JP3671952B2 - 回転電機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転電機(電動機や発電機)、特に、ステータの内外周にそれぞれインナーロータおよびアウターロータを回転自在に具えた、所謂複合電流多層モータと称せられる回転電機の改良提案に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種型式の回転電機としては従来、例えば特許文献1に記載のような永久磁石型回転同期モータが知られている。
【0003】
特開2000−14103号公報
【0004】
この回転電機は、ステータの一端をハウジングに固設し、ステータの内外周におけるインナーロータおよびアウターロータをそれぞれ、ステータの他端近傍の中心に相互に回転自在に嵌合して配置されたインナーロータ軸およびアウターロータ軸に駆動結合する。
【0005】
一方でインナーロータおよびアウターロータはそれぞれ、駆動制御のために回転位置を逐一検出される必要があり、そのための回転位置検出センサの配置に当たっては従来、これらセンサをインナーロータ軸およびアウターロータ軸に関連して設けるため、インナーロータ用の回転位置センサおよびアウターロータ用の回転位置センサを共にインナーロータ軸およびアウターロータ軸が存在する回転電機の軸線方向端部に配置していた。
【0006】
しかし、かようにインナーロータ用の回転位置センサおよびアウターロータ用の回転位置センサを共にインナーロータ軸およびアウターロータ軸が存在する回転電機の軸線方向端部に配置するのでは、ステータへ冷却水の給排や給電を行う設備を回転電機の当該軸線方向端部に設置するスペースを確保し難く、回転電機の他方の軸線方向端部に設置するしかないため、回転電機の当該軸線方向端部が大きく張り出すこととなって以下の問題を生ずる。
つまり、上記の回転電機を差動装置と組み合わせてハイブリッド変速機を構成する場合、回転電機のインナーロータ軸およびアウターロータ軸が突出する端部に差動装置およびエンジンを順次配置することから、エンジンおよび差動装置から遠い回転電機の端部がハイブリッド変速機の後端部となり、この後端部が上記したごとくステータ冷却水の給排設備や給電設備のために大きく張り出す。
【0007】
しかし、ハイブリッド変速機をエンジンルームに横置きして搭載する場合、ハイブリッド変速機の後端部が操舵輪である前輪の近くに位置することとなり、この後端部が上記のように大きく張り出していると、前輪の操舵角が制約を受けて車両の旋回半径が大きくなるという問題を生ずる。
【0008】
そこでアウターロータ用の回転位置センサを、アウターロータ軸が突出する回転電機の軸線方向端部ではなく、反対側の端部に配置させ得るよう回転電機を以下のごとくに構成することが考えられる。
つまり、ステータの一端をハウジングに固設し、このステータ固設部にインナーロータ軸を回転自在に貫通し、このインナーロータ軸に貫通させたアウターロータ軸とアウターロータとの間をステータの上記一端から遠い他端において相互に駆動結合する。
【0009】
この場合、インナーロータ用回転位置センサはインナーロータ軸が突出する側の軸線方向端部に位置させることになるが、アウターロータ用回転位置センサはアウターロータおよびアウターロータ軸の駆動結合部に配置し得るから、インナーロータ用回転位置センサとは反対の軸線方向端部に位置させることができる。従って、インナーロータ軸およびアウターロータ軸が突出する回転電機の軸線方向端部にステータ冷却水の給排設備や給電設備を配置するスペースを確保することができ、ハイブリッド変速機の後端部が大きく張り出すのを回避し得て操舵角が制約を受けるという前記の問題を解消することができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この構成においてはインナーロータ軸およびアウターロータ軸が突出する回転電機の軸線方向端部にステータ冷却水の給排設備や給電設備を配置することから、ステータ固設部に貫通したインナーロータ軸を回転自在に支持する軸受を大径にすることができず、高速回転するインナーロータ軸の軸受として強度不足を免れない。
【0011】
本発明は、上記の軸受と同じくインナーロータ軸の外周およびステータ固設部間に配置するインナーロータ回転位置センサとの関連において、当該軸受を適切に配置することにより、この軸受とインナーロータの軸受との間における軸受スパンを大きくし、もって、ステータ冷却水の給排設備や給電設備の存在故に小径にせざるを得ないインナーロータ軸の軸受であってもこれが、高速回転するインナーロータ軸の十分な軸受強度を提供し得るようにした回転電機の構成を提案することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この目的のため本発明は、請求項1に記載のごとく、
ステータの内外周にそれぞれインナーロータおよびアウターロータを回転自在に具え、ステータの一端をハウジングに固設し、このステータ固設部に、インナーロータに結着したインナーロータ軸を貫通して軸受により回転自在に支持すると共に、これらステータ固設部およびインナーロータ軸間にインナーロータ回転位置センサを具え、インナーロータ軸に貫通させたアウターロータ軸とアウターロータとの間をステータの前記一端から遠い他端において相互に駆動結合した回転電機において、
前記ステータ固設部に取り付けた前記インナーロータ回転位置センサの内周を、インナーロータ軸に嵌着した前記軸受の外周よりも大径にして、インナーロータ軸をステータ固設部に挿入するとき前記軸受がインナーロータ回転位置センサ内を通過し得るよう構成したことを特徴とするものである。
【0013】
【発明の効果】
かかる本発明の構成によれば、インナーロータ軸の軸受とインナーロータの軸受との間における軸受スパンが大きくなり、これにより、ステータ冷却水の給排設備や給電設備の存在故にインナーロータ軸の軸受を小径にせざるを得ないといえどもこれが、高速回転するインナーロータ軸の十分な軸受強度を提供して前記の軸受強度不足に関する問題を解消することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態になる回転電機を示し、この回転電機を以下のごとき複合電流多層モータとする。
このモータは1個の円環状のステータ1と、その内外周にそれぞれ同軸に配置したインナーロータ2およびアウターロータ3とよりなる三重構造とし、これらをハウジング4内に収納して構成する。
【0015】
この収納に当たっては、ハウジング4の一端(前端)側にボルト5で取着してベアリングホルダー6を固設し、これに一体結合したアダプター7と、ハウジング4の他端側に配したアダプター8との間に挟んでアウター側貫通ボルト9およびインナー側貫通ボルト10によりステータ1を固定する。
従ってベアリングホルダー6は、本発明におけるステータ固設部を構成する。
【0016】
インナーロータ2の内周に中空のインナーロータ軸11を結着し、この軸11をベアリングホルダー6に貫通させてハウジング4の上記一端(前端)側から突出させると共にベアリングホルダー6内のベアリング(軸受)12により回転自在に支持する。
【0017】
中空のインナーロータ軸11内にはアウターロータ軸13を回転自在に貫通させて、インナーロータ軸11と同じくハウジング4の前端側から突出させる。
アウターロータ3の両端にはそれぞれ、エンドプレート14,15を結着して設け、前端側のエンドプレート14は、その内周をベアリング16によりベアリングホルダー6(ハウジング4)に対し回転自在に支持してアウターロータ3の前端側の支承に供し、後端側のエンドプレート15は、その内周部近傍をベアリング17によりハウジング4に対し回転自在に支持してアウターロータ3の後端側の支承に供する。
後端側エンドプレート15の内周はアウターロータ軸13の後端外周にセレーション嵌合し、これによりアウターロータ3をアウターロータ軸13に駆動結合する。
【0018】
後端側エンドプレート15の内周部近傍とインナーロータ軸11の後端との間にはベアリング(軸受)18を介在させ、これによりインナーロータ2の後端をインナーロータ軸11を介してハウジング4に回転自在に支持する。
後端側エンドプレート15は更にベアリング19を介して、ベアリングホルダー6から遠いステータ1の遊端を径方向に位置決めする用もなす。
【0019】
インナーロータ2用の回転位置センサ20を、インナーロータ軸11用の軸受12と同じく、ベアリングホルダー6の内周およびインナーロータ軸11の外周間に介挿するが、本実施の形態においては特に、インナーロータ軸11用の軸受12をインナーロータ回転位置センサ20よりもインナーロータ2から遠い側に配置する。
そして、ハウジング4に穿った冷却水路4aおよびベアリングホルダー6に穿った冷却水路6aなどを含むステータ1の冷却水給排設備、およびステータ1の給電設備21をそれぞれ、軸受12およびインナーロータ回転位置センサ20の周囲に配置する。
アウターロータ3の回転位置センサ22は、後端側エンドプレート15を介してアウターロータ3を駆動結合されたアウターロータ軸13の後端部を包囲するよう配してハウジング4に取着する。
【0020】
軸受12は図2に示すように、インナーロータ軸11の外周に予備組み付けし、回転位置センサ20は図1に示すようにベアリングホルダー6の内周に呼び組み付けすることとし、インナーロータ2およびインナーロータ軸11をハウジング4内に組み立てるに当たっては、ステータ1およびアウターロータ3(エンドプレート15およびアウターロータ軸13を除く)が図示のごとく組み込まれた状態のハウジング4内に図1の左端(後端)から、図2に示す状態のインナーロータ軸11を挿入してベアリングホルダー6の中心孔に貫通させる。
この時軸受12がインナーロータ回転位置センサ20の内周を通過し得るよう、図2に明示するごとく軸受12の外径φ1をインナーロータ回転位置センサ20の内径φ2よりも小さくする。
【0021】
なお回転位置センサ20を図1に示すようにベアリングホルダー6の内周に呼び組み付けする時に該センサ20の電源線および信号線20aを通すための透孔4b,6bをハウジング4およびベアリングホルダー6に形成する。
【0022】
上記の構成とした本実施の形態においては、ステータ1の一端をハウジング4に固設するためのベアリングホルダー(ステータ固設部)6に貫通したインナーロータ軸11を回転自在に支持する軸受12を、この軸受と同様にベアリングホルダー(ステータ固設部)6の内周およびインナーロータ軸11の外周間に配置するインナーロータ回転位置センサ20よりも、インナーロータ2から遠い側に配置したため、
インナーロータ軸11の軸受12とインナーロータ2の軸受18との間における軸受スパンが大きくなり、これにより、ステータ冷却水の給排設備4a,6aや給電設備21の存在故にインナーロータ軸11の軸受12を小径にせざるを得ないといえどもこれが、高速回転するインナーロータ軸11の十分な軸受強度を提供してインナーロータ軸11の軸受強度不足に関する問題を解消することができる。
【0023】
また本実施の形態においては、ベアリングホルダー(ステータ固設部)6の内周に取り付けたインナーロータ回転位置センサ20の内径φ2を、インナーロータ軸11の外周に嵌着した軸受12の外径φ1よりも大きくしたから、インナーロータ軸11をベアリングホルダー(ステータ固設部)6に挿入するときに軸受12がインナーロータ回転位置センサ20内を通過し得ることとなり、組み立て作業性が向上すると共にハウジング4の小型化を実現することができる。
【0024】
更に本実施の形態においては、回転位置センサ20の電源線および信号線20aを通すための透孔4b,6bをハウジング4およびベアリングホルダー6に形成したから、
回転位置センサ20を図1に示すようにベアリングホルダー6の内周に呼び組み付けする時に回転位置センサ20の電源線および信号線20aを容易に外部に取り出すことができ、この点でも組み立て作業性の向上を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態になる回転電機を示す複合電流多層モータの縦断側面図である。
【図2】 同複合電流多層モータのインナーロータおよびインナーロータ軸に関する詳細を示す縦断側面図である。
【符号の説明】
1 ステータ
2 インナーロータ
3 アウターロータ
4 ハウジング
4a ステータ冷却水路(ステータ給排水設備)
4b 透孔
6 ベアリングホルダー(ステータ固設部)
6a ステータ冷却水路(ステータ給排水設備)
6b 透孔
7 アダプター
8 アダプター
9 アウター側貫通ボルト
10 インナー側貫通ボルト
11 インナーロータ軸
12 インナーロータ軸のベアリング(軸受)
13 アウターロータ軸
14 エンドプレート
15 エンドプレート
18 インナーロータのベアリング(軸受)
20 インナーロータ用回転位置センサ
20a 電源信号線
21 ステータ給電設備
22 アウターロータ用回転位置センサ
Claims (2)
- ステータの内外周にそれぞれインナーロータおよびアウターロータを回転自在に具え、ステータの一端をハウジングに固設し、このステータ固設部に、インナーロータに結着したインナーロータ軸を貫通して軸受により回転自在に支持すると共に、これらステータ固設部およびインナーロータ軸間にインナーロータ回転位置センサを具え、インナーロータ軸に貫通させたアウターロータ軸とアウターロータとの間をステータの前記一端から遠い他端において相互に駆動結合した回転電機において、
前記軸受を、前記インナーロータ回転位置センサよりもインナーロータから遠い側に配置し、
前記ステータ固設部に取り付けた前記インナーロータ回転位置センサの内周を、インナーロータ軸に嵌着した前記軸受の外周よりも大径にして、インナーロータ軸をステータ固設部に挿入するとき前記軸受がインナーロータ回転位置センサ内を通過し得るよう構成したことを特徴とする回転電機。 - 請求項1に記載の回転電機において、前記ステータ固設部に前記インナーロータ回転位置センサの電源線および信号線を通す透孔を穿ったことを特徴とする回転電機。
Priority Applications (1)
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| JP2002310900A JP3671952B2 (ja) | 2002-10-25 | 2002-10-25 | 回転電機 |
Applications Claiming Priority (1)
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|---|---|---|---|
| JP2002310900A JP3671952B2 (ja) | 2002-10-25 | 2002-10-25 | 回転電機 |
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2002
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