JP3676632B2 - 内視鏡用組織採取具の操作部 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、内視鏡の処置具挿通チャンネルに挿脱されて膵生検や肝生検等を行うのに用いられる内視鏡用組織採取具の操作部に関する。
【0002】
【従来の技術】
図17は、従来の内視鏡用組織採取具として用いられているいわゆるメンギーニ組織採取針の先端部分を示しており、棒状の針軸10の先端には尖った針先11が形成されると共に、切り取った標本組織を収納するための組織収納凹部12が、針先11の近傍を側面から凹ませた形状に形成されている。
【0003】
そして、針軸10に軸線方向に進退自在に被嵌された外套管20の先端には、組織収納凹部12に入り込んだ組織を切り取るための環状の刃21が内周側に形成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、従来のメンギーニ組織採取針は、単純に針軸と外套管とを組み合わせた構造であり、硬性内視鏡に通して用いられるものであった。
【0005】
しかし、挿入部が可撓性を有するいわゆる軟性内視鏡の処置具挿通チャンネルに挿通して用いようとすると、曲がりくねった処置具挿通チャンネル内での摩擦抵抗が非常に大きくなるので、針軸と外套管とを各々独立して微妙に進退操作するということが困難であり、安全で素早い組織採取を行うことができなかった。
【0006】
そこで本発明は、硬性及び軟性の内視鏡のどちらに用いても安全で素早く標本組織を採取することができる内視鏡用組織採取具の操作部を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の内視鏡用組織採取具の操作部は、先端に針先が形成された針軸と、その針軸に軸線方向に進退自在に被嵌された外套管とを有し、針軸と外套管の一方には先端近傍部分を側面から切り欠いた形状の組織収納凹部が形成され、他方の先端には組織収納凹部に入り込んだ組織を切り取るための刃が形成された内視鏡用組織採取具を操作するための操作部において、内視鏡の処置具挿通チャンネルの入口部分に対して固定及び解除自在であって、針軸の基端部と外套管の基端部とを軸線方向に一体的に進退及び固定自在であり、且つ、針軸の基端部と外套管の基端部のうち一方を他方に対して相対的に軸線方向に移動及び固定自在としたものである。
【0008】
なお、針軸の基端部と外套管の基端部の一方が固定され他方が軸線方向に移動自在に係合するスライド板が設けられていて、そのスライド板が操作部のフレームに対して進退及び固定自在であってもよい。
【0009】
また、針軸と外套管とが各々可撓性を有していてもよく、針軸と外套管とが全長にわたって挿通されるガイドチューブの基端部が係止されていてもよい。
【0010】
【発明の実施の形態】
図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図2は、内視鏡用組織採取具が軟性内視鏡90の処置具挿通チャンネル91に通されて、組織採取具の先端部分が可撓性の内視鏡挿入部92の先端部分内に位置した状態を示している。
【0011】
組織採取具の針軸10の先端には、前方に向けて尖った針先11が形成されており、針先11の直後の部分には、組織を収納するための組織収納凹部12が、針軸10を側面から切り欠いて凹ませた形状に形成されている。
【0012】
そして、組織収納凹部12に連通する吸引路13が、組織収納凹部12より後方の針軸10内に全長にわたって形成されている。したがって、針軸10の組織収納凹部12より後方部分はパイプ状に形成されている。
【0013】
14は、組織収納凹部12の内部に採取された標本組織を押し出せるように棒等を差し込むための溝であり、組織収納凹部12の後側に隣接して形成されている。なお、この実施の形態では針軸10の針先11部分が無孔になっているが、針軸10全体をパイプ状に形成してもよい。
【0014】
針軸10は可撓性を有するプラスチック材で形成してもよいが、パイプ状部分を薄肉にすれば、ステンレス鋼等であっても軟性内視鏡に挿通することができるだけの可撓性を得ることができる。
【0015】
針軸10には、外套管20が軸線方向に進退自在に被嵌されている。薄い筒状に形成された外套管20の先端部分は先細りのテーパ状に形成されており、その結果、外套管20の内周先端部分が環状の刃21になっている。
【0016】
外套管20と針軸10は、軟性内視鏡90の処置具挿通チャンネル91に直接触れないように、可撓性のガイドチューブ30内に通された状態で処置具挿通チャンネル91内に通されている。ただし、処置具挿通チャンネル91が針先11や刃21によって傷つけられない態様で用いられる場合には、ガイドチューブ30は省略しても差し支えない。
【0017】
図3、図4及び図5は、針軸10、外套管20及びガイドチューブ30を各々単独で示しており、針軸10の基端部分には、吸引具を接続するための例えばルアーロック雄口金からなる針軸基端口金19が取り付けられ、外套管20の基端部分には、ルアーロック雌口金からなる外套管基端口金29が取り付けられ、ガイドチューブ30の基端部分には雌ネジが形成されたガイドチューブ基端口金39が取り付けられている。
【0018】
図1は、内視鏡用組織採取具が軟性内視鏡90にセットされた状態を示しており、91と92は前出の処置具挿通チャンネルと内視鏡挿入部、93は内視鏡操作部、94はビデオプロセッサ兼光源装置への連結部、95は、処置具挿通チャンネル91の入口に突設された処置具挿入口金である。
【0019】
内視鏡用組織採取具の操作部50は、ガイドチューブ30の基端が固定されて処置具挿入口金95に取り付けられた連結固定部60と、針軸10と外套管20との進退操作を行うための進退操作部70とが一体的に連結されて構成されている。
【0020】
図6は、図1に示される連結固定部60を示しており、ガイドチューブ30内に通されている外套管20と針軸10の図示は省略されている。連結筒61は真っ直ぐな円筒状であり、処置具挿入口金95に対して係脱自在な例えばルアーロック雌口金からなる連結口金62が一端側に形成されていて、処置具挿入口金95に対して軸線が一致する状態に取り付けられる。
【0021】
連結筒61の他端側に形成されたガイドチューブ固定部63には雄ネジが形成されていて、ガイドチューブ基端口金39が係脱自在であり、処置具挿通チャンネル91内に通された状態のガイドチューブ30の基端部分を連結筒61に対して固定することができる。また、ガイドチューブ固定部63に隣接する部分には、進退操作部70のフレーム板71が軸線周りに回転自在に又は固定的に連結されている。
【0022】
図7は、図1に示される進退操作部70を示しており、前述のように連結筒61に連結されたフレーム板71は、図8にも示されるように、全体として真っ直ぐな板状部材であり、その突端側に開口する長溝72が中心線位置に形成されている。また、突端部は外方に折れ曲げられて、後述する針軸ロックナット83がぶつかるストッパ73になっている。
【0023】
図1及び図7に示されるように、フレーム板71の板面に密着して、フレーム板71より短い板状部材からなるスライド板74が配置されている。このスライド板74には、図9に示されるように、両端が閉じた長孔75と丸孔76とが中心線位置に間隔をあけて形成されている。
【0024】
そして、図7に示されるように、針軸基端口金19を保持する針軸ホルダー81が丸孔76に差し込まれてスライド板74に対して固定されている。針軸基端口金19は、X−X断面を図示する図10にも示されるように、手動の針軸固定ネジ82によって針軸ホルダー81に係脱自在に保持されている。
【0025】
そして、針軸ホルダー81から突設されてフレーム板71の長溝72を横切るネジ棒に手動の針軸ロックナット83が螺合しており、針軸ロックナット83を締め込むことによってスライド板74がフレーム板71に対して固定され、針軸ロックナット83を緩めるとスライド板74が長溝72に沿って移動自在となる。
【0026】
また、外套管基端口金29が、外套管ホルダー78に一体的に固設されたルアーロック雄口金77に係脱自在に係合しており、外套管ホルダー78は長孔75を横断しており、そこから突設されて進退操作部70の長溝72を横切るネジ棒に、外方から手動の外套管ロックナット79が螺合している。
【0027】
その結果、外套管ロックナット79を締め込むと外套管ホルダー78がスライド板74に対して固定され、外套管ロックナット79を緩めると、外套管ホルダー78をスライド板74の長孔75に沿って移動させることができる。
【0028】
それによって、外套管20の先端部分が、図2に示されるように針軸10の組織収納凹部12に被さらない状態と、組織収納凹部12を完全に覆うように被さる状態との間を移動する。
【0029】
なお、このような動作において、針軸ホルダー81に保持された針軸基端口金19と外套管ホルダー78に保持された外套管基端口金29は、いずれも処置具挿入口金95と連結筒61の軸線の延長線上に進退するように、位置関係が設定されている。
【0030】
このような構成により、外套管ロックナット79を緩めれば、外套管20を針軸10に対して相対的に軸線方向に進退させることができ、外套管ロックナット79を締め込めば、針軸10と外套管20との相対的位置関係が固定される。
【0031】
そして、針軸ロックナット83を緩めれば、スライド板74が進退可能になって、針軸10と外套管20とを一緒に軸線方向に進退させることができ、針軸ロックナット83を締め込めば、スライド板74がフレーム板71に固定されて、針軸10が軸線方向に移動不可能な状態に固定される(その時に外套管ロックナット79が締め込まれていれば、針軸10と外套管20が共に固定される)。
【0032】
次に、上記実施の形態の内視鏡用組織採取具により肝臓や膵臓等の生検組織の採取を行う場合の使用について説明する。
使用に際しては、まず図1及び図2に示されるように、連結固定部60の連結口金62を処置具挿入口金95に固定する。すると、ガイドチューブ30の先端が軟性内視鏡90の内視鏡挿入部92の先端から僅かに突出した状態になる。
【0033】
そこで、針軸10の針先11が外套管20の先端から僅かに突出する状態で外套管ロックナット79を締め込んで針軸10と外套管20を一体化し、針軸ロックナット83を緩めてスライド板74を押し下げると、図11に示されるように針先11が組織100に突き刺さっていく。
【0034】
針先11が適切な深さまで穿刺されたら、針軸ロックナット83を締め込んで外套管ロックナット79を緩め、図12に示されるように、外套管20だけを手元側へ引き戻すと、組織収納凹部12が露出した状態になって、組織100が組織収納凹部12内に入り込んでくる。
【0035】
そこで、針軸10の針軸基端口金19に接続した吸引具99を作用させ、吸引路13を介して組織収納凹部12から吸引を行うと、図13に示されるように標本組織101になる組織100が組織収納凹部12内に吸い込まれ、さらに吸引路13内の入口近傍の内部にまで吸い込まれる。
【0036】
その状態で外套管20だけを先側に押し込むと、図14に示されるように、標本組織101が外套管20の刃21によって組織100から切り取られて、組織収納凹部12内に収容された状態になる。
【0037】
このようにして、針軸10と外套管20を一体に進退させる操作と、外套管20だけを進退させる操作を簡単に行って、標本組織101を容易に採取することができる。
【0038】
そして、採取後は、針軸固定ネジ82を緩めて針軸10を引き出し、針軸10の溝14に細い棒等を差し込んで標本組織101を組織収納凹部12から押し出して取り出すことができる。
【0039】
なお、図15に示されるように、組織収納凹部22が外套管20側に形成され、標本組織101を切り取る刃11′が針軸10側に形成された組織採取具の場合には、図16に示されるように、スライド板74を逆向きに取り付け、スライド板74に対して外套管ホルダー78が固定された状態で針軸ホルダー81を進退可能にすることもできる
【0040】
【発明の効果】
本発明の内視鏡用組織採取具の操作部は、内視鏡の処置具挿通チャンネルの入口部分に対して固定及び解除自在であって、針軸の基端部と外套管の基端部とを軸線方向に一体的に進退及び固定自在であり、且つ、針軸の基端部と外套管の基端部のうち一方が他方に対して相対的に軸線方向に移動及び固定自在なので、針先を組織に突き刺す操作と組織収納凹部に収容された標本組織を切り取る操作を手元側から簡単に行うことができ、硬性及び軟性の内視鏡のどちらに用いても安全で素早く標本組織を採取することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の内視鏡用組織採取具が内視鏡にセットされた状態の外観図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態の内視鏡用組織採取具が内視鏡にセットされた状態の先端部分の断面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態の針軸の全体構成を示す断面図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態の外套管の全体構成を示す断面図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態のガイドチューブの全体構成を示す断面図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態の内視鏡用組織採取具の操作部の連結固定部の縦断面図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態の内視鏡用組織採取具の操作部の進退操作部の縦断面図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態のフレーム板の部分斜視図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態のスライド板の正面図である。
【図10】本発明の第1の実施の形態の針軸ホルダー部分の図7におけるX−X断面図である。
【図11】本発明の第1の実施の形態の内視鏡用組織採取具の使用状態における先端部分の側面断面図である。
【図12】本発明の第1の実施の形態の内視鏡用組織採取具の使用状態における先端部分の側面断面図である。
【図13】本発明の第1の実施の形態の内視鏡用組織採取具の使用状態における先端部分の側面断面図である。
【図14】本発明の第1の実施の形態の内視鏡用組織採取具の使用状態における先端部分の側面断面図である。
【図15】本発明の第2の実施の形態の内視鏡用組織採取具の先端部分の断面図である。
【図16】本発明の第2の実施の形態の内視鏡用組織採取具の操作部の進退操作部の縦断面図である。
【図17】従来の内視鏡用組織採取具の先端部分の側面断面図である。
【符号の説明】
10 針軸
11 針先
11′ 刃
12 組織収納凹部
19 針軸基端口金
20 外套管
21 刃
22 組織収納凹部
29 外套管基端口金
50 操作部
60 連結固定部
62 連結口金
70 進退操作部
71 フレーム板
72 長溝
74 スライド板
75 長孔
76 丸孔
78 外套管ホルダー
79 外套管ロックナット
81 針軸ホルダー
83 針軸ロックナット

Claims (3)

  1. 先端に針先が形成された針軸とその針軸に軸線方向に進退自在に被嵌された外套管とを有し、上記針軸には先端近傍部分を側面から切り欠いた形状の組織収納凹部が形成され、上記外套管の先端には上記組織収納凹部に入り込んだ組織を切り取るための刃が形成された内視鏡用組織採取具を操作するための操作部であって、内視鏡の処置具挿通チャンネルの入口部分に対して固定及び解除自在ものにおいて、
    上記針軸の基端部が固定されて上記外套管の基端部が軸線方向に移動及び固定自在に係合するスライド板が設けられて、そのスライド板が上記操作部のフレームに対して進退及び固定自在に構成され、
    上記外套管の基端部を上記スライド板に固定すると、上記針軸と上記外套管とが上記スライド板により一体的に軸線方向に進退操作され、上記スライド板に対する上記外套管の基端部の固定を解き上記スライド板を上記操作部のフレームに対して固定すれば、上記外套管だけを軸線方向に進退させることができることを特徴とする内視鏡用組織採取具の操作部。
  2. 上記針軸と上記外套管とが各々可撓性を有している請求項1記載の内視鏡用組織採取具の操作部。
  3. 吸引具を接続することができる口金が、上記組織収納凹部に連通して上記針軸の基端部に設けられている請求項1又は2記載の内視鏡用組織採取具の操作部。
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