JP3672123B2 - 拡散反射型ホログラムの複製方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、拡散反射型ホログラムの複製方法に関し、特に、継ぎ目跡のない大きなサイズの拡散反射型ホログラムの作製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
拡散機能を持った反射型ホログラムは、液晶表示装置用バックライトやプロジェクター用スクリーン、コンバイナー等に利用できる。これらにおいて、拡散反射型ホログラムは、拡散方向が限定できることにより、従来の拡散板よりも高輝度な反射光が得られる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、大型液晶ディスプレイやプロジェクター用スクリーンとして利用するには、大型のホログラムが必要であるが、大面積の拡散反射型ホログラムを作製するには、継ぎ合わせるか、原版の継ぎ目が記録されたものしかなかった。
【0004】
すなわち、従来、拡散反射型ホログラムを作製するには、図5(a)に示すように、拡散反射型ホログラムの平面原版を光吸収層で裏打ちして、その表面に感材フィルムを重ね合わせ、その上に保護ガラスを積層して、保護ガラス側からレーザー光を全体に入射させ、その入射光とホログラムの原版からの反射回折光とを感材フィルム中で干渉させて複製して作製するか、図5(b)に示すように、拡散反射型ホログラムのフィルム原版を光吸収層で裏打ちして、シリンダーの周囲に巻き付け、そのホログラム原版にインデックマッチング液を介して密着するようにシリンダー外周に感材フィルムを巻き付けてシリンダーを矢印方向に回転させて感材フィルムを矢印方向に送りながら、感材フィルムがホログラム原版に密着した位置で感材フィルムを横断するようにレーザー光をホログラム原版の一部に入射させ、その入射光とホログラムの原版からの反射回折光とを感材フィルム中で順次干渉させて複製して作製している。
【0005】
しかしながら、図5(a)の場合は、作製される拡散反射型ホログラムの寸法は原版の大きさに制限され、大面積の拡散反射型ホログラムを作製するには、複数枚のものを継ぎ合わせるしかない。また、図5(b)の場合は、シリンダーに巻き付けられた原版には継ぎ目があるため、連続した大面積の拡散反射型ホログラムを作製することはできるが、原版の継ぎ目が記録されてしまう。
【0006】
本発明は従来の技術の上記のような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、液晶表示装置用バックライト、プロジェクタースクリーン、コンバイナー等の大型化と高品質化に対応した継ぎ目あるいは継ぎ目の記録のない大型の拡散反射型ホログラムの複製による作製方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明の拡散反射型ホログラムの複製方法は、固定された拡散反射型ホログラム原版上に感材フィルムを密着させながら滑動させ、前記感材フィルム側からフィルム幅方向に広がった断面線状の光束を照射して、前記の入射光束と前記拡散反射型ホログラム原版により反射回折された光束との干渉により前記感材フィルム中に拡散反射型ホログラムを連続的に記録することを特徴とする方法である。
【0008】
この場合、拡散反射型ホログラム原版は、少なくとも両エッジが丸みを帯びて形成された透明棒状体表面に固定することが望ましい。そのような透明棒状体としては半円筒体が例示できる。
【0009】
また、拡散反射型ホログラム原版と前記感材フィルムの間にインデックスマッチング液と潤滑液とを兼ねた液体を介在させることが望ましい。
また、断面線状の光束としてはその線状の方向にのみ発散する光束が例示できる。
【0010】
本発明においては、固定された拡散反射型ホログラム原版上に感材フィルムを密着させながら滑動させ、前記感材フィルム側からフィルム幅方向に広がった断面線状の光束を照射して、前記の入射光束と前記拡散反射型ホログラム原版により反射回折された光束との干渉により前記感材フィルム中に拡散反射型ホログラムを連続的に記録するので、大きな原版を用いなくとも、連続的で大型のフィルム形状の継ぎ目あるいは継ぎ目の記録がなく、反射効率が高く、高品質で、液晶表示装置用バックライト、プロジェクタースクリーン、コンバイナー等に適した拡散反射型ホログラムを簡単に作製することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の拡散反射型ホログラムの複製方法を実施例に基づいて説明する。
図1は本発明に基づく複製方法を実施するための配置を示し、図2はその際に用いる原版支持体の組み立て方法を示す。本発明において、複製される拡散反射型ホログラムの原版1は半円筒型(カマボコ型)の透明体2の円筒表面の母線方向にストライプ状に張り付けられている。そして、その原版1の上に滴下装置4から滴下されたインデックスマッチング液5を潤滑剤として間に介在させて感材フィルム3を密着させ、ストライプ状の原版1を横切る方向である透明体2の円周方向に感材フィルム3を滑らせながら、図1の矢印方向へ送る。その搬送過程で、感材フィルム3が原版1に密着した位置で、感材フィルム3を横断し原版1の長手方向全体をカバーするようにレーザー光6を感材フィルム3側から原版1に入射させ、その入射光と原版1からの反射回折光とを感材フィルム3中で順次干渉させて、感材フィルム3の移動方向に連続する長い大型の拡散反射型ホログラムを複製する。
【0012】
半円筒型透明体2の裏面である平面上には、接着層7を介して吸収ガラス8が貼り付けられており、原版1を透過したレーザー光6がこの平面で内部反射をしてその反射光と入射光との間で干渉して不要干渉縞が記録されるのを防止している。なお、この代わりに原版1の裏面に吸収層を設けるようにしてもよい。
【0013】
なお、半円筒型透明体2の円筒面に原版1を張り付けるには、図2(a)に示したように、裏面に吸収ガラス8を貼り付けた半円筒型透明体2を用意し、また、図2(b)に示したように、中央を横切るストライプ領域に原版1が記録され、透明体2の長さ以下の幅を持つ矩形の記録フィルム1′を用意し、その後、図2(c)に示したように、この記録フィルム1′を半円筒型透明体2の円筒面に張り付けるようにすればよい。
【0014】
ところで、拡散反射型ホログラムの原版1を作製するにはいくつかの方法があるが、図3に1ステップ撮影法、図4に2ステップ撮影法を示す。図3の1ステップ撮影法は、スリガラスのような散乱板10に対して予め拡散反射域と定めた位置に、フォトポリマーのような反射型ホログラム乾板(リップマンホログラム乾板)11を配置し、散乱板10の背面から同一光源から2分された所定波長のコヒーレント光12で照明して散乱板10の前面に出た散乱光14を物体光として反射型ホログラム乾板11に入射させると同時に、同一光源から2分された所定波長の別のコヒーレント光13を参照光として、散乱光14と反対側から拡散反射型ホログラム1で想定される入射光と反対方向に進む参照光13を入射させることにより、反射型ホログラム乾板11に拡散反射型ホログラムの原版1を記録する。
【0015】
また、図4の2ステップ撮影法は、図(a)に示すように、スリガラスのような散乱板10に対して予め拡散反射域と定めた位置に、透過型ホログラム乾板15を配置し、散乱板10の背面から同一光源から2分された所定波長のコヒーレント光12で照明して散乱板10の前面に出た散乱光14を物体光として透過型ホログラム乾板15に入射させると同時に、同一光源から2分された所定波長の別のコヒーレント光16を参照光として、散乱光14と同じ面側から任意の角度で入射させることにより、透過型ホログラム乾板15に第1のホログラムである透過型ホログラムを記録する。
【0016】
次に、この第1のホログラムを17とし、図4(b)に示すように、元の透過型ホログラム乾板15の位置に配置すると共に、散乱板10の位置に今度は反射型ホログラム乾板20を配置し、ホログラム17の実像をこの反射型ホログラム乾板20の位置(図(a)の散乱板10の位置)に結像させるように、ホログラム17にその記録の際の参照光16と反対側に進む同じ波長の再生照明光18を照射して、ホログラム17からの回折光19を物体光として反射型ホログラム乾板20に入射させると共に、拡散反射型ホログラム1で想定される入射光と反対方向に進む参照光21を反射型ホログラム乾板20の反対側から入射させることにより、反射型ホログラム乾板20に第2のホログラムである拡散反射型ホログラムの原版を記録する。この方法により、観察域を第1のホログラム17の範囲に限定する拡散反射型ホログラム原版1が作製できる。
なお、以上のようにして作製された原版の代わりに、これから密着複製されたホログラムも原版1として使用できる。
【0017】
次に、本発明の複製方法の1つの具体例を説明する。吸収ガラス8としてショット社製NG4を用い、半円筒型のガラスブロック2に接着層7として共立化学(株)製U−471を用いて貼り付けた。そして、ホログラム原版1をキシレンからなるインデックスマッチング液を介してガラスブロック2に固定した。ホログラム原版1としては、記録面の法線から上方に入射角20°で入射した光をその法線に対して上方20°、下方20°、左右各30°の範囲内に拡散反射させる光学特性を有していた。同じキシレンからなるインデックスマッチング液を潤滑剤として、ロール状の感材フィルム3を半円筒型のガラスブロック2に貼り付けられた原版1の表面上を滑らせながら、レーザー光をシレンドリカルレンズでガラスブロック2の母線方向にのみに発散するようにした光6をロール状感材フィルム3を通して原版ホログラム1に照射し、この光と原版1からの回折光との干渉により感材フィルム1に拡散反射型ホログラムが連続的に記録された。
【0018】
以上、本発明の拡散反射型ホログラムの複製方法を実施例に基づいて説明してきたが、本発明はこれら実施例に限定されず種々の変形が可能である。
【0019】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の拡散反射型ホログラムの複製方法によると、固定された拡散反射型ホログラム原版上に感材フィルムを密着させながら滑動させ、前記感材フィルム側からフィルム幅方向に広がった断面線状の光束を照射して、前記の入射光束と前記拡散反射型ホログラム原版により反射回折された光束との干渉により前記感材フィルム中に拡散反射型ホログラムを連続的に記録するので、大きな原版を用いなくとも、連続的で大型のフィルム形状の継ぎ目あるいは継ぎ目の記録がなく、反射効率が高く、高品質で、液晶表示装置用バックライト、プロジェクタースクリーン、コンバイナー等に適した拡散反射型ホログラムを簡単に作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に基づく拡散反射型ホログラムの複製方法を実施するための配置を示す図である。
【図2】図1の配置において用いる原版支持体の組み立て方法を示す図である。
【図3】拡散反射型ホログラム原版を1ステップ撮影法で作製する方法を説明するための図である。
【図4】拡散反射型ホログラム原版を2ステップ撮影法で作製する方法を説明するための図である。
【図5】拡散反射型ホログラムを複製法で作製する従来の配置を示す図である。
【符号の説明】
1…拡散反射型ホログラム原版
1′…記録フィルム
2…半円筒型透明体
3…感材フィルム
4…滴下装置
5…インデックスマッチング液
6…レーザー光
7…接着層
8…吸収ガラス
10…散乱板
11…反射型ホログラム乾板
12…照明光
13…参照光
14…散乱光(物体光)
15…透過型ホログラム乾板
16…参照光
17…透過型ホログラム
18…再生照明光
19…回折光(物体光)
20…反射型ホログラム乾板
21…参照光
Claims (6)
- 固定された拡散反射型ホログラム原版上に感材フィルムを密着させながら滑動させ、前記感材フィルム側からフィルム幅方向に広がった断面線状の光束を照射して、前記の入射光束と前記拡散反射型ホログラム原版により反射回折された光束との干渉により前記感材フィルム中に拡散反射型ホログラムを連続的に記録することを特徴とする拡散反射型ホログラムの複製方法。
- 前記拡散反射型ホログラム原版は、少なくとも両エッジが丸みを帯びて形成された透明棒状体表面に固定されていることを特徴とする請求項1記載の拡散反射型ホログラムの複製方法。
- 前記透明棒状体は半円筒体であることを特徴とする請求項2記載の拡散反射型ホログラムの複製方法。
- 前記拡散反射型ホログラム原版と前記感材フィルムの間にインデックスマッチング液と潤滑液とを兼ねた液体を介在させることを特徴とする請求項1から3の何れか1項記載の拡散反射型ホログラムの複製方法。
- 前記の断面線状の光束がその線状の方向にのみ発散する光束であることを特徴とする請求項1から4の何れか1項記載の拡散反射型ホログラムの複製方法。
- 連続的に記録される拡散反射型ホログラムが、継ぎ目あるいは継ぎ目の記録がないフィルム形状のものであることを特徴とする請求項1から5の何れか1項記載の拡散反射型ホログラムの複製方法。
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