JP3675498B2 - 吸収式冷凍機用伝熱管 - Google Patents
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Description
【技術分野】
本発明は、吸収式冷凍機(吸収式ヒートポンプを含む。以下、同じ)に用いられる伝熱管であって、特に、冷媒が管内に導かれる一方、該外面に複数のフィンが装着されて冷却空気や被冷却流体が接触せしめられる、吸収器や蒸発器に用いられる吸収式冷凍機用伝熱管に関するものである。
【0002】
【背景技術】
従来から、吸収式冷凍機における蒸発器としては、一般に、伝熱管内に冷媒を流通せしめる一方、該伝熱管の外面に複数のフィンを装着して空気やブライン等の被冷却流体を接触せしめるようにした構造のものが採用されており、また、吸収式冷凍機における吸収器としても、伝熱管外表面を流下せしめられる吸収液を管内に流通せしめられる冷却水で冷却するようにした従来の水冷式のものに代えて、近年、吸収液を伝熱管内に流通せしめる一方、該伝熱管の外面に複数のフィンを装着して冷却空気を接触せしめるようにした空冷式のものが検討されており、空冷式にすることによって小型化が可能であることから、家庭用の小型冷房機等への適用も考えられている。
【0003】
ところで、このような蒸発器や空冷式の吸収器における伝熱管の如く、伝熱管内に冷媒や吸収液を流通せしめるに際しては、かかる冷媒等の流通性や熱交換効率を有利に確保するために、複数本の伝熱管を鉛直方向にまたは所定角度傾斜して配管し、それら伝熱管の内面に沿って冷媒や吸収液を流下させることが望ましい。
【0004】
ところが、このように鉛直配管または傾斜配管される伝熱管として、従来から水平配管される吸収器用伝熱管等として一般に用いられている内外面が平滑な円形断面を有する平滑管を採用すると、冷媒や吸収液が直線的に流下してしまって液膜が充分に広がらず、液膜の滞留時間も短くなるために充分な伝熱性能や熱交換効率を得ることが難しいという問題があった。なお、このような問題に対処するために、特開平4−151473号公報に開示されているように平滑管の内表面を切削工具等で切り起こして局部的な突起を形成したり、管内表面に濡れ性向上のための表面処理を施したりすることも提案されているが、未だ、管周方向への広がりを充分に得ることが出来ず、冷媒や吸収液の滞留時間や管内表面の濡れ面積を確保することも難しいために、満足できる伝熱性能を得ることが困難であった。
【0005】
また、平滑管の内表面を切削工具で切り起こして管長手方向に連続して螺旋状に延びる突起を形成することにより、管内表面に螺旋状に延びる溝部を形成することも考えられるが、このような構造のものにあっては、冷媒や吸収液が螺旋状の溝部に沿って管周方向に案内されて広げられるものの、切起しによって形成された突起が鋭角的な頂角を有する略三角の断面形状となるために、突起表面に膜切れが生じ易いことに加えて、螺旋状溝部と突起との境界部分に存在する不連続な屈曲点に液膜が偏るために、溝部中央の平坦部分に膜切れが生じ易く、冷媒や吸収液の液膜の厚さに大きな偏りが生じて液膜の広がりが充分でなくなり、その結果、螺旋状の突起の形成によって管内表面積が増大されるにも拘わらず、全体としての伝熱性能の向上は余り望めなかったのである。
【0006】
【解決課題】
ここにおいて、本発明は、上述の如き事情を背景として為されたものであって、その解決課題とするところは、鉛直配管乃至は傾斜配管した場合でも、管内を流通せしめられる冷媒や吸収液が管内表面において有利に広げられて、液膜の著しい偏りを生ずることなく濡れ面積を有利に得ることが出来ると共に、液膜の滞留時間が有利に確保されて伝熱性能の向上が達成され得る吸収式冷凍器用伝熱管を提供することにある。
【0007】
【解決手段】
そして、かかる課題を解決するために、本発明の特徴とするところは、冷媒が管内に導かれる一方、管外面に複数のフィンが装着される吸収式冷凍機用伝熱管において、5〜50°のリード角で管内面を管長手方向に向かって螺旋状に延びる凹部と凸部を、管周方向で交互に位置するように、それぞれ管周方向で0.3〜5.0mmのピッチで形成すると共に、該凸部の該凹部に対する突出高さを0.3〜0.6mmとする一方、かかる管周方向で交互に位置する凹部および凸部の断面形状を実質的な不連続部を有しない連続面としたことにある。
【0008】
また、本発明は、管内に導かれる冷媒を溶解する吸収液が管内周面に沿って流下せしめられる一方、管外面に複数のフィンが装着されて冷却空気が接触せしめられる吸収器に用いられる吸収式冷凍機用伝熱管において、5〜50°のリード角で管内面を管長手方向に向かって螺旋状に延びる凹部と凸部を、管周方向で交互に位置するように、それぞれ管周方向で1.0〜5.0mmのピッチで形成すると共に、該凸部の該凹部に対する突出高さを0.3〜0.6mmとする一方、かかる管周方向で交互に位置する凹部および凸部の断面形状を実質的な不連続部を有しない連続面としたことも、特徴とする。
【0009】
更にまた、本発明は、冷媒が管内周面に沿って流下せしめられる一方、管外面に複数のフィンが装着されて被冷却流体が接触せしめられる蒸発器に用いられる吸収式冷凍機用伝熱管において、5〜50°のリード角で管内面を管長手方向に向かって螺旋状に延びる凹部と凸部を、管周方向で交互に位置するように、それぞれ管周方向で0.3〜0.6mmのピッチで形成すると共に、該凸部の該凹部に対する突出高さを0.3〜0.6mmとする一方、かかる管周方向で交互に位置する凹部および凸部の断面形状を実質的な不連続部を有しない連続面としたことをも、特徴とする。
【0010】
そこにおいて、本発明に従う構造とされた吸収式冷凍機用伝熱管における凹部および凸部の断面形状は、実質的な不連続部を有しない連続面である限り、具体的に限定されるものでなく、直線部分を含むものであっても良いが、好ましくは、円や楕円,放物線等の湾曲面形状とされる。なお、断面形状が実質的な不連続部を有しない連続面であるとは、断面上の何れの点においても接線が複数となる屈曲点や、曲率半径が極めて小さい曲部の如く実質的に屈曲点と見なし得る点を実質的に持たない面であることをいう。
【0011】
また、本発明に従う構造とされた吸収式冷凍機用伝熱管においては、凸部を管軸方向一方の側に傾斜して設けるようにしても良い。
【0012】
更にまた、本発明に従う構造とされた吸収式冷凍機用伝熱管においては、凹部および凸部のリード角よりも小さなリード角を有するコイル部材を管内に挿入し、該コイル部材を管内周面に密接させて配設することも可能である。
【0013】
【発明の具体的構成】
先ず、図1〜3には、本発明に従う構造とされた吸収式冷凍機用伝熱管の一具体例が示されている。かかる伝熱管10は、全体として円形断面の直管形状を有しており、例えば図4に示されているように、適当な長さに切断した複数本を互いに並列的に配管し、それらの外周面に多数枚のプレートフィン12を装着せしめて一体的に組み付けることにより、吸収器乃至は蒸発器を構成するようになっている。そして、各伝熱管10の中心軸が鉛直方向乃至は鉛直方向に対して所定角度だけ傾斜した方向に延びる状態で吸収器または蒸発器内に配設されることとなり、吸収器においては、管内面に沿って吸収液14が流下されて管内に導かれた冷媒が該吸収液14に吸収されると共に、管外面に冷却空気が接触せしめられて溶解熱乃至は希釈熱や潜熱による吸収液の温度上昇が抑えられる一方、蒸発器においては、管内に導かれて管内面に沿って流下せしめられる液状の冷媒14が蒸発することにより、冷媒の蒸発による冷凍作用によって、管外面に接触せしめられる空気等の被冷却流体が冷却されることとなる。
【0014】
ここにおいて、伝熱管10の材質は、管内に導かれる冷媒や吸収液に対する耐蝕性の他、伝熱性や加工性等を考慮して選定されることとなり、例えば、水を冷媒とし、臭化リチウムを吸収剤とする場合には、銅管が好適に採用され得る。また、この伝熱管10は、図1中のA部の拡大図および横断面拡大図が図2および図3に示されているように、外周面16が平滑面とされている一方、内周面に対して、それぞれ管長手方向に螺旋状に延びる複数条の凹部18と凸部20が、管周方向で交互に位置して、互いに略平行に形成されている。
【0015】
これら凹部18と凸部20は、管周方向におけるピッチ:p(図3参照)、換言すれば管軸に直角な断面において周方向で隣接位置する凹部18と凹部18および凸部20と凸部20の間隔が、何れも0.3〜5.0mmとなるように設定される。具体的には、例えば、φ19.05mmの銅管であれば、凹部18および凸部20の数が、それぞれ、一周当たり12〜150条となるように設定することが望ましい。
【0016】
けだし、かかるピッチ:pが、0.3mmより小さいと、凹部18の幅が小さくなり過ぎて、凹部18内に冷媒や吸収液が充分に流れ込みにくくなり、凹部18に沿った管周方向への液膜の広がりが充分に期待できなくなるからであり、一方、ピッチ:pが、5.0mmより大きいと、管内面に形成される凹凸が少なくなって有効な伝熱面積の増加が実現され難くなるからである。即ち、凹部18および凸部20の管周方向におけるピッチ:pを、0.3〜5.0mmとすることにより、それら凹部18および凸部20の形成による管内面の伝熱面積の増加と、凹部18や凸部20の案内作用による管周方向への液膜の広がりの促進とが、共に有利に達成されて、有効伝熱面積の拡大が効果的に図られ得るのである。
【0017】
また、特に、吸収器用伝熱管として用いる場合には、上記ピッチ:pを、1.0〜5.0mmとすることが望ましい。けだし、吸収器用伝熱管では、一般に、臭化リチウム水溶液等の粘性の高い吸収液が管内面を流下せしめられるために、ピッチ:pを1.0mmよりも小さくすると、吸収液が凹部18内に充分に流れ込みにくくなるからである。一方、蒸発器用伝熱管として用いる場合には、上記ピッチ:pを、0.3〜0.6mmとすることが望ましい。けだし、蒸発器用伝熱管では、一般に、管内に導かれる冷媒の粘性がそれ程大きくないことから、ピッチ:pを0.6mm以下とすることによって、伝熱面積の増加が極めて有利に達成され得るからである。
【0018】
また、これら凹部18と凸部20は、伝熱管10の全長に亘って一定のリード角で形成されていても、或いは部分的にリード角が変化させられていても良いが、かかるリード角:αが、何れの部位においても5〜50°の範囲内となるように、好ましくは5〜30°の範囲内となるように設定される。なお、リード角とは、図1に示されているように、凹部12または凸部14の接線(巻き方向の直線)と、管軸に直角な平面とがなす角度をいう。
【0019】
けだし、リード角:αが50°より大きいと、伝熱管10を吸収器または蒸発器に組み付けた際に、凹部18に沿う冷媒や吸収液の流下速度が大きくなって、管内面における液膜の滞留時間を充分に確保することが難しく、凹部18および凸部20による伝熱面積の増大効果が有効に発揮され難くなるからであり、一方、リード角:αが5°より小さいと、伝熱管10の内周面における凹部12および凸部14の形成が困難となるからである。即ち、凹部18および凸部20のリード角:αを、5〜50°とすることにより、好ましくは5〜30°とすることにより、製作性の著しい低下を伴うことなく、管内面を流下せしめられる液膜が凹部18に沿って管周方向に導かれて液膜の流下速度が効果的に抑えられると共に、流体距離が実質的に増大されて、冷媒や吸収液の滞留時間を有利に確保することができるのである。
【0020】
なお、蒸発器や吸収器において、伝熱管10が傾斜配管される場合には、その傾斜角度をも考慮して、凹部18および凸部20のリード角:αを決定することが望ましく、具体的には、リード角:αを、鉛直方向に対する伝熱管の配管傾斜角度以上に設定することが望ましい。それによって、伝熱管10の配管時にも、伝熱管の軸方向下方に向かって螺旋条に延びる凹部18および凸部20の傾斜が部分的に上方に向かうことが防止されて、凹部18および凸部20に沿った冷媒や吸収液の下方に向かう流れが有利に生ぜしめられる得ることとなる。
【0021】
さらに、伝熱管10の内周面に形成された凹部18および凸部20は、それらの断面の全体に亘って実質的な不連続部を有しない連続面とされている。なお、実質的な不連続部を有しない連続面とは、接線が複数となる屈曲点や、曲率半径が極めて小さい曲部の如く実質的に屈曲点と見なし得る点を持たない面であることをいう。
【0022】
すなわち、このように凹部18および凸部20を、それらの断面の全体に亘って実質的な不連続部を有しない連続面をもって形成すれば、谷状の屈曲点(不連続部)への液膜の集中や、峰状の屈曲点における液膜の切れが何れも有利に防止され得て、凹部18における局部的な液膜厚さの偏りが軽減されると共に、凸部20の表面にも液膜が有利に広げられることとなり、その結果、凹部18の平坦部や凸部20の頂部及び下面等で生じ易かった液切れ(渇き面の発生)が効果的に防止され得て、液膜による濡れ面積の増大が図られ、有効伝熱面積、延いては伝熱性能が有利に向上され得るのである。
【0023】
なお、凹部18および凸部20の具体的な断面形状は、何等限定されるものでなく、半円形状や半楕円形状,放物線形状などの湾曲断面形状の他、一部に直線部分を有する断面形状も採用され得る。具体的には、図1〜3に示された形状の他、図5に示されているように両側面が略平行とされた形状の凸部20を形成したり、図6に示されているように凹部18の両側から覆いかぶさるように張り出した先太形状の凸部20を形成したり、或いは図7のように配管時に上方となる管軸方向一方の側に傾斜した凸部20を形成することも出来、それによって、管内面に沿って流下せしめられる冷媒や吸収液を凸部20によって受ける形となることから、液膜が凹部18内に有利に保持されて、凹部18に沿った液膜の管周方向への広がりや滞留時間の延長が、一層効果的に達成され得ることとなる。
【0024】
また、好適には、凹部18および凸部20は、何れも湾曲断面形状をもって形成される。なお、湾曲断面形状とは、単一の若しくは連接された複数の湾曲面によって形成された断面形状をいい、直線的な断面部分を含まない形状をいう。即ち、このような湾曲断面形状をもって形成すれば、冷媒や吸収液の凸部20の表面上への広がりも一層スムーズとなり、凹部18および凸部20の表面における液膜厚さの均一化が、表面張力の作用によって一層有利に図られ得るのであり、液膜厚さの大きな偏りによる部分的な熱伝導の低下が防止されて、有効伝熱面積の増加による伝熱性能向上効果が一層効果的に達成され得るのである。尤も、本発明においては、凹部18および凸部20が、実質的な不連続部を有しない断面形状をもって形成されることから、凹部18の底部中央を略平坦面としても、凹部18の幅方向両側への液膜の著しい偏りが防止されて、かかる平坦面における液切れ等の発生が防止され得、有効な伝熱性能が発揮され得ることとなる。
【0025】
さらに、凸部20は、凹部18の底面からの突出高さが0.3〜0.6mmとなるように形成される。けだし、凸部20の突出高さが0.3mmより低いと、冷媒や特に比重が大きい臭化リチウム溶液等の吸収液を凹部18内に有効に保持することが難しく、結果的に、凹部18に沿った液膜の管周方向への広がり効果が低下してしまうからであり、一方、凸部20の突出高さが0.6mmより高いと、伝熱管10の内周面における凹部18および凸部20の形成が困難となるからである。即ち、凸部20の突出高さを、0.3〜0.6mm、好ましくは0.5〜0.6mmとすることにより、良好なる製作性を確保しつつ、凹部18に沿った管周方向への液膜の広がりの促進による有効伝熱面積の拡大が効果的に図られ得るのである。
【0026】
また、図面上に明示はされていないが、上述の如き凹部18と凸部20が形成された伝熱管10に対して、凹部18および凸部20のリード角:αよりも小さなリード角を有する螺旋条のコイル部材を挿入し、凹部20に密接させて配設することも可能である。このようなコイル部材を配設することにより、伝熱面積の更なる増大が図られ得ると共に、冷媒や吸収液の一部がコイル部材に沿って管周方向に導かれることにより、液膜の滞留時間の更なる増大が図られ得ることとなる。
【0027】
なお、コイル部材は、伝熱管10と同様、冷媒や吸収液に対する耐蝕性等を考慮して材質が選定されることとなり、例えば、凹部18および凸部20を形成された伝熱管10内に挿入せしめた後、拡管プラグ等を挿入して、コイル部材を伝熱管10の内周面に圧接固定すること等によって、伝熱管10に組み付けられる。
【0028】
ところで、上述の如き、本発明に従う構造とされた伝熱管10は、例えば目的とする凹部18および凸部20に対応した螺旋状の凹凸が外周面に付されたプラグを用い、引抜加工を施すこと等によっても製造することが可能であるが、特に、転造加工によって有利に製造され得る。
【0029】
具体的には、例えば、図8〜10に示されているように、内外周面が平滑な素管24の内部に、目的とする凹部18および凸部20に対応した螺旋状の凹凸が外周面に付されたプラグ25を挿入配置すると共に、素管24の外部に3つのロール26を配設せしめて、それらロール26によって素管24の外周面に圧力を加え、素管24を回転させながら軸方向に移動させて管内周面に凹凸加工を施すことにより、目的とする伝熱管10が、有利に製造されることとなる。
【0030】
なお、ロール26としては、例えば、外周面が平滑な異径のディスク28の複数枚を軸方向に重ね合わせてロッド30に装着したものが好適に用いられ、一般的な転造加工と同様、ロッド30の軸が管軸に対して所定角度:βだけ傾斜した状態で配設される。このようなロール26を採用すれば、各種サイズの伝熱管の転造加工に、容易に対応することができるのである。
【0031】
すなわち、上述の如き構造の伝熱管10にあっては、転造加工等によって容易に製造することができるのであり、それ故、従来の切起し突起を設けた伝熱管に比べて、製造性およびコスト性が大幅に向上されるといった利点も有しているのである。なお、図6に示されている如き、先端部が膨らんだ断面形状の凸部20は、例えば、先端部が膨らんでいない断面形状の凸部を形成した後、管内に拡管プラグを挿入して凸部の先端部を押し潰すこと等によって、製作することが可能である。
【0032】
そして、このようにして製作された伝熱管10は、図4に示されているように、アルミニウム合金等で形成された多数枚のプレートフィン12の装着孔に挿通固定されることにより、それらのプレートフィン12が伝熱管10の外周面に装着されると共に、複数本が並列的に配置された状態でプレートフィン12によって一体的に組み付けられることとなる。なお、かかるプレートフィン12の装着は、例えば、伝熱管10に多数枚のプレートフィン12を挿通せしめた後、伝熱管10内に拡管プラグを挿入して拡径し、プレートフィン12の装着孔に嵌着せしめること等によって、行われることとなる。
【0033】
以上、本発明の構成について、図面を参照しつつ詳細に説明したが、本発明は、図示された具体例や上述の具体的構成例、或いは以下の実施例の記載によって限定的に解釈されるものではなく、当業者の知識に基づいて種々なる変更,修正,改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもないところである。
【0034】
【実施例】
JIS H3300の銅管(外径:φ19.05mm,肉厚:0.7mm)を素管として用い、図8〜10に示されている如き転造加工を施して、管内面にそれぞれ曲率半径が略一定の円弧状断面を有する凹部および凸部を形成することにより、それぞれ、図1〜3に示されている如き形状とされた蒸発器用伝熱管および吸収器用伝熱管を得た。それら蒸発器用伝熱管および吸収器用伝熱管の諸元を、下記表1に示す。また、蒸発器用伝熱管の比較例として、図11に示されているように、凹部32の底面が平坦面とされて該凹部32の幅方向両側端部に実質的な屈曲部34,34が形成されてなる断面形状を有する伝熱管を製造すると共に、吸収器用伝熱管の比較例として、図12に示されているように、螺旋状に連続して延びる凸部としての切起し突起36が管内周面に形成されて該凸部の頂点と凹部の幅方向両側端部にそれぞれ実質的な屈曲部38が形成されてなる断面形状を有する伝熱管を製造した。これら比較例としての蒸発器用伝熱管および吸収器用伝熱管の諸元も、下記表1に併せ示す。
【0035】
【表1】
【0036】
そして、これら実施例および比較例としての蒸発器用伝熱管および吸収器用伝熱管を各1本用いて、それぞれ、管外周面にアルミニウムフィンを装着せしめて鉛直方向に配管し、蒸発器用伝熱管および吸収器用伝熱管の各々について、下記表2に示す条件下に冷房能力および冷媒吸収能力を測定した。その結果を、下記表3に示す。なお、かかる測定に際しては、冷媒として水を用いると共に、吸収液として臭化リチウム水溶液を用いた。また、冷媒吸収能力の評価は、冷房能力が2.2kW時の発生蒸気を完全に吸収した場合の吸収能力に対する比率で行った。
【0037】
【表2】
【0038】
【表3】
【0039】
かかる比較実験結果からも、本発明に従う構造とされた伝熱管が、優れた伝熱性能を有しており、吸収式冷凍機における蒸発器に用いることによって優れた冷房能力が発揮され得ると共に、空冷式吸収器に用いることによって優れた水蒸気の吸収能力が発揮され得ることが、明らかである。
【0040】
【発明の効果】
上述の説明から明らかなように、本発明に従う構造とされた吸収式冷凍機用伝熱管においては、管長手方向に螺旋状に延びる凹部と凸部が管内周面に形成されており、鉛直配管乃至は傾斜配管された際、管内面を流下せしめられる冷媒や吸収液が凹部に沿って導かれることにより、液膜が管周方向に広げられて流下距離が長くされると共に、流下速度が抑えられて滞留時間が有利に確保され得、しかも、それら凹部と凸部の断面形状が連続面とされていることから、凹部における局部的な液膜の偏りが防止されると共に、凸部の表面にも液膜が有利に広げられて、全体として略均一な液膜が広い面積で形成されて有効伝熱面積が効果的に確保され得るのであり、それによって、優れた伝熱性能が発揮され得るのである。
【0041】
そして、特に、本発明に従う構造とされた吸収器用の伝熱管においては、優れた水蒸気の吸収能力が発揮され得るのであり、また一方、本発明に従う構造とされた蒸発器用の伝熱管においては、優れた冷却能力が発揮され得るのである。
【0042】
また、凸部を管軸方向の一方の側に傾斜させれば、配管時に、管内面に沿って流下せしめられる冷媒や吸収液を、かかる凸部によって受ける形とすることができ、それによって、液膜が凹部内に一層有利に保持され得て、液膜の管周方向への広がりや滞留時間の延長が、より効果的に図られ得る。
【0043】
更にまた、伝熱管の内部にコイル部材を密接配置すれば、伝熱面積の更なる増大が図られると共に、吸収液の滞留時間の更なる延長も図られ得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う構造とされた伝熱管の具体例を示す一部切欠正面図である。
【図2】図1におけるA部を拡大して示す断面説明図である。
【図3】図1に示された伝熱管の横断面を拡大して示す説明図である。
【図4】図1に示された伝熱管に対するプレートフィンの組付状態を示す説明図である。
【図5】本発明に従う構造とされた伝熱管の別の具体例を示す、図2に対応する断面説明図である。
【図6】本発明に従う構造とされた伝熱管の更に別の具体例を示す、図2に対応する断面説明図である。
【図7】本発明に従う構造とされた伝熱管の更に別の具体例を示す、図2に対応する断面説明図である。
【図8】図1に示された伝熱管の製造装置の一例を説明するための縦断面説明図である。
【図9】図8に示された伝熱管の製造装置の正面説明図であって、図8におけるIX−IX断面に相当する図である。
【図10】図8に示された伝熱管の製造装置におけるロールの配設状態を示す説明図である。
【図11】伝熱性能の実験において比較例として用いた蒸発器用伝熱管を示す、図2に対応する断面説明図である。
【図12】伝熱性能の実験において比較例として用いた吸収器用伝熱管を示す、図2に対応する断面説明図である。
【符号の説明】
10 伝熱管
18 凹部
20 凸部
Claims (4)
- 管内に導かれる冷媒を溶解する吸収液が管内周面に沿って流下せしめられる一方、管外面に複数のフィンが装着されて冷却空気が接触せしめられる吸収器に用いられる吸収式冷凍機用伝熱管であって、
管軸に直角な平面とのなす角度であるリード角が5〜50°の範囲内となるように、管内面を管長手方向に向かって螺旋状に延びる凹部と凸部を、管周方向で交互に位置するように、それぞれ管周方向で1.0〜5.0mmのピッチで形成すると共に、該凸部の該凹部に対する突出高さを0.3〜0.6mmとする一方、かかる管周方向で交互に位置する凹部および凸部の断面形状を、それらの断面の全体に亘って実質的な不連続部を有しない連続面としたことを特徴とする吸収式冷凍機用伝熱管。 - 前記凹部および凸部の断面形状が、それぞれ湾曲面とされている請求項1に記載の吸収式冷凍機用伝熱管。
- 前記凸部が、管軸方向一方の側に傾斜して設けられている請求項1又は2に記載の吸収式冷凍機用伝熱管。
- 前記凹部および凸部のリード角よりも小さなリード角を有するコイル部材が、管内に挿入されて管内周面に密接されている請求項1乃至3の何れかに記載の吸収式冷凍機用伝熱管。
Priority Applications (1)
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| JP17517694A JP3675498B2 (ja) | 1994-07-27 | 1994-07-27 | 吸収式冷凍機用伝熱管 |
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| JP17517694A JP3675498B2 (ja) | 1994-07-27 | 1994-07-27 | 吸収式冷凍機用伝熱管 |
Publications (2)
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| JPH0835739A JPH0835739A (ja) | 1996-02-06 |
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-
1994
- 1994-07-27 JP JP17517694A patent/JP3675498B2/ja not_active Expired - Fee Related
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