JP3685686B2 - 撮像エリアセンサおよび撮像装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、MOS(Metal Oxide Semiconductor Device)エリアセンサやCMOS(Complimentary Metal Oxide Semiconductor Device)エリアセンサなどのように、撮像時の電荷蓄積タイミングが光電変換素子ごとに異なり、光電変換素子の電荷蓄積時間を調整できる撮像エリアセンサ、およびこの撮像エリアセンサを備えた撮像装置に関し、商用電源(周波数50[Hz]または60[Hz])で交流点灯する照明下において被写体を撮像した場合に、上記の電荷蓄積時間が交流点灯周期(周波数1/100[s]または1/120[Hz])に同期していないと発生するフリッカーを検知し、そのフリッカーを除去するための撮像エリアセンサ、およびこの撮像エリアセンサを用いた撮像装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図15はCCD(Charge Coupled Device)エリアセンサを備えた従来の撮像装置の構成図である。図15において、13はCCD撮像エリアセンサ、14は前置信号処理手段、15は利得調整手段、16は信号処理手段、17は第1の積算手段、18は第2の積算手段、19は第3の積算手段、20はアイリス、21はアイリスドライバ、22はタイミングジェネレータ(TG)、23は演算手段である。
【0003】
図15の従来の撮像装置の動作について以下に説明する。アイリス20は、CCDエリアセンサ13上に集光される光量を制御する(露出制御をする)。CCDエリアセンサ13は、TG22から出力される駆動パルスによって動作し、入射光像を電気信号に変換し、撮像撮像信号として前置信号処理手段14に出力する。
【0004】
図16はCCDエリアセンサ13の原理図である。CCDエリアセンサ13は、2次元に配列された複数の光電変換素子(PD:Photo Diode)24と、PD24の列ごとに設けられた複数のCCD垂直レジスタ25と、CCD水平レジスタ26とを備えている。
【0005】
PD24は、入射光量に応じて発生する電荷を所定の時間蓄積したあと、対応するCCD垂直レジスタ25に転送し、そのあと再び電荷蓄積を開始する。全てのPD24は、同時に電荷蓄積を開始し、蓄積した電荷を信号量として同時にCCD垂直レジスタ25に転送する。従って、CCDエリアセンサ13では、全てのPD24の電荷蓄積時間および電荷蓄積のタイミングは同じである。
【0006】
PD24からCCD垂直レジスタ25に転送された電荷は、CCD垂直レジスタ25によって図16の矢印のように垂直方向に転送され、CCD水平レジスタ26に達し、CCD水平レジスタ26によって水平方向に転送され、撮像信号として出力される。CCD垂直レジスタ25およびCCD水平レジスタ26は、完全に遮光されているため、CCDエリアセンサ13では、全てのPD24の電荷蓄積時間および電荷蓄積のタイミングを同じにすることができる。
【0007】
このように、CCDエリアセンサ13は、電荷蓄積時間ごとに電荷を蓄積することによって、フレーム周期ごとに1枚のフレーム(1枚の撮像画像に相当)を撮像する。CCDエリアセンサ13では、あとで説明する電子シャッタを機能させる場合を除き、上記の電荷蓄積時間は、フレーム周期(1枚のフレームを撮像する時間間隔)と同じである。なお、上記のフレームは、撮像画像に相当するものとするため、NTSC(National Television System Committee)方式の映像信号のフレームとは異なる。上記のフレームは、NTSC方式の映像信号ではフィールドに相当する。従って、上記のフレーム周期は、NTSC(National Television System Committee)方式においては1/60[s]である。
【0008】
図15において、前置信号処理手段14は、相関二重サンプリングなどの処理によってCCDエリアセンサ13の撮像信号からノイズを除去し、映像信号として利得制御手段15および第1の積算手段17に送る。第1の積算手段17は、前置信号処理手段14からの映像信号を1フレームまたは数フレームごとに積算し、この積算値が一定となるように、アイリスドライバ21に制御信号を送り、アイリス20を開閉させる。
【0009】
利得調整手段15は、前置信号処理手段14からの映像信号を増幅し、信号処理手段16、第2の積算手段18、および第3の積算手段19に送る。信号処理手段16は、利得調整手段15から入力された映像信号に、画質調整処理(例えば、ホワイトバランス調整、ガンマ補正、エンハンス補正(輪郭補正)など)や変換処理などの信号処理を施すとともに、必要な信号の形式とするためエンコードする。第2の積算手段18は、利得調整手段15からの映像信号を1フレームまた数フレームごとに積算し、この積算値が一定となるように利得調整手段15の信号利得を調整する。通常、アイリス20による露出制御によって利得調整手段15に入力される映像信号のレベルはあらかじめ一定のレベルに調整されているため、利得調整手段15の信号利得も一定であるが、被写体の照度が低くなり、アイリス20を全開しても必要とする露出量が得られなかったときなどは、利得調整手段15によって映像信号を増幅して一定レベルの映像信号が得られるようにする。
【0010】
第3の積算手段19は、フリッカーを検知するために設けられたものであり、1フレームごとに映像信号を積算し、この積算値を演算手段23に出力する。演算手段23は、上記の積算値をもとにフリッカーが生じているか否かを検知し、フリッカーを検知したときは、TG22に制御信号を送り、CCDエリアセンサ13の電荷蓄積時間を変更し、フリッカーを抑制する。
【0011】
フリッカーの検知手順を以下に説明する。図17はCCDエリアセンサ13においてフリッカーを生じる原理を説明する図である。商用電源で交流点灯する蛍光灯などの照明の周波数は、図17のように商用周波数の2倍になる。つまり、商用周波数が50[Hz]の場合は、点灯周波数は100[Hz]となり、交流点灯周期(交流点灯の間隔時間)は1/100[s]である。また、商用周波数が60[Hz]の場合は、点灯周波数は120[Hz]であり、交流点灯周期は1/120[s]である。図17には、商用周波数50[Hz]の照明下において、1/60[s]の電荷蓄積時間にて撮像した場合を示している。図17のa−b間、およびc−d間は、それぞれ電荷蓄積時間である。bにおいて、蓄積した電荷が転送され、cより次のフレームの電荷蓄積が開始される。このとき、a−b間とc−b間の照明の光量(図17の斜線部にて示した部分の面積)が異なる。そのため、a−b間とc−b間の撮像画像では明るさが異なることとなる。そのため、フレームごとに信号レベルの異なる撮像信号となり、フリッカーを生じる。交流点灯周波数100[Hz]の照明下において1/60[s]の電荷蓄積時間で撮像した場合、20[Hz]のフリッカーが生じる。
【0012】
演算手段23は、第3の積算手段19による映像信号のフレームごとの積算値から上記20[Hz]の周波数成分を検出したとき、フリッカーが生じていると判別する。
【0013】
図15の撮像装置においては、第1の積算手段17からアイリス20を制御するフィードバックや、第2の積算手段18から利得調整手段15を制御するフィードバックの時定数は、ハンチング(発振)防止のため、上記の20[Hz]よりも十分長く設定している。このため、上記のフィードバック手段によって十二分にフリッカーを抑圧することは困難である。そこで、図15の撮像装置では、以下のようにしてフリッカーを抑圧している。
【0014】
演算手段23は、フリッカーが生じていると判別すると、TG22に制御信号を送り、TG22によってCCDエリアセンサ13の電荷蓄積時間を変更する。上記20[Hz]のフリッカーを検知した場合には、電荷蓄積時間を1/100[s]に変更する。CCDエリアセンサ13は、電荷蓄積の途中において、全てのPD24の蓄積電荷を同時に一度吐き捨て、そのあと改めて電荷蓄積を開始することにより電荷蓄積時間を変化させる電子シャッタという機能を有する。TG22は、演算手段23から上記の制御信号が入力されると、上記の電子シャッタを機能させ、電荷蓄積時間を1/100[s]にする駆動パルスをCCDエリアセンサ13に出力する。これによって、CCDエリアセンサ13の電荷蓄積時間は、図18のように、1/100[s]に変更される。1/100[s]の電荷蓄積時間では、図18のa−b間およびc−d間の光量は同じになるため、フリッカーは生じない。
【0015】
上記のように、CCDエリアセンサを用いた撮像装置では、映像信号の1フレームの積算値からフリッカーを検知し、フリッカーを生じているときには、電荷蓄積時間を照明の交流点灯周期(1/100[s]または1/120[s])に同期させることにより、フリッカーを抑圧する。
【0016】
しかし、近年、低消費電力を目的としたモバイル用途(PDA:Personal Digital Assistants)の撮像装置では、上記のCCDエリアセンサではなく、CMOSエリアセンサまたはMOSエリアセンサと呼ばれる撮像エリアセンサを用いることが多い。CMOSエリアセンサおよびMOSエリアセンサは、CCDエリアセンサとは異なり、光電変換素子ごとに電荷蓄積のタイミングが異なるため、先に説明したCCDエリアセンサのフリッカーの検知方法および抑圧方法では、フリッカーの検知および抑圧ができない。
【0017】
CMOSエリアセンサの原理を説明する。なお、MOSエリアセンサの原理も同様である。図19はCMOSエリアセンサの構成図である。図19において、1a,1b,1c,1dは光電変換素子(PD)、1e,1f,1g,1hは増幅器、1i,1j,1k,1mは画素選択トランジスタ、1n,1pは列選択トランジスタ、1qは垂直シフトレジスタ、1yは水平シフトレジスタ、1sは撮像信号の出力端子、1zは駆動パルス発生手段、1u,1v,1w,1xはリセット回路、10はCMOSエリアセンサである。
【0018】
図19のエリアセンサ10は、M×N個(M,Nは3以上の整数)のPD(1a,1b,1c,1d,…)と、M×N個の増幅器(1e,1f,1g,1h,…)と、M×N個のリセット回路(1u,1v,1w,1x,…)と、M×N個の画素選択トランジスタ(1i,1j,1k,1m,…)と、N個の列選択トランジスタ(1n,1p,…)と、駆動パルス発生手段1zと、垂直シフトレジスタ1qと、水平シフトレジスタ1yと、出力端子1sとを備えている。図19のエリアセンサにおいて、PD1aと、増幅器1eと、リセット回路1uと、画素選択トランジスタ1iとは、1個の画素を構成をしている。エリアセンサ10は、上記構成のM×N個の画素から成り立っている。PD1a,1b,1c,1d,…は、入射光量に応じた電荷を生じる。これらの電荷はPD1a,1b,1c,1d,…と増幅器1e,1f,1g,1h,…の間の容量に蓄積される。垂直シフトレジスタ1qは、画素選択トランジスタ1i,1j,1k,1m,…のON/OFFを選択し、水平シフトレジスタ1yは、列選択トランジスタ1n,1p,…のON/OFFを選択する。駆動パルス発生手段1zは、垂直シフトレジスタ1qおよび水平シフトレジスタ1yに駆動パルスを出力し、PDに蓄積された電荷による撮像信号の読み出し動作、およびPDのリセット動作を制御する。
【0019】
上記のように構成されたエリアセンサ10では、水平シフトレジスタ1yおよび垂直シフトレジスタ1qによって、図20の矢印の順で、PD1a,1b,…,1c,1d,…を順次選択し、それぞれのPDの蓄積電荷を撮像信号として順次読み出し、出力端子1sから出力する。例えば、垂直シフトレジスタ1qによって第1ラインの画素選択トランジスタ1i,1j,…をONするとともに、水平シフトレジスタ1yによって第1列の列選択トランジスタ1nをONすることにより、第1ラインの第1列のPD1aの電荷をトランジスタ1iおよび1nを介して読み出す。
【0020】
また、エリアセンサ10では、上記のように読み出しのタイミングがPDごとに異なるが、全てのPDの電荷蓄積時間を同じにするために、水平シフトレジスタ1yおよび垂直シフトレジスタ1qによって、図20の矢印の順で、リセット回路1u,1v,…,1w,1x,…を順次選択し、選択したリセット回路によってPD1a,1b,…,1c,1d,…を順次リセットし、PDごとに異なるタイミングで順次電荷蓄積を開始させる。
【0021】
上記のCMOSエリアセンサ10やMOSエリアセンサのように、PDごとに電荷蓄積のタイミングが異なる撮像エリアセンサを備えた撮像装置では、全てのPDの電荷蓄積タイミングが一致しているCCDエリアセンサとは異なり、フリッカーは以下のように生じる。
【0022】
図21はエリアセンサ10においてフリッカーを生じる原理を説明する図である。エリアセンサ10では、先に説明したように、画素ごとに電荷蓄積のタイミングが異なるため、エリアセンサ10のそれぞれのライン(行)の電荷蓄積の開始タイミングおよび完了タイミングも、図21のように異なる。そのため、撮像信号は、図22のようにラインごとに信号レベルが異なるものとなる。これによって、図23のように、1フレームの画像内で垂直方向に輝度むらとなってフリッカーが現れる。図23において、Aの部分が低輝度部で、Bの部分が高輝度部である。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】
このように、電荷蓄積タイミングが画素ごとに異なるCMOSエリアセンサやMOSエリアセンサなどの撮像エリアセンサを備えた従来の撮像装置では、照明の交流点灯周波数と、撮像エリアセンサの電荷蓄積時間とが同期していないと、図23のようなフレーム内の輝度むらとしてフリッカーを生じる。
【0024】
しかしながら、電荷蓄積タイミングが画素ごとに異なる撮像エリアセンサを用いた撮像装置においては、フリッカーはフレーム内に輝度むらとして生じるため、CCDエリアセンサを用いた撮像装置とは異なり、映像信号のフレームごとの積算値から上記のフリッカーを検知することができないという問題があった。
【0025】
本発明は、このような従来の問題を解決するためになされたものであり、電荷蓄積タイミングが画素ごとに異なる撮像エリアセンサにおいてフレーム内に生じるフリッカーを検知でき、このフリッカーを除去することができる撮像エリアセンサおよび撮像装置を提供することを目的とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために本発明の請求項1記載の撮像装置は、光電変換素子を個別にリセットし、電荷蓄積を開始させるリセット手段と、光電変換素子に蓄積された電荷を個別に読み出し、外部に出力する読み出し手段と、上記リセット手段および上記読み出し手段を駆動し、それぞれの光電変換素子の電荷蓄積の開始タイミングおよび読み出しタイミングを制御する駆動手段とを有し、撮像時の電荷蓄積タイミングが光電変換素子ごとに異なり、光電変換素子の電荷蓄積時間を調整できる撮像エリアセンサと、映像信号からフリッカーを検知するフリッカー検知手段と、上記駆動手段を制御する制御手段とを備え、上記駆動手段が、第1のモードのときに、光電変換素子ごとに順次電荷蓄積を開始させ、蓄積された電荷を順次読み出し、それぞれの光電変換素子による信号を順次出力させ、第2のモードのときに、同じラインの複数の光電変換素子(同じラインの全ての光電変換素子を含む)の電荷蓄積を同時に開始させるとともに、ラインごとに順次電荷蓄積を開始させ、上記複数の光電変換素子に蓄積された電荷を同時に加算して読み出し、それぞれのラインの加算された信号を順次出力させる2つの駆動モードを有し、上記制御手段が、上記撮像エリアセンサを上記第2のモードで動作させ、フリッカーが検知された場合に、上記撮像エリアセンサの上記電荷蓄積時間をフリッカー周期の倍数(フリッカー周期を含む)に設定し、上記撮像エリアセンサを上記第1のモードで動作させ、上記フリッカー検知手段が、第2のモードでの映像信号からフリッカー周波数成分を検出する周波数検出手段と、上記フリッカー周波数成分の信号レベルとあらかじめ設定された基準値とを比較する比較手段とを有し、上記フリッカー周波数成分が上記基準値よりも大きいとき、フリッカーを検知したものとすることを特徴とする。
【0029】
本発明の請求項2記載の撮像装置は、上記フリッカー検知手段が、第2のモードでの映像信号からフリッカー周波数成分である第1の周波数成分を検出する第1の周波数検出手段と、上記撮像信号からフリッカー周波数成分でない第2の周波数成分を検出する第2の周波数検出手段と、第1の周波数成分の信号レベルと第2の周波数成分の信号レベルとを比較する比較手段とを有し、第1の周波数成分が第2の周波数成分よりも所定値以上大きいとき、フリッカーを検知したものとすることを特徴とする。
【0030】
本発明の請求項3記載の撮像装置は、上記フリッカー検知手段が、第2のモードでの映像信号から第1のフリッカー周波数成分を検出する第1の周波数検出手段と、上記映像信号から第2のフリッカー周波数成分を検出する第2の周波数検出手段と、上記第1のフリッカー周波数成分の信号レベルとあらかじめ設定された基準値とを比較する第1の比較手段と、上記第2の周波数成分の信号レベルと上記基準値とを比較する第2の比較手段とを有し、第1のフリッカー周波数成分が上記基準値よりも大きいとき、第1の周波数のフリッカーを検知したものとし、第2のフリッカー周波数成分が上記基準値よりも大きいとき、第2の周波数のフリッカーを検知したものとすることを特徴とする。
【0031】
本発明の請求項4記載の撮像装置は、上記周波数検出手段が、フリッカー周波数成分のみを通過させるバンドパスフィルタと、上記バンドパスフィルタの出力信号を積算する積算手段とを有することを特徴とする。
【0032】
本発明の請求項5記載の撮像装置は、上記撮像エリアセンサによる映像信号の利得を調整する利得調整手段と、上記利得調整された映像信号を積算する積算手段と、上記映像信号の積算値が所定の範囲内にあるか否かを判別する信号レベル判別手段とをさらに備え、上記制御手段は、フリッカーが検知されたときの第1のモードでの撮像動作において、上記映像信号の積算値が上記所定の範囲内になるように上記電荷蓄積時間および上記利得調整手段の信号利得を制御することを特徴とする。
【0033】
本発明の請求項6記載の撮像装置は、フリッカーが検知されたときの第1のモードでの撮像動作において設定可能な電荷蓄積時間および上記信号利得の組合せを一覧にしたルックアップテーブルをさらに備え、上記制御手段は、フリッカーが検知されたときの第1のモードでの撮像動作において、上記ルックアップテーブルを参照して上記電荷蓄積時間および上記信号利得を制御することを特徴とする。
【0034】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1の撮像装置の構成図である。図1において、1はエリアセンサ(撮像エリアセンサ)、2は前置信号処理手段、3は利得調整手段、4はA/Dコンバータ、5は演算手段、5aはフリッカー検知手段、5bは制御手段、5cは特定周波数検出手段、5dは比較手段、5eは基準値設定手段、5hはLUT(Look Up Table)、5iは信号レベル検知手段、6は積算手段、7は出力端子、8は信号処理手段である。
【0035】
[エリアセンサ1]
エリアセンサ1は、入射光像を撮像して電気信号に変換し、この撮像信号を前置信号処理手段2に出力するCMOSエリアセンサである。図2はエリアセンサ1の構成図である。図2において、図19と同じものには同じ符号を付してあり、1a,1b,1c,1dは光電変換素子(PD)、1e,1f,1g,1hは増幅器、1i,1j,1k,1mは画素選択トランジスタ、1n,1pは列選択トランジスタ、1qは垂直シフトレジスタ、1rは水平シフトレジスタ、1sは撮像信号の出力端子、1tは駆動パルス発生手段、1u,1v,1w,1xはリセット回路である。
【0036】
図2の実施の形態1のエリアセンサ1は、図19の従来のCMOSエリアセンサにおいて、水平シフトレジスタ1y,駆動パルス発生手段1zをそれぞれ水平シフトレジスタ1r,駆動パルス発生手段1tとし、それぞれのPDの電荷を個別に順次読み出す撮像モードの他に、同じラインの全てのPDの電荷を加算して同時に読み出し、上記加算した電荷をラインごとに順次読み出すフリッカー検知モードで動作するようにしたものである。撮像モードでは、PDごとに電荷蓄積タイミングが異なるが、フリッカー検知モードでは、同じラインの全てのPDの電荷蓄積タイミングは同じであり、ラインごとに電荷蓄積タイミングが異なる。
【0037】
図2のように、実施の形態1のエリアセンサ1は、M×N個(M,Nは3以上の整数)のPD(1a,1b,1c,1d,…)と、M×N個の増幅器(1e,1f,1g,1h,…)と、M×N個のリセット回路(1u,1v,1w,1x,…)と、M×N個の画素選択トランジスタ(1i,1j,1k,1m,…)と、N個の列選択トランジスタ(1n,1p,…)と、駆動パルス発生手段1tと、垂直シフトレジスタ1qと、水平シフトレジスタ1rと、出力端子1sとを備えている。
【0038】
PD1a,1b,1c,1d,…は、それぞれ電荷蓄積時間において入射光量に応じた電荷を蓄積する。増幅器1e,1f,1g,1h,…は、それぞれPD1a,1b,1c,1d,…の蓄積電荷による信号を増幅する(電荷を電圧信号に変換する)。リセット回路1u,1v,1w,1x,…は、それぞれPD1a,1b,1c,1d,…をリセットし(PDに蓄積されている電荷を捨てる)、電荷蓄積を開始させる。このリセット回路によるリセットタイミングが、そのPDの電荷蓄積開始タイミングとなる。また、電荷蓄積開始タイミング(リセットタイミング)から電荷の読み出しタイミングまでが、そのPDの電荷蓄積時間となる。電荷蓄積開始タイミングは、撮像モードではPDごとに異なり、フリッカー検知モードではラインごとに異なるが、電荷蓄積時間は、全てのPDで同じである。
【0039】
水平シフトレジスタ1rは、駆動パルス発生手段1tからの駆動パルスに従って、撮像モードでは、列を順次選択し、選択した列の列選択トランジスタ(1nまたは1p)をONさせ、フリッカー検知モードでは、全ての列選択トランジスタ(1nおよび1p)を同時にONさせる。垂直シフトレジスタ1qは、駆動パルス発生手段1tからの駆動パルスに従って、1本のラインを順次選択し、選択したラインの全ての画素選択トランジスタ(1iおよび1j、または1gおよび1h)をONさせる。また、水平シフトレジスタ1rおよび垂直シフトレジスタ1qは、駆動パルス発生手段1tからの駆動パルスに従って、撮像モードでは、1個のリセット回路を順次選択し、選択したリセット回路によってPDを順次リセットし、フリッカー検知モードでは、同じラインの全てのリセット回路を同時に、かつ異なるラインのリセット回路を順次選択し、選択したラインの全ての全てのリセット回路によって、そのラインのPDを同時にリセットする。
【0040】
駆動パルス発生手段1tは、演算手段5からの制御信号に従って、水平シフトレジスタ1rおよび垂直シフトレジスタ1qに駆動パルスを供給し、エリアセンサ1を撮像モードまたはフリッカー検知モードで動作させる。この駆動パルス発生手段1tは、読み出しタイミングに対してPDのリセットタイミングを調整することによって、PDの電荷蓄積時間を調整する。
【0041】
このように、実施の形態1のエリアセンサ1は、撮像時の電荷蓄積タイミングが光電変換素子ごとに異なり、光電変換素子の電荷蓄積時間を調整できるCMOS撮像エリアセンサにおいて、光電変換素子ごとに異なるタイミングで順次電荷蓄積を開始し、それぞれの光電変換素子に蓄積された電荷を個別に順次読み出し、それぞれの光電変換素子の撮像信号として順次出力する撮像モード(第1のモード)の他に、同じラインの全ての光電変換素子の電荷蓄積を同時に開始させるとともにラインごとに異なるタイミングで電荷蓄積を開始させ、上記複数の光電変換素子に蓄積された電荷を同時に読み出して加算し、この加算した電荷をそれぞれのラインの撮像信号としてライン順次に出力させるフリッカー検知モード(第2のモード)で動作するようにしたものである。
【0042】
[前置信号処理手段2、利得調整手段3、A/Dコンバータ4]
図1において、前置信号処理手段2は、エリアセンサ1から入力された撮像信号に含まれるトランジスタのスイッチングノイズなどのノイズを除去し、利得調整手段3に送る。利得制御手段3は、前置信号処理手段2から入力された映像信号を、演算手段5からの制御信号に応じた信号利得で増幅し、A/Dコンバータ4に送る。A/Dコンバータ4は、利得制御手段3から入力されたアナログの映像信号を、ディジタル信号に変換し、演算手段5(のフリッカー検知手段5a)、積算手段6、および信号処理手段8に送る。
【0043】
[積算手段6、信号処理手段8]
積算手段6は、1フレームまたは数フレームごとに映像信号を積算し、この映像信号の積算値を演算手段5(信号レベル検知手段5i)に送る。信号処理手段8は、A/Dコンバータ4から入力された映像信号に画質調整処理や変換処理などの信号処理を施し、必要な形式の映像信号にエンコードして、出力端子7から出力する。例えば、入力された映像信号のホワイトバランスを調整し、ガンマ補正やエンハンス補正(輪郭補正)などの画質調整を施し、必要な形式の映像信号にエンコードして、出力端子7から出力する。
【0044】
[演算手段5]
演算手段5は、フリッカー検知手段5aと、制御手段5bと、LUT(Look Up Table)5hと、信号レベル検知手段5iとを有する。
【0045】
[フリッカー検知手段5a]
フリッカー検知手段5aは、フリッカー検知モードのときに、信号処理手段のA/Dコンバータ4から入力された、ラインごとに加算された映像信号をもとに、フリッカーを生じているか否かを検知し、検知結果を制御手段5bに送る。このフリッカー検出手段5aは、例えば図1のように、特定周波数検出手段5cと、比較手段5dと、基準値設定手段5eとによって構成される。
【0046】
[特定周波数検出手段5c]
特定周波数検出手段5cは、ラインごとに加算された映像信号からフリッカー周波数成分(フリッカーを生じるときに映像信号に含まれる周波数成分)のみを検出し、このフリッカー周波数成分を比較手段5dに送る。上記のフリッカー周波数成分は、商用周波数50[Hz]の照明下では100[Hz]の周波数成分であり、商用周波数60[Hz]の照明下では120[Hz]の周波数成分である。
【0047】
上記の特定周波数検出手段5cは、例えば図3のように、BPF(Band Pass Filter)5fと、積算手段5gとによって実現できる。BPF5fは、入力された映像信号からフリッカー周波数成分(100[Hz]または120[Hz]の周波数成分)のみを通過させ、積算手段5gに送る。積算手段5gは、上記のフリッカー周波数成分を、例えば1フレーム周期積算し、このフリッカー周波数成分の積算値を比較手段5dに送る。
【0048】
[基準値設定手段5e、比較手段5d]
基準値設定手段5eは、あらかじめ設定されている基準値を比較手段5dに供給する。比較手段5dは、特定周波数検出手段5cによって検出されたフリッカー周波数成分の値と上記の基準値とを比較し、フリッカー周波数成分が基準値よりも大きければ、フリッカーを検知したものとし、フリッカー周波数成分が基準値以下であればフリッカーを検知しなかったものとし、検知結果を制御手段5bに送る。
【0049】
[信号レベル検知手段5i]
信号レベル検知手段5iは、積算手段6から入力された映像信号の積算値が、あらかじめ設定された基準値範囲内にあるか否かを判別することによって、映像信号のレベルを検知し、検知結果を制御手段5bに送る。
【0050】
[制御手段5b]
制御手段5bは、エリアセンサ1の動作モード(撮像モードまたはフリッカー検知モード)および電荷蓄積時間を制御するとともに、利得調整手段3の信号利得を制御する。この制御手段5bは、エリアセンサ1をフリッカー検知モードで動作させ、フリッカーを生じているか否かをフリッカー検知手段5aによって検知し、そのあとエリアセンサ1を撮像モードに切り換える。フリッカーを生じていなければ、撮像モードにおいて、制御手段5bは、信号レベル検知手段5iによる映像信号レベルの検知結果に従って、電荷蓄積時間を連続的に調整することによって、映像信号のレベルを所定の範囲内に調整し、電荷蓄積時間によって信号レベルを調整できないときにのみ、利得調整手段3の信号利得を調整することによって、信号レベルを調整する。また、フリッカーを検知したあとの撮像モードにおいて、制御手段5bは、エリアセンサ1の電荷蓄積時間を、フリッカー周期(=商用電源による交流点灯周期)の倍数(フリッカー周期を含む)に設定するとともに、利得調整手段3の信号利得を調整することによって、信号レベルを調整する。
【0051】
[LUT5h]
LUT5hには、フリッカーを検知したあとの撮像モードでのエリアセンサ1の電荷蓄積時間の設定値および利得調整手段3の信号利得の設定値の組合せがあらかじめテーブル化されており、フリッカーを検知したあとの撮像モードにおいては、制御手段5bは、LUT5hを参照し、エリアセンサ1の電荷蓄積時間および利得調整手段3の信号利得を設定し、検知された映像信号のレベルに応じて電荷蓄積時間および信号利得を変更する。
【0052】
[エリアセンサ1の撮像モードでの動作]
エリアセンサ1の撮像モードでの動作について、図2を参照しながら以下に説明する。駆動パルス発生手段1tは、演算手段5の制御手段5bから撮像モードで動作する旨の制御信号が入力されると、水平シフトレジスタ1rおよび垂直シフトレジスタ1qを制御し、エリアセンサ1を以下に説明するように撮像モードで動作させる。
【0053】
時間(タイミング)をtとし、第1ラインの第1列のPD1aがリセットされて電荷蓄積を開始するタイミングをt=0とすると、撮像モードでは、t=ΔT(>0)においてPD1bがリセットされて電荷蓄積を開始し、以下t=2ΔT,3ΔT,…,(N−1)ΔTにおいて、第1ラインの第3列以降のPDが順次リセットされ、t=NΔTにおいて第2ラインの第1列のPD1cがリセットされ、t=(N+1)ΔTにおいてPD1dがリセットされ、以下t=(N+2)ΔT,(N+3)ΔT,…,(2N−1)ΔT,2NΔT,…,(MN−1)ΔTにおいて、第2ラインの第3列〜第Mラインの第N列のPDが順次リセットされる。第1ラインの第1列のPD1aが再びリセットされるのは、第Mラインの第N列のPDがリセットされたあとである。
【0054】
ここで、映像信号のフレーム周期をTf、エリアセンサ1の撮像モードでの電荷蓄積時間(全てのPDにおいて同じ時間)をTとすると、
M×N×ΔTa≦Tf
T≦Tf
である。
【0055】
上記のリセット動作とともに、以下の読み出し動作がなされる。まず、t=Tになると、第1ラインの画素選択トランジスタ1i,1j,…がONするとともに、列選択トランジスタ1nがONし、t=0〜t=Tの間にPD1aに蓄積された電荷による撮像信号が読み出され、トランジスタ1iおよび1nを介して出力端子1sから出力され、そのあと列選択トランジスタ1nがOFFする。次に、t=ΔT+Tになると、列選択トランジスタ1pがONし、t=ΔT〜t=ΔT+Tの間にPD1bに蓄積された電荷による撮像信号が読み出され、トランジスタ1jおよび1pを介して出力され、列選択トランジスタ1pがOFFする。以下、同じようにして、t=2ΔT+T,3ΔT+T,…,(N−1)ΔT+Tにおいて、第1ラインの第3列〜第N列のPDの撮像信号が順次読み出され、第N列のPDの撮像信号が読み出されたあとに、第1ラインの画素選択トランジスタ1i,1j,…はOFFする。
【0056】
次に、t=NΔT+Tになると、第2ラインの画素選択トランジスタ1k,1m,…がONするとともに、列選択トランジスタ1nがONし、t=N×ΔT〜t=NΔT+Tの間にPD1cに蓄積された電荷による撮像信号が読み出され、列選択トランジスタ1nがOFFする。次に、t=(N+1)ΔT+Tになると、列選択トランジスタ1pがONし、時間t=(N+1)ΔT〜t=(N+1)ΔT+Tの間にPD1dに蓄積された電荷による撮像信号が読み出され、列選択トランジスタ1pがOFFする。以下、同じようにして、t=(N+2)ΔT+T,(N+3)ΔT+T,…,(2N−1)ΔT+T,2NΔT+T,…,(MN−1)ΔT+Tにおいて、第2ラインの第3列〜第Mラインの第N列のPDの撮像信号が順次読み出される。第1ラインの第1列のPD1aの撮像信号が再び読み出されるのは、第Mラインの第N列のPDの撮像信号が読み出されたあとである。このように、撮像モードでは、フレーム周期Tfごとに、M×N個のPD1a,1b,1c,1d,…の撮像信号が順次読み出され、出力される。
【0057】
[エリアセンサ1のフリッカー検知モードでの動作]
エリアセンサ1のフリッカー検知モードでの動作について、図2を参照しながら以下に説明する。駆動パルス発生手段1tは、演算手段5の制御手段5bからフリッカー検知モードで動作する旨の制御信号が入力されると、水平シフトレジスタ1rおよび垂直シフトレジスタ1qを制御し、エリアセンサ1を以下に説明するように撮像モードで動作させる。
【0058】
時間(タイミング)をtとし、第1ラインのN個のPD1a,1b,…が同時にリセットされて電荷蓄積を開始するタイミングをt=0とすると、フリッカー検知モードでは、t=ΔU(>0)において、第2ラインのN個のPD1c,1d,…が同時にリセットされて電荷蓄積を開始し、以下同じようにして、t=2ΔU,3ΔU,…,(M−1)ΔUにおいて、第3ライン〜第MラインのN個のPDが順次リセットされる。第1ラインのPD1a,1b,…が再びリセットされるのは、第MラインのPDがリセットされたあとである。
【0059】
同じラインの全てのPDを同時にリセットする上記のリセット動作とともに、同じラインの全てのPDの撮像信号を加算し、ラインごとの撮像信号として出力する以下の読み出し動作がなされる。エリアセンサ1のフリッカー検知モードでの電荷蓄積時間(全てのPDにおいて同じ時間)をUとする。まず、t=Uになると、第1ラインの画素選択トランジスタ1i,1j,…がONするとともに、全ての列選択トランジスタ1n,1p,…がONし、t=0〜t=Uの間に蓄積された電荷による、第1ラインのN個のPD1a,1b,…の撮像信号が、図2の太字の矢印のように同時に加算されて読み出され、第1ラインの撮像信号として出力端子1sから出力され、そのあと画素選択トランジスタ1i,1j,…および列選択トランジスタ1n,1p,…がOFFする。
【0060】
次に、t=ΔU+Uになると、第2ラインの画素選択トランジスタ1k,1m,…がONするとともに、全ての列選択トランジスタ1n,1p,…がONし、t=ΔU〜t=ΔU+Uの間に蓄積された電荷による、第2ラインのN個のPD1c,1d,…の撮像信号が同時に加算されて読み出され、第2ラインの撮像信号として出力端子1sから出力され、そのあと画素選択トランジスタ1k,1m,…および列選択トランジスタ1n,1p,…がOFFする。
【0061】
以下、同じようにして、t=2ΔU+U,3ΔU+U,…,(M−1)ΔU+Tにおいて、第3ライン〜第MラインのN個のPDの撮像信号が同時に加算されて順次読み出され、第3ライン〜第Mラインの撮像信号として出力端子1sから順次出力される。
【0062】
ここで、上記フリッカー検知モードでの電荷蓄積時間Uは、例えば上記撮像モードでの電荷蓄積時間Tと同じである。また、上記のΔUは、ラインごとの加算された撮像信号の出力時間間隔となり、撮像モードでのPDごとの撮像信号の出力時間間隔となる上記のΔTを用いると、例えばΔU=NΔTである。なお、フリッカー検知モードでの電荷蓄積時間Uは、フリッカーを検知するために、商用電源による交流点灯周期の倍数(交流点灯周期を含む)でないことが必要である。つまり、商用周波数50[Hz]の照明下では交流点灯周期1/100[s]の倍数でないことが必要であり、商用周波数60[Hz]の照明下では交流点灯周期1/120[s]の倍数でないことが必要である。また、例えば、U=T/N、ΔU=ΔTとし、フレーム周期Tfを撮像モードのときの1/Nに短縮することも可能である。
【0063】
[前置信号処理手段2、利得調整手段3、A/Dコンバータ4の動作]
撮像モードまたはフリッカー検知モードにおいてエリアセンサ1から出力された撮像信号は、前置信号処理手段2において、エリアセンサ1のトランジスタのスイッチングノイズなどのノイズを除去され、映像信号として利得調整手段3に送られ、利得調整手段3において増幅され、A/Dコンバータ4に送られ、A/Dコンバータ4においてディジタル信号に変換され、演算手段5のフリッカー検知手段5a(フリッカー検知モードのとき)、積算手段6、および信号処理手段8に送られる。
【0064】
[信号処理手段8、積算手段6の動作]
上記ディジタルの映像信号は、信号処理手段8において、画質調整処理(例えば、ホワイトバランス調整、ガンマ補正、エンハンス補正など)や変換処理などの信号処理を施され、必要な形式の映像信号にエンコードされ、出力端子7から出力される。積算手段6は、上記の映像信号を1フレームまたは数フレーム積算し、この積算値を演算手段5に送る。
【0065】
[フリッカーの検知動作]
制御手段5bは、まず、エリアセンサ1の駆動パルス発生手段1tに、フリッカー検知モードで動作する旨の制御信号を送り、エリアセンサ1をフリッカー検知モードで動作させる。エリアセンサ1から出力された、ラインごとに加算された撮像信号は、前置信号処理手段2および利得調整手段3を介し、A/Dコンバータ4においてディジタル信号に変換され、フリッカー検知手段5aの特定周波数検出手段5cに入力される。
【0066】
エリアセンサ1においてフリッカーを生じるときには、照明の交流点灯周波数と同じ周波数の成分が撮像信号に含まれる。以下、この周波数成分をフリッカー周波数と称する。つまり、商用周波数50[Hz]の照明の交流点灯周波数は100[Hz]であるから、この照明下でフリッカーが生じたとき、撮像信号には100[Hz]のフリッカー周波数成分が含まれる。また、商用周波数60[Hz]の照明の交流点灯周波数は120[Hz]であるから、この照明下でフリッカーが生じたとき、撮像信号には120[Hz]のフリッカー周波数成分が含まれる。
【0067】
フリッカー検知手段5aは、入力されたラインごとに加算された映像信号から上記のフリッカー周波数成分を検出し、このフリッカー周波数成分の大きさをもとに、フリッカーを生じているか否かを判別する。フリッカー検知手段5aにおいて、特定周波数検出手段5cのBPF5fは、上記の映像信号に含まれるフリッカー周波数成分(100[Hz]または120[Hz])のみを通過させ、このフリッカー周波数成分を積算手段5gに送る。積算手段5gは、上記のフリッカー周波数成分1フレームごとに積算し、このフリッカー周波数成分の積算値を比較手段5dに送る。フリッカーを生じていれば、上記フリッカー周波数成分の積算値は大きくなる。比較手段5dは、上記フリッカー周波数成分の積算値を、基準値設定手段5eの基準値と比較し、上記の積算値が上記の基準値よりも大きければフリッカーを検知したものとし、上記の積算値が上記の基準値以下であればフリッカーを検知しなかったものとし、検知結果を制御手段1bに送る。
【0068】
図4はエリアセンサ1内のある1列のM個のPDによる撮像信号に含まれるフリッカー周波数成分の波形図である。図4では、エリアセンサ1の列方向をY方向とし、エリアセンサ1の走査ラインを矢印で示してある。また、図4の波形図におけるY軸は、同時に時間軸でもある。図4のフリッカー周波数成分は、50[Hz]の商用周波数の照明下では、周波数100[Hz]の信号となり、60[Hz]の商用周波数の照明下では、周波数120[Hz]の信号となる。
【0069】
撮像モードにおいては、列ごとに電荷蓄積のタイミングが異なるため、異なる列のPDによる撮像信号(例えば、第1列のM個のPDによる撮像信号と、中央の列のM個のPDによる撮像信号)では、これらの映像信号に含まれている図4のフリッカー周波数成分の位相が異なる。このため、撮像モードにおいてエリアセンサ1から出力された映像信号、またはこの映像信号をラインごとに積算した映像信号には、異なる位相のフリッカー周波数成分が含まれ、特定周波数検出手段5cの構成が複雑になる。
【0070】
しかし、フリッカー検知モードでは、同じラインの全てのPDの電荷蓄積タイミングは同じであり、従って全ての列の電荷蓄積のタイミングは同じであるため、全ての列の撮像信号に含まれるフリッカー周波数成分が同位相となる。これおにより、フリッカー検知モードによるラインごとに加算された撮像信号には、図4のフリッカー周波数成分を単純にN個(列の個数分)加算したフリッカー周波数成分が含まれることとなる。従って、フリッカー検知モードによるラインごとに加算された映像信号には、単一位相のレベルの大きなフリッカー周波数成分が含まれることとなるため、特定周波数検出手段5cの構成を簡単にできるとともに、フリッカー周波数成分を容易に検出できる。
【0071】
図5はフリッカーを生じるときのエリアセンサ1の電荷蓄積時間を説明する図である。図5において、f(t)は照度の時間関数である。エリアセンサ1においては、全ての画素の電荷蓄積時間は同じであるが、電荷蓄積タイミングは画素ごとに異なる。このため、図5のa−b間を電荷蓄積時間とする画素と、c−d間を電荷蓄積時間とする画素では、電荷蓄積時間に照射される光量が異なる。これにより、蓄積される電荷量が異なり、フリッカーを生じる。すなわち、フリッカーが生じるときは、次式(1)となる。式(1)において、f(t)は照度の時間関数である(図5参照)。
【数1】
フリッカーを生じないためには、電荷蓄積時間(図5のa−b間の時間およびc−d間の時間)が、次式(2)を満たすことが必要である。
【数2】
式(2)を満たす電荷蓄積時間の値は、照明の交流点灯周期の倍数(交流点灯周期を含む)であり、従ってフリッカー周期(フリッカー周波数成分の周期)の倍数(フリッカー周期を含む)である。つまり、フリッカー周期(交流点灯周期)が1/100[s]のときには、フリッカーを生じない電荷蓄積時間は、1/100[s],2/100[s],3/100[s],…である。また、フリッカー周期(交流点灯周期)が1/120[s]のときには、フリッカーを生じない電荷蓄積時間は、1/120[s],2/120[s],3/120[s],…である。ただし、これらフリッカーを生じない電荷蓄積時間は、映像信号のフレーム周期以下である必要がある。例えば、電荷蓄積時間がフリッカー周期(交流点灯周期)に等しいとき、図6のように、それぞれの画素に照射される光量は等しくなり、フリッカーを生じない。
【0072】
制御手段5bは、フリッカーを検知しなかったときは、エリアセンサ1の動作モードを撮像モードに切り換える。また、制御手段5bは、フリッカーを検知したときは、エリアセンサ1の電荷蓄積時間をフリッカーの生じないフリッカー周期の倍数に設定し、エリアセンサ1の動作モードを撮像モードに切り換える。例えば、制御手段5bは、100[Hz]のフリッカー周波数成分を検知するフリッカー検知手段5aによってフリッカーを検知したとき、エリアセンサ1の電荷蓄積時間を、フリッカー周期と同じ1/100[s]に設定し、エリアセンサ1の動作モードを撮像モードに切り換える。
【0073】
撮像モードにおいては、信号レベル検知手段5iは、積算手段6による映像信号の積算値と、あらかじめ設定された基準値範囲とを比較し、上記の積算値が基準値範囲よりも大きいときは露出過多であるとし、上記の積算値が基準値範囲よりも小さいときは露出不足であるとし、比較結果を制御手段5bに送る。制御手段5bは、露出過不足のときには、上記の積算値が基準値範囲となるように(映像信号のレベルが一定になるように)、エリアセンサ1の電荷蓄積時間を調整し、必要に応じて利得調整手段3の信号利得を調整する。
【0074】
フリッカーが検知されなかったあとの撮像モードにおいては、電荷蓄積時間を連続的に調整することができるため、映像信号レベルの調整は、エリアセンサ1の電荷蓄積時間を調整すれば足り、電荷蓄積時間によって調整できないときにのみ、利得調整手段3の利得を調整する。
【0075】
しかし、フリッカーが検知されたあとの撮像モードにおいては、電荷蓄積時間はフリッカー周期の倍数に設定する必要があり、電荷蓄積時間は離散的な値でしか調整することができない。このため、分解能の荒い露出制御となってしまい、電荷蓄積時間が切り換えられたときの画像が不自然なものになってしまう。
【0076】
そこで、制御手段5bは、フリッカーが検知されたあとの撮像モードにおいては、図7および図8のようにエリアセンサ1の電荷蓄積時間Tおよび利得制御手段3の信号利得Gを制御する。図7はフリッカー周波数成分が100[Hz]となる照明(商用周波数50[Hz]の照明)下での電荷蓄積時間Tおよび信号利得Gの制御を説明する図であり、(a)は被写体照度Lに対するエリアセンサ1の電荷蓄積時間Tの設定値、(b)は被写体照度Lに対する利得調整手段3の信号利得Gの設定値である。また、図8はフリッカー周波数成分が120[Hz]となる照明(商用周波数60[Hz]の照明)下での電荷蓄積時間Tおよび信号利得Gの制御を説明する図であり、(a)は被写体照度Lに対するエリアセンサ1の電荷蓄積時間Tの設定値、(b)は被写体照度Lに対する利得調整手段3の信号利得Gの設定値である。
【0077】
フリッカーを生じる照明下での撮像モードでは、図7(a)および図8(a)のように、被写体照度Lに対して電荷蓄積時間Tを不連続の値でしか制御できないため、同じ値の電荷蓄積時間Tが設定される被写体照度Lの範囲内において、図7(b)および図8(b)のように、信号利得Gの値を連続的に変化させることによって不連続な露出制御を補い、映像信号のレベルを一定に保持する。図7および図8のように電荷蓄積時間Tおよび信号利得Gを制御することによって、被写体の明るさがいかなるときでも不連続のない一定レベルの映像信号を得ることができる。
【0078】
フリッカーを生じる照明下での電荷蓄積時間Tおよび信号利得Gの設定値の組合せの一覧は、LUT5hとして演算手段5内にあらかじめ設けられている。図9はLUT5hの構造図であり、(a)は商用周波数50[Hz]の照明下でのLUT5hの構成、(b)は商用周波数60[Hz]の照明下でのLUT5hの構成である。制御手段5bは、信号レベル検知手段5iからの映像信号の積算値(積算手段6による積算値)と基準値範囲との比較結果に従って、LUT5hを参照し、LUT5hに従って電荷蓄積時間Tおよび信号利得Gを設定する。
【0079】
例えば、フリッカー検知手段5aが100[Hz]のフリッカー周波数成分を検知するものであるとき、LUT5hの初期参照アドレスをn=4とすると、制御手段5bは、フリッカーを検知すると、LUT5hのアドレスn=4を参照し、エリアセンサ1の電荷蓄積時間Tを1/100[s]に設定するとともに、利得調整手段3の信号利得Gを5(最大値)に設定する。この初期設定において、映像信号の積算値が基準値範囲よりも大きければ、制御手段5bは、参照アドレスnをデクリメントし(n=3)、LUT5hのアドレスn=3を参照し、利得調整手段3の信号利得Gを4に変更する。この設定においても、上記映像信号の積算値が基準値範囲よりも大きければ、制御手段5bは、参照アドレスnをさらにデクリメントし(n=2)、LUT5hのアドレスn=2を参照し、利得調整手段3の信号利得Gを3に変更する。また、上記の初期設定において、映像信号の積算値が基準値範囲よりも小さければ、制御手段5bは、参照アドレスnをインクリメントし(n=5)、LUT5hのアドレスn=5を参照し、利得調整手段3の信号利得Gを2(最小値)に変更するとともに、エリアセンサ1の電荷蓄積時間Tを2/100[s]に変更する。このように、図7および図8の電荷蓄積時間Tおよび信号利得Gの設定値を、図9のようにLUT5hとして演算手段5内に設けておくことにより、露出制御および信号利得制御が容易になる。
【0080】
このように実施の形態1によれば、同じラインの全てのPDの電荷蓄積を同時に開始させるとともにラインごとに順次電荷蓄積を開始させ、同じラインの全てのPDに蓄積された電荷を同時に加算して読み出すことにより、それぞれのラインの加算された撮像信号をエリアセンサ1から順次出力させ、ラインごとの加算された映像信号からフリッカーを検知し、フリッカーを検知した場合には、電荷蓄積時間をフリッカー周期の倍数(フリッカー周期)に設定することにより、電荷蓄積タイミングが画素ごとに異なる撮像エリアセンサにおいてフレーム内に生じるフリッカーを検知でき、このフリッカーを除去することができる。
【0081】
なお、信号レベル検知手段5iによる映像信号レベルの検知結果に従って、LUT5hの参照アドレスをインクリメントまたはデクリメントする方法は、映像信号レベルの制御方法の一例であり、他の方法によってLUT5hを参照することも可能である。また、上記実施の形態1では、フリッカー検知モードにおいて、同じラインの全てのPDの蓄積電荷を加算して読み出したが、同じラインのPDの内の所定の複数個のPDの蓄積電荷を加算して読み出すようにしても、フリッカーを検知できる。また、利得調整手段3または前置信号処理手段2から出力されたアナログの映像信号(ラインごとの加算された映像信号)をフリッカー検知手段5aに入力する構成とすることも可能であり、特定周波数検出手段5c、比較手段5dをアナログ回路によって実現することも可能である。これらの場合には、フリッカー検知手段5aにA/Dコンバータを設ける必要がある。
【0082】
実施の形態2.
実施の形態2の撮像装置は、上記実施の形態1の撮像装置において、演算手段5の構成を変更したものである。図10は本発明の実施の形態2の撮像装置における演算手段5の構成図である。なお、図10において、図1と同じものには同じ符号を付してある。
【0083】
図10のように、実施の形態2の演算手段5は、フリッカー検知手段5jと、制御手段5bと、LUT5hと、信号レベル検知手段5iとを有する。フリッカー検知手段5jは、特定周波数検出手段5c,5kと、比較手段5dとによって構成される。
【0084】
特定周波数検出手段5cは、ラインごとの加算された映像信号からフリッカー周波数成分(100[Hz]または120[Hz]の周波数成分)を検出し、特定周波数検出手段5kは、上記の映像信号から上記フリッカー周波数成分以外の周波数成分を検出する。特定周波数検出手段5kは、例えば特定周波数検出手段5c(図3参照)と同じようにBPFおよび積算手段によって実現できる。
【0085】
比較器5dは、特定周波数検出手段5cによって検出されたフリッカー周波数成分(第1の周波数成分)の値と、特定周波数検出手段5kによって検出されたフリッカー周波数成分でない周波数成分(第2の周波数成分)の値とを比較し、第1の周波数成分が第2の周波数成分よりも所定値以上大きいとき、フリッカーを検知したものとする。
【0086】
このように実施の形態2によれば、フリッカー周波数成分(第1の周波数成分)を検出する特定周波数検出手段5cの他に、フリッカー周波数成分でない周波数成分(第2の周波数成分)を検出する特定周波数検出手段5kを設け、比較器5dにおいてそれぞれの波数成分の値を比較し、第1の周波数成分が第2の周波数成分よりも所定値以上大きいときフリッカーを検知したものとすることにより、フリッカー検知手段を簡単な構成で実現できる。
【0087】
実施の形態3.
実施の形態3の撮像装置は、上記実施の形態1の撮像装置において、演算手段5の構成を変更したものである。図11は本発明の実施の形態3の撮像装置における演算手段5の構成図である。なお、図11において、図1と同じものには同じ符号を付してある。
【0088】
図11のように、実施の形態3の演算手段5は、フリッカー検知手段5mと、制御手段5bと、LUT5hと、信号レベル検知手段5iとを有する。フリッカー検知手段5mは、特定周波数検出手段5c,5nと、比較手段5d,5pと、基準値設定手段5eとによって構成される。
【0089】
特定周波数検出手段5cは、ラインごとの加算された映像信号から100[Hz]のフリッカー周波数成分を検出し、特定周波数検出手段5nは、上記の映像信号から120[Hz]の周波数成分を検出する。
【0090】
比較手段5dは、特定周波数検出手段5cによって検出された100[Hz]のフリッカー周波数成分(第1のフリッカー周波数成分)の値と、基準値設定手段5eの基準値とを比較し、第1のフリッカー周波数成分が基準値よりも大きいとき、商用周波数50[Hz]の照明によるフリッカー周期1/100[s]のフリッカーを検知したものとする。また、比較手段5pは、特定周波数検出手段5nによって検出された120[Hz]のフリッカー周波数成分(第2のフリッカー周波数成分)の値と、基準値設定手段5eの基準値とを比較し、第1のフリッカー周波数成分が基準値よりも大きいとき、商用周波数60[Hz]の照明によるフリッカー周期1/120[s]のフリッカーを検知したものとする。
【0091】
この実施の形態3では、LUT5hには、図9(a)の商用周波数50[Hz]用のテーブル、および図9(b)の商用周波数60[Hz]用のテーブルが設けられている。制御手段5bは、フリッカー周期1/100[s]のフリッカーが検知されたときには、LUT5hの商用周波数50[Hz]用のテーブルを参照してエリアセンサ1の電荷蓄積時間および利得制御手段3の信号利得を設定し、フリッカー周期1/100[s]のフリッカーが検知されたときには、LUT5hの商用周波数50[Hz]用のテーブルを参照してエリアセンサ1の電荷蓄積時間および利得制御手段3の信号利得を設定する。
【0092】
このように実施の形態3によれば、100[Hz]のフリッカー周波数成分(第1のフリッカー周波数成分)を検出する特定周波数検出手段5cと、120[Hz]のフリッカー周波数成分(第2のフリッカー周波数成分)を検出する特定周波数検出手段5nと、第1のフリッカー周波数成分を基準値と比較する比較器5dと、第2のフリッカー周波数成分を基準値と比較する比較器5pとを設け、、第1のフリッカー周波数成分が基準値より大きいとき、フリッカー周期1/100[s]のフリッカーを検知したものとし、第2のフリッカー周波数成分が基準値より大きいとき、フリッカー周期1/120[s]のフリッカーを検知したものとすることにより、簡単な構成で、商用周波数50[Hz]の照明下で生じるフリッカーおよび商用周波数60[Hz]の照明下で生じるフリッカーの両方を検知できるとともに、いずれの商用周波数によるフリッカーが生じているかを判別することができる。
【0093】
実施の形態4.
上記実施の形態1の演算手段5は、マイコンなど用いて実現することができる。以下に説明する実施の形態4の撮像装置は、上記実施の形態1の撮像装置において、演算手段5をマイコンを用いて実現したものである。図12は本発明の実施の形態4の撮像装置における演算手段5の構成図である。
【0094】
図11のように、実施の形態4のマイコンによる演算手段5は、CPU5qと、ROM5rとを有する。CPU5qは、図1のフリッカー検知手段5a(基準値設定手段5eを除く)、制御手段5b、および信号レベル検知手段5iに相当する。ROM5rには、基準値設定手段5eによる基準値、およびLUT5hのデータが記録されている。また、ROM5rには、フリッカー検知手段5aによるフリッカー検知手順、信号レベル検知手段5iによる信号レベル検知手順、および制御手段5bによる制御手順のプログラムが記憶されている。
【0095】
このように実施の形態4によれば、演算手段5をマイコンによって実現することにより、演算手段5を簡単な構成で実現できる。
【0096】
実施の形態5.
上記実施の形態1のエリアセンサ1はCMOSにて構成されているため、エリアセンサ1に、前置信号処理手段2、利得調整手段3、A/Dコンバータ4などの回路を内蔵させることも技術的に可能である。実施の形態5の撮像装置は、上記実施の形態1の撮像装置において、エリアセンサ1に上記の回路を内蔵させたものである。図13は本発明の実施の形態5の撮像装置の構成図である。また、図14は図13のエリアセンサ11の構成図である。図13および図14において、図1または図2と同じものには、同じ符号を付してある。
【0097】
図13のように、実施の形態5の撮像装置は、エリアセンサ11と、演算手段5と、積算手段6と、信号処理手段8とを備えている。また、図14のように、エリアセンサ11は、画素アレイ11aと、垂直シフトレジスタ1qと、水平シフトレジスタ1rと、駆動パルス発生手段1tと、前置信号処理手段2と、利得調整手段3と、A/Dコンバータ4と、レジスタファイル11hと、入力端子11iと、レジスタ値入力端子11jと、出力端子11kとを有する。画素アレイ11aは、図2のエリアセンサ1のPD(1a,1b,1c,1d,…)、増幅器(1e,1f,1g,1h,…)、リセット回路(1u,1v,1w,1x,…)、画素選択トランジスタ(1i,1j,1k,1m,…)、および列選択トランジスタ(1n,1p,…)に相当する。
【0098】
入力端子11iは、演算手段5の制御手段5b(図1参照)に接続されている。制御手段5bは、入力端子11iに制御信号を送ることによって、エリアセンサ11の動作モードを撮像モードまたはフリッカー検知モードに切り換えるとともに、電荷蓄積時間を設定する。
【0099】
出力端子11iは、積算手段6、信号処理手段演算手段8、および演算手段4のフリッカー検知手段5a(図1参照)に接続されている。画素アレイ11aから出力された撮像信号は、前置信号処理手段2においてノイズ除去され、利得調整手段3において増幅され、A/Dコンバータ4においてディジタル信号に変換され、出力端子11iから積算手段6、信号処理手段演算手段8、およびフリッカー検知手段5aに入力される。
【0100】
レジスタファイル11hは、利得調整手段3の信号利得値を設定するとともに、A/Dコンバータ4にリファレンス電圧値を供給する。レジスタファイル11hのレジスタ設定は、レジスタ値入力端子11jから入力され、レジスタ値入力端子11jは、演算手段5に接続されている。演算手段5は、利得調整手段3の信号利得を変えたいときは、その信号利得値をレジスタ値入力端子11jに出力し、レジスタファイル11hによって信号利得値を変化させる。
【0101】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の撮像装置によれば、電荷蓄積タイミングが光電変換素子ごとに異なる撮像エリアセンサにおいてフレーム内に生じるフリッカーを容易に検知でき、このフリッカーを除去することができるという効果がある。
【0103】
また、本発明の請求項1または2に記載の撮像装置によれば、フリッカー検知手段を簡単な構成で実現できるという効果がある。
【0104】
また、本発明の請求項3記載の撮像装置によれば、簡単な構成で、商用周波数50[Hz]によるフリッカーおよび商用周波数60[Hz]によるフリッカーの両方を検知することができるとともに、いずれの商用周波数によるフリッカーが生じているかを判別できるという効果がある。
【0105】
また、本発明の請求項4記載の撮像装置によれば、特定周波数検出手段を簡単な構成で実現することができるという効果がある。
【0106】
また、本発明の請求項5記載の撮像装置によれば、フリッカーを除去でき、かつ映像信号レベルをスムーズに調整できるという効果がある。
【0107】
また、本発明の請求項6記載の撮像装置によれば、フリッカーの生じない電荷蓄積時間および信号の利得値をLUT化しておくことで、フリッカーを検知したあとの第1のモードでの電荷蓄積時間および信号利得の制御が容易になるという効果がある。
【0108】
また、本発明の請求項8記載の撮像装置によれば、フリッカーの生じない電荷蓄積時間および信号の利得値をLUT化しておくことで、フリッカーを検知したあとの第1のモードでの電荷蓄積時間および信号利得の制御が容易になるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1の撮像装置の構成図である。
【図2】 図1のエリアセンサの構成図である。
【図3】 図1の特定周波数検出手段の構成図である。
【図4】 図2のエリアセンサ内のある1列のPDによる撮像信号に含まれるフリッカー周波数成分の波形図である。
【図5】 フリッカーが生じるときの図2のエリアセンサの電荷蓄積時間を説明する図である。
【図6】 フリッカーを生じないときの図2のエリアセンサの電荷蓄積時間を説明する図である。
【図7】 図1の撮像装置においてフリッカー周波数成分が100[Hz]となる照明(商用周波数50[Hz]の照明)下での電荷蓄積時間および信号利得の制御を説明する図である。
【図8】 図1の撮像装置においてフリッカー周波数成分が120[Hz]となる照明(商用周波数60[Hz]の照明)下での電荷蓄積時間および信号利得の制御を説明する図である。
【図9】 図1のLUTの構造図である。
【図10】 本発明の実施の形態2の撮像装置における演算手段の構成図である。
【図11】 本発明の実施の形態3の撮像装置における演算手段の構成図である。
【図12】 本発明の実施の形態4の撮像装置における演算手段の構成図である。
【図13】 本発明の実施の形態5の撮像装置の構成図である。
【図14】 図13のエリアセンサの構成図である。
【図15】 CCDエリアセンサを備えた従来の撮像装置の構成図である。
【図16】 CCDエリアセンサの原理図である。
【図17】 CCDエリアセンサにおいてフリッカーを生じる原理を説明する図である。
【図18】 CCDエリアセンサにおけるフリッカーの抑圧方法を説明する図である。
【図19】 従来のCMOSエリアセンサの構成図である。
【図20】 図19のエリアセンサの走査を説明する図である。
【図21】 図19のエリアセンサにおいてフリッカーを生じる原理を説明する図である。
【図22】 図19のエリアセンサでフリッカーを生じているときのラインごとの信号レベルを示す図である。
【図23】 図19のエリアセンサによるフリッカーを生じた画面を示す図である。
【符号の説明】
1 エリアセンサ、 1a,1b,1c,1d 光電変換素子(フォトダイオード)、 1e,1f,1g,1h 増幅器、 1i,1j,1k,1m,1n,1p トランジスタ、 1q 垂直シフトレジスタ、 1r 水平シフトレジスタ、 1s 出力端子、 1t 駆動パルス発生手段、 1u,1v,1w,1x リセット回路、 2 前置信号処理手段、 3 利得調整手段、 4 A/Dコンバータ、 5 演算手段、 5a,5i,5m フリッカー検知手段、5b 制御手段、 5c,5k,5n 特定周波数検出手段、 5d,5p 比較手段、 5e 基準値設定手段、 5f BPF、 5g 積算手段、 5h LUT、 5q CPU、 5r ROM、 6 積算手段、 7 出力端子、 8 信号処理手段、 11 エリアセンサ、 11a 画素アレイ、 11h レジスタファイル、 11i 入力端子、 11j レジスタ値入力端子、 11k 出力端子。
Claims (6)
- 光電変換素子を個別にリセットし、電荷蓄積を開始させるリセット手段と、光電変換素子に蓄積された電荷を個別に読み出し、外部に出力する読み出し手段と、上記リセット手段および上記読み出し手段を駆動し、それぞれの光電変換素子の電荷蓄積の開始タイミングおよび読み出しタイミングを制御する駆動手段とを有し、撮像時の電荷蓄積タイミングが光電変換素子ごとに異なり、光電変換素子の電荷蓄積時間を調整できる撮像エリアセンサと、
映像信号からフリッカーを検知するフリッカー検知手段と、
上記駆動手段を制御する制御手段と
を備え、
上記駆動手段は、
第1のモードのときに、光電変換素子ごとに順次電荷蓄積を開始させ、蓄積された電荷を順次読み出し、それぞれの光電変換素子による信号を順次出力させ、第2のモードのときに、同じラインの複数の光電変換素子(同じラインの全ての光電変換素子を含む)の電荷蓄積を同時に開始させるとともに、ラインごとに順次電荷蓄積を開始させ、上記複数の光電変換素子に蓄積された電荷を同時に加算して読み出し、それぞれのラインの加算された信号を順次出力させる2つの駆動モードを有し、
上記制御手段は、
上記撮像エリアセンサを上記第2のモードで動作させ、フリッカーが検知された場合に、上記撮像エリアセンサの上記電荷蓄積時間をフリッカー周期の倍数(フリッカー周期を含む)に設定し、上記撮像エリアセンサを上記第1のモードで動作させ、
上記フリッカー検知手段は、
第2のモードでの映像信号からフリッカー周波数成分を検出する周波数検出手段と、
上記フリッカー周波数成分の信号レベルとあらかじめ設定された基準値とを比較する比較手段とを有し、
上記フリッカー周波数成分が上記基準値よりも大きいとき、フリッカーを検知したものとする
ことを特徴とする撮像装置。 - 光電変換素子を個別にリセットし、電荷蓄積を開始させるリセット手段と、光電変換素子に蓄積された電荷を個別に読み出し、外部に出力する読み出し手段と、上記リセット手段および上記読み出し手段を駆動し、それぞれの光電変換素子の電荷蓄積の開始タイミングおよび読み出しタイミングを制御する駆動手段とを有し、撮像時の電荷蓄積タイミングが光電変換素子ごとに異なり、光電変換素子の電荷蓄積時間を調整できる撮像エリアセンサと、
映像信号からフリッカーを検知するフリッカー検知手段と、
上記駆動手段を制御する制御手段と
を備え、
上記駆動手段は、
第1のモードのときに、光電変換素子ごとに順次電荷蓄積を開始させ、蓄積された電荷を順次読み出し、それぞれの光電変換素子による信号を順次出力させ、第2のモードのときに、同じラインの複数の光電変換素子(同じラインの全ての光電変換素子を含む)の電荷蓄積を同時に開始させるとともに、ラインごとに順次電荷蓄積を開始させ、上記複数の光電変換素子に蓄積された電荷を同時に加算して読み出し、それぞれのラインの加算された信号を順次出力させる2つの駆動モードを有し、
上記制御手段は、
上記撮像エリアセンサを上記第2のモードで動作させ、フリッカーが検知された場合に、上記撮像エリアセンサの上記電荷蓄積時間をフリッカー周期の倍数(フリッカー周期を含む)に設定し、上記撮像エリアセンサを上記第1のモードで動作させ、
上記フリッカー検知手段は、
第2のモードでの映像信号からフリッカー周波数成分である第1の周波数成分を検出する第1の周波数検出手段と、
上記撮像信号からフリッカー周波数成分でない第2の周波数成分を検出する第2の周波数検出手段と、
第1の周波数成分の信号レベルと第2の周波数成分の信号レベルとを比較する比較手段とを有し、
第1の周波数成分が第2の周波数成分よりも所定値以上大きいとき、フリッカーを検知したものとする
ことを特徴とする撮像装置。 - 光電変換素子を個別にリセットし、電荷蓄積を開始させるリセット手段と、光電変換素子に蓄積された電荷を個別に読み出し、外部に出力する読み出し手段と、上記リセット手段および上記読み出し手段を駆動し、それぞれの光電変換素子の電荷蓄積の開始タイミングおよび読み出しタイミングを制御する駆動手段とを有し、撮像時の電荷蓄積タイミングが光電変換素子ごとに異なり、光電変換素子の電荷蓄積時間を調整できる撮像エリアセンサと、
映像信号からフリッカーを検知するフリッカー検知手段と、
上記駆動手段を制御する制御手段と
を備え、
上記駆動手段は、
第1のモードのときに、光電変換素子ごとに順次電荷蓄積を開始させ、蓄積された電荷を順次読み出し、それぞれの光電変換素子による信号を順次出力させ、第2のモードのときに、同じラインの複数の光電変換素子(同じラインの全ての光電変換素子を含む)の電荷蓄積を同時に開始させるとともに、ラインごとに順次電荷蓄積を開始させ、上記複数の光電変換素子に蓄積された電荷を同時に加算して読み出し、それぞれのラインの加算された信号を順次出力させる2つの駆動モードを有し、
上記制御手段は、
上記撮像エリアセンサを上記第2のモードで動作させ、フリッカーが検知された場合に、上記撮像エリアセンサの上記電荷蓄積時間をフリッカー周期の倍数(フリッカー周期を含む)に設定し、上記撮像エリアセンサを上記第1のモードで動作させ、
上記フリッカー検知手段は、
上記第2のモードでの映像信号から第1のフリッカー周波数成分を検出する第1の周波数検出手段と、
上記映像信号から第2のフリッカー周波数成分を検出する第2の周波数検出手段と、
上記第1のフリッカー周波数成分の信号レベルとあらかじめ設定された基準値とを比較する第1の比較手段と、
上記第2の周波数成分の信号レベルと上記基準値とを比較する第2の比較手段とを有し、
第1のフリッカー周波数成分が上記基準値よりも大きいとき、第1の周波数のフリッカーを検知したものとし、第2のフリッカー−周波数成分が上記基準値よりも大きいとき、第2の周波数のフリッカーを検知したものとする
ことを特徴とする撮像装置。 - 上記周波数検出手段は、
フリッカー周波数成分のみを通過させるバンドパスフィルタと、
上記バンドパスフィルタの出力信号を積算する積算手段と
を有する
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一つに記載の撮像装置。 - 光電変換素子を個別にリセットし、電荷蓄積を開始させるリセット手段と、光電変換素子に蓄積された電荷を個別に読み出し、外部に出力する読み出し手段と、上記リセット手段および上記読み出し手段を駆動し、それぞれの光電変換素子の電荷蓄積の開始タイミングおよび読み出しタイミングを制御する駆動手段とを有し、撮像時の電荷蓄積タイミングが光電変換素子ごとに異なり、光電変換素子の電荷蓄積時間を調整でき る撮像エリアセンサと、
映像信号からフリッカーを検知するフリッカー検知手段と、
上記駆動手段を制御する制御手段と
を備え、
上記駆動手段は、
第1のモードのときに、光電変換素子ごとに順次電荷蓄積を開始させ、蓄積された電荷を順次読み出し、それぞれの光電変換素子による信号を順次出力させ、第2のモードのときに、同じラインの複数の光電変換素子(同じラインの全ての光電変換素子を含む)の電荷蓄積を同時に開始させるとともに、ラインごとに順次電荷蓄積を開始させ、上記複数の光電変換素子に蓄積された電荷を同時に加算して読み出し、それぞれのラインの加算された信号を順次出力させる2つの駆動モードを有し、
上記制御手段は、
上記撮像エリアセンサを上記第2のモードで動作させ、フリッカーが検知された場合に、上記撮像エリアセンサの上記電荷蓄積時間をフリッカー周期の倍数(フリッカー周期を含む)に設定し、上記撮像エリアセンサを上記第1のモードで動作させ、
上記撮像エリアセンサによる映像信号の利得を調整する利得調整手段と、
上記利得調整された映像信号を積算する積算手段と、
上記映像信号の積算値が所定の範囲内にあるか否かを判別する信号レベル判別手段と
をさらに備え、
上記制御手段は、フリッカーが検知されたときの第1のモードでの撮像動作において、上記映像信号の積算値が上記所定の範囲内になるように上記電荷蓄積時間および上記利得調整手段の信号利得を制御する
ことを特徴とする撮像装置。 - フリッカーが検知されたときの第1のモードでの撮像動作において設定可能な電荷蓄積時間および上記信号利得の組合せを一覧にしたルックアップテーブルをさらに備え、
上記制御手段は、フリッカーが検知されたときの第1のモードでの撮像動作において、上記ルックアップテーブルを参照して上記電荷蓄積時間および上記信号利得を制御する
ことを特徴とする請求項5記載の撮像装置。
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