JP3676122B2 - 高周波加熱装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、マグネトロンから得られるマイクロ波により加熱調理する高周波加熱装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図8は、特開平4−19991号公報に示された従来の高周波加熱装置の概略回路図である。図において、51は電源への差込コンセントであり、電源ライン52は、ヒューズ54、サーマルプロテクタ55を介して電源トランス56、第1インターロックリレー57の接点57aに接続され、他方の電源ライン53は電源トランス56、及び第2インターロックスイッチ58に接続される。そして、電源トランス56は1次側に供給される電源電圧を降圧して2次側に接続される操作側制御部59に供給する。また、電源トランスの2次側の一端には電源電圧検出回路60が接続され、この電源電圧検出回路60により検出された直流レベル信号が操作側制御部59に供給される。この操作側制御部59は、電源トランス56、図示しないメインスイッチの投入により電源電圧が供給されると、ドアスイッチ61の閉成を条件としてトランジスタTr1をオンし、第1インターロックリレー57を駆動し接点57aを閉成する。この接点57aの閉成により庫内ランプ62、ターンテーブル63、空冷用ファンモータ64、モニタースイッチ65、および電力側制御部66に電源電圧を供給する。また、操作側制御部59と電力側制御部66とはケーブル67により接続される。電力側制御部66には、マグネトロン68が接続され、マグネトロン68は電力側制御部66から供給される高圧電力により駆動され高周波を出力する。
【0003】
図9は図8の操作側制御部59、電源電圧検出回路60、及びこれらの周辺回路を示す図である。操作側制御部59は、定電圧検出回路69、電源周期のタイミングパルス信号を生成するタイミング回路70、CPU71、キーボード72、表示パネル73等からなる。定電圧回路69は電源トランス56の2次側に接続され、直流電圧VCP,VINV,VRLYを生成して、VCPをタイミング回路70、CPU71、キーボード72、表示パネル73に供給し、VRLYを第1インターロックリレー57に供給し、さらにVINVをケーブル67を介して電力側制御部66に供給する。電源電圧検出回路60は電源トランス56の2次側の電圧をダイオード60aにより半波整流し、半波整流した直流電圧を抵抗60bと60cとで分圧した後、コンデンサ60dで平滑してCPU71に供給する回路である。すなわちこの回路60により電源電圧に比例した直流レベルデータが得られる。タイミング回路70は電源トランス56の2次側の一端から入力される降圧された電源電圧により駆動され、低電圧回路69から入力される直流電圧VCPをピークとするパルス信号を生成し、CPU71に供給する。CPU71はタイミング回路70からの電源周期の1サイクルを基準タイミングとしてキー入力、表示、第1インターロックリレー57の駆動などを行なう。そして、調理者によりキー入力された調理条件に対応するパワーデータを電力側制御部56に転送する。
【0004】
また、電源電圧検出回路60からの電源電圧に比例した直流データに基づいてマグネトロン68の出力を一定にするための電流値を算出し、調理者により設定された電流値を補正し、この補正した電流値をケーブル67を通して電力側制御部に転送する。なお、ケーブル67はパワーレベルデータPDの他に、動作タイミングパルスINT、データクロックパルスDCK、データ送信タイミングパルスACKを送るとともに、電力側制御部66内の各回路を駆動するための直流電源VINVを供給するラインである。
【0005】
図10は電力側制御部66とその周辺回路図である。同図において、第1インターロックリレー57の接点57aを介して供給される電源電圧はノイズフィルター74を通してブリッジダイオード75に与えられ、このブリッジダイオード75により全波整流された直流電圧はリアクトル76、コンデンサ77により平滑化される。この平滑化された直流電圧は高圧トランス79の1次側コイルと高周波コンデンサ78からなる並列回路を通してパワートランジスタ80のコレクタに供給される。パワートランジスタ80は駆動回路84によってオン/オフされることによって、所定周期の直流電力を交流電力に変換する。これにより高圧トランス79の1次側には、交流電流が流れる。そして、高圧トランス79の2次側88に誘起される高圧の交流電流は、高圧コンデンサ89、高圧ダイオード90により倍電圧整流された後にマグネトロン68に供給される。これによりマグネトロン68は発振し、高周波電力を食品に与える。なお、91はフィラメント用コイルである。
【0006】
電力側制御部66のCPU81には、ブリッジダイオード75により整流される直流電流値を検出する電流レベル検出回路86、及び高圧トランス79の電流を検知し、スイッチング状態をモニタするための検知コイル87が接続される。電流レベル検出回路86は、カレントトランス86a,ブリッジダイオード86b、抵抗86c、コンデンサ86dからなり、ブリッジダイオード75により整流された直流電流をカレントトランス86aにより検出し、このカレントトランス86aの出力がブリッジダイオード86bにより全波整流された後抵抗86cとコンデンサ86dにより平滑化される。これにより電源電流に比例した電流データを得ることができる。
【0007】
そして、CPU81は操作側制御部59のCPU71からケーブル67を介して送られてきたパワーデータに応答し、マグネトロン68に供給される電力が一定となるように電流量を補正する。この電流量の補正はパワートランジスタ80のオン時間の制御によって行なう。すなわち、CPU81はオン/オフするためのタイミング信号を生成し、このタイミング信号をトランジスタ82のベースに与え、このトランジスタ82のオン/オフによりドライブコイル83を介してオン/オフ信号を駆動回路84に与える。駆動回路84は高圧トランス79の3次コイル85に誘導される交流電力を電源とし、ドライブコイル83から入力されるオン/オフ信号に応答して、パワートランジスタ80をオン/オフするための十分な電流をパワートランジスタ80のベースに与える。
【0008】
次に動作について説明する。
まず電源電圧が定格電圧の場合について説明する。調理者は、キーボード72を操作して調理条件を入力する。CPU71はこの調理条件に対応するパワーデータを算出し、動作タイミングパルスINT、パワーデータPD、データクロックパルスDCK、送信タイミングパルスACKをケーブル67を介してCPU81に送信する。
次にドアスイッチ61が閉成された後、トランジスタTr1をオンして第1インターロックリレー57を駆動し、接点57aを閉成する。これにより電源電圧が電力側制御部66に与えられる。電力側制御部66のCPU81は電流レベル検出回路86により検出される電流値をモニタし、この電流値がCPU71からのパワーデータに対応する値となるようにパワートランジスタ80のオン時間を制御する。すなわち、マグネトロン68への電流量を増加させる場合には、パワートランジスタ80のオン時間を長くすることにより、高圧コンデンサ89に充電される電荷量を増加させ、逆にマグネトロン68への入力電流を減少させる場合には、パワートランジスタ80のオン時間を短くすることにより、高圧コンデンサ89に充電される電荷量を減少させる。上記の如くパワートランジスタ80をオン/オフするためのスイッチ信号をトランジスタ82、ドライブトランス83、駆動回路84、パワートランジスタ80のベースの順番で与える。パワートランジスタ80はCPU81により生成されたオン/オフ信号により制御され、高圧トランス79の1次側に交流電力が現われる。この交流電力は高圧トランス79により高圧にされ、高圧コンデンサ89と高圧ダイオード90により倍電圧整流された後マグネトロン68に供給される。
【0009】
電源電圧が定格の場合にはマグネトロン68の入力電圧は一定であり、上述の如くマグネトロン68の入力電流は一定となるように制御されているため、マグネトロン68への入力電力は一定である。これにより定格電圧で運転されている限り調理者の望むとおりの料理に仕上がる。
次に、電源電圧が変動した場合を図11を参照して説明する。同図は横軸を電源電圧V、縦軸を電力P(W)、電流I(A)とし、マグネトロン68への入力電力Pin、入力電流Iinをプロットしたものである。
【0010】
電源電圧Vが変動すると、電源電圧Vの変動に伴って電源電圧検出回路60により検出される直流レベルデータが変動する。CPU71はこの変動する直流レベルデータに応答して定格時における入力電力Pinと同じ出力を得るための電流値I'inを算出する。すなわちVin×Iin=V'in×I'inとなる関係のI'inを算出する。ここでVinは定格時におけるマグネトロン68への入力電圧、また、V'inは変動時におけるマグネトロン68への入力電圧である。以上のように電流値を補正したパワーデータをCPU81に送る。CPU81は補正されたパワーデータに基づいてパワートランジスタ80のオン時間を長くしたり短くしたりする。そして、上記制御の過程において入力電流I'inが変動するのを電流レベル検出回路86により検出される電流をモニタしてマグネトロン68への入力電流I'inが変動しないように制御する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来の高周波加熱装置では、消費電力を一定にすることにより、電源電圧が変動した時あるいは変動している時、電流は変化する。特に、電圧が低い時、例えば90Vでは電流が大きくなる設定である。近年電子レンジでの高出力化に伴ない、消費電力も上昇している。このような中で、電源電圧が変動しても消費電力を一定にすることは、電源電圧が低くなった時、家庭用コンセントの定格である15Aを超えてしまい、ブレーカーが遮断するという問題点があった。
【0012】
この発明は、上記の課題を解消する為になされたものであり、電源電圧が低下した時でも電流が15Aを超えず、ブレーカーの遮断等が生じない電子レンジを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る高周波加熱装置においては、商用電源を全波整流した直流電圧を高周波電圧に変換し、この変換された高周波電圧を整流してマグネトロンの駆動電力とするインバータ電源を用いた高周波加熱装置において、商用電源から得られる電源電圧値を検出する入力電圧検出手段と、マグネトロンの動作中に流れる入力電流を電圧値に変換して検出する入力電流検出手段と、設定されたマグネトロンの出力に応じて所定の電圧値を出力する出力設定手段と、前記入力電圧検出手段の検出電圧値及び前記入力電流検出手段の検出電圧値を加算した加算電圧値と前記出力設定手段の出力電圧値とを比較し、この比較結果に応じた周波数により前記インバータ電源を駆動する制御回路と、を備え、前記制御装置は、所定の電源電圧範囲内では、電源電圧の変動に対し消費電力を一定に保ち、かつ所定の電源電圧範囲外では、電源電圧の変動に対し電流を一定にして消費電力を低下させる制御を行なうものであり、また、入力電圧検出手段は、2個の抵抗を直列接続し、そのうちの1個の抵抗に対しコンデンサを並列接続し、さらに2個の抵抗の接続点にダイオードを介して定電圧源を接続した構成であり、入力電圧を前記2個の抵抗で分圧するとともに、前記コンデンサで平均値化して、2個の抵抗の接続点より出力するとともに、前記接続点に前記ダイオードを介して定電圧源を供給するものである。
【0015】
また、入力電圧検出手段は、3個の抵抗を直列接続し、そのうち後段の2個の抵抗に対しコンデンサを並列接続し、さらに前段の2個の抵抗の接続点にダイオードを介して定電圧源を接続した構成であり、入力電圧を前記3個の抵抗で分圧し、前記コンデンサで平均値化した電圧を後段の2個の抵抗で分圧して、この2個の抵抗の接続点より出力するとともに、前段の2個の抵抗の接続点に前記ダイオードを介して定電圧源を供給するものである。
【0016】
また、後段の2個の抵抗のいずれかの抵抗値を可変としたものである。
【0017】
また、入力電流検出手段は、入力電流を検出するカレントトランスと、このカレントトランスの2次側巻線に並列接続され、電流を電圧に変換する抵抗とを有し、変換された電圧値を出力するものである。
【0018】
さらにまた、出力設定手段は、マグネトロンの出力を記憶したCPUと、このCPUに調理メニューを入力する調理メニューキーと、この調理メニューキーで選択されたマグネトロンの出力信号により制御されるスイッチと、定電圧源の電圧を分圧する複数の抵抗と、を備えたものである。
【0019】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1である高周波加熱装置を示す。
図1において、1は商用電源(ここでは100V)、2はフィルタ回路、3は整流器で、フィルタ回路2を通った商用電源1を全波整流する。4はこの全波整流された電源を平滑する平滑回路であり、チョークコイル4a及び平滑コンデンサ4bで構成している。7は昇圧トランスであり、1次巻線7a、2次巻線7b、及び3次巻線7cから構成されている。5は共振回路であり、1次巻線7aに並列に接続されたコンデンサ6と半導体スイッチング素子8で構成している。また、半導体スイッチング素子8には、並列にダイオード9を接続している。10は半波倍電圧回路であり、前記2次巻線7b、コンデンサ10a、ダイオード10bで構成されており、マグネトロン13に電圧を印加する。前記3次巻線7cはマグネトロン13のフィラメントに電流を供給する。11は電流の逆流を防止する為のダイオードである。14は商用電源1から得られる電源電圧値を検出する入力電圧検出手段であり、フィルタ回路2と整流器3の間に並列に設けられている。15はマグネトロン13の動作中に流れる電流を電圧に変換して検出する入力電流検出手段であり、フィルタ回路2と入力電圧検出手段14の間に直列に設けられている。16は半導体スイッチング素子8をON/OFF制御する制御手段、17は調理メニューに基づき、設定されたマグネトロン13の出力を調理メニューキー(後述する)により設定する出力設定手段であり、この設定出力は制御手段16に入力される。上記入力電圧検出手段14及び入力電流検出手段15の検出信号は、上記制御手段16に入力される。
【0020】
図2は、前記入力電圧検出手段14、入力電流検出手段15、制御手段16及び出力設定手段17の詳細回路図である。入力電圧検出手段14において、20及び21はフィルタ回路2を通った商用電源1を全波整流するダイオードであり、23及び24は前記全波整流された電圧を分圧する2個の抵抗、25は前記分圧された電圧を平滑する電解コンデンサである。
【0021】
なお、26はダイオードであり、抵抗23,24の分圧点と電解コンデンサ25の一端にカソード側を接続し、アノード側にはある電圧の定電圧源40a(ここでは5V)が接続されている。
入力電流検出手段15は、1次側巻線22aと2次側巻線22bを有するカレントトランス22で入力電流を検出する。
27はカレントトランス22の2次側巻線22bと並列に接続された抵抗で、前記カレントトランス22で検出した電流を電圧に変換する。29はその変換された電圧を全波整流する全波整流器、28及び30は全波整流器29の前後に配設した主にノイズを除去する為のコンデンサである。31及び32は全波整流後の電圧を分圧する抵抗、33は前記分圧された電圧を平滑する電解コンデンサである。
ここで全波整流器29により全波整流された後の一端(A点)に上述した入力電圧検出手段14を接続することにより、入力電圧検出手段14の検出電圧値と入力電流検出手段15の検出電圧値を加算する。この加算された電圧値を制御手段16にある誤差増幅器16aの一端Xに入力する。また、出力設定手段17は、調理メニューに対応したマグネトロン13の出力を複数記憶したCPU34と、このCPU34に調理メニューを入力する調理メニューキー35と、調理メニューキー35で選択されたマグネトロン13の出力信号によりONするスイッチ36及び37と、前記スイッチ36及び37のいずれかがONされると定電圧源40b(ここでは5V)の電圧を分圧する抵抗38及び39と、抵抗41とで構成されている。前記分圧された電圧値は前記制御手段16の誤差増幅器16aの他端Yに入力される。
【0022】
前記誤差増幅器16aは前記入力電圧検出手段14と入力電流検出手段15の加算電圧値と出力設定手段17から出力された電圧値を比較して、共振回路5の半導体スイッチング素子8へ出力する。
【0023】
次に動作について説明する。
商用電源1を投入するとフィルタ回路2を通してノイズを除去し、更に整流器3を介して全波整流された直流電圧はチョークコイル4a、平滑コンデンサ4bにより平滑化される。この平滑化された直流電圧を、コンデンサ6及び昇圧トランス7の1次巻線7aのインダクタンス分からなる共振回路5を通し、半導体スイッチング素子8を制御手段16により約25kHz〜35kHzの周波数でON/OFFさせることにより昇圧トランス7の2次巻線7bには、約2kVの昇圧された電圧が発生し、半波倍電圧回路10のコンデンサ10aとダイオード10bにより半波倍電圧整流して約4kVの電圧をマグネトロン13に与えている。又、3次巻線7cは、マグネトロン13のフィラメント温度(カソード温度)を定格範囲内(1950°〜2000°K)に保持するように設定されている。
【0024】
インバータ電源を用いた電子レンジにおいて、高周波出力を可変することは半導体スイッチング素子8をON/OFFさせる周波数を変化させることで実現できる。例えば、高周波出力800Wの時には約28kHz、500Wの時には約32kHzといったように制御している。
【0025】
図3は図1及び図2の回路の動作を示すフローチャートである。ステップS1において、例えばユーザーが調理メニューキー35により高周波出力800Wを選択すると、ステップS2でCPU34は800Wか否かを判断し、800WであればステップS3に進み、スイッチ36がONする。スイッチ36がONすると、ステップS4で出力設定手段17が抵抗38と抵抗41により定電圧源40b(ここでは5V)の分圧値VS(ここでは3.2V)を出力して制御手段16の誤差増幅器16aの他端Yに入力され、この分圧値が基準電圧VSとなる。次にステップS5では入力電圧検出手段14のダイオード20及び21はフィルタ回路2を通った商用電源1を全波整流し、この全波整流された電圧を抵抗23と抵抗24で分圧し、この分圧電圧を電解コンデンサ25で平滑し入力電圧の検出電圧VVを得る。
【0026】
ここで、前記、検出電圧VVが定電圧源40a(ここでは5V)よりも小さい時のみA点に接続されているダイオード26がONし、Vvは定電圧源40aの電圧値(ここでは5V)にクリップされる。例えば、入力電圧の検出電圧VVが4.5Vだった場合、ダイオード26がONし、VVは5Vになる。この時は、電流一定制御となる。また、検出電圧VVが5V以上の時にはダイオード26がONしない為検出した電圧値がそのままVVとなる。この時は電力一定制御となる。
【0027】
ステップS6では、入力電流検出手段15のカレントトランス22で入力電流を検出し、このカレントトランス22の2次側巻線22bと並列に接続された抵抗27で前記入力電流を電圧に変換する。次にその電圧を全波整流器29により平滑し、入力電流を電圧に変換した電圧値VAを得る。ステップS7では、ステップS5、ステップS6で得た電圧値VVとVAを加算し、加算電圧値VV+VAを得る。例えば、ステップS5においてVV=5Vを検出し、ステップS6においてVA=4Vを検出した場合、加算電圧値VV+VAは5V+4V=9Vとなる。ステップS8に進んで、ステップS7で得た加算電圧値VV+VAを抵抗31と抵抗32により分圧し、加算電圧VV+VAの分圧値VXを得る。この分圧値VXが制御手段16の誤差増幅器16aの一端Xに入力される。そして、前記基準電圧VSとここで得た分圧値VXを誤差増幅器16aで比較しVS=VXであれば、ステップS9に進み、共振回路5の半導体スイッチング素子8をON/OFFさせる周波数を28kHzに設定する。また、ステップS8でVS=VXでなければステップS12に進み、誤差増幅器16aでVS<VXを比較し、VS<VXであれば、ステップS13に進んで周波数を例えば28.5kHzに上げる。また、ステップS12において、VS<VXでなければ、ステップS14に進み、誤差増幅器16aでVS>VXを比較し、VS>VXであれば、ステップS15で周波数を例えば27.5kHzに下げる。また、ステップS14においてVS>VXでなければステップS8に戻る。次に、ステップS10に進み、ステップS9、ステップS13、ステップS15でそれぞれ設定された周波数で共振回路5の半導体スイッチング素子8をON/OFFさせ、ステップ11でマグネトロン13に電力を供給する。そして、ステップS11からは再びステップS5に戻り、以下同じ動作を逐次繰り返し行なうことにより、電力一定制御、並びに電流一定制御を行なう。
【0028】
また、ステップS2において、高周波出力800Wでないと判断されると、ステップS16へと進み、高周波出力500Wか否かを判断し、500WであればステップS17へ進み、500WでなければステップS2へと戻る。ステップS17において、スイッチ37がONすると、ステップS4で出力設定手段17が抵抗39と抵抗41により定電圧源40b(5V)の分圧値VS(2.5V)を出力して制御手段16の誤差増幅器16aの他端Yに入力され、この分圧値が基準電圧VSとなる。
【0029】
インバータ電源を用いた電子レンジにおいては、動作中常に流れている電流や入力されている電圧をモニターして、フィードバック制御をすることにより、電源電圧が変動しても、消費電力一定又は電流一定といった様々な制御方法を用いている。図4は、前記基準電圧VSと前記電圧加算値VV+VAの分圧値VXの関係を時間経過とともに示した図である。同図において、設定された高周波出力が800Wの場合、前述したように約28kHzの周波数で半導体スイッチング素子8をON/OFF動作させる。しかし、時間経過と共にマグネトロン13や半導体スイッチング素子8、昇圧トランス7といった各部品の温度も上昇してくる中で、約28kHzのまま動作させ続ければ、電力又は電流は一定には保てない為、目標値と電流や電圧との差を誤差増幅器16aで比較し、その結果を半導体スイッチング素子8をON/OFFさせる周波数に反映させることで、電力又は電流を一定にしている。すなわち、出力設定手段17により設定された基準電圧VSが、入力電圧検出手段14から検出した電圧値VVと、入力電流検出手段15で入力電流を電圧に変換し検出された電圧値VAの和の分圧値VXが等しい場合、すなわちVS=VXの時、半導体スイッチング素子8をON/OFFさせる周波数は28kHzのまま制御を続ける。
【0030】
また、前記基準電圧VSが、前記電圧値VVとVAの和の分圧値VXより小さい場合、すなわちVS<VXの時は、半導体スイッチング素子8をON/OFFさせる周波数を例えば28.5kHzに上げて、流れる電流を減少させ、電力が小さくなるように制御する。そして、前記基準電圧VSが、前記電圧値VVとVAの和の分圧値VXより大きい場合、すなわち、VS>VXの時は、半導体スイッチング素子8をON/OFFさせる周波数を例えば27.5kHzに下げて、流れる電流を増加させ、電力が大きくなるように制御している。
具体的に、図2の回路を用いて説明すると、フィルタ回路2を通った後の電源電圧を、入力電圧検出手段14のダイオード20及び21により全波整流し、抵抗23と抵抗24により分圧して、コンデンサ25により平滑することで入力電圧の検出電圧VVを得る。
又、流れている電流を入力電流検出手段15のカレントトランス22の2次巻線22bと抵抗27により電圧化し、それを全波整流器29により全波整流し、抵抗31と32により分圧し、コンデンサ33により平滑することで入力電流を電圧に変換した電圧値VAを得る。
【0031】
そして、前記入力電圧検出電圧VVを、入力電流検出手段15の全波整流後の一端(図2のA点)に接続することで、前記加算電圧値VV+VAを得ることができ、VV+VAの分圧値VXを出力設定手段17により設定された基準電圧VSと同等に保つことで電力一定制御が可能となる。更に、抵抗23と24の分圧点に接続されているダイオード26により図5のような電力一定制御と電流一定制御を組み合わせた制御が可能となる。図5は、電源電圧に対する入力電圧と入力電流の関係を示した図であり、図6は、ダイオード26の作用及び効果を説明する為の図2の回路上のA点の電圧特性を示した図である。ダイオード26のカソードは、抵抗23と24の分圧点(A)に接続し、アノードにはある電圧の定電圧源40a(ここでは5V)を接続する。これにより、電源電圧を抵抗23と24で分圧した値と定電圧源40aから得られたある電圧をダイオード26で比較し、分圧された点(A)の電圧が定電圧源40aの電圧よりも高い場合、すなわち図5、図6における95V以上の時は、電源電圧の変動した値と電流値を加算してフィードバック制御を実施するので、電力一定制御となる。又、分圧された点Aの電圧が定電圧源40aの電圧よりも低い場合は、分圧点Aはある電圧(ここでは5V)に固定され、電流のみ一定制御となり、消費電力が低下する。
これにより、高出力化を実現する場合において、電源電圧が変動しても家庭用コンセントの定格を超えない電子レンジを実現することができる。
【0032】
以上説明したように、簡単な回路構成で入力電圧と入力電流の検出回路を構成し、その検出回路から検出された2つの電圧値を加算し、ダイオードによる単純なクリップ回路を設けることにより、ある電圧範囲内では電圧が変動しても消費電力を一定に保つ構成としながら、またある電圧より低下した場合には、電流を一定として、家庭用コンセントの定格を超えない電子レンジが提供できる。
【0033】
実施の形態2.
図7はこの発明の実施の形態2を示す要部回路図である。
前記実施の形態1では入力電圧検出手段14の分圧抵抗は、抵抗23と抵抗24の2個であったが、図7に示すように、実施の形態2では、抵抗23と抵抗24と抵抗42を3個直列接続することにより入力電圧を分圧し、後段の2個の抵抗24と抵抗42の直列接続回路と並列に電解コンデンサ25を接続し、平均値化した電圧を後段の2個の抵抗24と抵抗42により分圧して出力すると共に、前段の2個の抵抗23と抵抗24の接続点にダイオード26を介して定電圧源40aを供給する構成としている。後段の抵抗24と抵抗42のいずれかの抵抗値の設定を変えることで、電力一定制御と電流一定制御の範囲を変えることができる。具体的には抵抗24の設定値を小さくした時には、図6に点線で示したようにより低い電源電圧まで電力一定制御を行なう範囲を例えば92V〜110Vに広げることができる。また、抵抗24のかわりに抵抗42の設定値を大きくしても電力一定制御を行なう範囲を例えば92V〜110Vに広げることができる。反対に、抵抗24の設定値を大きくした時、もしくは抵抗42の設定値を小さくした時には、図6に一点鎖線で示したように電力一定制御を行なう範囲を例えば98V〜110Vに狭めることができる。
この実施の形態2によれば、上記の様に抵抗値の設定変更のみで任意にその電圧範囲を設定できるという効果を奏する。
【0034】
【発明の効果】
この発明は以上説明したように構成されているので、以下に示すような効果を奏する。
【0035】
ある電圧範囲内では、電圧が変動しても消費電力を一定に保つ構成としながら、またある電圧よりも低下した場合には電流を一定にして消費電力を低下させることにより、家庭用コンセントの定格を超えない高周波加熱装置を提供できる。
【0036】
また、簡単な回路構成で入力電圧と入力電流の検出回路を構成でき、その検出回路から検出された2つの電圧値を加算し、ダイオードによる単純なクリップ回路を設けることで実現できるので安価なものとなる。
【0037】
また、抵抗値の設定を可変にすることにより、電力一定制御を行える電圧範囲を広げたり、狭めたりすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1である高周波加熱装置を示す回路図である。
【図2】 図1の具体的な構成を示す詳細回路図である。
【図3】 図1及び図2の動作を示すフローチャートである。
【図4】 基準電圧値VSと加算電圧値VV+VAの関係を時間経過とともに示す特性図である。
【図5】 電源電圧が変動した場合の入力電力及び入力電流の関係を示す特性図である。
【図6】 図2のA点の電圧特性図である。
【図7】 この発明の実施の形態2を示す要部回路図である。
【図8】 従来の高周波加熱装置の回路図である。
【図9】 図8の操作側制御部の詳細を示す回路図である。
【図10】 図8の電流側制御部の詳細を示す回路図である。
【図11】 図8の電源電圧が変動した場合における入力電力と入力電流の関係を示す特性図である。
【符号の説明】
1 商用電源、2 フィルタ回路、3 整流器、4 平滑回路、4a チョークコイル、4b 平滑コンデンサ、5 共振回路、6 コンデンサ、7 昇圧トランス、7a 昇圧トランスの1次巻線、7b 昇圧トランスの2次巻線、7c昇圧トランスの3次巻線、8 半導体スイッチング素子、9 ダイオード、10 半波倍電圧回路、10a コンデンサ、10b,11 ダイオード、13 マグネトロン、14 入力電圧検出手段、15 入力電流検出手段、16 制御手段、16a 誤差増幅器、17 出力設定手段、20,21 ダイオード、22 カレントトランス、22a カレントトランスの1次巻線、22b カレントトランスの2次巻線、23,24 抵抗、25 電解コンデンサ、26 ダイオード、27 抵抗、28,30 コンデンサ、29 全波整流器、31,32抵抗、33 電解コンデンサ、34 CPU、35 調理メニューキー、36,37 スイッチ、38,39,41,42 抵抗、40a,40b ある電圧の定電圧源
Claims (5)
- 商用電源を全波整流した直流電圧を高周波電圧に変換し、この変換された高周波電圧を整流してマグネトロンの駆動電力とするインバータ電源を用いた高周波加熱装置において、商用電源から得られる電源電圧値を検出する入力電圧検出手段と、マグネトロンの動作中に流れる入力電流を電圧値に変換して検出する入力電流検出手段と、設定されたマグネトロンの出力に応じて所定の電圧値を出力する出力設定手段と、前記入力電圧検出手段の検出電圧値及び前記入力電流検出手段の検出電圧値を加算した加算電圧値と前記出力設定手段の出力電圧値とを比較し、この比較結果に応じた周波数により前記インバータ電源を駆動する制御回路と、を備え、前記制御装置は、所定の電源電圧範囲内では、電源電圧の変動に対し消費電力を一定に保ち、かつ所定の電源電圧範囲外では、電源電圧の変動に対し電流を一定にして消費電力を低下させる制御を行なうものであり、前記入力電圧検出手段は、2個の抵抗を直列接続し、そのうちの1個の抵抗に対しコンデンサを並列接続し、さらに2個の抵抗の接続点にダイオードを介して定電圧源を接続した構成であり、入力電圧を前記2個の抵抗で分圧し、前記コンデンサで平均値化して、2個の抵抗の接続点より出力するとともに、前記接続点に前記ダイオードを介して定電圧源を供給するものであることを特徴とする高周波加熱装置。
- 商用電源を全波整流した直流電圧を高周波電圧に変換し、この変換された高周波電圧を整流してマグネトロンの駆動電力とするインバータ電源を用いた高周波加熱装置において、商用電源から得られる電源電圧値を検出する入力電圧検出手段と、マグネトロンの動作中に流れる入力電流を電圧値に変換して検出する入力電流検出手段と、設定されたマグネトロンの出力に応じて所定の電圧値を出力する出力設定手段と、前記入力電圧検出手段の検出電圧値及び前記入力電流検出手段の検出電圧値を加算した加算電圧値と前記出力設定手段の出力電圧値とを比較し、この比較結果に応じた周波数により前記インバータ電源を駆動する制御回路と、を備え、前記制御装置は、所定の電源電圧範囲内では、電源電圧の変動に対し消費電力を一定に保ち、かつ所定の電源電圧範囲外では、電源電圧の変動に対し電流を一定にして消費電力を低下させる制御を行なうものであり、前記入力電圧検出手段は、3個の抵抗を直列接続し、そのうち後段の2個の抵抗に対しコンデンサを並列接続し、さらに前段の2個の抵抗の接続点にダイオードを介して定電圧源を接続した構成であり、入力電圧を前記3個の抵抗で分圧し、前記コンデンサで平均値化した電圧を後段の2個の抵抗で分圧して、この2個の抵抗の接続点より出力するとともに、前段の2個の抵抗の接続点に前記ダイオードを介して定電圧源を供給することを特徴とする高周波加熱装置。
- 後段の2個の抵抗のいずれかの抵抗値を可変としたことを特徴とする請求項2記載の高周波加熱装置。
- 入力電流検出手段は、入力電流を検出するカレントトランスと、このカレントトランスの2次側巻線に並列接続され、電流を電圧に変換する抵抗とを有し、変換された電圧値を出力することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の高周波加熱装置。
- 出力設定手段は、マグネトロンの出力を記憶したCPUと、このCPUに調理メニューを入力する調理メニューキーと、この調理メニューキーで選択されたマグネトロンの出力信号により制御されるスイッチと、定電圧源の電圧を分圧する複数の抵抗と、を備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の高周波加熱装置。
Priority Applications (1)
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|---|---|---|---|
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Applications Claiming Priority (1)
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| JP17043099A JP3676122B2 (ja) | 1999-06-17 | 1999-06-17 | 高周波加熱装置 |
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Family Applications (1)
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- 1999-06-17 JP JP17043099A patent/JP3676122B2/ja not_active Expired - Fee Related
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