JP3676663B2 - 動物用内視鏡の挿入補助具 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、人間以外の動物の体内に挿入されて検査等を行なうことができる動物用内視鏡の挿入補助具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、動物用内視鏡を動物の体腔内に挿入する際には、人間用の内視鏡挿入補助具やマウスピースを使用して、挿入の補助を行なっている。すなわち、動物専用の挿入補助具というものが従来存在していないため、獣医等は、人間用の内視鏡挿入補助具やマウスピースを使用せざるを得なかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、犬などの動物は鋭い犬歯を有しているため、人間用のマウスピースを代用して動物用内視鏡の挿入を行なうと、犬歯によって内視鏡が損傷してしまうことを防止する新たな手段を考えなければならず、獣医の負担が増すとともに、それに伴うコストの増大も懸念される。また、人間用の内視鏡用挿入補助具を代用して動物用内視鏡の挿入補助を行なう場合にも同様の問題がある。
【0004】
本発明は前記事情に着目してなされたものであり、その目的とするところは、動物用内視鏡を損傷させることなく体腔内に対して容易に挿脱できる動物用内視鏡の挿入補助具を提供することにある
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記課題を達成するために、本発明に係る動物用内視鏡の挿入補助具は、動物用内視鏡の挿入部を挿通可能な軟性チューブから成る挿入補助シースと、被検動物の上下の犬歯に咬み合わせられて前記上下の犬歯間を所定の間隔に保持する保持部材を備え、前記挿入補助シースに配設されたマウスピースとを備えている。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ本発明の一実施形態について説明する。
【0007】
図1は動物用電子内視鏡システム1の組み合わせを示している。図示のように、動物用電子内視鏡システム1は、動物用電子内視鏡2と、動物用内視鏡のための光源装置3と、動物用内視鏡のためのビデオプロセッサ4とから成る。光源装置3およびビデオプロセッサ4はそれぞれ、光源コネクタ5およびビデオコネクタ6を介して、動物用内視鏡2に接続され、それによって正常に動作する。動物用電子内視鏡2は、動物の体内に挿入可能な挿入部7と、挿入部7の手元側に設けられた操作部8とからその本体が構成されている。
【0008】
図2には、本発明の第1の実施形態に係る挿入補助具9が示されている。図示のように、この挿入補助具9は、マウスピース10と挿入補助シース11とから構成されている。
【0009】
マウスピース10は、硬質のプラスチックによって形成されており、動物用内視鏡2の挿入部7を主として動物の門歯から保護するマウスピース本体12を有している。マウスピース本体12には、動物用内視鏡2の挿入部7が挿通可能な挿通口部13が設けられている。また、マウスピース本体12の両側には、動物用内視鏡2の挿入部7を主として動物の犬歯から保護する円筒形状のブロック部材14,14が設けられている。
【0010】
挿入補助シース11は、ポリウレタン等の合成樹脂によって形成された可撓性の管状体(軟性チューブ)から成る。また、この挿入補助シース11は、少なくとも被検対象の動物の口腔をカバーし、喉頭を超える長さに設定されている。なお、挿入補助シース11は、マウスピース10に対して着脱自在に取付けられていても良い。
【0011】
次に、図3を参照しながら、上記構成の挿入補助具9の作用について説明する。
【0012】
図3は、挿入補助具9を被検動物である例えば犬の口から食道に向けて挿入し、その状態で動物用内視鏡2の挿入部7を挿入補助具9の挿通口部13から挿入補助具9内に挿通した様子を示している。図示のように、マウスピース本体12によって挿入部7が門歯から保護され、ブロック部材14によって挿入部7が犬歯から保護される。この場合、ブロック部材14,14は、被検動物の上下の犬歯に咬み合わされ、上下の犬歯間を所定の間隔で開く。
【0013】
また、挿入補助シース11は、前述したように、少なくとも被検対象の動物の口腔をカバーして喉頭を超える長さに設定されているため、挿入部7を臼歯から保護することができる。
【0014】
以上説明したように、本実施形態の挿入補助具9は、マウスピース本体12とブロック部材14,14と挿入補助シース11とによって被検動物の門歯、犬歯、臼歯から挿入部7を保護することができるため、動物用内視鏡2を損傷させることなく動物の体腔内に対して挿脱させることができる。また、本実施形態の挿入補助具9では、挿入補助シース11が少なくとも被検対象の動物の口腔をカバーして喉頭を超える長さに設定されている(挿入補助シース11を喉頭を超えて食道まで挿入できる)ため、動物用内視鏡2を動物の体腔内に対して容易に挿脱させることができる。
【0015】
図4は本発明の第2の実施形態を示している。なお、本実施形態において、第1の実施形態と共通する構成部分については、以下、同一符号を付してその説明を省略する。
【0016】
図示のように、本実施形態の挿入補助具9Aは、互いに別体の基端側部分11aと先端側部分11bとによって挿入補助シース11が構成されている。基端側部分11aは先端側部分11bよりも硬質に形成されている。また、基端側部分11aと先端側部分11bは連結部材16を介して着脱自在に接続されている。なお、基端側部分11aの長さは被検動物の口腔をカバーする長さに設定されている。それ以外の構成は第1の実施形態と同一である。
【0017】
このように、本実施形態の挿入補助具9Aは、口腔に位置する挿入補助シース11の基端側部分11aが硬質に形成されているため、動物の臼歯によって動物用内視鏡2が損傷してしまうことを防止できる。無論、第1の実施形態と同様の作用効果も奏する。
【0018】
図5は本発明の第3の実施形態を示している。なお、本実施形態において、第1の実施形態と共通する構成部分については、以下、同一符号を付してその説明を省略する。
【0019】
図示のように、本実施形態の挿入補助具9Bは、気道確保用シース部20と挿入シース部21とによって挿入補助シース11が構成されている。すなわち、マウスピース本体12に気道確保用シース部20および挿入シース部21の2本のシースが接続されている。また、マウスピース本体12には、挿入シース部21に連通し且つ動物用内視鏡2の挿入部7が挿通可能な挿通口部22が設けられている。また、マウスピース本体12には気道確保用シース部20の基端部が貫通しており、気道確保用シース20の基端開口部には、各種の麻酔装置に接続可能な口金23が装着されている。なお、2本のシース部20,21はそれぞれ、合成樹脂等の可撓性材料によって形成され、柔軟性を有している。
【0020】
次に、図6を参照しながら、上記構成の挿入補助具9Bの作用について説明する。
【0021】
図6は、挿入補助具9Bを被検動物である例えば犬の口から食道に向けて挿入し、その状態で動物用内視鏡2の挿入部7を挿入補助具9Bの挿通口部22から挿入補助具9B内に挿通した様子を示している。図示のように、マウスピース本体12によって挿入部7が門歯から保護され、ブロック部材14によって挿入部7が犬歯から保護される。この場合、ブロック部材14,14は、被検動物の上下の犬歯に咬み合わされ、上下の犬歯間を所定の間隔で開く。
【0022】
また、挿入補助シース11は、前述したように、少なくとも被検対象の動物の口腔をカバーして喉頭を超える長さに設定されているため、挿入部7を臼歯から保護することができる。
【0023】
また、動物に対して行なう内視鏡検査は、通常、全身麻酔下で行なわれるため、必ず気管内挿管が必要となる。そのため、本実施形態では、挿入シース部21とは別に気道確保用シース部20をマウスピース本体12と一体に設け、気管挿管と挿入補助を同時に行なうことで、気道確保を容易に行なえるようにしている。
【0024】
したがって、本実施形態の挿入補助具9Bは、第1の実施形態と同様の作用効果を奏するとともに、気道確保を容易に行なえる。
【0025】
ところで、人間用内視鏡のディスポーザブルシースは従来から存在していたが、動物用内視鏡のように科を跨って使用するという考えは示されていない。そのため、個体差の大きい動物に使用する場合、使いづらい場合がある。そこで、以下では、使用する動物の科目に適したディスポーザブルシースについて説明する。
【0026】
図7に示されるように、一般に、動物用電子内視鏡本体24は画像伝達系25を有している。この画像伝達系25は、内視鏡の基本的構成のみを有する部分であり、図示しない内視鏡用光源装置からの光をライドガイド26によって内視鏡の先端部27へ導入するとともに、対物レンズ28を介して得た画像を体外へ伝達する構成を成している。通常は、アングルノブ29を回転させることによって、先端部27の方向を変えることができる。無論、先端部27の方向を変えるための機構はあっても無くても良い。
【0027】
動物用内視鏡本体24には、図8に示されるような複数種類のディスポーザブルシース30,31…が装着可能である。ディスポーザブルシース30,31は、例えばPTFE、PFA等の可撓性材料によって形成され、動物用内視鏡本体24に装着される第1のチャンネル32と、把持鉗子等の処置具が挿通される処置具挿通管路および吸引管路を兼ねる第2のチャンネル33,34とを有している。
【0028】
なお、ディスポーザブルシース30は猫用で、ディスポーザブルシース31は犬用である。すなわち、ディスポーザブルシース30の第2のチャンネル33の内径が、ディスポーザブルシース31の第2のチャンネル34のそれよりも小さく形成されている。また、シース全体の外径もディスポーザブルシース30の方がディスポーザブルシース31よりも小さく、それぞれの動物の個体の大きさに合わせたサイズになっている。また、ディスポーザブルシース30とディスポーザブルシース31はそれぞれシースの色が異なっており、色の違いで種類を見極めることができるようになっている。
【0029】
したがって、このような構成によれば、1つの動物用電子内視鏡本体24に複数種類のディスポーザブルシースを装着可能であるため、ディスポーザブルシースの組み合わせを変えることで、個体差の大きい動物に対して最適な動物用内視鏡とすることが可能になる。また、動物の個体に合わせて複数の動物用電子内視鏡を用意する必要がなく、経済的である。また、シースの色を変えることで誤使用を防止できる。
【0030】
図9にはディスポーザブルシースの他の例が示されている。図示のように、挿入部35,36の長さが異なる動物用内視鏡本体37,38を複数準備し、挿入部35の長さが長い動物用内視鏡本体37に処置用チャンネル(第2のチャンネル)39が大きい大型のディスポーザブルシース39が組み合わされ、また、挿入部36の長さが短い動物用内視鏡本体38に処置用チャンネル(第2のチャンネル)40が小さい小型のディスポーザブルシース40が組み合わされるようになっている。更に、図10に示されるように、動物用内視鏡本体37,38にあっては、挿入部有効長A,B…と挿入部外径a,b…とが少なくとも以下の関係を満たすようになっている。
【0031】
挿入部35,36の有効長をA,Bとし、対応する挿入部35,36の外径をa,bとした場合、
A>B → a≧b
すなわち、動物用内視鏡のラインナップを挿入部の有効長が長いものほど挿入部外径を大きくすることで、動物の大きさに適し且つ使用し易い動物用内視鏡を提供でき、動物の苦痛低減に貢献することができる。
【0032】
なお、以上説明してきた技術内容によれば、以下に示されるような各種の構成が得られる。
【0033】
1.動物用内視鏡の挿入補助具において、マウスピース部と挿入補助シース部とから成り、少なくともマウスピース部には犬歯を開口させる手段が設けられ、挿入補助シース部が軟性チューブによって形成されていることを特徴とする動物用内視鏡の挿入補助具。
【0034】
2.挿入補助シース部の使用時に少なくとも口腔内に位置する部分を、他の部分よりも硬質に形成したことを特徴とする第1項に記載の動物用内視鏡の挿入補助具。
【0035】
3.挿入補助シース部が口腔用ルーメンと気道確保用ルーメンとから成ることを特徴とする第1項に記載の動物用内視鏡の挿入補助具。
【0036】
4.マウスピース部が挿入補助シース部に対して着脱自在であることを特徴とする第1項に記載の動物用内視鏡の挿入補助具。
【0037】
5.動物用内視鏡において、複数種類のディスポーザブルシースを組み付けられるように構成されていることを特徴とする動物用内視鏡。
【0038】
6.複数種類のディスポーザブルシースは動部の科目毎に分かれていることを特徴とする第5項に記載の動物用内視鏡。
【0039】
7.複数種類のディスポーザブルシースは、シースの色が異なることを特徴とする第6項に記載の動物用内視鏡。
【0040】
8.動物用内視鏡のスコープラインナップを挿入部外径が細いものほど有効長が短くなるように設定した。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の挿入補助具によれば、動物用内視鏡を損傷させることなく体腔内に対して容易に挿脱することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】動物用電子内視鏡システムの組み合わせを示す模式図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る挿入補助具の断面図である。
【図3】図2の挿入補助具の使用形態を示す図である。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る挿入補助具の断面図である。
【図5】本発明の第3の実施形態に係る挿入補助具の断面図である。
【図6】図5の挿入補助具の使用形態を示す図である。
【図7】動物用内視鏡本体の全体図である。
【図8】ディスポーザブルシースの組み合わせを示す模式図である。
【図9】ディスポーザブルシースの組み合わせの他の例を示す模式図である。
【図10】動物用電子内視鏡の挿入部有効長と外径との関係を示す模式図である。
【符号の説明】
9,9A,9B…挿入補助具
10…マウスピース
11…挿入補助シース
14…ブロック部材

Claims (1)

  1. 動物用内視鏡の挿入部を挿通可能な軟性チューブから成る挿入補助シースと、
    被検動物の上下の犬歯に咬み合わせられて前記上下の犬歯間を所定の間隔に保持する保持部材を備え、前記挿入補助シースに配設されたマウスピースと
    具備することを特徴とする動物用内視鏡の挿入補助具。
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