことができる。
【0048】
基板Sの熱処理が開始されてから予め設定された第1時間が経過すると、制御装置7は、エアシリンダ53のロッド53Aを所定距離だけ収縮させる。この所定距離は、たとえば、シャッタ4に備えられたカムフォロア44がストッパ58から離間しないような距離に設定されている。したがって、ロッド53Aが所定距離だけ収縮されると、シャッタ4が隔壁2からほぼ水平方向に離間して、隔壁2とシャッタ4との間に隙間D1が生じ、処理室3の密閉が解除された状態となる(図2(b) 参照)。
【0049】
また、制御装置7は、エアシリンダ53に向けて制御信号を出力するのと同時に、電磁弁63に向けて電磁弁63を開成する旨の制御信号を出力する。その結果、処理室3内の雰囲気が排気口61から排気されるとともに、隔壁2とシャッタ4との間に形成された隙間D1から処理室3内に外気が導入されて、処理室3内の雰囲気が外気と置換される。
【0050】
そして、電磁弁63を開成してから予め設定された第2時間が経過すると、制御装置7は、エアシリンダ53のロッド53Aをさらに収縮させ、シャッタ4を下方へと移動させて、基板通過口21を大きく開放し、処理室3を開放した状態とする(図2(c) 参照)。その後、図示しない基板搬送ロボットによって、熱処理を受けた基板Sが基板通過口21を介して処理室3内から搬出される。
【0051】
以上のようにこの実施形態によれば、基板Sに熱処理を施している間は、排気口61からの排気が停止されており、基板Sの熱処理が開始されてから予め設定された第1時間が経過して、基板Sに対する熱処理が終了した後、シャッタ4を隔壁2から少しだけ離間させると同時に排気口61からの排気が開始される。これにより、隔壁2とシャッタ4との間に形成された隙間D1から勢いよく外気が流入するから、基板Sの表面から気化した処理液を含む雰囲気や熱雰囲気が、処理室3から外部に漏れ出して作業者や他の装置などに悪影響を与えるおそれがない。また、この基板処理装置がクリーンルーム内に設置されている場合には、処理室3内の雰囲気によってクリーンルーム内の空気を汚染したり、クリーンルーム内の温度を乱したりするおそれをなくすことができる。
【0052】
さらに、隙間D1から勢いよく外気が流入するから、処理室3内に雰囲気が滞留する部分が生じず、処理室3内を良好に換気することができる。これにより、基板Sの表面から気化したフォトレジストなどの処理液が、処理室3から排出されずに隔壁2の内壁面に付着して結晶化するおそれをなくすことができ、パーティクルの発生を抑えることができる。また、処理室3内の換気が良好に行われるから、排気を開始してから予め定める第2時間が経過した時に基板通過口21を大きく開放しても、その開放された基板通過口21から処理液成分を含む雰囲気や熱雰囲気が外部に漏れ出すことはない。
【0053】
さらには、基板Sに対する熱処理が開始されてから予め定める第1時間は、排気口61からの排気が停止されており、基板Sの周囲に積極的な気流が発生することがないので、基板Sの温度分布の均一性を向上させることができる。
【0054】
また、この実施形態においては、排気口61が、熱処理プレート1(基板S)を挟んで基板通過口21と対向する位置に設けられている。これにより、隙間D1から基板通過口21を介して処理室3内に流入した外気は、熱処理プレート1を通過して、基板通過口21に対向する排気口61へと導かれるから、熱処理プレート1付近における熱雰囲気の滞留をより確実に防止することができ、次の基板Sを熱処理する際に、その基板Sの温度分布が不均一になるおそれをさらになくすことができる。
【0055】
基板通過口21を開放した時に処理室3内の雰囲気が漏れ出すのを防止するために、基板Sに対する熱処理が終了するよりも所定時間前に排気口61からの排気を開始して、処理室3内を負圧にした状態で、基板通過口21を一気に開成することが考えられる。しかしながら、処理室3内が負圧になると、シャッタ4が基板通過口21に吸い付けられて、シャッタ4がスムーズに開成されないおそれがある。これに対し、この実施形態に係る基板処理装置においては、処理室3内がほぼ大気圧に等しい状態でシャッタ4が開成されるので、シャッタ4の動作不良を生じるおそれがない。
【0056】
なお、シャッタ4を開閉させるための駆動機構5としては、上述したゲートバルブ構成に限らず、シャッタ4を隔壁2の右側面2に沿って上下にスライドさせる構成であってもよい。また、隔壁2の右側面2Aと平行な水平軸線まわりにシャッタ4を回動させることによって、基板通過口21を開閉する構成であってもよい。さらには、シャッタ4が上下に2分割されて、各分割部分を隔壁2の右側面2Aと平行な水平軸線まわりに回動させることによって、基板通過口21を開閉する構成であってもよい。
【0057】
また、この実施形態では、シャッタ4と隔壁2との間に隙間D1が生じた状態でシャッタ4の開成動作を一時停止させ、その状態で処理室3内からの排気を行った後に、基板通過口21を全開させている。しかしながら、シャッタ4を開成動作の途中で一時停止させる回数は1回に限らず、シャッタ4が開成動作の途中で2回以上一時停止されて、シャッタ4が複数段階を経て全開されるように制御されてもよい。
【0058】
さらに、必ずしもシャッタ4の開成動作を一時停止させる必要はなく、たとえば、シャッタ4の開成動作を開始すると同時に処理室3内からの排気を開始し、その後、処理室3からの排気を行いつつ、シャッタ4を停止させずに開成させるような制御が行われてもよい。また、シャッタ4と隔壁2との間に間隔D1が形成される前後でシャッタ4の動作速度が変更されてもよく、たとえば、間隔D1が生じるまでは比較的低速でシャッタ4を開成し、その後はシャッタ4を比較的高速で開成するといった制御が行われてもよい。
【0059】
図3は、この発明の第2の実施形態に係る基板処理装置について説明するための図解図である。この図3において、図2に示す各部に相当する部分には、同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0060】
この第2の実施形態に係る基板処理装置においては、シャッタ4によって基板通過口21が閉塞された状態で処理室3内に外気を導入できるように、シャッタ4に流入口81が形成されている。この流入口81に関連して、流入口81を開閉するための流入口シャッタ82が設けられている。流入口シャッタ82は、エアシリンダ83によって上下にスライド駆動されるようになっており、この流入口シャッタ82およびエアシリンダ83によって流入口開閉手段が構成されている。
【0061】
基板Sに対する熱処理は、シャッタ4によって基板通過口21が閉塞され、流入口シャッタ82によって流入口81が閉塞された状態で行われる(図3(a) 参照)。このとき、電磁弁63は閉成されており、排気口61からの雰囲気の排気は行われていない。そして、基板Sの熱処理が開始されてから予め設定された第1時間が経過すると、流入口シャッタ82が開成されて流入口81が開放されると同時に、電磁弁63が開成される。これにより、処理室3内の雰囲気が排気口61から排気されるとともに、流入口81から処理室3内に外気が導入されて、処理室3内の雰囲気が外気と置換される(図3(b) 参照)。
【0062】
そして、流入口シャッタ82および電磁弁63を開成してから予め設定された第2時間が経過すると、シャッタ4が開成されて基板通過口21が開放される(図3(c) 参照)。その後、図示しない基板搬送ロボットによって、熱処理を受けた基板Sが基板通過口21を介して処理室3内から搬出される。
【0063】
この実施形態によれば、基板通過口21が開成されるよりも前に、基板通過口21よりも開口面積の小さい流入口81が開成されるとともに、排気口61からの排気が開始される。これにより、流入口81からは外気が勢いよく流入するから、処理室3内の雰囲気が外部に漏れ出すことがなく、上述した第1実施形態の構成と同様な効果を奏することができる。また、第1実施形態と同様に、基板Sに対する熱処理が開始されてから予め定める第1時間は、排気口61からの排気が停止されているから、基板Sの温度分布の均一性を向上させることができる。
【0064】
また、この第2の実施形態においても、上述の第1の実施形態と同様に、処理室3内がほぼ大気圧に等しい状態でシャッタ4が開成されるので、シャッタ4の動作不良を生じるおそれがない。
【0065】
なお、この第2の実施形態においては、流入口81がシャッタ4に形成されているが、流入口81は、シャッタ4以外の場所、すなわち隔壁2に形成されていてもよい。
【0066】
さらに、流入口81および排気口61は、熱処理プレート1を挟んで互いに対向した位置に形成されるのが好ましく、こうすることにより、流入口81から流入した外気が、熱処理プレート1を通過して排気口61へと導かれるから、熱処理プレート1付近における熱雰囲気の滞留をより確実に防止することができる。
【0067】
また、たとえばHEPAフィルタなどを通過させた後の清浄な空気が流入口81に供給されるように構成されていれば、処理室3内を清浄な空気と置換することができ、処理室3内にパーティクルが流入するのを防止することができる。
【0068】
図4は、この発明の第3の実施形態に係る基板処理装置について説明するための図解図である。この図4においても、図2に示す各部に相当する部分には、同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0069】
この第3の実施形態に係る基板処理装置は、熱処理プレート1と、この熱処理プレート1とともに処理室3を区画形成するための蓋体91とを備えている。蓋体91は、矩形状の上面92とこの上面92の周縁から垂下した周面93とを有しており、上面92には、排気管93および電磁弁94を介して排気設備に接続された排気口95が形成されている。また、蓋体91は、図示しない昇降機構によって、その下端縁が熱処理プレート1の上面に当接して、基板Sの周囲を密閉する密閉状態(図4(a)に示す状態)と、熱処理プレート1の上方に移動して、熱処理プレート1に対する基板Sの受渡しが可能な開放状態(図4(c)に示す状態)との間で昇降されるようになっている。
【0070】
基板Sに対する熱処理は、基板Sが熱処理プレート1上に載置されて、蓋体91によって基板Sの周囲が密閉された状態で行われる(図4(a) 参照)。このとき、電磁弁94は閉成されており、排気口95からの雰囲気の排気は行われていない。そして、基板Sの熱処理が開始されてから予め設定された第1時間が経過すると、蓋体91が予め設定された距離だけ上方へ移動されると同時に、電磁弁94が開成される。これにより、蓋体91の下端縁と熱処理プレート1の上面との間に隙間D2が生じ、この隙間D2から蓋体91の内部に外気が導入されるとともに、基板Sの周囲の雰囲気(蓋体91の内部の雰囲気)が排気口95から排気されて、基板Sの周囲の雰囲気が外気と置換される(図4(b) 参照)。
【0071】
そして、電磁弁94を開成してから予め設定された第2時間が経過すると、蓋体91がさらに上方へと移動される(図2(c) 参照)。その後、図示しない基板搬送ロボットによって、熱処理を受けた基板Sが熱処理プレート1上から取り除かれる。
【0072】
この実施形態によれば、基板Sに対する熱処理が行われている間は、排気口95からの排気が停止されており、基板Sに対する熱処理が終了した後、蓋体91を熱処理プレート1の上面から少しだけ離間させると同時に排気口95からの排気が開始される。これにより、蓋体91の下端縁と熱処理プレート1の上面との間に生じる隙間D2から蓋体91の内側に外気が勢いよく流入するから、基板Sの周囲の雰囲気が外部に漏れ出すことがなく、上述した第1および第2の実施形態の構成と同様な効果を奏することができる。
【0073】
なお、この第3の実施形態においても、上述した第1の実施形態におけるシャッタ4の開成制御と同様に、蓋体91を密閉状態から開放状態に移動させる際に蓋体91の動作を複数回一時停止させて、蓋体91を段階的に上昇させるような制御が行われてもよい。また、蓋体91の上昇を開始すると同時に排気を開始し、その後、基板Sの周囲の雰囲気を排気しつつ、蓋体91を開放状態まで停止させずに上昇させるような制御が行われてもよい。
【0074】
この発明の3つの実施形態のうち、第2および第3の実施形態において、たとえば、処理室の隔壁に形成された微小な流入口にエア弁を接続しておき、このエア弁を閉成した状態で基板の熱処理を行い、基板通過口を開成するよりも所定時間前に、エア弁を開成すると同時に処理室内の排気を開始させるといった形態を採ることもできる。これにより、複雑なシャッター機構を用いることなく流入口を開成させることができるので、装置の構成をより簡単にできる。
【0075】
また、処理室内への気体の流入のみを許可する逆止弁または処理室の内外での気圧差が所定の気圧差よりも大きくなったときに処理室内への気体の流入のみを許可するリーク弁を処理室の隔壁に形成された流入口に接続しておき、基板通過口を開成するよりも所定時間前に処理室内の排気を開始するといった構成を採ることもできる。この構成が採用された場合、基板通過口の開放に先立って外気を流入させる際に、基板通過口や流入口の開閉制御を行う必要をなくすことができる。
【0076】
なお、この発明の3つの実施形態の第1時間及び第2時間について、処理室3の密閉解除状態が開始される上記第1時間は、処理室3内で基板が処理されるのに十分な時間とし、処理室3の開放状態が開始される上記第2時間は、処理室3内の熱雰囲気または処理ガスが排気されるのに十分な時間とすることが望ましい。
【0077】
また、上述の3つの実施形態においては、この発明が基板Sに加熱処理を施すための装置に適用された場合を例にとったが、この発明に適用される加熱処理装置は、たとえば、基板表面の水分を加熱乾燥させるための脱水ベーク装置、化学増幅型のフォトレジスト膜が塗布された基板を露光処理後に加熱するためのポストイクスポージャーベーク装置、フォトレジスト膜が塗布された基板を露光処理および現像処理後に加熱するためのハードベーク装置等を含む。
【0078】
また、この発明は、上記加熱処理装置の他、所定の温度の基板を冷却するクーリング装置等に適用することもでき、さらに、フォトレジストを塗布する前に、フォトレジストと基板Sとの密着力を高めるためのHMDS(ヘキサメチルジシラザン)を塗布するHMDS塗布装置、イオンを含む処理ガスを基板に供給して基板表面を腐食させるドライエッチング処理装置、オゾンを含む処理ガスを基板に供給して基板表面の膜を灰化させるアッシング処理装置、シリコンや金属を含む処理ガスを供給して基板表面にシリコン膜や金属膜を形成するやCVD処理装置、または、酸素を含む高温の処理ガスを基板に供給して基板表面に酸化膜を形成する熱酸化処理装置など、処理ガスを供給して基板Sを処理する装置に適用することもできる。
【0079】
さらに、上述の実施形態においては、液晶表示装置用ガラス基板を処理するための装置を例にとったが、この発明は、フォトマスク用ガラス基板や半導体ウエハなど他の種類の基板を処理するための装置に適用することができる。
【0080】
その他、特許請求の範囲に記載された技術的事項の範囲内で、種々の設計変更を施すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態に係る基板処理装置の構成を簡略化して示す断面図である。
【図2】図1に示す基板処理装置の動作について説明するための図解図である。
【図3】この発明の第2の実施形態に係る基板処理装置について説明するための図解図である。
【図4】この発明の第3の実施形態に係る基板処理装置について説明するための図解図である。
【図5】従来の基板処理装置の構成を簡略化して示す断面図である。
【符号の説明】
1 熱処理プレート
2 隔壁
21 基板通過口
3 処理室
4 シャッタ
61,95 排気口(排気手段)
62,93 排気管(排気手段)
64 排気設備(排気手段)
7 制御装置(制御手段)
91 蓋体
S 基板

Claims (3)

  1. 隔壁によって取り囲まれて形成され、基板を収容して処理を施すための処理室と、
    この処理室に対して基板を搬入または搬出するために、上記隔壁に基板の通過が可能な大きさに形成された基板通過口と、
    この基板通過口を開閉するためのシャッタと、
    上記処理室に接続され、上記処理室内の雰囲気を排気するための排気手段と、
    基板の処理中は、上記排気手段を停止させるとともに、上記シャッタによって上記基板通過口を閉塞して、上記処理室を密閉状態とし、基板の処理開始から第1時間が経過すると、上記シャッタを動作させて、上記シャッタと上記隔壁との間に基板の通過を許容しない隙間を形成し、上記処理室をその内外が上記隙間を介して連通される密閉解除状態にするとともに、上記排気手段を動作させて、上記処理室内の雰囲気を排気し、この排気開始から第2時間が経過するまで、その状態を維持することによって、上記処理室内を換気した後、上記シャッタを動作させて、上記基板通過口を開放し、上記処理室を上記処理室に対して基板を搬入または搬出可能な開放状態にする制御手段とを含むことを特徴とする基板処理装置。
  2. 上記排気手段は、上記処理室において処理される基板を挟んで上記基板通過口と対向する位置に接続されていることを特徴とする請求項1記載の基板処理装置。
  3. 基板が載置されるプレートと、
    このプレートとともに、基板を収容して処理を施すための処理室を区画形成するための蓋体と、
    上記処理室に接続され、上記処理室内の雰囲気を排気するための排気手段と、
    基板の処理中は、上記排気手段を停止させるとともに、上記蓋体を上記プレートに当接させて、上記処理室を密閉状態とし、基板の処理開始から第1時間が経過すると、上記蓋体を上記プレートから離間させて、上記蓋体と上記プレートとの間に基板の通過を許容しない隙間を形成し、上記処理室をその内外が上記隙間を介して連通される密閉解除状態にするとともに、上記排気手段を動作させて、上記処理室内の雰囲気を排気し、この排気開始から第2時間が経過するまで、その状態を維持することによって、上記処理室内を換気した後、上記蓋体を上記プレートからさらに離間させて、上記処理室を上記処理室に対して基板を搬入または搬出可能な開放状態にする制御手段とを含むことを特徴とする基板処理装置。
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