JP3685302B2 - スプライス吸収コネクタ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、サブハーネスから分岐させた電線相互間の継ぎ目(スプライス)をなくすためのスプライス吸収コネクタに関し、特に、電線の本数や接続パターンの変更に柔軟に対応することができるとともに、小型化を図ることができ、また、ワイヤハーネス全体の生産効率を向上させることができるスプライス吸収コネクタに関する。
【0002】
【従来の技術】
車両内に配索されるワイヤハーネスは、多数のサブハーネスの集合からなり、これらサブハーネスから分岐させた電線どうしを互いに接続させ、全体として一つのワイヤハーネスを構成している。
そして、サブハーネスから分岐させた電線相互間の継ぎ目(スプライス)をなくすために、従来から、ジョイント吸収コネクタやスプライス吸収コネクタが用いられている。
【0003】
図5は従来のジョイント吸収コネクタを示す部分断面斜視図であり、まず、従来のジョイント吸収コネクタについて、同図を参照しつつ説明する。
【0004】
同図において、100はジョイント吸収コネクタであり、合成樹脂製のコネクタハウジング110に、バスバー120をインサートした構成となっている。
コネクタハウジング110には、複数のコネクタ嵌合部111が一体成形してあり、各コネクタ嵌合部111の内部には、バスバー120から起立連成したタブ端子121が突出している。
【0005】
図示しない二以上のサブハーネスから分岐させた電線には、それぞれ相手方コネクタ(雄コネクタ)が取り付けてあり、これら相手方コネクタを、ジョイント吸収コネクタ100の各コネクタ嵌合部111に嵌合させることにより、サブハーネスから分岐させた電線どうしが互いに接続され、ワイヤハーネスが形成される。
【0006】
次に、従来のスプライス吸収コネクタについて、図6及び図7を参照しつつ説明する。
図6は従来のスプライス吸収コネクタを示すものであり、同図(a)は横断面図,同図(b)はコネクタハウジングのみの縦断面図である。
図7は上記スプライス吸収コネクタによるサブハーネスの接続状態を示す概念図である。
【0007】
図6(a),(b)において、スプライス吸収コネクタ200のコネクタハウジング210には、複数の保持溝212によって区画された端子収容室211が形成してある。
一方、二以上のサブハーネス31,32(図7参照)から分岐させた電線31a,32aには、それぞれ端子220が圧着してあり、これら端子220には弾性接触部221が設けてある。
【0008】
図7及び図6(a)に示すように、サブハーネス31,32を完成させた後、電線31a,32aの各端子220を、コネクタハウジング210の各保持溝212に嵌め込むと、該コネクタハウジング210の端子収容室211内において、隣り合う端子220どうしが互いに弾性接触し、これにより電線31a,32aが互いに接続され、ワイヤハーネスが形成される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述した従来のジョイント吸収コネクタ100では、サブハーネスから分岐させた電線の本数や接続パターン等の諸条件に応じて、コネクタハウジング110やバスバー120の構成が決まるため、サブハーネス側の諸条件が変更された場合は、これに応じた構成のコネクタハウジング110やバスバー120を新たに設計して作り直さなければならなかった。
すなわち、従来のジョイント吸収コネクタ100では、サブハーネス側の諸条件の変更に柔軟に対応することができないという問題があった。
【0010】
また、ジョイント吸収コネクタ100と、これに嵌合される相手方コネクタとを必要とするため、車両内の回路の増大,複雑化に伴ってジョイント吸収コネクタ100が大型化してしまうという問題もあった。
【0011】
上述した従来のスプライス吸収コネクタ200では、サブハーネス31,32を完成させた後、これらサブハーネス31,32から分岐させた電線31a,32aの各端子220を、コネクタハウジング210の各保持溝212に一つずつ嵌め込まなければならず、この作業がワイヤハーネスの生産効率の低下をまねくという問題があった。
【0012】
さらに、各端子220を横又縦の一方向に接続する構成となっていたので、車両内の回路の増大,複雑化に伴ってスプライス吸収コネクタ200が横又は縦の一方向に大型化してしまうという問題もあった。
【0013】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、電線の本数や接続パターンの変更に柔軟に対応することができるとともに、小型化を図ることができ、また、ワイヤハーネス全体の生産効率を向上させることができるスプライス吸収コネクタの提供を目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載のスプライス吸収コネクタは、二以上のサブハーネスから分岐させた電線にそれぞれ接続され、基板状接触部の上に弾性接触部を連成した端子と、積層可能な二以上のサブハウジングを有し、各サブハウジングの端子収容室に、前記基板状接触部及び前記弾性接触部に対応する開口部をそれぞれ設けたコネクタハウジングとを備え、各サブハウジングの端子収容室に前記端子を収容し、各サブハウジングを積層させることにより、上段と下段の各サブハウジングの端子収容室に収容された前記端子どうしを互いに接続させた構成としてある。
【0015】
このような構成によれば、コネクタハウジングを構成するサブハウジングを増減させることにより、サブハーネスから分岐させた電線の本数や接続パターンの変更に柔軟に対応することができる。
【0016】
また、スプライス吸収コネクタを二以上のサブハウジングからなる単一のコネクタハウジングによって構成してあり、かつ、サブハウジングを縦又は横の二方向に拡張することができるので、車両内の回路が増大,複雑化した場合でも、スプライス吸収コネクタ全体の小型化を図ることができる。
【0017】
さらに、端子をサブハウジングに嵌め込む作業がサブハーネスごとに完結し、各サブハーネスの完成後は、各サブハウジングを積層するだけで、各サブハーネスから分岐させた電線どうしを互いに接続させることができ、ワイヤハーネス全体の生産効率を向上させることができる。
【0018】
好ましくは、請求項2記載のスプライス吸収コネクタのように、前記サブハウジングの隣り合う端子収容室に収容される前記端子どうしを、これら端子に連成した連鎖帯によって互いに接続させた構成とする。
【0019】
このような構成によれば、サブハウジングの隣り合う端子収容室に収容される端子どうしを、簡単な構成により互いに接続させることができ、請求項1記載の構成と相まって、縦及び横方向のスプライスを吸収することができる。
【0020】
好ましくは、請求項3記載のスプライス吸収コネクタのように、前記連鎖帯を、前記端子をプレス加工する過程で形成されるキャリアとし、該キャリアを残存させることにより、前記サブハウジングの隣り合う端子収容室に収容される前記端子どうしを互いに接続させた構成とする。
【0021】
このような構成によれば、端子をプレス加工する過程で形成されるキャリアを切除するか否かで、サブハウジングの隣り合う端子収容室に収容される端子どうしの接続と絶縁を容易に選択することができる。
【0022】
好ましくは、請求項4記載のスプライス吸収コネクタのように、前記コネクタハウジングを構成する最上段と最下段の各サブハウジングにそれぞれ蓋体を取り付け、これらサブハウジングの前記開口部を塞いだ構成とする。
【0023】
このような構成によれば、最上段のサブハウジングの開口部から端子の弾性接触部が露出することを防止できるとともに、最下段のサブハウジングの開口部から端子の基板状接触部が露出することを防止できる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のスプライス吸収コネクタの実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1は本発明の実施形態に係るスプライス吸収コネクタを示す分解斜視図である。図2は上記スプライス吸収コネクタを組み立てた状態の断面図である。図3は上記スプライス吸収コネクタを構成する端子を示す斜視図である。図4は上記スプライス吸収コネクタによるサブハーネスの接続状態を示す概念図である。
【0025】
図1,図2及び図4において、本実施形態のスプライス吸収コネクタ1は、二以上のサブハーネス31,32から分岐された電線31a,32aに接続された複数の端子10と、これら端子10を収容するコネクタハウジング20とからなっている。
【0026】
図1に示す端子10は、金属板をプレス加工によって切り起こしたものであり、電線31a,32aを圧接接続するための圧接部11と、平坦な基板状接触部12と、該基板状接触部12の上に連成された弾性接触部13とを有する。
【0027】
図1及び図2に示すように、コネクタハウジング20は、積層可能な二つのサブハウジング20A,20Bと、上段のサブハウジング20Aの上に取り付けられる上蓋体(蓋体)20Cと、下段のサブハウジング20Bの下に取り付けられる下蓋体(蓋体)20Dとで構成してある。
【0028】
サブハウジング20A,20Bは、ともに同一の構成となっており、端子10を収容する複数の端子収容室21を有する。
これら端子収容室21には、端子10の基板状接触部12及び弾性接触部13にそれぞれ対応する下開口部(開口部)21aと上開口部(開口部)21bがそれぞれ設けてある。
【0029】
サブハウジング20Aの端子収容室21には、サブハーネス31から分岐された電線31aの端子10が収容され、サブハウジング20Bの端子収容室21には、サブハーネス32から分岐された電線32aの端子10が収容される。
【0030】
端子収容室21に端子10が収容されると、図2に示すように、下開口部21aから基板状接触部12が露出するとともに、上開口部21bから弾性接触部13が突出する。
【0031】
また、図1に示すように、サブハウジング20A,20Bの両側面には、上下に係止爪22と係止枠23がそれぞれ一体形成してある。
サブハウジング20A,20Bを積層すると、上段のサブハウジング20Aの係止枠23が、下段のサブハウジング20Bの係止爪22にかみ合って、これらサブハウジング20A,20Bが一体となる。
【0032】
このとき、サブハウジング20Aの下開口部21aと、サブハウジング20Bの上開口部21bとが連通し、サブハウジング20Aの端子収容室21に収容された端子10の基板状接触部12に、サブハウジング20Bの端子収容室21に収容された端子10の弾性接触部13が接触する。
これにより、図4に示すサブハーネス31,32の電線31a,32aどうしが互いに接続される(縦方向のスプライスが吸収される)。
【0033】
ここで、同一サブハウジング20A又は20Bの隣り合う端子収容室21に収容される端子10どうしを互いに接続させる場合(横方向のスプライスを吸収する場合)は、図3に示すように、端子10をプレス加工する過程で形成されるキャリア(連鎖帯)14を残存させるとともに、これを曲折し、端子10どうしの接続を行なっている。
【0034】
図1及び図2に戻り、上蓋体20Cは、サブハウジング20Aの係止爪22にかみ合う係止枠23を有し、サブハウジング20Aの上に取り付けられ、端子収容室21の上開口部21bを塞ぐ。
これにより、サブハウジング20Aの上開口部21bから端子10の弾性接触部13が露出することを防止できる。
【0035】
一方、下蓋体20Dは、サブハウジング20Bの係止枠23にかみ合う係止爪22を有し、サブハウジング20Bの下に取り付けられ、端子収容室21の下開口部21aを塞ぐ。
これにより、サブハウジング20Bの下開口部21aから端子10の基板状接触部12が露出することを防止できる。
【0036】
このような構成からなる本実施形態のスプライス吸収コネクタ1によれば、コネクタハウジング20を構成するサブハウジング20A,20Bを増減させることにより、サブハーネス31,32から分岐させた電線31a,32aの本数や接続パターンの変更に柔軟に対応することができる。
【0037】
また、スプライス吸収コネクタ1を二以上のサブハウジング20A,20Bからなる単一のコネクタハウジング20によって構成してあり、かつ、サブハウジング20A,20Bを縦又は横の二方向に拡張することができるので、車両内の回路が増大,複雑化した場合でも、スプライス吸収コネクタ1全体の小型化を図ることができる。
【0038】
さらに、端子10をサブハウジング20A,20Bに嵌め込む作業がサブハーネス31,32ごとに完結し、各サブハーネス31,32の完成後は、各サブハウジング20A,20Bを積層するだけで、各サブハーネス31,32から分岐させた電線31a,32aどうしを互いに接続させることができ、ワイヤハーネス全体の生産効率を向上させることができる。
【0039】
これに加えて、端子10をプレス加工する過程で形成されるキャリア14をそのまま利用して、同一サブハウジング20A又は20Bの隣り合う端子収容室21に収容される端子10どうしを互いに接続させることができ、また、キャリア14を切除するか否かで、これら端子10どうしの接続と絶縁を容易に選択することができる。
【0040】
なお、本発明のスプライス吸収コネクタは、上述した実施形態に限定されるものではない。
例えば、コネクタハウジング20を構成するサブハウジング20A,20Bの段数は、上述した実施形態のような二段に限定されるものではなく、サブハーネスの構成に応じて三段以上に増やすことができる。
【0041】
また、上記実施形態では、同一サブハウジング20A又は20Bの隣り合う端子収容室21に収容される端子10どうしを互いに接続させるために、既存のキャリア14を利用したが、これに限らず、これら端子10どうしの接続のみを目的とした専用の連鎖帯を設けた構成としてもよい。
【0042】
【発明の効果】
以上のように、本発明のスプライス吸収コネクタによれば、電線の本数や接続パターンの変更に柔軟に対応することができるとともに、小型化を図ることができ、また、ワイヤハーネス全体の生産効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るスプライス吸収コネクタを示す分解斜視図である。
【図2】上記スプライス吸収コネクタを組み立てた状態の断面図である。
【図3】上記スプライス吸収コネクタを構成する端子を示す斜視図である。
【図4】上記スプライス吸収コネクタによるサブハーネスの接続状態を示す概念図である。
【図5】従来のジョイント吸収コネクタを示す部分断面斜視図である。
【図6】従来のスプライス吸収コネクタを示すものであり、同図(a)は横断面図,同図(b)はコネクタハウジングのみの縦断面図である。
【図7】上記従来のスプライス吸収コネクタによるサブハーネスの接続状態を示す概念図である。
【符号の説明】
1 スプライス吸収コネクタ
10 端子
11 圧接部
12 基板状接触部
13 弾性接触部
14 キャリア(連鎖帯)
20 コネクタハウジング
20A,20B サブハウジング
20C 上蓋体(蓋体)
20D 下蓋体(蓋体)
21 端子収容室
21a 下開口部(開口部)
21b 上開口部(開口部)
22 係止爪
23 係止枠

Claims (4)

  1. 二以上のサブハーネスから分岐させた電線にそれぞれ接続され、基板状接触部の上に弾性接触部を連成した端子と、
    積層可能な二以上のサブハウジングを有し、各サブハウジングの端子収容室に、前記基板状接触部及び前記弾性接触部に対応する開口部をそれぞれ設けたコネクタハウジングとを備え、
    各サブハウジングの端子収容室に前記端子を収容し、各サブハウジングを積層させることにより、上段と下段の各サブハウジングの端子収容室に収容された前記端子どうしを互いに接続させたことを特徴とするスプライス吸収コネクタ。
  2. 前記サブハウジングの隣り合う端子収容室に収容される前記端子どうしを、これら端子に連成した連鎖帯によって互いに接続させた請求項1記載のスプライス吸収コネクタ。
  3. 前記連鎖帯を、前記端子をプレス加工する過程で形成されるキャリアとし、該キャリアを残存させることにより、前記サブハウジングの隣り合う端子収容室に収容される前記端子どうしを互いに接続させた請求項2記載のスプライス吸収コネクタ。
  4. 前記コネクタハウジングを構成する最上段と最下段の各サブハウジングにそれぞれ蓋体を取り付け、これらサブハウジングの前記開口部を塞いだ請求項1〜3いずれか記載のスプライス吸収コネクタ。
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