JP3676086B2 - 鋼管杭基礎 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鋼管杭基礎に関し、特に、海底地盤上に構築される橋梁基礎に用いて好適な鋼管杭基礎に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図3は従来の橋梁基礎を示す斜視図であり、この橋梁基礎は、従来の剛構造であるケーソン式基礎とは異なり、橋梁の主要部を構成する主塔1と、その下部を囲む様に設けられたジャケットレグ2とを備えたジャケット型基礎3が海底地盤4上に据え付けられ、このジャケットレグ2の複数のレグ5、5、…をガイドとして複数の鋼管杭6、6、…が海底地盤4に打設された構成である。
この橋梁基礎では、鋼管杭6を打設する際の鋼管杭6とレグ5の接合部におけるシール性が重要になる。
【0003】
図4は、従来の橋梁基礎の鋼管杭6とレグ5の接合部を示す断面図であり、鋼管杭6とレグ5の下端との間にゴムシール材7が装着され、前記レグ5のゴムシール材7より僅かに上方の位置にはグラウト圧送管8が設けられている。そして、このグラウト圧送管8により鋼管杭6とレグ5との隙間に所定の高さまでグラウト9が注入されている。この接合部においては、ゴムシール材7により鋼管杭6とレグ5の接合部を止水するとともに、グラウト9注入時の漏洩防止を図っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来の鋼管杭6とレグ5の接合部においては、ゴムシール材7により止水及びグラウト9注入時の漏洩防止を図っているが、ゴムシール材7は硬質ゴム等により構成されているために、鋼管杭6を打ち込む際の衝撃により摩耗等が生じ易く、シール材としての耐久性が不十分で、十分な止水性が得られないという問題点があった。
【0005】
また、この鋼管杭6とレグ5の接合部が水面下に位置した場合においては、ゴムシール材7ではシール材としての耐久性が不十分で、十分な止水性が得られないために、グラウト9を注入する際の止水性が不十分でグラウト9が漏洩してしまうという問題点があった。
【0006】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、鋼管杭とレグの接合部における止水性を向上させることができ、グラウト注入時におけるグラウトの漏洩を防止することができる鋼管杭基礎を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は次の様な鋼管杭基礎を提供する。
すなわち、請求項1記載の鋼管杭基礎は、筒状のレグと、該レグに挿通される鋼管杭との間の接合部に、弾性及び止水性を有する環状かつ板状のシール材からなり、かつ該シール材の周方向に沿った一方の端部の長さと他方の端部の長さが異なる鋼管杭基礎用シールを複数上下に装着し、これら鋼管杭基礎用シールの周方向に沿った一方の端部を前記レグまたは鋼管杭のいずれか一方に弾性的に圧接するとともに、他方の端部を前記レグまたは鋼管杭のいずれか他方に弾性的に圧接し、かつ、これら鋼管杭基礎用シールのうち最も上側に配置された一つの上方に充填材を充填してなるとともに、これら鋼管杭基礎用シールのうち最も下側に配置された別の一つの上方に前記充填材とは異なる別の充填材を充填してなることを特徴としている。
【0008】
請求項2記載の鋼管杭基礎は、請求項1記載の鋼管杭基礎において、前記シール材が、ブラシ型シールからなることを特徴としている。
【0009】
請求項3記載の鋼管杭基礎は、請求項1または2記載の鋼管杭基礎において、前記別の充填材が、前記充填材が充填される箇所とは異なる箇所から注入されることを特徴としている。
【0012】
本発明の請求項1または2記載の鋼管杭基礎では、例えばブラシ型シールからなる鋼管杭基礎用シールをレグと鋼管杭との間の接合部に複数上下に装着し、これら鋼管杭基礎用シールの一方の端部を前記レグまたは鋼管杭のいずれか一方に弾性的に圧接するとともに、他方の端部を前記レグまたは鋼管杭のいずれか他方に弾性的に圧接することとしたことにより、該接合部におけるシール性が高まり、止水性が向上する。これにより、該接合部に充填材を充填した際においても、該鋼管杭基礎用シールが充填材の漏洩を防止し、外部に充填材が漏洩する虞が無くなる。
また、複数の鋼管杭基礎のそれぞれの上方に異なる充填材を充填することで、別の充填材による充填材の漏洩防止を図ることとなる。
【0013】
請求項記載の鋼管杭基礎では、別の充填材が、充填材が充填される箇所とは異なる箇所からを充填したことにより、別の充填材による充填材打設時における止水性管理を図るとともに、充填材の漏洩防止を図ることとなる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の鋼管杭基礎用シール及びそれを用いた鋼管杭基礎の各実施形態について、図面に基づき説明する。
[第1の実施形態]
図1は本発明の第1の実施形態の鋼管杭基礎のレグと鋼管杭との間の接合部を示す側面図であり、図において、11は筒状のレグ5と、レグ5に挿通される鋼管杭6との間の接合部に装着されるブラシ型シールであり、シールドマシンのテール部においてマシンとセグメント間のシール材として用いられているもので、20kgf/cm2程度の水圧に対しても十分止水性を有するものである。
【0015】
このブラシ型シール11は、バネ鋼、ワイヤブラシ、ステンレス金網を組み合わせた構造で、レグ5の内周面に沿って配置される筒状の上部材と、該上部材の下端から下方に漸次縮径するように伸びて鋼管杭6の周面に沿って巻回する略ロート状の下部材とにより構成され、鋼管杭6とレグ5との間のずれには十分対応できる追随性を有する。すなわち、ブラシ型シール11の弾力性により、鋼管杭6とレグ5との間にずれが生じても即座に対応することができる。
また、打設される鋼管杭6程度の杭長であれば、鋼管杭6の打設される際の打撃に伴う摩擦等によるシール性の低下に対しても十分な耐久性を有し、水深数十m下での止水性も十分備えている。
【0016】
次に、このブラシ型シール11を用いて鋼管杭基礎を打設する方法について説明する。
まず、予め、ブラシ型シール11の上部材を、レグ5の内側の接合部に当たる部分に装着しておく。次いで、レグ5をガイドとして鋼管杭6を該レグ5に挿入する。この際、ブラシ型シール11の下部材は軸心に向かって延出しているので、挿入される鋼管杭6により押し広げられて、その弾性力により鋼管杭6に圧接される。
【0017】
次いで、この鋼管杭6を海底地盤に打設する。ここで、ブラシ型シール11の弾性及び止水性によりレグ5と鋼管杭6との間の接合部の止水性が保持される。この止水性は、水面下において特に有効である。
次いで、グラウト圧送管8を用いて、ブラシ型シール11より上方の鋼管杭6とレグ5との隙間に所定の高さまでグラウト(充填材)9を注入する。
【0018】
この鋼管杭基礎では、ブラシ型シール11をレグ5と鋼管杭6との間の接合部に装着することにより、レグ5と鋼管杭6の密着性が高まり、接合部におけるシール性が高まる。その結果、この接合部における止水性が向上する。
この接合部にグラウト9を注入した際においても、ブラシ型シール11によりグラウト9の漏洩が防止されるので、グラウト9が外部に漏洩する虞が無い。
【0019】
以上説明したように、本実施形態によれば、レグ5と鋼管杭6との間の接合部にブラシ型シール11を装着することとしたので、接合部におけるシール性を向上させることができ、該接合部の止水性を向上させることができる。したがって、該接合部にグラウト9を注入した際においても、ブラシ型シール11がグラウト9の漏洩を防止するので、グラウト9が該接合部から外部に漏洩するのを防止することができる。
【0020】
[第2の実施形態]
図2は本発明の第2の実施形態の鋼管杭基礎のレグと鋼管杭との間の接合部を示す側面図であり、この鋼管杭基礎が上述した第1の実施形態の鋼管杭基礎と異なる点は、第1の実施形態の鋼管杭基礎では、レグ5と鋼管杭6との間の接合部に1つのブラシ型シール11を装着したのに対し、本実施形態の鋼管杭基礎では、レグ5と鋼管杭6との間の接合部に、上下方向に複数(図2においては2つ)のブラシ型シール11を装着し、グリス注入用ポンプ21及びグリス注入管22を用いてこれらのブラシ型シール11、11間にグリス(充填材)23を注入した点である。
【0021】
本実施形態によれば、第1の実施形態の鋼管杭基礎では十分に止水効果が得られないような場合においても、レグ5と鋼管杭6との間の接合部に複数のブラシ型シール11を装着することにより、レグ5と鋼管杭6との間の止水性を大幅に向上させることができる。また、ブラシ型シール11、11間にグリス23を注入したので、グラウト9注入時におけるグラウト9の漏洩防止を図ることができる。
【0022】
さらに、グリス23注入時に、グリス注入用ポンプ21により注入するグリス23を管理することにより、鋼管杭6打設時における止水性を管理することができる。
【0023】
以上、本発明の鋼管杭基礎用シール及びそれを用いた鋼管杭基礎の各実施形態について図面に基づき説明してきたが、具体的な構成は本実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で設計の変更等が可能である。例えば、シール材は、弾性及び止水性を有する環状かつ板状のシール材で、その周方向に沿った一方の端部の長さと他方の端部の長さが異なるものであればよく、ブラシ型シール11に限定されない。また、その数や取り付け位置等は、必要に応じて変更することができる。
【0024】
また、止水性が不十分な場合、2つのブラシ型シール11、11の間にさらに1つ以上のブラシ型シール11を装着することとしてもよい。この場合、これらのブラシ型シール11、11間にグリス23を注入すれば、止水性はさらに向上する。
【0025】
【発明の効果】
以上説明した様に、本発明の請求項1または2記載の鋼管杭基礎によれば、例えばブラシ型シールからなる鋼管杭基礎用シールをレグと鋼管杭との間の接合部に複数上下に装着し、これら鋼管杭基礎用シールの一方の端部を前記レグまたは鋼管杭のいずれか一方に弾性的に圧接するとともに、他方の端部を前記レグまたは鋼管杭のいずれか他方に弾性的に圧接することとしたので、該接合部におけるシール性を高め、止水性が向上させることができる。したがって、該接合部に充填材を充填した際においても、該鋼管杭基礎用シールが充填材の漏洩を防止することとなるので、外部に充填材が漏洩するのを防止することができる。
また、複数の鋼管杭基礎のそれぞれの上方に異なる充填材を充填するので、別の充填材による充填材の漏洩防止を図ることができる。
【0027】
請求項記載の鋼管杭基礎によれば、別の充填材が、充填材が充填される箇所とは異なる箇所からを充填したので、別の充填材による充填材打設時における止水性管理を図ることができるとともに、充填材の漏洩防止を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態の鋼管杭基礎のレグと鋼管杭との間の接合部を示す側面図である。
【図2】 本発明の第2の実施形態の鋼管杭基礎のレグと鋼管杭との間の接合部を示す側面図である。
【図3】 従来の橋梁基礎を示す斜視図である。
【図4】 従来の橋梁基礎の鋼管杭とレグの接合部を示す断面図である。
【符号の説明】
1 主塔
2 ジャケットレグ
3 ジャケット型基礎
4 海底地盤
5 レグ
6 鋼管杭
7 ゴムシール材
8 グラウト圧送管
9 グラウト(充填材)
11 ブラシ型シール
21 グリス注入用ポンプ
22 グリス注入管
23 グリス(充填材)

Claims (3)

  1. 筒状のレグと、該レグに挿通される鋼管杭との間の接合部に、弾性及び止水性を有する環状かつ板状のシール材からなり、かつ該シール材の周方向に沿った一方の端部の長さと他方の端部の長さが異なる鋼管杭基礎用シールを複数上下に装着し、
    これら鋼管杭基礎用シールの周方向に沿った一方の端部を前記レグまたは鋼管杭のいずれか一方に弾性的に圧接するとともに、他方の端部を前記レグまたは鋼管杭のいずれか他方に弾性的に圧接し、かつ、これら鋼管杭基礎用シールのうち最も上側に配置された一つの上方に充填材を充填してなるとともに、これら鋼管杭基礎用シールのうち最も下側に配置された別の一つの上方に前記充填材とは異なる別の充填材を充填してなることを特徴とする鋼管杭基礎。
  2. 前記シール材は、ブラシ型シールからなることを特徴とする請求項1記載の鋼管杭基礎
  3. 前記別の充填材は、前記充填材が充填される箇所とは異なる箇所から注入されることを特徴とする請求項1または2記載の鋼管杭基礎。
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