JP3673218B2 - 盛土アンカー - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は地中に埋設して擁壁ブロックなどの地上構造物に連結して固定するために使用するアンカーに関するものであり、特に盛土をして地中に埋設するためのアンカーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
これまで盛土アンカーとしては様々なものが開発され、例えば特許第1805820号に係る発明のように、アンカー引張材としてU字形状のものを使用し、地形奥に配置する部分を弧状部分にしたものが開発されている。弧状部分は抵抗土圧が作用する方向に膨らんでおり、土圧が引張材に大きな引張力として作用するようにして土砂荷重を受けるようにしたものである。
【0003】
他方、本件出願人は盛土アンカーとして様々な発明を提案しており、特公平3−74757号公報に係る発明を提案している。これは、地形奥に中間部が地上側に膨らんだアーチ形をしたアーチブロックを配置し、このアーチブロックの両端に地上側から伸ばしたアンカー引張材を通し、ナットなどによって連結するものである。アーチブロックは土圧に対してアーチ効果を発揮し、大きな受働抵抗力を得ることができるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記した特許第1805820号に係る発明は、アンカー引張材をU字形状にして、その弧状部分に引張力、もっと具体的に述べるとフープテンションが作用する。大きな引張力が作用すると、引張材に大きな荷重がかかるもので、その連結部分が破損したり、その耐久性能に問題が生じることがあった。
【0005】
前記した本件出願人が提案した特公平3−74767号公報に係る発明は、土圧を受けて抵抗力を発揮するのがアーチ形のブロックであるため、ブロックがアーチ効果を発揮して極めて大きな抵抗力を得ることができ、ブロック自体はアーチ効果によって大きな土圧が作用しても破損することがない。しかしながら、ブロックの両端のみアンカー引張材に連結してあるだけだと、アーチ構造物に作用する水平力を分担するものがなく、アーチブロックの強度のみでこの土圧に抵抗しなければならず、それ以上の大きな土圧に対する強度に不安があった。またアンカー引張材とアーチブロックとの連結をナットなどによって行っていたため、その防錆処理と連結施工の手間がかかっていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明にかかる盛土アンカーでは、地形奥に中間部が地上側に向って膨らむアーチ形のブロックを配置し、アンカー引張材の中間部をアーチブロックの地形奥側に弦状にかけてタイ部とし、土圧が作用すればするほどブロックにかけた弦状のアンカー引張材によってアーチ効果を高めさせることによって、大きな土圧にも抵抗できる強度の大きな盛土アンカーを提供することによって上記の課題を解決するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
この発明にかかる盛土アンカーでは、アンカー引張材としてPCストランドのような屈曲可能で柔軟性のあるものを使用するものである。アンカー引張材としてはその他様々な態様のものが使用可能であるが、好適なものとして、PCストランドやPC鋼線などの表面に亜鉛アルミ合金メッキを施して防錆処理したアンカー引張材やポリエチレン製のシースなどに通したPCストランドなどがある。その他、カーボン繊維や合成樹脂繊維によって形成した引張材も使用できる。
【0008】
前記したようなアンカー引張材を、円弧形状を成すアーチブロックに弦状にかけてタイ部とする。アーチブロックは中間部が膨らむ横断面円弧形状を成しているものであって、このアーチブロックを地形奥に、中間部が地上側に設置する擁壁や地上構造物側に膨らむように配置する。アーチブロックは、両端を丸く成形することも可能であるし、両端部に貫通した孔の地形奥側に表面を丸ませた突部を設けたり、ブロックを取付けしたりできる。アーチブロックは最初からアーチ形状を成す一体型でもよいし、いくつかに分割したタイプのものも使用できる。分割型は、分割されたものを組み合わせてひとつのアーチブロックを成すようにするものである。このような組み合わせタイプであっても、タイ部の引張力が作用することによって圧縮力がかかり、自然に分割ブロック同士がコンタクトして一体化され易い。しかし、一体型のアーチブロックであると、そのものがアーチ状のある幅をもつので、転倒し難く、緊張作業が容易であるというメリットがある。また重機を使用して一体型のアーチブロックを設置すれば、工期の短縮も図れ、人件費などを考えれば経済性も向上する。
【0009】
アーチブロックの地形奥側にアンカー引張材の中間部を弦状にかける場合、前記したようなアーチブロックの丸みを帯びた両端にかけてもよいし、両端部に貫通した孔に通してかけてもよい。弦状にかけるとは、アーチブロックの両端部間に、一直線状に張るようにかけるもので、土圧が作用する方向に対して直交する方向に張るようにするものである。アンカー引張材の両端部は地上側に伸ばす。
【0010】
以上のようなブロックとアンカー引張材の上に盛土を盛り、引張材とアーチブロックを地中に埋設する。盛土から突出した両端は、擁壁ブロックなどの地上構造物を連結するための連結端部とする。この連結端部を地上構造物と連結して、盛土と地上構造物との間に土砂を埋め、アンカー引張材を緊張してプレストレス力を与える。予めプレストレス力によって引張材が引張られ、アーチブロックには地上側から押圧する方向の土圧が作用する。プレストレス力によってアンカー引張材のタイ部も緊張され、アーチブロックを両端から互いの方向に押すような力として作用する。この力がアーチブロックに作用する水平力を分担して、アーチブロックの強度を高める。したがって大きな土圧に抵抗できる耐久力の高いアーチ効果を発揮するブロックとして機能することになる。予想される土砂荷重が大きければ、このプレストレス力を大きくしてより大きな荷重に耐え得るアーチブロックとしておけ、耐久力に全く不安の生じない受働抵抗体として機能することになる。
【0011】
アーチブロックをひとつで使用するのではなく、複数個のアーチブロックを地形奥から地上側に適宜離して並べ、地形奥のアーチブロックにアンカー引張材を弦状にかけて、手前のアーチブロックには両端の孔の中に通すようにしてもよい。手前側のアーチブロックにも、左右両端に通したアンカー引張材によって互いの方向へ向き合う力が作用し、アーチ効果を高める。或いはアーチブロックの手前に周面に凹凸を形成した摩擦ブロックを配して、これらに引張材を貫通させてもよい。
【0012】
【実施例】
以下、図に示す実施例に基づき、この発明を詳細に説明する。図1〜図4において1は亜鉛アルミ合金メッキを施したアンカー引張材であり、このアンカー引張材1を地形奥に設置したアーチブロック2に弦状にかけてある。アーチブロック2は中間部が膨らんだ横断面円弧形状を成しており、その膨らみが地上に設置する擁壁ブロック7側に膨らむように地形3上に配置してある。アーチブロック2は両端が丸みを帯びるように形成されており、その先端面に上下中間には溝4が形成されており、その溝4・4にアンカー引張材1の屈曲部分を引掛けるようにしてかけてある。このアーチブロック2の両端部に掛け渡した部分が、土砂荷重を互いの方向へ引寄せる力として作用させるタイ部1aとなる。アンカー引張材1の両端部は地上側に伸ばしてある。
【0013】
この上に盛土5を盛って、アンカー引張材1とアーチブロック2を土中に埋設する。の盛土5から手前側に突出したアンカー引張材1の左右両端部を連結端部6・6とする。アンカー引張材1のこれら連結端部6に地上構造物である擁壁ブロック7を連結し、アンカー引張材1を緊張してプレストレス力を与える。擁壁ブロック7としては中間部が地形4側に膨らむよう円弧形状に屈曲したアーチ形ブロックを使用している。この左右の連結孔8.8にアンカー引張材1の連結端部6・6を通して、定着部材9に固定する。既述のようにして盛り上げた盛土5の上に、更に盛土アンカーを既述の手順で配設する。擁壁ブロック7と盛土5との間に土砂を詰めて、擁壁を完成する。
【0014】
アンカー引張材1を緊張してプレストレス力を与えると、引張材1が引張られて、タイ部1aはアーチブロック2の両端部に、地上側へ引く力P1と互いに引寄せる方向の力P2となって作用する。ブロック2が引張られることによって土圧P3がアーチブロック2に作用するが、前記したP1とP2の合力はアーチブロック2の両端を互いの方向へ引寄せる力として作用する。(図5)これによってアーチブロック2のアーチ効果は高められ、アーチブロック2の強度だけではない、大きな土圧P3にも抵抗できる強度がアーチブロック2に与えられることになる。前記したP1とP2の力は、予想される土砂荷重に応じてプレストレス力を大きくすればするほど大きくなり、アーチブロック2の耐久性能により信頼が増すことになる。
【0015】
図6〜図8に示すのは、アーチブロック2の両端部に孔11を貫通したものの実施例である。図6に示すのは、孔11の地形奥側の隣りに、表面に丸みを帯びた別体のブロック12を取付けた例であり、図7はアーチブロック2に一体的に凸部13を形成して、アンカー引張材1がスムーズに屈曲するようにした例である。図8に示すのは、アーチブロック2の両端部にカーブした孔11を形成して、アンカー引張材1を円滑に伸縮するようにした場合である。中間部を輪状に折り曲げたアンカー引張材1の輪状とした部分を廻しかけた場合である。
【0016】
図9に示すのは、アーチブロック2を二個地形奥から地上側に離して設置した場合であり、両者の間にアンカー引張材1を通したセパレーターブロック14を配置したものである。このような場合の地上側ブロック2の両端部にも、アンカー引張材1によって互いの方向へ押す力が作用し、アーチブロック2のアーチ効果を高める。図10に示すのは、アーチブロック2の手前にセパレーターブロック14を介して、更に周面が凹凸となった摩擦抵抗ブロック15配したものである。摩擦抵抗ブロック15周辺土砂との摩擦抵抗力が、引抜き抵抗力を高めるものである。
【0017】
【発明の効果】
この発明は以上のような構成を有し、以下の効果を得ることができる。
▲1▼アーチブロックの地形奥側に、アンカー引張材を弦状にかけてタイ部としたため、アンカー引張材を緊張すると引張材が引張られてアーチブロックの両端部に互いに引寄せる方向の力として作用する。これによりアーチブロックのアーチ効果が高められ、より耐久力の高い受働抵抗体として機能する。
▲2▼引張材タイ部によるアーチブロック両端に作用する互いの方向に引寄せる力は、予想される土砂荷重に応じてプレストレス力を大きくすればする程大きくなるため、それだけアーチブロックのアーチ効果は高まり、極めて大きな強度を発揮する信頼性の高い受働抵抗体として機能することになる。
▲3▼アーチブロックには圧縮力が作用するので、土砂荷重が作用しても移動・変形することがなく、引張材が引抜かれたり耐久性能に不安が生じることなく、地上構造物の位置変位の少ないアンカーとして機能する。
▲4▼アンカー引張材は、ただ単にアンカー引張材を屈曲するだけでよく、地上構造物の大きさや形状に応じて、自由に大きさ・長さが決められる。これは盛土土砂の特性に応じて、任意に設計できることも同様である。
▲5▼アンカー引張材はアーチブロックにかけるだけであり、ナットなどを使用して連結するなどの手間がいらず、連結が外れるなどという不安もなく、経済的で信頼性の高いアンカーとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明を実施した施工状態の斜視図である。
【図2】図1に示す実施例の施工状態の縦断面図である。
【図3】図1に示す実施例の平面図である。
【図4】アーチブロックに引張材をかけた平面図である。
【図5】アーチブロックに作用する応力の概念図である。
【図6】アーチブロックの他の実施例の平面図である。
【図7】アーチブロック端部の他の実施例の断面図である。
【図8】アーチブロック端部の他の実施例の断面図である。
【図9】アーチブロックをふたつ並べた実施例の平面図である。
【図10】摩擦抵抗ブロックを使用した実施例の平面図である。
【図11】スペーサーブロックの横断面図である。
【図12】摩擦抵抗ブロックの縦断面図である。
【符号の説明】
1 アンカー引張材
1a タイ部
2 アーチブロック
3 地形
4 溝
5 盛土
6 連結端部
7 擁壁用ブロック
8 連結孔
9 定着部材
11 孔
12 ブロック
13 凸部
14 セパレーターブロック
15 摩擦抵抗ブロック

Claims (3)

  1. 中間部分が擁壁若しくは地上構造物側に向って膨らむ円弧形状のアーチブロックを地形奥に配置し、PCストランドなどからなるアンカー引張材の中間部を前記アーチブロックの地形奥側に弦状にかけてタイ部とし、アンカー引張材の両端部は地上方向に伸ばし、このアンカー引張材とブロックを埋設するために盛土をし、盛土から突出させたアンカー引張材の両端部を連結端部としてなる盛土アンカー。
  2. 地形奥に配置したアーチブロックの地上側手前にもアーチブロックを配してアンカー引張材を通し、両アーチブロック間にスペーサーブロックを配することを特徴とする請求項1記載の盛土アンカー。
  3. 地形奥に配置したアーチブロックの地上側手前に、摩擦ブロックを配することを特徴とする請求項1記載の盛土アンカー。
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