JP3689902B2 - 車椅子用ブリッジ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば、鉄道車両やバス等の乗物とプラットホーム等の隙間や凹み等を形成する対象物に掛け渡されて、車椅子の走行を可能にする車椅子用ブリッジに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年では、車椅子の使用をより安全かつ便利にするための福祉の改善が活発に行われており、例えば建物の階段や段差のある場所には、車椅子用のスロープが設けられて、車椅子の走行を安全かつ便利にしている。また、建物以外の鉄道車両(電車)やバス等の乗物においても、乗物との間に車椅子の幅より大きな寸法の板状のブリッジを掛け渡すなどして、車椅子自体の走行を可能にしている。例えば、駅では、駅員が、到着した電車の扉が開いた出入口とプラットホーム(以下にホームという)との間にブリッジを掛け渡して車椅子の走行部を確保し、車椅子の車両内への移動、あるいは車両からホームへの移動が終わった後にブリッジを取り外している。このブリッジの掛け渡し、取外し作業は、電車の停車時間内に手際よく行う必要がある。なお、ブリッジの端部には、ブリッジ自体の段差をなくすためにスロープが設けられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、板状のブリッジを単に車両とホームとに掛け渡すのみでは、ホーム側はスロープにより段差は無くなるが、車両側には扉のレールが存在するため、ブリッジの端部がレールに乗り上げて、ガタツキの生じ易い不安定な状態となるばかりか、車両の床面との間に段差が生じるという問題があった。また、ブリッジは、車椅子の幅より大きな寸法の板状であると、使用する場所までの運搬が大変である上、不使用時の保管に多くのスペースをとるという問題もあった。また、電車以外の例えばバス等の乗物の乗り降りやその他、隙間や凹み等を形成する対象物においても同様の問題が生じていた。
【0004】
この発明は、上記事情に鑑みなされたもので、隙間や凹み等を形成する対象物例えば車両等の乗物とホームへの掛け渡し状態を段差なく安定にして、車椅子の走行を安全に行えるようにすることを第1の目的し、また、使用場所への運搬及び保管を容易にすることを第2の目的とする車椅子用ブリッジを提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、隙間や凹み等を形成する対象物に掛け渡されて、車椅子の走行を可能にする車椅子用ブリッジであって、 一対の表面板と、これら表面板間に介在されるコア材とからなるブリッジパネルと、 上記ブリッジパネルの両端側に突設される外方に向かって下り勾配をなす固定スロープと、 上記ブリッジパネルの一端側に突設されて上記対象物に設けられた凸部に係止する係止部材と、 上記ブリッジパネルの一端側の上記固定スロープに、一端部が高さ調整可能に装着され、他端部が上記対象物の一方の上面に載置可能な可動スロープと、を具備してなり、 上記可動スロープの一端部と固定スロープの下面部とを、それぞれに対して回転可能に枢着されるベルクランクを介して連結してなる、ことを特徴とする。
【0006】
この発明において、上記ブリッジパネルは、アルミニウム製の一対の表面板とコア材とをろう付けあるいは接着してなるサンドイッチパネルにて形成する方が好ましく、更に好ましくは、コア材を多数の筒体にて形成するかあるいはハニカム状の中空コア材にて形成する方がよい。また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明におけるベルクランクに代えて、上記可動スロープに対して回転可能に枢着され、固定スロープに対して高さ方向に移動可能に装着されるリンクを介して、可動スロープとブリッジパネルを高さ調整可能に連結することを特徴とする
【0007】
このように構成することにより、ブリッジパネルの一端に設けられた係止部材を隙間や凹み等を形成する対象物に設けられた凸部に係止させて両対象物に掛け渡すことができるので、ガタツキのない安定した状態に掛け渡すことができる。また、可動スロープの一端部が高さ調整可能に装着され、他端部が対象物の一方の上面に載置されることで、一方の対象物の上面とブリッジパネルとの間、及びブリッジパネルと他方の対象物の上面との間に段差をなくすことができる。したがって、車椅子の走行を安全にすることができる。
【0008】
請求項記載の発明は、請求項1又は2記載の車椅子用ブリッジにおいて、 上記ブリッジパネルの表面に、滑り止め部を形成してなることを特徴とする。この場合、滑り止め部を、ブリッジパネルの表面を凹凸状にして直接形成してもよいが、好ましくは、例えば粗い表面を有する滑り止めテープを例えばブリッジパネルの掛け渡し方向と直交する方向に適宜間隔をおいて貼着して滑り止め部を形成する方がよい。
【0009】
このように構成することにより、ブリッジパネル上での車椅子のスリップを防止することができると共に、車椅子の補助者(介護者)が歩行する際のスリップを防止することができるので、更に安全面の向上が図れる。
【0010】
請求項記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の車椅子用ブリッジにおいて、 上記ブリッジパネルの両側辺に、頂部に断面円弧状の膨隆頭部を有するガード壁を立設してなることを特徴とする。
【0011】
このように構成することにより、ガード壁によって車椅子の車輪がブリッジパネルから脱輪するのを防止することができるので、更に安全面の向上が図れる。また、ガード壁の頂部に断面円弧状の膨隆頭部を形成することにより、ブリッジを取り扱う際に手を傷付けたり衣服が引っ掛かるのを防止することができる
【0012】
請求項の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の車椅子用ブリッジにおいて、 上記ブリッジパネルを、丁番を介して折り畳み可能なそれぞれが対象物に掛け渡される一対の矩形状のブリッジ半体にて形成し、 上記両ブリッジ半体の自由端側に、ブリッジ半体を折り畳み状態に保持する留め具を設け、 上記ブリッジ半体の側部に、運搬用の取手を装着してなる、ことを特徴とする。この場合、留め具として、各ブリッジ半体に取り付けられて互いに着脱可能な例えば面ファスナーあるいはスナップ係合するバンド等を使用することができる。
【0013】
このように構成することにより、一対のブリッジ半体を折り畳んで二つ折りにすることができると共に、留め具にて折り畳み状態を保持することができる。また、折り畳んだ状態で、取手をもって運搬することができる。したがって、運搬が容易であり、また、保管スペースを少なくすることができるので、保管が便利である。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明の車椅子用ブリッジの実施形態について、添付図面に基づいて詳細に説明する。ここでは、車椅子用ブリッジを、隙間を形成する電車とホームに掛け渡して使用する場合について説明する。
【0015】
◎第一実施形態
図1は、この発明の車椅子用ブリッジの第一実施形態の折り畳み状態を示す斜視図、図2は、上記車椅子用ブリッジの使用状態を示す平面図、図3は、図2の一部を示す底面図、図4は、図2のIV−IV線に沿う拡大断面図である。
【0016】
上記車椅子用ブリッジ1(以下にブリッジ1という)は、電車2の出入口の床面5(上面)とホーム3とに掛け渡されるブリッジパネル10と、ブリッジパネル10の電車側及びホーム側の両端部に突設される固定スロープ20と、ブリッジパネル10の電車側端部に突設されて電車2の扉(図示せず)の案内レール4(凸部)に係止する係止部材30と、ブリッジパネル10の電車側端部に突設される固定スロープ20の先端部に高さ調整可能に装着される可動スロープ40とで主要部が構成されている。
【0017】
この場合、上記ブリッジパネル10は、車椅子(図示せず)の幅寸法(具体的には両車輪の距離)より大きく形成され、かつ電車2の出入口よりやや小さい寸法に形成されており、丁番11を介して折り畳み可能な一対の矩形状のブリッジ半体12にて形成されている。このブリッジ半体12は、図4に示すように、一対のアルミニウム製表面板13と、これら表面板13間に介在されるアルミニウム製の多数の円筒単体14aにて形成される中空コア材14とをろう付けあるいは接着してなるサンドイッチパネルにて形成されている。なお、中空コア材14は必ずしも多数の円筒単体14aからなるものである必要はなく、円筒単体14aに代えてハニカムコアを用いてもよい。
【0018】
また、ブリッジ半体12における丁番11の取付部と反対の自由端側には、互いに係脱可能な留め具50が設けられている。この場合、留め具50は、各ブリッジ半体12に取り付けられて互いに着脱可能な例えば面ファスナーにて形成されている。また、一方のブリッジ半体12の自由端側部には、運搬用の取手60が装着されている。したがって、図1に示すように、折り畳まれたブリッジ半体12を留め具50で保持することができ、折り畳まれた状態で取手60をもって運搬することができる。
【0019】
また、ブリッジ半体12の表面には、滑り止め部70が形成されている。この場合、滑り止め部70は、粗い表面を有する複数の滑り止めテープ71にて形成されている。つまり、複数の滑り止めテープ71を、ブリッジパネル(ブリッジ半体12)の掛け渡し方向と直交する方向に適宜間隔をおいて貼着することによって、滑り止め部70が形成されている。
【0020】
一方、上記固定スロープ20は、アルミニウム製の中空押出形材にて形成されており、図6に示すように、ブリッジ半体12の端部を嵌挿する断面コ字状の嵌挿溝部21と、この嵌挿溝部21の下片21aから外方に延在する下部水平片22と、嵌挿溝部21の上片21bから先端に向かって下り勾配の傾斜片23と、嵌挿溝部21の垂直片21cと下部水平片22及び傾斜片23とで形成される三角状中空部24を区画すべく下部水平片22と傾斜片23に連結される複数(図面では2個の場合を示す)の仕切片25とで構成されている。なお、垂直片21cと仕切片25には、断面C字状のビスポケット26が長手通しに形成されている。また、傾斜片23の表面には、固定スロープ20の突出方向と直交する互いに平行な滑り止め用の凹凸細条(図示せず)が設けられている。このように構成される固定スロープ20は、ブリッジ半体12の両端部を嵌挿溝部21内に嵌挿した状態で下片21a及び上片21bとブリッジ半体12とをブラインドリベット27をもって固定することにより、ブリッジ半体12の端部に突設される。
【0021】
また、ブリッジ半体12の外側端部には、ガード壁81を立設した枠材80が装着されている。この枠材80は、アルミニウム製押出形材にて形成されており、図4に示すように、ブリッジ半体の外側端部を嵌挿する断面コ字状の嵌挿溝部82と、この嵌挿溝部82の垂直片82aの上方に延在(立設)されるガード壁81とで構成されている。なお、ガード壁81の頂部には断面円弧状の膨隆頭部83が形成されており、ブリッジ1を取り扱う際に手を傷付けたり衣服が引っ掛かるのを防止している。このこのように構成される枠材80は、嵌挿溝部82内にブリッジ半体12の側端部を嵌挿した状態で嵌挿溝部82の上片82b及び下片82cとブリッジ半体12とをブラインドリベット84をもって固定することにより、ブリッジ半体12に固定されている。また、枠材80は、固定スロープ20のビスポケット26にねじ結合される固定ねじ85をもって固定スロープ20と固定されている(図1、図5参照)。
【0022】
また、上記係止部材30は、図5に示すように、ブリッジパネル10の一端部すなわち電車側端部における両側の上記ガード壁81に固定ねじ32をもって固定される例えばステンレス製の板部材にて形成されており、その先端部に電車2の出入口に配置される扉の案内レール4に係止するフック状の爪部31が設けられている。このように形成される2個の係止部材30の爪部31を案内レール4(凸部)に係止させることにより、ブリッジパネル10(ブリッジ半体12)を電車側に固定することができる。
【0023】
一方、上記可動スロープ40は、図6に示すように、一端に断面C字状の枢支溝41を有する板状基部42の下面2箇所に断面逆T字状の補強リブ43を突出したアルミニウム製押出形材にて形成されている。この可動スロープ40の一端部と、ブリッジパネル10(ブリッジ半体12)の電車側の固定スロープ20の下面側端部とは、それぞれに対して回転可能に枢着されるベルクランク44を介して連結されてている。この場合、ベルクランク44は、図8に示すように、両端部にそれぞれ貫通孔44a,44bを穿設した第1及び第2の枢支部44c,44dを有する略L字状のステンレス製板部材にて形成されている。このように形成されるベルクランク44の一端の第1の枢支部44cは、固定ねじ45をもって固定スロープ20の下面に固着される例えばクロロプレンゴム等の合成ゴム製ブラケット46にステンレス製の第1の枢支ピン47をもって回転可能に枢着され、他端部の第2の枢支部44dは、可動スロープ40の枢支溝41を貫通するステンレス製の第2の枢支ピン48をもって回転可能に枢着されている。
【0024】
なお、ブラケット46は、図7に示すように、上面に取付平坦面46bとこの取付平坦面46bの外方側に連なる段部46cを有し、下面が外方側に向かって下り勾配状の傾斜面46dを有するブラケット本体46aと、このブラケット本体46aの中央部に設けられ、一側方に向かって開口するベルクランク44の挿入溝46eと、この挿入溝46eの基部側に跨って設けられる第1の枢支ピン47の嵌挿孔溝46fと、ブラケット本体46aの下部の傾斜面46dから上部の取付平坦面46bに渡って貫通される2つの段付き取付孔46gとを具備してなる。
【0025】
このように構成されるブラケット46は、ベルクランク44の第1の枢支部44cを貫通する第1の枢支ピン47を嵌挿孔溝46f内に嵌挿した状態で、段付き取付孔46gを貫通する固定ねじ49を固定スロープ20の下面にねじ結合することで、固定スロープ20の下面に固定される。そして、ベルクランク44の第2の枢支部44dに第2の枢支ピン48をもって可動スロープ40の枢支溝41を枢着して可動スロープ40を回転及び高さ調整可能に取り付けることができる。したがって、可動スロープ40は、不使用時には、図6(a)に示すように、固定スロープ20の上面側に重ねて折り畳むことができ、また使用時には、図6(b)に示すように、可動スロープ40を先端側に展開するように回転し、可動スロープ40の先端部を例えば電車の床面5上に載置すると、可動スロープ40の基部側すなわち枢支溝41部の上面が固定スロープ20の上面と略同一面上に位置するので、ブリッジパネル10(ブリッジ半体12)の電車側の掛け渡し部の段差をなくすことができる。
【0026】
上記のように構成されるブリッジ1は、図1に示すように、ブリッジ半体12を折り畳んで留め具50にて折り畳み状態を保持することができ、この状態で取手60をもって運搬することができる。また、使用する場合は、図2に示すように、留め具50の係合を解いた後、両ブリッジ半体12を左右に開いた状態で、電車2の出入口の床面5とホーム3に掛け渡されると共に、係止部材30の爪部31が電車の出入口の案内レール4に係止されて固定される。したがって、ブリッジ1は安定した状態に掛け渡されるので、車椅子の走行を安全にすることができる。また、使用後は、電車2とホーム3から取り外し、両ブリッジ半体12を折り畳んで留め具50にて保持した状態にすることができるので、コンパクトにした状態で運搬することができると共に、保管することができる。
【0027】
◎第二実施形態
図9は、この発明のブリッジの第二実施形態の折り畳み状態を示す斜視図、図10は、第二実施形態のブリッジの使用状態を示す平面図、図11は、図10の側面図、図12は、図10の一部を示す底面図である。
【0028】
第二実施形態において、係止部材30Aは、図9〜図12に示すように、ブリッジパネル10の端部すなわち固定スロープ20の端部下面に垂設されるフロントストッパ33と、このフロントストッパ33との間に、電車2の出入口の扉案内レール4を嵌挿可能な間隔をおいて垂設されるリアストッパ34とで構成されている。この場合、フロントストッパ33は、ブリッジ半体12の両側下部に固定ねじ35をもって固定されており、後述する可動スロープ40のブラケットを兼用している。一方、リアストッパ34は、ブリッジ半体12の中央部における端部すなわち固定スロープ20の端部近傍下面に固定ねじ36をもって固定されるアングル材にて形成されている。このように千鳥状に並列されるフロントストッパ33とリアストッパ34との間に電車2の出入口の扉案内レール4を嵌挿させることによって、ブリッジパネル10を電車側に固定することができる。
【0029】
第二実施形態における可動スロープ40は、図12及び図13に示すように、可動スロープ40に対して回転可能に枢着され、ブリッジパネル10(ブリッジ半体12)に対して高さ方向に移動可能に装着されるリンク90を介して、ブリッジパネル10(ブリッジ半体12)に突設された固定スロープ20の端部に高さ調整可能に連結されている。この場合、リンク90は、図15に示すように、一端部から他端部に向かって延びる長孔90aと、他端部に穿設される貫通孔90bとを具備するステンレス製部材にて形成されている。このように形成されるリンク90は、固定ねじ35をもって固定スロープ20の下面に固着される上記フロントストッパ33を兼用するアルミニウム製のブラケット91に、ステンレス製の支持ピン92を介して高さ方向に摺動(移動)可能に取り付けられ、また、貫通孔90bを貫通する枢支ピン93を可動スロープ40の枢支溝41に貫通することによって、可動スロープ40を回転可能に枢着している。
【0030】
なお、ブラケット91は、図14に示すように、水平の取付片91aとこの取付片91aの先端から直角に折曲する垂下片91bとを有し、垂下片91bの上端に段部91cを形成すると共に、中央部に上下方向及び外方側に開口するリンク挿入溝91dを設け、かつ垂下片91bに、リンク挿入溝91dを横切る貫通孔91eを穿設してなる。
【0031】
このように構成されるブラケット91は、取付片91aに穿設された取付孔91fを貫通する固定ねじ94を固定スロープ20にねじ結合することによって固定スロープ20の下面に固着される。また、貫通孔91eを貫通する支持ピン92を、リンク挿入溝91d内に嵌挿されたリンク90の長孔90aに貫通させて、リンク90を高さ方向に摺動可能に装着する。そして、リンク90の貫通孔90bを貫通する枢支ピン93をもって可動スロープ40の枢支溝41を枢着して可動スロープ40を回転及び高さ調整可能に取り付けることができる。したがって、可動スロープ40は、不使用時には、図13(a)に示すように、固定スロープ20の上面側に重ねて折り畳むことができ、また使用時には、図13(b)に示すように、可動スロープ40を先端側に展開するように回転し、可動スロープ40の先端部を例えば電車の床面5上に載置すると、可動スロープ40の基部側すなわち枢支溝41部の上面が固定スロープ20の上面と略同一面上に位置するので、ブリッジパネル10(ブリッジ半体12)の電車側の掛け渡し部の段差をなくすことができる。
【0032】
一方、第二実施形態における留め具50Aは、図9及び図10に示すように、一方のブリッジ半体12の自由端側部に基端が繋着されるベルト51の先端に装着される受け部材50aと、他方のブリッジ半体12の自由端側部に基端が繋着されるベルト52の先端に装着される受け部材50aに対してスナップ係合及び解除可能な差込部材50bとで構成されており、受け部材50aと差込部材50bとを互いにスナップ係合させて両ブリッジ半体12を折り畳み状態に保持し、受け部材50aと差込部材50bとの係合を解除することにより、両ブリッジ半体12を展開してブリッジパネル10を構成することができる。
【0033】
なお、第二実施形態においてその他の部分は、上記第一実施形態と同じであるので、同一部分には同一符号を付して説明は省略する。
【0034】
上記のように構成されるブリッジ1は、上記第一実施形態と同様に、ブリッジ半体12を折り畳んで留め具50Aにて折り畳み状態を保持することができ、この状態で取手60をもって運搬することができる。また、使用する場合は、図9に示すように、留め具50Aの係合を解いた後、両ブリッジ半体12を左右に開いた状態で、電車2の出入口の床面5とホーム3に掛け渡されると共に、係止部材30Aのフロントストッパ33とリアストッパ34が電車の出入口の案内レール4に係止されて固定される。したがって、ブリッジは安定した状態に掛け渡されるので、車椅子の走行を安全にすることができる。また、使用後は、電車2とホーム3から取り外し、両ブリッジ半体12を折り畳んで留め具50Aにて保持した状態にすることができるので、コンパクトにした状態で運搬することができると共に、保管することができる。
【0035】
◎その他の実施形態
上記第一実施形態と第二実施形態とは、係止部材30,30Aと可動スロープの高さ調整構造と留め具50,50Aの構造が相違する場合について説明したが、これら相違する部分を入れ代えて使用することも可能である。例えば、第一実施形態に、受け部材50aと差込部材50bとからなる係止部材30を使用するなどしてもよい。
【0036】
また、上記実施形態では、電車2とホーム3とに掛け渡されるブリッジ1について説明したが、電車2以外の乗物例えばバスに掛け渡して使用することも可能である。更には、隙間や凹み等を形成する対象物にブリッジ1を掛け渡して車椅子の走行を可能にすることもできる。
【0037】
【発明の効果】
以上に説明したように、この発明の車椅子用ブリッジは、上記のように構成されているので、以下のような効果が得られる。
【0038】
(1)請求項1,2記載の発明によれば、ブリッジパネルの一端に設けられた係止部材を隙間や凹み等を形成する対象物に設けられた凸部に係止させて両対象物に掛け渡すことができるので、ガタツキのない安定した状態に掛け渡すことができる。また、可動スロープの一端部が高さ調整可能に装着され、他端部が対象物の一方の上床面に載置されるので、一方の対象物の上面とブリッジパネルとの間、及びブリッジパネルと他方の対象物の上面との間に段差をなくすことができる。したがって、車椅子の走行を安全にすることができる。
【0039】
(2)請求項記載の発明によれば、ブリッジパネルの表面に滑り止め部を形成することにより、ブリッジパネル上での車椅子のスリップを防止することができると共に、車椅子の補助者(介護者)が歩行する際のスリップを防止することができるので、上記(1)に加えて更に安全面の向上が図れる。
【0040】
(3)請求項記載の発明によれば、頂部に断面円弧状の膨隆頭部を有するガード壁によって車椅子の車輪がブリッジパネルから脱輪するのを防止することができので、上記(1)、(2)に加えて更に安全面の向上が図れる。
【0041】
(4)請求項の発明によれば、丁番を介して折り畳み可能なそれぞれが対象物に掛け渡される一対の矩形状のブリッジ半体を折り畳んで二つ折りにすることができると共に、留め具にて折り畳み状態を保持することができる。また、折り畳んだ状態で、取手をもって運搬することができるので、運搬が容易であり、また、保管スペースを少なくすることができるので、保管が便利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の車椅子用ブリッジの第一実施形態の折り畳み状態を示す斜視図である。
【図2】 上記車椅子用ブリッジの使用状態を示す平面図である。
【図3】 図2の一部を示す底面図である。
【図4】 図2のIV−IV線に沿う断面図である。
【図5】 第一実施形態における係止部材を示す斜視図である。
【図6】 第一実施形態における可動スロープの折り畳み状態(a)及び展開状態(b)を示す断面図である。
【図7】 第一実施形態におけるブラケットの平面図(a)、同底面図(b)、同側面図(c)及び(a)のVII−VII線に沿う断面図(d)である。
【図8】 第一実施形態におけるベルクランクを示す斜視図ある。
【図9】 この発明の車椅子用ブリッジの第二実施形態の折り畳み状態を示す斜視図である。
【図10】 第二実施形態における車椅子用ブリッジの使用状態を示す平面図である。
【図11】 図10の側面図である。
【図12】 図10の一部を示す底面図である。
【図13】 第二実施形態における可動スロープの折り畳み状態(a)及び展開状態(b)を示す断面図である。
【図14】 第二実施形態におけるブラケットの平面図(a)、同ブラケットの底面図(b)、同ブラケットの側面図(c)及び同ブラケットの正面図(d)である。
【図15】 第二実施形態におけるリンクを示す斜視図である。
【符号の説明】
1 車椅子用ブリッジ
2 電車(対象物)
3 プラットホーム
4 扉案内レール(凸部)
5 床面(上部)
10 ブリッジパネル
11 丁番
12 ブリッジ半体
13 表面板
14 中空コア材
20 固定スロープ
30,30A 係止部材
31 爪部
33 フロントストッパ
34 リアストッパ
40 可動スロープ
41 枢支溝
44 ベルクランク
46 ブラケット
47 第1の枢支ピン
48 第2の枢支ピン
50,50A 留め具
50a 受け部材
50b 差込部材
51,52 ベルト
60 取手
70 滑り止め部
80 枠材
81 ガード壁
90 リンク
90a 長孔
90b 貫通孔
91 ブラケット
92 支持ピン
93 枢支ピン

Claims (5)

  1. 隙間や凹み等を形成する対象物に掛け渡されて、車椅子の走行を可能にする車椅子用ブリッジであって、
    一対の表面板と、これら表面板間に介在されるコア材とからなるブリッジパネルと、
    上記ブリッジパネルの両端側に突設される外方に向かって下り勾配をなす固定スロープと、
    上記ブリッジパネルの一端側に突設されて上記対象物に設けられた凸部に係止する係止部材と、
    上記ブリッジパネルの一端側の上記固定スロープに、一端部が高さ調整可能に装着され、他端部が上記乗物の床面に載置可能な可動スロープと、を具備してなり、
    上記可動スロープの一端部と固定スロープの下面部とを、それぞれに対して回転可能に枢着されるベルクランクを介して連結してなる、ことを特徴とする車椅子用ブリッジ。
  2. 隙間や凹み等を形成する対象物に掛け渡されて、車椅子の走行を可能にする車椅子用ブリッジであって、
    一対の表面板と、これら表面板間に介在されるコア材とからなるブリッジパネルと、
    上記ブリッジパネルの両端側に突設される外方に向かって下り勾配をなす固定スロープと、
    上記ブリッジパネルの一端側に突設されて上記対象物に設けられた凸部に係止する係止部材と、
    上記ブリッジパネルの一端側の上記固定スロープに、一端部が高さ調整可能に装着され、他端部が上記乗物の床面に載置可能な可動スロープと、を具備してなり、
    上記可動スロープに対して回転可能に枢着され、固定スロープに対して高さ方向に移動可能に装着されるリンクを介して、可動スロープと固定スロープを高さ調整可能に連結してなる、ことを特徴とする車椅子用ブリッジ。
  3. 請求項1又は2記載の車椅子用ブリッジにおいて、
    上記ブリッジパネルの表面に、滑り止め部を形成してなることを特徴とする車椅子用ブリッジ。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の車椅子用ブリッジにおいて、
    上記ブリッジパネルの両側辺に、頂部に断面円弧状の膨隆頭部を有するガード壁を立設してなることを特徴とする車椅子用ブリッジ。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載の車椅子用ブリッジにおいて、
    上記ブリッジパネルを、丁番を介して折り畳み可能なそれぞれが対象物に掛け渡される一対の矩形状のブリッジ半体にて形成し、
    上記両ブリッジ半体の自由端側に、ブリッジ半体を折り畳み状態に保持する留め具を設け、
    上記ブリッジ半体の側部に、運搬用の取手を装着してなる、ことを特徴とする車椅子用ブリッジ。
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