JP3682251B2 - 複合超微粒子含有液状媒体の製造方法およびその装置 - Google Patents

複合超微粒子含有液状媒体の製造方法およびその装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複合超微粒子含有液状媒体の製造方法およびその製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、高機能材料、高度物性材料に適した有機高分子、金属および無機化合物から選ばれる少なくとも1つの材料からなるサブミクロン以下の超微粒子が開発されている。特に、異種の有機高分子が均一に集合した複合超微粒子、有機高分子に金属および無機化合物から選ばれる少なくとも1つのナノオーダの超微粒子が均一に分散、結合された複合超微粒子が注目されている。
【0003】
このような複合超微粒子(例えば有機高分子と無機化合物の複合超微粒子)を含有する液状媒体は、従来、次のような方法により製造されている。すなわち、2つのノズル部を有する本体を備えた破砕・分散装置を用い、液状媒体に有機高分子と無機化合物微粒子を所望量混合した固液混合流体を前記本体に高圧で導入し、前記2つのノズル部から前記固液混合流体を高速度で噴射して互いに交差・衝突させることにより複合超微粒子含有液状媒体を製造する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前述した破砕・分散装置を用いた方法では前記固液混合流体中の有機高分子および無機化合物粒子を超微粒子状に破砕、分散することが可能である。しかしながら、有機高分子にナンレベルの無機化合物超微粒子が均一に分散、集合した複合超微粒子を製造することが困難であった。
【0005】
本発明は、異種の有機高分子が均一に集合した複合超微粒子や、有機高分子に金属および無機化合物から選ばれる少なくとも1つのナノオーダの超微粒子が均一に分散、結合された複合超微粒子を含有する液状媒体を容易かつ量産的に製造することが可能な方法およびその製造装置を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る複合超微粒子含有液状媒体の製造方法は、互いに異なる材料の超微粒子が液状媒体に分散された分散媒体を調製する工程;
前記分散媒体を出入口を有する第1チャンバ、第2チャンバにそれぞれ高圧で導入する工程;
前記第1,第2のチャンバにそれぞれ高周波電圧を印加して前記第1、第2のチャンバ内を流通する分散媒体をそれぞれ励起させ、さらに各分散媒体に前記高周波電圧の印加位置より下流側で直流電圧を印加して互いに異なる極性に帯電させる工程;および
互いに異なる極性に帯電された前記分散媒体をそれぞれ互いに電気的に分離された2つのノズル部を通して高速度で噴射し、互いに交差・衝突させることによって、前記液状媒体中の超微粒子をその衝突の場で互いに静電凝集させると共に、励起移動で凝集・結合させる工程;
を含むことを特徴とするものである。
【0007】
本発明に係る別の複合超微粒子含有液状媒体の製造方法は、有機高分子、金属および無機材料から選ばれる少なくとも1つの材料からなる超微粒子が液状媒体に分散された第1分散媒体を調製する工程;
少なくとも1種の有機高分子超微粒子が液状媒体に分散された第2分散媒体を調製する工程;
出入口を有する第1、第2のチャンバに前記第1,第2の分散媒体をそれぞれ導入する工程;
前記第1、第2のチャンバにそれぞれ高周波電圧を印加して前記第1、第2のチャンバ内を流通する前記第1、第2の分散媒体をそれぞれ励起させ、さらに前記第1、第2の分散媒体に前記高周波電圧の印加位置より下流側で直流電圧を印加して互いに異なる極性に帯電させる工程;および
互いに異なる極性に帯電された第1,第2の分散媒体をそれぞれ互いに電気的に分離された2つのノズル部を通して高速度で噴射して互いに交差・衝突させることによって、前記第1,第2の分散媒体中の超微粒子をその衝突の場で互いに静電凝集させると共に、励起移動で凝集・結合させる工程;
を含むことを特徴とするものである。
【0008】
本発明に係る複合超微粒子含有液状媒体の製造装置は、互いに異なる材料の超微粒子を液状媒体に分散した分散媒体が導入される出入口を有する第1チャンバと、
前記分散媒体が導入される出入口を有する第2チャンバと、
前記第1、第2のチャンバを流通する前記分散媒体がそれぞれ導入され、それら分散媒体を噴射して互いに交差・衝突させるための互いに電気的分離された2つのノズル部を有する凝集・結合手段と、
前記第1、第2のチャンバ内を流通する前記分散媒体に高周波が透過可能な絶縁部材を通して高周波電圧を印加するための高周波電源と、
前記高周波電圧の印加位置より前記分散媒体の流れ方向の下流側で前記ノズル部までに位置する部材に接続された直流電源と
を具備したことを特徴とするものである。
【0009】
本発明に係る別の複合超微粒子含有液状媒体の製造装置は、有機高分子、金属および無機材料から選ばれる少なくとも1つの材料からなる超微粒子が液状媒体に分散された第1分散媒体を調製するための第1分散媒体調製手段と、
少なくとも1つの有機高分子超微粒子が液状媒体に分散された第2分散媒体を調製するための第2分散媒体調製手段と、
前記第1分散媒体調製手段から高圧の前記第1分散媒体が導入される出入口を有する第1チャンバと、
前記第2分散媒体調製手段から高圧の前記第2分散媒体が導入される出入口を有する第2チャンバと、
前記第1、第2のチャンバを流通する前記第1、第2の分散媒体がそれぞれ導入され、それら分散媒体を噴射して互いに交差・衝突させるための互いに電気的分離された2つのノズル部を有する凝集・結合手段と、
前記第1、第2のチャンバ内を流通する前記分散媒体に高周波が透過可能な絶縁部材を通して高周波電圧を印加するための高周波電源と、
前記高周波電圧の印加位置より前記第1、第2の分散媒体の流れ方向の下流側で前記ノズル部までに位置する部材に接続された直流電源と
を具備したことを特徴とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る複合超微粒子含有液状媒体の製造方法およびその装置を図面を参照して詳細に説明する。
【0011】
(第1実施形態)
図1は、この第1実施形態に係る複合超微粒子含有液状媒体の製造装置を示す概略上面図、図2は図1に組み込まれる分散媒体調製機構を示す断面図、図3は図2の分散媒体調製機構の他の使用形態を示す断面図、図4は、図1の製造装置に組み込まれる帯電付与機構の要部断面図、図5は図1の製造装置に組み込まれる超微粒子の集合・結合機構を示す断面図である。
【0012】
分散媒体調製機構1は、帯電付与機構30に配管61、2本の分岐配管62a,62bを通して接続されている。これら分岐配管62a,62bは、例えばポリイミドのような絶縁材料から作られている。前記帯電付与機構30は、2本の配管63a,63bを含み、これら配管63a,63bを通して超微粒子の集合・結合機構70に接続されている。前記配管63a,63bは、例えばステンレスのような導電材料から作られ、かつ内面に白金または金の薄膜がコーティングされている。
【0013】
前記分散媒体調製機構1は、図2および図3に示すように例えば四角錐台形状の空洞部2およびこの空洞部2の上下に連通する上部矩形状穴3,下部矩形状穴4を有するメインブロック5と、前記上下の矩形状穴3,4に挿入固定された上部、下部のブロック6,7と有する本体8を備える。なお、前記四角台錐形状をなす空洞部2はその上下の開口径が前記上下の矩形状穴3,4より小さくなっている。
【0014】
複数、例えば2つのノズル部9a,9bは、前記空洞部2の中間内面に位置する前記メインブロック5部分に互いに対向するように形成されている。これらノズル部9a,9bの先端の開口(吐出口)は、液状媒体に互いに異なる材料を所望量混合した固液混合流体の噴射速度を高める観点から、数ミクロン〜百数十ミクロンの径を有することが好ましい。
【0015】
前記上部ブロック6は、その上面からネジ穴10が設けられている。このネジ穴10には、後述する配管が螺着、接続される。前記ネジ穴10は、逆円錐形流路11を通して2つの分岐流路12a,12bに連通されている。前記各分岐流路12a,12bは、それぞれ前記上部ブロック6から前記メインブロック5を通って前記2つのノズル部9a,9bの先端面まで延出され、その先端面で開口されている。
【0016】
前記各分岐流路12a,12bに導入された固液混合流体の流速を加速するためのオリフィス部13a,13bは、前記ノズル部9a,9bの根元に位置する前記各分岐流路12a,12b部分にそれぞれ介装されている。
【0017】
前記ノズル部は、3つ以上の複数用いてもよい。前記複数のノズル部は、例えば平面の円形軌跡に等周角度、例えば2つの場合180°、3つの場合120°、4つの場合90°の角度で前記メインブロック5に取付けられる。特に、固液混合流体の噴射流同士をバランスよく、かつ高いエネルギーで衝突させる観点から、2,4,6のような偶数のノズル部を前記本体に取付けることが好ましい。
【0018】
前記複数のノズル部は、固液混合流体を水平方向に噴射させて互いに交差・衝突させるように前記メインブロック5に取付けてもよいが、固液混合流体を斜め方向に噴射させて互いに交差・衝突させるように前記メインブロック5に取付けられることが好ましい。このような構成にすれば、前記複数のノズル部からの固液混合流体噴射流同士の衝突領域または混合流体衝突部材への噴射流の衝突領域を広くすることが可能になる。また、相手側のノズルからの噴射流によりノズル部やメインブロックが損傷されるのを防止することができる。
【0019】
なお、前記上部ブロック6と前記メインブロック5の繋目に位置する前記各分岐流路12a,12b部分には、Oリング14a,14bがそれぞれ介装されている。
【0020】
前記下部ブロック7には、その下面からネジ穴15が設けられている。このネジ穴15は、円柱状穴16を通して前記メインブロック5の空洞部2と連通している。なお、前記下部ブロック7のネジ穴15には、前記配管61が螺着、接続されている。
【0021】
少なくとも表面が固液混合流体中の材料(例えば粒子)より硬度の高い材料からなる混合流体衝突部材17は、前記メインブロック5を貫通して前記空洞部2内に着脱自在に挿入されている。前記混合流体衝突部材17は、前記空洞部2内に挿入する際、前記ノズル部9a,9bから噴射される2つの固液混合流体の噴射流交差部に位置され、前記各固液混合流体の噴射流が実質的に前記混合流体衝突部材17の2つの面に衝突される。
【0022】
前記混合流体衝突部材17は、少なくとも表面が前記固液混合流体中の微粒子より硬度の高い材料からなる構造部材を用いればよい。ただし、前記固液混合流体中の所望の材料が複数種である場合には最も硬度の高い材料を基準にし、それより高硬度の材料から混合流体衝突部材を形成する必要がある。前記混合流体衝突部材は、固液混合流体の噴射流による摩耗を抑制するとともに、固液混合流体中の材料(特に金属、無機材料の粒子)への破砕力を高める観点から表面に多数のダイヤモンド粒子が電着された鉄、コバルトなどの金属製基体、またはダイヤモンド焼結体や超硬合金焼結体から製作することが好ましい。前者の表面に多数のダイヤモンド粒子が電着された金属製基体は、平均粒径5〜10μmの多数のダイヤモンド粒子を70%以上の面積率で金属製基体に電着した構造にすることが好ましい。特に、ダイヤモンド焼結体からなる混合流体衝突部材は固液混合流体の噴射流衝突時のエネルギーを破砕力に変換する効率が高く、かつ耐摩耗性に優れているために好適である。
【0023】
前記混合流体衝突部材17は、形状的に任意であるが、前記ノズル部の数に応じてそれらの開口部に対向する面(衝突面)を有する形状、例えば三角柱状にすることが好ましい。このような混合流体衝突部材を用いることによって、前記複数のノズル部から噴射された固液混合流体を前記混合流体衝突部材に衝突させる際、その衝突エネルギーをより効率よく前記固液混合流体中の材料(特に金属、無機材料の粒子)の破壊力に変換することが可能になる。
【0024】
前記固液混合流体が導入される配管18は、図1に示すように前記上部ブロック6のネジ穴10に螺着され、ナット19により固定されている。高圧圧送ポンプ20は、前記配管18に介装されている。バルブ21は、前記高圧圧送ポンプ20の上流側の前記配管18に介装されている。バイパス配管22は、前記下部ブロック7のネジ穴15に螺着された前記配管51から分岐され、その先端が前記高圧圧送ポンプ20に接続されている。2つのバルブ23,24は、前記バイパス配管22の分岐部付近のバイパス配管22および前記配管51の下流側にそれぞれ介装されている。
【0025】
前記帯電付与機構30は、互いに平行して配置される支持板31a,31bを備えている。これら支持板31a,31bには、それぞれ2つ(合計4つ)の貫通穴(図示せず)が互いにに対向するように開口されている。円柱部32およびこの円柱部32に同心円状に一体的に取付けられた小円柱部33からなる4つのジョイント部材34は、前記支持板31a,31bの貫通穴(図示せず)にそれら支持板31a,31bの対向面から前記小円柱部33が先端側になるようにそれぞれ挿入され、前記円柱部32と小円柱部33の段差部を支持板31a,31bの対向面に当接させている。前記各小円柱部33には、その端面からネジ穴(図示せず)が設けられている。前記各円柱部32には、その端面から円柱状の窪み部35がそれぞれ穿設され、かつこの窪み部35は小径流路36を通して前記小円柱部33のネジ穴(図示せず)と連通している。
【0026】
ナイロンのような絶縁材料からなるキャップ37が両端部に冠着された例えばステンレスのような導電材料からなる第1,第2の円柱状チャンバ38,39は、それらの両端部を前記ジョイント部材34の円柱部32の窪み部35に挿入することにより前記支持板31a,31bの間に互いに平行になるように配置されている。なお、前記第1,第2のチャンバ38,39の内部には両端の出入口付近で断面積を狭めた流路40が長さ方向に穿設されている。を有し、かつ前記各キャップ37の中央には、前記第1,第2のチャンバ38,39の流路40および前記ジョイント部材34の小径流路36と連通する小穴がそれぞれ開口されている。前記第1,第2のチャンバ38,39の流路40が形成される内面には、図4に示すように白金(または金)の薄膜38f(39f)がそれぞれコーティングされている。
【0027】
両端部にネジ穴を有する8本の棒状スペーサ41は、前記支持板31a,31の間に前記第1,第2のチャンバ38,39を囲み、かつ互いに平行になるように配置されている。8本のネジ42は、前記支持板31a,31bの対向面と反対側の面から前記棒状スペーサ42両端部のネジ穴に螺着されている。このような棒状スペーサ41の前記支持板31a,31b間への配置およびネジ42による棒状スペーサ41の両端部への螺着により前記支持板31a,31が互いに所定の間隔をあけて固定されると共に、前記ジョイント部材34の円柱部32が互いに近づくように移動されてそれら円柱部32の窪み部35に両端部が挿入された前記第1,第2のチャンバ38,39が前記支持板31a,31b間に支持固定される。
【0028】
前記2本の分岐配管62a,62bのねじ切り加工された先端部は、前記支持板31a側に取付けられた2つのジョイント部材34の小円柱部33のネジ穴に螺着され、ナット43により強固に連結固定されている。前記2本の配管63a,63bのねじ切り加工された一端部は、前記支持板31b側に取付けられた2つのジョイント部材34の小円柱部33のネジ穴に螺着され、ナット44により強固に連結固定されている。
【0029】
チャンバ受台45は、前記第1,第2のチャンバ38,39の中央付近を支持している。例えば銅のような導電材料からなる円筒状高周波給電部材46は、前記チャンバ受台45が位置する前記第1,第2のチャンバ38,39の中央付近周囲にそれぞれ配置されている。高周波が透過可能な円筒状絶縁部材47は、前記各円筒状の高周波給電部材46の内周面にそれぞれ位置し、前記チャンバ38,39の外周面と直接接触している。なお、円筒状高周波給電部材46および前記円筒状絶縁部材47は、それぞれ軸方向に2分割され、前記第1,第2のチャンバ38,39の中央付近に上下方向から嵌合することによりそれらチャンバ38,39の中央付近に配置される。高周波給電端子48は、前記各高周波給電部材44にそれぞれ螺着され、ナット49により固定されている。2本の配線50は、一端が前記高周波給電端子48に接続され、他端が高周波電源51に接続されている。
【0030】
前記絶縁部材47は、例えばポリテトラフルオロエチレンのようなフッ素樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂またはアルミナ、ジルコニアのようなセラミックから作られる。また、前記絶縁部材47は肉厚が50〜500μmであることが好ましい。このような構成の絶縁部材47は、前記配線50,給電端子48を通して円筒状給電部材46に供給された高周波電圧を効率よく前記第1,第2のチャンバ38,39に印加することが可能になり、かつ前記第1,第2のチャンバ38,39を流通する帯電された分散媒体から直流電流が前記高周波経路を逆流して前記高周波電源51に流れ込んで破損するのを防ぐことが可能になる。
【0031】
直流電源52は、高周波電圧の印加位置より前記分散媒体の流れ方向の下流側の部材、例えば前記第1,第2のチャンバ38,39に連結される前記配管63a,63bに配線53,54を通して一方がプラス、他方がマイナスになるように接続されている。
【0032】
なお、前記第1、第2のチャンバ38,39は、ステンレスのような導電材料のみから作られる場合に限定されない。例えば、ステンレスのような導電材料からなる円柱体の内部に両端の出入口付近で断面積を狭めた流路を長さ方向に穿設し、この流路が位置する内面に高周波が透過可能な絶縁材料からなる薄膜をコーティングして第1、第2のチャンバを構成してもよい。この場合、配線を通して高周波電源に接続される高周波給電端子は前記円柱体に直接取り付けられる。このような構成の第1、第2のチャンバでは、前記薄膜が図4に示す高周波が透過可能な円筒状絶縁部材47と同様な帯電された分散媒体から直流電圧が高周波電源に逆流するのを防止することができ、かつ構造的に簡素化することが可能になる。
【0033】
また、前記直流電源52の配線53,54の接続箇所は前記配管63a,63bに限定されない。例えば、前記直流電源の配線を高周波電圧の印加位置より前記分散媒体の流れ方向の下流側の導電材料からなる前記第1,第2のチャンバ38,39部分に接続してもよい。また、前記直流電源の配線を後述する集合・結合機構70の第1、第2のブロック73a,73bに接続してもよい。この場合、集合・結合機構70の第1、第2のブロック73a,73bは帯電・付与機構を兼用する形態になる。このような直流電源の接続形態では、前記第1,第2のチャンバ38,39を流通し、高周波電圧が印加された分散媒体の励起状態を第1、第2のブロックの流路にまで維持させるために、前記配管63a,63bの長さを短くすることが好ましい。
【0034】
前記集合・結合機構70は、図5に示すように例えば両側面に開口された矩形穴71を有する支持本体である矩形状メインブロック72と、このメインブロック72の両側面に前記矩形穴71を囲むように取付けられた第1、第2のブロック73a,73bとを備えている。前記矩形状メインブロック72は、例えばナイロンのような絶縁材料から作られている。第1、第2のブロック73a,73bは、例えばステンレスのような導電材料から作られている。前記第1、第2のブロック73a,73bは、前記メインブロック72に対向する面に形成される矩形状突起部74a,74bをそれぞれ有し、これら突起部74a,74bが前記メインブロック72の矩形穴71に嵌合されている。
【0035】
2つのノズル部75a,75bは前記矩形穴71内において互いに対向するように第1,第2のブロック73a,73bから突出されている。これらのノズル部75a,75bは、前述した分散媒体調製機構1で説明したのと同様な理由から下方に向けて所望の角度で傾斜されていることが好ましい。これらノズル部75a,75bの先端の開口(吐出口)は、分散媒体の噴射速度を高める観点から、数ミクロン〜百数十ミクロンの径を有することが好ましい。
【0036】
前記第1、第2のブロック73a,73bは、その上部にネジ穴76a,76bがそれぞれ開口されている。これらのネジ穴76a,76bは、逆円錐形穴77a,77bを通して前記第1、第2のブロック73a,73bにそれぞれ形成された流路78a,78bに連通されている。これらの流路78a,78bは、前記2つのノズル部75a,75bの先端面まで延出され、その先端面で開口されている。前記逆円錐形穴77a,77bおよび前記流路78a,78bの内面は、白金または金の薄膜がコーティングされている。前記各流路78a,78bに導入された分散媒体の流速を加速するためのオリフィス部79a,79bは、前記ノズル部75a,75bの根元に位置する前記各流路78a,78b部分にそれぞれ介装されている。
【0037】
ネジ穴80は、前記メインブロック72の下面から内部に向けて設けられている。このネジ穴80は、円錐形穴81および円柱状穴82を通して前記メインブロック72の矩形穴71と連通している。
【0038】
前記配管63a,63bは、2つの前記ジョイント部材34に一端部が連結され、かつねじ切り加工された他端部が前記第1,第2のブロック73a,73bのネジ穴76a,76bにそれぞれ螺着され、ナット83a,83bにより強固に固定・接続されている。排出管64は、そのねじ切り加工された一端部が前記メインブロック72のネジ穴80に螺着されている。
【0039】
次に、第1実施形態に係る複合微粒子含有液状媒体の製造方法を前述した図1〜図5に示す製造装置を参照して説明する。
【0040】
(分散媒体の調製工程)
まず、図1および図3に示すように分散媒体調製機構1の混合流体衝突部材17を予め2つのノズル部9a,9bの固液混合流体の噴射流交差部から外れるように位置させる。
【0041】
液状媒体に互いに異なる材料を所望量混合した固液混合流体を配管18を通して高圧圧送ポンプ20に導入し、ここで高圧力に高めて前記分散媒体調製機構1の上部ブロック6のネジ穴10内に導入する。この高圧の固液混合流体は、前記上部ブロック6の逆円錐状流路11を通して分岐流路12a,12bにそれぞれ導入される。これら分岐流路12a,12bに流入された固液混合流体は、オリフィス13a,13bを通過する過程で更に加速され、ノズル部9a,9bの開口部からメインブロック5の空洞部2内に高速度で噴射させる。この時、互いに対向して配置された前記ノズル部9a,9bの分岐流路12a,12bは下方に傾斜されているため、前記ノズル部9a,9bの開口部から噴射された固液混合流体は互いに交差・衝突する。このため、前記固液混合流体中の互いに異なる材料が破砕されて微粒子化されると共に、その微粒子(または超微粒子)が分散されて互いに異なる材料の超微粒子が液状媒体に分散された分散媒体が調製される。
【0042】
前記液状媒体としては、例えばエチルアルコール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコールのようなアルコール類、メチルエチルケトンのようなケトン類またはジメチルスルホキシド、トルエン、キシレン等の有機溶媒または水を挙げることができる。これらの液状媒体は、分散させる前記材料の種類や組み合わせに応じて単独または混合液の形態で用いることができる。
【0043】
前記互いに異なる材料としては、有機高分子、金属、無機化合物等を挙げることができる。ここで、互いに異なる材料の組み合わせとしては例えば(a)異種の有機高分子を用いる形態、(b)少なくとも1種の有機高分子と金属および無機化合物から選ばれる少なくとも1種とを用いる形態、が挙げられる。
【0044】
前記有機高分子としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフェニレンサルファイト、ポリイミド、アクリル酸樹脂、ポリエステル、ポリビニルアルコール、エチレン酢酸ビニルアルコール、またはポリ乳酸のような生分解樹脂等の各種の熱可塑性樹脂を挙げることができる。また、前記有機高分子は前記熱可塑性樹脂の他に熱硬化性樹脂を使用することも可能である。更に、物性の異なる2種以上の有機高分子を用いることを許容する。前記有機高分子は、前記液状媒体に溶解または分散して使用される。前記有機高分子を分散させる場合には、粒径が10μm以下、より好ましくは粒径1μm以下の粒子を用いることが望ましい。
【0045】
前記金属としては、例えば鉄、銀、ステンレス等の全てのものを挙げることができる。前記金属は、粒径が10μm以下、より好ましくは粒径1μm以下の粒子を用いることが望ましい。
【0046】
前記無機化合物としては、例えばガラス、各種の金属塩、または酸化ケイ素、酸化ジルコニムウ、酸化チタン、アルミナ、酸化クロムなどの酸化物系セラミックス、窒化珪素、窒化アルミニウム、窒化硼素などの窒化物系セラミックス、炭化珪素、炭化硼素などの炭化物系セラミックス等を挙げることができる。前記無機化合物は、粒径が10μm以下、より好ましくは粒径1μm以下の粒子を用いることが望ましい。
【0047】
前記液状媒体中に配合される互いに異種の材料の量は、(a)異種の有機高分子を用いる場合;10〜20重量%、(b)少なくとも1種の有機高分子と金属および無機化合物から選ばれる少なくとも1種とを用いる場合;5〜15重量%、にすることが好ましい。
【0048】
前記分散媒体調製機構1の本体8に導入される固液混合流体の加圧力は、500kg/cm2以上にすることが好ましい。前記2つのノズル部9a,9bから噴射される固液混合流体の噴射速度は、300m/秒以上にすることが好ましい。前記固液混合流体の加圧力を500kg/cm2未満、前記固液混合流体の噴射流速度を300m/秒未満にすると、固液混合流体中の有機高分子のような材料を破砕したり、超分散したりすることが困難になる虞がある。前記固液混合流体の加圧力および前記固液混合流体の噴射流速度の上限は、実用上、それぞれ3000kg/cm2、600m/秒にすることが望ましい。
【0049】
前記分散媒体調製機構1による前記固液混合流体の破砕、分散操作に際し、その固液混合流体中の材料の種類、組み合わせにより次のような形態を採用することが望ましい。
【0050】
(1)固液混合流体中の材料が異種の有機高分子である形態
前述したように本体8の空洞部2の交差・衝突部に混合流体衝突部材17を位置させずに固液混合流体を2つのノズル9a,9bから噴射して互いに交差・衝突させる。このような手法により固液混合流体中の有機高分子の分子鎖が過度に切断するのを防ぐことができる。
【0051】
(2)固液混合流体中の材料をより超微粒子化、超分散させる形態
まず、図1に示す配管51のバルブ24を閉じ、バイパス配管22のバルブ23を開く。つづいて、液状媒体に互いに異なる材料を所望量混合した固液混合流体を配管18を通して高圧圧送ポンプ20に導入し、ここで高圧力に高めて上部ブロック6のネジ穴10内に導入して前記バイパス配管22まで固液混合流体で満たした後、前記配管18に介装したバルブ21を閉じる。つまり、前記バイパス配管22により高圧圧送ポンプ20と本体8を閉ループとする。この後、前述したのと同様に固液混合流体を前記ノズル部9a,9bの開口部から噴射させて互いに交差・衝突させる。交差・衝突操作後の固液混合流体をバイパス配管22を通して高圧圧送ポンプ20に返送し、ここで所望の高圧力に高め、本体8の上部ブロック6のネジ穴10内に導入し、前記ノズル部9a,9bの開口部から噴射させて互いに交差・衝突させる操作を繰り返す。
【0052】
このように固液混合流体を互いに交差・衝突させる操作を繰り返すことによって、前記混合流体中の互いに異なる材料が破砕されて超微粒子化すると共に、均一分散され、例えば数百ナノメータ以下の超微粒子が均一に分散された分散媒体を調製することができる。
【0053】
なお、以下の説明において固液混合流体の流速を計算して前記ノズル部9a,9bの開口部から噴射されて互いに交差・衝突させた後、その交差・衝突した固液混合流体が再度、交差・衝突する直前までの操作を“1パス”とに称する。
【0054】
(3)破砕が困難な金属や無機化合物と有機高分子が混合された固液混合流体を破砕・分散させる形態
まず、図2に示すように混合流体衝突部材17を予め2つのノズル部9a,9bの固液混合流体の噴射流交差部に実質的に位置するようにメインブロック5を貫通してその空洞部2内に挿入する。つづいて、液状媒体に金属や無機化合物の微粒子と有機高分子を所望量混合した固液混合流体を配管18を通して高圧圧送ポンプ20に導入し、ここで高圧力に高めて上部ブロック6のネジ穴10内に導入する。この高圧の固液混合流体は、前記上部ブロック6の逆円錐状流路11を通して分岐流路12a,12bにそれぞれ導入される。これら分岐流路12a,12bに流入された固液混合流体は、オリフィス13a,13bを通過する過程で更に加速され、ノズル部9a,9bの開口部からメインブロック5の空洞部2内に高速度で噴射させる。この時、互いに対向して配置された前記ノズル部9a,9bの分岐流路12a,12bは下方に傾斜されているため、前記ノズル部9a,9bの開口部から噴射された固液混合流体は互いに衝突噴射流交差部に実質的に位置させた前記混合流体衝突部材17に衝突する。このため、前記固液混合流体中の微粒子が受ける衝突エネルギーは前記固液混合流体同士を衝突させる場合に比べて著しく高められる。特に、前記混合流体衝突部材17の形状を三角柱とすることにより、前記2つのノズル部9a,9bから噴射された2つの固液混合流体を前記三角柱の混合流体衝突部材17の2つの面にそれぞれ垂直もしくはほぼ垂直に衝突させることができる。このため、前記固液混合流体中の微粒子に対して一層高い衝突エネルギーを付与することができる。また、前記混合流体衝突部材17を現有の材料の中で最も硬度の高いダイヤモンドの焼結体から作ることによって、衝突エネルギーの破砕変換効率をより一層向上できる。
【0055】
その結果、前記固液混合流体同士を衝突させる手法では困難であった前記固液混合流体中の金属や無機化合物の微粒子を効率よく破砕して超微粒子化できると共に、超微粒子の分散化も図ることができる。
【0056】
なお、前記(3)の形態において前記(2)の形態のように固液混合流体を2つのノズル部9a,9bから混合流体衝突部材17に噴射衝突させる操作を複数パス行うことを許容する。
【0057】
(4)結合し難い異種の有機高分子が混合された固液混合流体を破砕・分散させる形態
まず、液状媒体に互いに異なる有機高分子をそれぞれ所望量混合して例えば2種の固液混合媒体を作る。図1に示す配管61のバルブ24を閉じ、バイパス配管22のバルブを開く。つづいて、一方の前記固液混合流体を配管18を通して高圧圧送ポンプ20に導入し、ここで高圧力に高めて上部ブロック6のネジ穴10内に導入し、前記バイパス配管まで固液混合流体で満たされた後、前記配管18に介装したバルブ21を閉じる。ひきつづき、前述したのと同様に固液混合流体を前記ノズル部9a,9bの開口部から噴射させて互いに交差・衝突させる操作を複数パス行うことにより前記固液混合流体中の有機高分子を超微粒子化し、超分散させる。
【0058】
次いで、前記高圧圧送ポンプ20の駆動を停止し、バルブ21を開いた後、他方の固液混合流体を配管18を通して高圧圧送ポンプ20に導入し、このポンプ20を駆動して高圧力に高めることにより前記一方の固液混合流体に混合する。2種の有機高分子が混合された固液混合流体を前記ノズル部9a,9bの開口部から噴射させて互いに交差・衝突させる操作を複数パス行う。
【0059】
このような手法により互いに混合し難い有機高分子がある程度結合されて超微粒子化されると共に超分散化された分散媒体を調整することが可能になる。
【0060】
なお、前記分散媒体の調製は図1,図2,図3に示す分散媒体調製機構1を用いて行ったが、後述する操作がなされる図1に示す集合・結合機構70で液状媒体に互いに異なる材料が混合された固液混合流体を導入し、ここで調製された異種の材料が超微粒子化、分散化された分散媒体を利用してもよい。ただし、この集合・結合機構70を分散媒体の調製機構として兼用させる場合には、前記耐電付与機構30の第1,第2のチャンバ38,39の直流電圧の印加を停止し、これらチャンバ39,39を短に流路として利用する。また、前記第1,第2のチャンバ38,39の上流側に固液混合流体の導入管を設けると共に、この導入管に高圧圧送ポンプを介装する。
【0061】
(分散媒体の帯電工程)
前記分散媒体調製機構1で調製した高圧の分散媒体は、配管61および分岐配管62a,62bを通して帯電付与機構30のジョインド部材34の小径流路36にそれぞれ導入され、さらにジョインド部材34から第1,第2のチャンバ38,39の流路40内を高速度で流通し、さらにそれらの下流側である配管63a,63bに流出する。
【0062】
この時、高周波電源51から所望の高周波電圧を図4に示すように配線50および給電端子48を通して円筒状給電部材46に供給し、これら円筒状給電部材46から高周波電圧を例えばポリテトラフルオロエチレン製の円筒状絶縁部材47を透過して前記第1,第2のチャンバ38,39に供給する。これにより、前記第1、第2のチャンバ38,39内に流通する超微粒子を含む分散媒体は、それぞれ励起される。同時に、直流電源52から直流電圧を前記高周波電圧の印加位置より下流側である配管63a,63bに配線53,54を通して供給する。これにより、第1チャンバ38内に流通し、既に励起された超微粒子を含む分散媒体は、マイナスに帯電される。また、前記第2チャンバ39内に流通し、既に励起された超微粒子を含む分散媒体は、プラスに帯電される。このような高周波電圧を印加することによって、前記各分散媒体に揺らぎを生じさせることができるため、その後の直流電圧の印加により前記各分散媒体にそれぞれ充分な量のマイナス帯電、プラス帯電を施すことが可能になる。
【0063】
なお、前記分散媒体が第1,第2のチャンバ38,39の流路40を流通する過程で、それらの出口付近で流路が狭められているため、前記各分散媒体の流れが加速される。
【0064】
また、前記高周波電圧の前記第1,第2のチャンバ38,39への供給に際し、図4に示すように給電部材46を前記第1,第2のチャンバ38,39に直接接続せずに、それらの間に絶縁部材47を介在させることによって、前述したプラス、マイナスに帯電した分散流体を通して直流電圧が高周波電源51に逆流してその電源51を破損するのを防ぐことが可能になる。
【0065】
さらに、前記分散媒体調製機構1と前記帯電付与機構30とを繋ぐ分岐配管62a,62bを絶縁材料により形成することによって、前述したプラス、マイナスに帯電した分散流体を通して直流電圧が前記分散媒体調製機構1に流れ込むのを防止することができる。
【0066】
前記高周波電源51から供給される高周波電圧は、周波数500kHz〜10MHz、電圧20〜400Vに設定することが好ましい。
【0067】
前記直流電源52から供給される直流電圧は、電流0.5〜10A、電圧100V〜5kVに設定することが好ましい。
【0068】
(超微粒子の凝集・結合による複合超微粒子含有液状媒体の製造工程)
前記第1,第2のチャンバ38,39および導電性材料からなる前記配管63a,63bで互いに異なる極性に帯電された分散媒体は、前記配管63a,63bから凝集・結合機構70の絶縁材料からなるメインブロック72で分離された導電材料からなる第1,第2のブロック73a,73bのネジ穴76a,76b内にそれぞれ高圧で導入される。前記第1,第2のブロック73a,73bは、絶縁材料からなるメインブロック72により電気的に分離されているため、前記高圧の各分散媒体はそれらの帯電量を維持したまま流路78a,78bにそれぞれ導入される。これらの分散媒体は、前記各流路78a,78bのオリフィス79a,79bを通過する過程で更に加速され、ノズル部75a,75bの開口部から前記メインブロック72の矩形穴71内に高速度で噴射させる。この時、互いに対向して配置された前記ノズル部75a,75bの流路78a,78bは下方に傾斜されているため、前記ノズル部75a,75bの開口部から噴射された各分散媒体は互いに効率よく交差・衝突する。このような衝突場において、互いに異なる極性に帯電された各分散媒体中の超微粒子は強力に引き付け合って互いに静電凝集するとともに、励起移動により互いに凝集、結合される。その結果、前記ノズル部75a,75bからの噴射手前で分散された互いに異なる材料からなる超微粒子が相互に結合されて異種材料からなる多数の複合超微粒子を含む液状媒体を製造することができる。
【0069】
前述した複合超微粒子含有液状媒体の製造において、ステンレスのような金属から作られる前記第1、第2の導電チャンバ38,39、配管63a,63bおよび凝集・結合機構70の第1,第2のブロック73a,73bの流路78a,78bに帯電された分散媒体を流通させると、それら部材の内面側から帯電された各分散媒体により電解されて溶解される。特にプラス帯電された分散媒体が流通する部材が顕著に電解されて溶解される。このようなことから、前記第1、第2の導電チャンバ38,39の内面、配管63a,63bの内面および凝集・結合機構70の第1,第2のブロック73a,73bの流路78a,78b内面に白金または金の薄膜をコーティングすることによって、帯電された前記分散媒体の電解による溶解を防止することができる。
【0070】
以上、第1実施形態によれば分散媒体を第1、第2のチャンバに導入、流通させ、ここで高周波電圧を印加し、さらに高周波電圧の印加位置より下流側で直流電圧を印加して、それら分散媒体を互いに異なる極性に帯電させ、互いに電気的に分離された流路、ノズル部を通して噴射させ、交差・衝突させる。このような方法により、従来法のように単に液状媒体に異種材料が混合された固液混合流体を交差・衝突させても困難であったそれら異種材料の結合、複合化を達成でき、異種材料、例えば異種の有機高分子、または有機高分子とシリカのような無機化合物がナノレベルで強固に結合された複合超微粒子を含む液状媒体を製造することができる。
【0071】
このような方法で製造された複合超微粒子含有液状媒体は、長期間の保存に際し、複合超微粒子が凝集、沈降することなく、優れた分散、安定性を有する。前記複合超微粒子含有液状媒体は、ガスバリア膜を始めとする各種の高機能材料、高度物性材料の製造に利用することができる。
【0072】
また、前述した第1実施形態によれば異種材料、例えば異種の有機高分子、または有機高分子とシリカのような無機化合物がナノレベルで強固に結合された複合超微粒子を含む液状媒体を製造することが可能な製造装置を実現できる。
【0073】
(第2実施形態)
図6は、この第2実施形態に係る複合超微粒子の製造装置を示す概略上面図、図7は図6に組み込まれる第2分散媒体調製機構を示す断面図である。なお、図6において前述した図1と同様な部材は同符号を付して説明を省略する。
【0074】
第1分散媒体調製機構(前述した図2,図3の分散媒体調製機構と同様な構造)1および第2分散媒体調製機構90は、帯電付与機構30にそれぞれ配管65a,65bを通して接続されている。これら配管65a,65bは、例えばポリイミドのような絶縁材料から作られている。この帯電付与機構30は、2本の配管63a,63bを含み、これら配管63a,63bを通して超微粒子の集合・結合機構70に接続されている。前記配管63a,63bは、例えばステンレスのような導電材料から作られ、かつ内面に白金または金の薄膜がコーティングされている。
【0075】
前記第1分散媒体調製機構1には、有機高分子、金属および無機化合物化合物から選ばれる少なくとも1種の材料が所望量混合された固液混合流体がその配管18を通して本体8に導入される。
【0076】
前記第2分散媒体調製機構90は、図7に示すように例えば四角錐台形状の空洞部91およびこの空洞部91の上下に連通する上部矩形状穴92,下部矩形状穴93を有するメインブロック94と、前記上下の矩形状穴92,93に挿入固定された上部、下部のブロック95,96と有する本体97を備える。なお、前記空洞部91は前記下部ブロック96内にまで延出されている。前記四角台錐形状をなす空洞部91はその上下の開口径が前記上下の矩形状穴92,93より小さくなっている。
【0077】
複数、例えば2つのノズル部98a,98bは、前記空洞部91の中間内面に位置する前記メインブロック94部分に互いに対向するように形成されている。これらノズル部98a,98bの先端の開口(吐出口)は、液状媒体に少なくとも1種の有機高分子を所望量混合した固液混合流体の噴射速度を高める観点から、数ミクロン〜百数十ミクロンの径を有することが好ましい。
【0078】
前記上部ブロック95は、その上面からネジ穴99が設けられている。このネジ穴99には、後述する配管が螺着、接続される。前記ネジ穴99は、逆円錐形流路100を通して2つの分岐流路101a,101bに連通されている。前記各分岐流路101a,101bは、それぞれ前記上部ブロック95から前記メインブロック94を通って前記2つのノズル部98a,98bの先端面まで延出され、その先端面で開口されている。
【0079】
前記各分岐流路101a,101bに導入された固液混合流体の流速を加速するためのオリフィス部102a,102bは、前記ノズル部98a,98bの根元に位置する前記各分岐流路101a,101b部分にそれぞれ介装されている。
【0080】
前記ノズル部は、3つ以上の複数用いてもよい。前記複数のノズル部は、例えば平面の円形軌跡に等周角度、例えば2つの場合180°、3つの場合120°、4つの場合90°の角度で前記メインブロック94に取付けられる。特に、それらノズル部の個数を2,4,6のような偶数とし、これらのノズル部を前記本体に取付けることにより、前記ノズル部から噴射される固液混合流体をバランスよく、かつ高いエネルギーで衝突させることが可能になる。
【0081】
前記複数のノズル部は、固液混合流体を水平方向に噴射させて互いに交差・衝突させるように前記メインブロック94に取付けられている。ただし、固液混合流体を斜め方向に噴射させて互いに交差・衝突させるように前記メインブロック94に取付けられることが好ましい。このような構成にすれば、前記複数のノズル部からの固液混合流体噴射流同士の衝突領域を広くすることが可能になる。また、相手側のノズルからの噴射流によりノズル部やメインブロックが損傷されるのを防止することができる。
【0082】
なお、前記上部ブロック95と前記メインブロック94の繋目に位置する前記各分岐流路101a,101b部分には、Oリング103a,103bがそれぞれ介装されている。
【0083】
前記下部ブロック96には、その下面からネジ穴104が設けられている。このネジ穴104は、円錐状穴105および円柱状穴106を通して前記メインブロック94の空洞部91と連通している。なお、前記円柱状穴106は前記空洞部91の圧力を大気圧より高く制御できるように前述した第1分散媒体調製機構1の円柱状穴16に比べて径を小さくしている。前記下部ブロック96のネジ穴104には、前記配管65bが螺着、接続されている。
【0084】
前記固液混合流体が導入される配管107は、図6に示すように前記上部ブロック95のネジ穴99に螺着され、ナット108により固定されている。高圧圧送ポンプ109は、前記配管107に介装されている。バルブ110は、前記高圧圧送ポンプ109の上流側の前記配管107に介装されている。バイパス配管111は、前記第2分散媒体調製機構90側に接続される前記配管65bから分岐され、その先端が前記高圧圧送ポンプ109に接続されている。2つのバルブ112,113は、前記バイパス配管111の分岐部付近のバイパス配管111および前記配管65bの下流側にそれぞれ介装されている。
【0085】
次に、第2実施形態に係る複合微粒子含有液状媒体の製造方法を前述した図6および図7に示す製造装置を参照して説明する。
【0086】
(第1分散媒体の調製工程)
まず、図6および図3に示すように第1分散媒体調製機構1の混合流体衝突部材17を予め2つのノズル部9a,9bの固液混合流体の噴射流交差部から外れるように位置させる。
【0087】
液状媒体に少なくとも1種の有機高分子、金属および無機化合物から選ばれる1種以上の材料を所望量混合した固液混合流体を配管18を通して高圧圧送ポンプ20に導入し、ここで高圧力に高めて上部ブロック6のネジ穴10内に導入する。この高圧の固液混合流体は、前記上部ブロック6の逆円錐状流路11を通して分岐流路12a,12bにそれぞれ導入される。これら分岐流路12a,12bに流入された固液混合流体は、オリフィス13a,13bを通過する過程で更に加速され、ノズル部9a,9bの開口部からメインブロック5の空洞部2内に高速度で噴射させる。この時、互いに対向して配置された前記ノズル部9a,9bの分岐流路12a,12bは下方に傾斜されているため、前記ノズル部9a,9bの開口部から噴射された固液混合流体は互いに交差・衝突する。このため、前記固液混合流体中の材料(少なくとも1種の有機高分子、金属および無機化合物材料)が互いに破砕されて微粒子化されると共に、その微粒子(または超微粒子)が液状媒体に分散された分散媒体が調製される。
【0088】
前記液状媒体としては、前記第1実施形態で説明したのと同様なものが用いることができる。液状媒体は、分散させる前記材料の種類や組み合わせに応じて単独または混合液の形態で用いることができる。
【0089】
前記有機高分子、金属および無機化合物から選ばれる1つ以上の材料としては、(a)単独の有機高分子、金属、無機化合物を用いる形態、(b)異種の有機高分子を用いる形態、(c)少なくとも1種の有機高分子と金属および無機化合物から選ばれる少なくとも1種とを用いる形態、が挙げられる。
【0090】
前記有機高分子、金属および無機化合物としては、前記第1実施形態で説明したのと同様なもの、同様な粒径を有するものを用いることができる。
【0091】
前記第1分散媒体調製機構1の本体8に導入される固液混合流体の加圧力、前記2つのノズル部9a,9bから噴射される固液混合流体の噴射速度は、それぞれ500kg/cm2以上、300m/秒以上にすることが好ましい。
【0092】
前記液状媒体に配合させる少なくとも1種の有機高分子、金属および無機化合物から選ばれる1種以上の材料の量は、(a)単独の有機高分子、金属、無機化合物を用いる場合;10〜20重量%、(b)異種の有機高分子を用いる場合;10〜20重量%、(c)少なくとも1種の有機高分子と金属および無機化合物から選ばれる少なくとも1種とを用いる場合;5〜15重量%、にすることが好ましい。
【0093】
前記第1分散媒体調製機構1による前記固液混合流体の破砕、分散操作に際し、その固液混合流体中の材料の種類、組み合わせにより前記第1実施形態で述べた(1)固液混合流体中の材料が異種の有機高分子である形態、(2)固液混合流体中の材料をより超微粒子化、超分散させる形態、(3)破砕が困難な金属や無機化合物と有機高分子が混合された固液混合流体を破砕・分散させる形態、の操作を採用することが望ましい。
【0094】
(第2分散媒体の調製工程)
まず、液状媒体に少なくとも1種の有機高分子を所望量混合した固液混合流体を第2分散媒体調製機構90の配管107を通して高圧圧送ポンプ109に導入し、ここで圧力に高めて上部ブロック95のネジ穴99内に導入する。この高圧の固液混合流体は、前記上部ブロック95の逆円錐状流路100を通して分岐流路101a,101bにそれぞれ導入される。これら分岐流路101a,101bに流入された固液混合流体は、オリフィス102a,102bを通過する過程で更に加速され、ノズル部98a,98bの開口部からメインブロック94の空洞部91内に高速度で噴射させる。この時、互いに対向して配置された前記ノズル部98a,98bの分岐流路101a,101bは下方に傾斜されているため、前記ノズル部98a,98bの開口部から噴射された固液混合流体は互いに効率よく交差・衝突する。このような固液混合流体の交差・衝突に際し、前記下部ブロック96の円柱状穴106の径を絞って前記空洞部91の圧力を大気圧より高く制御しているため、前記固液混合流体中の有機高分子の分子鎖が過度に切断されることなく、その有機高分子が破砕されて微粒子化されると共に、その微粒子(または超微粒子)が分散される。その結果、少なくとも1種の有機高分子超微粒子が液状媒体に分散された第2分散媒体が調製される。
【0095】
前記液状媒体としては、前記第1実施形態で説明したのと同様なものが用いることができる。液状媒体は、分散させる前記材料の種類や組み合わせに応じて単独または混合液の形態で用いることができる。
【0096】
前記少なくとも1種の有機高分子とは、(a)単独の有機高分子を用いる形態、(b)異種の有機高分子を用いる形態、が挙げられる。
【0097】
前記有機高分子としては、前記第1実施形態で説明したのと同様なもの、同様な粒径を有するものを用いることができる。
【0098】
前記第2分散媒体調製機構90の本体97に導入される固液混合流体の加圧力、前記2つのノズル部98a,98bから噴射される固液混合流体の噴射速度は、それぞれ500kg/cm2以上、300m/秒以上にすることが好ましい。
【0099】
前記液状媒体に配合される少なくとも1種の有機高分子の量は、10〜20重量%にすることが好ましい。
【0100】
前記第2分散媒体調製機構90による前記固液混合流体の破砕、分散操作に際し、固液混合流体中の有機高分子をより超微粒子化、超分散させる形態を採用する場合には次のような方法が採用することが望ましい。
【0101】
すなわち、図6に示す配管65bのバルブ113を閉じ、バイパス配管111のバルブ112を開く。つづいて、液状媒体に少なくとも1種の有機高分子を所望量混合した固液混合流体を配管107を通して高圧圧送ポンプ109に導入し、ここで高圧力に高めて上部ブロック95のネジ穴99内に導入して前記バイパス配管111まで固液混合流体で満たした後、前記配管107に介装したバルブ110を閉じる。つまり、前記バイパス配管111により高圧圧送ポンプ109と本体97を閉ループとする。この後、前述したのと同様に固液混合流体を前記ノズル部98a,98bの開口部から噴射させて大気圧より高い圧力に制御された空洞部82内で互いに交差・衝突させる。交差・衝突操作後の固液混合流体をバイパス配管111を通して高圧圧送ポンプ109に返送し、ここで所望の高圧力に高め、本体97の上部ブロック95のネジ穴99内に導入し、前記ノズル部98a,98bの開口部から噴射させて同様に大気圧より高い圧力に制御された空洞部91内で互いに交差・衝突させる操作を繰り返す。
【0102】
このように固液混合流体を互いに交差・衝突させる操作を繰り返すことによって、前記固液混合流体中の少なくとも1種の有機高分子が破砕されて超微粒子化すると共に、均一分散され、例えば数百ナノメータ以下の超微粒子が均一に分散された第2分散媒体を調製することができる。
【0103】
(分散媒体の帯電工程)
前記第1分散媒体調製機構1で調製した高圧の第1分散媒体は、配管65aを通して帯電付与機構30のジョインド部材34の小径流路36に導入され、さらにジョインド部材34から第1チャンバ38の流路40内を高速度で流通する。前記第2分散媒体調製機構90で調製した高圧の第2分散媒体は、配管65bを通して帯電付与機構30のジョインド部材34の小径流路36に導入され、さらにジョインド部材34から第2チャンバ39の流路40内を高速度で流通し、さらにそれらの下流側である配管63a,63bに流出する。
【0104】
この時、高周波電源51から所望の高周波電圧を図4に示すように配線50および給電端子48を通して円筒状給電部材46に供給し、これら円筒状給電部材46から高周波電圧を例えばポリテトラフルオロエチレン製の円筒状絶縁部材47を透過して前記第1,第2のチャンバ38,39に供給する。これにより、前記第1、第2のチャンバ38,39内に流通する超微粒子を含む第1、第2の分散媒体は、それぞれ励起される。同時に、直流電源52から直流電圧を前記高周波電圧の印加位置より下流側である配管63a,63bに配線53,54を通して供給する。これにより、第1チャンバ38内に流通し、既に励起された少なくとも1種の有機高分子、金属および無機化合物から選ばれる1種以上の材料の超微粒子を含む第1分散媒体は、マイナスに帯電される。また、前記第2チャンバ39内に流通し、既に励起された少なくとも1種の有機高分子の超微粒子を含む第2分散媒体は、プラスに帯電される。このような高周波電圧を印加することによって、前記第1、第2の分散媒体に揺らぎを生じさせることができるため、その後の直流電圧の印加により前記第1、第2の分散媒体にそれぞれ充分な量のマイナス帯電、プラス帯電を施すことが可能になる。
【0105】
なお、前記分散媒体が第1,第2のチャンバ38,39の流路40を流通する過程で、それらの出口付近で流路が狭められているため、前記第1,第2の分散媒体の流れが加速される。
【0106】
また、前記高周波電圧の前記第1,第2のチャンバ38,39への供給に際し、図4に示すように給電部材46を前記第1,第2のチャンバ38,39に直接接続せずに、それらの間に絶縁部材47を介在させることによって、前述したプラス、マイナスに帯電した第1、第2の分散流体を通して直流電圧が高周波電源51に逆流してその電源51を破損するのを防ぐことが可能になる。
【0107】
さらに、前記分散媒体調製機構1と前記帯電付与機構30とを繋ぐ分岐配管62a,62bを絶縁材料により形成することによって、前述したプラス、マイナスに帯電した第1、第2の分散流体を通して直流電圧が前記分散媒体調製機構1、90に流れ込むのを防止することができる。
【0108】
前記高周波電源51から供給される高周波電圧は、周波数500kHz〜10MHz、電圧20〜400Vに設定することが好ましい。
【0109】
前記直流電源52から供給される直流電圧は、電流0.5〜10A、電圧100V〜5kVに設定することが好ましい。
【0110】
(超微粒子の凝集・結合による複合超微粒子含有液状媒体の製造工程)
前記第1,第2のチャンバ38,39および導電性材料からなる前記配管63a,63bで互いに異なる極性に帯電された第1,第2の分散媒体は、前記配管63a,63bから凝集・結合機構70の絶縁材料からなるメインブロック72で分離された第1,第2のブロック73a,73bのネジ穴76a,76b内にそれぞれ高圧で導入される。前記第1,第2のブロック73a,73bは、絶縁材料からなるメインブロック72により電気的に分離されているため、前記高圧の第1,第2の分散媒体はそれらの帯電量を維持したまま流路78a,78bにそれぞれ導入される。前記第1、第2の分散媒体は、前記各流路78a,78bのオリフィス79a,79bを通過する過程で更に加速され、ノズル部75a,75bの開口部から前記メインブロック72の矩形穴71内に高速度で噴射させる。この時、互いに対向して配置された前記ノズル部75a,75bの流路78a,78bは下方に傾斜されているため、前記ノズル部75a,75bの開口部から噴射された第1、第2の分散媒体は互いに効率よく交差・衝突する。このような衝突場において、第1、第2の分散媒体中の異なる極性に帯電された超微粒子は強力に引き付け合って互いに静電凝集するとともに、励起移動により互いに凝集、結合される。その結果、前記ノズル部75a,75bからの噴射手前で分散された少なくとも1種の有機高分子、金属および無機化合物から選ばれる1種以上の材料からなる超微粒子と少なくとも一種の有機高分子の超微粒子とが相互に結合されて異種材料からなる多数の複合超微粒子を含む液状媒体を製造することができる。
【0111】
前述した複合超微粒子含有液状媒体の製造において、ステンレスのような金属から作られる前記第1、第2の導電チャンバ38,39、配管63a,63bおよび凝集・結合機構70の第1,第2のブロック73a,73bの流路78a,78bに帯電された第1、第2の分散媒体を流通させると、それら部材の内面側から帯電された第1、第2の分散媒体により電解されて溶解される。特にプラス帯電された分散媒体が流通する部材が顕著に電解されて溶解される。このようなことから、前記第1、第2の導電チャンバ38,39の内面、配管63a,63bの内面および凝集・結合機構70の第1,第2のブロック73a,73bの流路78a,78b内面に白金または金の薄膜をコーティングすることによって、帯電された前記第1、第2の分散媒体の電解による溶解を防止することができる。
【0112】
以上、第2実施形態によれば第1,第2の分散媒体を第1、第2のチャンバに導入、流通させ、ここで高周波電圧を印加し、さらに高周波電圧の印加位置より下流側で直流電圧を印加して、第1、第2の分散媒体を互いに異なる極性に帯電させ、互いに電気的に分離された流路、ノズル部を通して噴射させ、交差・衝突させる。このような方法により、従来法のように単に液状媒体に異種材料が混合された固液混合流体を交差・衝突させても困難であったそれら異種材料の結合、複合化を達成でき、異種材料、例えば異種の有機高分子、有機高分子とシリカのような無機化合物がナノレベルで強固に結合された複合超微粒子を含む液状媒体を製造することができる。
【0113】
また、第2実施形態によれば第1,第2の分散媒体調製機構1,90を用いて第1,第2の分散媒体を調製するため、使用する材料に適した超微粒子化、超分散を行うことが可能になる。具体的には、超微粉化し難いシリカのような無機化合物と有機高分子からなる複合超微粒子を製造する場合、図2に示すように混合流体衝突部材17を空洞部の噴射流交差・衝突領域に挿入した第1分散媒体調製機構1を用いることによって、無機化合物の破砕を効果的になされ、無機化合物超微粒子が超分散された第1分散媒体を調製でき、第2分散媒体調製機構90により適度な分子鎖を有する有機高分子超微粒子が超分散された第2分散媒体を調製できる。このため、これら第1,第2の分散媒体を前述した分散媒体の帯電付与機構30、超微粒子の凝集・結合機構70を経由させることによって、ナノレベルオーダのシリカのような無機化合物超微粒子が有機高分子超微粒子に結合・合体された複合超微粒子を含む液状媒体を製造することができる。
【0114】
このような方法で製造された複合超微粒子含有液状媒体は、長期間の保存に際し、複合超微粒子が凝集、沈降することなく、優れた分散、安定性を有する。前記複合超微粒子含有液状媒体は、ガスバリア膜を始めとする各種の高機能材料、高度物性材料の製造に利用することができる。
【0115】
さらに、前述した第1実施形態によれば異種材料、例えば異種の有機高分子、または有機高分子とシリカのような無機化合物がナノレベルで強固に結合された複合超微粒子を含む液状媒体を製造することが可能な製造装置を実現できる。
【0116】
【実施例】
以下、本発明の実施例を前述した図面を参照して詳細に説明する。
【0117】
(実施例1)
(第1工程)
ジメチルスルホキシドにポリ乳酸(生分解樹脂)を濃度が10重量%になるように混合して第1固液混合流体を調製した。
【0118】
また、ジメチルスルホキシドにポリビニルアルコールを濃度が10重量%になるように混合して第2固液混合流体を調製した。
【0119】
(第2工程)
前述した図1および図3に示す分散媒体調製機構1(混合流体衝突部材17を空洞部の噴射流交差・衝突領域に挿入しない形態)にジメチルスルホキシドを供給し、その系内を同ジメチルスルホキシドで満たした。つづいて、前記第1固液混合流体を前記分散媒体調製機構1に導入し、下記条件で系内が前記第1固液混合流体で満たされるまで分散操作を5パス行った。
【0120】
<分散条件>
・分散媒体調製機構本体への固液混合流体導入圧力;2000Kg/cm2
・2つのノズル部の開口径;100μm。
【0121】
(第3工程)
第1固液混合流体が収容された前記分散媒体調製機構1に前記第2固液混合流体を徐々に導入しながら、前記条件で系内が前記第1固液混合流体と前記第2固液混合流体が相互に溶解、分散するまで分散操作を5パス行ってポリ乳酸の超微粒子およびポリビニルアルコールの超微粒子が均一に分散された分散媒体を調製した。
【0122】
(第4工程)
前記分散媒体を図1に示す配管61,分岐配管62a,62bを通して帯電付与機構30の第1,第2のチャンバ38,39にそれぞれ高圧で流通し、さらにそれらの下流側である配管63a,63bに流出させた。この時、高周波電源51から下記条件の高周波電圧を図4に示すように配線50および給電端子48を通して円筒状給電部材46に供給し、これら円筒状給電部材46から高周波電圧を例えばポリテトラフルオロエチレン製の円筒状絶縁部材47を透過して前記第1,第2のチャンバ38,39にそれぞれ供給した。同時に、直流電源52から下記条件の直流電圧を前記高周波電圧の印加位置より下流側である配管63a,63bに配線53,54を通して供給した。これにより、第1チャンバ38内に流通し、既に励起された超微粒子を含む分散媒体は、マイナスに帯電された。また、前記第2チャンバ39内に流通し、既に励起された超微粒子を含む分散媒体は、プラスに帯電された。
【0123】
<帯電条件>
・高周波電圧;5MHz,500V、
・直流電圧;3kV,3.5kW。
【0124】
(第5工程)
前記配管63a,63b内でそれぞれ互いに異なる極性に帯電した分散媒体を凝集・結合機構70に導入し、互いに電気的に分離された開口径が100μmの2つのノズル部75a,75bの開口部から空洞部71内に高圧で噴射して互いに交差・衝突させることによりポリ乳酸とポリビニルアルコールからなる多数の複合微粒子がジメチルスルホキシドに分散された複合微粒子含有ジメチルスルホキシドを得た。
【0125】
得られた複合微粒子含有ジメチルスルホキシドは、6ヶ月間に亘って保管しても多数の複合微粒子を構成する各微粒子の分離、および複合超微粒子の沈降や凝集凝縮が認められなかった。
【0126】
実施例1の複合微粒子含有ジメチルスルホキシドをシリコンシート上に塗布(プリントコート)し、乾燥することにより厚さ10μmのポリ乳酸およびポリビニルアルコールからなる複合膜を形成した。
【0127】
(比較例1)
前記実施例1の第1工程で調製したポリ乳酸を含む第1固液混合流体とポリビニルアルコールを含む第2固液混合流体を1:1の比率で撹拌混合することによりポリ乳酸およびポリビニルアルコールを含むジメチルスルホキシドを調製した。つづいて、この溶液をシリコンシート上に塗布(プリントコート)し、乾燥することにより10μmの複合膜を形成した。
【0128】
(比較例2)
前記実施例1の第3工程で調製したポリ乳酸の超微粒子およびポリビニルアルコールの超微粒子が均一に分散された分散媒体を調製した。この分散媒体をシリコンシート上に塗布(プリントコート)し、乾燥することにより厚さ10μmのポリ乳酸およびポリビニルアルコールからなる複合膜を形成した。
【0129】
前記実施例1および比較例1,2により得られた複合膜について、製膜状態、膜強度、延展性および膜の外観性を調べた。これらの結果を下記表1に示す。なお、膜強度はシリコンシートから剥離した膜(フィルム)を引っ張ったときの強度、延展性は同フィルムを約100℃に加熱し、縦横に引っ張った状態で平均的に膜厚が薄くなる。
【0130】
【表1】
Figure 0003682251
【0131】
前記表1から明らかなように実施例1で得られた複合微粒子含有ジメチルスルホキシドをシリコンシートに塗布、乾燥することにより、強度、延展性が良好で、かつ外観的にも透明で色合いが均一なポリ乳酸およびポリビニルアルコールからなる複合膜を形成できることがわかる。
【0132】
(実施例2)
(第1工程)
酸化ケイ素粉末の凝集物(一次粒子の平均粒径;7nm)を純水に分散させて酸化ケイ素濃度が12重量%の第1固液混合流体を調製した。つづいて、前述した図6および図2に示す第1分散媒体調製機構1(混合流体衝突部材17を空洞部の噴射流交差・衝突領域に挿入)に前記第1固液混合流体を導入し、下記条件で前記第1固液混合流体を2つのノズル部9a,9bから噴射して交差・衝突させる破砕・分散操作を7パス行うことにより酸化ケイ素超微粒子が分散された第1分散媒体を調製した。
【0133】
<破砕・分散条件>
・第1分散媒体調製機構への第1固液混合流体導入圧力;1500Kg/cm2
・2つのノズル部の開口径;100μm、
・オリフィス部通過後の固液混合流体の加速度;250m/sec、
・混合流体衝突部材;三辺の寸法が8mm,8mm,8mmの正三角柱の形状をなすダイヤモンド焼結体。
【0134】
(第2工程)
ポリビニルアルコールを純水に溶解、分散させてポリビニルアルコール濃度が12重量%の第2固液混合流体を調製した。つづいて、前述した図6および図7に示す第2分散媒体調製機構90に前記第1固液混合流体を導入し、下記条件で前記第2固液混合流体を2つのノズル部98a,98bから噴射して交差・衝突させる分散操作を3パス行うことによりポリビニルアルコール超微粒子が分散された第2分散媒体を調製した。
【0135】
<破砕・分散条件>
・第1分散媒体調製機構への第2固液混合流体導入圧力;1500Kg/cm2
・2つのノズル部の開口径;150μm。
【0136】
(第3工程)
前記第1,第2の分散媒体を図6に示す配管65a,65bを通して帯電付与機構30の第1,第2のチャンバ38,39にそれぞれ高圧で流通し、さらにそれらの下流側である配管63a,63bに流出させた。この時、高周波電源51から下記条件の高周波電圧を図4に示すように配線50および給電端子48を通して円筒状給電部材46に供給し、これら円筒状給電部材46から高周波電圧を例えばポリテトラフルオロエチレン製の円筒状絶縁部材47を透過して前記第1,第2のチャンバ38,39に供給した。同時に、直流電源52から下記条件の直流電圧を前記高周波電圧の印加位置より下流側である配管63a,63bに配線53,54を通して供給した。これにより、第1チャンバ38内に流通し、既に励起された酸化ケイ素超微粒子を含む分散媒体は、マイナスに帯電された。また、前記第2チャンバ39内に流通し、既に励起されたポリビニルアルコール超微粒子を含む分散媒体は、プラスに帯電された。
【0137】
<帯電条件>
・高周波電圧;200V,2MHz
・直流電圧;2kV,2.0kW。
【0138】
(第4工程)
前記配管63a,63b内でそれぞれ互いに異なる極性に帯電した第1,第2の分散媒体を凝集・結合機構70に導入し、互いに電気的に分離された開口径が100μmの2つのノズル部75a,75bの開口部から空洞部71内に高圧で噴射して互いに交差・衝突させることにより酸化シリコン超微粒子とポリビニルアルコール超微粒子(混合重量比3:7)とが複合化された多数の複合微粒子を水に分散させた複合微粒子含有水を得た。
【0139】
(実施例3)
実施例2の第3工程での帯電条件を高周波電圧;400V,4MHz、直流電圧;5kV,3.5kWとした以外、実施例2と同様な方法により酸化シリコン超微粒子とポリビニルアルコール超微粒子(混合重量比3:7)と複合化された多数の複合微粒子を水に分散させた複合微粒子含有水を得た。
【0140】
(比較例3)
実施例2で調製した第1,第2の分散媒体を高圧で図6に示す配管65a,65b、第1,第2のチャンバ38,39および配管63a,63bを通して凝集・結合機構70に導入し、開口径が100μmの2つのノズル部75a,75bの開口部から空洞部71内に高圧で噴射して互いに交差・衝突させることにより酸化シリコン超微粒子とポリビニルアルコール超微粒子とが重量比にて3:7の割合で存在する超微粒子含有水を得た。なお、第1,第2のチャンバ38,39をそれぞれ流通する第1,第2の分散媒体への高周波電圧の印加、および配管63a,63bに流出された第1,第2の分散媒体への直流電圧の印加は、行わなかった。
【0141】
得られた実施例2,3および比較例3の超微粒子含有水を上質紙表面の厚さ5μmのアンカーコート上にロールコータ法によりそれぞれ塗布し、乾燥して厚さ10μmのガスバリア層を形成することにより3種のガスバリア性上質紙を製造した。
【0142】
実施例2,3および比較例3のガスバリア性上質紙について、酸素透過量および水蒸気透過量を測定した。なお、酸素透過量は日本分光社製商品名;ガスパームを用いて前記積層フィルムから切り出した直径10cmのサンプルを酸素濃度100%、25℃、65%R.Hで5kg/cm2に加圧した条件下で測定した。また、水蒸気透過量はスイスDr.Lyssy社製商品名;L80−4000型を用いて前記積層フィルムから切り出した直径10cmのサンプルをJIS K7129Aに準じて40℃、90%R.Hの条件下で測定した。その結果を下記表2に示す。
【0143】
【表2】
Figure 0003682251
【0144】
前記表2から明らかなように実施例2,3のガスバリア性上質紙は、第1、第2の分散媒体に高周波電圧および直流電圧を印加せず、そのまま凝集・結合機構で交差・衝突して得られた酸化シリコン超微粒子とポリビニルアルコール超微粒子が存在する超微粒子含有水を用いる比較例3のガスバリア性上質紙に比べて優れた酸素遮断性および水蒸気遮断性を有することがわかる。
【0145】
(実施例4)
(第1工程)
酸化ケイ素粉末の凝集物(一次粒子の平均粒径;7nm)およびポリテトラフルオロエチレン(PTFE)微粒子を純水に分散させて酸化ケイ素濃度が12重量%、PTFE濃度が1重量%の第1固液混合流体を調製した。つづいて、前述した図6および図2に示す第1分散媒体調製機構1(混合流体衝突部材17を空洞部の噴射流交差・衝突領域に挿入)に前記第1固液混合流体を導入し、下記条件で前記第1固液混合流体を2つのノズル部9a,9bから噴射して交差・衝突させる破砕・分散操作を7パス行うことにより酸化ケイ素超微粒子およびPTFE超微粒子が分散された第1分散媒体を調製した。
【0146】
<破砕・分散条件>
・第1分散媒体調製機構への第1固液混合流体導入圧力;1500Kg/cm2
・2つのノズル部の開口径;100μm、
・オリフィス部通過後の固液混合流体の加速度;250m/sec、
・混合流体衝突部材;三辺の寸法が8mm,8mm,8mmの正三角柱の形状をなすダイヤモンド焼結体。
【0147】
(第2工程)
ポリビニルアルコールを純水に溶解、分散させてポリビニルアルコール濃度が12重量%の第2固液混合流体を調製した。つづいて、前述した図6および図7に示す第2分散媒体調製機構90に前記第1固液混合流体を導入し、下記条件で前記第2固液混合流体を2つのノズル部98a,98bから噴射して交差・衝突させる分散操作を3パス行うことによりポリビニルアルコール超微粒子が分散された第2分散媒体を調製した。
【0148】
<破砕・分散条件>
・第1分散媒体調製機構への第2固液混合流体導入圧力;1500Kg/cm2
・2つのノズル部の開口径;150μm。
【0149】
(第3工程)
前記第1,第2の分散媒体を図6に示す配管65a,65bを通して帯電付与機構30の第1,第2のチャンバ38,39にそれぞれ高圧で流通し、さらにそれらの下流側である配管63a,63bに流出させた。この時、高周波電源51から下記条件の高周波電圧を図4に示すように配線50および給電端子48を通して円筒状給電部材46に供給し、これら円筒状給電部材46から高周波電圧を例えばポリテトラフルオロエチレン製の円筒状絶縁部材47を透過して前記第1,第2のチャンバ38,39にそれぞれ供給した。同時に、直流電源52から下記条件の直流電圧を前記高周波電圧の印加位置より下流側である配管63a,63bに配線53,54を通して供給した。これにより、第1チャンバ38内に流通し、既に励起された酸化ケイ素超微粒子およびPTFE超微粒子を含む分散媒体は、マイナスに帯電された。また、前記第2チャンバ39内に流通し、既に励起されたポリビニルアルコール超微粒子を含む分散媒体は、プラスに帯電された。
【0150】
<帯電条件>
・高周波電圧;200V,2MHz
・直流電圧;2kV,2.0kW。
【0151】
(第4工程)
前記配管63a,63b内でそれぞれ互いに異なる極性に帯電した第1,第2の分散媒体を凝集・結合機構70に導入し、互いに電気的に分離された開口径が100μmの2つのノズル部75a,75bの開口部から空洞部71内に高圧で噴射して互いに交差・衝突させることによりPTFE超微粒子と酸化シリコン超微粒子とポリビニルアルコール超微粒子(混合重量比9:27:64)とが複合化された多数の複合微粒子を水に分散させた複合微粒子含有水を得た。
【0152】
(実施例5)
実施例4の第3工程での帯電条件を高周波電圧;400V,4MHz、直流電圧;5kV,3.5kWとした以外、実施例4と同様な方法によりPTFE超微粒子と酸化シリコン超微粒子とポリビニルアルコール超微粒子(混合重量比9:27:64)とが複合化された多数の複合微粒子を水に分散させた複合微粒子含有水を得た。
【0153】
(比較例4)
実施例4で調製した第1,第2の分散媒体を高圧で図6に示す配管65a,65b、第1,第2のチャンバ38,39および配管63a,63bを通して凝集・結合機構70に導入し、開口径が100μmの2つのノズル部75a,75bの開口部から空洞部71内に高圧で噴射して互いに交差・衝突させることによりPTFE超微粒子と酸化シリコン超微粒子とポリビニルアルコール超微粒子とが重量比にて9:27:64の割合で水に存在する複合微粒子含有水を得た。なお、第1,第2のチャンバ38,39をそれぞれ流通する第1,第2の分散媒体への高周波電圧の印加、および配管63a,63bに流出された第1,第2の分散媒体への直流電圧の印加は、行わなかった。
【0154】
得られた実施例4,5および比較例4の複合微粒子含有水を上質紙表面の厚さ5μmのアンカーコート上にロールコータ法によりそれぞれ塗布し、乾燥して厚さ10μmのガスバリア層を形成することにより3種のガスバリア性上質紙を製造した。
【0155】
実施例4,5および比較例4のガスバリア性上質紙について、酸素透過量および水蒸気透過量を実施例2と同様な方法により測定した。その結果を下記表3に示す。
【0156】
【表3】
Figure 0003682251
【0157】
前記表3から明らかなように実施例4,5のガスバリア性上質紙は、2つの分散媒体に高周波電圧および直流電圧を印加せず、そのまま凝集・結合機構で交差・衝突して得られたPTFE超微粒子と酸化シリコン超微粒子とポリビニルアルコール超微粒子が存在する超微粒子含有水を用いる比較例4のガスバリア性上質紙に比べて優れた酸素遮断性および水蒸気遮断性を有することがわかる。
【0158】
また、実施例4,5のガスバリア性上質紙は、酸化ケイ素とポリビニルアルコールの複合超微粒子が分散された超微粒子含有水を用いて形成されたガスバリア層を有する実施例2,3のガスバリア性上質紙に比べてより一層酸素遮断性および水蒸気遮断性を有することがわかる。特に、実施例5のガスバリア性上質紙は厚さ7μmのアルミニウム箔に匹敵する、優れた水蒸気遮断性を有する。
【0159】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば高機能材料、高度物性材料の製造に適した異種の有機高分子が均一に集合した複合超微粒子や、有機高分子に金属および無機化合物から選ばれる少なくとも1つのナノオーダの超微粒子が均一に分散、結合された複合超微粒子を含有する液状媒体を容易かつ量産的に製造することが可能な方法およびその製造装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る複合超微粒子の製造装置を示す概略上面図。
【図2】図1に組み込まれる分散媒体調製機構を示す断面図。
【図3】図2の分散媒体調製機構の他の使用形態を示す断面図。
【図4】図1の製造装置に組み込まれる帯電付与機構の要部断面図。
【図5】図1の製造装置に組み込まれる超微粒子の集合・結合機構を示す断面図
【図6】本発明の第2実施形態に係る複合超微粒子の製造装置を示す概略上面図。
【図7】図6に組み込まれる第2分散媒体調製機構を示す断面図。
【符号の説明】
1…分散媒体調製機構(第1分散媒体調製機構)、
2,91…空洞部、
5,72,94…メインブロック、
6,95…上部ブロック、
7,96…下部ブロック
9a,9b,75a,75b,98a,98b…ノズル部、
12a,12b,101a,101b…分岐流路、
13a,13b,79a,79b,102a,102b…オリフィス部、
17…混合流体衝突部材、
20…高圧圧送ポンプ、
30…帯電付与機構、
38,39…チャンバ、
47…円筒状絶縁部材、
51…高周波電源、
52…直流電源、
70…凝集・結合機構、
90…第2分散媒体調製機構。

Claims (36)

  1. 互いに異なる材料の超微粒子が液状媒体に分散された分散媒体を調製する工程;
    前記分散媒体を出入口を有する第1チャンバ、第2チャンバにそれぞれ高圧で導入する工程;
    前記第1,第2のチャンバにそれぞれ高周波電圧を印加して前記第1、第2のチャンバ内を流通する分散媒体をそれぞれ励起させ、さらに各分散媒体に前記高周波電圧の印加位置より下流側で直流電圧を印加して互いに異なる極性に帯電させる工程;および
    互いに異なる極性に帯電された前記分散媒体をそれぞれ互いに電気的に分離された2つのノズル部を通して高速度で噴射し、互いに交差・衝突させることによって、前記液状媒体中の超微粒子をその衝突の場で互いに静電凝集させると共に、励起移動で凝集・結合させる工程;
    を含むことを特徴とする複合超微粒子含有液状媒体の製造方法。
  2. 前記液状媒体は、水、アルコールまたは水とアルコールの混合液であることを特徴とする請求項1記載の複合超微粒子含有液状媒体の製造方法。
  3. 前記分散媒体は、液状媒体に互いに異なる材料をそれぞれ混合した複数の固液混合流体を用意し、これら固液混合流体のうち、1つの固液混合流体を複数のノズル部を通して高速度で噴射し、互いに交差・衝突させた後、残りの固液混合流体を既に処理した固液混合流体に順次混合させながら複数のノズル部を通して高速度で噴射し、互いに交差・衝突させることによって調製されることを特徴とする請求項1記載の複合超微粒子含有液状媒体の製造方法。
  4. 前記分散媒体は、液状媒体に互いに異なる材料を混合した固液混合流体を複数のノズル部を通して高速度で噴射し、互いに交差・衝突させることによって調製されることを特徴とする請求項1記載の複合超微粒子含有液状媒体の製造方法。
  5. 前記固液混合流体は、500kg/cm2以上の高圧で複数のノズル部に導入されることを特徴とする請求項3または4記載の複合超微粒子含有液状媒体の製造方法。
  6. 有機高分子、金属および無機材料から選ばれる少なくとも1つの材料からなる超微粒子が液状媒体に分散された第1分散媒体を調製する工程;
    少なくとも1種の有機高分子超微粒子が液状媒体に分散された第2分散媒体を調製する工程;
    出入口を有する第1、第2のチャンバに前記第1,第2の分散媒体をそれぞれ導入する工程;
    前記第1、第2のチャンバにそれぞれ高周波電圧を印加して前記第1、第2のチャンバ内を流通する前記第1、第2の分散媒体をそれぞれ励起させ、さらに前記第1、第2の分散媒体に前記高周波電圧の印加位置より下流側で直流電圧を印加して互いに異なる極性に帯電させる工程;および
    互いに異なる極性に帯電された第1,第2の分散媒体をそれぞれ互いに電気的に分離された2つのノズル部を通して高速度で噴射して互いに交差・衝突させることによって、前記第1,第2の分散媒体中の超微粒子をその衝突の場で互いに静電凝集させると共に、励起移動で凝集・結合させる工程;
    を含むことを特徴とする複合超微粒子含有液状媒体の製造方法。
  7. 前記液状媒体は、水、アルコールまたは水とアルコールの混合液であることを特徴とする請求項6記載の複合超微粒子含有液状媒体の製造方法。
  8. 前記第1分散媒体は、液状媒体に有機高分子、金属および無機材料から選ばれる少なくとも1つの材料を混合した固液混合流体を複数のノズル部を通して高速度で噴射し、互いに交差・衝突させることによって調製されることを特徴とする請求項6記載の複合超微粒子含有液状媒体の製造方法。
  9. 金属および無機材料から選ばれる少なくとも1つの材料からなる超微粒子が液状媒体に分散された前記第1分散媒体は、液状媒体に金属および無機材料から選ばれる少なくとも1種の材料からなる粒子を混合した固液混合流体を複数のノズル部を通して前記粒子より硬度の高い材料からなる混合流体衝突部材に噴射・衝突させることによって調製されることを特徴とする請求項6記載の複合超微粒子含有液状媒体の製造方法。
  10. 前記第2分散媒体は、液状媒体に少なくとも1つの有機高分子を混合した固液混合流体を大気圧より高い圧力下で複数のノズル部を通して高速度で噴射し、互いに交差・衝突させることによって調製されることを特徴とする請求項6記載の複合超微粒子含有液状媒体の製造方法。
  11. 前記固液混合流体は、500kg/cm2以上の高圧で複数のノズル部に導入されることを特徴とする請求項8ないし10いずれか記載の複合超微粒子含有液状媒体の製造方法。
  12. 互いに異なる材料の超微粒子を液状媒体に分散した分散媒体が導入される出入口を有する第1チャンバと、
    前記分散媒体が導入される出入口を有する第2チャンバと、
    前記第1、第2のチャンバを流通する前記分散媒体がそれぞれ導入され、それら分散媒体を噴射して互いに交差・衝突させるための互いに電気的分離された2つのノズル部を有する凝集・結合手段と、
    前記第1、第2のチャンバ内を流通する前記分散媒体に高周波が透過可能な絶縁部材を通して高周波電圧を印加するための高周波電源と、
    前記高周波電圧の印加位置より前記分散媒体の流れ方向の下流側で前記ノズル部までに位置する部材に接続された直流電源と
    を具備したことを特徴とする複合超微粒子含有液状媒体の製造装置。
  13. 前記第1、第2のチャンバは、導電材料から作られ、前記高周波電源はこれら第1、第2のチャンバに高周波が透過可能な絶縁部材を通して接続されることを特徴とする請求項12記載の複合超微粒子含有液状媒体の製造装置。
  14. 前記凝集・結合手段は、両側面に開口された穴を有する絶縁性の支持本体と、この支持本体の両側面に前記穴を塞ぐようにそれぞれ取付けられ、前記第1,第2のチャンバとそれぞれ接続される流路を有する導電材料からなる2つのブロック状部材と、これらブロック状部材にそれぞれ前記各流路と連通するように形成され、前記穴内に前記分散媒体を噴射して互いに交差・衝突させるための2つのノズル部とを備えることを特徴とする請求項12記載の複合超微粒子含有液状媒体の製造装置。
  15. 前記第1、第2のチャンバは、導電材料から作られ、これら第1、第2のチャンバの内面および前記ブロック状部材の流路内面は、白金または金からなる膜が形成されていることを特徴とする請求項14記載の複合超微粒子含有液状媒体の製造装置。
  16. 分散媒体調製手段は、さらに前記第1、第2の導電チャンバの上流側に配置され、かつ
    前記分散媒体調製手段は内部に空洞部を有し、かつ液状媒体に異なる材料を混合した固液混合流体が高圧で導入される複数の流路する本体と、この本体に前記各流路と連通するように形成され、前記空洞部内に前記固液混合流体を噴射して互いに交差・衝突させるための複数のノズル部と、前記本体に前記空洞部と連通するように設けられた排出部と、前記本体に前記各ノズル部から噴射される複数の前記固液混合流体の噴射流交差部に対して離接自在に挿入され、少なくとも前記液状媒体が衝突される表面が前記材料より高硬度の物質からなる混合流体衝突部材とを備えることを特徴とする請求項12記載の複合超微粒子含有液状媒体の製造装置。
  17. 前記分散媒体調製手段の複数のノズル部は、前記固液混合流体を斜め方向に噴射させて互いに交差・衝突させるように前記本体に取付けられていることを特徴とする請求項16記載の複合超微粒子含有液状媒体の製造装置。
  18. 前記分散媒体調製手段の前記混合流体衝突部材は、表面にダイヤモンド粒子が電着された金属基材からなることを特徴とする請求項16記載の複合超微粒子含有液状媒体の製造装置。
  19. 前記分散媒体調製手段の前記混合流体衝突部材は、ダイヤモンド焼結体からなることを特徴とする請求項16記載の複合超微粒子含有液状媒体の製造装置。
  20. 前記分散調製媒体手段は、2つのノズル部を有し、かつ前記混合流体衝突部材は前記2つのノズル部から噴射される固液混合流体が衝突される2つの面を持つ三角柱形状をなすことを特徴とする請求項16記載の複合超微粒子含有液状媒体の製造装置。
  21. 前記第1、第2のチャンバは、導電材料から作られ、前記直流電源は前記高周波電圧の印加位置より前記分散媒体の流れ方向の下流側の前記第1、第2のチャンバ部分に接続されていることを特徴とする請求項12記載の複合超微粒子含有液状媒体の製造装置。
  22. 前記直流電源は、前記第1、第2のチャンバと前記凝集・結合手段を繋ぐ配管に接続されていることを特徴とする請求項12記載の複合超微粒子含有液状媒体の製造装置。
  23. 前記直流電源は、前記凝集・結合手段の前記2つのブロック状部材に接続されていることを特徴とする請求項14記載の複合超微粒子含有液状媒体の製造装置。
  24. 有機高分子、金属および無機材料から選ばれる少なくとも1つの材料からなる超微粒子が液状媒体に分散された第1分散媒体を調製するための第1分散媒体調製手段と、
    少なくとも1つの有機高分子超微粒子が液状媒体に分散された第2分散媒体を調製するための第2分散媒体調製手段と、
    前記第1分散媒体調製手段から高圧の前記第1分散媒体が導入される出入口を有する第1チャンバと、
    前記第2分散媒体調製手段から高圧の前記第2分散媒体が導入される出入口を有する第2チャンバと、
    前記第1、第2のチャンバを流通する前記第1、第2の分散媒体がそれぞれ導入され、それら分散媒体を噴射して互いに交差・衝突させるための互いに電気的分離された2つのノズル部を有する凝集・結合手段と、
    前記第1、第2のチャンバ内を流通する前記分散媒体に高周波が透過可能な絶縁部材を通して高周波電圧を印加するための高周波電源と、
    前記高周波電圧の印加位置より前記第1、第2の分散媒体の流れ方向の下流側で前記ノズル部までに位置する部材に接続された直流電源と
    を具備したことを特徴とする複合超微粒子含有液状媒体の製造装置。
  25. 前記第1分散媒体調製手段は、内部に空洞部を有し、かつ液状媒体に有機高分子、金属および無機材料から選ばれる少なくとも1種の材料を混合した固液混合流体が高圧で導入される複数の流路する本体と、この本体に前記各流路と連通するように形成され、前記空洞部内に前記固液混合流体を噴射して互いに交差・衝突させるための複数のノズル部と、前記本体に前記空洞部と連通するように設けられた排出部と、前記本体に前記各ノズル部から噴射される複数の固液混合流体の噴射流交差部に対して離接自在に挿入され、少なくとも前記固液混合流体が衝突される表面が前記材料より高硬度の物質からなる混合流体衝突部材とを備えることを特徴とする請求項24記載の複合超微粒子含有液状媒体の製造装置。
  26. 前記第1分散媒体調製手段の複数のノズル部は、前記固液混合流体を斜め方向に噴射させて互いに交差・衝突させるように前記本体に取付けられていることを特徴とする請求項25記載の複合超微粒子含有液状媒体の製造装置。
  27. 前記第1分散媒体調製手段の前記混合流体衝突部材は、表面にダイヤモンド粒子が電着された金属基材からなることを特徴とする請求項25記載の複合超微粒子含有液状媒体の製造装置。
  28. 前記第1分散調製手段の前記混合流体衝突部材は、ダイヤモンド焼結体からなることを特徴とする請求項25記載の複合超微粒子含有液状媒体の製造装置。
  29. 前記第1分散調製手段は、2つのノズル部を有し、かつ前記混合流体衝突部材は、前記2つのノズル部から噴射される固液混合流体が衝突される2つの面を持つ三角柱形状をなすことを特徴とする請求項25記載の複合超微粒子含有液状媒体の製造装置。
  30. 前記第2分散媒体調製手段は、内部に空洞部を有し、かつ液状媒体に少なくとも1種の有機高分子が混合された固液混合流体が高圧で導入される複数の流路する本体と、この本体に前記各流路と連通するように形成され、前記空洞部内に前記固液混合流体を噴射して互いに交差・衝突させるための複数のノズル部と、前記本体に前記空洞部と連通するように設けられ、前記空洞部内の圧力調節を兼ねる排出部とを備えることを特徴とする請求項24記載の複合超微粒子含有液状媒体の製造装置。
  31. 前記第1、第2のチャンバは、導電材料から作られ、前記高周波電源は前記第1、第2のチャンバに高周波が透過可能な絶縁部材を通して接続されることを特徴とする請求項24記載の複合超微粒子含有液状媒体の製造装置。
  32. 前記凝集・結合手段は、両側面に開口された穴を有する絶縁性の支持本体と、この支持本体の両側面に前記穴を塞ぐようにそれぞれ取付けられ、前記第1,第2のチャンバとそれぞれ接続される流路を有する2つのブロック状部材と、これらブロック状部材にそれぞれ前記各流路と連通するように形成され、前記穴内に前記分散媒体を噴射して互いに交差・衝突させるための2つのノズル部とを備えることを特徴とする請求項24記載の複合超微粒子含有液状媒体の製造装置。
  33. 前記第1、第2のチャンバは、導電材料から作られ、これら第1、第2のチャンバの内面および前記ブロック状部材の流路内面は、白金または金からなる膜が形成されていることを特徴とする請求項32記載の複合超微粒子含有液状媒体の製造装置。
  34. 前記第1、第2のチャンバは、導電材料から作られ、前記直流電源は前記高周波電圧の印加位置より前記第1、第2の分散媒体の流れ方向の下流側の前記第1、第2のチャンバ部分に接続されていることを特徴とする請求項24記載の複合超微粒子含有液状媒体の製造装置。
  35. 前記直流電源は、前記第1、第2のチャンバと前記凝集・結合手段を繋ぐ配管に接続されていることを特徴とする請求項24記載の複合超微粒子含有液状媒体の製造装置。
  36. 前記直流電源は、前記凝集・結合手段の前記2つのブロック状部材に接続されていることを特徴とする請求項32記載の複合超微粒子含有液状媒体の製造装置。
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