JP3676062B2 - 温水暖房装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術の分野】
本発明は、一つの加熱手段によって加熱された温水を、室内暖房機と床暖房パネルとにそれぞれ異なる温度で循環させる温水暖房装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
温水暖房装置は、一般にバーナ等の加熱手段と、この加熱手段により加熱され、通過する温水の温度を昇温させる加熱用熱交換器とを有する室外機(熱源機)を備えており、該室外機から供給される温水により室内の暖房を行っている。
【0003】
一方、室内機としては、室内暖房機や床暖房パネルが用いられている。室内暖房機としては、対流ファン及び暖房用熱交換器を備え、対流ファンの作動により温風を吹き出して室内の空気を加熱する温風暖房機が知られている。また、床暖房パネルは、温水通路に温水が流れることにより床面を介して室内を暖房するものである。なお、温水を利用した室内暖房機としては、温風暖房機のみならずパネルヒータ等が知られている。
【0004】
また、近年は一つの室外機に床暖房パネルと室内暖房機とを共に接続した温水暖房装置が知られている。このような温水暖房装置では、床暖房パネルに供給される温水の温度(例えば60℃)が、温風暖房機やパネルヒータ等の室内暖房機へ供給される温水の温度(例えば80℃)よりも低いため、室内暖房機から加熱用熱交換器へ還流される復水の一部を床暖房パネルに供給するようにしたものが知られている。
【0005】
このような温水暖房装置では、室内暖房機と床暖房パネルとを同時に運転する場合の他、室内暖房機や床暖房パネルを単独で運転する場合がある。ここで、床暖房パネルを単独運転するときに、運転開始から床暖房により室内温度が目標の温度に上昇するまでの間、床暖房パネルに供給される温水の温度を一時的に高くして速やかに室内温度を上昇させるようにしたものがある。この場合、床暖房パネルに供給される温水の温度を一時的に高くするために、床暖房パネルに供給される温水の温度が通常運転時の目標温度(例えば60℃)よりも高くなるように加熱量を制御することが考えられる。
【0006】
しかしながら、床暖房パネルに供給される温水は加熱用熱交換器から直接供給されるものではないため、床暖房パネルに供給される温水の温度を基準としたのでは加熱用熱交換器の出口温度を直接制御することができない。このため、床暖房パネルに供給される温水の目標温度を高く設定してこれを基準に加熱手段を制御すると、加熱用熱交換器が過剰に加熱されるおそれがあり、加熱用熱交換器内の温水が沸騰して加熱効率が悪化したり、加熱用熱交換器の耐久性を悪化させるおそれがあるという不都合がある。
【0007】
そこで、図4(a)に示すように、運転開始時には加熱用熱交換器の出口温度が、床暖房単独運転の通常運転時に検出される温度T0よりも高温の第1目標温度T1(例えば80℃)になるように加熱量を制御して急速暖房する急速加熱運転を行い、図4(b)に示すように、その後に床暖房パネルに供給される温水の温度が通常運転時の目標温度T2(例えば60℃)になるように制御を切り換えて運転を行うようにすることが考えられる。ここで、図4において一点鎖線で示すC線は、室温が低い場合の加熱用熱交換器の出口温度、床暖房パネルに供給される温水の温度及び室温の変化と時間との関係を示すものであり、二点鎖線で示すD線は室温が高い場合の上記関係を示すものである。
【0008】
このような急速加熱運転を行うことにより、運転開始から急速に床暖房パネルが暖められ、図4(c)に示すように室温も速やかに上昇する。ところで、このように、床暖房単独運転の際に加熱用熱交換器の出口温度により急速加熱運転を制御しているときは、床暖房パネルに供給される温水の温度を直接制御するものではないため、急速加熱運転終了時に床暖房パネルに供給される温水の温度は、室温や外気温により影響されて一定ではない。
【0009】
例えば、図4(b)におけるC線のように、室温が低い場合は床暖房パネルに供給されている温水の温度がC1のように通常運転時に供給される温水の温度よりも大幅に高くなっている場合がある(例えば75℃)。このような状態で、急速加熱運転から通常運転に切り換わるときには、床暖房パネルには図4(b)におけるC2のように急速加熱運転時の温水よりもかなり低温の温水(例えば60℃)が供給されるため、急速加熱運転時と通常運転時の床の温度差が大きくなり、使用者がこの温度差によって違和感を覚えることがあるという不都合がある。
【0010】
ところで、床暖房パネルによる暖房の場合は、床暖房パネル内に循環される温水によって床が暖められ、この床面を介して空気が暖められて室内温度が上昇する。ここで、床面から室内空気への伝熱は比較的早いが、床暖房パネルから床への伝熱には時間がかかるため、床暖房を室内温度により制御して床暖房単独運転を行っているときは、床暖房パネルが十分に暖まっていても室温センサが室温の上昇を検知するまでには時間差が生じる。また、急速加熱運転時には通常運転時に床暖房パネルに供給される温水の温度よりも高温の温水が供給されているため、急速加熱運転時には床面の温度及び室温は急速に上昇する。このため、急速加熱運転から通常運転に切り換わって、床暖房パネルに急速加熱運転時よりも低温の温水が供給されても、床面の温度はすぐには低下しないので、余熱により室温はしばらくの間上昇することになる。従って、急速加熱運転から通常運転に切り換える際の室温を、使用者が設定した目標室温にしたのでは、通常運転に切り換えても前記温度検知の時間差と前記余熱により室温が目標室温を越えてしまうので、図4(c)に示すように、通常はこの運転切換時の室温の上昇を勘案して、急速加熱運転から通常運転に切り換える際の切換室温T3を使用者が設定した目標室温T4よりも多少低い室温に設定している。これにより、急速加熱運転から通常運転に切り換わったときは、通常は床暖房パネルには急速加熱運転時の温水の温度よりも低い温度である通常運転時の温度の温水が供給されるため、例えば図4(c)のC3からC4に示すように、それまで急速に上昇していた室温の上昇度合いが緩やかになり、前記切換室温から前記目標室温まで室温が緩やかに上昇し、急速加熱運転から通常運転への移行が滑らかに行われる。
【0011】
しかしながら、例えば室温が比較的高い場合は、図4(c)におけるD2のように、急速加熱運転を開始してから短時間の間に室温が前記切換室温に達するため、D1のように床暖房パネルに供給される温水の温度が通常運転時の温度である60℃付近で急速加熱運転が終了する場合がある。このような状態で通常運転に移行しても、床暖房パネルには急速加熱運転時と同様の温度の温水が供給されるため、図4(c)のD2からD3の間は室温の上昇度合いは急速運転時と変わらずに急速に室温が上昇する。そしてD3の時点で室温が目標室温に達しても床面の温度はすぐには低下しないため、前記切換温度T3が使用者が設定した目標室温T4よりも多少低い室温に設定されていても、急速な室温の上昇により図4(b)のD4のように室温が目標室温を超えてしまい、使用者が暑さを感じることがあるという不都合がある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、温水暖房装置の改良を目的とし、さらに詳しくは前記不都合を解消するために、室内暖房機と床暖房パネルとを備えた温水暖房装置において、床暖房パネルを単独で運転したときに、急速加熱運転終了後であっても使用者に急激な温度変化や暑さ等を感じさせない温水暖房装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明は、温水を熱源として室内を暖房する室内暖房機及び床暖房パネルと、加熱手段を備えた加熱用熱交換器によって加熱された温水を前記室内暖房機に供給する1次供給路と、前記室内暖房機からの復水を前記加熱用熱交換器へ還流する1次還流路と、該1次還流路に流れる復水を前記床暖房パネルに供給する2次供給路と、前記床暖房パネルからの復水を前記1次還流路へ還流する2次還流路と、前記1次供給路に流れる温水の温度を検出する第1温度検出手段と、前記2次供給路に流れる温水の温度を検出する第2温度検出手段と、前記第1温度検出手段の検出温度又は第2温度検出手段の検出温度を目標温度に一致させるように加熱手段を制御する加熱制御手段と、前記2次供給路に流れる温水の供給量を制御する供給量制御手段とを備え、床暖房パネルのみを用いる床暖房単独運転の通常運転時に、前記加熱制御手段により前記第2温度検出手段の検出温度を所定の目標温度に保持すると共に前記供給量制御手段により前記床暖房パネルに供給される温水の供給量を制御する温水暖房装置を改良したものである。
【0014】
そして、本発明は、床暖房単独運転の開始時に、前記第1温度検出手段の検出温度が床暖房単独運転の通常運転時の該第1温度検出手段の検出温度よりも高温の第1目標温度になるように前記加熱制御手段により前記加熱手段を制御する急速加熱運転を、室内に設けられた室温センサにより検出された室温が使用者の設定した目標室温よりも所定温度低い切換室温に達するまで行い、該急速加熱運転終了時に前記第2温度検出手段により検出された温度を基準温度とし、前記急速加熱運転終了後に、前記第2温度検出手段の検出温度が前記基準温度よりも所定温度低い第2目標温度になるように、前記加熱制御手段により前記加熱手段を制御する緩衝運転を行うことを特徴とする。
【0015】
本発明の温水暖房装置では、床暖房単独運転を開始したときに、前記第1温度検出手段の検出温度、即ち前記加熱用熱交換器の出口温度が前記第1目標温度になるように前記加熱制御手段により前記加熱手段を制御する急速加熱運転を行う。この第1目標温度は、床暖房単独運転の通常運転時に前記第1温度検出手段により検出される温度より高くなるように設定されている。このように制御することにより、第2温度検出手段の検出温度、即ち床暖房パネルに供給される温水の温度を通常運転時よりも高くすることができる。従って、この急速加熱運転を行うことにより、床暖房単独運転の開始時に通常運転時に比べて室内の温度を速やかに上昇させることができる。また、この急速加熱運転時は、前記加熱用熱交換器によって加熱された温水の温度を前記第1温度検出手段により直接検出するものであるので、前記第1設定温度を加熱効率や前記加熱用熱交換器の耐久性等を考慮した温度とすることができる。
【0016】
また、前記急速加熱運転を行った後、前記第2温度検出手段により検出される温度、即ち床暖房パネルに供給される温水の温度が、前記急速加熱運転終了時に検出された基準温度よりも所定温度低い第2目標温度になるように制御する緩衝運転を、前記切換室温に達するまで行う。この緩衝運転時には、急速加熱運転終了時に床暖房パネルに供給されていた温水の温度と所定の温度差の温水が床暖房パネルに供給される。従って、急速加熱運転の終了時に床暖房パネルに供給される温水の温度が通常運転時よりも大幅に高い場合でも、そのまま通常運転に移行したときのように急激に床面の温度が下がって使用者に寒さ等の違和感を生じさせることがない。また、急速加熱運転の終了時に床暖房パネルに供給される温水の温度が通常運転時の温水の温度とあまり温度差がない場合であっても、前記緩衝運転により急速加熱運転終了後にそのまま通常運転に移行したときに比べて室温の上昇度合いが緩やかになり、室温が上がりすぎることがない。
【0017】
ここで、前記急速加熱運転から前記緩衝運転に移行する条件としては、所定時間を定めて急速加熱運転を行うこともできる。しかしながら、室温や外気温に関係なく所定時間だけ急速加熱運転を行ったのでは、急速加熱運転から通常運転に移行したときの室温は、運転開始時の室温や外気温により左右されて異なったものとなる。従って、このような制御を行ったのでは、急速加熱運転が足りずに室温が十分上がらなかったり、逆に室温が上がりすぎたりするおそれがある。そこで、本発明の温水暖房装置は、急速加熱運転の終了の条件を室温によって制御することにより、運転開始時の室温や外気温に左右されずに適度な急速加熱運転を行う。また、前記切換室温は、前記急速加熱運転の終了後に室温が使用者の設定する目標室温を超えないように、この使用者が設定する室温よりも所定温度低く設定されている。
【0018】
また、前記緩衝運転の開始後に、室温が使用者の設定した目標室温に達したときは、前記通常運転を行うことが好ましい。前記緩衝運転が行われると、急速加熱運転時に前記床暖房パネルに供給される温水の温度よりも所定温度低い第2目標温度の温水が前記床暖房パネルに供給される。この第2目標温度は、急速加熱運転運転時に床暖房パネルに供給される温水の温度により異なるため、急速加熱運転時に前記床暖房パネルに供給される温水の温度が高ければ、緩衝運転時には通常運転時よりも高い温度の温水が床暖房パネルに供給される。逆に、急速加熱運転時に前記床暖房パネルに供給される温水の温度が低ければ、緩衝運転時には通常運転時よりも低い温度の温水が床暖房パネルに供給される。ここで、室温が使用者の設定した目標室温に達したときに、緩衝運転時の温度のままで前記供給量制御手段により温水の供給量を制御すると、供給量を制限しても室温が上がりすぎたり、あるいは下がりすぎたりすることがある。従って、本発明の温水暖房装置では、室温が使用者の設定した目標室温に達したときに、緩衝運転から通常運転に切り換えるようにしている。この通常運転は、前記加熱制御手段により前記第2温度検出手段の検出温度、即ち床暖房パネルに供給される温水の温度を所定の目標温度に保持するものである。例えば、床暖房パネルに供給される温水の温度を60℃一定に保つように、加熱制御手段により加熱手段を制御する。そして、前記供給量制御手段により前記床暖房パネルに供給される温水の供給量を制御して室温が使用者が設定した目標室温になるように制御する。
【0019】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態の一例を図面に基づいて説明する。図1は本発明の実施形態の一例である温水暖房装置の構成を示す説明図、図2はその作動を示すフローチャート、図3は温水暖房装置の温水の温度及び室温と時間との関係を示すグラフである。
【0020】
本実施形態の温水暖房装置は、図1に示すように、1台の室外機1に室内暖房機2と床暖房パネル3とが温水回路4により接続されている。この温水回路4は、室内暖房機2を加熱する室内暖房用温水回路5と床暖房パネル3を加熱する床暖房用温水回路6とにより構成されている。また、温水回路4は、加熱手段であるバーナ7により加熱されて循環する温水を昇温させる加熱用熱交換器8と、一定回転で駆動されて温水を循環させる循環ポンプ9と、温水の膨張と収縮を吸収するシスターン10とを備えている。
【0021】
室内暖房用温水回路5は、室内暖房機2に温水を供給する1次供給路11と、室内暖房機2からの復水を還流する1次還流路12とから構成されている。この1次供給路11は、加熱用熱交換器8から第1温度検出手段である第1サーミスタ13を介して図1において下側に直進し、室内暖房機2に設けられた暖房用熱交換器15の流入側に接続されている。また、1次還流路12は、暖房用熱交換器15の流出側から流量制御弁14を介してシスターン10の流入側に接続され、このシスターン10の流出側から循環ポンプ9を介して加熱用熱交換器8に接続されている。室内暖房機2に設けられている流量制御弁14は、その開度を変化させることにより室内暖房機2に供給される温水の流量を制御するものである。
【0022】
床暖房用温水回路6は、床暖房パネル3に温水を供給する2次供給路16と、床暖房パネル3からの復水を還流する2次還流路17とから構成されている。この2次供給路16は、循環ポンプ9の吐出側から図1において下方向に分岐され、第2温度検出手段である第2サーミスタ18と、床暖房パネル3に供給する温水の供給量を調節する開閉制御弁19とを介して床暖房パネル3の流入側に導入されている。2次還流路17は、床暖房パネル3の流出側から導出され、1次還流路12及びバイパス供給路20と合流している。バイパス供給路20は、1次供給路11から図1において左側に分岐され、室内暖房機2をバイパスして1次還流路12に接続されている。このバイパス供給路20は、加熱用熱交換器8により加熱された温水と床暖房パネル3からの復水とをシスターン10でミキシングして、床暖房パネル3からの復水の温度を上昇させるものである。
【0023】
2次供給路16に設けられている開閉制御弁19は、開閉時間を制御することにより床暖房パネル3に供給される温水の供給量を制御し、床暖房パネル3に供給される温水の平均温度を制御するものである。なお、開閉制御弁19の代わりに、床暖房パネル3に供給される温水の流量を制御する流量制御弁を設けてもよい。
【0024】
バーナ7にガスを供給するガス供給管21には、ガスの供給及びその停止を行う電磁弁22、23と、ガスの流量を制御するガス比例弁24が設けられている。また、バーナ7の近傍には燃焼ファン25が設けられている。バーナ7の燃焼制御は、ガス比例弁24によるガスの流量と、燃焼ファン25による燃焼用空気の供給量により行われる。
【0025】
運転制御装置26は、使用者によって操作されるコントローラ27に応じて各種の運転をマイコンによって制御するもので、主部28は室外機1に設けられている。また、その端末部29はコントローラ27に設けられており、コントローラ27に設けられた室温センサ30による室温の検知を行う検知部と、コントローラ27と室外機1の主部28との間で制御信号を通信する通信部とが内蔵されている。また、主部28にはガスを燃料とするバーナ7の燃焼制御や温水の流量の制御等の運転を行うマイコンが内蔵されている。
【0026】
以上の構成からなる温水暖房装置は、運転制御装置26によって、室内暖房機2のみによる単独暖房運転、床暖房パネル3のみによる床暖房単独運転、そして室内暖房機2及び床暖房パネル3による複合暖房運転の各運転パターンで運転することができる。なお、本実施形態においては、本発明に関連する床暖房単独運転についてのみ説明する。
【0027】
次に、図1乃至図3を参照して、本実施形態の温水暖房装置の作動について説明する。まず、使用者がコントローラ27により床暖房パネル3による暖房のみを選択して作動させると、床暖房単独運転が開始される(STEP1)。
【0028】
また、床暖房温水回路6では、循環ポンプ9から吐出された温水は、2次供給路16により床暖房パネル3に供給され、2次還流路17により還流される。具体的には、循環ポンプ9から吐出された温水は、図1において下側に分岐されて第2サーミスタ18により床暖房パネル3に供給される温水の温度が検出される。そして、第2サーミスタ18を通過した温水は、開閉制御弁19を経由して床暖房パネル3の流入側に供給される。ここで、床暖房パネル3では、供給された温水により室内の床を直接暖めるとともに、暖められた床により間接的に室内を暖房する。
【0029】
次に、床暖房パネル3を通過した復水は2次還流路17を介して1次還流路12に合流し、シスターン10の流入側に還流され、シスターン10の流出側から循環ポンプ9の流入側に還流される。また、加熱用熱交換器8からはバーナ7によって加熱された温水が第1サーミスタ13を経由して図1において左側に分岐され、バイパス供給路20を介して1次還流路12と合流してシスターン10に流入する。このように、2次供給路16には、加熱用熱交換器8からバイパス供給路20を介して供給される温水と床暖房パネル3からの復水とがミキシングされた温水が供給されており、この温水によって床暖房パネル3による暖房が行われる。なお、床暖房単独運転時には、室内暖房用温水回路5では流量制御弁14が閉じられているため、室内暖房機2には温水が供給されていない。
【0030】
このような床暖房単独運転が行われるときには、本実施形態においてはコントローラ27に設けられた室温センサ30により室温を検出し、室温が急速加熱運転温度(本実施形態では20℃)以下であれば(STEP2においてYES)急速加熱運転を開始する(STEP3)。この急速加熱運転においては、図3(a)に示すように、第1サーミスタ13(TH1)の検出温度、即ち加熱用熱交換器8の出口温度が第1目標温度T1になるように、運転制御装置26がバーナ7及び燃焼ファン25を制御する(STEP3)。本実施形態においては、この第1目標温度T1を通常運転時に室内暖房機2に供給される温水の温度である80℃に設定している。この第1目標温度T1は、床暖房単独運転の通常運転時に第1温度検出手段によって検出される温度T0よりも高い温度に設定されている。また、本実施形態では、急速加熱運転から通常運転への切り換えを室温に基づいて行っており、図3(c)に示すように、この運転の切り換えの温度、即ち切換室温T3を使用者が設定した設定室温T4よりも2℃低い温度に設定している。
【0031】
上述のように急速加熱運転を行うと、床暖房パネル3には、図3(b)に示すように急速に加熱された高温の温水が供給されるので床が速やかに暖められ、それに伴って図3(c)に示すように室温も速やかに上昇する。ここで、図3において一点鎖線で示すA線は、室温が低い場合の加熱用熱交換器の出口温度、床暖房パネルに供給される温水の温度及び室温の変化と時間との関係を示すものであり、二点鎖線で示すB線は室温が高い場合の上記関係を示すものである。そして、運転制御装置26により、コントローラ27に設けられた室温センサ30により検出される室温が切換室温T3になるまで急速加熱運転を継続する(STEP4においてNO)。また、図3(c)のA1あるいはB1に示すように、室温が目標室温T4よりも2℃低い切換室温T3になったときは、急速加熱運転を終了する(STEP4においてYES)。このとき、第2サーミスタ18(TH2)により床暖房パネル3に供給されている温水の温度、即ち基準温度を検出し、この値をT5とする(STEP5)。ここで、運転制御装置26において第2目標温度T6を決定する。本実施形態においては、この第2目標温度T6を基準温度T5よりも10℃低い温度に設定している(STEP6)。
【0032】
室温が低い場合は、室温が切換室温T3になるまでに時間がかかるため、床暖房パネル3に供給される温水の温度は高くなり、例えば図3(b)のA2に示すように、基準温度T5が75℃であったときは、第2目標温度T6は65℃に設定される。一方、室温が高い場合は、室温が切換室温T3になるまでの時間が短いため、床暖房パネル3に供給される温水の温度は低い状態であり、例えば、図3(b)のB2に示すように基準温度T5が60℃であったときは、第2目標温度T6は50℃に設定される。
【0033】
つぎに、運転制御装置26は、第2サーミスタ18(TH2)の検出温度、即ち床暖房パネル3に供給される温水の温度が第2目標温度T6になるようにバーナ7の燃焼及び燃焼ファン25を制御する緩衝運転を行う(STEP7)。このような緩衝運転を行うことにより、床暖房パネル3に供給される温水の温度は、室温や外気温の状態に影響されることなく、急速加熱運転が終了したときの温水の温度と所定の温度差となる。即ち、図3(b)に示すように、室温が低い場合はA2からA3の間に床暖房パネル3に第2目標温度T6(65℃)の温水が供給されるので、急速加熱運転から通常運転に切り替わった場合に比べて床面の温度差が小さくなり、使用者が違和感を感じることがない。また、室温が高い場合はB2からB3の間は床暖房パネル3に第2目標温度T6(50℃)の温水が供給されるので、床面の温度が低下することにより室温が上がりすぎることがない。
【0034】
この緩衝運転により、図3(c)に示すように、室温が低い場合はA1の時点から室温が徐々に上昇して使用者が設定した目標室温T4に到達するまで、第2サーミスタ18(TH2)の検出値が第2目標温度T6(65℃)になるように制御が行われる(STEP8においてNO)。そして、図3(c)におけるA4の時点、即ち室温が目標室温T4に達したときは(STEP8においてYES)、運転制御装置26により緩衝運転から通常運転の制御に切り換えられる。即ち、図3(b)のA3の時点から第2サーミスタ18(TH2)の検出温度が緩衝運転時の第2目標温度T6(65℃)から通常運転時の目標温度T2(60℃)になるようにバーナ7の燃焼及び燃焼ファン25を制御する(STEP9)。
【0035】
この通常運転により、室温が使用者が設定した目標室温T4になったときは(STEP10においてYES)、開閉制御弁19により床暖房パネル3に供給される温水の供給量を制御して温水の平均温度を制御する(STEP11)。これにより、以降は室温が使用者が設定した目標室温T4に保たれる。そして、使用者がコントローラ27により運転を終了させるか、図示しないタイマにより運転終了信号が発信されるまで、通常運転が行われる(STEP12)。
【0036】
また、緩衝運転時において室温が高い場合には、図3(b)のB4に示すように、使用者が設定した目標室温T4に到達するまで第2サーミスタ18(TH2)の検出値が第2目標温度T6(50℃)になるように制御が行われる(STEP8においてNO)。これにより図3(c)におけるB1の時点から室温の上昇度合いが緩やかになり、B4の時点、即ち室温が目標室温T4に達したときは(STEP8においてYES)、運転制御装置26により上記と同様に緩衝運転から通常運転の制御に切り換えられる。
【0037】
尚、床暖房単独運転を開始したときに室温が20℃を越えている場合は(STEP2においてNO)、ステップ9乃至12により通常運転が行われる。
【0038】
本実施形態においては、急速加熱運転時において第1目標温度を80℃としているが、これに限らず、室温や外気温により値を設定するようにしても良い。また、本実施形態においては、第1目標温度を室内暖房機2に供給される温水の温度と同じ温度に設定しているが、これに限らず室内暖房機2に供給される温水の温度より高い温度としても良い。このような温度にしたときは、室内の温度をより速やかに上昇させることができる。
【0039】
また、急速加熱運転から通常運転に切り換える室内温度として、使用者が設定した温度よりも2℃低い温度としているが、これに限らず、急速加熱運転直後に床暖房パネル3に供給される温水の熱量を考慮して他の温度としても良い。同じく、第2目標温度を基準温度よりも10℃低い温度としているが、これに限らず、使用者が違和感を感じない範囲で適宜変更が可能である。
【0040】
また、室外機1を暖房機専用のものとしているが、これに限らず、室内給湯装置や浴槽用給湯装置と併設してもよい。また、室内暖房機2は、暖房のみの温風暖房機であるが、これに限らず、冷房装置用の室外機を別個に設けて冷房も行える温水暖房エアコン装置としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の一例である温水暖房装置の構成を示す説明図。
【図2】本実施形態の温水暖房装置の作動を示すフローチャート。
【図3】本実施形態の温水暖房装置の温水の温度及び室温と時間との関係を示すグラフ。
【図4】従来の温水暖房装置の温水の温度及び室温と時間との関係を示すグラフ。
【符号の説明】
2…室内暖房機、3…床暖房パネル、7…バーナ(加熱手段)、8…加熱用熱交換器、11…1次供給路、12…1次還流路、13…第1サーミスタ(第1温度検出手段)、16…2次供給路、17…2次還流路、18…第2サーミスタ(第2温度検出手段)、19…開閉制御弁(供給量制御手段)、20…バイパス供給路、26…運転制御装置(加熱制御手段)。

Claims (2)

  1. 温水を熱源として室内を暖房する室内暖房機及び床暖房パネルと、加熱手段を備えた加熱用熱交換器によって加熱された温水を前記室内暖房機に供給する1次供給路と、前記室内暖房機からの復水を前記加熱用熱交換器へ還流する1次還流路と、該1次還流路に流れる復水を前記床暖房パネルに供給する2次供給路と、前記床暖房パネルからの復水を前記1次還流路へ還流する2次還流路と、前記1次供給路に流れる温水の温度を検出する第1温度検出手段と、前記2次供給路に流れる温水の温度を検出する第2温度検出手段と、前記第1温度検出手段の検出温度又は第2温度検出手段の検出温度を目標温度に一致させるように加熱手段を制御する加熱制御手段と、前記2次供給路に流れる温水の供給量を制御する供給量制御手段とを備え、
    床暖房パネルのみを用いる床暖房単独運転の通常運転時に、前記加熱制御手段により前記第2温度検出手段の検出温度を所定の目標温度に保持すると共に前記供給量制御手段により前記床暖房パネルに供給される温水の供給量を制御する温水暖房装置であって、
    床暖房単独運転の開始時に、前記第1温度検出手段の検出温度が床暖房単独運転の通常運転時の該第1温度検出手段の検出温度よりも高温の第1目標温度になるように前記加熱制御手段により前記加熱手段を制御する急速加熱運転を、室内に設けられた室温センサにより検出された室温が使用者の設定した目標室温よりも所定温度低い切換室温に達するまで行い、
    該急速加熱運転終了時に前記第2温度検出手段により検出された温度を基準温度とし、前記急速加熱運転終了後に、前記第2温度検出手段の検出温度が前記基準温度よりも所定温度低い第2目標温度になるように、前記加熱制御手段により前記加熱手段を制御する緩衝運転を行うことを特徴とする温水暖房装置。
  2. 前記緩衝運転の開始後に、室温が使用者の設定した目標室温に達したときは、前記通常運転を行うことを特徴とする請求項1記載の温水暖房装置。
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