JP3676776B2 - 通信システムおよび同期信号生成装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、通信システムおよび同期信号生成装置に関し、特に交換局から離れた遠隔地に設置された中継多重装置に複数の通信装置を収容し、これら通信装置でのデータ通信を実現する際に用いられる通信システムおよび同期信号生成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
インターネットの普及に伴い、従来のアナログ電話回線をデジタル加入者線として利用するデータ通信サービスとして、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line:非対称デジタル加入者線)伝送方式に代表される高速で安価な各種データ通信サービスが利用者へ提供されつつある。
これらデータ通信サービスでは、図4に示すように、各種ネットワーク3と接続される中継多重装置(DSLAM:Digital Subscriber Line Access Multiplexer)1を交換局2内に設置して、この中継多重装置1にデジタル加入者線5を介して各通信装置4を収容し、これら通信装置4と各種ネットワーク3との間のデータ通信を実現している。
【0003】
このようなデータ通信では、同じ回線をアナログ音声通話と共用できるように、アナログ音声通話の周波数帯域とは異なる周波数帯域を用いてデータ通信を行っている。例えば、ITU−T勧告のADSL規格であるG.992.1(G.dmt)では、データ通信帯域として約26kHz〜1104kHzの帯域を用いることが定められている。
これに対して、従来よりデータ通信サービスの1つとしてISDN通信サービスが提供されている。このISDN伝送方式では、320kHzをクロック周波数として用いており、また反射などの影響により実際には1MHz程度まで副次的なノイズを発生する。このため、ADSLに対するISDNからの干渉が発生し、ADSLの通信装置4において良好な通信環境が得られないことがある。
【0004】
従来、このようなISDNからの干渉の影響を低減するため、ISDNの通信タイミングに同期させてデータ通信を制御する方式が規格化されている。
例えば、日本のISDNでは、TCM(Time Compression Multiplexing:ピンポン伝送)方式を用いており、端末側のU点インターフェースでは、図5のような信号波形となる。この方式では、2.5msの伝送周期Tを2等分して、受信期間Tdと送信期間Tuとを設け、これら各期間で、交換局側から端末側への下り信号100と、端末側から交換局側への上り信号101とを交互に送受信している。また、これら信号のパルスは、320kHzのAMI(Alternate Mark
Inversion)変調方式のパルス波形120をなしている。
【0005】
このとき、端末側では、交換局との線路長による信号波形の減衰により、端末側からの送信する上り信号に比較して、交換局からの下り信号の振幅が減衰しており、ADSLに対する干渉も受信期Tdの方が小さい。
したがって、上記規格G.992.1では、オプション仕様Annex Cとして、ISDN信号の伝送タイミングに同期して、ADSLで使用する周波数帯域を切替制御する方式が規格化されている。具体的には、通信装置4側において、ISDN信号からの干渉が小さい受信期間TdでADSLのデータ伝送量を大きくし、干渉が大きい送信器間TuでADSLのデータ伝送量を小さくするものである。なお、中継多重装置1は、交換局2内で供給されているISDN信号に同期した同期信号に基づき、データ通信信号の送受信タイミングを決定する。これにより、ISDNからの干渉の影響を低減したデータ通信が実現される。
【0006】
なお、出願人は、本明細書に記載した先行技術文献情報で特定される先行技術文献以外には、本発明に関連する先行技術文献を出願時までに発見するには至らなかった。
【非特許文献1】
日経NETWORK、「徹底研究!ADSLインターネット」、日経NETWORK、2000年12月号、日経BP社、2000年11月22日発行、p.72〜77
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このような通信システムでは、デジタル加入者線の線路長による信号波形の減衰から、交換局との間のデジタル加入者線が長い通信装置では、良好な通信環境が得られず通信速度が低下する。したがって、図6に示すように、中継多重装置6を交換局2から離れた遠隔地に配置して、光ファイバなどの中継回線7を介して交換局2の中継多重装置1との間で多重通信を行うとともにその周辺の通信装置4を収容し、これら通信装置4で行われるデータ通信と交換局2との多重通信とを中継接続するシステム構成が考えられる。
【0008】
しかしながら、このようなシステム構成では、中継多重装置6を遠隔地に配置するため、交換局2内で供給されていたISDN信号に同期する同期信号が得られず、前述したISDNからの干渉の影響を低減するための伝送方式を採用できないという問題点があった。
この際、中継回線7を介してISDN信号に同期する同期信号を交換局2側から供給する方法も考えられるが、交換局2側および中継多重装置6側にこれら同期信号を送受信するための通信方式を策定し、さらにはそのためのソフトウェアあるいはハードウェアを追加する必要があり、現行の中継多重装置を利用して容易に通信システムを構築できない。
【0009】
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、交換局から離れた遠隔地に配置した中継多重装置を用いて、ISDNからの干渉の影響を低減したデータ通信サービスを容易に実現できる通信システムおよび同期信号生成装置を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するために、本発明にかかる通信システムは、中継回線を介して交換局との間で多重通信を行うとともに複数の通信装置を収容し、これら通信装置で行われるデータ通信と多重通信とを中継接続する中継多重装置と、ISDN回線に接続されて、このISDN回線で送受信されるISDN信号から、中継多重装置でのデータ通信で送受信されるデータ通信信号の送受信タイミングを示す信号として、複数の異なる周波数が合成された同期信号を生成し、その同期信号を中継多重装置へ出力する同期信号生成装置とを備えるものである。
【0011】
具体的には、同期信号生成装置は、ISDN回線のU点インターフェースを接続するU点インターフェース接続部と、このU点インターフェース接続部を介してISDN回線から受信したISDN信号から、そのISDN信号の送受信の際に用いる基準クロック信号を抽出する基準クロック抽出部と、この基準クロック抽出部で得られた基準クロック信号から複数の異なる周波数の内部クロック信号をそれぞれ生成するクロック生成部と、このクロック生成部で得られた内部クロック信号を合成して得られた同期信号を中継多重装置へ出力するクロック合成部とから構成してもよい。
【0012】
また、本発明にかかる同期信号生成装置は、中継回線を介して交換局との間で多重通信を行うとともに複数の通信装置を収容し、これら通信装置で行われるデータ通信と多重通信とを中継接続する中継多重装置に接続される同期信号生成装置であって、ISDN回線を接続する接続手段と、ISDN回線で送受信されるISDN信号から、中継多重装置でのデータ通信で送受信されるデータ通信信号の送受信タイミングを示す信号として、複数の異なる周波数が合成された同期信号を生成し、中継多重装置へ出力する同期信号生成手段とを備えるものである。
【0013】
具体的には、接続手段は、ISDN回線のU点インターフェースを接続するU点インターフェース接続部から構成し、同期信号生成手段は、U点インターフェース接続部を介してISDN回線から受信したISDN信号から、そのISDN信号の送受信の際に用いる基準クロック信号を抽出する基準クロック抽出部と、この基準クロック抽出部で得られた基準クロック信号から複数の異なる周波数の内部クロック信号をそれぞれ生成するクロック生成部と、このクロック生成部で得られた内部クロック信号を合成して得られた同期信号を中継多重装置へ出力するクロック合成部とから構成してもよい。
【0014】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は本発明の一実施の形態にかかる通信システムの構成を示すブロック図であ、前述の図5と同じまたは同等部分には同一符号を付してある。
この通信システムには、交換局2から離れた遠隔地に設置された中継多重装置6と、ISDN回線8のISDN信号と同期した同期信号9をこの中継多重装置6へ出力する同期信号生成装置10とが設けられている。
本発明では、同期信号生成装置10を設けてISDN回線8から同期信号9を生成し、この同期信号9に基づき中継多重装置6で通信装置4とのデータ通信を行うようにしたものである。
【0015】
中継多重装置6は、光ファイバなど通信帯域の大きい中継回線7を介して交換局2内の中継多重装置1との間で多重通信を行うとともに、その中継多重装置6の周辺に配置されている複数の通信装置4をデジタル加入者線5を介して収容し、これら通信装置4で行われるデータ通信と多重通信とを中継接続する装置である。
同期信号生成装置10は、交換局2からのISDN回線8に接続されて、このISDN回線8で送受信されるISDN信号から、中継多重装置6でのデータ通信で送受信されるデータ通信信号の送受信タイミングを示す同期信号9を生成し、中継多重装置6へ出力する装置である。
【0016】
図2に同期信号生成装置のブロック図を示す。この同期信号生成装置10には、U点インターフェース部(以下、U点I/F部という)11、基準クロック抽出部12、クロック生成部14およびクロック合成部16が設けられている。
このうち、U点I/F部11が接続手段を構成し、基準クロック抽出部12、クロック生成部14およびクロック合成部16が同期信号生成手段を構成する。
【0017】
U点I/F部11は、ISDN回線8を接続してISDN信号を送受信するための回路部である。
基準クロック抽出部12は、U点I/F部11を介して受信したISDN信号(下り信号)から、ISDN信号の送受信の際に用いる基準クロック信号13を抽出するための回路部である。この基準クロック信号13には、ISDN信号の各ビット(3.125μs)に同期した320kHzのクロック信号とISDN信号の伝送周期(1.25ms)に同期した400Hzのクロック信号とがある。
【0018】
クロック生成部14は、基準クロック信号13に基づき所望の同期信号9を合成するための内部クロック信号15を生成する回路部である。この内部クロック信号15としては、例えば64kHz、32kHz、4kHz、200Hzの周波数のクロック信号が生成されるが、これら周波数のクロック信号に限定されるものではなく、所望の同期信号9を合成するために必要な任意の周波数のクロック信号を生成すればよい。
クロック合成部16は、内部クロック信号15に基づきコンポジット波形をなす同期信号9を生成して中継多重装置6へ出力する回路部である。
【0019】
基準クロック抽出部12としては、ISDNのU点インターフェースとS/T点インターフェースとを中継するデジタル回線接続装置(DSU:Digital Service Unit)で用いられる一般的な制御用LSIを利用してもよい。
また、クロック生成部14はやクロック合成部16は、ゲート回路や順序回路を組み合わせて実現してもよく、外部から内部回路をプログラミング可能なFPGA(Field Programing Gate Array)などのLSIを用いてもよい。
【0020】
次に、図1〜3を参照して、本実施の形態にかかる通信システムおよび同期信号生成装置の動作について説明する。図3は同期信号生成装置で用いられる各信号の信号波形例である。
同期信号生成装置10では、U点I/F部11を介して受信したISDN信号(下り信号)からISDN信号の送受信の際に用いる基準クロック信号13として、320kHzと400Hzのクロック信号をクロック抽出部12で抽出する。
クロック生成部14では、この基準クロック信号13に基づき所望の同期信号9を合成するための内部クロック信号15として、64kHz、32kHz、4kHz、200Hzの各クロック信号を生成する。
【0021】
クロック合成部16は、内部クロック信号15に基づき同期信号9を生成して中継多重装置6へ出力する。このとき、同期信号9は、+−両極性のパルス波形が合成されたコンポジット波形をなし、通信装置4とのデータ通信で送受信されるデータ通信信号の送受信タイミングの決定に必要な周波数、ここでは64kHz、8kHz、400Hzのクロック信号が合成されている。
中継多重装置6では、この同期信号9からこれら64kHz、8kHz、400Hzのクロック信号を抽出し、これらクロック信号で決定される所定の送受信タイミングで、通信装置4との間でデータ通信信号を送受信する。これにより、ISDNからの干渉の影響をあまり受けることなく、デジタル加入者線5を介した通信装置4とのデータ通信が実現される。
【0022】
このように、同期信号生成装置10を設けてISDN回線8から同期信号9を生成し、この同期信号9に基づき中継多重装置6で通信装置4とのデータ通信を行うようにしたので、交換局から離れた遠隔地に配置した中継多重装置を用いて、ISDNからの干渉の影響を低減したデータ通信サービスを容易に実現できる。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、同期信号生成装置では、ISDN回線で送受信されるISDN信号から複数の異なる周波数が合成された同期信号を生成して中継多重装置へ出力し、中継多重装置では、その同期信号に基づき、通信装置との間のデータ通信で送受信されるデータ通信信号の送受信タイミングを決定するようにしたので、交換局から離れた遠隔地に配置した中継多重装置を用いて、ISDNからの干渉の影響を低減したデータ通信サービスを容易に実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態にかかる通信システムの構成を示すブロック図である。
【図2】 同期信号生成装置の構成を示すブロック図である。
【図3】 同期信号生成装置で用いられる各信号の信号波形例である。
【図4】 一般的な通信システムの構成例である。
【図5】 ISDN信号の信号波形図である。
【図6】 従来の通信システムの構成例である。
【符号の説明】
1…中継多重装置、2…交換局、3…各種ネットワーク、4…通信装置、5…デジタル加入者線、6…中継多重装置、7…中継回線、8…ISDN回線、9…同期信号、10…同期信号生成装置、11…U点I/F部、12…基準クロック抽出部、13…基準クロック信号、14…クロック生成部、15…内部クロック信号、16…クロック合成部。

Claims (4)

  1. 中継回線を介して交換局との間で多重通信を行うとともに複数の通信装置を収容し、これら通信装置で行われるデータ通信と前記多重通信とを中継接続する中継多重装置と、
    ISDN回線に接続されて、このISDN回線で送受信されるISDN信号から、前記中継多重装置でのデータ通信で送受信されるデータ通信信号の送受信タイミングを示す信号として、複数の異なる周波数が合成された同期信号を生成し、その同期信号を前記中継多重装置へ出力する同期信号生成装置とを備えることを特徴とする通信システム。
  2. 請求項1記載の通信システムにおいて、
    前記同期信号生成装置は、
    前記ISDN回線のU点インターフェースを接続するU点インターフェース接続部と、
    このU点インターフェース接続部を介して前記ISDN回線から受信したISDN信号から、そのISDN信号の送受信の際に用いる基準クロック信号を抽出する基準クロック抽出部と、
    この基準クロック抽出部で得られた基準クロック信号から複数の異なる周波数の内部クロック信号をそれぞれ生成するクロック生成部と、
    このクロック生成部で得られた前記各内部クロック信号を合成して得られた前記同期信号を前記中継多重装置へ出力するクロック合成部とを備えることを特徴とする通信システム。
  3. 中継回線を介して交換局との間で多重通信を行うとともに複数の通信装置を収容し、これら通信装置で行われるデータ通信と前記多重通信とを中継接続する中継多重装置に接続される同期信号生成装置であって、
    ISDN回線を接続する接続手段と、
    前記ISDN回線で送受信されるISDN信号から、前記中継多重装置でのデータ通信で送受信されるデータ通信信号の送受信タイミングを示す信号として、複数の異なる周波数が合成された同期信号を生成し、前記中継多重装置へ出力する同期信号生成手段とを備えることを特徴とする同期信号生成装置。
  4. 請求項3記載の同期信号生成装置において、
    前記接続手段は、前記ISDN回線のU点インターフェースを接続するU点インターフェース接続部を有し、
    前記同期信号生成手段は、
    前記U点インターフェース接続部を介して前記ISDN回線から受信したISDN信号から、そのISDN信号の送受信の際に用いる基準クロック信号を抽出する基準クロック抽出部と、
    この基準クロック抽出部で得られた基準クロック信号から複数の異なる周波数の内部クロック信号をそれぞれ生成するクロック生成部と、
    このクロック生成部で得られた前記各内部クロック信号を合成して得られた前記同期信号を前記中継多重装置へ出力するクロック合成部とを有することを特徴とする同期信号生成装置。
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