JP3674583B2 - 無線中継システム及びこれを用いた船舶内監視システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、船舶内等のように電波の見通しが悪く、かつ、マルチパスが発生するような環境下においてもデジタルカメラ等に撮像された撮像データ、音声情報等を無線中継することができる無線中継器、無線中継システム、及びこれを用いて不審船舶等についての遠隔監視を行う船舶内監視システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、多数の不審船舶が発見されている。これらの中には遭難船舶等も含まれているが他国から不法侵入してくる船舶も多数含まれており、深刻な問題となっている。このような不審船舶は漁具を装備していない等、外見上から明らかな場合もあるが、外見だけでは判断が困難な場合も多く、例えば、護衛艦、巡視船等による巡視時にこれら不審船舶への適切な対応を図るべく検査官等がこれら不審船舶に乗り込み、船舶内の立入り検査等を行う必要がある。
【0003】
このような立入り検査を行う場合、従来は検査官等が不審船舶内に乗り込み、船舶内の状況を確認して巡視船側に船舶内の状況を報告するという方法がとられており、また、証拠保全等の目的からカメラ等の撮影手段を用いて船舶内や証拠品等について撮影を行う場合もある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の船舶内の監視方法では、検査官等が護衛艦等に戻ってから検査状況を報告し、あるいは無線機等を用いて音声により検査状況を護衛艦側に報告するようにしていたので、カメラ等により撮影された不審船舶の内部状況等は検査官が護衛艦等に戻ってからでなければ護衛艦側で確認することができず、検査官と護衛艦等との間においてリアルタイムな報告を行うことができない、あるいは音声による漠然とした状況だけしか報告することができないという問題点があった。
【0005】
例えば、他国から不法侵入した船舶等は逃亡のおそれがあり、護衛艦等において迅速かつ的確な対処を行うことが必要であるが、検査官等が護衛艦側に戻ってからそのような判断・指示を行っていたのではこれらの処置を行うまでに多大の時間を要し、また、音声のみによる報告だけでは情報が不十分であり、的確な判断・指示を行うことができないという問題点がある。
【0006】
また、事情によっては護衛艦側の司令官だけでは判断が困難な場合もあり、この場合にはさらに陸上の施設内に待機している上級の司令部等にこれらの状況を報告して判断・指示を仰ぐ必要があるが、このような場合には以上のような問題はさらに顕著となる。
【0007】
なお、このような問題を解決する一手段として、デジタルカメラ等で撮影した画像データを無線機等を用いて護衛艦側に伝送するという方法が考えられるが、不審船舶等の船舶内と船舶外(甲板等)における無線通信に関しては、船舶内が多層かつ複数の空間に仕切られており、艦船内の金属製の扉、床等の影響から無線での通信は電波の見通しを得られず、電波環境状況の観点からほとんど不可能なものであった。
【0008】
したがって、確実な画像伝送を確保するには有線に頼らざるを得ず、船舶外から船舶内に通信ケーブル等を延々と施設する必要があるが、不審船舶等の立入り検査は一般のビル等における内部監視とは異なり緊急性が要求され、このような有線回線のよるシステムでは即応性に欠け、運用上も困難である。また、船舶内にこのような通信ケーブル等を施設すると、その後の回収も困難であり、コスト面でも多大な費用が発生するという問題点もある。
【0009】
この発明は上記のような問題点を解消するためになされたもので、船舶内等のように電波の見通しが悪く、かつ、マルチパスが発生するような環境下において、デジタルカメラ等により撮像された撮像データ等を船舶内から船舶外へ確実に無線伝送することができる新規な無線中継器及びこれを用いた無線中継システムを提供することを目的とする。
【0010】
また、このような無線中継システム等を用いることにより、陸上の施設内に設営された遠隔の司令部側において待機している上級の司令官等に対して検査官等による立会い検査等の状況をより具体的かつリアルタイムに報告することができ、これら上級の司令部側の的確な判断、指示により不審船舶に対する的確な処置等を迅速に行うことができるようにした新規な構成の船舶内監視システムを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明に係る無線中継システムは、複数の無線中継器により共通制御チャネルを共有し、この共通制御チャネルの情報に基づいて各中継点に配置された前記無線中継器の間に中継回線を設定する無線中継システムにおいて、前記中継点に前記無線中継器を2以上配置し、一の中継点に配置された前記2以上の無線中継器は、他の中継点に配置された前記2以上の無線中継器から送信された信号の受信レベルをそれぞれ検出して受信レベルの高い信号を送信した無線中継器との間に中継回線をそれぞれ設定し、これら中継点間に設定された前記中継回線のうち、より受信レベルが高い信号に基づき設定された中継回線を前記一の中継点と前記他の中継点との間における中継回線として設定するものである。
【0012】
請求項2の発明に係る無線中継システムは、前記2以上の無線中継器が複数の通信チャネルの中から空きの通信チャネルを中継回線として設定するようにしたものである。
【0013】
請求項3の発明に係る無線中継システムは、前記2以上の無線中継器が前記中継回線により無線中継する画像データを送受信する無線通信部と、撮影装置により撮影された画像データを取り込むインタフェース部と、このインタフェース部により取り込まれた前記撮像装置の画像データと前記中継回線を介して無線中継する画像データとを多重化して前記無線通信部に出力する多重化手段とを有するものである。
【0014】
請求項4の発明に係る無線中継システムは、前記一の中継点に配置された前記2以上の無線中継器が前記他の中継点に配置された前記2以上の無線中継器から送信された信号の受信レベルの検出結果を表示する受信レベル表示手段を有するものである。
【0015】
請求項5の発明に係る船舶内監視システムは、検査船舶の内部を撮影する撮影装置と、前記検査船舶内の各中継点に無線中継器を2以上配置し、一の中継点に配置された前記2以上の無線中継器は、他の中継点に配置された前記2以上の無線中継器から送信された信号の受信レベルをそれぞれ検出して受信レベルの高い信号を送信した無線中継器との間に中継回線をそれぞれ設定し、これら中継点間に設定された前記中継回線のうち、より受信レベルが高い信号に基づき設定された中継回線を前記一の中継点と前記他の中継点との間における中継回線として設定する無線中継システムと、前記検査船舶側に設けられて前記無線中継システムの中継回線により無線中継された前記撮影装置の画像データを前記検査船舶から離れた位置に待機した監視船舶に送信する一方側の無線機及び前記監視船舶側に設けられ、前記一方側の無線機から送信された画像データを受信する他方側の無線機により構成された無線通信手段とを備えたものである。
【0016】
請求項6の発明に係る船舶内監視システムは、前記2以上の無線中継器が前記中継回線により無線中継する画像データを送受信する無線通信部と、この無線通信部を介して前記監視船舶側と無線交話する音声入出力部とを有するものである。
【0017】
請求項7の発明に係る船舶内監視システムは、検査船舶の内部を撮影する撮影装置と、前記検査船舶内の各中継点に無線中継器を2以上配置し、一の中継点に配置された前記2以上の無線中継器は、他の中継点に配置された前記2以上の無線中継器から送信された信号の受信レベルをそれぞれ検出して受信レベルの高い信号を送信した無線中継器との間に中継回線をそれぞれ設定し、これら中継点間に設定された前記中継回線のうち、より受信レベルが高い信号に基づき設定された中継回線を前記一の中継点と前記他の中継点との間における中継回線として設定する無線中継システムと、前記検査船舶側に設けられて前記無線中継システムの中継回線により無線中継された前記撮影装置の画像データを前記検査船舶から離れた位置に待機した監視船舶に送信する一方側の無線機及び前記監視船舶側に設けられて前記一方側の無線機から送信された画像データを受信する他方側の無線機により構成された無線通信手段と、前記監視船舶に設けられ、前記無線通信手段により伝送された前記画像データを通信衛星を介して地上の施設に設置された管理装置に伝送する衛星通信手段とを備えたものである。
【0018】
請求項8の発明に係る船舶内監視システムは、前記一方側及び前記他方側の無線機がミリ波帯の信号を伝送するミリ波無線機であるものである。
【0020】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1について図1を用いて説明する。図1はこの発明の実施の形態1による船舶内監視システムの概要を模式的に示す船舶内監視システムの概要図である。図1において、1は例えば領海内に侵入した不審船舶、2はこの領海内を巡回し、領海内に侵入した不審船舶1等の監視を行う護衛艦又は巡視船(以下、監視船舶という。)、3は監視船舶2から海上に出され、不審船舶1内の立入り検査等を行う検査官及びその他の隊員を監視船舶2から不審船舶1に対して派遣する小型船舶(以下、臨検隊という。)、4は地球上の軌道上を周回して音声信号、データ信号等の中継を行う通信衛星、5は陸上に設置され、通信衛星4との通信を行う地上局、6は海上保安庁等の陸上の施設内に設置され、地上局5と有線回線等の地上回線7を介して接続された陸上における司令部側の管理装置、8a,8bは不審船舶1及び監視船舶2にそれぞれ設置され、不審船舶1及び監視船舶2の間において相互に画像データ、音声等の送受信を行う一組のミリ波無線機である。なお、監視船舶2には通信衛星4を介して陸上の管理装置6と通信を行うための衛星通信手段(不図示)が設置されている。
【0021】
図1に示すように、監視船舶2と陸上の施設内に設営された司令部側との間における通信は通信衛星4、地上局5及び地上回線7を介して行われるので、監視船舶2が陸地から遠く離れた場所、例えば、領海の境界線付近等を巡回するような場合においても、監視船舶2から送信された画像データ、音声信号等が通信衛星4、地上局5及び地上回線7を介して陸上の施設内に設置された司令部側の管理装置6に対して確実に伝送される。このように、監視船舶2と陸上の施設内に設営された司令部側との通信を衛星通信回線を利用して行うことにより、監視船舶2において取得した不審船舶1等についての最新の内部情報等を陸上の施設内に設置された司令部側の管理装置6に対して確実かつ速やかに送信することができ、司令部側においてこれら最新情報に基づいた的確な判断を行うことができる。
【0022】
また、このような最新情報に基づき判断された司令部側の指令等を地上回線7、通信衛星4及び地上局5等からなる衛星通信回線を介して司令部側の管理装置6から監視船舶2に確実かつ速やかに伝送することができ、監視船舶2においてこのような司令部側の指令等に基づく対処が可能である。
【0023】
監視船舶2と不審船舶1との間における通信は画像データ等を高速伝送することができるミリ波帯無線機機8a,8bを使用する。このミリ波無線機8a,8bの一方は監視船舶2の電波の見晴らしのよい場所に設置され、他方は不審船舶1に派遣された臨検隊3の検査官等が不審船舶1における電波の見晴らしのよい場所、例えば、不審船舶1の甲板または艦橋(窓を通して)等に設置する。ここで、既存のUHF帯、VHF帯の通信回線にみなし音声モデムを使用して画像データ等を伝送することも考えられるが、この場合、低速の伝送レートしか得られず、伝送速度を高速にすると伝送帯域幅が格段に広がり、現行の無線局免許の枠を越えてしまう等の問題がある。また、ISMバンド(5GHz帯等)の特定小電力無線機(無線LAN等)では、比較的短い距離での画像データ等の高速伝送は可能であるが、伝送距離を長くとれないという問題がある。
【0024】
監視船舶2が不審船舶1に対して近接可能な場合にはISMバンドの特定小無線機でも相互の通信は可能となるが、不審船舶1への近接が困難な場合、例えば、大型の護衛艦により不審船舶1等の監視を行う場合あるいは天候状態が悪く海上が荒れているような場合等には監視船舶2の不審船舶1への近接は困難であり、このような場合には監視船舶2と不審船舶1との間の間隔を安全性等の観点から十分長くしなければならず、無線LAN等のような特定小電力無線機では相互の通信が困難となる。従って、監視船舶2と不審船舶1との間隔が比較的長距離となるような状況においても監視船舶2と不審船舶1等との間において画像データ等の送受信が確実に行えるよう、本実施の形態1による船舶内監視システムでは、ミリ波無線機8a,8bを使用して不審船舶1に乗り込んだ臨検隊3の指揮官、検査官等と監視船舶2との間における無線交話、及び不審船舶1の内部においてデジタルカメラ等により撮像された画像データ等の伝送を行なう。
【0025】
これにより、監視船舶2と不審船舶1との間隔が比較的長距離となるような場合であっても確実に無線交話、及び画像データ等の通信を行うことができ、例えば、不審船舶1に乗り込んだ臨検体3の検査官等がデジタルカメラ等により撮像した不審船舶1内部の画像データを監視船舶2側に伝送し監視船舶2側においてモニタ等の表示装置に表示させることにより、不審船舶1に乗り込むことなく不審船舶1の内部状況を監視船舶2側で視覚的に確認することができる。なお、ミリ波無線機8a,8bは無線交話も可能であり、表示装置に表示された内容を監視船舶2側から不審船舶1側に音声によって問い合わせ、検査官等から直接説明を受けることにより、監視船舶2側においても不審船舶1の内部状況を詳細に把握することができる。
【0026】
なお、不審船舶1の内部状況の確認は臨検隊3の検査官等が実際に不審船舶1の内部に進入して行い、物証等を得るためにデジタルカメラ、ビデオカメラ等の撮像手段(以下、撮像手段という。)により内部状況を撮像する。そして、この撮像手段に撮像された画像データ、音声による状況連絡等を不審船舶1側のミリ波無線機8b、監視船舶2側のミリ波無線機8aを介して監視船舶2側に伝送することにより、検査官等のリアルタイムの検査状況を監視船舶2側に知らせることが可能となる。
【0027】
また、不審船舶1の内部に進入した検査官等と不審船舶1の甲板等に設置されたミリ波無線機8bとの間における通信は、後述する無線中継システムを用いて行うが詳細については後述する(実施の形態において説明する)。これにより、検査官等が不審船舶1内部の奥の方にまで進入して立会い検査を行うような場合においてもその検査状況を不審船舶1側に設けられたミリ波無線機8bまで確実に伝送することができ、電波の見通しが悪い不審船舶1内部における立会い検査の状況等をリアルタイムで監視船舶2側へ伝送することができる。また、監視船舶2側へ伝送された画像データ等は通信衛星4、地上局5、地上回線7を介して陸上の施設内に設置された司令部側の管理装置6に対して伝送され、表示装置等を介して司令部側の司令官等がその内容を確認することができる。
【0028】
以上のように、実施の形態1による船舶内監視システムによれば、海上を巡視する監視船舶2により領海内に侵入した不審船舶1等に対する監視を行うような場合において、不審船舶1等の内部と外部との間における通信を無線中継システムにより行い、不審船舶1等と監視船舶2との間における通信を1組のミリ波無線機8a,8bにより行い、監視船舶2と陸上の施設内に設置された司令部側との間における通信を通信衛星4及び地上局5からなる衛星通信回線、及びネットワーク等の地上回線7により行うようにしたので、不審船舶1等に乗り込んだ検査官等による当該不審船舶1等の内部における立会い検査の状況等を不審船舶1等から離れた監視船舶2、さらには陸上の施設内に設置された司令部側の管理装置6に対して確実かつ速やかに伝送することができ、このようにして伝送された画像データ、音声情報等をモニタ等の表示装置を介して視聴することにより、陸上の司令部側においてこのような立会い検査等の現場に実際に立ち会うことなく、的確な判断を行うことができる。
【0029】
通常、最終責任の権限を有する上級の司令官等は陸上の施設内に設置された司令部等に待機しているので、このような責任者の判断を仰ぐためにはこれらの司令官等により具体的な情報を提供する必要があるが、この実施の形態1による船舶内監視システムによれば、検査官等の立会い状況等を音声情報及び画像情報によりリアルタイムで知らせることができ、陸上の司令部側においてより的確な判断を行うことが可能となる。また、このような判断に基づく司令部側からの司令に基づいて監視船舶2側、不審船舶1に乗り込んだ検査官等において迅速な対処が可能となる。
【0030】
実施の形態2.
次にこの発明の実施の形態2による無線中継システムについて図2乃至図5を用いて説明する。まず、この無線中継システムに適用する無線中継器について説明する。図2は実施の形態2による無線中継システムを構成する無線中継器であって、例えば、不審船舶1の内部に複数配置される無線中継器のブロック構成図である。図2に示すように、無線中継器には他の無線中継器、あるいは監視船舶2側との無線交話を行うための音声入出力部を設けているので、この無線中継器により監視船舶2側との無線交話を行うことができる。なお、図2に示すような無線中継器が複数配置されて実施の形態2による無線中継システムを構成する。
【0031】
図2において、9は無線中継器、10は空中線、11は空中線10により受信された一の無線中継器からの中継信号(以下、中継波という。)を復調処理すると共に、他の無線中継器に送信する中継波を変調処理等して空中線10に出力する無線通信部、12は所定の通信プロトコルに従って無線通信部11の送受信動作等を制御する通信制御部、13は通信制御部12に対して通信制御の指示を与えて無線通信部11により復調処理された中継波について所定の信号処理、多重化処理等を行う他、無線中継器全体の動作を制御する制御部、14は制御部13内において各種の処理を行うCPU、15はCPU14の処理結果、その他無線中継に必要な情報等を記憶する記憶部である。なお、図2においては多重化処理等の機能を設けることも想定して無線通信部11により復調処理された信号をデジタル的に信号処理する構成を示しているが、信号処理機等のハード的構成により実現してもよい。
【0032】
また、16は電源部、17は無線中継器9に取付けられ、電源部16からの電源供給を操作する電源スイッチ、その他無線中継器の動作を操作する操作ボタンが設けられた操作部、18は制御部13において信号処理された中継波の信号レベルを検出する信号レベル検出部、19は信号レベル検出部18の検出結果を表示する受信レベル表示手段、その他制御部13から出力された情報(例えば、後述する中継回線の通信チャネル等を示す中継情報)を表示する表示手段等からなる表示部、20は監視船舶2等との無線交話を行うための音声入出力部、21はデジタルカメラ等の撮像装置が接続され、当該撮像装置からの画像データを無線中継器に取り込むインタフェース部(以下、I/F部という。)である。なお、操作部17に音声入出力部20用の切替スイッチ等を設け、この切替手段がオンになっている無線中継器だけが後述する音声信号の入出力をできるようにしておくこともできる。
【0033】
このように、無線中継器9には撮像装置からの画像データを入力するためのI/F部21を設けているので、このI/F部21を介してデジタルカメラ等の撮像装置によって撮像された撮像情報についての撮像データを図2に示す無線中継器に取り込むことができる。後述するように、図2に示す無線中継器に取り込まれた撮像データは当該無線中継器の中継機能によって無線中継され、ミリ波無線機8bまで無線伝送される。なお、図2に示すような無線中継自体に撮像機能を設けることも考えられるが、全ての無線中継器についてそのような撮像機能を設ける必要性は乏しく、また無線中継器自体にかかるコストも高価となるので、本実施の形態による無線中継器では撮像機能は設けず、他の装置、例えばデジタルカメラ等の撮像装置によって撮像された撮像情報を無線中継できるよう無線中継器本体9にデジタルカメラ等の撮像装置からの画像データを取り込むことができるI/F部21を設ける構成とした。
【0034】
また、図3は不審船舶1等の内部状況を撮像するデジタルカメラ等の撮像装置であって、図2に示すような無線中継器のI/F部21と接続可能なインタフェース部を設けた撮像装置を示すブロック構成図である。図3において、22は撮像装置本体、23は撮像部、24は撮像部23からの画像信号を画像処理する画像処理部、25は撮像装置内において画像処理部の動作等を制御するCPU、26は画像処理部の処理結果等を記憶する記憶部、27は図2に示すような無線中継器のI/F部21と接続するためのI/F部である。撮像部23を介して撮像された画像情報は撮像部23から画像信号として出力され、画像処理部において画像処理される。画像処理部24において画像処理された画像データはI/F部27を介して図2に示す無線中継器に伝送される。図3に示す撮像装置のI/F部27と図2に示す無線中継器のI/F部21とは直接接続できる構造としてもよいし、接続ケーブル等を介して接続できる構造としてもよい。
【0035】
次に、図2に示すような無線中継器を複数用いて無線中継を行うこの実施の形態2による無線中継システムについて説明する。図4は図2に示すような無線中継器等を不審船舶1等の内部に複数配置した無線中継器の配置状況であって、この実施の形態2による無線中継システムの概要を示す無線中継システム概要図である。図4において、28は不審船舶1等の内部を区画し、区画された各空間の天井、床、壁等を構成するフレーム、29,30はそれぞれフレーム28に設けられ階層間の人の移動を可能とする通路、31乃至34はそれぞれ隣り合う空間の間を移動可能とする通路、35は不審船舶1等の甲板等に設置した不審船舶1側のミリ波無線機8b等を操作する臨検隊3の隊員、36は不審船舶1の内部に進入して立入り検査等を行う臨検隊3の検査官等である。
【0036】
また、A乃至Dは図2に示すような無線中継器であり、検査官等36が不審船舶1等の内部に進入する際にこれらの無線中継器を不審船舶1等内にそれぞれ配置していく。図4に示すように、無線中継の始端及び終端においては無線中継器を1台ずつ配置しているが、その間の区間においては無線中継器を2台ずつ配置している。この実施の形態2による無線中継方法及びその無線中継システムは、このように無線中継の間の区間における各中継点に図2に示すような無線中継器を2台以上ずつ配置する点にあり、これにより、比較的簡単な作業によってマルチパス環境下となる船舶等の内部と外部との間における無線中継を確実に行うことができる。以下、これら無線中継器の配置、各無線中継器間における中継チャネルの設定等についてさらに図5,図6を用いて詳細に説明する。
【0037】
図5,図6は各無線中継器の配置、及び各無線中継器間における中継回線の設定手順の例について示すフローチャート図である。まず、検査官等36は不審船舶1の内部への入口付近であって、不審船舶1の甲板等に設置された不審船舶1側のミリ波無線機8bと無線通信が可能な位置(中継点A)に無線中継器Aを配置し、無線中継器Aの操作部17に設けられた電源スイッチをONにする。これにより無線中継器Aの動作が開始する(S01)。なお、不信船舶1等に配置されるこれらの無線中継器には、共通の周波数チャネル(以下、共通制御チャネルという。)f0と複数の通信チャネル(f1乃至fn,nは1以上の整数。以下同様)とを設けておき、共通制御チャネルを回線接続制御及び中継制御に割り当てる。この共通制御チャネルには固有の送信スロット及び受信スロットがあり、これらを使用して他の無線中継器との中継動作を開始する。
【0038】
次に検査官等36は不審船舶1の内部に侵入し、無線中継器Aからある程度離れた位置(中継点B)に無線中継器B1,B2を配置してこれらの操作部17に設けられた各電源スイッチをONにする。この場合、無線中継器を2台以上ずつ配置していく前提条件としてこれら2台以上の無線中継器の配置間隔が離れ過ぎないようにする。すなわち、これら無線中継器B1,B2は同様の送受信レベルで動作するため、これら無線中継器B1,B2の間隔があまり離れてしまうと中継点Aに近い方の無線中継器が無線中継器Aと自動的に中継動作を開始してしまい2台以上配置することの意味がなくなる。図4に示すように無線中継の中間の区間に無線中継器を2台以上配置していく目的は、船舶内等の特殊な環境下で発生するマルチパスによる影響を回避してこのようなマルチパス環境下においても比較的簡単な作業で確実に無線中継を行うことができるようにすることであり、図4に示すように2台以上の無線中継器をやや間隔をおいて配置することによりダイバーシチ方式の無線中継器を使用した場合には回避困難なマルチパスの影響を容易に回避することができる。
【0039】
例えば、ダイバーシチ方式の無線中継器の場合も2つの空中線を有しており、無線中継器を2台配置した場合と一見同様に見えるが、ダイバーシチ方式の無線中継器の場合はこれら空中線の間隔を変更することができないため、船舶内等のマルチパスの影響を回避することができず、他の無線中継器からの中継波を上手く受信することができない場合がある。これに対し、本実施の形態による無線中継方法、及び無線中継システムにおいては、一方の無線中継器(例えばB1)の配置とは無関係に他方の無線中継器(例えばB2)の配置を自由に変更することができ、マルチパスの影響を容易に回避することができる。
【0040】
また、これらの無線中継器には、他の無線中継器から送信された中継波が所定レベル以上で検出されたことを表示する受信レベル表示手段を設けているので、中継点Bに配置した無線中継器B1,B2が無線中継器Aから送信された中継波を検出したか否かはこれら無線中継器B1,B2に設けられた受信レベル表示手段の表示により確認することができる(S02)。ここで、無線中継器B1,B2のいずれかの受信レベル表示手段がキャリア検知を表示した場合には、中継点A及び中継点Bに配置された無線中継器間において中継動作が可能となるが、無線中継器B1,B2の受信レベル表示手段がいずれもキャリア検知を表示しない場合には、さらに無線中継器B3,・・Bnを配置するかこれら無線中継器B1,B2の配置を変更する(S03)。このような調整により中継点Bに配置された無線中継器B1,B2又はBnの受信レベル表示手段にキャリア検知が表示された場合には中継点A及び中継点Bの無線中継器間において中継動作が可能となる(S04)。
【0041】
そして、中継点A及び中継点Bの無線中継器間において中継動作が可能となると、各無線中継器は共通制御チャネルの送信スロットを用いて中継要求信号を送信する。図4に示すように、中継点Bでは無線中継器B1,B2の配置により中継動作が可能になったものとする。無線中継器Aは共通制御チャネルの受信スロットを用いて無線中継器B1,B2から送信された中継要求信号を受信し、最も受信レベルが高いと判断した無線中継器(例えばB1)を選択して中継動作を開始する(S05)。この際、無線中継器Aは共通制御チャネルF0の中継情報により空の通信チャネルを確認しており、空の通信チャネルの中から任意の通信チャネル(例えばf1)を中継回線として設定する。なお、無線中継器B2からも中継要求信号が送信されており、同様にして無線中継器B1及び無線中継器B2の間においても中継回線の設定(例えば通信チャネルf2)が行われ、中継動作が開始される。
【0042】
このように、中継点A及び中継点Bに配置された各無線中継器間において中継動作が開始されると、検査官等36はこの中継点Bと監視船舶2側、さらには陸上の陸上の施設内に設置された司令部側との間において無線交話、及び画像データの伝送を行うことが可能となるが、さらに不審船舶1等の内部に進入して立会い検査等を行う必要がある場合は同様にして次の中継点(中継点C)に無線中継器C1,C2を配置する(S06)。
【0043】
中継点Cに配置した無線中継器C1,C2が無線中継器B1又はB2から送信された中継波を検出したか否かはこれら無線中継器C1,C2に設けられた受信レベル表示手段のキャリア検知の表示により確認する(S07)。無線中継器C1,C2のいずれかの受信レベル表示手段がキャリア検知を表示した場合には、中継点B及び中継点Cに配置された無線中継器間において中継動作が可能となるが、無線中継器C1,C2の受信レベル表示手段がいずれもキャリア検知を表示しない場合には、さらに無線中継器C3,・・Cnを配置するかこれら無線中継器C1,C2の配置を変更する(S08)。このような調整によって中継点Cに配置された無線中継器C1,C2又はCnの受信レベル表示手段がキャリア検知を表示した場合には中継点B及び中継点Cの無線中継器間において中継動作が可能となる(S09)。
【0044】
中継点B及び中継点Cの無線中継器間において中継動作が可能となると、各無線中継器は共通制御チャネルの送信スロットを用いて中継要求信号を送信する。例えば、無線中継器B1,B2は共通制御チャネルの受信スロットを用いて無線中継器C1,C2から送信された中継要求信号をそれぞれ受信しており、いずれも最も受信レベルが高いと判断した無線中継器を選択して中継動作を開始する。例えば、無線中継器B1が無線中継器C1との間における受信レベルよりも無線中継器C2との間における受信レベルの方が高いと判断した場合は、無線中継器B1は無線中継器C2との間に通信チャネルf3による中継回線を設定し、無線中継器B2が無線中継器C2との間における受信レベルよりも無線中継器C1との間における受信レベルの方が高いと判断した場合は、無線中継器B2は無線中継器C1との間に通信チャネルf4による中継回線を設定する(S10)。
【0045】
同様にして無線中継器C1及び無線中継器C2の間においても通信チャネルf5による中継回線が設定される。これにより中継点B及び中継点Cに配置された各無線中継器間においても中継動作が開始され、検査官等36はこの中継点cと監視船舶2側、さらには陸上の陸上の施設内に設置された司令部側との間において無線交話、及び画像データの伝送を行うことができる。なお、さらに不審船舶1等の内部に進入して立会い検査等を行う必要がある場合は同様にして次の中継点(中継点D)に無線中継器D1,D2を配置していくが、図4に示すように、次の中継点Dまでの無線中継でよい場合には中継点Aと同様に1台の無線中継器Dを配置すればよい(S11)。
【0046】
中継点Dに配置した無線中継器Dが無線中継器C1又はC2から送信された中継波を検出したか否かは無線中継器Dに設けられた受信レベル表示手段のキャリア検知の表示により確認する。無線中継器Dの受信レベル表示手段がキャリア検知を表示した場合には、中継点C及び中継点Dに配置された無線中継器間において中継動作が可能となり、最も受信レベルが高いと判断した無線中継器(例えばC1)を選択して中継回線(例えば通信チャネルf6)の設定及び中継動作を開始する(S11)。これにより、中継点Aから中継点Dまでの間において中継動作が可能となる(S12)。
【0047】
そして、中継点A乃至中継点Dに配置された各無線中継器間において中継動作が可能となると、次にこれら複数の無線中継器の間において中継ルートの設定が行われる。各無線中継器間に設定された中継回線、及びこれら中継回線の設定の基準となったキャリア検知の受信レベル等の中継情報は共通制御チャネルに含まれており、この実施の形態による無線中継システムを構成する中継点A乃至Dに配置されたこれら複数の無線中継器は、この共通制御チャネルを介して他の無線中継器間の中継情報をも知ることができ、このような中継情報に基づいて中継ルートの設定を行うことができる。
【0048】
例えば、中継点B及び中継点Cの間には、無線中継器B1及び無線中継器C2による通信チャネルf3の中継回線と無線中継器B2及び無線中継器C1による通信チャネルf4の中継回線とがそれぞれ設定されているが、この実施の形態2による無線中継システムでは、このうち最も受信レベルが高いと判断された中継回線を中継点B及び中継点C間の中継回線として選定する(図4に示す無線中継システムでは無線中継器B1及び無線中継器C2の間に設定された通信チャネルf3による中継回線の受信レベルが高いものとする。)。なお、中継点A及び中継点Bの間、中継点C及び中継点Dの間においては既に最も受信レベルが高い中継回線がそれぞれ選択されており、これに基づいて図7に示すような中継ルートが設定される。
【0049】
図7は図4に示す無線中継システムにおいて設定された中継ルートのルート説明図である。図7に示すように、図4に示す実施の形態2による無線中継システムでは、中継点A乃至中継点D間における中継ルートが無線中継器A、無線中継器B1、無線中継器C2、無線中継器C1及び無線中継器Dの間に設定された各中継回線(通信チャネル:f1,f3,f5,f6)により構成される。すなわち、中継点C及び中継点Dの間においては、無線中継器C1と無線中継器Dとの間に通信チャネルf6による中継回線が設定されているので、中継点Bと中継点Cとの間の無線中継を継続するべく無線中継器C1と無線中継器C2との間に設定された通信チャネルf5による中継回線が中継ルートとして設定されている。なお、中継点がさらに追加され(中継点E、中継点F…)、かつ、これら中継点B及び中継点Cの間、あるいは中継点D及び中継点Eの間において設定された各中継回線の受信レベルが同程度となるような場合には、全体の中継距離が最も短くなるように中継ルートを設定する。
【0050】
このように、各中継点間においては、受信レベルの高さ、受信レベルが同等の場合には全体の中継距離が短くなるような中継回線が選択されて中継ルートの設定が行われるので、各中継点間でより確実な無線中継を行うことができる。なお、各中継点において設定される無線中継器間における受信レベルは無線中継器間の間隔が比較的狭いので(例えば、無線中継器C1と無線中継器C2との間に設定された通信チャネルf5による中継回線、あるいは無線中継器B1と無線中継器B2との間に設定された通信チャネルf2による中継回線)、各中継点間における中継ルートの設定が的確になされれば、無線中継システム全体の無線中継も確実に行うことができる。
【0051】
中継ルートの設定が終了すると、監視船舶2側と無線交話及び画像データ等の通信が可能となる。図2に示すように、不審船舶1等に配置される各無線中継器には音声入出力部20が設けられており、検査官等36は近くにある無線中継器の音声入出力部20を介して無線交話を行う。また、他の装置とデータのやりとりを行うI/F部21を設けているので、撮像装置22により撮像した撮像情報に基づく撮像データ等はこのI/F部21を介して入力され、監視船舶2側に無線伝送される。以下、図4に示す無線中継システムの無線中継動作等について説明する。
【0052】
検査官等36は立入り検査の状況を無線中継器Dの音声入出力部20を介して報告する。また、不審船舶1等の内部状況、証拠品等を撮像装置22により撮像する。撮像装置22により撮像された撮像情報は画像処理部24により画像処理され記憶部26に記憶される。この画像データを監視船舶2側へ伝送する場合には、撮像装置22のI/F部27と無線中継器DのI/F部21とを接続し、画像データを無線中継器Dに転送する。無線中継器Dに入力された音声信号及び画像データは制御部13のCPU14によって所定の処理が施され無線通信部11に出力される。無線通信部11は通信制御部12により送受信が制御されており、無線通信部11に入力された音声信号及び画像データは所定の通信プロトコルに従って変調処理され、空中線10を介して無線中継器C1に伝送される。
【0053】
上述したように、図4に示す無線中継システムにおいては、図7に示すような中継ルートが設定されており、これら音声信号及び画像データは通信チャネルf6の中継回線を介して無線中継器C1に伝送される。同様に無線中継器C1から無線中継器C2、無線中継器B1及び無線中継器Aへと順次中継され、無線中継器Aから不審船舶1側のミリ波無線機8bに伝送される。ミリ波無線機8bに伝送された音声信号及び画像データはミリ波帯の信号に変換され監視船舶2側のミリ波無線機8aに伝送される。監視船舶2側では、ミリ波無線機8aに伝送された音声信号をスピーカ等から出力させ、またモニタ等の表示装置に表示させることにより検査官等36からの報告内容を確認することができる。
【0054】
そして、監視船舶2まで伝送されたこれら音声信号及び画像データは、実施の形態1において説明したように、監視船舶2から通信衛星4、地上局5及び地上回線7を介して陸上の施設内に設置された司令部側の管理装置6に対して伝送される。陸上の司令部側では、管理装置6に伝送された音声信号をスピーカ等から出力させ、またモニタ等の表示装置に表示させることにより検査官等36からの報告内容を確認することができる。
【0055】
また、司令部側又は監視船舶2側から検査官等36への音声による指示等も同様にして伝送され、無線中継器Aに伝送された音声信号は図7に示すような中継ルートを経由して無線中継器Dの音声入出力部20から出力される。なお、司令部側又は監視船舶2側から画像データ等が伝送された場合にその内容を検査官等36において確認することができ、検査官等36に対してより的確な指示を行うことができる。無線中継器の表示部19にモニタ等を設けることも考えられるが、全ての無線中継器にモニタ等を設ける必要性に乏しく、コスト的な面からも撮像装置22に設けることが望ましい。
【0056】
なお、図8は図7に示す中継点A乃至D間の中継ルートが設定された無線中継器の通信チャネルの使用状況等を示す通信チャネル使用状況説明図である。図8において、37は共通制御チャネル、38はそれぞれ通信チャネルである。共通制御チャネル37,各通信チャネル38は全ニ重の構成となっている。図8に示すように、共通制御チャネル37は各無線中継器A,B1,C2及びDが共通に使用しているが、通信チャネル38は各無線中継器の間でそれぞれ異なる通信チャネルを使用している。また、通信チャネル38を複数設けているので、中継距離が長くなり又は複数に分岐して多数の中継点を設ける必要が生じても容易に対応することができる。
【0057】
以上のように、この実施の形態2による無線中継方法及び無線中継システムによれば、検査官等36が無線中継を行う区間の各中継点に2台以上の無線中継器をそれぞれ配置し、各中継点間に配置された無線中継器が隣り合う中継点に配置された他の複数の無線中継器のうち受信レベルが高いと判断した無線中継器との間に中継回線を設定するので、船舶内等のように電波の見通しが悪く、かつ、マルチパスが発生するような環境下においても、比較的簡単な作業で確実な無線中継を実現することができる。
【0058】
また、検査官等36が複数の無線中継器を検査ルートに沿って配置していけばよいので、システム構成のための多数の人員を必要とせず、有線回線を敷設していくような場合と比較して機動性を確保することができる。さらに、無線中継であるため傍受などの不正なアクセスからのセキュリティレベルも高く、保全性も確保することができる。
【0059】
なお、実施の形態2による無線中継システムにおいては、検査官等36が図4に示すように中継点Dに配置された無線中継器Dを用いて監視船舶2側への検査状況の報告を行う様子について示しているが、この検査官等36が他の無線中継器C1等を用いて無線中継を行うこともできる。また、複数の検査官等が不審船舶1内の異なる場所を同時に検査して報告することもできる。この場合、無線中継器A乃至Dはそのままの配置で検査管等36が移動するだけで上述したような無線伝送を行うことができる。すなわち、図2に示すように各無線中継器には音声入出力手段20、I/F部21等がそれぞれ設けられているので、例えば、検査官等36が中継点Dから中継点Cに移動した場合は中継点Cに配置された無線中継器C1又はC2の表示部19により中継ルートが設定されているか否かを確認し(図7に示すように、中継点Cにおいてはいずれの無線中継器にも中継ルートが設定されている。)、いずれかの無線中継器を用いて音声及び画像データによる報告を行う。
【0060】
また、複数の検査官等により同時に検査状況の報告を行うような場合においても、各無線中継器の制御部13に多重化処理の機能を持たせておくことにより自己に入力された音声信号及び画像データ、並びに他の無線中継器から無線伝送された音声信号及び画像データを多重化して無線中継することができ、監視船舶2側、陸上の司令部側においては、これら複数の検査官等からの報告に基づいてさらに迅速かつ的確な判断を行うことができる。なお、多重化処理については既存の技術を用いればよく、詳細な説明については省略する。
【0061】
【発明の効果】
以上のように、この発明に係る無線中継システムによれば、複数の無線中継器により共通制御チャネルを共有し、この共通制御チャネルの情報に基づいて各中継点に配置された前記無線中継器の間に中継回線を設定する無線中継システムにおいて、前記中継点に前記無線中継器を2以上配置し、一の中継点に配置された前記2以上の無線中継器は、他の中継点に配置された前記2以上の無線中継器から送信された信号の受信レベルをそれぞれ検出して受信レベルの高い信号を送信した無線中継器との間に中継回線をそれぞれ設定し、これら中継点間に設定された前記中継回線のうち、より受信レベルが高い信号に基づき設定された中継回線を前記一の中継点と前記他の中継点との間における中継回線として設定するので、船舶内等のように電波の見通しが悪く、かつ、マルチパスが発生するような環境下においても、確実な無線中継を実現することができる。
【0063】
また、この発明に係る船舶内監視システムによれば、検査船舶の内部を撮影する撮影装置と、前記検査船舶内の各中継点に無線中継器を2以上配置し、一の中継点に配置された前記2以上の無線中継器は、他の中継点に配置された前記2以上の無線中継器から送信された信号の受信レベルをそれぞれ検出して受信レベルの高い信号を送信した無線中継器との間に中継回線をそれぞれ設定し、これら中継点間に設定された前記中継回線のうち、より受信レベルが高い信号に基づき設定された中継回線を前記一の中継点と前記他の中継点との間における中継回線として設定する無線中継システムと、前記検査船舶側に設けられて前記無線中継システムの中継回線により無線中継された前記撮影装置の画像データを前記検査船舶から離れた位置に待機した監視船舶に送信する一方側の無線機及び前記監視船舶側に設けられて前記一方側の無線機から送信された画像データを受信する他方側の無線機により構成された無線通信手段とを備えたので、不審船舶等の船舶内部の状況を画像データによりこのような船舶から離れた位置で待機する監視船舶に対して伝送することができ、監視船舶側においてこの画像データの画像情報に基づく迅速かつ的確な判断を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による船舶内監視システムを示すシステム概要図である。
【図2】 この発明の実施の形態2による無線中継システムに用いる無線中継器を示すブロック構成図である。
【図3】 この発明の実施の形態2による無線中継システムにおいて使用されるデジタルカメラ等の撮像装置を示すブロック構成図である。
【図4】 この発明の実施の形態2による無線中継システムを示すシステム概要図である。
【図5】 図4に示す各無線中継器の配置、及び各無線中継器間における中継回線の設定手順の例について示すフローチャート図である。
【図6】 図4に示す各無線中継器の配置、及び各無線中継器間における中継回線の設定手順の例について示すフローチャート図である。
【図7】 図4に示す無線中継システムにおいて設定された中継ルートのルート説明図である。
【図8】 図7に示す中継点A乃至D間の中継ルートが設定された無線中継器の通信チャネルの使用状況等を示す通信チャネル使用状況説明図である。
【符号の説明】
1 船舶(不審船舶)、2 監視船舶、4 通信衛星、6 管理装置、
8a,8b 無線通信手段(ミリ波無線機)、9 無線中継器、
11 無線通信部、13 制御部、18 信号レベル検出部、19 表示部、
20 音声入出力部、21 インターフェース部(I/F部)、
22 撮像装置、37 共通制御チャネル、38 通信チャネル。
Claims (8)
- 複数の無線中継器により共通制御チャネルを共有し、この共通制御チャネルの情報に基づいて各中継点に配置された前記無線中継器の間に中継回線を設定する無線中継システムにおいて、前記中継点に前記無線中継器を2以上配置し、一の中継点に配置された前記2以上の無線中継器は、他の中継点に配置された前記2以上の無線中継器から送信された信号の受信レベルをそれぞれ検出して受信レベルの高い信号を送信した無線中継器との間に中継回線をそれぞれ設定し、これら中継点間に設定された前記中継回線のうち、より受信レベルが高い信号に基づき設定された中継回線を前記一の中継点と前記他の中継点との間における中継回線として設定することを特徴とする無線中継システム。
- 前記2以上の無線中継器は、複数の通信チャネルの中から空きの通信チャネルを中継回線として設定するようにしたことを特徴とする請求項1記載の無線中継システム。
- 前記2以上の無線中継器は、前記中継回線により無線中継する画像データを送受信する無線通信部と、撮影装置により撮影された画像データを取り込むインタフェース部と、このインタフェース部により取り込まれた前記撮像装置の画像データと前記中継回線を介して無線中継する画像データとを多重化して前記無線通信部に出力する多重化手段とを有することを特徴とする請求項1記載の無線中継システム。
- 前記一の中継点に配置された前記2以上の無線中継器は、前記他の中継点に配置された前記2以上の無線中継器から送信された信号の受信レベルの検出結果を表示する受信レベル表示手段を有することを特徴とする請求項1記載の無線中継システム。
- 検査船舶の内部を撮影する撮影装置と、前記検査船舶内の各中継点に無線中継器を2以上配置し、一の中継点に配置された前記2以上の無線中継器は、他の中継点に配置された前記2以上の無線中継器から送信された信号の受信レベルをそれぞれ検出して受信レベルの高い信号を送信した無線中継器との間に中継回線をそれぞれ設定し、これら中継点間に設定された前記中継回線のうち、より受信レベルが高い信号に基づき設定された中継回線を前記一の中継点と前記他の中継点との間における中継回線として設定する無線中継システムと、前記検査船舶側に設けられて前記無線中継システムの中継回線により無線中継された前記撮影装置の画像データを前記検査船舶から離れた位置に待機した監視船舶に送信する一方側の無線機及び前記監視船舶側に設けられて前記一方側の無線機から送信された画像データを受信する他方側の無線機により構成された無線通信手段とを備えたことを特徴とする船舶内監視システム。
- 前記2以上の無線中継器は、前記中継回線により無線中継する画像データを送受信する無線通信部と、この無線通信部を介して前記監視船舶側と無線交話する音声入出力部とを有することを特徴とする請求項5記載の船舶内監視システム。
- 検査船舶の内部を撮影する撮影装置と、前記検査船舶内の各中継点に無線中継器を2以上配置し、一の中継点に配置された前記2以上の無線中継器は、他の中継点に配置された前記2以上の無線中継器から送信された信号の受信レベルをそれぞれ検出して受信レベルの高い信号を送信した無線中継器との間に中継回線をそれぞれ設定し、これら中継点間に設定された前記中継回線のうち、より受信レベルが高い信号に基づき設定された中継回線を前記一の中継点と前記他の中継点との間における中継回線として設定する無線中継システムと、前記検査船舶側に設けられて前記無線中継システムの中継回線により無線中継された前記撮影装置の画像データを前記検査船舶から離れた位置に待機した監視船舶に送信する一方側の無線機及び前記監視船舶側に設けられて前記一方側の無線機から送信された画像データを受信する他方側の無線機により構成された無線通信手段と、前記監視船舶に設けられ、前記無線通信手段により伝送された前記画像データを通信衛星を介して地上の施設に設置された管理装置に伝送する衛星通信手段とを備えたことを特徴とする船舶内監視システム。
- 前記一方側及び他方側の無線機は、ミリ波帯の信号を伝送するミリ波無線機であることを特徴とする請求項5又は請求項7記載の船舶内監視システム。
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